JP3962660B2 - 農作業機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業機本体の端部に延長作業体を展開状態および折畳状態に切換え可能に設けた折畳式の農作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の折畳式の農作業機としては、例えば図6に示す構成の農作業機が提案されている(特願2002−215610号)。
【0003】
この図6に示す農作業機は、耕耘整地作業をする作業機本体1と、この作業機本体1の端部に展開状態および折畳状態に切換え可能に設けられた延長作業体2とを具備している。
【0004】
この延長作業体2は、カバー機能をもった延長機枠3と、延長機枠3に回転可能に設けられた延長耕耘体4と、延長機枠3の後端部に上下回動可能に設けられた第1の延長整地体6と、第1の延長整地体6の後端部に上下回動可能に設けられた第2の延長整地体7と、延長機枠3と第2の延長整地体7とを連結する連結体8とを備えている。
【0005】
そして、作業機本体1の機枠9の外端部には、作業機本体1のみで適切な作業ができるように、連結体8を下方から当接支持して第1の延長整地体6の垂下および第2の延長整地体7の垂下を防止する垂下防止用の当接支持体10が固定的に突設されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような農作業機では、図7に示すように、延長作業体2の切換えの際に、その途中で一旦、第2の延長整地体7が第1の延長整地体6に対して自重で大きく下方回動するため、騒音が発生しやすいという問題がある。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、騒音の発生を抑制できる農作業機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の農作業機は、耕耘整地作業をする作業機本体と、この作業機本体の端部に展開状態および折畳状態に切換え可能に設けられた延長作業体とを具備した折畳式の農作業機であって、前記延長作業体は、延長機枠と、この延長機枠に回転可能に設けられた延長耕耘体と、前記延長機枠の後端部に上下回動可能に設けられた第1の延長整地体と、この第1の延長整地体の後端部に上下回動可能に設けられた第2の延長整地体と、前記延長機枠と前記第2の延長整地体とを連結する連結体と、前記延長機枠に設けられ、前記連結体を当接支持して前記第1の延長整地体の垂下および前記第2の延長整地体の垂下を防止する垂下防止用の当接支持体とを備えており、前記延長作業体の切換えの際には、その途中で前記第2の延長整地体が前記第1の延長整地体に対して自重で下方回動しないように、前記当接支持体にて前記連結体が当接支持されるものである。
【0009】
そして、延長作業体の切換えの際には、その途中で第2の延長整地体が第1の延長整地体に対して自重で下方回動しないように、当接支持体にて連結体が当接支持されるため、騒音の発生が抑制される。
【0010】
請求項2記載の農作業機は、請求項1記載の農作業機において、当接支持体は、延長機枠の内端部に回動可能に設けられ、延長作業体の折畳状態への切換え途中において、作業機本体の当接部からの離反により付勢手段の付勢力に基づいて一方向に回動して連結体を当接支持するとともに、前記延長作業体の展開状態への切換え途中において、前記作業機本体の前記当接部との当接により前記付勢手段の付勢力に抗して他方向に回動して前記連結体から離れるものである。
【0011】
そして、当接支持体は、延長作業体の折畳状態への切換え途中において、作業機本体の当接部からの離反により付勢手段の付勢力に基づいて一方向に回動して連結体を当接支持するとともに、延長作業体の展開状態への切換え途中において、作業機本体の当接部との当接により付勢手段の付勢力に抗して他方向に回動して連結体から離れるため、簡単な構成で、騒音の発生が抑制される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の農作業機の一実施の形態の構成を図面を参照して説明する。
【0013】
図1および図2において、11は農作業機で、この農作業機11は、例えば走行車であるトラクタ(図示せず)の後部に作業機昇降支持装置である3点リンク機構を介して昇降可能に装着されて使用される折畳み式の代掻き機等で、トラクタの牽引により水田等の圃場を前方(進行方向)に移動しながら代掻作業等を行うものである。
【0014】
この農作業機11は、例えば左右方向に細長い3分割式のもので、耕耘整地作業をする中央の作業機本体13と、この作業機本体13の両端部に展開状態および折畳状態に切換え可能に設けられ耕耘整地作業をする左右一対の延長作業体14,14とを具備している。
【0015】
これら両延長作業体14,14は、左右対称のもので、それぞれ例えば略前後方向の回動中心軸15を中心とする上方回動(例えば約150°)により、上斜め後方側に折畳可能となっている。なお、中央の作業機本体13の入力軸16の軸線に直交する線と回動中心軸15の軸線とがなす角度は、例えば35〜45°の角度に設定されている。
【0016】
また、図示しないが、中央の作業機本体13の両端部には、折畳前の水平状の展開状態(使用状態)にある延長作業体14を作業機本体13に対して解除可能に固定する展開状態固定手段が設けられているとともに、折畳後の折畳状態(不使用状態)にある延長作業体14を作業機本体13に対して解除可能に固定する折畳状態固定手段が設けられている。
【0017】
ここで、中央の作業機本体13は、トラクタの後部に3点リンク機構を介して昇降可能に装着される機枠21を備えている。
【0018】
この機枠21には、トラクタ側からの動力を入力する前後方向の入力軸16が回転可能に設けられているとともに、この入力軸16側から動力を受けて回転しながら耕耘作業をするロータリ式の耕耘体(ロータリ)23が回転可能に設けられている。この耕耘体23の上方は機枠21のカバー部にて覆われており、この機枠21は、耕耘体23に対するカバー機能を兼ね備えている。
【0019】
また、このカバー機能をもった機枠21の後端部には、略板状の第1の整地体(均平板)24がゴム板25を介して上下回動可能に設けられている。なお、図示しないが、弾性板であるゴム板25を用いずに、機枠21の後端部に第1の整地体24を直接的に設けてもよい。
【0020】
さらに、この第1の整地体24の後端部には、略板状の第2の整地体(レーキ)26が左右方向の回動軸27を介して上下回動可能に設けられている。
【0021】
一方、左右の各延長作業体14は、中央の機枠21の外端部に回動中心軸15を介して上下回動可能に設けられた延長機枠31を備えている。
【0022】
この延長機枠31には、耕耘体23側から動力を受けて回転しながら耕耘体23の作業幅を延長して耕耘作業をするロータリ式の延長耕耘体(延長ロータリ)33が回転可能に設けられている。この延長耕耘体33の上方は延長機枠31のカバー部にて覆われており、この延長機枠31は、延長耕耘体33に対するカバー機能を兼ね備えている。
【0023】
また、このカバー機能をもった延長機枠31の後端部には、第1の整地体24の作業幅を延長する略板状の第1の延長整地体(延長均平板)34が左右方向の回動軸35を介して上下回動可能に設けられている。
【0024】
さらに、この第1の延長整地体34の後端部には、第2の整地体26の作業幅を延長する略板状の第2の延長整地体(延長レーキ)36が左右方向の回動軸37を介して上下回動可能に設けられている。
【0025】
また、延長機枠31の内端部と第2の延長整地体36の内端部とが、連繋機構である連結体41にて互いに連結されている。
【0026】
この連結体41は、例えば断面略コ字状の第1連結アーム43を有し、この第1連結アーム43の前端部(一端部)が、延長機枠31の内端側の側板部31aに左右方向の第1支軸51を介して回動可能に連結されている。この第1連結アーム43の後端部(他端部)には、第2連結アーム44の前端部(一端部)が左右方向の第2支軸52を介して回動可能に連結されている。この第2連結アーム44の後端部(他端部)が、第2の延長整地体36の内端部に左右方向の第3支軸53を介して回動可能に連結されている。
【0027】
さらに、図3および図4に示すように、延長作業体14の延長機枠31の内端部には、すなわち例えば延長機枠31の内端側の側板部31aの支持枠55には、延長作業体14の折畳状態時には連結体41の第1連結アーム43を下方から当接支持して第1の延長整地体34の自重垂下および第2の延長整地体36の自重垂下を防止する垂下防止用の回動規制体である当接支持体56が、回動中心軸15と略平行な回動軸57を介して回動可能に設けられている。
【0028】
そして、この延長機枠31の内端部に位置して第1連結アーム43に対して接離する当接支持体56は、延長作業体14の展開状態および折畳状態への切換えの際に、その途中で少なくとも第2の延長整地体36が第1の延長整地体34に対して自重で下方回動しないように、連結体41の第1連結アーム43の中間部を下方から当接支持するようになっている。
【0029】
すなわち、この当接支持体56は、延長作業体14の折畳状態への切換え途中において、支点越えする前の段階である初期段階(例えば延長作業体14が約30°上方回動した段階)で、作業機本体13の機枠21の外端側の当接部61から離反し、ばね等の付勢手段であるねじりばね62の付勢力に基づいて一方向に回動して連結体41の第1連結アーム43の中間部を下方から当接支持する。
【0030】
このため、延長作業体14の折畳状態への切換えの際において、最初から最後まで、第1の延長整地体34に対する第2の延長整地体36の姿勢は略一定に保持される。
【0031】
また、この当接支持体56は、延長作業体14の展開状態への切換え途中において、作業機本体13の機枠21の当接部61と当接すると、この当接部61にて押動されるようにして、ねじりばね62の付勢力に抗して他方向に回動して連結体41の第1連結アーム43の中間部から離れる。
【0032】
このため、当接支持体56が作業機本体13の機枠21の当接部61に当接して回動するまでは、連結体41の第1連結アーム43の中間部が当接支持体56にて当接支持されているので、延長作業体14の展開状態への切換えの際において、最初から最後まで、第1の延長整地体34に対する第2の延長整地体36の姿勢は略一定に保持される。
【0033】
なお、ねじりばね62は、当接支持体56を一方向に回動させる方向に常時付勢するもので、略全体が回動軸57の外周に配置され、その一端部が支持枠55に係止され、その他端部が当接支持体56に係止されている。
【0034】
また、当接支持体56は、例えば金属等にて一体に略板状に形成されたもので、一側部に連結体41の第1連結アーム43の中間部に対して接離自在の第1当接部56aが略L字状に形成され、他側部に機枠21の当接部61に接離自在の第2当接部56bが略円弧状に形成されている。
【0035】
なお、図5に示されるように、第2の延長整地体36には、第1の延長整地体34との当接により第2の延長整地体36が必要以上に回動するのを規制するストッパ部65が形成されている。
【0036】
次に、上記一実施の形態の動作等を説明する。
【0037】
中央の作業機本体13と左右両側の延長作業体14とを使用して代掻作業をする場合、延長作業体14が折畳状態になっていれば、その延長作業体14を展開状態に切り換える。
【0038】
延長作業体14を回動中心軸15を中心に展開方向に回動させると、当接支持体56は、第1当接部56aで第1連結アーム43を当接支持した状態である図3に示す当接支持状態から、図4に示す非接触状態に自動的に切り換わる。
【0039】
すなわち、当接支持体56は、延長作業体14の展開状態への切換え途中において、第2当接部56bが作業機本体13の機枠21の当接部61と当接すると、この当接部61にて押動されるようにしてねじりばね62の付勢力に抗して回動し、第1当接部56aが連結体41の第1連結アーム43の中間部から離れる。
【0040】
この延長作業体14の展開状態への切換えの際、その途中で第2の延長整地体36が第1の延長整地体34に対して自重で下方回動するようなことはなく、最初から最後まで第1の延長整地体34に対する第2の延長整地体36の姿勢は略一定に保持され、第2の延長整地体36のストッパ部65と第1の延長整地体34との当接状態が維持される。
【0041】
また、中央の作業機本体13のみを使用して代掻作業をする場合等には、延長作業体14が展開状態になっていれば、その延長作業体14を折畳状態に切り換える。
【0042】
延長作業体14を回動中心軸15を中心に折畳方向に回動させると、当接支持体56は、第2当接部56bが機枠21の当接部61と当接した状態である図4に示す非接触状態から、図3に示す当接支持状態に自動的に切り換わる。
【0043】
すなわち、当接支持体56は、延長作業体14の折畳状態への切換え途中において、初期段階で作業機本体13の機枠21の当接部61から離反してねじりばね62の付勢力にて回動して、連結体41の第1連結アーム43の中間部を下方から当接支持する。
【0044】
この延長作業体14の折畳状態への切換えの際、その途中で第2の延長整地体36が第1の延長整地体34に対して自重で下方回動するようなことはなく、最初から最後まで第1の延長整地体34に対する第2の延長整地体36の姿勢は略一定に保持され、第2の延長整地体36のストッパ部65と第1の延長整地体34との当接状態が維持される。
【0045】
そして、延長作業体14が折畳状態にある場合には、図5の実線で示すように、連結体41の第1連結アーム43が当接支持体56にて下方から当接支持されているため、第1の延長整地体34の自重垂下と第2の延長整地体36の自重垂下とが防止つまり下方回動が規制され、その結果、折畳状態の延長作業体14と中央の作業機本体13との間に所望の空間が確保され、中央の作業機本体13のみによる適切な代掻作業が可能となる。
【0046】
なお、当接支持体56は、連結体41を介して、第1の延長整地体34および第2の延長整地体36を当接支持するものであるから、延長作業体14の折畳状態時に、第1の延長整地体34等は図5の2点鎖線で示す状態となりうる。
【0047】
このようにして、上記一実施の形態の農作業機11によれば、延長作業体14の折畳状態への切換えの際および展開状態への切換えの際には、いずれの際にも、その回動途中で第2の延長整地体36が第1の延長整地体34に対して自重で下方回動しないように、当接支持体56にて連結体41が当接支持されるため、従来とは異なり、その回動途中で第2の延長整地体36が自重で大きく下方回動せず、騒音の発生を抑制できる。例えば、第2の延長整地体36のストッパ部65が第1の延長整地体34に衝突して、騒音となる衝突音が発生するようなことを適切に防止できる。
【0048】
また、この当接支持体56は、延長機枠31の内端部に回動可能に設け、延長作業体14の折畳状態への切換え途中において、作業機本体13の当接部61からの離反によりねじりばね62の付勢力に基づいて一方向に回動して連結体41を当接支持するとともに、延長作業体14の展開状態への切換え途中において、作業機本体13の当接部61との当接によりねじりばね62の付勢力に抗して他方向に回動して連結体41から離れるため、簡単な構成で、騒音の発生を確実に抑制できる。
【0049】
なお、農作業機11は、耕耘整地作業をする作業機本体13の片側の端部のみに展開状態および折畳状態に切換え可能な延長作業体14を設けたものでもよい。
【0050】
また、延長作業体14は、第1の延長整地体34の後端部に第2の延長整地体36を上下回動可能に直接的に設けたものには限定されず、例えば、図示しないが、第2の延長整地体36をゴム板等の弾性板を介して上下回動可能に間接的に設けたものでもよい。
【0051】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、延長作業体の切換えの際には、その途中で第2の延長整地体が第1の延長整地体に対して自重で下方回動しないように、当接支持体にて連結体が当接支持されるため、騒音の発生を抑制できる。
【0052】
請求項2の発明によれば、当接支持体は、延長作業体の折畳状態への切換え途中において、作業機本体の当接部からの離反により付勢手段の付勢力に基づいて一方向に回動して連結体を当接支持するとともに、延長作業体の展開状態への切換え途中において、作業機本体の当接部との当接により付勢手段の付勢力に抗して他方向に回動して連結体から離れるため、簡単な構成で、騒音の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の農作業機の一実施の形態を示す平面図である。
【図2】同上農作業機の側面図である。
【図3】同上農作業機の当接支持体の図2のA矢視図である。
【図4】同上農作業機の延長作業体の展開状態時における当接支持体の図である。
【図5】同上農作業機の延長作業体を示す説明図である。
【図6】従来の農作業機を示す図である。
【図7】従来の農作業機の延長作業体を示す説明図である。
【符号の説明】
11 農作業機
13 作業機本体
14 延長作業体
31 延長機枠
33 延長耕耘体
34 第1の延長整地体
36 第2の延長整地体
41 連結体
56 当接支持体
61 当接部
62 付勢手段であるねじりばね

Claims (2)

  1. 耕耘整地作業をする作業機本体と、この作業機本体の端部に展開状態および折畳状態に切換え可能に設けられた延長作業体とを具備した折畳式の農作業機であって、
    前記延長作業体は、
    延長機枠と、
    この延長機枠に回転可能に設けられた延長耕耘体と、
    前記延長機枠の後端部に上下回動可能に設けられた第1の延長整地体と、
    この第1の延長整地体の後端部に上下回動可能に設けられた第2の延長整地体と、
    前記延長機枠と前記第2の延長整地体とを連結する連結体と、
    前記延長機枠に設けられ、前記連結体を当接支持して前記第1の延長整地体の垂下および前記第2の延長整地体の垂下を防止する垂下防止用の当接支持体とを備えており、
    前記延長作業体の切換えの際には、その途中で前記第2の延長整地体が前記第1の延長整地体に対して自重で下方回動しないように、前記当接支持体にて前記連結体が当接支持される
    ことを特徴とする農作業機。
  2. 当接支持体は、延長機枠の内端部に回動可能に設けられ、延長作業体の折畳状態への切換え途中において、作業機本体の当接部からの離反により付勢手段の付勢力に基づいて一方向に回動して連結体を当接支持するとともに、前記延長作業体の展開状態への切換え途中において、前記作業機本体の前記当接部との当接により前記付勢手段の付勢力に抗して他方向に回動して前記連結体から離れる
    ことを特徴とする請求項1記載の農作業機。
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