JP3962002B2 - 薪割および竹割兼用機 - Google Patents

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本発明は、薪と竹を割ることができる機械に関する。
本願出願人による薪割機が公知である。すなわち、特許文献1には、原木の一端面を固定するために鋭角上に突出した受け爪が設けられた固定部と、この固定部に対向して設けられたアクチュエータと、このアクチュエータのロッドに着脱自在に取付けられていて刃先部が凹凸状に形成されている薪割刃と、アクチュエータの伸長及び収縮時に薪割刃を振れないように案内するガイドとを具備し、アクチュエータを伸長したときに先ず凹凸状の刃先部が原木に突き当たる構成にしたことを特徴とする薪割機が示されている。
また、竹割機に関しても、本願出願人によるものが公知である。すなわち、特許文献2には、中節のある長い竹を支持する竹支持部と、その竹を押して所定の方向に移動させるための油圧又は空圧シリンダを設け、竹の移動方向に刃物取付部を設け、刃物取付部に取付けられた刃物によって、油圧又は空圧シリンダの力で竹支持部に沿って移動してきた竹を自動的に割り、かつ、割り終えた竹を収束する役割と竹が割れる際に竹が飛び散るのを防止する役割をする収束部材が設けられていることを特徴とする竹割機が示されている。
特公平2−48401号公報 特許第3042843号公報
しかしながら、薪割機と竹割機では、加工目的が根本的に異なる。すなわち、薪割機は、一般に割るのが困難な薪を確実に二つ割にするのを主目的とするが、竹割機は、比較的割るのが容易な竹を四つ割、六つ割等にするのを主目的とする。従って従来は、薪割機と竹割機の両方を1つの機械で兼ねるのは困難であると思われていた。
しかしながら、コスト、利便性、設置スペース等の観点から、薪割機と竹割機の両方の機能を備えた機械の需要は高い。
そこで本発明は、薪割と竹割の両方の機能を兼ね備えた薪割および竹割兼用機を提供することを目的とする。
本発明の解決手段を例示すると、以下のとおりである。
(1) 薪および竹を選択的に載置するための作業台(16)と、作業台(16)の一端に設けたアクチュエータ(14)と、作業台(16)の他端に設けたアタッチメント取付部(18)とを備えており、アクチュエータ(14)のロッド(30)に薪割刃(32)と竹押し部材(36)を選択的に装着し、アタッチメント取付部(18)にアタッチメント(42、44)を取付け、アタッチメント(42、44)が、薪割刃(32)のためのストッパ(42)と竹押し部材(36)のための刃物(44)から選択可能に構成されている薪割および竹割兼用機。
(2) アタッチメント取付部(18)が、ロッド(30)の進行方向(X)の延長線上に設けられていて、アタッチメント(42、44)がロッド(30)に対向して配置されることを特徴とする前述の薪割および竹割兼用機。
(3) アタッチメント取付部(18)が、ロッド(30)の進行方向(X)と実質的に垂直方向に延びる穴(40)からなり、アタッチメント(42、44)が、穴(40)の形状に対応する支持部(42a、44a)を有することを特徴とする前述の薪割および竹割兼用機。
(4) 竹押し部材(36)が、薪割刃(32)を保持するための保持部(36a)と、ロッド(30)の進行方向(X)に対して実質的に垂直な押圧面(36b)からなり、竹押し部材(36)が薪割刃(32)を介してロッド(30)に装着可能に構成されていることを特徴とする前述の薪割および竹割兼用機。
本発明によれば、1つの機械で薪割と竹割の両方を行うことができる。薪割刃のためのストッパと竹押し部材のための刃物をアタッチメント式で構成したので、作業変更段取りが簡単になる。薪割機や竹割機などの専用機に比べて総重量が増加しても、市販の油圧ジャッキを使用することにより各作業状態を作ることが出来るので、フォークリフト・クレーン車等を使用する必要が無く、作業者への負担が少ない。
アタッチメント取付部をロッドの進行方向の延長線上に設け、アタッチメントを、ロッドに対向して配置すれば、薪割や竹割をより確実に行うことができる。
アタッチメント取付部をロッドの進行方向と実質的に垂直方向に延びる穴で構成し、アタッチメントを穴の形状に対応した支持部で構成すれば、アタッチメントの取付けを容易かつ確実にでき、アタッチメントの取付強度を向上できる。
竹押し部材を、薪割刃を保持する保持部と、ロッドの進行方向に対して実質的に垂直な押圧面で構成し、竹押し部材を薪割刃を介してロッドに装着可能に構成すれば、ロッドに薪割刃を装着した状態で、竹押し部材を容易に装着できる。
本発明の典型例は、薪や竹を載置するための作業台と、作業台の一端に設けたアクチュエータと、作業台の他端に設けたアタッチメント取付部とを設け、アクチュエータの共通のロッドに薪割刃と竹押し部材を選択的に装着可能にし、アタッチメント取付部にアタッチメントを取付可能にし、アタッチメントが、薪割刃のためのストッパと竹押し部材のための刃物から選択的に構成される薪割および竹割兼用機である。以下に示す実施例においては、竹押し部材が薪割刃を介してロッドに装着可能に構成されているが、薪割刃を介さない構成にしても良い。すなわち、共通のロッドに着脱自在に竹押し部材を直接装着可能に構成しても良い。
アタッチメント取付部をロッドの進行方向の延長線上に設け、アタッチメントをロッドに対向して配置するのが好ましい。
アタッチメント取付部をロッドの進行方向と実質的に垂直方向に延びる穴で構成し、アタッチメントを穴の形状に対応した支持部を有する構成にするのが好ましい。アタッチメント取付部を作業台の他端に設けた溝等で構成し、この溝にアタッチメントを取付ける構成にしても良い。アタッチメント取付部とアタッチメントをボルト等で直接固定しても良い。
竹押し部材が、薪割刃を保持する保持部と、ロッドの進行方向に対して垂直な押圧面からなるのが良い。竹押し部材をロッドに直接装着可能に構成しても良い。
実施例において、アクチュエータの駆動にはエンジンを用いているが、他の駆動機構を用いることもできる。
以下、本発明の実施例を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明による薪割および竹割兼用機の一例を示す。図2は、薪割刃付近の一例を示す。図3は、薪割刃に竹押し部材を取付けた状態の一例を示す。図4は、図3の状態を別方向から見た図である。
薪割および竹割兼用機10は、基台12を有する。この基台12には、アクチュエータ14、作業台16、及びアタッチメント取付部18等が載置されている。図示された実施例においては、この作業台16は、モノレール型の台になっている。
アクチュエータ14は、シリンダ20、エンジン22、ポンプユニット23、ポンプユニットコントローラー24、スイッチレバー26、及びリターン装置28等からなる。
基台12の一端には、エンジン22が配置されている。エンジン22は、ポンプユニット23に接続されている。ポンプユニット23は、シリンダ20とコントローラー24に接続されている。コントローラー24は、スイッチレバー26に接続されている。スイッチレバー26を引くと、信号がポンプユニットコントローラー24に伝わり、ポンプユニットコントローラー24がポンプユニット23を操作する。こうしてシリンダ20のロッド30が移動するようになっている。
シリンダ20のロッド30の先には、薪割刃32が着脱自在に取付けられている。薪割刃32は、刃先を鉛直に配置した剛体部材で構成されている。薪割刃32の刃先部は凹凸状になっているので、原木に付きささり易く、そのため原木が刃先部で滑らず、たとえ木目が悪く、節の多い原木や叉木などの割れにくい原木であっても容易かつ確実に割り込むことができる。薪割刃32の側面には孔32aが設けてある。孔32aを用いて後述する竹押し部材36を薪割刃32に取付けることができる。
竹押し部材36は、薪割刃32を保持する保持部36aと、ロッド30の進行方向に対して垂直な押圧面36bからなる。保持部36aは、一端を共通にして2枚に分かれた板からなり、薪割刃32の刃面を挟むようになっている。保持部36aには薪割刃32の孔32aに対応する孔(図示省略)が設けられていて、この孔を用いてボルト38により竹押し部材36を薪割刃32に取付け可能である。押圧面36bは、竹を後述する刃物44に向けて押圧するのに用いられる。
リターン装置28は、スイッチレバー26を操作することにより、ロッド30をX方向に進行させ、薪や竹を割り終わったら自動的に元の位置で止まるようにする装置である。
図5は、アタッチメント取付け部付近の構成の一例を示す。
作業台16の他端には、アタッチメント取付け部18が設けられている。アタッチメント取付け部18は、ロッド20の進行方向延長線上に設けられていて、鉛直上方で開放した穴40を有する。穴40内には後述するアタッチメントを挿入可能である。穴40の側面には、ガタツキ防止用ボルト43が設けてある。ボルト43を穴40内に向けてねじ込むことにより、アタッチメントのガタツキを防止できる。
なお、図1に示すように、アタッチメント取付部18の更に矢印X方向前方には、収束部材19が着脱自在に取付けられている。収束部材19は、割り終えた竹を収束するためのものである。
図6と図7には、アタッチメントとして、ストッパ42と刃物44の一例が示されている。
図6は、薪割刃32のためのストッパ42の一例を示す。ストッパ42は、略矩形棒状の剛体部材からなる。ストッパ42の下方外周は、穴40の形状と対応した形状の支持部42aとして構成されていて、穴40に挿入可能である。ストッパ42は支持面42bを有する。支持面42bは、アタッチメント取付部18に取付けたときに、ロッド30に対向する面である。支持面42bには四角錐体の受け爪42cがすべり止めのために設けてある。受け爪42cを用いて支持面42bに薪を確実に取付ける。薪を受け爪42cに差し込むことにより、薪がすべって脱落するのを防止できるのである。
図7は、竹押し部材36のための刃物44の一例を示す。図8は、刃物44に節取りリング50を取付けた状態の一例を示している。なお、図8において、刃物44の下方部分は図示省略されている。
図7の刃物は、四つ割用の刃物44である。刃物44は、その中に4つの刃46を有している。刃物44の中心のリング取付部48には、錐台形の節取りリング50を取付けることができる。節取りリング50は、竹の大きさに合わせて適切な大きさのものに交換可能である。刃物44は、四つ割だけでなく、六つ割とすることもできる。
刃物44の下方は、支持部44aとして構成されている。支持部44aは、アタッチメント取付け部18の穴40に対応した形状を有している。支持部44aを穴40に差し込むことにより、刃物44をアタッチメント取付部18に装着可能である。
竹を割る際には、図8に示すような竹52の大きさにあった節取りリング50を取付ける。この竹52が、図1、3、及び4に示す竹押し部材36で押されて刃物44を通過する。竹52が刃物44を通過する際に、竹52の節54が節取りリング50により破られて節54を取ることができる。つまり、竹52を割り、かつ、節54を取ることができる。
本発明による薪割および竹割兼用機の使用方法の一例を説明する。
まず、竹割機としての使用方法の一例を説明する。
所定範囲の大きさの竹52を選別する。刃物44をアタッチメント取付部18に取付ける。竹押し部材36を薪割刃32に取付ける。竹52の大きさに合わせて、刃物44に適切な大きさの節取りリング50を取付ける。竹52の大きさに合わせて、作業台16の高さをガイド(図示省略)により調節する。竹52を作業台16に載せ、竹52の一端を節取りリング50に合わせる。
次に、スイッチレバー26を引く。これにより、ロッド30がX方向に移動して竹押し部材36が竹52を押す。竹押し部材36は、竹52に刃物44を通過させ竹52を割る。竹52を割るとともに、節取りリング50が竹52の中節を打ち破り中節を取る。
竹を割り、中節を取り終えると、竹押し部材36は、リターン装置28により自動的に元の位置に戻るようになっている。
次に、薪割機としての使用方法の一例を説明する。
所定範囲の大きさの薪を選別する。ストッパ42をアタッチメント取付部18に取付ける。ロッド30には薪割刃32だけを取付ける。薪の大きさに合わせて、作業台16の高さをガイド(図示省略)により調節する。薪を作業台16に載せ、薪の一端をストッパ42の支持面42bに設けた受け爪(図示省略)に差し込む。
次に、スイッチレバー26を引く。これにより、ロッド30がX方向に移動して薪割刃32が薪を押す。ストッパ42に押付けられた薪は、薪割刃32により割られる。
薪を割り終えると、薪割刃32は、リターン装置28により自動的に元の位置に戻るようになっている。
このように、本発明の薪割および竹割兼用機によれば、薪割と竹割を1つの機械で行うことができる。
なお、本発明は図示された実施例に限定されない。
本発明による薪割および竹割兼用機の一例を示す。 薪割刃付近の一例を示す。 薪割刃に竹押し部材を取付けた状態の一例を示す。 図3の状態を別方向から見た図を示す。 アタッチメント取付け部付近の構成の一例を示す。 薪割刃のためのストッパの一例を示す。 竹押し部材のための刃物の一例を示す。 節取りリングが取付けられた刃物の一例を示している。
符号の説明
10 薪割および竹割兼用機
12 基台
14 アクチュエータ
16 作業台
18 アタッチメント取付部
19 収束部材
20 シリンダ
22 エンジン
23 ポンプユニット
24 ポンプユニットコントローラー
26 スイッチレバー
28 リターン装置
30 ロッド
32 薪割刃
32a 孔
36 竹押し部材
36a 保持部
36b 押圧面
38 ボルト
40 穴
42 ストッパ
42a、44a 支持部
42b 支持面
42c 受け爪
43 ガタツキ防止用ボルト
44 刃物
46 刃
48 リング取付部
50 節取りリング
52 竹
54 節

Claims (4)

  1. 薪および竹を選択的に載置するための作業台(16)と、作業台(16)の一端に設けたアクチュエータ(14)と、作業台(16)の他端に設けたアタッチメント取付部(18)とを備えており、アクチュエータ(14)のロッド(30)に薪割刃(32)と竹押し部材(36)を選択的に装着し、アタッチメント取付部(18)にアタッチメント(42、44)を取付け、アタッチメント(42、44)が、薪割刃(32)のためのストッパ(42)と竹押し部材(36)のための刃物(44)から選択可能に構成されている薪割および竹割兼用機。
  2. アタッチメント取付部(18)が、ロッド(30)の進行方向(X)の延長線上に設けられていて、アタッチメント(42、44)がロッド(30)に対向して配置されることを特徴とする請求項1に記載の薪割および竹割兼用機。
  3. アタッチメント取付部(18)が、ロッド(30)の進行方向(X)と実質的に垂直方向に延びる穴(40)からなり、アタッチメント(42、44)が、穴(40)の形状に対応する支持部(42a、44a)を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の薪割および竹割兼用機。
  4. 竹押し部材(36)が、薪割刃(32)を保持するための保持部(36a)と、ロッド(30)の進行方向(X)に対して実質的に垂直な押圧面(36b)からなり、竹押し部材(36)が薪割刃(32)を介してロッド(30)に装着可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の薪割および竹割兼用機。

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