JP3961777B2 - 磁気センサー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は磁気センサーに関し、特に高密度HDD用磁気へッドに好適な磁気抵抗効果型磁気センサーに関する。
【0002】
【従来の技術】
磁性膜を用いた磁気抵抗効果素子は、磁気センサー、磁気ヘッドなどに用いられているとともに、磁気記録素子(磁気抵抗効果メモリー)などへの応用が提案されている。これらの磁気抵抗効果素子は、外部磁界に対する感度が大きいこと、応答スピードが早いことが要求されている。
【0003】
磁気抵抗効果は、磁性体に磁場を印加すると電気抵抗が変化する現象である。強磁性体を用いた磁気抵抗効果素子(MR素子)は、温度安定性に優れ、使用温度範囲が広いという特徴を有している。
【0004】
また、近年、2つの磁性金属層の間に一層の誘電体を挿入したサンドイッチ膜において、膜面に垂直に電流を流し、トンネル電流を利用した磁気抵抗効果素子、いわゆる強磁性トンネル接合素子(TMR素子)が見出されている。強磁性トンネル接合は、20%以上の磁気抵抗変化率が得られるようになったことから(J. Appl. Phys. 79,4724(1996) )、磁気ヘッドや磁気抵抗効果メモリへの応用の可能性が高まってきた。
【0005】
この強磁性トンネル接合は、薄い0.4nm〜2.0nm厚のAl層を強磁性電極上に成膜した後、表面を純酸素または酸素グロー放電、または酸素ラジカルに曝すことによって、AlOx からなるトンネルバリア層を形成している。
【0006】
この強磁性トンネル接合素子(強磁性1重トンネル接合)では、所望の出力電圧値を得るため強磁性トンネル接合素子に印加する電圧値を増やすと磁気抵抗変化率がかなり減少するという問題(Phys. Rev. Lett. 74,3273(1995))および、抵抗値が大きすぎるとショットノイズの影響で充分なS/N比が得られないこと、抵抗値を低くするためトンネルバリア層の厚さを薄くするとMRが小さくなってしまうことなどの問題があった。
【0007】
また、上記強磁性1重トンネル接合の片一方の強磁性層に反強磁性層を付与し、片方を磁化固定層とした構造を有する強磁性1重トンネル接合が提案されている(特開平10−4227)。しかし、この強磁性トンネル接合素子(強磁性1重トンネル接合)でも、同様の問題が存在する。
【0008】
また、誘電体中に分散した磁性粒子を介した強磁性トンネル接合、または、強磁性2重トンネル接合が提案されている(特願平9−260743、Phys. Rev. B56(10),R5747(1997)、応用磁気学会誌23,4-2,(1999)、APPI. Phys. Lett. 73(19) ,2829(1998))。これらにおいても、20%以上の磁気抵抗変化率が得られるようになったことから磁気へッドや磁気抵抗効果メモリへの応用の可能性がある。
【0009】
これら強磁性2重トンネル接合では、強磁性1重トンネル接合に比べて、バイアス電圧にともなうMR比の低下が少ないため、大きな出力が得られるという特徴を有している。しかし、バリア層が2層になるためS/N比に関しては強磁性1重トンネル接合と同様のまたはそれ以上の問題がある。
【0010】
これらを解決するために、トランジスタのゲート部に強磁性体電極を設けその上にトンネルバリアを作製し、そのトンネルバリアの上に電気的に並列に接続された第二、第三の強磁性体膜を設けた磁気抵抗効果素子が提案されている(特開平11−266043)。
【0011】
しかし、この素子においては、1重トンネル接合を用いているため、バイアス電圧にともなうMR比の低下が存在し、ゲートに十分な電圧差が印加できないとともに、トンネル接合のブレークダウン等の問題が生じる可能性がある。
【0012】
また、強磁性体をゲート電極に用いているため、この膜厚はエレクトロマイグレーション(EM)などの問題を防ぐにはある程度以上にはしなければならない。そのため、ゲート電極上に作製したトンネルバリアは、ゲート電極のエッジ上の部分において膜厚が不均一となり、エツジからのリーク電流が増大し、歩留まりが非常に悪くなる可能性がある。また、強磁性層をゲート配線に用いた場合、プロセス温度の上昇に伴いトランジスタの特性がばらつく問題もある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、磁気センサーに使用される強磁性トンネル接合素子では、所望の出力電圧値を得るため強磁性トンネル接合素子に印加する電圧値を増やすと磁気抵抗変化率がかなり減少する、あるいは磁気抵抗値が大きすぎるとショットノイズの影響で充分なS/N比が得られない、磁気抵抗値を低くするためトンネルバリア層の厚さを薄くするとMR比が小さくなってしまうなどの問題があった。
【0014】
このため、強磁性トンネル接合素子とトランジスタを組み合わせた磁気センサーが提案されているが、上記の強磁性トンネル接合素子の問題点が解決されておらず、また組み合わせ構造に起因する問題もある。
【0015】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、大容量HDD用に好適で信頼性の高い磁気抵抗効果型磁気センサーを提供することを課題としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の第1の磁気センサーは、接合を形成する第1導電型半導体領域と第2導電型半導体領域とを備えたダイオードと、前記ダイオードの前記第1導電型半導体領域上に形成された下地電極と、前記下地電極上に形成され、前記ダイオードのアノードあるいはカソードの一方を引き出す第1の電極端子と、前記第2導電型半導体領域上に形成され、前記ダイオードの前記アノードあるいはカソードの他方を引き出す第2の電極端子と、前記下地電極上に、少なくとも1層の反強磁性層と、少なくとも2層の強磁性層と、前記少なくとも2層の強磁性層に挟まれたトンネルバリア層とが積層されてなる強磁性トンネル接合素子と、前記強磁性トンネル接合素子の上に形成され、前記強磁性トンネル接合素子にバイアス電流を供給するための第3の電極端子とを具備することを特徴とする。
【0017】
本発明の第2の磁気センサーは、接合を形成する第1導電型半導体領域と第2導電型半導体領域とを備えるダイオードと、前記ダイオードの前記第1導電型半導体領域上に形成された下地電極と、前記下地電極上に形成され、前記ダイオードのアノードあるいはカソードの一方を引き出す第1の電極端子と、前記第2導電型半導体領域上に形成され、前記ダイオードの前記アノードあるいはカソードの他方を引き出す第2の電極端子と、前記下地電極上に、少なくとも1層の反強磁性層と、少なくとも2層の強磁性層と、前記少なくとも2層の強磁性層に挟まれたトンネルバリア層とが積層されてなる強磁性トンネル接合素子と、前記強磁性トンネル接合素子の上に形成され、前記強磁性トンネル接合素子にバイアス電流を供給するための第3の電極端子と、前記下地電極と前記強磁性トンネル接合素子との間、或いは前記第3の電極端子と前記強磁性トンネル接合素子との間に形成された抵抗層とを具備することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
参考例
図1は本発明の参考例に係る磁気抵抗効果型磁気センサーの原理を説明するための等価回路図である。図1(a)では、トンネル磁気抵抗素子(TMR素子)1の一端がMOSFET2のゲートに接続され、TMR素子1にはその他端から定電流iを流す。TMR素子1の他端を例えば接地電位とし、TMR素子の一端の電位(MOSFET2のゲート電位)がMOSFET2の閾値電圧以下であれば、MOSFET2は非導通であり、閾値電位以上になればMOSFET2は導通する。即ち、TMR素子1の僅かな抵抗変化をMOSFET2により増幅することができる。
【0022】
図1(b)は、TMR素子1に直列に調整用抵抗3を接続したもので、MOSFET2の閾値電圧近傍にゲート電圧の動作点を合わせるための調整を可能にした例である。
【0023】
図2は、本参考例に係る磁気抵抗効果素子10の摸式的な斜視図である。MOSFET2は半導体基板11に形成されたソース領域12、ドレイン領域13、ゲート絶縁膜16を介して形成されたゲートとしての下地電極20により構成されている。参照番号14,15は夫々ソース電極、ドレイン電極であり、18は下地電極20に接続されたゲート取り出し電極である。
【0024】
TMR素子1は下地電極20上にゲート引き出し電極18と隣接しかつ離隔して形成され、その上面には定電流を流し込むバイアス電極17が形成されている。また、図示はしていないが、TMR素子1と下地電極20或いはバイアス電極17との間にゲート電圧調整用の抵抗膜を備えることができる。
【0025】
図3は、TMR素子1の層構成を説明するための断面図である。半導体基板11には、ソース・ドレイン領域12,13が形成され、このソース・ドレイン領域12,13に挟まれた領域上にはゲート絶縁膜16を介して下地電極20が形成されている。下地電極20は、少なくともソース・ドレイン領域12,13に挟まれた半導体基板の領域上に形成されていることが望ましい。
【0026】
下地電極20の上面の1領域にはTMR素子1が形成されている。この例では、TMR素子1は、下地電極20上に抵抗調整膜25を介して順次形成された反強磁性層21、強磁性層(磁気固着層)22、トンネルバリア層23、強磁性層(記録層)24から構成されている。強磁性層24の上には、バイアス電極17が形成されている。抵抗調整膜25は下地電極20上に必ずしも形成する必要は無く、TMR素子1とバイアス電極17の間、或いはバイアス電極17につながる回路部に設けてもよい。或いは抵抗調整膜25を設けなくてもよい。
【0027】
下地電極20の他の領域には、ゲート引出し電極18が形成されている。ゲート引出し電極18は、TMR素子1の反強磁性層21、あるいは強磁性層22/反強磁性層21をゲート引出し電極18の下部まで延在させ、これらを介して接続するようにしてもよい。
【0028】
図3では、TMR素子1として、反強磁性層を磁気固着層側の1層だけとしたが、フリー層側の一部に、もう1層設けてもよい。また、図3では強磁性1重トンネル接合を示したが、図4に示すように、強磁性2重トンネル接合としてもよい。
【0029】
即ち、図4のTMR素子は、反強磁性層31/強磁性層(固着層)32/トンネルバリア層33/強磁性層(記録層)34/トンネルバリア層35/強磁性層(磁気固着層)36/反強磁性層37からなる強磁性2重トンネル接合構造を有する。
【0030】
また、上記の強磁性層の少なくとも1層を強磁性層/非磁性層/強磁性層の3層構造としても良い。図5は、図4の強磁性層32を強磁性層32−1/非磁性層38/強磁性層32−2とした例である。
【0031】
参考例では、図3に示したようにMOSFET2のゲート部に下地電極層を介して強磁性トンネル接合/抵抗調整膜の積層膜が配置されている。上記構造において、下地電極層は、磁性体の拡散が抑えられれば良く、Ti,Ta,Wまたはこれらの金属の酸化膜、または窒化膜などを用いることができる。これらを設けることによって、ゲート部に磁性体を付与しても、MOSFET2のゲート部形成後の300℃以上のアニールプロセスにおいて特性が変動することが無く、信頼性の高い磁気センサーを提供することができる。
【0032】
強磁性トンネル接合の記録層のスピンが媒体等の漏れ磁場により方向を変え、磁気固着層のスピンの方向との相対的な角度が変化するため、TMR素子1の磁気抵抗が変化する。この抵抗変化がMOSFET2のゲート電圧を変化させ、ソース・ドレイン間の電流が大きく変化する。このようにして、S/N比の大きい磁気センサーを提供することができる。
【0033】
図には示していないが、バルクハウゼンノイズを少なくするために、CoPtなどのハードバイアス層または、反強磁性層を強磁性トンネル接合の記録層の一部に付与することが好ましい。また、HDD用読み出しへッドとして用いる場合は、図3の上下にはNi−Feなどのシールド層を設けて、記録ヘッドとの磁気シールドとする。
【0034】
次に、具体例として図4のTMR素子を図3の磁気センサーに適用した例を説明する。強磁性トンネル接合は、強磁性2重トンネル接合構造、即ち反強磁性層31/強磁性層32/バリア層33/強磁性層34/バリア層35/強磁性層36/反強磁性層37として、Ir−Mn/Co70Fe30/AlOX/(Co70Fe3080Ni20/AlOx/Co70Fe30/Ir−Mnの積層体をMOSFET2のゲート部のWの窒化膜からなる下部電極20上に作製した。上記構造において、トンネルバリア層33、35は、金属Alを成膜後プラズマ酸化を行って作製した。
【0035】
上記の試料に関し、MOSFET2のドレイン・ソース間抵抗の相対値Rdの変化を図6に示す。図示のように、フリー層のスピンの方向に応じて、MR変化率は105 %オーダーもの大きな変化を示し、本例の有効性が確認された。
【0036】
第1の実施形態)
図7は本発明の第1の実施形態に係る磁気センサーの原理を説明するための等価回路図である。図7(a)では、トンネル磁気抵抗素子(TMR素子)1の一端がダイオード4のアノードに接続され、TMR素子1には定電流iを流す。TMR素子1の他端を例えば接地電位とし、TMR素子の一端の電位(ダイオード4のアノード電位)とダイオードのカソード電位の差がダイオード4の閾値電圧以下であれば、ダイオード4は非導通であり、閾値電圧以上になればダイオード4は導通する。即ち、TMR素子1の僅かな抵抗変化をダイオード4の順方向電流の立ち上がりカーブを利用して増幅することができる。
【0037】
図7(b)は、TMR素子1に直列に調整用抵抗3を接続したもので、ダイオード4の閾値電圧近傍に動作点を合わせるために調整を可能にした例である。
【0038】
図7ではTMR素子1の一端をダイオード4のアノード側に接続したが、カソード側に接続してもよい。即ち、TMR素子はダイオードの第1導電型半導体領域でも第2導電型半導体領域でも接続することができる。
【0039】
図8は、本発明の第1の実施形態に係る磁気センサー50の摸式的な斜視図である。ダイオード4は半導体基板51に形成されたアノード(p+)領域52、カソード(n+)領域53により構成されている。アノード(p+)領域52とカソード(n+)領域53は、その境界部でpn接合を形成している。参照番号54,55は、夫々カソード電極、アノード電極である。
【0040】
TMR素子1はアノード領域52上に下部電極57を介して、アノード電極55と離隔して形成され、その上面には定電流を流し込むバイアス電極56が形成されている。なお、図示はしていないが、TMR素子1と下地電極57或いはバイアス電極56との間に電圧調整用の抵抗膜を備えることができる。
【0041】
図9は、TMR素子1の層構成を説明するための断面図である。半導体基板51には、p型領域52とその中にn型領域53が形成され、p型領域52上には下地電極57が形成されている。
【0042】
下地電極57の上面の1領域には、前記参考例の図3に示されたと同じTMR素子1が形成されている。即ち、TMR素子1は、下地電極57上に抵抗調整膜25を介して順次形成された反強磁性層21、強磁性層(磁気固着層)22、トンネルバリア層23、強磁性層(記録層)24から構成されている。強磁性層24の上には、バイアス電極56が形成されている。抵抗調整膜25は下地電極57上に必ずしも形成する必要は無く、TMR素子1とバイアス電極56の間、或いはバイアス電極56につながる回路部に設けてもよい。或いは抵抗調整膜25を設けなくてもよい。
【0043】
下地電極57の他の領域には、アノード電極55が形成されている。アノード電極55は、TMR素子1の反強磁性層21、あるいは強磁性層22/反強磁性層21をアノード電極55の下部まで延在させ、これらを介して接続するようにしてもよい。
【0044】
図9では、TMR素子1として、反強磁性層を磁気固着層側の1層としたが、フリー層側の一部に、もう1層設けてもよい。また、図9では強磁性1重トンネル接合を示したが、図4または図5に示したような、強磁性2重トンネル接合としてもよい。
【0045】
第1の実施形態の変形例として、図10、図11に示すように構成しても良い。この変形例では、プラナー型のダイオードに代えて、アモルファスダイオード61を用いているところに特徴がある。即ち、カソード電極64の上にはアノード層62、カソード層63からなるアモルファスダイオード61が形成されている。アノード層62の上部には、下地電極67を介してTMR素子1とアノード電極65が離隔して形成されている。TMR素子1の上部にはバイアス電極66が形成されている。このように、アモルファスダイオードを使用すれば小型で安価な磁気センサーが実現できる。
【0046】
本実施形態では、図8または図10に示したように、ダイオードのアノード上に下地電極を介して強磁性トンネル接合または、強磁性トンネル接合/抵抗体層積層膜が配置されている。上記構造において、下地電極層は、磁性体の拡散が抑えられれば良く、Ti,Ta,W、あるいはこれらの酸化膜または窒化化膜などを用いることができる。これらを設けることによってダイオードの上面に磁性体を付与しても、プロセスの熱工程を経ても特性の変動が無く、信頼性の高い磁気センサーを提供することができる。
【0047】
ダイオードを用いる方が、MOSFETを用いる場合に比べて製造コストが安く安価な磁気センサを作製出来る。強磁性トンネル接合の記録(フリー)層のスピンが媒体等の漏れ磁場により方向を変え、磁気固着層のスピンの方向との相対的な角度が変化するため、磁気抵抗が変化する。この磁気抵抗変化をダイオードの閾値近傍の電圧変化としてダイオードに印加すれば、ダイオードに流れる電流が大きく変化し、S/N比の高い磁気センサーが提供できる。
【0048】
図には示していないが、バルクハウゼンノイズを少なくするために、CoPtなどのハードバイアス層または、反強磁性層を強磁性トンネル接合のフリー層の一部に付与することが好ましい。また、HDD用読み出しへッドとして用いる場合は、図8、図10の磁気センサーの上下にはNi−Feなどのシールド層を設けて、記録ヘッドとの磁気シールドとする。
【0049】
TMR素子1としては、前記参考例と同様に、図4、図5に示したスピンバルブ型強磁性2重接合構造を用いることが望ましい。
【0050】
次に、具体例として図4のTMR素子を図8の磁気センサーに適用した例を説明する。強磁性トンネル接合は、強磁性2重トンネル接合構造、即ち反強磁性層31/強磁性層32/バリア層33/強磁性層34/バリア層35/強磁性層36/反強磁性層37として、Pt−Mn/Co70Fe30/AlOX/Ni40(Co90Fe1060/AlOx/Co70Fe30/Pt−Mnの積層体をダイオード4のアノード上のTa層からなる下地電極57上に作製した。上記構造において、トンネルバリア層33、35は、金属Alを成膜後プラズマ酸化を行って作製した。
【0051】
上記の試料に関し、ダイオード4の順方向抵抗の相対値Rdの変化を図12に示す。図示のように、記録(フリー)層のスピンの方向に応じて、MR変化率は106 %オーダーもの大きな変化を示し、本特許の有効性が確認された。
【0052】
上記の第1の実施形態における強磁性トンネル接合としては、図4、図5に示したように反強磁性層を付与するいわゆるスピンバルブ型にすることが好ましい。
【0053】
また、上記磁気固着層(ピン層)は、(強磁性層/非磁性層/強磁性層)の3層構造で非磁性層を介して反強磁性結合をしているいわゆる反強磁性結合記録層を用いることができる。この3層構造をピン層として用いることにより、より強固にピン層のスピンを固着することができるため、何度かの読み出しによって磁気固定層の一部の磁気モーメントが回転してしまい出力が徐々に低下してしまうという問題が完全になくなること、反強磁性膜の膜厚を薄くでき加工精度が上がることなどのメリットがあり、ピン層からのバイアス磁場も減少するため、バイアスポイントのバラツキが減少する。
【0054】
また、磁気記録層(フリー層)も(強磁性層/非磁性層/強磁性層)の3層構造を用いることが好ましい。この場合、強磁性層間に強磁性層結合があることが好ましい。この構造を磁気フリー層に用いると、セル幅を小さくしても良好な感度が得られる。即ち、セル幅を小さくしても磁場応答を大きく保つことができる。強磁性結合の強さは弱い方が好ましく、弱いほど磁場応答が良好となる。
【0055】
また、第1の実施形態の場合、ピン層のスピンとフリー層のスピンは、上から見たときに略直交していることが望ましい。
【0056】
本発明の強磁性層の元素の種類には特に制限はなく、Fe、Co、Niまたはそれら合金、スピン分極率の大きいマグネタイト、CrO2、RXMnO3-y(R:希土類、X:Ca、Ba、Sr)などの酸化物の他NiMnSb、PtMnSbなどのホイスラー合金、Zn−Mn−O、Ti−Mn−O、CdMnP2、ZnMnP2などの磁性半導体を用いることができる。
【0057】
本発明の強磁性層の膜厚は超常磁性にならない程度の厚さが必要であり、0.4nm以上であることが好ましい。また、あまり厚いと磁場感度が小さくなり、漏れ磁場が大きくなってしまうため、3.0nm以下で有ることが好ましい。また、これら磁性体にはAg、Cu、Au、Al、Mg、Si、Bi、Ta、B、C、O、N、Pd、Pt、Zr、Ir、W、Mo、Nbなどの非磁性元素が多少含まれていても強磁性を失わないかぎり良い。
【0058】
反強磁性膜は、Fe−Mn、Pt−Mn、Pt−Cr−Mn、Ni−Mn、Ir−Mn、NiOなどを設けることができる。フリー層に強磁性層/非磁性層/強磁性層の3層膜を用いる場合、その非磁性層としては、Cu、Au、Ru、Ir、Rh、Agなどを用いることができる。
【0059】
誘電体または絶縁層としては、Al23、SiO2、MgO、AlN、AlON、GaO、Bi23、SrTiO2、AlLaO3 などの様々な誘電体を使用することができる。これらは、酸素、窒素欠損が多少存在していてもかまわない。
【0060】
誘電体層の厚さはTMR素子の接合面積に依存し、3nm以下であることが好ましい。基板上には、下地層,保護層として、Ta、Ti、W,Pt、Pd、Au、Ti/Pt、Ta/Pt、Ti/Pd、Ta/Pdなどを用いることが好ましい。
【0061】
このような磁気抵抗効果素子は、各種スパッタ法、蒸着法、分子線エピタキシャル法などの通常の薄膜形成装置を用いれば作製することができる。
【0062】
第2の実施形態)
第2の実施形態では、本発明の磁気センサーを磁気ヘッドに応用した例を説明する。
【0063】
図13は、本発明の磁気センサー50(60)を搭載した磁気ヘッドアセンブリの斜視図である。アクチュエータアーム101は、磁気ディスク装置内の固定軸に固定されるための穴が設けられ、図示しない駆動コイルを保持するボビン部等を有する。アクチュエータアーム101の一端にはサスペンション102が固定されている。サスペンション102の先端には信号の書き込み、および読み取り用のリード線104が配線され、このリード線104の一端はヘッドスライダ103に組み込まれた磁気センサー10の各電極に接続され、リード線104の他端は電極パッド105に接続されている。なお、磁気センサー50(60)は第1の実施形態のセンサーである
【0064】
図14は、図13に示す磁気ヘッドアセンブリを搭載した磁気ディスク装置(磁気再生装置)の内部構造を示す斜視図である。磁気ディスク111はスピンドル112に装着され、図示しない駆動装置制御部からの制御信号に応答する図示しないモータにより回転する。
【0065】
アクチュエータアーム101は固定軸113に固定され、サスペンション102およびその先端のヘッドスライダ103を支持している。磁気ディスク111が回転すると、ヘッドスライダ103の媒体対向面は磁気ディスク111の表面から所定量浮上した状態で保持され、情報の記録再生を行う。
【0066】
アクチュエータアーム101の基端にはリニアモータの一種であるボイスコイルモータ114が設けられている。ボイスコイルモータ114はアクチュエータアーム101のボビン部に巻き上げられた図示しない駆動コイルとこのコイルを挟み込むように対向して配置された永久磁石および対向ヨークからなる磁気回路とから構成されている。
【0067】
アクチュエータアーム101は、固定軸113の上下2箇所に設けられた図示しないボールベアリングによって支持され、ボイスコイルモータ114により回転摺動が自在にできるようになっている。
【0068】
上記のように本発明の磁気センサーを使用した磁気ヘッドあるいは磁気再生装置は、磁気センサーから高出力信号が得られるので、安定した動作と100Gbit/in2 以上の大容量化が可能になる。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、出力信号電圧が大きく信頼性の高い磁気センサーが得られるので、100Gbit/in2 以上の大容量磁気記録装置が実現できる。
【0070】
また、MOSFETを用いる場合、ゲート部は金属または金属酸化物からなるゲート電極(下地電極)を用いるので熱安定性が良く、ゲート電極上にそのエッジ部に懸かることなくTMR素子を作製するので、ゲートエッジからのリーク電流も抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例に係る磁気センサーの等価回路図。
【図2】 参考例に係る磁気センサーの摸式的な斜視図。
【図3】 参考例に係る磁気センサーの摸式的な断面図。
【図4】 他のTMR素子の層構成を示す断面図。
【図5】 更に他のTMR素子の層構成を示す断面図。
【図6】 図4の磁気センサーの出力信号特性を示す図。
【図7】 本発明の第1の実施形態に係る磁気センサーの等価回路図。
【図8】 第1の実施形態に係る磁気センサーの摸式的な斜視図。
【図9】 第1の実施形態に係る磁気センサーの摸式的な断面図。
【図10】 第1の実施形態の変形例に係る磁気センサーの摸式的な斜視図。
【図11】 第1の実施形態の変形例に係る磁気センサーの摸式的な断面図。
【図12】 第1の実施形態の磁気センサーの出力信号特性を示す図。
【図13】 本発明の第2の実施形態に係る磁気ヘッドの摸式的な斜視図。
【図14】 第2の実施形態の磁気ヘッドを搭載した磁気記録装置の摸式的斜視図。
【符号の説明】
1…TMR素子
2…MOSFET
3…調整抵抗
4…ダイオード
10、50、60…磁気センサー
11、51…半導体基板
12,13…ソース・ドレイン領域
14,15…ソース・ドレイン電極
16…ゲート絶縁膜
17、56,66…バイアス電極
18…ゲート引出し電極
20、57,67…下地電極
21、31,37…反強磁性層
22,24,32,32−1,32−2、34、36…強磁性層
23,33,35…トンネルバリア層
25…調整抵抗層
38…非磁性層
52、62…アノード層
53,63…カソード層
54、64…カソード電極
55、65…アノード電極

Claims (4)

  1. 接合を形成する第1導電型半導体領域と第2導電型半導体領域とを備えたダイオードと、
    前記ダイオードの前記第1導電型半導体領域上に形成された下地電極と、
    前記下地電極上に形成され、前記ダイオードのアノードあるいはカソードの一方を引き出す第1の電極端子と、
    前記第2導電半導体領域上に形成され、前記ダイオードの前記アノードあるいはカソードの他方を引き出す第2の電極端子と、
    前記下地電極上に、少なくとも1層の反強磁性層と、少なくとも2層の強磁性層と、前記少なくと2層の強磁性層に挟まれたトンネルバリア層とが積層されてなる強磁性トンネル接合素子と、
    前記強磁性トンネル接合素子の上に形成され、前記強磁性トンネル接合素子にバイアス電流を供給するための第3の電極端子と、
    を具備することを特徴とする磁気センサー。
  2. 接合を形成する第1導電半導体領域と第2導電半導体領域とを備えるダイオードと、
    前記ダイオードの前記第1導電半導体領域上に形成された下地電極と、
    前記下地電極上に形成され、前記ダイオードのアノードあるいはカソードの一方を引き出す第1の電極端子と、
    前記第2導電型半導体領域上に形成され、前記ダイオードの前記アノードあるいはカソードの他方を引き出す第2の電極端子と、
    前記下地電極上に、少なくとも1層の反強磁性層と、少なくとも2層の強磁性層と、前記少なくとも2層の強磁性層に挟まれたトンネルバリア層とが積層されてなる強磁性トンネル接合素子と、
    前記強磁性トンネル接合素子の上に形成され、前記強磁性トンネル接合素子にバイアス電流を供給するための第3の電極端子と、
    前記下地電極と前記強磁性トンネル接合素子との間、或いは前記第3の電極端子と前記強磁性トンネル接合素子との間に形成された抵抗層と、
    を具備することを特徴とする磁気センサー。
  3. 前記第1導電型半導体領域がp型半導体領域であり、前記第2導電型半導体領域がn型半導体領域であることを特徴とする請求項あるいは請求項に記載の磁気センサー。
  4. 前記少なくとも2層の強磁性層の内の少なくとも1層が、第の強磁性層と、その上に形成された非磁性金属層と、その上に形成された第の強磁性層とを含む積層膜により置換されたことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の磁気センサー。
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