JP3961163B2 - タイヤ検査装置及びタイヤ検査方法 - Google Patents

タイヤ検査装置及びタイヤ検査方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤ検査装置及びタイヤ検査方法に関し、特に、その内部の欠陥、不具合を検出するためのタイヤ検査装置及びタイヤ検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
タイヤは、部分トーラス面で囲まれる形状を有し、且つ、ゴム製の柔層と金属製の剛層により多層化された複雑な構造を有している。このような多層構造は、接地面側部分と側面側部分とで異なり、更に複雑である。このようなタイヤには、信頼性が高い検査が行われる必要がある。接地面側部分と側面側部分に共通して、特に、気密性の確保の点で重要な内膜の検査が重要である。内膜には、厚さに関する均一性、内部層との接着に関する良好性が要求される。中間層であるコード層と内面側層との接着が不十分であったり、膜内にボイドが発生したり、その膜厚が均一でなかったりした場合、タイヤ内表面に膨れが生じ、内表面からコードが観察される現象が現れる。均一性、良好性に関して、慎重な検査が行われている。
【0003】
従来の検査方法は、熟練検査員の官能検査による。検査員は、タイヤを回転させながら、内表面を指先で撫でることにより、局部的膨らみを調べる触覚検査、内表面の凹凸、模様の局部的変化、異なる模様の有無を肉眼で観察する視覚検査を行って、内表面部に現れる不具合を検査している。
【0004】
熟練検査員が、その能力を遺憾なく発揮することができる連続時間には限りがあり、最高の検査能力を発揮することができる持続時間は短い。検査精度を一定に保持するためには、多くの検査員が必要である。
【0005】
超音波診断、電気導通性診断のような慣用の物性検出方法、形状を検出する画像認識方法は、大域的に且つ局所的に複雑な構造に複雑に現れる不具合部を高信頼度で検出することが困難である。
【0006】
官能試験に代わる自動化された検査方法の確立が望まれる。検査員による最高の検査能力に匹敵する物理的検査方法の確立が望まれる。更に、タイヤの複雑な構造に適した検査方法の確立が望まれ、種別に関係しないで不具合を検出し、更には、その不具合の種別を判別することができ、更には、その検査・判別の高速化が望まれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、官能試験に代わる自動化されたタイヤ検査装置及びタイヤ検査方法を提供することにある。
本発明の他の課題は、官能試験に代わる物理的方法による自動化されたタイヤ検査装置及びタイヤ検査方法を提供することにある。
本発明の更に他の課題は、不具合の種別を分別してその存在を検出することができるタイヤ検査装置及びタイヤ検査方法を提供することにある。
本発明の更に他の課題は、官能試験に代わる物理的方法により自動化・高速化されたタイヤ検査装置及びタイヤ検査方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によるタイヤ検査装置は、被検査タイヤに対して温度変化検出装置を適正に位置づけるための走査機構と、その被検査タイヤに温度変化を発生させるための温度変化付与装置と、被検査タイヤの表面から放射される熱線を光学的に検出するための光学装置とからなる。温度変化は、物性の絶対値を厳密に知らせることはないが、物性差をよく反映させる物理的現象である。タイヤのような層構造の欠陥は、忠実に表面温度の相対的変化になって現れる。その表面の温度変化による表面温度分布から、内部欠陥の存否を明確に確認することができる。その存否、場所、広がりは相対差として知られればよく、温度の絶対的な測定は不要である。
【0009】
測定される被検査タイヤの表面は、内表面であることが好ましい。この場合、温度変化付与装置は、被検査タイヤの内表面の側に配置される。温度変化付与装置は、加熱装置又は冷却装置である。温度変化付与装置が被検査タイヤに対して部分的に加熱しながらその加熱位置が変化する場合は、温度変化が激しい時間帯の温度分布を検出することが望ましい。
【0010】
光学装置は、被検査タイヤの表面から放射される熱を部分的に検出する。この場合、温度変化を顕著にするためにその検出位置を走査することが有効である。検出位置の変化は連続的であることが好ましい。検出位置の走査は、タイヤを回転させないで軽い光学ミラーを回転させることの方が有利である。反射面が平面であるミラーとシリンドリカルレンズとの併用により、線状領域を同時的に測定することができ、反射面が円錐面であるミラーとシリンドリカルレンズとの併用により、円弧状領域を同時的に測定することができる。レンズの焦点位置の変更により円領域を同時的に測定することができる。同時的測定は、無走査測定を意味する。
【0011】
加熱方法としては、全体的(大域的)加熱が有効である。均一温度分布のタイヤの自然冷却により、温度変化が生じることにより生じる表面温度分布は、そのタイヤの内部構造をよく反映する。温度変化の発生を時間的に促進する強制冷却は、高速検査を促進する。積極的加熱は、必ずしも必要ではない。測定前に試験室の自然温度になっているタイヤは、自然加熱されているものとみなすことができる。この場合、積極的加熱、又は、積極的冷却は、温度変化付与とみなすことができる。
【0012】
加熱又は冷却は、積極的温度変化付与である。即ち、自然加熱と積極冷却の組合せ、自然冷却と積極加熱の組合せ、積極加熱と積極冷却の組合せは、積極的温度変化付与である。積極的温度変化付与は、大域的に、又は、局所的に行われる。大域的加熱・冷却と局所的加熱・冷却の組合せも自由に行うことができる。そのような組合せの中で、更に、加熱と冷却に時差を与えることができる。
【0013】
光学装置は、3次元走査機構により被検査タイヤの内表面の側に位置づけられる。光学的検出系とタイヤ内表面との相対的位置関係は、温度変化の検出精度、温度変化速度の点で重要である。タイヤの種類が変われば、その種類に対応する最適位置に、温度変化付与系、温度測定系(光学系)の座標位置が走査機構により変更される。
【0014】
光学装置は、これが被検査タイヤの中央位置から偏寄した位置に配置される場合、被検査タイヤの表面から放射される熱を部分的に検出しながら、その検出位置を変える。点状領域、線状領域、面状領域、全体領域の選択は、光学系の設定変更により可能である。光学装置は、球面レンズ、リニア・シリンドリカルレンズ、サーキュラー・シリンドリカルレンズから選択されるレンズと、平面状反射面鏡、円錐状反射面鏡から選択されるミラーとの組合せにより構成され、焦点位置の調整により、点状領域、線状領域、面状領域の選択が更に可能である。
【0015】
光学装置が被検査タイヤの中央位置に配置される場合には、被検査タイヤの表面から放射される熱を全面的に検出し、その検出位置は変化されない。光学装置は、受光装置と、被検査タイヤの内表面の熱線放射領域と受光装置との間に介設されるミラー装置とを備え、ミラー装置はその反射面を回転させる回転装置を具備することになる。
【0016】
本発明によるタイヤ検査方法は、内側層と熱伝導率がその内側層よりも高い外側層とから形成されるタイヤの検査方法であり、内側層に温度変化を生じさせるステップと、温度変化中の内側層の内表面から放射する熱線の熱線量を検出するためのステップとからなる。熱線量分布は、温度分布によい近似で対応する。温度の厳密な測定は不要である。温度差が現れる温度分布は、その絶対値はあいまいであるが、不都合部分の存在とその存在領域とを明白に教える。
【0017】
温度変化付与装置が被検査タイヤに対して部分的に加熱しながらその加熱位置が変化する場合は、温度変化が激しい時間帯の温度分布を検出することが望ましく、本発明によるタイヤ検査方法は、タイヤの表面の第1局所的領域を加熱するためのステップと、第1局所的領域から離れたタイヤ表面の第2局所的領域から放射される放射光を計測するためのステップと、第1局所領域の加熱の第1走査と第2局所領域の計測の第2走査を行うことによりタイヤの不具合を判定するためのステップとからなる。第1局所的領域と第2局所的領域との間の距離を適正に設定することにより、変化が激しい時間帯の温度の測定が厳正化される。空間的距離であるそのような距離は、走査速度の関数である。
【0018】
走査は連続的である。その連続は、デジタル化された運動を含む。両走査は、同期した走査速度で行われる。局所的加熱のための好適な手段は、レーザーである。レーザーと放射光が同一光軸上を光学的に通過するように光学系を構成することによりその光学系をシンプルにすることができる。光学系は、レンズ、プリズム、反射鏡、光ファイバー、フィルターにより形成される。
【0019】
両走査は2次元的に行われることが望ましい。2次元的走査の1次元分は、レーザーの光軸の回転により行われ、2次元的走査の他の1次元分はタイヤの回転により行われることが装置系の機構をシンプルにする。第1局所領域と第2局所領域の間の離隔距離は可変であることが好ましい。第2局所領域の計測による異なる2位置の計測値の差分がとられる。差分は、タイヤ固有の温度分布の影響を少なくすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図に一致対応して、本発明によるタイヤ検査装置の実施の形態は、制御装置が設けられている。制御装置6は、図1に示されるように、タイヤ設置テーブル1、温度変化付与装置2、温度変化検出装置3、走査機構4、信号処理装置5とともに設けられている。
【0021】
制御装置6は、タイヤ設置テーブル1に対しては電気・機械的に、温度変化付与装置2に対しては電気的に、温度変化検出装置3に対しては電気的に又は機械的に、走査機構4に対しは電気・機械的に、信号処理装置5に対しては電気的に、それぞれに接続している。タイヤ設置テーブル1には、被検査対象である1つの被検査タイヤ7が載置される。
【0022】
図2は、本発明によるタイヤ検査装置の実施の形態を示している。回転軸8が、タイヤ設置テーブル1に回転自在に支持されている。回転軸8は、制御装置6により制御されて、任意の回転速度で回転し、且つ、任意の回転位置で停止してその停止位置で固定され得る。回転軸8は、更に、タイヤ設置テーブル1に対して昇降可能である。回転軸8に、タイヤ設置台9が結合している。
【0023】
設置台9の上面に、移動台11が載置されている。移動台11は、1軸方向に移動可能である。移動台11の移動位置は、設置台9に支持されているボルト12により調整が可能である。タイヤ7は、移動台11に固定されている4体の回転自在なローラ13により移動台11上で位置固定がなされている。ローラ13は、それぞれに移動台11上で回転可能である。
【0024】
タイヤ7は、移動台11に対して回転可能である。タイヤ7の移動台11に対する回転位置は、自由に設定され得る。タイヤ設置テーブル1に、複数・支柱14が立ち上がっている。複数・支柱14の間に水平方向にX軸・Y軸走査用レール15が懸架されている。X軸・Y軸走査用レール15のX軸方向部分が、複数・支柱14の間に水平方向に懸架されている。
【0025】
走査機構4は、X軸方向に延びるX軸方向レール上で移動するX軸方向移動体と、そのX軸方向移動体に固定されY軸方向に延びるY軸方向レール上で移動するY軸方向移動体とから構成され、そのY軸方向移動体はX−Y平面上の任意の位置に移動しその移動位置で固定され得る慣用手段である。このような走査機構が、制御装置6により制御される。
【0026】
走査機構4には、鉛直方向に延びる支持腕16(後述するZ軸走査用レール)が固定されている。支持腕16は、走査機構4の既述のY軸方向移動体に支持され、そのY軸方向移動体に対してX−Y平面に直交する方向であるZ軸方向(鉛直方向)に昇降してその任意の昇降位置でY軸方向移動体に固定され得る。
【0027】
支持腕16の下端部に温度変化付与装置2と温度変化検出装置3とが固定されて設けられている。走査機構4により位置制御される支持腕16の3次元的位置制御により、温度変化付与装置2と温度変化検出装置3は、被検査タイヤ7に対する好ましい位置関係を調整自在に保持することができる。
【0028】
降下位置の回転軸8に支持される移動台11の上面に被検査タイヤ7をローラ13により固定し、回転軸8を上昇させ、更に、走査機構4により支持腕16を2次元的に走査して、温度変化付与装置2と温度変化検出装置3を被検査タイヤ7の中心領域に位置づける。走査機構4は、温度変化検出装置3が被検査タイヤ7の内側表面に対する距離、それに向かう方向を調整することができる。
【0029】
温度変化付与装置2により被検査タイヤ7の内側表面部分を局所的に加熱して、その内側表面部分の温度を変化させる。温度変化付与装置2に近接する温度変化検出装置3は、そのように局所的に温度変化しながら回転する内側表面部分の温度及びその温度変化を検出する。
【0030】
このように検出されたその内側表面部分の温度は、温度変化検出装置3に属する信号変換器により電気信号に変換されて信号処理装置5に伝達される。信号処理装置5は、受信したその電気信号の変化から温度変化に対応する温度変化データである温度分布データに変換する。信号処理装置5は、その受信信号の処理を行う機能を有している。そのための処理装置は、不要な信号を低減し必要な信号を強調するためのフィルタ、増幅装置などからなる慣用の信号処理装置である。
【0031】
このように処理された信号に基づいて、信号処理装置5は被検査タイヤ7の不具合を評価・判定する。その評価・判定の方法は、後述される。温度変化付与装置2、温度変化検出装置3に対する被検査タイヤ7の回転は相対的でよく、走査機構4に回転走査機構を付与して支持腕16を回転軸化することができる。
【0032】
図3は、本発明によるタイヤ検査装置実施の他の形態を示している。この実施の形態が、図2の実施の形態と異なる点は、温度変化付与装置2が省略され、温度変化付与装置2の代わりに均等型温度変化付与装置2’が設けられていることである。X軸・Y軸走査用レール15のX軸方向部分に、更に、第2走査機構4’(以下、既述の走査機構4を第1走査機構という)が設けられている。
【0033】
第2走査機構4’は、X軸・Y軸走査用レール15に懸架されている。第2走査機構4’は、X軸・Y軸走査用レール15のX軸方向部分上で位置制御されて水平方向に運動するX軸方向移動体と、そのX軸方向移動体に固定されているY軸方向レールに案内されて移動するY軸方向移動体とから構成されている。第2走査機構4’は、制御装置6により電気的に制御されて移動する。
【0034】
第2走査機構4’のY軸方向移動体には、鉛直方向に延びる第2支持腕16’が昇降自在に支持されている。第2支持腕16’の下端部に第2温度変化付与装置2’が固定されて設けられている。第2温度変化付与装置2’は、被検査タイヤ7に対する好ましい方向関係、位置関係を調整自在に保持することができる。
【0035】
第2温度変化付与装置2’は、全域均一加熱装置として設けられている。第1走査機構4を動作させ第1支持腕16を昇降移動させて温度変化検出装置3を被検査タイヤ7から抜き取り、その代わりに、第2走査機構4’を動作させ第2支持腕16’を移動させて、第2温度変化付与装置2’を被検査タイヤ7の中心領域に位置づけ、制御装置6により制御して第2温度変化付与装置2’により、被検査タイヤ7の内側表面部分である内側全周域面を概ね均等に加熱する。
【0036】
逆順により、第2温度変化付与装置2’と温度変化検出装置3の位置交換を行って、既述の通りの評価・判定を行う。前段のステップで加熱庫の中で多数の検査対象タイヤを同時に加熱して、順次にその加熱庫からその1つを取り出して、移動台11上に載置するようにすることもできる。
【0037】
図4は、本発明によるタイヤ検査装置の実施の更に他の形態を示している。この実施の形態が、図2の実施の形態と異なる点は、温度変化付与装置2が省略され、温度変化付与装置2の代わりに局部冷却装置21が設けられていることであり、第2走査機構4’、温度変化付与装置2’については、図3の実施の形態に全く同じである。
【0038】
温度変化により被検査タイヤ7の評価・判定を行うのであるから、その温度付与は、その温度がその対象物に対して正であるか負であるかは実質的に均等・等価である。この実施の形態では、前工程で加熱した被検査タイヤ7を局所的に又は全域的に冷却することが好ましい。評価・判定の方法は、既述の通りである。回転に関して相対的である点も、既述の通りである。
【0039】
図5は、タイヤ設置台9の回転に関する実施の形態を示している。回転軸8には、駆動モータ22が設けられている。タイヤ設置テーブル1に固定されて支持されている駆動モータ22は、可変速度機能が与えられていることが望ましい。タイヤ設置台9の上面に摺動自在に載置されている既述の移動台11は、2体の対称移動台11A,11Bとから形成されている。
【0040】
ボルト12は、調芯用ねじ軸12として形成されている。調芯用ねじ軸12は、ねじ部を有している。そのねじ部は、その一方側と他方側とで逆ねじに形成されている。調芯用ねじ軸12は、対称移動台11A,11Bに共軸的に貫通し、その一方側のねじ部が一方側対称移動台11Aに螺合して貫通し、その他方側のねじ部が他方側対称移動台11Bに螺合して貫通している。
【0041】
調芯用ねじ軸12が回転するとき、両側対称移動台11A,11Bは互いに逆方向に運動する。このように逆方向に運動する両側対称移動台11A,11Bの中心線は不動である。タイヤ設置台9が回転軸8に対して一旦位置調整された後は、調芯用ねじ軸12を駆動してローラ13で任意の直径のタイヤを挟持したとき、そのタイヤの中心点は必ず回転軸8の回転軸心線上にある。タイヤの中心位置を不変化するこのような調芯機構は、任意の直径のタイヤの検査時間を短縮することができる。
【0042】
図6(a),(b)は、図2に示される温度変化付与装置2の実施の形態を示している。温度変化付与装置2には、円柱形状のケーシング31が設けられている。ケーシング31は、断熱材で形成されている。ケーシング31は、カバー32で覆われている。
【0043】
ケーシング31の中には、円板状空域33が形成されている。円板状空域33は、ケーシング31の弦月状部分34の区切平面35で区切られている。区切平面35は、被検査タイヤ7の軸心線に概ね平行な線の集合として形成され、且つ、その状態で被検査タイヤ7の内周面の近くに位置づけられる。
【0044】
円板状空域33は、区切平面35に直交し互いに平行な2平面によっても区切られている。その2平面に光又は熱線37を反射させる反射鏡又は反射体36A,Bが接合している。反射体36A,Bは、対向していてその間の熱線37を繰り返し反射させることができる。ケーシング31には、円板状空域33に連続する円柱状空域38が形成されている。区切平面35にも、他の反射鏡40が接合している。
【0045】
円柱状空域38に電源部39が挿入されている。反射体36A,Bの中心域には穴が開けられ、その穴に軸対称な熱線放射体41が貫通している。熱線放射体41の中心域に発熱体42が装着されている。発熱体42は、電源部39に接続されこれにより加熱される。電源部39は、外部の制御装置6から電線43を介して電力の供給を受ける。
【0046】
円板状空域33の周域に、熱線放射体41と同心に、シリンドリカル・サーキュラー・レンズ44が配置され、止めねじ45によりケーシング31に固着されている。シリンドリカル・サーキュラー・レンズ44は、シリンドリカル・レンズ(リニア)を円形・リング状に曲げて作成した熱に強い光学部品である。
【0047】
ケーシング31の外周域は、走査機構4により被検査タイヤ7の内側表面の近くに位置づけられる。電源部39に電気を供給し、発熱体42(例示:セラミック・ヒータ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、タングステン発光体、レーザ、マイクロ波)を発熱させて熱線放射体41を加熱すると、熱線放射体41の周面から熱線が放射される。
【0048】
その熱線37は、反射体36A,Bの対向面で複数回以内の反射を繰り返し、シリンドリカル・サーキュラー・レンズ44を通る際に、熱線放射体41の中心軸に対して放射方向にある広がり角度を持たせられ、且つ、集束させられながらシリンドリカル・サーキュラー・レンズ44から放射され、被検査タイヤ7のある回転角度範囲の内側表面を局所的に加熱することができる。回転する被検査タイヤ7の内側表面は、全周域で加熱される。
【0049】
図7は、図3に示される温度変化付与装置2’の変形例を示している。その温度変化付与装置2’は、サイズの点を除き、図6に示した温度変化付与装置2に全く同じである。温度変化付与装置2’は、温度変化付与装置2が相似的に拡大されたものである。温度変化付与装置2’の外形の直径は、被検査タイヤ7の中心穴の直径Dより僅かに小さい。
【0050】
温度変化付与装置2’は、概ね、被検査タイヤ7の中心領域に位置づけられる。被検査タイヤ7の内側表面部は、温度変化付与装置2’のシリンドリカル・サーキュラー・レンズ44から放射される熱線37により、同時的に熱せられ、その大域的加熱のために第2支持腕16’の回転を必要としない。被検査タイヤ7の検査方法は、図3に示される実施の形態のそれに全く同じである。
【0051】
図8(a),(b)は、図4に示される温度変化付与装置21の実施の形態を示している。温度変化付与装置21には、円柱形状のケーシング31’が設けられている。ケーシング31’は、断熱材で形成されている。ケーシング31’は、カバー32’で覆われている。ケーシング31’の中には、円板状空域33’が形成されている。
【0052】
円板状空域33’は、ケーシング31’の弦月状部分34’の区切平面35’で区切られている。区切平面35’は、被検査タイヤ7の軸心線に概ね平行な線の集合として形成され、且つ、その状態で被検査タイヤ7の内周面の近くに位置づけられる。
【0053】
円板状空域33’は、区切平面35’に直交し互いに平行な2平面によっても区切られている。その2平面に冷風51を反射させる案内板52が接合している。案内板52は、対向していてその間の冷風51を放射方向に案内する。ケーシング31’には、円板状空域33’に連続する円柱状空域38’が形成されている。区切平面35’にも、他の案内板53が接合している。
【0054】
円柱状空域38’に通じる空気導入管54が、ケーシング31’を貫通している。案内板52の一方の中心域には穴55が開けられている。案内板52の他方の中心域には、コーン面形状の突起面56が設けられている。制御装置6により温度制御された冷風は、空気導入管54、円柱状空域38’、穴55を介して、円板状空域33’に導入される。
【0055】
このように導入された冷風は、突起面56で放射方向に向くように整流され、両案内板52の間で放射方向に流れを形成し、円板状空域33’の外側縁から概ね放射方向に噴出する流れ57を形成し、被検査タイヤ7の内側表面部を局所的に冷却する。
【0056】
温度変化付与装置21は、これ自体が加熱装置になりうる。冷風51に代えて熱風を送り込むことにより、被検査タイヤ7を加熱することができる。その加熱の後に冷風を送れば、加熱工程と冷却工程との間で、装置、タイヤを移送する必要がない。温度変化付与装置21は、これのサイズが拡大されれば、大域的加熱装置として用いることができる。
【0057】
図9は、温度変化検出装置3の実施の形態を示している。温度変化検出装置3は、被検査タイヤ7の軸心線に直交する線に平行な光軸Lを持つ光学的検出系として提供されている。光学的検出系は、一体のセンサホルダ61を備えている。光軸Lに一致する回転軸心線を持つ回転軸62が、ミラー回転用モータ63により回転駆動される。
【0058】
ミラー回転用モータ63は、センサホルダ61に嵌めこまれて固定されている。走査型検出用ミラー64が、回転軸6に固定され取り付けられている。走査型検出用ミラー64の平面である反射面は、その放線方向が回転軸62の回転軸心線である光軸Lに対して適正な角度(概ね45度)で交叉している。
【0059】
光学的検出器65が、センサホルダ61に嵌め込まれて取り付けられている。光学的検出器65は、スポット型赤外センサ66と光電子増倍管(図示せず)のような増幅器とから形成されている。スポット型赤外センサ66は、赤外線、遠赤外線、マイクロ波を検出する光電子素子を備えている。スポット型赤外センサ66の前面部に、集光レンズ(図示せず)を位置づけることがある。
【0060】
走査型検出用ミラー64の反射面は、光学的にスポット型赤外センサ66に対向している。集光レンズ67が、スポット型赤外センサ66と走査型検出用ミラー64との間に介設されてセンサホルダ61に固定されている。センサホルダ61は、連結具68を介して図2に示される支持腕16又は温度変化付与装置2に連結している。センサホルダ61は、連結具68の延び分の距離だけ、即ち、被検査タイヤ7の回転に支障が生じない程度の距離だけ、被検査タイヤ7の内側表面部に接近することができる。
【0061】
被検査タイヤ7の内側内周面の1点Pから反射した円錐状光束の光軸線L’は、走査型検出用ミラー64の概ねの中心点(走査型検出用ミラー64の反射面と光軸Lが交わる交点)を通る。そのように、センサホルダ61の位置が走査機構4などにより調整されている。点Pから放射される光エネルギー・コーンは、走査型検出用ミラー64で反射し、集光レンズ67で集光される。スポット型赤外センサ66の受光面は、点Pに関して焦点位置に位置づけられている。
【0062】
このようにスポット型赤外センサ66で集光された光エネルギーは光電変換され、その光電変換信号は、電圧的増幅を受けて信号処理装置5に伝送される。光エネルギーの大きさは、点Pの温度の関数であるので、その光電変換信号は温度変化に対応するデータを含んでいる。
【0063】
走査型検出用ミラー64を回転させることにより、被検査タイヤ7の円周方向に直交する方向Aを持つ微少線領域を走査してその微少領域の温度変化を連続的に検出することができる。更に被検査タイヤ7を回転させることにより、その円周方向に走査して、内表面の全域で温度変化を検出することができる。
【0064】
図10は、温度変化検出装置3の実施の他の形態を示している。温度変化検出装置3は、タイヤの軸心線に平行な光軸L’を持つ光学的検出系として提供されている。その光学的検出系は、一体のセンサホルダ61’を備えている。光軸L’に直交する回転軸心線を持つ揺動軸62’が、ミラー揺動用モータ63’により振動的に回転駆動される。
【0065】
ミラー揺動用モータ63’は、センサホルダ61’に固定されている。走査型検出用ミラー64’が、揺動軸62’に固定され取り付けられている。走査型検出用ミラー64’の平面である反射面は、その放線方向が揺動軸62’の回転軸心線に直交している。揺動軸62’の揺動軸心線は、被検査タイヤ7の軸心線に概ね平行である。
【0066】
球面型レンズ71が、センサホルダ61’に固着されている。球面型レンズ71の光軸L’は、揺動軸62’の揺動軸心線に直交している。光学的検出器が、センサホルダ61’に嵌め込まれて取り付けられている。光学的検出器は、リニアアレイ型赤外線センサ72と光電子増倍管(図示せず)のような増幅器とから形成されている。
【0067】
リニアアレイ型赤外線センサ72は、走査型検出用ミラー64’の反射面に平行であり光軸L’に直交する方向に光検出素子(光電変換素子)が並ぶ光検出器である。リニアアレイ型赤外線センサ72は、赤外線、遠赤外線、マイクロ波を検出する光電子素子を備えている。走査型検出用ミラー64’とリニアアレイ型赤外線センサ72の間に球面型レンズ71が介設されている。連結具68の機能は、既述の通りである。
【0068】
この実施の形態は、点ごとに走査するのではなく、線単位で走査することができる。被検査タイヤ7の内表面の線領域P’は、走査型検出用ミラー64’と被検査タイヤ7からなる光学系により、リニアアレイ型赤外線センサ72の光電変換素子面上に実像として写像される。
【0069】
このような温度変化検出走査系は、被検査タイヤ7の円周方向に直交する方向に線単位で被検査タイヤ7の内側表面部の温度変化を連続的に検出することができる。更に被検査タイヤ7を回転させることにより、その円周方向に走査して、内表面の全域で温度変化を検出することができる。
【0070】
図11は、温度変化検出装置3の実施の更に他の形態を示している。温度変化検出装置3は、軸心線に直交する光軸L”を持つ光学的検出系として提供されている。その光学的検出系は、一体のセンサホルダ61”を備えている。光学的検出器65”が、センサホルダ61”に嵌め込まれて取り付けられている。
【0071】
光学的検出器65”は、2次元赤外線センサ82と光電子増倍管(図示せず)のような増幅器とから形成されている。光軸L”は、被検査タイヤ7の外周部の内周面81に概ね直交している。球面型レンズ83は、被検査タイヤ7の外周部の内周面81と2次元赤外線センサ82との間に介設されている。
【0072】
このような光学系は、通常のカメラに一致している。この実施の形態は、被検査タイヤ7の内部表面部のある回転角度範囲の平均的温度を検出し、その検出範囲である局部的範囲が既述の実施の形態のものに比べて2次元的に拡大され、タイヤの底部を主として検査する場合に適している。
【0073】
図12は、温度変化検出装置3の実施の更に他の形態を示している。温度変化検出装置3は、その構造が図11に示されるそれと全く同じであり、被検査タイヤ7に対する配置関係も図11に示されるそれと全く同じである。更に、球面型レンズ83と被検査タイヤ7の外周部の内周面81との間に、1組の透過型反射ミラー91が介設されている。
【0074】
透過型反射ミラー91は、互いに直交する反射面91A,91Bを持ち、反射面91Aは内周面81の半分側に対向し、反射面91Bは内周面81の他の半分側に対向している。被検査タイヤ7の側周部の片側の内周面92Aは反射面91Aに対して概ね45度の傾斜角で傾斜し、被検査タイヤ7の側周部の他の片側の内周面92Bは反射面91Bに対して概ね45度の傾斜角で傾斜している。
【0075】
内周面92Aから放射される熱線93は透過型反射ミラー91の反射面91Aで反射して2次元赤外線センサ82で結像し、内周面92Bから放射される熱線94は透過型反射ミラー91の反射面91Bで反射して2次元赤外線センサ82で結像し、内周面81から放射される熱線95は透過型反射ミラー91の反射面91A、反射面91Bを透過して2次元赤外線センサ82で結像する。この実施の形態は、被検査タイヤ7の内側内面部の3つの領域面を一時にカバーしたより広域の局所領域の温度変化を検出することができる。
【0076】
図13は、温度変化検出装置3の実施の更に他の形態を示している。温度変化検出装置3は、図12の透過型反射ミラー91に代えられて、コーン(円錐)形状反射面を持つ全反射ミラー111に置換されている。図13は、他の構成については、温度変化検出装置3の被検査タイヤ7に対する光軸方向を除き図12に全く同じである。光軸方向Mは、被検査タイヤ7の中心軸心線に直交している。
【0077】
全反射ミラー111の反射面である円錐面112の中心対称軸線は、概ね、光軸Mに一致している。被検査タイヤ7の内側内面部のトーラス断面上の近似円弧領域Nの任意の点P”から放射される熱線113は、2次元赤外線センサ82上に集光する。
【0078】
被検査タイヤ7の円周方向に直交する方向に線単位で被検査タイヤ7の内側表面部の温度変化を連続的に検出することができる。更に被検査タイヤ7を回転させることにより、その円周方向に走査して、内表面の全域で温度変化を検出することができる。
【0079】
図14は、温度変化検出装置3の実施の更に他の形態を示している。温度変化検出装置3は、図13の全反射ミラー111を用いる点では、図13の実施の形態に共通している。一体のセンサホルダ113の光軸Kは、被検査タイヤ7の中心線に概ね一致している。
【0080】
全反射ミラー112は、コーン状反射面115を有している。コーン状反射面115の中心対称軸心線は、概ね、光軸Kに一致している。被検査タイヤ7の内周面の全域の任意の1点から放射される熱線116は、レンズ83を介して、概ね、微少領域である2次元赤外線センサ82の光電変換面に集束(収束)する。
【0081】
この実施の形態は、被検査タイヤ7を回転させずに、被検査タイヤ7の底部の全域の温度変化を同時に検出することができる。結像はリング状に形成されることができ、CCDの番地により同時的に全域の各点の温度変化を検出することができる。
【0082】
図15は、走査機構4の詳細を示している。走査機構4は、X軸・Y軸走査用レール15と支持腕16を含む。X軸・Y軸走査用レール15と支持腕16は、X軸走査用レール121、Y軸走査用レール122、Z軸走査用レール123にそれぞれに対応している。X軸方向移動体124は、X軸走査用レール121に案内されて移動し、X軸走査用レール121の任意のX座標位置で固定されるように内部に移動位置制御機構を含んでいる。このような移動位置制御機構としては、歯車噛合構造、スクリュー螺合機構、磁気的無接触位置決め機構などの慣用技術が適用されうる。
【0083】
Y軸走査用レール122は、X軸走査用レール121に直交する座標指標を有し、X軸走査用レール121に直交する方向に延びてX軸方向移動体124に固定されている。Y軸方向移動体125は、Y軸走査用レール122に案内されて移動し、Y軸走査用レール122の任意のY座標位置で固定されるように内部に他の移動位置制御機構を含んでいる。
【0084】
Z軸方向移動体126は、Y軸走査用レール122に直交して鉛直方向に向き、相対的にY軸方向移動体125に案内されて移動し、自己の任意のZ座標位置でY軸方向移動体125に対して相対的に固定されるように内部に更に他の移動位置制御機構を含んでいる。Z軸方向移動体126は、Z軸走査用レール123に同一である。
【0085】
Z軸方向移動体126の下端部は、既述の温度変化付与装置2(図2,3参照)、温度変化検出装置3(図2,3参照)、局部冷却装置21(図4参照)が取り付けられる取付座127として形成されている。温度変化付与装置2と温度変化検出装置3は、このような走査機構4により3次元座標系の中で任意の位置に移動し、その位置で固定され、そのための各位置制御機構は、制御装置6により制御されている。
【0086】
図16は、図1に示される信号処理装置5の実施の形態を示している。信号処理装置5は、信号処理部131を含む。信号処理部131には、外部からI/O装置137とメモリ装置129を介して、タイヤ設置テーブル1の回転角度位置信号133、温度変化付与装置2が出力する温度エネルギー信号134、温度変化検出装置3が検出する温度信号(又は温度変化信号)135、3次元走査機構4が出力する取付座127又は取付座127に対して相対的に位置決めされている温度変化付与装置2,温度変化検出装置3の3次元座標位置信号136がそれぞれに入力される。
【0087】
これら信号が信号処理部131で処理され、信号処理部131による処理済み信号は、出力装置138に出力される。物理量検出系139は、制御装置6と信号処理装置5とでループを形成している。I/O装置137は、A/D変換器、D/A変換器を含み、位置信号と組を形成する温度信号135をデジタル信号に変換し、又は、逆変換する。
【0088】
信号処理部131は、3次元座標位置信号136と回転角度位置信号とから温度信号135が急変する温度変化位置を割り出す。信号処理部131は、被検査タイヤ7の温度急変部の有無、温度急変部の位置、その温度急変部の大きさを検出し、且つ、これらの位置、大きさを計算する計算部(図示せず)を備えている。
【0089】
制御装置6は、タイヤ設置テーブル1、温度変化付与装置2、温度変化検出装置3、走査機構4のそれぞれの動作を制御する。制御装置6は、タイヤ設置テーブル1に設置される被検査タイヤ7の中心位置をタイヤ設置テーブル1の回転中心位置に一致させるための第1位置制御、加熱すべき被検査タイヤ7の内側表面部に対する適正位置に温度変化検出装置3を位置づけるために第2位置制御、その内側表面部の温度が適正な値になった後にその後の温度を検出する温度変化付与装置2の適正な位置を制御するための第3位置制御、温度変化検出装置3が放出する加熱量を適正に制御するための熱量供給制御、温度測定の完了後に運動系、加熱系を原点復帰させる原点復帰制御を担当している。
【0090】
図20は、検査対象のタイヤを例示している。タイヤは、一般に、接地面部と側面部とで異なる構造を有し、接地面側では、外周面から内周面に向かって、ゴム・トレッド部141と、外側コード部142、スティール・コード部143、内側コード部144、ゴム・内膜部145とから形成される多層構造を備えている。そのタイヤは、その側面側では、外側から内側に向かって、外側ゴム部145と、コード部146、内側ゴム部147とから形成される多層構造を備えている。このような多層構造は、それぞれの層間が強靱に接着・接合されている。
【0091】
このようなタイヤを内表面から加熱すると、加熱エネルギーが内表面から内部に向かって滲入するにしたがって、温度分布が現れる。その温度分布は、ゴム・内膜部145、内側ゴム部147の厚さ、材質、表面から内部に向かう断面構造の違いに対応して相違する。表面下に空気層などがあると、その空気層は、ゴムに比べて熱伝導率が低いので、加熱エネルギーは内部に向かって滲入することなく表面部に貯留され、その貯留部の表面温度はその周囲部分よりも高くなる傾向を示す。
【0092】
温度分布検出方法:
また、タイヤを構成する外側コード部142、スティール・コード部143、内側コード部144、コード部145、コード部146は、合成繊維で形成され、ゴムとは異なった熱伝導率を有するので、それらのコードを覆う内膜が薄い部分では表面温度が他の部分に比べて異なる傾向を示す。このような相違傾向を反映する温度分布は、そのタイヤの不具合部分の存在、その位置、その大きさに対応している。
【0093】
タイヤへの加熱エネルギーは、既述の複数の実施の形態で示されるように、局所的に、又は、全体的にタイヤ表面(内面、外面、両面)に与えられる。図17(a),(b)は、被検査タイヤ7の不具合事象による表面温度変化を示している。同図(a)は表面のみ加熱したときの表面温度変化を示し、同図(b)は全体を一様に加熱した後に局部冷却を行ったときの表面温度変化を示している。
【0094】
図17(a)に示されるように、ボイド151が存在する領域のタイヤ内面では、加熱による入力エネルギー152の反射・放出量が多く、その領域の表面温度は高く(155)なって現れる。冷却式の実施の形態では、図17(b)に示されるように、加熱により内部に貯蔵された入熱エネルギー153のうちの内表面からの放出エネルギーは、ボイド151が存在する領域のタイヤ内面で少なく、その領域の表面温度は低く(156)なって現れる。
【0095】
加熱時間が長くなると、内部まで加熱エネルギーが滲入して飽和状態になり、表面温度の差がなくなる。表面下の不具合の検出は、加熱エネルギーの入熱・入射後の適正な時間内で行うことは重要である。加熱エネルギーの入力の停止後は、その停止直後から、表面の狭い領域に発生した温度変化部で、その部分の熱流が拡散して、不具合部との温度差が減少する。図20に示される小さいボイド157の検出の際にも、加熱エネルギーの入熱・入射後の適正な時間内で行うことが重要である。
【0096】
このように、タイヤ内表面、内表面近傍の不具合事象の検出のためには、タイヤ内表面を短時間で加熱してその直後にその温度分布を検出することが有効であるが、タイヤ表面を十分に一定温度になるように加熱した後に、局所的に又は全域的に同時に冷却して、その冷却直後に表面温度の分布を検出することは、不具合部分の発見のために有効である。この場合、その不具合部分の検出も、冷却後の適正な時間内に行われることが特に好ましい。
【0097】
このような局所的加熱・冷却、全域的加熱・冷却のような入熱方法の多様性は、既述の諸装置により達成されうることが明らかである。図2〜4に示される諸装置は、不具合部分の連続的な検出をも可能にしている。タイヤ内表面の連続的加熱、加熱位置を変更しながら局所的加熱を実行し、加熱により発生した温度変化を連続的に検出することも可能である。
【0098】
図3に示される装置は、タイヤ内表面全域を同時加熱し、その直後に、タイヤ内表面全域の表面温度分布を検出することにより、不具合事象を検出している。図4に示される装置は、表面温度検出センサに近接して冷却装置を置き、タイヤ内表面を局部的に冷却しながら表面温度の変化を検出することにより、不具合事象の検出を可能にしている。
【0099】
タイヤ内表面全域の表面温度の検出のためには、温度変化付与装置でタイヤの内面全域に温度変化を発生させるとともに、被検査タイヤが温度変化検出装置の温度変化検出位置に位置決めされていることが重要であり、更に、温度変化の検出センサがポイント状、直線状、面状であって、内表面全域の温度情報が同時に得られない場合には、そのセンサのみの移動、タイヤの移動、これら両方の移動により内表面全域の温度変化を測定することが必要であり、このような必要性は、図5に示されるタイヤ設置テーブル1によって充足されている。
【0100】
図6に示される温度変化付与装置は、タイヤの回転方向に直交する断面を線状に全域を加熱することができ、タイヤ又は温度変化付与装置を回転させることにより、そのタイヤの円周方向全域で急激な熱流を生じさせ、その表面温度の急変を発生させることができるため、その表面及びその近傍のタイヤの性質の差異を顕著に検出することができる。更に、加熱エネルギーを反射ミラー、レンズにより集束することにより、異なった直径のタイヤについても、その内表面で温度変化の付与エネルギーの変動を少なくして、その不具合の検出に良好で安定した条件を維持することができる。
【0101】
図7に示される温度変化付与装置は、タイヤの内面全域に同時に加熱エネルギーを付与することができ、タイヤ、当該装置を回転させる必要がなく、当該検査装置の簡単化と検査速度の向上の点で特に好ましい。
【0102】
図8に示されるタイヤ検査装置は、加熱源として熱風、冷風を用いており、熱風を吹き出すことにより、図6に示される装置と同等の作用を得ることができ、図7に示される装置との組合せにより、冷風を吹き出すことにより、タイヤ内表面で局部的な温度変化を付与することができ、図6に示される装置と同等の作用効果を得ることができる。更に、冷却空気の吹き出しノズルがガイド板のみであるため、当該装置の小型化が達成される。
【0103】
図9に示される温度変化検出装置は、タイヤの円周方向に直交する断面の線状部分の温度変化を検出することができる。図18は、適正な信号処理が行われた検出信号を示している。横軸はトーラス部分の回転方向角度位置を示している。その小型化が可能である図9に示される当該装置は、タイヤの内部に位置づけされて、タイヤの回転、又は、当該装置のタイヤの内周に沿う走査により、内表面全域について、不具合事象の発見が可能である。
【0104】
図10に示される温度変化検出装置は、タイヤの断面について帯状の温度変化を検出することができる。当該装置は、図9に示される装置に比べて、温度変化を高速に検出することができる。
【0105】
図11に示される温度変化検出装置は、タイヤを回転させることなく、タイヤ内表面のある区画の温度変化を検出することができる。図10に示される装置に比べて、温度変化を更に高速に検出することができる。この場合、極めて広角のレンズを適用することにより、側面、底面の全域の温度変化の検出が、タイヤを回転させ、又は、当該装置を回転させることにより可能である。
【0106】
図12,13に示される反射ミラーを用いることにより、タイヤを回転させ、又は、当該装置を回転させることにより、タイヤ内表面の全域について、その温度変化の検出が可能である。この場合、比較的大型の赤外線カメラによりタイヤの狭い領域についてその検出が可能である。
【0107】
図14に示される温度変化検出装置は、図13に示される装置と同様な構成の円錐状反射ミラーと赤外線カメラにより、観察方向を変更することにより、タイヤ内周にわたって、主として、底面全域の温度変化の検出が可能である。図9,10,12,13,14に示される複数・装置を構成する反射ミラーには、冷却装置を備えさせることが好ましい。その冷却は、反射ミラーから放射される熱エネルギーを低減させ、タイヤ内表面温度変化の検出分解能を向上させることができる。
【0108】
走査機構4は、レンズの焦点位置の位置合わせ、反射ミラーの位置決め、それらとタイヤ内表面との相対的距離の調整、既述の位置制御のために重要であり、このような位置調整は入熱エネルギーの一定性を確保する点でも重要であり、結局、温度変化の検出分解能の向上に特に重要である。更には、反射ミラーなどの部品を狭い空間中に位置決めするためにも重要である。
【0109】
タイヤの断面は、既述の通り、位置場所により相違している。内表面に均一に加熱エネルギーが入力されたとしても、図18に示されるように、その表面温度は均一ではない。信号処理装置5は、タイヤの種類と表面温度付与装置との関係により検出される表面温度分布と、ボイドなどタイヤの不具合事象を含む場合の温度分布との差異を取り出すことができる機能を有している。
【0110】
そのような差異は、図19(a),(b)に示されるように、取り出されている。図19(a)は、その温度が検出される2つの走査線A,Bを示し、走査線A上にボイド157が存在している。図19(b)は、走査線A,B上の温度分布曲線TA,TBを示している。温度分布曲線TA,TBは、メモリ装置129に記憶されている。同図中に、信号処理結果である差分(TA−TB)が書き込まれている。
【0111】
差分曲線の膨張部は、ボイドの存在を示し、膨張部の横座標間隔はボイドのその方向の大きさと発生位置を示す。2次元赤外線センサにより得られる情報・データは、区画分割された区域の中のデータを平均した平均値を取ることにより、2次元分布の温度変化部分を計算により検出することができる。制御装置は既述の各種の制御を行うほかに、調芯テーブルの動作の制御、それの回転速度、その停止、タイヤの回転速度に関係するエネルギーの入熱速度の制御も行うことができる。
【0112】
図21は、本発明によるタイヤ検査装置の実施の他の形態を示している。そのタイヤ検査装置は、既述の実施の複数・形態と同じく温度変化検出装置である光学装置と温度変化付与装置を含んでいる。この実施の形態では、温度変化付与装置は、図3に示されるように、温度変化付与光源装置を含んでいる。その温度変化付与光源装置211は、光学的熱線放出源を含んでいる。その光学的熱線放出源には、熱線誘導ファイバー212の一端が接続している。熱線誘導ファイバー212の他端は、コリメータ213に接続されている。
【0113】
コリメータ213は、熱線誘導ファイバー212の端面からコーン状に放射される熱線束を複数・レンズを用いてある有効直径の熱線ビームに変換する。コリメータ213の光軸上に透過型反射鏡214が配置されている。その光軸は、90度回転して、回転型反射ミラー215に向かう。回転型反射ミラー215は、駆動モータ216の出力軸217に取り付けられている。
【0114】
回転型反射ミラー215の反射面(平面)は、出力軸217の回転軸心線に対して45度の角度を有している。透過型反射鏡214により回転変換を受けた主光軸218は、概ね、出力軸217の回転軸心線に一致している。回転型反射ミラー215にはその中心領域に、組プリズム219が取り付けられている。組プリズム219は、主光軸218をシフト光軸220に位置シフトさせる複反射機能を有している。シフト光軸220は、主光軸218に平行である。組プリズム219に代えて、組反射鏡を用いることができる。
【0115】
シフト光軸220は、回転型反射ミラー215の平面により90度の回転変換を受け、入射光軸221に変換される。入射光軸221は、被検査タイヤ7の内(周)面に概ね直角に入射する。その入射点は、Pで示されている。入射点Pから距離ΔRだけ離れた位置に放射点P’が採られている。点Pと点P’を結ぶ線分は、被検査タイヤ7の中心線を含む平面と被検査タイヤ7の内周面が交叉する概円弧222の部分である。回転型反射ミラー215の中心点は、被検査タイヤ7の円周中心線上にあり、且つ、特定の1本の概円弧222の概ねの中心点に一致している。
【0116】
放射点P’から放射される熱線の一部は、入射光軸221に平行な戻り光軸223上にある。戻り光軸223は、回転型反射ミラー215の中心点を通っている。戻り光軸223は90度の回転変換を受け戻り主光軸224に変換される。戻り主光軸224は、主光軸218に一致している。
【0117】
戻り主光軸224は、透過型反射鏡214を透過して赤外線センサ225に入射する。赤外線センサ225の前方に集光用レンズ226が配置されている。赤外線センサ225の受光信号は、プリアンプ227により増幅される。赤外線センサ225としては、熱型ボロメータ、焦電検出装置、量子型の光導電装置、光起電力装置、不純物型装置のような検出装置が、冷却型、非冷却型により用いることができる。集光用レンズ226は、被検査タイヤ7から放射される赤外線に対して実用的な透過率が得られる材料が用いられる。そのような材料は、Ge、Siを含有している。
【0118】
駆動モータ216と赤外線センサ225を受容している受容器228は、1体の枠体229に取り付けられている。枠体229は、図15の取付座127に固定されて取り付けられる。枠体229に、基準熱源231が取り付けられている。基準熱源231は、基準熱線232を放出する。基準熱線232は、回転型反射ミラー215の中心点に常態的に入射し、その中心点近傍の温度を一定に維持することができる。
【0119】
集光用レンズ226の前方に、フィルタ233が配置されている。フィルタ233としては、温度変化付与光源装置211が放出する光学的熱線を透過させず、被検査タイヤ7が放射する熱線、基準熱源231が放射する基準熱線232を透過させるものが選択されている。
【0120】
図22は、図21の装置に対応する制御装置6の実施の形態を示している。この制御装置6は、これに接続される装置として基準熱源231が追加されている点で、図1の制御装置と異なっている。図22では、タイヤ設置テーブル1は省略されている。温度変化検出装置3から出力される信号に対応する温度が急減する場合には、加熱用の熱線ビームは被検査タイヤ7からはずれている。検出温度が低いこのような期間は、制御装置6は温度変化付与光源装置211からの加熱用熱線の放出を停止させる。
【0121】
コリメータ213を通過した熱線ビームは、主光軸218、シフト光軸220、入射光軸221を通過して被検査タイヤ7の内表面の点Pに入射する。このような入射ビームを受ける点Pの近傍では、急激にその温度が上昇する。点Pの入熱エネルギーは速やかにその周囲に拡散する。その拡散は、面上拡散と面内拡散がある。点Pの近傍の点P’の温度は、点Pの温度上昇に僅かに遅延して急激に上昇する。点Pが熱を受ける以前から既に点Pの温度は上昇しつつあり、同時的に、点P’の温度も上昇しつつある。
【0122】
点Pに加熱ビームが入射する時刻で点P’から放射する放射熱線は、戻り光軸223、戻り主光軸224、主光軸218を通り、更に、透過型反射鏡214を透過して、集光用レンズ226で集光され、赤外線センサ225に入射する。赤外線センサ225が発生しプリアンプ227で増幅され制御装置6に入力される電気信号は、その瞬間の点P’の温度に比例している。
【0123】
回転型反射ミラー215が回転していれば、連続的に加熱され温度が急上昇する微少領域は、温度検出系に対しては一定速度で移動していることになる。このような移動する微少領域に含まれる放射点P’の温度は、被検査タイヤ7の内表面が一様であれば、一定である。現実の被検査タイヤ7の内表面は完全な円筒面でなく変形円筒面である。複数の被検査タイヤ7が同一であれば、1概円弧222上の温度パターンは、複数の被検査タイヤ7で同一である。レーザー加熱が行われる本実施の形態では、局所的に急激に温度上昇する。
【0124】
局所的に急激に温度上昇するということは、局所的に急激に温度低下することを意味する。このような局所的温度上昇の領域を常態的に観測するので、外界の影響を受けにくく、且つ、その局所領域の温度(絶対値ではない)を正確に計測することができる。もし、被検査タイヤ7の内面に異常があれば、温度の急激な変化が局所領域で起こる。その急激な変化の幅の絶対値が大きいので、本実施の形態は高精度な欠陥発見を可能にしている。
【0125】
図24は、温度変化検出装置により検出された温度変化を例示している。この温度変化は、被検査タイヤ7の内表面の温度変化である。図23は、被検査タイヤ7の内表面の座標系の設定を示している。円周方向の座標はθで表され、被検査タイヤ7の円周中心線の回りの角度をφで表せば、aφ(=R)は、被検査タイヤ7の中心軸心線を含む平面と被検査タイヤ7の内表面の交叉線である概円弧の座標を示している。
【0126】
図24は、被検査タイヤ7の内表面に関して、ある角度θの位置のR方向の温度分布を示している。Rの範囲は、φに関して概ね120度である。そのθの座標位置では、不具合部分が1カ所ある。その不具合部分は、急激に温度が高くなっている部分251として現れている。
【0127】
図25(a),(b),(c)は、信号処理装置5がR方向の温度分布を差分処理する方法を示している。図25(a)は、θがθ1である位置のR方向の温度分布Tθ1を示している。図25(b)は、θがθ2である位置のR方向の温度分布Tθ2を示している。図25(c)は、ΔTθ1を示している。
ΔTθ1=Tθ2−Tθ1.
ここで、θ2はθ1の近傍の位置座標である。
【0128】
被検査タイヤ7に不具合がなければ、近傍領域にあるθ1とθ2の両位置で、温度分布は同じであるから、ΔTθ1はほとんど零である。図24に示される不具合があれば、その不具合がある位置Rで、電気信号が零でない値として現れる。θの値が更新され、制御装置6は被検査タイヤ7をΔθだけ回転させる。次に、Tθ3とTθ2との差分ΔTθ2が計算される。このように被検査タイヤ7の全周について差分がとられ、不具合がある2次元面上の範囲S(R,θ)が特定される。
【0129】
図26(a),(b),(c)は、信号処理装置5がθ方向の温度分布を差分処理する方法を示している。図26(a)は、RがR1である位置のθ方向の温度分布TR1を示している。図26(b)は、RがR2である位置のθ方向の温度分布TR2を示している。図26(c)は、ΔTR1を示している。
ΔTR1=TR2−TR1.
ここで、R2はR1の近傍の位置座標である。
【0130】
被検査タイヤ7に不具合がなければ、近傍領域にあるR1とR2の両位置で、温度分布は同じであるから、ΔTR1はほとんど零である。θ方向に不具合があれば、その不具合がある位置Rで、電気信号が零でない値として現れる。Rの値が更新され、制御装置6は回転型反射ミラー215をΔRだけ回転させる。次に、TR3とTR2との差分ΔTR2が計算される。このようにR方向の全領域について差分がとられ、不具合がある2次元面上の範囲S(R,θ)が特定される。
【0131】
図25(b)に示されるように、不具合箇所がない場合にも、温度変化が現れる。この温度変化は、その被検査タイヤ7に固有のものである。近接2点で差分をとることにより、その被検査タイヤ7に固有の温度変化を除去することができる。更に、図26(b)に示されるように、R方向にも固有の温度変化が現れる。R方向の近接2点の差分をとることにより、固有の温度変化を除去することができる。R方向及びθ方向の差分をとることにより、タイヤ種類固有の表面温度分布の違いによる影響をより一層に軽減することができるので、片方の差分に基づく判断よりも、より一層に正しい判断が行われ得る。
【0132】
図27と図28は、熱伝導の相違に基づく2通りの加熱方法を示している。図27に示されるように、外部から表面に一様に供給された熱は、表面に沿う熱伝導はなく、深部に向かう熱伝導252のみが起こる。一部にボイド253があれば、熱分布は図27(b)に示されるような対称熱分布が現れる。このような入熱方法を、面外加熱方法と呼ぶ。図28に示されるように、外部から表面に局所的に供給された熱は、表面に沿う熱伝導254及び深部に向かう熱伝導255の両方が起こる。一部に割れ256があれば、迂回熱伝導が更に現れ、熱分布は図28(b)に示されるような非対称熱分布が現れる。このような入熱方法を、面内加熱方法と呼ぶ。
【0133】
本発明が面外加熱の場合にも面内加熱の場合にも適用されうることが、図29〜図31に示されている。図29(a)に示されるように、加熱入力点Pが低速で矢方向に移動するので、不具合箇所がなく、加熱表面に固有の非対称性がなくても、計測点P’は入熱点Pより移動方向にΔLだけずれていて、R方向の表面温度分布には非対称性が現れる。この温度分布は、加熱点Pの通過直後の位置で最高値を示す非対称性を示す。
【0134】
図30は、ボイド253がある場合を示している。計測される熱分布は、移動方向に後方に熱伝導量がより多くなり、ボイドがない場合の熱分布257よりも温度が高くなる熱分布258を示す。この温度分布は、加熱点Pの通過直後の位置で最高値を示す非対称性を示し、且つ、ピーク値比較で、ΔTの差が生じて全体に温度が高くなる。図31に示されるような割れ256があると、面内加熱が行われ、移動方向に前方で割れがない場合の温度分布よりも高い温度分布259が現れる。面内加熱が行われ、加熱点Pの後ろの位置での温度変化は、加熱点の直前に割れがあれば、温度が高くなる変化であり、加熱点の直後に割れがあれば、温度が低くなる変化である。このように、加熱点に近接した一定の位置の温度変化を連続的に検出することにより、剥離も割れも同じ検査工程で同時的に発見することができる。
【0135】
【発明の効果】
本発明によるタイヤ検査装置は、タイヤの不具合を有効に検出することができ、更には、高速に検出することができる。更には、不具合の種別を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明によるタイヤ検査装置の実施の形態を示す回路ブロック図である。
【図2】図2は、本発明によるタイヤ検査装置の実施の形態を示す射軸投影図である。
【図3】図3は、本発明によるタイヤ検査装置の実施の他の形態を示す射軸投影図である。
【図4】図4は、本発明によるタイヤ検査装置の実施の更に他の形態を示す射軸投影図である。
【図5】図5は、タイヤ設置テーブルの実施の形態を示す射軸投影図である。
【図6】図6は、温度変化付与装置の実施の形態を示す断面図である。
【図7】図7は、温度変化付与装置の実施の他の形態を示す断面図である。
【図8】図8は、温度変化付与装置の実施の更に他の形態を示す断面図である。
【図9】図9は、温度変化検出装置の実施の形態を示す射軸投影図である。
【図10】図10は、温度変化検出装置の実施の他の形態を示す射軸投影図である。
【図11】図11は、温度変化検出装置の実施の更に他の形態を示す射軸投影図である。
【図12】図12は、温度変化検出装置の実施の更に他の形態を示す射軸投影図である。
【図13】図13は、温度変化検出装置の実施の更に他の形態を示す射軸投影図である。
【図14】図14は、温度変化検出装置の実施の更に他の形態を示す射軸投影図である。
【図15】図15は、走査機構の実施の更に他の形態を示す射軸投影図である。
【図16】図16は、温度変化付与・検出のための回路の実施の形態を示す回路ブロック図である。
【図17】図17(a),(b)は、温度変化を示すグラフである。
【図18】図18は、他の温度変化を示すグラフである。
【図19】図19(a),(b)は、タイヤの不具合の発生と温度変化を示す射軸投影図、グラフである。
【図20】図20は、タイヤの多層構造を示す断面図である。
【図21】図21は、本発明によるタイヤ検査装置の実施の更に他の形態を示す射軸投影図である。
【図22】図22は、制御系の実施の他の形態を示す回路ブロック図である。
【図23】図23は、タイヤの座標系を示す射軸投影図である。
【図24】図24は、温度分布を示すグラフである。
【図25】図25(a),(b),(c)は、それぞれに温度分布を示すグラフである。
【図26】図26(a),(b),(c)は、それぞれに他の温度分布を示すグラフである。
【図27】図27(a),(b)は、温度変化の現れの相関を示す解析図である。
【図28】図28(a),(b)は、温度変化の他の現れの相関を示す解析図である。
【図29】図29(a),(b)は、温度変化の更に他の現れの相関を示す解析図である。
【図30】図30(a),(b)は、温度変化の更に他の現れの相関を示す解析図である。
【図31】図31(a),(b)は、温度変化の更に他の現れの相関を示す解析図である。
【符号の説明】
2…温度変化付与装置
3…温度変化検出装置
4…走査機構
7…被検査タイヤ
41,211…熱線放射体(加熱装置)
42…発熱体(加熱装置)
44…シリンドリカル・サーキュラー・レンズ(光学装置、光学系)
51…冷風(冷却装置)
54…空気導入管(冷却装置)
63’…ミラー揺動用モータ(光学装置、光学系)
64…走査型検出用ミラー(光学装置、光学系)
67,226…集光レンズ(光学装置、光学系)
66,225…スポット型赤外センサ(光学装置、光学系)
82…次元赤外線センサ82(光学装置、光学系)
83…球面型レンズ(光学装置、光学系)
91…透過型反射ミラー(光学装置、光学系)
111…全反射ミラー(光学装置、光学系)
112…円錐面(光学装置、光学系)
115…コーン状反射面(光学装置、光学系)
151,157…ボイド(不具合部分)

Claims (25)

  1. 被検査タイヤに対して温度変化検出装置を適正に位置づけるための走査機構と、
    前記被検査タイヤに温度変化を発生させるための温度変化付与装置と、
    前記被検査タイヤの内表面から放射される熱線を光学的に検出するための前記温度変化検出装置たる光学装置とを具え、
    前記被検査タイヤの表面に2次元座標系が設定され、被検査タイヤの円周方向の座標はθで表され、被検査タイヤ7の中心軸心線を含む平面と被検査タイヤ7の表面の交叉線である概円弧の座標はRで表され、
    前記被検査タイヤ7の表面に関して、θがθ1である位置のR方向の温度分布はTθ1で表され、θがθ2である位置のR方向の温度分布はTθ2で表され、θ2はθ1の近傍の座標を示し、座標θ1の差分ΔTθ1はTθ2−Tθ1で表され、
    被検査タイヤ7の表面に関して、RがR1である位置のθ方向の温度分布はTR1で表され、RがR2である位置のθ方向の温度分布はTR2で表され、R2はR1の近傍の座標を示し、座標Rの差分ΔTR1はTR2−TR1で表され、
    前記温度変化検出装置は、前記差分ΔTθ1が零でない範囲S(R,θ)と前記差分ΔTR1が零でない範囲S(R,θ)とを検出する
    タイヤ検査装置。
  2. 請求項1において、
    前記温度変化付与装置は、前記被検査タイヤの内表面の側に配置される
    ことを特徴とするタイヤ検査装置。
  3. 請求項において、
    前記温度変化付与装置は加熱装置である
    ことを特徴とするタイヤ検査装置。
  4. 請求項において、
    前記温度変化付与装置は、前記被検査タイヤに対して部分的に加熱しながらその加熱位置が変化する
    ことを特徴とするタイヤ検査装置。
  5. 請求項において、
    前記光学装置は前記被検査タイヤの表面から放射される熱を部分的に検出しながらその検出位置が変化する
    ことを特徴とするタイヤ検査装置。
  6. 請求項において、
    前記検出位置の変化は連続的である
    ことを特徴とするタイヤ検査装置。
  7. 請求項1において、
    前記温度変化付与装置は、前記被検査タイヤに対して全面的に加熱する
    ことを特徴とするタイヤ検査装置。
  8. 請求項において、
    前記温度変化付与装置は冷却装置である
    ことを特徴とするタイヤ検査装置。
  9. 請求項1において、
    前記光学装置の受光面は、前記被検査タイヤの内表面の側に配置される
    ことを特徴とするタイヤ検査装置。
  10. 請求項1において、
    前記光学装置は、3次元走査機構により前記被検査タイヤの内表面の側に位置づけられる
    ことを特徴とするタイヤ検査装置。
  11. 請求項10において、
    前記光学装置は、前記被検査タイヤの中央位置から偏寄した位置に配置され、前記被検査タイヤの表面から放射される熱を部分的に検出しながらその検出位置が変化する
    ことを特徴とするタイヤ検査装置。
  12. 請求項11において、
    前記検出位置は線状領域である
    ことを特徴とするタイヤ検査装置。
  13. 請求項11において、
    前記検出位置は面状領域である
    ことを特徴とするタイヤ検査装置。
  14. 請求項10において、
    前記光学装置は、前記被検査タイヤの中央位置に配置され、前記被検査タイヤの表面から放射される熱を全面的に検出しその検出位置は変化しない
    ことを特徴とするタイヤ検査装置。
  15. 請求項1において、
    前記光学装置は、
    受光装置と、
    前記被検査タイヤの内表面の熱線放射領域と前記受光装置との間に介設されるミラー装置とを備え、
    前記ミラー装置はその反射面を回転させる回転装置を具備する
    ことを特徴とするタイヤ検査装置。
  16. 請求項1において、
    前記光学装置は、
    受光装置と、
    前記被検査タイヤの内表面の熱線放射領域と前記受光装置との間に介設されるミラー装置とを備え、前記ミラー装置のミラーは反射面を備え、前記反射面は円錐状面である
    ことを特徴とするタイヤ検査装置。
  17. 内側層と熱伝導率が前記内側層よりも高い外側層とから形成されるタイヤの検査方法であり、
    前記内側層に温度変化を生じさせるステップと、
    前記温度変化中の前記内側層の内表面から放射する熱線の熱線量を光学的に検出するためのステップとを具え、
    前記被検査タイヤの表面に2次元座標系が設定され、被検査タイヤの円周方向の座標はθで表され、被検査タイヤ7の中心軸心線を含む平面と被検査タイヤ7の表面の交叉線である概円弧の座標はRで表され、
    被検査タイヤ7の表面に関して、θがθ1である位置のR方向の温度分布はTθ1で表され、θがθ2である位置のR方向の温度分布はTθ2で表され、θ2はθ1の近傍の座標を示し、座標θ1の差分ΔTθ1はTθ2−Tθ1で表され、
    被検査タイヤ7の表面に関して、RがR1である位置のθ方向の温度分布はTR1で表され、RがR2である位置のθ方向の温度分布はTR2で表され、R2はR1の近傍の座標を示し、座標Rの差分ΔTR1はTR2−TR1で表され、
    前記差分ΔTθ1が零でない範囲S(R,θ)と、前記差分ΔTR1が零でない範囲S(R,θ)とを検出するステップを更に具える
    タイヤ検査方法。
  18. タイヤの表面の第1局所的領域を加熱するためのステップと、
    前記第1局所的領域から僅かに離れた前記タイヤ表面の第2局所的領域から放射される熱線を放射光として光学的に計測するためのステップと、
    前記第1局所領域の加熱の第1走査と前記第2局所領域の計測の第2走査を行うステップを具え、
    前記被検査タイヤの内表面に2次元座標系が設定され、被検査タイヤの円周方向の座標はθで表され、被検査タイヤ7の中心軸心線を含む平面と被検査タイヤ7の表面の交叉線である概円弧の座標はRで表され、
    被検査タイヤ7の内表面に関して、θがθ1である位置のR方向の温度分布はTθ1で表され、θがθ2である位置のR方向の温度分布はTθ2で表され、θ2はθ1の近傍の座標を示し、座標θ1の差分ΔTθ1はTθ2−Tθ1で表され、
    被検査タイヤ7の内表面に関して、RがR1である位置のθ方向の温度分布はTR1で表され、RがR2である位置のθ方向の温度分布はTR2で表され、R2はR1の近傍の座標を示し、座標Rの差分ΔTR1はTR2−TR1で表され、
    前記第1と第2の走査を行うことにより前記差分ΔTθ1が零でない範囲S(R,θ)と、前記差分ΔTR1が零でない範囲S(R,θ)とを検出して前記タイヤの不具合を判定するためのステップ
    を更に具えるタイヤ検査方法。
  19. 請求項18において、
    前記両走査は連続的である
    ことを特徴とするタイヤ検査方法。
  20. 請求項19において、
    前記両走査は同期した走査速度で行われる
    ことを特徴とするタイヤ検査方法。
  21. 請求項19において、
    前記加熱はレーザーにより行われる
    ことを特徴とするタイヤ検査方法。
  22. 請求項21において、
    前記レーザーと前記放射光は同一光軸上を光学的に通過する
    ことを特徴とするタイヤ検査方法。
  23. 請求項19において、
    前記両走査は2次元的に行われる
    ことを特徴とするタイヤ検査方法。
  24. 請求項23において、
    前記2次元的走査の1次元分は、前記レーザーの光軸の回転により行われ、前記2次元的走査の他の1次元分はタイヤの回転により行われる
    ことを特徴とするタイヤ検査方法。
  25. 請求項19において、
    前記第1局所領域と前記第2局所領域の間の離隔距離は可変である
    ことを特徴とするタイヤ検査方法。
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