JP3960868B2 - パルス幅変調装置およびパルス幅変調方法 - Google Patents
パルス幅変調装置およびパルス幅変調方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パルス幅変調装置およびパルス幅変調方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
オーディオビデオ技術、通信技術、コンピュータ技術等のデジタル信号処理を伴う分野においては、PCM変調(Pulse Coded Modulation)データ列をPWM変調(Pulse Width Modulation)信号に変換して処理する場合がある。
【0003】
例えば、CD(Compact Disc)プレーヤやDVD(Digital Versatile Disc)プレーヤ等で再生された音声や音楽等のPCMデータ列をPWM信号にPCM-PWM変換し、そのPWM信号によってスピーカ等への供給電流を制御することにより、PWM信号に相当する音を鳴動させるデジタル増幅器が知られている。
【0004】
ここで、一般に図7(a)に示すような方法でPCM-PWM変換が行われている。
【0005】
まず、図7(a)において階段状に示されているPCMデータ列Xnは、点線で示されているアナログ音声信号を所定のサンプリング周波数fsに基づいてサンプリングすることにより生成されている。
【0006】
こうしたPCMデータ列XnをPCM-PWM変換する際、上述のサンプリング周波数fsに同期した鋸波状の参照信号R(t)とPCMデータ列Xnとを比較する。
【0007】
そして、図7(c)中に示す信号SUのように、サンプリング周期(1/fs)の開始時点(t3,t6を参照)で論理“H”に反転し、更に参照信号R(t)の傾斜部分とPCMデータ列Xnとが交差する時点(t1,t5を参照)で論理“L”に反転する矩形波状の信号SUを生成し、この信号SUをPWM信号としている。
【0008】
なお、PCMデータ列XnをPWM信号に変換する方法は、UPWM(Uniform Samlping PWM)変調と呼ばれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図7(a)に示したPCMデータ列Xnは離散的であることから、そのサンプル値が参照信号R(t)と交差する時点と、元のアナログ信号X(t)が参照信号R(t)と交差する時点とが相違する場合が生じる。
【0010】
そのため、上述のUPWM変調により得られるPWM信号SUは、アナログ信号からPWM信号を直接生成するNPWM(Natulal Samlping PWM)変調に較べて、非線形歪みを生じることとなり、例えば上述したスピーカ等を鳴動させた場合に、再生音に歪が生じる等の問題を招来する。
【0011】
つまり、NPWM変調では、図7(b)に示すように、元のアナログ信号X(t)と上述の参照信号R(t)とを比較し、図7(c)中の信号SNにて示すように、サンプリング周期(1/fs)の開始時点(t3,t6を参照)で論理“H”に反転し、参照信号R(t)の傾斜部分とアナログ信号X(t)とが交差した時点(t2,t4を参照)で論理“L”に反転する矩形波状のPWM信号SNを生成する。
【0012】
したがって、図7(c)から解るように、元のアナログ信号X(t)が同じであっても、UPWM変調によるPWM信号SUとNPWM変調によるPWM信号SNとでは、各サンプリング周期(1/fs)において論理“H”及び“L”となる期間に差異が生じ、そのためPWM信号SUに基づいて上述のスピーカ等を鳴動させた場合に、高品位の再生音を再生することが困難になる等の問題を招くこととなる。
【0013】
そこで、非線形歪みを抑制したPWM信号を生成すべく、補間処理が行われている。
【0014】
図8は、従来行われていた補間方法を示したものであり、図7(a)と対応させて示している。また、この補間方法は、LPWM(Lineariesed PWM)変調と呼ばれているものである。
【0015】
図8において、時点ta〜tbの期間Toが各サンプリング周期(1/fs)であり、1に正規化された期間となっている。また、PCMデータ列Xnと参照信号R(t)の夫々の振幅は、±1の範囲で正規化されている。
【0016】
そして、各サンプリング周期Toにおいて、開始時点taを基準時(t=0)とし、その開始時点taと終了時点tbにおけるPCMデータ列Xnの各サンプル値X1,X2を結ぶ直線S(t)と参照信号R(t)との交差する時点tpを求めて、PWM信号SUを生成する。
【0017】
つまり、各サンプリング周期Toにおける直線S(t)を次式(1)、参照信号R(t)を次式(2)で表わすこととし、
【0018】
【数1】
【0019】
【数2】
【0020】
これらの直線S(t)と参照信号R(t)とが交差したときの時点tpと、その時点tpにおける振幅値Xpを求めると、次式(3)(4)のようになる。
【0021】
【数3】
【0022】
【数4】
【0023】
なお、上記式(1)〜(4)は、時点taを周期Toにおける原点(すなわち、t=0)、時点tbをt=1として表したものである。
【0024】
そして、周期Toの開始時点taで論理“H”に反転し、時点tpで論理“L”に反転し、更に終了時点tbで論理“H”に再び反転する矩形波状の信号を、補間処理を施したPWM信号SUとする。
【0025】
かかる補間処理によると、時点tpが図7(c)に示したPWM信号SNの時点t2に近い時点となることから、PWM信号SUをPWM信号SNに近づけることが可能となっている。
【0026】
ところが、上記式(3)(4)で示したとおり、従来の補間方法では、PWM信号SUを論理反転させる時点tpの座標(tp,Xp)を求めるのに割り算を行う必要があり、演算量が多くなるという問題があった。
【0027】
特に、より周波数の高いサンプリング周波数でサンプリングされたPCMデータ列や、ビット数の多い(階調数の多い)データから生成されるPCMデータ列に対して上述の補間処理を施しつつPWM信号SUを生成する場合、上述の割り算を行うと演算量が増大し、そのためPCM-PWM変換に要する時間が長くなることから、高速の信号処理が困難になる等の問題があった。
【0028】
本発明はこうした従来の問題点に鑑みてなされたものであり、少ない演算量で補間処理を行うパルス幅変調信号の生成方法および装置を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、パルス符号変調データ列の互いに隣接関係にある正値の第1のサンプル値と第2のサンプル値を用いて、前記パルス符号変調データ列を変換してパルス幅変調信号を生成するパルス幅変調装置であって、前記第2のサンプル値から第1のサンプル値を減算した減算値に第1の係数を乗算することで第1の値を演算すると共に、前記第1のサンプル値と第2のサンプル値との加算値に第2の係数を乗算することで第2の値を演算し、前記第1の値と第2の値との乗算値に前記第2の値を加算して第3の係数を加算することで、前記第1,第2のサンプル値が正の値であるほど大きな値となる重み係数を演算する第1の手段と、前記第1のサンプル値から、前記重み係数と前記第1のサンプル値との乗算値を減算し、前記重み係数と前記第2のサンプル値との乗算値を加算することで、前記第1,第2のサンプル値を補間する線形補間値を演算する第2の手段と、前記線形補間値に基づいてパルス幅変調信号を生成する第3の手段と、を備えることを特徴とする。
【0030】
請求項3に記載の発明は、 パルス符号変調データ列の互いに隣接関係にある正値の第0番目のサンプル値と第1番目のサンプル値と第2番目のサンプル値を用いて、前記パルス符号変調データ列を変換してパルス幅変調信号を生成するパルス幅変調装置であって、前記第2番目のサンプル値から第1番目のサンプル値を減算した減算値に第1の係数を乗算することで第1の値を演算すると共に、前記第1番目のサンプル値と第2番目のサンプル値との加算値に第2の係数を乗算することで第2の値を演算し、前記第1の値と第2の値との乗算値に前記第2の値を加算して第3の係数を加算することで、前記第1,第2番目のサンプル値が正の値であるほど大きな値となる重み係数を演算する第1の手段と、前記第1番目のサンプル値から、前記重み係数と前記第1番目のサンプル値との乗算値を減算し、前記重み係数と前記第2番目のサンプル値との乗算値を加算することで、前記第1,第2番目のサンプル値を補間する線形補間値を演算する第2の手段と、前記第1番目のサンプル値から、前記第0番目のサンプル値と前記第2番目のサンプル値との加算値に第4の係数を乗算した値を減算することで、補正係数を演算する第3の手段と、前記第1番目のサンプル値から前記線形補間値を減算した値と前記線形補間値から前記第2番目のサンプル値を減算した値と前記補正係数と第5の係数とを乗算した値に、前記線形補間値を加算することで、近似したサンプル値を演算する第4の手段と、前記近似したサンプル値に基づいてパルス幅変調信号を生成する第5の手段と、を備えることを特徴とする。
【0031】
請求項7に記載の発明は、パルス符号変調データ列の互いに隣接関係にある正値の第0番目のサンプル値と第1番目のサンプル値と第2番目のサンプル値に基づいて、前記パルス符号変調データ列を変換してパルス幅変調信号を生成するパルス幅変調装置であって、前記第2番目のサンプル値から第1番目のサンプル値を減算した値に第1の係数を乗算することで第1の値を演算すると共に、前記第1番目のサンプル値と第2番目のサンプル値との加算値に第2の係数を乗算することで第2の値を演算し、前記第1の値と第2の値との乗算値に第2の値を加算して第3の係数を加算することで、重み係数を演算する第1の手段と、前記重み係数の二乗値から前記重み係数を減算した値に前記第0番目のサンプル値と第4の係数とを乗算することで第3の値を演算し、前記第1番目のサンプル値から、前記第1番目のサンプル値と前記重み係数の二乗値との乗算値を減算することで第4の値を演算し、前記重み係数の二乗値と前記重み係数とを加算した値に前記第2番目のサンプル値と第5の係数と乗算することで第5の値を演算し、前記第3,第4,第5の値を加算することで、補間したサンプル値を演算する第2の手段と、前記補間したサンプル値に基づいてパルス幅変調信号を生成する第3の手段と、を備えることを特徴とする。
【0032】
請求項9に記載の発明は、所定サンプリング周波数の2倍のサンプリング周波数でオーバーサンプリングされた互いに隣接する第1,第2,第3のサンプル値を用いて、パルス符号変調データ列を変換してパルス幅変調信号を生成するパルス幅変調装置であって、前記第1のサンプル値と前記第2のサンプル値との間に前記オーバーサンプリングによって間挿された前記第2のサンプル値が負値の場合に、前記第2のサンプル値から第1のサンプル値を減算して第1の係数を乗算することで第1の値を演算すると共に、前記第1のサンプル値と第2のサンプル値との加算値に第2の係数を乗算して第3の係数を加算することで第2の値を演算し、前記第1の値と第2の値との乗算値に第2の値を加算した値に第4の係数を加算することで、第1の重み係数を演算する第1の手段と、前記第1のサンプル値から、前記第1の重み係数と前記第1のサンプル値との乗算値を減算し、前記第1の重み係数と前記第2のサンプル値との乗算値を加算することで、補間した第1のサンプル値を演算する第2の手段と、前記第2のサンプル値が正値の場合に、前記第3のサンプル値から第2のサンプル値を減算して前記第1の係数を乗算することで第3の値を演算すると共に、前記第2のサンプル値と第3のサンプル値との加算値に前記第2の係数を乗算して前記第3の係数を減算することで第4の値を演算し、前記第3の値と第4の値との乗算値に第4の値を加算した値に前記第4の係数を加算することで、第2の重み係数を演算する第3の手段と、前記第2のサンプル値から、前記第2の重み係数と第2のサンプル値との乗算値を減算し、前記第2の重み係数と前記第3のサンプル値との乗算値を加算することで、補間した第2のサンプル値を演算する第4の手段と、前記第2のサンプル値が負値の場合には、前記補間した第1のサンプル値に基づいてパルス幅変調信号を生成し、前記第2のサンプル値が正値の場合には、前記補間した第2のサンプル値に基づいてパルス幅変調信号を生成する第5の手段と、を備えることを特徴とする。
【0033】
請求項11に記載の発明は、パルス符号変調データ列の互いに隣接関係にある正値の第1のサンプル値と第2のサンプル値を用いて、前記パルス符号変調データ列を変換してパルス幅変調信号を生成するパルス幅変調方法であって、前記第2のサンプル値から第1のサンプル値を減算した減算値に第1の係数を乗算することで第1の値を演算すると共に、前記第1のサンプル値と第2のサンプル値との加算値に第2の係数を乗算することで第2の値を演算し、前記第1の値と第2の値との乗算値に前記第2の値を加算して第3の係数を加算することで、前記第1,第2のサンプル値が正の値であるほど大きな値となる重み係数を演算する第1の工程と、前記第1のサンプル値から、前記重み係数と前記第1のサンプル値との乗算値を減算し、前記重み係数と前記第2のサンプル値との乗算値を加算することで、前記第1,第2のサンプル値を補間する線形補間値を演算する第2の工程と、前記線形補間値に基づいてパルス幅変調信号を生成する第3の工程と、を備えることを特徴とする。
【0034】
請求項12に記載の発明は、パルス符号変調データ列の互いに隣接関係にある正値の第0番目のサンプル値と第1番目のサンプル値と第2番目のサンプル値を用いて、前記パルス符号変調データ列を変換してパルス幅変調信号を生成するパルス幅変調方法であって、前記第2番目のサンプル値から第1番目のサンプル値を減算した減算値に第1の係数を乗算することで第1の値を演算すると共に、前記第1番目のサンプル値と第2番目のサンプル値との加算値に第2の係数を乗算することで第2の値を演算し、前記第1の値と第2の値との乗算値に前記第2の値を加算して第3の係数を加算することで、前記第1,第2番目のサンプル値が正の値であるほど大きな値となる重み係数を演算する第1の工程と、前記第1番目のサンプル値から、前記重み係数と前記第1番目のサンプル値との乗算値を減算し、前記重み係数と前記第2番目のサンプル値との乗算値を加算することで、前記第1,第2番目のサンプル値を補間する線形補間値を演算する第2の工程と、前記第1番目のサンプル値から、前記第0番目のサンプル値と前記第2番目のサンプル値との加算値に第4の係数を乗算した値を減算することで、補正係数を演算する第3の工程と、前記第1番目のサンプル値から前記線形補間値を減算した値と前記線形補間値から前記第2番目のサンプル値を減算した値と前記補正係数と第5の係数とを乗算した値に、前記線形補間値を加算することで、近似したサンプル値を演算する第4の工程と、前記近似したサンプル値に基づいてパルス幅変調信号を生成する第5の工程と、を備えることを特徴とする。
【0035】
請求項13に記載の発明は、パルス符号変調データ列の互いに隣接関係にある正値の第0番目のサンプル値と第1番目のサンプル値と第2番目のサンプル値に基づいて、前記パルス符号変調データ列を変換してパルス幅変調信号を生成するパルス幅変調方法であって、前記第2番目のサンプル値から第1番目のサンプル値を減算した値に第1の係数を乗算することで第1の値を演算すると共に、前記第1番目のサンプル値と第2番目のサンプル値との加算値に第2の係数を乗算することで第2の値を演算し、前記第1の値と第2の値との乗算値に第2の値を加算して第3の係数を加算することで、重み係数を演算する第1の工程と、前記重み係数の二乗値から前記重み係数を減算した値に前記第0番目のサンプル値と第4の係数とを乗算することで第3の値を演算し、前記第1番目のサンプル値から、前記第1番目のサンプル値と前記重み係数の二乗値との乗算値を減算することで第4の値を演算し、前記重み係数の二乗値と前記重み係数とを加算した値に前記第2番目のサンプル値と第5の係数と乗算することで第5の値を演算し、前記第3,第4,第5の値を加算することで、補間したサンプル値を演算する第2の工程と、前記補間したサンプル値に基づいてパルス幅変調信号を生成する第3の工程と、を備えることを特徴とする。
【0036】
請求項14に記載の発明は、所定サンプリング周波数の2倍のサンプリング周波数でオーバーサンプリングされた互いに隣接する第1,第2,第3のサンプル値を用いて、パルス符号変調データ列を変換してパルス幅変調信号を生成するパルス幅変調方法であって、前記第1のサンプル値と前記第2のサンプル値との間に前記オーバーサンプリングによって間挿された前記第2のサンプル値が負値の場合に、前記第2のサンプル値から第1のサンプル値を減算して第1の係数を乗算することで第1の値を演算すると共に、前記第1のサンプル値と第2のサンプル値との加算値に第2の係数を乗算して第3の係数を加算することで第2の値を演算し、前記第1の値と第2の値との乗算値に第2の値を加算した値に第4の係数を加算することで、第1の重み係数を演算する第1の工程と、前記第1のサンプル値から、前記第1の重み係数と前記第1のサンプル値との乗算値を減算し、前記第1の重み係数と前記第2のサンプル値との乗算値を加算することで、補間した第1のサンプル値を演算する第2の工程と、前記第2のサンプル値が正値の場合に、前記第3のサンプル値から第2のサンプル値を減算して前記第1の係数を乗算することで第3の値を演算すると共に、前記第2のサンプル値と第3のサンプル値との加算値に前記第2の係数を乗算して前記第3の係数を減算することで第4の値を演算し、前記第3の値と第4の値との乗算値に第4の値を加算した値に前記第4の係数を加算することで、第2の重み係数を演算する第3の工程と、前記第2のサンプル値から、前記第2の重み係数と第2のサンプル値との乗算値を減算し、前記第2の重み係数と前記第3のサンプル値との乗算値を加算することで、補間した第2のサンプル値を演算する第4の工程と、前記第2のサンプル値が負値の場合には、前記補間した第1のサンプル値に基づいてパルス幅変調信号を生成し、前記第2のサンプル値が正値の場合には、前記補間した第2のサンプル値に基づいてパルス幅変調信号を生成する第5の工程と、を備えることを特徴とする。
【0041】
これらのパルス幅変調装置とパルス幅変調方法によれば、パルス符号変調データ列に基づいて補間処理を行うことにより、NPWM(Natulal Samlping PWM)変調によって生成されるPWM信号に近い、非線形歪みを低減し得るPWM信号を生成する。更に、割り算(除算)を行うことなく、少ない演算量で補間処理を行うことで、非線形歪みを低減し得るPWM信号を生成する。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面を参照して説明する。
【0043】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施形態を、図1乃至図4を参照して説明する。
なお、図1は、本実施形態のパルス幅変調装置の構成と、本パルス幅変調装置を利用したデジタル増幅器の実施例の構成を示した図である。
【0044】
図2乃至図4は、本実施形態のパルス幅変調装置がパルス幅変調(PWM)信号を生成する際の補間処理の原理を示した図である。
まず、図1を参照して、本実施形態のパルス幅変調装置1の構成と、パルス幅変調装置1を利用したデジタル増幅器の実施例の構成を説明する。
【0045】
本パルス幅変調装置1は、任意のサンプリング周波数fsに基づいて生成された正と負の値で変化するPCMデータ列Xnが供給されると、そのサンプリング周波数fsに同期して正と負の値で変化する鋸波状の参照信号R(t)とPCMデータ列Xnとを比較し、その比較結果に基づいて、論理“H”又は“L”となる矩形波状のPWM信号Spwmを生成して出力するPCM-PWM変換部が備えられている。
【0046】
更にPCM-PWM変換部には、非線形歪みを抑制したPWM信号Spwmを生成すべく、補間処理を行う非線形補正処理部2が備えられている。
【0047】
ここで、パルス幅変調装置1は、演算機能を有する例えばデジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor:DSP)やマイクロプロセッサ(MPU)、或いは半導体集積回路装置(LSI)等で形成され、これらのデジタルシグナルプロセッサ等による演算処理によって、補間処理及びPWM信号Spwmの生成処理を行うようになっている。
【0048】
そして、かかる構成を有するパルス幅変調装置1は、一例として図1に示すデジタル増幅器に応用されている。
【0049】
このデジタル増幅器は、例えばCDプレーヤやDVDプレーヤ等の情報再生装置、パーソナルコンピュータ(PC)、或いはインターネット等の通信網を介した受信データ、等のPCMデータをインターフェースを介して取り込み、所定のサンプリング周波数にオーバーサンプリングしたPCMデータに変換するPCMデータ生成部3から、PCMデータ列Xnが供給される。
【0050】
そして、本パルス幅変調装置1がPCMデータ列XnをPWM信号Spwmに変換すると、そのPWM信号Spwmに基づいてスピーカSPを鳴動させる。
【0051】
すなわち本実施例のデジタル増幅器は、所定の正電圧源(+Vcc)と負電圧源(−Vcc)間に接続されたトランジスタQ1,Q2,Q3,Q4と、反転増幅器AMP1,AMP3と、非反転増幅器AMP2,AMP4と、切換回路4と、ローパスフィルタ5を備えて構成されている。
【0052】
切換回路4は、PWM信号Spwmが論理“H”となる期間と論理“L”となる期間とを逐一検出し、PWM信号Spwmが論理“H”となるときには論理“H”、論理“L”となるときには論理“L”に夫々反転する2値の制御信号CNTを出力する。
【0053】
反転増幅器AMP1は、制御信号CNTが論理“L”となると導通(オン)、論理“H”となると非導通(オフ)となり、更に導通(オン)となった場合に限り、PWM信号Spwmを反転させ、更に電力増幅してトランジスタQ1に供給する。
【0054】
非反転増幅器AMP2は、制御信号CNTが論理“H”となると導通(オン)、論理“L”となると非導通(オフ)となり、更に導通(オン)となった場合に限り、PWM信号Spwmを電力増幅してトランジスタQ2に供給する。
【0055】
反転増幅器AMP3は、制御信号CNTを反転させ更に電力増幅してトランジスタQ3に供給することにより、トランジスタQ3をオン又はオフ動作させる。
【0056】
非反転増幅器AMP4は、制御信号CNTを電力増幅してトランジスタQ4に供給することにより、トランジスタQ4をオン又はオフ動作させる。
【0057】
ローパスフィルタ5は、例えば可聴周波数帯域を通過帯域として設定されたローパスフィルタであり、トランジスタQ1,Q4の接続点とトランジスタQ2,Q3の接続点から供給される信号電流を入力し、可聴周波数帯域以上の高調波成分等その他の不要な雑音成分を除去してスピーカSPに供給する。
【0058】
かかる構成を有するデジタル増幅器によれば、制御信号CNTに従って反転増幅器AMP1がオン状態となると、PWM信号Spwmが反転されてトランジスタQ1に供給され、更にトランジスタQ3がオン状態になると共に、トランジスタQ2,Q4がオフ状態となる。
【0059】
このため、PWM信号Spwmに相当する信号電流がトランジスタQ1,Q3を通じてローパスフィルタ5に流れると共に、ローパスフィルタ5からスピーカSPへ流れる。
【0060】
更に、制御信号CNTに従って非反転増幅器AMP2がオン状態となると、PWM信号がトランジスタQ2に供給され、更にトランジスタQ4がオン状態になると共に、トランジスタQ1,Q3がオフ状態となる。
【0061】
このため、PWM信号Spwmに相当する信号電流がトランジスタQ2,Q4を通じてローパスフィルタ5に流れると共に、ローパスフィルタ5からスピーカSPへ流れる。
【0062】
このように、本実施例のデジタル増幅器は、パルス幅変調装置1から出力されるPWM信号Spwmに基づいてトランジスタQ1〜Q4のオンオフ動作を制御し、それによってスピーカSPへの信号電流の流入方向をPWM信号Spwmの論理“H”と“L”に応じて切換えることで、スピーカSPからPWM信号Spwmに相当する音を発生させるようになっている。
【0063】
次に、こうしたディジタル増幅器等に応用される本パルス幅変調装置1の補間原理及びPWM変調の原理について、図2乃至図4を参照して説明する。
【0064】
まず、本パルス幅変調装置1の機能を概説すると、所定のバイアス値0を基準として正と負に変化するPCMデータ列Xnが入力されると、そのPCMデータ列XnからPWM信号Spwmを生成するようになっている。
【0065】
更に、或るサンプリング周波数fsに基づいて生成された上述のPCMデータ列Xnが供給されると、そのサンプリング周波数fsに同期した鋸波状の参照信号R(t)とPCMデータ列Xnとを比較し、その比較結果に基づいてPWM信号Spwmを生成する。
【0066】
更に、PCMデータ列Xnの値と参照信号R(t)の振幅とを±1の範囲で正規化して処理するようになっている。
【0067】
更に、各々のサンプリング周期Toを単位時間幅とし、互いに前後関係に位置する3つのサンプリング周期Toの開始時点をt=−1、t=0、t=1として、後述の補間処理を行うようになっている。
【0068】
そして、PCMデータ列Xnが或るサンプリング周期Toにおいて正の値になる場合と、負の値になる場合との2態様の何れの場合になったとしても、補間処理を行いつつPWM信号Spwmを生成する。
【0069】
更に、PCMデータ列Xnは上述の2態様の場合のみならず、サンプリング周期Toの開始時点におけるサンプル値よりも次のサンプリング周期Toの開始時点におけるサンプル値の方が大きな値となる場合と、そのPCMデータ列Xnがサンプリング周期Toの開始時点におけるサンプル値よりも次のサンプリング周期Toの開始時点におけるサンプル値の方が小さな値となる場合との合計4態様の場合が生じることになる。
【0070】
そこで、これら合計4態様の場合に対応して、補間処理を行いつつPWM信号Spwmを生成するようになっている。
【0071】
より具体的に述べれば、PCMデータ列Xnが或るサンプリング周期Toにおいて正の値となる場合として、図2(a)と図3(a)に例示するような場合がある。
【0072】
つまり、図2(a)は、PCMデータ列Xnが正の値となった場合であって、或るサンプリング周期Toの開始時点におけるサンプル値X1よりも、次のサンプリング周期Toの開始時点におけるサンプル値X2の方が大きな値となる場合を示している。
【0073】
図3(a)は、PCMデータ列Xnが正の値となった場合であって、或るサンプリング周期Toの開始時点におけるサンプル値X1よりも、次のサンプリング周期Toの開始時点におけるサンプル値X2の方が小さな値となる場合を示している。
【0074】
また、PCMデータ列Xnが或るサンプリング周期Toにおいて負の値となる場合として、図2(b)と図3(b)に例示するような場合がある。
【0075】
つまり、図2(b)は、PCMデータ列Xnが負の値になった場合であって、或るサンプリング周期Toの開始時点におけるサンプル値X1よりも、次のサンプリング周期Toの開始時点におけるサンプル値X2の方が大きな値となる場合を示している。
【0076】
図3(b)は、PCMデータ列Xnが負の値になった場合であって、或るサンプリング周期Toの開始時点におけるサンプル値X1よりも、次のサンプリング周期Toの開始時点におけるサンプル値X2の方が小さな値となる場合を示している。
【0077】
このように、PCMデータ列Xnは図2(a)(b)と図3(a)(b)に例示したように合計4態様を取る場合があることから、これらの何れの態様であっても、本パルス幅変調装置は適切な補間処理を施しつつPWM信号Spwmを生成することとしている。
【0078】
そして、詳細については後述するが、PCMデータ列Xnが図2(a)に例示する態様であった場合には図2(c)に示す補間処理を行い、図2(b)に例示する態様であった場合には図2(d)に示す補間処理を行い、図3(a)に例示する態様であった場合には図3(c)に示す補間処理を行い、図3(b)に例示する態様であった場合には図3(d)に示す補間処理を行い、更に、これらの補間処理によって得られる結果を用いて、図4に例示する補間処理を行うことで、最終的に補間処理を施したPWM信号Spwmを生成するようになっている。
【0079】
次に、本パルス幅変調装置1の補間原理及びPWM変調の原理を、図2(c)(d)、図3(c)(d)及び図4を参照して詳細に説明する。
【0080】
まず、結論から述べると、上述の何れかの態様を有するPCMデータ列Xnが入力されると、その態様に応じて、図2(c)(d)と図3(c)(d)に示されている何れかの補間処理が行われる。そして、サンプリング周期Toの開始時点におけるPCMデータ列Xnのサンプル値X1と、次のサンプリング周期Toの開始時点におけるサンプル値X2とを取得し、それらのサンプル値X1,X2を用いて次式(5)で表される演算処理を行うことで、重み係数Wを求める。
【0081】
【数5】
【0082】
更に、その重み係数Wを次式(6)で表される演算式に適用することにより、サンプル値の線形補間値Xpを求めて、アナログ信号を近似する。
【0083】
【数6】
【0084】
なお、上記式(5)中の係数αは、重み係数Wの値を微調整するために設けられており、約0.5程度の値に設定すると、線形補間値Xpを用いてPWM変調を行うことにより、NPWM変調によって得られるPWM信号に近いPWM信号Spwmを生成することができる。
【0085】
次に更に、NPWM変調によって得られるPWM信号に近いPWM信号を生成すべく、補間処理を行う。
【0086】
まず、1つ前のサンプリング周期Toの開始時点におけるPCMデータ列Xnのサンプル値X0と、上述のサンプル値X1,X2との3個のサンプル値X0,X1,X2、すなわち互いに隣接する3個のサンプル値X0,X1,X2を次式(7)に適用することにより、補正係数dを算出する。
【0087】
【数7】
【0088】
更に、補正係数dを次式(8)に適用することによって、補間したサンプル値Xqを求める。そして、サンプル値Xqを、仮にNPWM変調を行った場合に上述のアナログ信号X(t)と参照信号R(t)とが交差するときの座標(tc,Xc)を近似するサンプル値であるとする。
【0089】
【数8】
【0090】
そして、参照信号R(t)が補間したサンプル値Xqと等しい値となるときの、そのサンプル値Xqに対応する時点tqを求め、時点tqで論理反転するPWM信号Spwmを生成して出力する。
【0091】
つまり、PWM信号Spwmをサンプリング周期Toの開始時点で論理“H”に反転させ、上述の時点tqで論理“L”に反転させることにより、NPWM変調で得られるPWM信号に近い波形となるPWM信号Spwmを生成して出力する。
【0092】
なお、上記式(8)中の係数βは、実験的に決められる係数であり、サンプリング周波数fsとアナログ信号X(t)の周波数帯域とを考慮して、NPWM変調で得られるPWM信号に近い波形となるPWM信号Spwmが得られるように調整して決めるようになっている。
【0093】
例えば、入力されるPCMデータ列に対してオーバーサンプルングを施し、そのオーバーサンプリング後のサンプリング周波数が768kHz、信号周波数が10kHzの場合には、係数βを約2×10−7程度にすることが望ましい。
【0094】
以上、本実施形態の補間処理の原理とPWM信号Spwmの生成原理について説明したが、かかる補間原理等の妥当性について次に説明する。
なお、本発明者が、本実施形態のPWM変調装置1を開発するまでに行った考察について説明することで、補間原理等の妥当性について説明することとする。
【0095】
まず、仮に従来技術で説明したLPWM変調によって、図2(c)(d)に示す2個のサンプル値X1,X2間を結ぶ直線S(t)と参照信号R(t)とが交差するときの座標(tpa,Xp)と、図3(c)(d)に示す2個のサンプル値X1,X2間を結ぶ直線S(t)と参照信号R(t)とが交差するときの座標(tpb,Xp)とを求めると、これらの図2(c)(d)と図3(c)(d)から解るように、サンプル値X1,X2が負になるほど値Xpはサンプル値X1に近づき、またサンプル値X1,X2が正になるほど値Xpはサンプル値X2に近づくという傾向が得られる。
【0096】
そこで、最初の考察では、サンプル値X1,X2が正になるほど大きくなるという次式(9)で表される重み係数Wを考え、更にその重み係数Wを次式(10)に適用することで、LPWN変調と同様の座標(tp,Xp)を近似することとした。
【0097】
【数9】
【0098】
【数10】
【0099】
しかし、この重み係数Wは、サンプル値X1,X2の相互の大小関係については考慮されていないことから、更にサンプル値X1,X2の相互の大小関係が異なる場合にも適合し得る重み係数Wを求めることした。
【0100】
まず、図2(c)と図3(c)を対比した結果、サンプル値X1,X2が正となる場合には、図2(c)に示すようにX1<X2の関係のときに求まる上記座標の時点tpaと、図3(c)に示すようにX1>X2の関係のときに求まる上記座標の時点tpbとが、tpb<tpaの関係となるという傾向に着目した。
【0101】
また、図2(d)と図3(d)を対比した結果、サンプル値X1,X2が負となる場合には、図2(d)に示すようにX1<X2の関係のときに求まる上記座標の時点tpaと、図3(d)に示すようにX1>X2の関係のときに求まる上記座標の時点tpbとが、tpb>tpaの関係となるという傾向に着目した。
【0102】
そして、これらの傾向を反映した重み係数Wを求めるべく、次式(11)の演算式を開発した。
【0103】
【数11】
【0104】
そして、式(11)によって求めた重み係数Wは式(3)の時点tpと非常に精度よく一致することがわかった。
【0105】
更に、重み係数を式(10)に代入することにより値Xpを求めると、式(4)から求めた値Xpと非常に精度よく一致した。
【0106】
したがって、演算量の多い割り算を行うことなしに、X1とX2を結ぶ直線S(t)と参照信号R(t)とが交差する点の座標(tp,Xp)を求めることができ、少ない演算量によりNPWM変調を近似したPWM変調を行うことができる。
【0107】
但し、上述の交点座標(tp,Xp)はアナログ信号X(t)と参照信号R(t)との交点座標(tc,Xc)からは未だ外れており、式(11)によって求めた重み係数Wを式(10)に代入しただけでは、未だに十分に精度良くNPWM変調を近似したPWM信号を生成することができない。
【0108】
そこで、交点座標(tp,Xp)を(tc,Xc)により近づけるため、既述した式(7)、式(8)を開発した。
すなわち、上記式(7)によって求められる補正係数dは、図4(a)中に示すサンプル値X0とX2との加算平均値(0.5(X0+X2))とサンプル値X1との差の値を表しているが、加算平均値(0.5(X0+X2))と元のアナログ信号X(t)との差を表すものである。
【0109】
つまり、この補正係数dが正の値となれば、元のアナログ信号X(t)の振幅はサンプリング周期To内において凸状に変化し、逆に負の値になれば元のアナログ信号X(t)はサンプリング周期To内において凹状に変化するという傾向を示す指標となるものである。
【0110】
したがって、補正係数dが正の値となるときには、サンプル値Xpを大きくしてやれば、その値Xpは座標(tc,Xc)における値Xcにより近づくこととなり、逆に補正係数dが負の値となるときには、値Xpを小さくしてやれば、その値Xpは座標(tc,Xc)における値Xcにより近づくこととなる。
【0111】
つまり、図4(b)に拡大して示すように、上記式(10)によって得られるサンプル値Xp、すなわち時点t=0とサンプル値X1で表される座標(0,X1)と、時点t=1とサンプル値X2で表される座標(1,X2)との、2つの座標間を結ぶ直線「Line」が参照信号R(t)と交差する時点tpにおけるサンプル値Xpを、補正係数dの値に応じて大きくしたり又は小さくするように補正すれば、時点tpにおけるアナログ信号X(t)の振幅値に近いサンプル値Xqを求めることができることとなる。
【0112】
そこで、かかる補正処理を施すべく、既述の式(8)を開発し、補間したサンプル値Xqを求めることとした。
【0113】
なお、上記式(8)の右辺第2項に示されている(X1−Xp)(Xp−X2)は、サンプル値Xpがサンプル値X1或いはX2に近い値となった場合に、補正量を小さくするための項となっており、この項の演算を行うことにより、サンプル値Xpがサンプル値X1或いはX2に近い値となった場合には、サンプル値Xqがサンプル値X1或いはX2から大きくずれるという問題の発生を未然に防止することが可能となっている。
【0114】
そして、参照信号R(t)がサンプル値Xqと等しい値OPTとなるときの時点tqを求め、その時点tqを上述の時点tcに極めて近い時点とした。
【0115】
そして更に、図4に例示するように、サンプリング周期Toの開始時点において論理“H”に反転し、時点tqで論理“L”に反転する矩形波状の信号を生成し、その矩形波状の信号を補間処理を施したPWM信号Spwmとすることとした。
【0116】
このように、本実施形態のPWM変調装置1によれば、上記式(5)〜(8)で示した演算処理を行うことで、PCMデータ列Xnの元のアナログ信号X(t)と参照信号R(t)とが交差する時点での振幅値に極めて近いサンプル値Xqを得ることができ、更に参照信号R(t)がサンプル値Xqと等しい振幅値となるときの時点tqを求めることにより、NPWM変調で得られる時点tcに極めて近い時点tqが得られる。
【0117】
このため、時点tqにおいてPWM信号Spwmの論理を“H”から“L”に反転させることにより、NPWM変調で得られるPWM信号と極めて近いPWM信号Spwmを生成することができ、非線形歪を低減し得るPWM変調装置を実現することができた。
【0118】
また、本実施形態の補間処理において、割り算を行う必要がないため、演算量を大幅に低減することができ、例えば高速のデジタル信号処理を実現することができる等の効果が得られる。
【0119】
なお、上述の補間したサンプル値Xqを求めるための演算式(8)は、PCMデータ列Xnのサンプル値X1,X2及び補正係数d等を用いて幾何学的手法により求めたものであるが、本実施形態の変形例として、ラグランジェ法を適用して求められる次式(12)に基づいて、上述のサンプル値Xqを求めるようにしてもよい。
【0120】
【数12】
【0121】
すなわち、この変形例においては、まず上記式(5)で表される演算処理を行うことで重み係数Wを求めた後、上記式(6)〜(8)の演算処理を行うのに代えて、その重み係数Wと互いに隣接する3個のサンプル値X0,X1,X2を上記式(12)に適用して、補間したサンプル値Xqを求める。
【0122】
そして、図4に例示したのと同様に、その参照信号X(t)がサンプル値Xqと等しくなるときの時点tqを求め、その時点tqで論理反転するPWM信号Spwmを生成する。
【0123】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施形態を、図5及び図6を参照して説明する。
本実施形態は、オーバーサンプリングされたPCMデータ列からPWM変調信号を生成するパルス幅変調装置に関する。
【0124】
なお、図5は本パルス幅変調装置の構成を示す図であり、図1と同一又は相当する部分を同一符号で示している。
【0125】
図5(a)において、第1の実施形態との相違点を述べると、PCMデータ生成部3からサンプリング周波数fsのPCMデータ列Xnが出力されると、オーバーサンプリング部100がサンプリング周波数fsの2倍のサンプリング周波数fovでPCMデータ列Xnをオーバーサンプリングし、そのオーバーサンプリングされたPCMデータ列Xiに基づいて、本パルス幅変調装置1が、サンプリング周波数fsに同期したPWM信号Spwmを生成して出力する。
【0126】
すなわち、オーバーサンプリング部100は、図5(b)に例示するように、或るサンプリング周波数fsのPCMデータ列Xnを入力すると、各データ間に上述のサンプリング周波数fovに従ってサンプル値が0に設定されたデータを間挿し、図示していないデジタルローパスフィルタでフィルタリングすることにより、オーバーサンプリングしたPCMデータ列Xiを出力する。
【0127】
そして、本パルス幅変調装置1は、オーバーサンプリングしたPCMデータ列Xiに対して補間処理を施こすことにより、NPWM変調で得られるPWM信号に近似した、サンプリング周波数fsに同期したPWM信号Spwmを生成して出力する。
【0128】
次に、本パルス幅変調装置1の補間処理とPWM変調信号の生成動作について、図6を参照して説明する。なお、PCMデータ列Xiは、サンプリング周波数fsの2倍のサンプリング周波数fovでオーバーサンプリングされている。
【0129】
図6において、本パルス幅変調装置1は、オーバーサンプリングされているPCMデータ列Xiに対して、サンプリング周波数fsの逆数に相当するサンプリング周期Toに同期した鋸波状の参照信号R(t)を内部で発生する。
【0130】
また、PCMデータ列Xiの各サンプル値を±1の範囲で正規化すると共に、サンプリング周期Toを単位時間として、その開始時点をt=0、終了時点をt=1、その開始時点と終了時点との中間の時点をt=0.5として、補間処理等を行う。
【0131】
また、中間の時点(t=0.5)において得られるサンプル値X2と、それに相前後するサンプル値X1,X3との合計3個のサンプル値X1,X2,X3を用いて補間処理を行う。
【0132】
また、上述の中間の時点(t=0.5)において得られるサンプル値X2が正の値か負の値かを検出し、その検出結果に応じて異なった補間処理を行ってPWM信号Spwmを生成する。
【0133】
図6(a)に例示するように、サンプル値X2が負の値であった場合には、まず、隣接関係にある3個のサンプル値X1,X2,X3のうち、2個のサンプル値X1,X2を用いて次式(13)で表される演算処理を行うことにより、適宜の重み係数WNを求める。
【0134】
【数13】
【0135】
更に、重み係数WNと2個のサンプル値X1,X2を用いて次式(14)で表される演算処理を行うことにより、サンプル値XNを推定する。
【0136】
【数14】
【0137】
すなわち、かかる補間処理を行うと、図6(a)に示すサンプル値X1とX2を結ぶ直線、すなわちアナログ信号を直線近似したのに相当する直線S12と、参照信号R(t)とが交差するときのサンプル値XNを求めることになる。
【0138】
次に、そのサンプル値XNに対応する参照信号R(t)の時点tNを求める。すなわち、上述の直線S12と参照信号R(t)とが交差するときの座標(tN,XN)を求める。
【0139】
そして、時点t=0で論理“H”に反転し、時点tNで論理“L”に反転し、時点t=1で論理“H”に反転するPWM信号Spwmを生成して出力する。
【0140】
一方、図6(b)に例示するように、サンプル値X2が正の値であった場合には、隣接関係にある3個のサンプル値X1,X2,X3のうち、2個のサンプル値X2,X3を用いて次式(15)で表される演算処理を行うことにより、重み係数Wpを求める。
【0141】
【数15】
【0142】
更に、重み係数Wpと2個のサンプル値X2,X3を用いて次式(16)で表される演算処理を行うことにより、サンプル値Xpを推定する。
【0143】
【数16】
【0144】
すなわち、かかる補間処理を行うと、図6(b)に示すサンプル値X2とX3を結ぶ直線、すなわちアナログ信号を直線近似したのに相当する直線S23と、参照信号R(t)とが交差するときのサンプル値Xpを求めることになる。
【0145】
次に、そのサンプル値Xpに対応する参照信号R(t)の時点tpを求める。すなわち、上述の直線S23と参照信号R(t)とが交差するときの座標(tp,Xp)を求める。
【0146】
そして、時点t=0で論理“H”に反転し、時点tpで論理“L”に反転し、時点t=1で論理“H”に反転するPWM信号Spwmを生成して出力する。
このように、本実施形態によれば、オーバサンプルングされたPCMデータ列Xiに基づいてPWM信号Spwmを生成することができる。
【0147】
また、隣接関係にある3個のサンプル値X1,X2,X3を用いて線形補間を行うので、NPWM変調で得られるPWM信号に極めて近く、更に非線形歪みの少ないPWM信号Spwmを生成することができる。
【0148】
また、補間処理を行うのに割り算を必要としないので、演算量を低減することができ、高速のデジタル信号処理を実現することができる。
【0149】
なお、上記式(13)(15)中の係数γは、重み係数WN,Wpを微調整するためのものであるが、約1.0程度の値に設定することが望ましい。
【0150】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、パルス符号変調データ列からパルス幅変調信号を生成する際、割り算を行うことなく補間演算処理を行うことができ、そのため演算量を大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態のパルス幅変調装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すパルス幅変調装置の補間処理及び補間信号の生成動作を説明するための図である。
【図3】図1に示すパルス幅変調装置の補間処理及び補間信号の生成動作を更に説明するための図である。
【図4】図1に示すパルス幅変調装置の補間処理及び補間信号の生成動作を更に説明するための図である。
【図5】第2の実施形態のパルス幅変調装置の構成を示すブロック図である。
【図6】図5に示すパルス幅変調装置の補間処理及び補間信号の生成動作を説明するための図である。
【図7】従来のパルス幅変調方法の問題点を説明するための図である。
【図8】従来の補間方法の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1…PCM変調装置
2…非線形歪補正処理部
3…PCMデータ生成部
100…オーバーサンプリング部
Claims (14)
- パルス符号変調データ列の互いに隣接関係にある正値の第1のサンプル値と第2のサンプル値を用いて、前記パルス符号変調データ列を変換してパルス幅変調信号を生成するパルス幅変調装置であって、
前記第2のサンプル値から第1のサンプル値を減算した減算値に第1の係数を乗算することで第1の値を演算すると共に、前記第1のサンプル値と第2のサンプル値との加算値に第2の係数を乗算することで第2の値を演算し、前記第1の値と第2の値との乗算値に前記第2の値を加算して第3の係数を加算することで、前記第1,第2のサンプル値が正の値であるほど大きな値となる重み係数を演算する第1の手段と、
前記第1のサンプル値から、前記重み係数と前記第1のサンプル値との乗算値を減算し、前記重み係数と前記第2のサンプル値との乗算値を加算することで、前記第1,第2のサンプル値を補間する線形補間値を演算する第2の手段と、
前記線形補間値に基づいてパルス幅変調信号を生成する第3の手段と、
を備えることを特徴とするパルス幅変調装置。 - 前記第1の手段は、第1の係数を所定値α、第2の係数を0.25、第3の係数を0.5とし、前記第1のサンプル値X 1 と第2のサンプ値X 2 に基づいて、
W={1+α(X2−X1)}{0.25(X1+X2)}+0.5
の演算処理により、前記重み係数Wを求め、
前記第2の手段は、前記重み係数Wと前記第1のサンプル値X 1 と前記第2のサンプル値X 2 に基づいて、
X p =(1−W)X 1 +W・X 2
の演算処理により、前記線形補間値X p を求めること、
を特徴とする請求項1に記載のパルス幅変調装置。 - パルス符号変調データ列の互いに隣接関係にある正値の第0番目のサンプル値と第1番目のサンプル値と第2番目のサンプル値を用いて、前記パルス符号変調データ列を変換してパルス幅変調信号を生成するパルス幅変調装置であって、
前記第2番目のサンプル値から第1番目のサンプル値を減算した減算値に第1の係数を乗算することで第1の値を演算すると共に、前記第1番目のサンプル値と第2番目のサンプル値との加算値に第2の係数を乗算することで第2の値を演算し、前記第1の値と第2の値との乗算値に前記第2の値を加算して第3の係数を加算することで、前記第1,第2番目のサンプル値が正の値であるほど大きな値となる重み係数を演算する第1の手段と、
前記第1番目のサンプル値から、前記重み係数と前記第1番目のサンプル値との乗算値を減算し、前記重み係数と前記第2番目のサンプル値との乗算値を加算することで、前記第1,第2番目のサンプル値を補間する線形補間値を演算する第2の手段と、
前記第1番目のサンプル値から、前記第0番目のサンプル値と前記第2番目のサンプル値との加算値に第4の係数を乗算した値を減算することで、補正係数を演算する第3の手段と、
前記第1番目のサンプル値から前記線形補間値を減算した値と前記線形補間値から前記第2番目のサンプル値を減算した値と前記補正係数と第5の係数とを乗算した値に、前記線形補間値を加算することで、近似したサンプル値を演算する第4の手段と、
前記近似したサンプル値に基づいてパルス幅変調信号を生成する第5の手段と、
を備えることを特徴とするパルス幅変調装置。 - 前記第1の手段は、第1の係数を所定値α、第2の係数を0.25、第3の係数を0.5とし、前記第1番目のサンプル値X 1 と第2番目のサンプ値X 2 に基づいて、
W={1+α(X 2 −X 1 )}{0.25(X 1 +X 2 )}+0.5
の演算処理により、前記重み係数Wを求め、
前記第2の手段は、前記重み係数Wと前記第1番目のサンプル値X 1 と前記第2番目のサンプル値X 2 に基づいて、
X p =(1−W)X 1 +W・X 2
の演算処理により、前記線形補間値X p を求めること、
を特徴とする請求項3に記載のパルス幅変調装置。 - 前記第3の手段は、前記第4の係数を0.5とし、前記第0番目のサンプル値X 0 と前記第1のサンプル値X1 と前記第2のサンプル値X2に基づいて、
d=X1−0.5(X0+X2)
の演算処理により、前記補正係数dを求めること、
を特徴とする請求項3又は4に記載のパルス変調装置。 - 前記第4の手段は、前記第4の係数を所定値βとし、前記補正係数dと前記線形補間値X p と前記第1のサンプル値X1 と前記第2のサンプル値X2に基づいて、
Xq=Xp+β・d(X1−Xp)(Xp−X2)
の演算処理により、前記近似したサンプル値Xqを求めること、
を特徴とする請求項3〜5の何れか1項に記載のパルス幅変調装置。 - パルス符号変調データ列の互いに隣接関係にある正値の第0番目のサンプル値と第1番目のサンプル値と第2番目のサンプル値に基づいて、前記パルス符号変調データ列を変換してパルス幅変調信号を生成するパルス幅変調装置であって、
前記第2番目のサンプル値から第1番目のサンプル値を減算した値に第1の係数を乗算することで第1の値を演算すると共に、前記第1番目のサンプル値と第2番目のサンプル値との加算値に第2の係数を乗算することで第2の値を演算し、前記第1の値と第2の値との乗算値に第2の値を加算して第3の係数を加算することで、重み係数を演算する第1の手段と、
前記重み係数の二乗値から前記重み係数を減算した値に前記第0番目のサンプル値と第4の係数とを乗算することで第3の値を演算し、前記第1番目のサンプル値から、前記第1番目のサンプル値と前記重み係数の二乗値との乗算値を減算することで第4の値を演算し、前記重み係数の二乗値と前記重み係数とを加算した値に前記第2番目のサンプル値と第5の係数と乗算することで第5の値を演算し、前記第3,第4,第5の値を加算することで、補間したサンプル値を演算する第2の手段と、
前記補間したサンプル値に基づいてパルス幅変調信号を生成する第3の手段と、
を備えることを特徴とするパルス幅変調装置。 - 前記第1の手段は、前記第1の係数を所定値α、第2の係数を0.25、第3の係数を0.5とし、前記第1番目のサンプル値X 1 と前記第2番目のサンプル値X 2 に基づいて、
W={1+α(X 2 −X 1 )}{0.25(X 1 +X 2 )}+0.5
の演算処理により、前記重み係数Wを求め、
前記第2の手段は、前記第4,第5の係数を共に0.5とし、前記重み係数Wと前記第0,第1,第2番目のサンプル値X 0 ,X 1 ,X 2 に基づいて、
X q =0.5・X 0 (W 2 −W)+X 1 (1−W 2 )+0.5・X 2 (W 2 +W)
の演算処理により、前記補間したサンプル値X q を求めること、
を特徴とする請求項7に記載のパルス幅変調装置。 - 所定サンプリング周波数の2倍のサンプリング周波数でオーバーサンプリングされた互いに隣接する第1,第2,第3のサンプル値を用いて、パルス符号変調データ列を変換してパルス幅変調信号を生成するパルス幅変調装置であって、
前記第1のサンプル値と前記第2のサンプル値との間に前記オーバーサンプリングによって間挿された前記第2のサンプル値が負値の場合に、前記第2のサンプル値から第1のサンプル値を減算して第1の係数を乗算することで第1の値を演算すると共に、前記第1のサンプル値と第2のサンプル値との加算値に第2の係数を乗算して第3の係数を加算することで第2の値を演算し、前記第1の値と第2の値との乗算値に第2の値を加算した値に第4の係数を加算することで、第1の重み係数を演算する第1の手段と、
前記第1のサンプル値から、前記第1の重み係数と前記第1のサンプル値との乗算値を減算し、前記第1の重み係数と前記第2のサンプル値との乗算値を加算することで、補間 した第1のサンプル値を演算する第2の手段と、
前記第2のサンプル値が正値の場合に、前記第3のサンプル値から第2のサンプル値を減算して前記第1の係数を乗算することで第3の値を演算すると共に、前記第2のサンプル値と第3のサンプル値との加算値に前記第2の係数を乗算して前記第3の係数を減算することで第4の値を演算し、前記第3の値と第4の値との乗算値に第4の値を加算した値に前記第4の係数を加算することで、第2の重み係数を演算する第3の手段と、
前記第2のサンプル値から、前記第2の重み係数と第2のサンプル値との乗算値を減算し、前記第2の重み係数と前記第3のサンプル値との乗算値を加算することで、補間した第2のサンプル値を演算する第4の手段と、
前記第2のサンプル値が負値の場合には、前記補間した第1のサンプル値に基づいてパルス幅変調信号を生成し、前記第2のサンプル値が正値の場合には、前記補間した第2のサンプル値に基づいてパルス幅変調信号を生成する第5の手段と、
を備えることを特徴とするパルス幅変調装置。 - 前記第1の手段は、前記第1の係数を所定値γ、第2,第3,第4の係数を共に0.5とし、前記第1のサンプル値X 1 と前記第2のサンプル値X 2 に基づいて、
W N ={1+γ(X 2 −X 1 )}{0.5(X 1 +X 2 )+0.5}+0.5
の演算処理によって前記第1の重み係数W N を求め、
前記第2の手段は、前記第1の重み係数W N と前記第1のサンプル値X 1 と第2のサンプル値X 2 に基づいて、
X N =(1−W N )X 1 +W N X 2
の演算処理によって、前記補間した第1サンプル値X N を求め、
前記第3の手段は、前記第1の係数を所定値γ、第2,第3,第4の係数を共に0.5とし、前記第2のサンプル値X 2 と前記第3のサンプル値X 3 に基づいて、
W p ={1+γ(X 3 −X 2 )}{0.5(X 2 +X 3 )−0.5}+0.5
の演算処理によって第2の重み係数W p を求め、
前記第4の手段は、前記第2の重み係数W p と前記第2のサンプル値X 2 と第3のサンプル値X 3 に基づいて、
X p =(1−W p )X 2 +W p X 3
の演算処理によって、前記補間した第2のサンプル値X p を求めること、
を特徴とする請求項9に記載のパルス幅変調装置。 - パルス符号変調データ列の互いに隣接関係にある正値の第1のサンプル値と第2のサンプル値を用いて、前記パルス符号変調データ列を変換してパルス幅変調信号を生成するパルス幅変調方法であって、
前記第2のサンプル値から第1のサンプル値を減算した減算値に第1の係数を乗算することで第1の値を演算すると共に、前記第1のサンプル値と第2のサンプル値との加算値に第2の係数を乗算することで第2の値を演算し、前記第1の値と第2の値との乗算値に前記第2の値を加算して第3の係数を加算することで、前記第1,第2のサンプル値が正の値であるほど大きな値となる重み係数を演算する第1の工程と、
前記第1のサンプル値から、前記重み係数と前記第1のサンプル値との乗算値を減算し、前記重み係数と前記第2のサンプル値との乗算値を加算することで、前記第1,第2のサンプル値を補間する線形補間値を演算する第2の工程と、
前記線形補間値に基づいてパルス幅変調信号を生成する第3の工程と、
を備えることを特徴とするパルス幅変調方法。 - パルス符号変調データ列の互いに隣接関係にある正値の第0番目のサンプル値と第1番目のサンプル値と第2番目のサンプル値を用いて、前記パルス符号変調データ列を変換してパルス幅変調信号を生成するパルス幅変調方法であって、
前記第2番目のサンプル値から第1番目のサンプル値を減算した減算値に第1の係数を乗算することで第1の値を演算すると共に、前記第1番目のサンプル値と第2番目のサンプル値との加算値に第2の係数を乗算することで第2の値を演算し、前記第1の値と第2 の値との乗算値に前記第2の値を加算して第3の係数を加算することで、前記第1,第2番目のサンプル値が正の値であるほど大きな値となる重み係数を演算する第1の工程と、
前記第1番目のサンプル値から、前記重み係数と前記第1番目のサンプル値との乗算値を減算し、前記重み係数と前記第2番目のサンプル値との乗算値を加算することで、前記第1,第2番目のサンプル値を補間する線形補間値を演算する第2の工程と、
前記第1番目のサンプル値から、前記第0番目のサンプル値と前記第2番目のサンプル値との加算値に第4の係数を乗算した値を減算することで、補正係数を演算する第3の工程と、
前記第1番目のサンプル値から前記線形補間値を減算した値と前記線形補間値から前記第2番目のサンプル値を減算した値と前記補正係数と第5の係数とを乗算した値に、前記線形補間値を加算することで、近似したサンプル値を演算する第4の工程と、
前記近似したサンプル値に基づいてパルス幅変調信号を生成する第5の工程と、
を備えることを特徴とするパルス幅変調方法。 - パルス符号変調データ列の互いに隣接関係にある正値の第0番目のサンプル値と第1番目のサンプル値と第2番目のサンプル値に基づいて、前記パルス符号変調データ列を変換してパルス幅変調信号を生成するパルス幅変調方法であって、
前記第2番目のサンプル値から第1番目のサンプル値を減算した値に第1の係数を乗算することで第1の値を演算すると共に、前記第1番目のサンプル値と第2番目のサンプル値との加算値に第2の係数を乗算することで第2の値を演算し、前記第1の値と第2の値との乗算値に第2の値を加算して第3の係数を加算することで、重み係数を演算する第1の工程と、
前記重み係数の二乗値から前記重み係数を減算した値に前記第0番目のサンプル値と第4の係数とを乗算することで第3の値を演算し、前記第1番目のサンプル値から、前記第1番目のサンプル値と前記重み係数の二乗値との乗算値を減算することで第4の値を演算し、前記重み係数の二乗値と前記重み係数とを加算した値に前記第2番目のサンプル値と第5の係数と乗算することで第5の値を演算し、前記第3,第4,第5の値を加算することで、補間したサンプル値を演算する第2の工程と、
前記補間したサンプル値に基づいてパルス幅変調信号を生成する第3の工程と、
を備えることを特徴とするパルス幅変調方法。 - 所定サンプリング周波数の2倍のサンプリング周波数でオーバーサンプリングされた互いに隣接する第1,第2,第3のサンプル値を用いて、パルス符号変調データ列を変換してパルス幅変調信号を生成するパルス幅変調方法であって、
前記第1のサンプル値と前記第2のサンプル値との間に前記オーバーサンプリングによって間挿された前記第2のサンプル値が負値の場合に、前記第2のサンプル値から第1のサンプル値を減算して第1の係数を乗算することで第1の値を演算すると共に、前記第1のサンプル値と第2のサンプル値との加算値に第2の係数を乗算して第3の係数を加算することで第2の値を演算し、前記第1の値と第2の値との乗算値に第2の値を加算した値に第4の係数を加算することで、第1の重み係数を演算する第1の工程と、
前記第1のサンプル値から、前記第1の重み係数と前記第1のサンプル値との乗算値を減算し、前記第1の重み係数と前記第2のサンプル値との乗算値を加算することで、補間した第1のサンプル値を演算する第2の工程と、
前記第2のサンプル値が正値の場合に、前記第3のサンプル値から第2のサンプル値を減算して前記第1の係数を乗算することで第3の値を演算すると共に、前記第2のサンプル値と第3のサンプル値との加算値に前記第2の係数を乗算して前記第3の係数を減算することで第4の値を演算し、前記第3の値と第4の値との乗算値に第4の値を加算した値に前記第4の係数を加算することで、第2の重み係数を演算する第3の工程と、
前記第2のサンプル値から、前記第2の重み係数と第2のサンプル値との乗算値を減算し、前記第2の重み係数と前記第3のサンプル値との乗算値を加算することで、補間した第2のサンプル値を演算する第4の工程と、
前記第2のサンプル値が負値の場合には、前記補間した第1のサンプル値に基づいてパ ルス幅変調信号を生成し、前記第2のサンプル値が正値の場合には、前記補間した第2のサンプル値に基づいてパルス幅変調信号を生成する第5の工程と、
を備えることを特徴とするパルス幅変調方法。
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