JP3960651B2 - 映像信号処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタルテレビジョンカメラの高解像度化を図った映像信号処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、CCD(Charge Coupled Device )を用いたテレビジョンカメラにおける高解像度化の手法の一つとして、空間画素ずらし法が知られている。
この空間画素ずらし法は、R,G,Bの3色用のCCDの位置を、例えば、Gに対してR/Bを、相対的に1/2ピッチずらすことにより、信号帯域を2倍に伸ばす方法である。 以下、その内容を図4を用いて説明する。
図示しないテレビジョンカメラの光学系を構成する光学的なローパスフィルタ(optical LPF)からの信号は、同じく光学系を構成するプリズムにより分光され、相対的に1/2ピッチずれた対応するCCD内で光電変換される。
この時、optical LPFの信号帯域を、図4の(a)のようにとると、R/B信号とG信号は、互いに位相がπずれているため、CCD内のサンプリング周波数をfとすると、信号帯域は、図4の(b),(c)のように、折り返し成分の位相が互いに逆になる。
従って、撮像された映像が無彩色映像であるなら、輝度(Y)信号のR,G,B信号の合成比率を、Y=kG+mR+nB (k=m+n)とすれば、折り返し成分は打ち消し合い、信号帯域を2倍にすることができる。
従来のベース帯域のY信号の生成では、図3に示すように、2倍速クロックでG位相とR/B位相の信号の多重処理手段(図3では、マルチプレクサ:MPX)を用いて空間画素ずらしを行い、信号の帯域を2倍にしてから、信号に帯域制限を設けてベース帯域としていた。
また、空間画素ずらし法を用いた回路構成は、生成されたY信号の出力経路を一系統しか持っていないため、カメラヘッド出力およびCCU(Camera Control Unit)に出力される映像信号は、信号の伝送量や処理速度によって、信号帯域等に大きな制約を受けることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
HDTV(High Definition TV)方式のように、サンプリングレート(74 MHz)が高い場合、解像度改善のためにディジタル処理で前述の2倍速処理(148 MHz )を行うことは、処理速度の点から困難であった。
また、カメラヘッド出力およびCCUに出力される映像信号は、伝送量や処理速度によって、出力信号の帯域に大きな制約を受ける。
本発明はこれらの欠点を除去し、HDTV方式の様に速いサンプリング周波数でも処理が可能で、かつサンプリングレートが遅い場合は2倍速クロック処理を行って、広帯域を確保することができ、空間画素ずらしを利用した高解像度化が実現できるテレビジョンカメラの映像信号処理装置を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するため、空間画素ずらし処理法を用いた固体撮像装置における輝度(Y)信号の生成手段として、処理を2つの系に分けて並列処理を行う等価的倍速処理によりベース帯域のY信号を生成する等価的倍速処理手段と、倍速クロックによる多重処理で2倍の帯域のY信号を生成する処理手段とを有し、当該取扱う映像信号の処理速度や伝送量に応じて、生成された上記ベース帯域のY信号と2倍の帯域のY信号を適応的に切り替えて出力することのできるテレビジョンカメラの映像信号処理装置である。
すなわち、ベース帯域のY信号を生成する場合、等価的倍速処理の構成をとることでサンプリングレートを2倍にする必要がなくなり、HDTV方式のように速いサンプリングクロック周波数でも処理が可能になり、空間画素ずらしを利用した高解像度化を図った映像信号処理装置が実現できる。 また、サンプリングレートが遅い映像信号処理の場合は2倍速クロック処理を行って、広帯域を確保することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のー実施例を、図1、図2を用いて、詳細に説明する。
HDTV方式などの高いサンプリングクロック周波数を使用して映像信号処理を行う場合、2倍速処理をすることは処理速度の関係上困難であるが、出力信号の帯域が最終的にベース帯域で良い場合は、図2のような等価的倍速処理の構成をとることで、2倍速処理を行うことなく、Y信号を生成できる。
即ち、図2の様な等価的倍速処理では、互いに位相が180°異なるG信号、R/B信号を用い、G信号およびR/B信号の、1,2,3,4,………からの補間データである、1',2',3',4'………を使用して、
Y=kG+mR+nB (k=m+n)
の合成比率で加算し、互いに位相が異なる、Y(0),Y(π)信号の2つの信号系を生成する。
さらに、このY(0),Y(π)信号を使用して、ベース帯域のY信号を出力するLPF回路を構成する。
この回路構成を取ると、2倍速処理する必要がなく、折り返しのない高解像度のベース帯域のY信号を生成することができる。
【0006】
また、図1のように、Y信号生成回路2の出力(空間画素ずらし法からの出力)として、Y(0),Y(π)信号を取り出し、マルチプレクサ(MPX)3を使用してこれらの信号を多重し、2倍の帯域のY信号を得る信号処理系と、上記の等価的倍速処理を利用してベース帯域のY信号を得る信号処理系の2つの系を持つことにより、取扱う映像信号の処理速度や伝送量によって、カメラヘッド出力およびCCU出力を適応的に切り替えることができる。
図1において、画像処理部1からのR,G,B信号は、Y信号生成回路2に供給され、ここで、等価的倍速処理により、Y信号が生成される。
Y信号生成回路2では、R,G,Bの3つの信号を、0位相とπ位相の互いに位相のずれた2系統の輝度信号Y(0),Y(π)(図1の4,5)を生成する。
この2つの輝度信号は、対象とする信号のサンプリングレートにより、2つの信号系に分岐される。
例えば、サンプリングレートがHDTV方式のように高い場合、LPF6により信号帯域を制限し、ベース帯域とする第1の信号系(図1の8)を使用する。
この処理は等価的倍速処理であり、2倍速クロックを必要とせず、また、この信号系では、画素ずらしによる解像度劣化の軽減と、折り返し歪みの除去の効果が得られる。
【0007】
一方、サンプリングレートが低い信号を取扱う場合、2倍速クロックを持ったマルチプレクサ3により、生成された輝度信号Y(0),Y(π)を多重し、信号の帯域を2倍にする第2の信号系(図1の7)を使用する。
また、サンプリングレートが低く、2倍速処理が可能でも、伝送量の問題から2倍の帯域のデータが伝送できない場合、カメラヘッド出力には、第2の信号系を使用して2倍の帯域を持った信号を出力し、CCU11への信号の伝送部10には、第1の信号系を使用して信号帯域が制限されたベース帯域の信号を伝送することもできる。
これら2つの信号系から得られた輝度信号は、カメラヘッド出力9又は伝送部10を介して、CCU11へ出力される。
なお、カメラヘッド出力とCCU出力は、必要に応じて第1の信号系の出力と第2の信号系2の出力を、手動あるいは自動の切り替え手段により切り替えて、それぞれの出力を選択することができる。
【0008】
なお、その組合わせは、下記表1のように、3つの組み合わせが考えられる。
【0009】
【表1】
Figure 0003960651
【0010】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明によれば、HDTV方式のような高いサンプリングレートであっても、2倍のサンプリングレートで処理を行わずに、折り返し歪みが含まれない、解像度劣化の少ないベース帯域の輝度信号と、低いサンプリングレートでの折り返し歪みの含まれない2倍の帯域を持った輝度信号の2つを得ることができる。
また、これらの出力を適応的に選択することで空間画素ずらしの特徴を最大限に生かした映像信号処理装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における信号処理装置の構成図
【図2】LPFを使用した本発明の等価的倍速処理動作を説明する模式図
【図3】LPFを使用した従来方式の処理動作を説明する模式図
【図4】空間画素ずらし法の動作原理を説明する図
【符号の説明】
1:画像処理部、2:Y信号生成回路、3:マルチプレクサ、6:LPF、7:第2の信号系、8:第1の信号系、9:カメラヘッド出力、10:信号伝送部、11:CCU、12:カメラヘッド。

Claims (1)

  1. 空間画素ずらし処理法を用いた固体撮像装置において、輝度信号Yの生成手段として、処理を2つの位相が異なる信号系に分けてベース帯域の第1の位相の輝度信号y(1)と第2の位相の輝度信号y(2)とをy=kG+mR+nBで求める等価的倍速処理手段(yを求める条件はk=m+n)と、倍速クロックによる多重処理で前記第1の位相の輝度信号y(1)と前記第2の位相の輝度信号y(2)とから2倍の帯域の輝度信号Yを生成する処理手段を有することを特徴とするテレビジョンカメラの映像信号処理装置。
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