JP3960644B2 - 帯電防止性無機フィラー、該フィラーを含有する樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

帯電防止性無機フィラー、該フィラーを含有する樹脂組成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、それ自体が帯電防止効果を有し、プラスチックやゴムなどに添加することによりこれらに帯電防止性能を付与することができる帯電防止性無機フィラー、該無機フィラーを含有する樹脂組成物及び該無機フィラーの製造方法に関するものである。
【従来の技術】
従来、プラスチックやゴムの充填用に用いられているフィラーは、プラスチックなどのマトリックスとの相溶性を上げる目的で、ステアリン酸等の疎水性物質によって表面処理されて利用されている。これらのフィラーを充填したプラスチックやゴムは帯電しやすいため、プラスチックやゴムに別途帯電防止剤を添加するのが一般である。また、最近では例えば特開昭56−136849号公報および特開昭59−138267号公報に見られるように、プラスチックやゴムの充填用に用いられているフィラーに予め帯電防止剤を表面処理することも試みられている。しかしながら、現状では、別途帯電防止剤を添加しても特にポリエチレン、ポリプロピレン等の帯電しやすいプラスチックの場合は、なかなか表面電気抵抗や体積抵抗とも下がらず、十分な帯電防止効果が得られないことが多い。仮に表面電気抵抗などが下がって所望の帯電防止効果が得られたとしても、帯電防止剤の表面への移行が大きくその効果が一時的であって耐久性がない等の問題点がある。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、プラスチックやゴムなどに添加することによって、フィラーとしての効果とともに、耐久性のある優れた帯電防止性を付与できる帯電防止性無機フィラーを提供することを目的とする。本発明は、又、このような無機フィラーを含有する樹脂組成物を提供することを目的とする。本発明は、帯電防止性無機フィラーの製造方法をも提供することを目的とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明は、無機フィラーを水溶性界面活性剤である分散剤の存在下で湿式粉砕を行い、その後、帯電防止剤で処理すると、無機フィラーの表面が、分散剤及び帯電防止剤で順次覆われ、このような2重吸着層構造(ダブルレイアー)の無機フィラーを用いると上記課題を解決できるとの知見に基づいてなされたのである。
すなわち、本発明は、無機フィラーの表面に有機分散剤が施され、該有機分散剤の上に有機帯電防止剤が施されてなることを特徴とする帯電防止性無機フィラーを提供する。
本発明は、又、上記無機フィラーを含有することを特徴とする樹脂組成物を提供する。
本発明は、又、有機分散剤の存在下に無機フィラーを湿式粉砕し、乾燥後、有機帯電防止剤を混合することを特徴とする無機フィラーの製造方法を提供する。
本発明は、又、有機分散剤の存在下に無機フィラーを湿式粉砕し、得られた粉砕スラリーに有機帯電防止剤を添加し、次いで乾燥することを特徴とする無機フィラーの製造方法を提供する。
【0004】
【発明の実施の形態】
本発明で対象とする無機フィラーとしては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、セリサイト、硫酸カルシウム、モンモリロナイト、ゼオライト、亜硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、カオリンなどの各種無機物の一種又は二種以上の混合物があげられる。これらのうち、炭酸カルシウム、特に重質炭酸カルシウムが好ましい。
本発明では、このような無機フィラーを、直ちに湿式粉砕することができるが、湿式粉砕に先立って、予め乾式粉砕しておくのがよい。この際、無機フィラーの粒径を40mm以下、好ましくは平均粒径を2mm〜2μm程度に粉砕しておくのがよい。
本発明では、先ず、上記無機フィラーの表面に有機分散剤が施される。これは種々の方法で行うことができるが、有機分散剤の存在下に無機フィラーを湿式粉砕することにより行うのが好ましい。
【0005】
具体的には、無機フィラー/水性媒体(好ましくは水)との重量比が70/30〜30/70、好ましくは60/40〜40/60の範囲となるように無機フィラーに水性媒体を加え、ここに分散剤を固形分として、無機フィラー100重量部当り0.01〜5重量部、好ましくは0.01〜0.7重量部添加し、常法により湿式粉砕する。又は、上記範囲の量となる分散剤を予め溶解してなる水性媒体を無機フィラーと混合し、常法により湿式粉砕する。湿式粉砕は、バッチ式でも連続式でもよく、サンドミル、アトライター、ボールミルなどの粉砕媒体を使用したミルなどが使用するのが好ましい。このように湿式粉砕することにより、平均粒径が2μm 以下、好ましくは平均粒径1〜0.3μm のものが得られる。
ここで使用する有機分散剤としては、水溶性カチオン系界面活性剤(A)、水溶性アニオン系界面活性剤(B)および水溶性非イオン系界面活性剤(C)があげられる。
【0006】
有機分散剤として用いる水溶性カチオン系界面活性剤(A)としては、第1、2、3級アミン塩型カチオン系低分子または高分子界面活性剤および第4級アンモニウム塩型カチオン系低分子または高分子界面活性剤が挙げられる。
第1〜3級アミン塩型低分子界面活性剤としては、例えば高級アルキルアミン塩、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加物、ソロミンA型アミン塩、サパミンA型アミン塩、アーコベルA型アミン塩およびイミダゾリン型アミン塩等が挙げられる。
第4級アンモニウム塩型低分子界面活性剤としては、例えば高級アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、サパミン型第4級アンモニウム塩、イミダゾリン型第4級アンモニウム塩およびアルキルビリジウム塩等が挙げられる。
【0007】
第1〜3級アミン塩型高分子界面活性剤としては、例えばポリエチレンイミン、ポリアルキレンポリアミン塩、ポリアミン・ジシアンジアミド縮合塩、ポリジアリルアミン塩等が挙げられ、第4級アンモニウム塩型高分子界面活性剤としては、例えばポリスチレンメチルアミノトリメチルアンモニウム塩、ポリジアリルジメチルアンモニウム塩、トリメチルアミノエチル(メタ)アクリレートアンモニウム塩およびポリN−アルキルピリジン塩等が挙げられる。
これらのカチオン系界面活性剤の内、例えばフィラーとして炭酸カルシウムを用いる場合、湿式粉砕時に高濃度スラリーを得るためには、アミン塩型高分子界面活性剤または第4級アンモニウム塩型高分子界面活性剤が好ましいが、特に好ましいものとしてジアリルアミンの単独またはビニール化合物との共重合物の塩およびポリジアリルジメチルアンモニウム塩が挙げられる。このような高分子分散剤としては、特開平7−300568号公報に記載の水溶性カチオン性コポリマー分散剤が好ましい。特開平7−300568号公報における該水溶性カチオン性コポリマー分散剤の記載は、本明細書の記載に含まれるものとする。これらの分子量は、特に限定はないが、好ましくは1000〜150000であり、更に好ましくは5000〜80000である。
【0008】
有機分散剤として用いる水溶性界面活性剤(B)としては、官能基としてカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩およびリン酸エステル塩を持つ低分子または高分子界面活性剤が挙げられる。
低分子カルボン酸塩としては、例えばラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウムおよびオレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩、高級アルコールポリエチレンオキサイドエーテル酢酸塩、ペルフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられ、高分子カルボン酸塩としては、例えばポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸−マレイン酸共重合物の塩等のカルボン酸単量体の単独または少なくとも2つ以上からなる共重合物またはその塩、ビニル化合物とカルボン酸系単量体との共重合物またはその塩およびカルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
低分子硫酸エステル塩としては、例えば高級アルコールポリエチレンオキサイド硫酸エステル塩、硫酸化油、硫酸化脂肪酸エステル、硫酸化脂肪酸、硫酸化オレフィンおよびアルキルフェノールポリエチレンオキサイド硫酸エステル塩等が挙げられる。
【0009】
低分子スルホン酸塩としては、例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルカンポリスルホン酸塩、ペルフルオロアルキルスルホン酸塩、イゲホンT型およびエアロゾル型等が挙げられ、高分子スルホン酸塩としては、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリビニルスルホン酸塩、ポリアリールスルホン酸塩およびアクリルアミドとアクリルアミドプロパンスルホン酸の共重合物の塩等が挙げられる。
共重合型高分子界面活性剤としては、例えばカルボン酸単量体とスルホン酸単量体からなる共重合体またはその塩が挙げられる。
低分子リン酸エステル塩としては、例えば高級アルコールモノリン酸エステル塩、高級アルコールポリエチレンオキサイドリン酸エステル塩およびアルキルフェノールポリエチレンオキサイドリン酸エステル塩等が挙げられる。
【0010】
これらのアニオン系界面活性剤の内、例えばフィラーとして炭酸カルシウムを用いる場合、湿式粉砕時に高濃度スラリーを得るためには、高分子型界面活性剤が好ましいが、特に好ましいものとして、ポリアクリル酸またはその塩、ポリアクリル酸−マレイン酸共重合物またはその塩等のカルボン酸単量体の単独または少なくともそれらの2つ以上からなる共重合物またはその塩が挙げられる。これらの分子量は、特に限定はないが、好ましくは1000〜100000であり、更に好ましくは5000〜50000である。
有機分散剤として使用する水溶性界面活性剤(C)としては、ポリエチレングリコール型および多価アルコール型非イオン界面活性剤が挙げられる。
ポリエチレングリコール型としては、例えば高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物およびポリエーテル変成シリコーン等が挙げられる。
【0011】
多価アルコール型としては、例えばグリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステルまたはそのエチレンオキサイド付加物およびアルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙げられ、更にメチルセルロース(MC)、ハイドロオキシエチルセルロース(HEC)、ポリビニールアルコール(PVA)、ポリアルキレンオキサイドビニールエテル化合物およびポリハイドロキシルアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの非イオン系界面活性剤の内、例えはフィラーとして炭酸カルシウムを用いる場合、湿式粉砕時に高濃度スラリーを得るためには、高分子型界面活性剤が好ましいが、特に好ましいものとして抵重合度の部分ケン化ポパールおよびポリハイドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0012】
本発明では、湿式粉砕後、次いで表面に有機帯電防止剤を施して、帯電防止性無機フィラーとする。例えば、(1)湿式粉砕後、乾燥し、次いで有機帯電防止剤を混合するか、又は(2)湿式粉砕後、得られた粉砕スラリーに有機帯電防止剤を添加し、次いで乾燥することにより行うのが好ましい。
具体的には、(1)の方法では、湿式粉砕後、乾燥し、解砕し、分級し、次いでヘンシェルミキサーやリボンミキサーなどを用いて有機帯電防止剤(好ましくは、カチオン帯電防止剤及び/又は非イオン帯電防止剤)を混合して、本発明の帯電防止性無機フィラーを調製するのがよい。
又、(2)の方法では、湿式粉砕後、得られた粉砕スラリーに有機帯電防止剤(アニオン帯電防止剤、カチオン帯電防止剤及び/又は非イオン帯電防止剤、好ましくは、アニオン帯電防止剤)を添加し、混合攪拌し、次いで乾燥し、解砕し、分級して本発明の帯電防止性無機フィラーを調製するのがよい。この方法において、カチオン帯電防止剤及び/又は非イオン帯電防止剤を使用する場合には、乾燥後の解砕工程と分級工程とを省略することができる。
【0013】
上記の方法における乾燥は、熱風乾燥、粉噴乾燥など公知の方法により行うことができるが、媒体流動乾燥により行なうのが好ましい。媒体流動乾燥は、乾燥塔内で熱風により流動化状態にある媒体粒子群(流動層)にスラリー状物質を供給し、供給されたスラリー状物質は、活発に流動化している媒体粒子の表面に膜状に付着しながら流動層内に分散され、熱風による乾燥作用を受けることにより各種物質を乾燥する方法である。このような媒体流動乾燥は、例えば、株式会社奈良機械製作所製の媒体流動乾燥装置、メディア スラリー ドライヤーなどを用いて容易に行うことができる。この媒体流動乾燥を用いると乾燥と凝集粒子の一次粒子化が同時に行われるので好ましい。
【0014】
上記の方法において使用する有機帯電防止剤、つまり、カチオン帯電防止剤、アニオン帯電防止剤及び非イオン帯電防止剤としては、次のものがあげられる。有機カチオン帯電防止剤としては、分散剤として用いる水溶性界面活性剤(A)を使用できるが、特に好ましいものとしては水分散性または水溶性のアルキルアミンエチレンオキサイド付加物、アルキルアミンエチレオキサイド/プロピレン付加物および第4級アンモニウム塩型カチオン系低分子界面活性剤が挙げられる。
有機アニオン帯電防止剤としては、分散剤として用いる水溶性界面活性剤(B)を使用できるが、特に好ましいものとしては水分散性または水溶性の官能基として硫酸エステル塩、スルホン酸塩およびリン酸エステル塩を持つ低分子界面活性剤が挙げられる。
有機アニオン帯電防止剤としては、分散剤として用いる水溶性界面活性剤(C)を使用できるが、更に同組成であって水分散性のものも挙げられる。特に好ましいものとしては、HLB8〜13の多価アルコール型非イオン界面活性剤、抵重合度の部分ケン化ポパールおよびポリハイドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0015】
本発明では、無機フィラー100重量部あたり有機帯電防止剤を0.5〜15重量部用いるのが好ましく、より好ましくは1〜10重量部、最も好ましくは2〜4重量部である。
本発明では、カチオン有機分散剤、アニオン有機分散剤、非イオン有機分散剤と、カチオン帯電防止剤、アニオン帯電防止剤、非イオン帯電防止剤とを任意の組み合わせで用いることができるが、カチオン有機分散剤対カチオン帯電防止剤、カチオン有機分散剤対アニオン帯電防止剤、アニオン有機分散剤対カチオン帯電防止剤、アニオン有機分散剤対アニオン帯電防止剤、非イオン有機分散剤対カチオン帯電防止剤、非イオン有機分散剤対アニオン帯電防止剤が好ましく、より好ましくはカチオン有機分散剤対アニオン帯電防止剤、アニオン有機分散剤対アニオン帯電防止剤、非イオン有機分散剤対アニオン帯電防止剤であり、最も好ましくはカチオン有機分散剤対アニオン帯電防止剤、アニオン有機分散剤対アニオン帯電防止剤である。
【0016】
本発明の帯電防止性無機フィラーは、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、PETなどのポリアルキレンテレフタレート、ポリアミドなどの各種熱可塑性樹脂、各種ゴム、や熱硬化性樹脂に含有させることにより樹脂組成物として使用することができる。これらの樹脂のうちポリオレフィンが好適であり、特にポリプロピレンが好適である。該樹脂組成物の形態は任意であり、ペレット、シート、フィルム、ストランド、ヤーンなどとすることができる。又、該樹脂組成物は中間部材や最終製品などの形態に成形されたものでもよい。
樹脂組成物中の帯電防止性無機フィラーの含有量は、目的に応じて決定することができるが、5〜80重量%であるのが好ましく、より好ましくは20〜60重量%である。
【0017】
【発明の効果】
本発明の帯電防止性無機フィラーによれば、プラスチックやゴムなどに添加することによって、剛性、耐熱性、耐衝撃性等のフィラーとしての効果とともに、耐久性のある優れた帯電防止性を付与できる。
従って、本発明の帯電防止性無機フィラーを用いると、プラスチックおよびゴムの成形工程および最終製品の使用用途での帯電トラブルを著しく軽減できるというメリットがあり、実用上非常に有用であり、本発明の帯電防止性無機フィラーを含有する樹脂組成物は、フィルム、シート、各種容器や日常雑貨品などの射出成形品、漁網やロープなどの押出成形品、ビンなどの吹込成型品などに幅広く使用することができる。
次に、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0018】
【実施例】
実施例1
次の方法1、方法2又は方法3により無機フィラーの湿式粉砕スラリーを調製した。
方法1
平均粒子径8μmの重質炭酸カルシウム(日本セメント石灰石原料の乾式粉砕品)と水との重量比が40/60となるように水を加え、重質炭酸カルシウム100重量部当たりカチオン分散剤を0.07重量部加え、テーブル式媒体攪拌ミルを用い、直径1.2mmのガラスビーズ充填率170%、周速10m/sec で湿式粉砕し、次いで350Meshスクリーンを通し分級した。
方法2
平均粒子径8μmの重質炭酸カルシウム(日本セメント石灰石原料の乾式粉砕品)と水との重量比が40/60となるように水を加え、重質炭酸カルシウム100重量部当たりノニオン分散剤を0.8重量部加え、テーブル式媒体攪拌ミルを用い、直径1.2mmのガラスビーズ充填率170%、周速10m/sec で湿式粉砕し、次いで350Meshスクリーンを通し分級した。
【0019】
方法3
平均粒子径8μmの重質炭酸カルシウム(日本セメント石灰石原料の乾式粉砕品)と水との重量比が70/30となるように水を加え、重質炭酸カルシウム100重量部当たりアニオン分散剤を0.8重量部加え、テーブル式媒体攪拌ミルを用い、直径1.2mmのガラスビーズ充填率170%、周速10m/sec で湿式粉砕し、次いで350Meshスクリーンを通し分級した。
このようにして得られた湿式粉砕に、次の方法A又はBにより帯電防止剤を施して、帯電防止性炭酸カルシウムを調製した。
方法A
湿式粉砕スラリーを媒体流動乾燥機(大川原製作所製)を用い乾燥し、この炭酸カルシウム粉体100重量部に帯電防止剤2重量部をヘンシェルミキサーで攪拌混合し、帯電防止性炭酸カルシウムを得た。
方法B
湿式粉砕スラリー固形分100重量部に帯電防止剤を固形分として2重量部加え、卓上攪拌機械(1200rpm)を用い混合し、120℃の温風乾燥機で乾燥後パルパライザーを用い解粉し、帯電防止性炭酸カルシウムを得た。
上記の方法で使用した有機分散剤と有機帯電防止剤とまとめて表−1、又得られた帯電防止性無機フィラー(サンプル1〜12)を表−2に示す
【0020】
【表1】
表−1
Figure 0003960644
【0021】
【表2】
表−2
Figure 0003960644
【0022】
このようにして得た帯電防止性無機フィラー100重量部をポリプロピレン(日本ポリオレフィン(株) MK411B )100重量部と混合し、二本ロールを用い、前ロール温度 170℃、後ロール温度 170℃、混練時間 10分の条件で混練した後、プレス条件温度 230℃、圧力 150kgf/cm2 、予熱時間
2分、加熱時間 2分の条件でプレスして、シート厚1mmのシート作成した。
このシートの表面抵抗値を、株式会社アドバンテスト製のレジスティビティ・チェンバを用いて測定した。結果を表−3に示す。
【0023】
【表3】
表−3(表面抵抗値)
Figure 0003960644
サンプル1* 〜3* は比較例である。**は一日後のデータであり、*** は8日後のデータである。

Claims (9)

  1. プラスチック用又はゴム用無機フィラーの表面に、水溶性カチオン系高分子界面活性剤から選ばれる有機分散剤が施され、該有機分散剤の上に、スルホン酸塩を持つアニオン系低分子界面活性剤から選ばれる有機帯電防止剤が施されてなることを特徴とするプラスチック用又はゴム用帯電防止性無機フィラー。
  2. 水溶性カチオン系高分子界面活性剤が第1〜3級アミン塩型高分子界面活性剤である、請求項1記載の帯電防止性無機フィラー。
  3. 有機分散剤の存在下に湿式粉砕されてなる無機フィラーに有機帯電防止剤が施されてなる請求項1又は2記載の無機フィラー。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の無機フィラーを含有することを特徴とする樹脂組成物。
  5. 無機フィラーが炭酸カルシウムである請求項4記載の樹脂組成物。
  6. 水溶性カチオン系高分子界面活性剤から選ばれる有機分散剤の存在下にプラスチック用又はゴム用無機フィラーを湿式粉砕し、乾燥後、スルホン酸塩を持つアニオン系低分子界面活性剤から選ばれる有機帯電防止剤を混合することを特徴とするプラスチック用又はゴム用帯電防止性無機フィラーの製造方法。
  7. 水溶性カチオン系高分子界面活性剤から選ばれる有機分散剤の存在下にプラスチック用又はゴム用無機フィラーを湿式粉砕し、得られた粉砕スラリーにスルホン酸塩を持つアニオン系低分子界面活性剤から選ばれる有機帯電防止剤を添加し、次いで乾燥することを特徴とするプラスチック用又はゴム用帯電防止性無機フィラーの製造方法。
  8. 無機フィラーが炭酸カルシウムである請求項6又は7記載の無機フィラーの製造方法。
  9. 水溶性カチオン系高分子界面活性剤が第1〜3級アミン塩型高分子界面活性剤であり、アニオン系低分子界面活性剤が低分子スルホン酸塩である、請求項8記載の無機フィラーの製造方法。
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