JP3960259B2 - コネクタの接続構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コネクタの接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば自動車のメータモジュールの組み立てに際しては、車体のダッシュボードにインストルメントパネルを組み付ける作業によって、同時に両者に設けた雄雌のコネクタ同士を嵌合接続させるようにしたものとして、下記特許文献1に記載されたものが提案されている。このものでは、図11に示すように、ダッシュボード1の外面に沿って寝かせた姿勢で雄コネクタ2を固定すると共に、インストルメントパネル3の外面に固定したホルダ4に雌コネクタ5を取り付け、且つ雌コネクタ5に設けたガイドピン5aをホルダ4に設けたガイド溝4aに対して摺動可能に嵌めている。この雄コネクタ2には、雄端子2aを取り囲むとともに前方へ開口するフード部2bが設けられ、このフード部2bの下部の前半部分には、雌コネクタ5の進入を許容する切欠部2cが形成されている。そして、インストルメントパネル3をダッシュボード1に図示上下方向に沿って組み付けると、図12に示すように、雌コネクタ5が切欠部2cを通ってフード部2b内に進入した後、フード部2bの天井面によって下方へ押圧される。すると、雌コネクタ5は、ガイドピン5aがガイド溝4aに沿って摺動変位することで、フード部2b内を図示右方向へ水平方向に沿って移動して嵌合接続される。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−82534公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記フード部2bは、切欠部2cが設けられることで、前面から下面にかけての領域が外部に開口しているため、組み付けを行う前の段階では外部の異物が切欠部2cを含むフード部2bの開口部分を通って内部に侵入し、雄端子2aに干渉することが懸念される。
それを防ぐには、例えばフード部2bを延長して、切欠部2cの後端位置を前側に移動することが考えられる。しかしながら、そうすると両コネクタの嵌合ストロークが大きくなってしまい、またコネクタが長大化するという問題も生じることになる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、フード部を延長することなく接続部を保護することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、互いに組付可能な一対の組付部材のうち一方の組付部材には、一方のコネクタが設けられるのに対し、他方の組付部材には、前記一方のコネクタと嵌合可能な他方のコネクタが設けられており、前記他方のコネクタは、両組付部材の組付方向と略直交する方向に沿って延出するフード部と、このフード部内に突き出した状態で配設されるとともに前記一方のコネクタと導通接続可能な接続部とを備え、このうちフード部には、組付過程において一方のコネクタが内部に進入してフード部の内面に当接するのを許容する切欠部が形成されるのに対し、前記一方のコネクタは、前記一方の組付部材に固定されたホルダにコネクタ用ガイド手段を介して組み付けられるとともに、組み付け過程で一方のコネクタが前記フード部の内面によって押圧されると、このコネクタ用ガイド手段によって前記他方のコネクタに対して前記組付方向と略直交する方向へ相対変位可能とされ、前記他方のコネクタには、前記切欠部を覆うことが可能な可動保護部が組み付けられ、この可動保護部と前記ホルダとには、両組付部材の組み付けに伴って、切欠部を覆う保護位置から、切欠部から退避して切欠部への一方のコネクタの進入を許容する退避位置へと前記可動保護部を変位させる保護部用ガイド手段が設けられている構成としたところに特徴を有する。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記保護部用ガイド手段は、前記可動保護部に設けられたガイドピンと、前記ホルダに設けられるとともに前記ガイドピンが摺動されることで可動保護部を前記保護位置と前記退避位置との間で変位させることが可能なガイド溝とから構成され、且つ前記ガイドピンは、前記他方のコネクタに係止することで、前記保護位置に配された可動保護部が前記退避位置と反対側へ変位するのを規制できるようになっているところに特徴を有する。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記可動保護部には、前記他方のコネクタに係止することで、前記保護位置に配された可動保護部が前記退避位置側へ変位するのを規制可能な弾性係止部が設けられ、この弾性係止部と他方のコネクタとの係止構造は、前記保護部用ガイド手段によって可動保護部を退避位置側へ変位させる所定以上の力が作用したときにその係止状態が解除されるセミロック構造とされているところに特徴を有する。
【0008】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
可動保護部を他方のコネクタに対して保護位置に組み付けることで、切欠部を覆って内部の接続部を保護することができる。この状態で両組付部材を組み付けると、まず保護部用ガイド手段によって可動保護部が退避位置へと変位させられることで、一方のコネクタが切欠部に進入するのが許容される。その後一方のコネクタが切欠部を通ってフード部の内面に当接すると、この内面によって一方のコネクタが押圧されることで、コネクタ用ガイド手段によって一方のコネクタが他方のコネクタに対して組付方向と略直交する方向へ相対変位し、両コネクタが嵌合されるとともに接続部が一方のコネクタに導通接続される。
このように本発明によれば、組み付け過程で退避可能な可動保護部によって切欠部を覆うようにしたから、仮にフード部を延長して接続部を保護した場合と比較して、フード部を短くすることができる。これにより、両コネクタの嵌合ストロークを短小化できるとともに、コネクタの小型化が可能となる。
【0009】
<請求項2の発明>
可動保護部が保護位置に配された状態では、ガイドピンが他方のコネクタに係止することで、可動保護部が退避位置と反対側へ変位するのが規制される。ガイドピンが可動保護部を変位させる機能と、可動保護部の保持機能とを共に有しているから、構造の簡素化を図ることができる。
【0010】
<請求項3の発明>
可動保護部が保護位置に配された状態では、弾性係止部が他方のコネクタに係止することで可動保護部が退避位置側へ変位するのが規制される。両組付部材を組み付けて、保護部用ガイド手段によって可動保護部を退避位置側へ変位させる所定以上の力が作用すると、弾性係止部の係止状態が自動的に解除されて可動保護部が退避位置へと変位させられる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1ないし図10によって説明する。この実施形態では、自動車のメータモジュールの組立構造について例示し、大まかには車体側のダッシュボードAとインストルメントパネルBとを組み付けるのに伴って、ダッシュボードAに設けた雌コネクタ10と、インストルメントパネルBに設けた雄コネクタ30とが嵌合接続されるようになっている。なお以下では上下方向及び左右方向については図1を基準とする。
【0012】
先にダッシュボードA側について説明する。ダッシュボードAにおけるインストルメントパネルBと対向する表面には、図1に示すように、ホルダ20が固定して設けられており、このホルダ20には、雌コネクタ10が右側方から取り付け可能とされる。雌コネクタ10は、図1,図5〜図7に示すように、横長の略ブロック状に形成されるとともにその内部には、電線に接続された複数本の雌端子金具(電線共々図示せず)が収容されている。雌コネクタ10における両外側面の左端部には、略円柱状をなす一対のガイドピン11が側方へ突出して設けられている。雌コネクタ10における下端部には、側方へ張り出す保持部12が設けられている。
【0013】
ホルダ20は、底壁21の両端から一対の側壁22を突設するとともに、両側壁22の上端部(突出端部)の左側端部を架橋壁23によって連結した構成とされており、両側壁22間に雌コネクタ10が挟まれるようにして取り付けられる。両側壁22の上端部と架橋壁23との内周面には、相手の雄コネクタ30がホルダ20内に進入するのを案内するための案内テーパ面24が周設されている。両側壁22には、インストルメントパネルBとダッシュボードAとの組付方向(上下方向)に対して斜め方向のガイド溝25が形成されており、ここに雌コネクタ10のガイドピン11が挿入される。ガイド溝25は、上部が右斜め下方へ向けて傾斜する傾斜領域25aとされるのに対し、下部が上下方向に沿ってほぼ真っ直ぐな真直領域25bとされている。
【0014】
雌コネクタ10は、ガイドピン11がガイド溝25の傾斜領域25aに沿って移動する間は、ホルダ20に対して斜めに変位するのに対し、ガイドピン11が真直領域25bに沿って移動する間は、ホルダ20に対して上下にのみ変位する。この雌コネクタ10は、ガイドピン11がガイド溝25における傾斜領域25aの上端に配された状態が初期位置とされ(図1)、ガイドピン11が傾斜領域25aの下端に配された状態が嵌合位置とされている(図4)。この雌コネクタ10が初期位置と嵌合位置との間で移動するときの左右方向に沿った移動距離が、両コネクタ10,30の嵌合・離脱ストロークに相当している。また初期位置では、雌コネクタ10の上面前部が上方外部に露出している。
【0015】
両側壁22の内面には、上下一対の保持突起26,27がそれぞれ内方へ突出して設けられている。両保持突起26,27間には、初期位置に取り付けられた雌コネクタ10における保持部12の右側端部が上下から挟まれるようになっており、これにより雌コネクタ10を初期位置に保持可能とされている(図6参照)。また両側壁22の内面には、インストルメントパネルB側のがたつき防止リブ38が進入可能ながたつき防止溝28が上方へ開口して設けられている。
【0016】
続いてインストルメントパネルB側について説明する。インストルメントパネルBの下面側には、雄コネクタ30が一体的に取り付けられている。雄コネクタ30は、図1,図8〜図10に示すように、インストルメントパネルBに対して取り付けられる取付部31の下端に連結されており、左方(嵌合方向前方)へ開口するフード部32と、図示しない電線に接続された雄端子金具34を複数本収容する端子収容部33とを前後に繋げた構成とされている。このフード部32内には、雄端子金具34のタブ34aが突き出して配されている。
【0017】
フード部32の下部32aは、開口端側がタブ34aの前端位置とほぼ同じ位置まで切り欠かれており、ここが初期位置とされた雌コネクタ10がフード部32内に下方から進入するのを許容する切欠部35とされている。従って、フード部32の上部における内面32bは、切欠部35を介して下方へ露出しており、ここにフード部32内に進入した雌コネクタ10の上面前部が当接可能とされる。またフード部32の両側部には、雌コネクタ10のガイドピン11を逃がすための逃がし溝36が左方へ開口して形成されている。両側部の下端部には、解除リブ37が外側へ突出して形成されており(図8参照)、この解除リブ37は、組み付け過程において上側の保持突起26に干渉してこれを外方へ押圧することで、ホルダ20の両側壁22を外側へ開き変形させるとともに両保持突起26,27の保持部12との係止状態を解除できるようになっている。さらには、両側部における逃がし溝36の直後には、上下に延出する一対のがたつき防止リブ38が外側に張り出して形成されている。がたつき防止リブ38は、組み付け過程においてホルダ20のがたつき防止溝28内に進入することで、雄コネクタ30のホルダ20に対するがたつきを抑制できるようになっている。
【0018】
さて、雄コネクタ30のうちフード部32の下部32aには、厚み方向中央に左右に開口する収容室39が形成されており、ここに切欠部35を覆うことが可能な可動保護部40が収容されている。この可動保護部40は、切欠部35をほぼ全域にわたって覆うことで内部の雄端子金具34のタブ34aを保護可能な保護位置(図1)と、切欠部35から退避する退避位置(図2)との間を左右方向(両コネクタ10,30の嵌合方向)に沿って雄コネクタ30に対して相対変位可能に装着されている。また収容室39は、切欠部35よりも幅広に形成され、その両側縁により切欠部35においても可動保護部40の両端部を保持可能とされる(図8参照)。
【0019】
可動保護部40は、平板状に形成されるとともに長さ寸法がフード部32よりも大きくなっている。可動保護部40における幅方向両側部の右端からは、右側へ突出する片持ち状の弾性片41が一対突設され、その先端部には外側へ突出するガイドピン42が設けられている(図9参照)。ガイドピン42は、略円柱状に形成されており、可動保護部40が保護位置に配された状態では、収容室39の右端の側縁部に対して係止することで、可動保護部40を保護位置から左側(退避位置と反対側)へ抜け止め状態に保持可能とされる。
【0020】
これに対しホルダ20には、図1に示すように、上記した可動保護部40のガイドピン42が挿入可能とされるガイド溝29が上方へ開口して形成されている。ガイド溝29は、上部が上下方向に対して斜めに(右斜め下方へ向けて)傾斜して形成された傾斜領域29aとされるのに対し、下部が上下方向に沿ってほぼ真っ直ぐに形成された真直領域29bとされている。このガイド溝29における傾斜領域29aの上端に対して保護位置とされた可動保護部40のガイドピン42が進入可能とされ、ガイドピン42が傾斜領域29aに沿って下方へ移動するのに伴って可動保護部40が右側へ変位させられ、ガイドピン42が傾斜領域29aの下端に達すると、可動保護部40が退避位置まで変位させられるようになっている(図2参照)。つまり可動保護部40は、ガイドピン42がガイド溝29の傾斜領域29aに沿って移動する過程で保護位置と退避位置との間を雄コネクタ30に対して左右に相対変位可能とされている。またガイドピン42が真直領域29bに沿って移動する過程では、可動保護部40は雄コネクタ30に対して相対変位しない。またガイド溝29の傾斜領域29aの下端位置は、初期位置とされた雌コネクタ10の上面とほぼ同じかそれよりも高い位置に設定されている。従って、組み付け過程において、雌コネクタ10の上面が可動保護部40に達するときには、既に可動保護部40が退避位置まで変位させられていて、両者の干渉が回避されるようになっている。またガイド溝29の傾斜領域29aの上端位置は、案内テーパ面24の奥端位置付近に設定されている。
【0021】
また可動保護部40の略中央位置には、コ字型のスリットを入れることで片持ち状の弾性係止片43が形成されており、この弾性係止片43の先端に設けられた突部44が切欠部35の後縁に係止することで、可動保護部40を保護位置から右側(退避位置側)へ抜け止め状態に保持可能とされる。弾性係止片43は、上下方向に弾性変形可能とされ、可動保護部40の厚み寸法の半分程度の厚みに形成されることで、変形時にはその空き空間内に逃がされて収容室39の壁面との干渉が回避されるようになっている。突部44における左右両面は、共にテーパ面45となっており、これにより可動保護部40に対して左右方向への所定以上の力が作用したときに、弾性係止片43が弾性変形させられて自動的に係止状態が解除されるようになっている。すなわち、弾性係止片43と切欠部35の後縁との係止構造は、いわゆるセミロック構造となっている。またフード部32の下部32aの右端部には、可動保護部40が退避位置に達したときに弾性係止片43の突部44を逃がすために逃がし溝39aが切欠形成されている(図2参照)。なお、既述したように弾性片41と弾性係止片43とは、共に弾性変形可能とされているので、可動保護部40を収容室39の左右どちらから収容する場合でも、弾性片41か弾性係止片43のいずれか一方が弾性変形することでその収容が許容されるようになっている。
【0022】
本実施形態は以上のような構造であり、続いてその作用について説明する。雌コネクタ10をホルダ20に対して図1に示す右側方から収容し、ガイドピン11をガイド溝25に対して嵌合させる。そして、雌コネクタ10をガイド溝25に沿って斜め上方へ変位させて待機位置に至らせると、両保持突起26,27によって保持部12が挟まれることで、雌コネクタ10が待機位置に保持される。一方、雄コネクタ30については、可動保護部40を収容室39内に左方または右方から挿入すると、弾性片41か弾性係止片43のいずれか一方が一旦弾性変形し、可動保護部40が保護位置に達すると復元してガイドピン42が収容室39の右端側縁部に係止するとともに弾性係止片43の突部44が切欠部35の後縁に係止することで、可動保護部40が保護位置に保持される。
【0023】
この状態から、ダッシュボードAに対してインストルメントパネルBを上方から落とし込むようにして組み付ける。雄コネクタ30がホルダ20内に進入すると、がたつき防止リブ38ががたつき防止溝28内に進入するとともに、可動保護部40のガイドピン42がガイド溝29内に挿入される。組み付けが進行するのに伴って、ガイドピン42がガイド溝29の傾斜領域29aを下方へ摺動することで可動保護部40が右方へ引っ張られる。すると、弾性係止片43が突部44のテーパ面45に案内されて弾性変形することで、切欠部35の後縁との係止状態が解除されるので、可動保護部40が保護位置から右側、すなわち退避位置側へ雄コネクタ30に対して相対的に後退する。
【0024】
雌コネクタ10の上面が可動保護部40の下面位置近くに達するまで組み付けが進行すると、図2に示すように、ガイドピン42がガイド溝29の傾斜領域29aの下端に達するとともに可動保護部40が退避位置まで後退して切欠部35のほぼ全域が開放されるので、雌コネクタ10は、可動保護部40と干渉することなくフード部32内へ進入する。またこのとき弾性係止片43は、突部44が逃がし溝39aに逃がされることで弾性復帰している。この状態からさらに組み付けが進行すると、図3に示すように、雌コネクタ10の上面がフード部32の上部の内面32bに当接される。このとき、解除リブ37が上側の保持突起26を外側へ押圧することで、ホルダ20の両側壁22が外側へ開き変形するとともに両保持突起26,27が保持部12から外れて、雌コネクタ10のホルダ20に対する相対変位が許容される。
【0025】
この状態からさらに組み付けが進行すると、雌コネクタ10がフード部32の内面32bによって下方へ押圧されることで、雌コネクタ10がホルダ20に対して下方へ変位する。このとき、ガイドピン11がガイド溝25の傾斜領域25aを下方へ摺動することで、雌コネクタ10が初期位置から右側(嵌合位置側)へ、言い換えると雄コネクタ30に対して接近するようにフード部32内を変位し、両コネクタ10,30の嵌合が進行される。そして、ガイドピン11が傾斜領域25aの下端に達すると、雌コネクタ10が嵌合位置まで変位するとともにフード部32内の正規深さまで嵌合され、両端子金具が正規に導通接続される。この状態でインストルメントパネルBとダッシュボードAが未だ組み付けが完了しておらず、さらに組み付けが進行しても、雌コネクタ10と可動保護部40は、図4に示すように、それぞれのガイドピン11,42がガイド溝25,29の真直領域25b,29bを摺動することで嵌合位置と退避位置から左右に変位せず、下方にのみ変位する。つまり、ダッシュボードAとインストルメントパネルBの組み付け誤差を吸収することができる。
【0026】
一方、メンテナンスなどの事情により両コネクタ10,30を取り外す場合には、図4に示す状態からインストルメントパネルBをダッシュボードAから上方へ引き上げる。すると、雌コネクタ10のガイドピン11がガイド溝25の傾斜領域25aを上方へ摺動することで、雌コネクタ10が嵌合位置から左側(初期位置側)へ、言い換えると雄コネクタ30に対して離間するようにフード部32内を変位し、両コネクタ10,30が離脱させられるとともに両端子金具の接続が解除される(図3)。雌コネクタ10のガイドピン11がガイド溝25の上端に達した状態からさらに取り外しが進行すると、初期位置に達した雌コネクタ10が切欠部35を通ってフード部32の下方へ外れる(図2)。このとき、可動保護部40のガイドピン42がガイド溝29の傾斜領域29aの下端に達しているので、この状態からさらに取り外しを進行させると、ガイドピン42が傾斜領域29aを上方へ摺動することで、可動保護部40が退避位置から左側(保護位置側)へ変位する。そして、雄コネクタ30がホルダ20から取り外されるまでの間に、可動保護部40は、ガイドピン42がガイド溝29の上端に達して切欠部35を覆う保護位置まで戻される。
【0027】
以上説明したように本実施形態によれば、雄コネクタ30に切欠部35を覆う可動保護部40を組み付けるとともに、可動保護部40がダッシュボードAとインストルメントパネルBの組み付けに伴って、保護部用ガイド手段(ガイドピン42及びガイド溝29)によって保護位置から退避位置へと変位されて切欠部35への雌コネクタ10の進入を許容するようにしたから、仮にフード部32を延長することで雄端子金具34のタブ34aを保護するようにした場合と比較して、フード部32を短く保つことができる。これにより、両コネクタ10,30の嵌合ストロークを短小化できるとともに、コネクタの小型化が可能となる。
【0028】
しかも、ガイドピン42は、可動保護部40が保護位置に配された状態では、雄コネクタ30に係止することで、可動保護部40が退避位置と反対側へ変位するのを規制できる。つまり、ガイドピン42が可動保護部40を変位させる機能と、可動保護部40の保持機能とを共に有しているから、例えば2つの専用部位を設けて上記各機能をそれぞれ担わせた場合と比較して構造を簡素化することができる。
【0029】
さらには、可動保護部40に弾性係止片43を設けて切欠部35の後縁に係止させることで、可動保護部40を保護位置から退避位置側へ変位するのを規制することができる。しかも弾性係止片43と切欠部35の係止構造がセミロック構造となっているから、保護部用ガイド手段によって可動保護部40を待機位置側へ変位させる所定以上の力が作用したときに係止状態が自動的に解除されるので、作業性が良好となる。
【0030】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記した実施形態では、可動保護部に設けたガイドピンが可動保護部の保持機能を有する場合を示したが、ガイドピンとは別途に保持機能を有する保持部を設けるようにしてもよく、そのようなものも本発明に含まれる。
【0031】
(2)上記した実施形態では、弾性係止片の突部にテーパ面を形成した場合を示したが、切欠部の後縁に同様のテーパ面を設けるようにしてもよい。また弾性係止片の係止構造としては、セミロック構造を採らず、通常のロック構造(互いの係止面を共に真っ直ぐな面とした構造)としたものも本発明に含まれる。
(3)上記した実施形態では、雄コネクタ内に雄端子金具を収容したものを示したが、例えば雄コネクタ内にプリント基板が収容されるものにも本発明は適用可能である。
【0032】
(4)上記した実施形態では、ホルダ及び雌コネクタがダッシュボード側に、雄コネクタがインストルメントパネル側に配された場合を示したが、それぞれ逆に配置してもよい。
(5)上記実施形態では自動車のメータモジュール(車体側の組付け部材がインストルメントパネルであり、電装モジュール側の組付け部材がダッシュボードであるもの)について説明したが、本発明は、自動車のメータモジュールに限らず、ドアモジュール(車体側組付け部材がドアパネルであり、電装モジュール側組付け部材がインナーパネルであるもの)やオーバーヘッドモジュール(車体側組付け部材がルーフパネルであり、電装モジュール側組付け部材がインナーパネルであるもの)等にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る両コネクタの嵌合前の状態を示す側断面図
【図2】嵌合過程で可動保護部が退避位置まで変位した状態を示す側断面図
【図3】嵌合過程で雌コネクタがフード部の内面に当接した状態を示す側断面図
【図4】両コネクタが正規嵌合した状態を示す側断面図
【図5】雌コネクタを初期位置に組み付けたホルダの正面図
【図6】図1のX−X線断面図
【図7】雌コネクタを初期位置に組み付けたホルダの平面図
【図8】雄コネクタの正面図
【図9】雄コネクタの底面図
【図10】雄コネクタの側面図
【図11】従来例に係る両コネクタの嵌合前の状態を示す側断面図
【図12】従来例に係る両コネクタが嵌合した状態を示す側断面図
【符号の説明】
10…雌コネクタ(一方のコネクタ)
11…ガイドピン(コネクタ用ガイド手段)
20…ホルダ
25…ガイド溝(コネクタ用ガイド手段)
29…ガイド溝(保護部用ガイド手段)
30…雄コネクタ(他方のコネクタ)
32…フード部
32b…内面
34a…タブ(接続部)
35…切欠部
40…可動保護部
42…ガイドピン(保護部用ガイド手段)
43…弾性係止片(弾性係止部)
A…ダッシュボード(一方の組付部材)
B…インストルメントパネル(他方の組付部材)
Claims (3)
- 互いに組付可能な一対の組付部材のうち一方の組付部材には、一方のコネクタが設けられるのに対し、他方の組付部材には、前記一方のコネクタと嵌合可能な他方のコネクタが設けられており、
前記他方のコネクタは、両組付部材の組付方向と略直交する方向に沿って延出するフード部と、このフード部内に突き出した状態で配設されるとともに前記一方のコネクタと導通接続可能な接続部とを備え、このうちフード部には、組付過程において一方のコネクタが内部に進入してフード部の内面に当接するのを許容する切欠部が形成されるのに対し、
前記一方のコネクタは、前記一方の組付部材に固定されたホルダにコネクタ用ガイド手段を介して組み付けられるとともに、組み付け過程で一方のコネクタが前記フード部の内面によって押圧されると、このコネクタ用ガイド手段によって前記他方のコネクタに対して前記組付方向と略直交する方向へ相対変位可能とされ、
前記他方のコネクタには、前記切欠部を覆うことが可能な可動保護部が組み付けられ、この可動保護部と前記ホルダとには、両組付部材の組み付けに伴って、切欠部を覆う保護位置から、切欠部から退避して切欠部への一方のコネクタの進入を許容する退避位置へと前記可動保護部を変位させる保護部用ガイド手段が設けられていることを特徴とするコネクタの接続構造。 - 前記保護部用ガイド手段は、前記可動保護部に設けられたガイドピンと、前記ホルダに設けられるとともに前記ガイドピンが摺動されることで可動保護部を前記保護位置と前記退避位置との間で変位させることが可能なガイド溝とから構成され、且つ前記ガイドピンは、前記他方のコネクタに係止することで、前記保護位置に配された可動保護部が前記退避位置と反対側へ変位するのを規制できるようになっていることを特徴とする請求項1記載のコネクタの接続構造。
- 前記可動保護部には、前記他方のコネクタに係止することで、前記保護位置に配された可動保護部が前記退避位置側へ変位するのを規制可能な弾性係止部が設けられ、この弾性係止部と他方のコネクタとの係止構造は、前記保護部用ガイド手段によって可動保護部を退避位置側へ変位させる所定以上の力が作用したときにその係止状態が解除されるセミロック構造とされていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のコネクタの接続構造。
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