JP3959752B2 - 外熱式ロータリーキルンのシール機構 - Google Patents

外熱式ロータリーキルンのシール機構 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃プラスチック、シュレッダーダスト、廃家電品、OA機器、一般ゴミ等の乾留、ガス化処理に使用される外熱式ロータリーキルンのシール機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
外熱式ロータリーキルンでは、加熱炉内に、被処理物を送り移動する内筒を挿入し、内筒を回転することで、入口から投入された被処理物を、内筒の傾斜を利用して出口側に送り移動し、出口から排出している。この場合、回転部分と固定部分との間には隙間があるので、隙間から火炎の吹出しやガス漏れの可能性のある部分には、シール機構を配設している。
【0003】
従来の外熱式ロータリーキルンでは、特開昭53−56167号公報に示されるように、加熱炉両端の内筒が貫通する部分に、シール板を内蔵した環状のシールボックスを設け、このボックス内に加熱炉より高い圧力の空気や不活性ガスを圧送することにより、加熱炉からの火炎の吹出しを防止するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の外熱式ロータリーキルンのシール機構では、シール用に空気や不活性ガスを圧送する必要があるため、ランニングコストが高く、また停電時等に圧送手段がストップした場合、シールが不可能になり、安全性を損なう可能性があった。
【0005】
本発明は、上記事情を考慮し、空気等の圧送を行わずに、確実なシールが可能な外熱式ロータリーキルンのシール機構を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、回転駆動されることにより入口から投入された被処理物を出口側へ送り移動して出口から排出する内筒と、内筒の外周に配されて内筒を加熱する加熱炉とを備えた外熱式ロータリーキルンの、回転側環状部材とそれに対向する固定側環状部材との間に設けられるシール機構において、前記回転側環状部材に設けられ、回転側環状部材の回転軸線に対して略直交する摺と、前記固定側環状部材伸縮管によって気密に連結され、前記摺動面に対向配置された環状の移動フランジと、前記固定側環状部材と前記移動フランジとの間に配設されて前記移動フランジを前記摺動面に圧接させる方向へ押圧する付勢部材と、前記移動フランジの移動を、前記固定側環状部材に対して接近離間する方向の移動のみ許し回転不可能に規制する回転止め機構と、備えることを特徴としている。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1において、前記回転側環状部材が前記内筒であり、前記摺動面が、内筒の外周に突設された環状の仕切板の両面に設けられ、該仕切板の両側に、前記固定側環状部材がそれぞれ配設され、これら各前記固定側環状部材と前記仕切板との間をシールするために、各前記固定側環状部材と前記仕切板との間にそれぞれ、前記移動フランジ、前記付勢部材及び前記回転止め機構が設けられていることを特徴としている。
【0008】
請求項3の発明は、前記加熱炉が、前記内筒の軸線方向中間部に位置し且つ前記内筒の外周に同心状に配されて駆動機構により回転駆動される外筒と、該外筒の両端に固定的に配された加熱流体給排用のケーシングとから構成されると共に、前記内筒が前記外筒と一緒に回転するよう内外筒連結機構により前記外筒に連結され、前記ケーシングの内部空間及び前記内筒と前記外筒間の間隙が加熱流体の流路とされ、前記回転側環状部材としての前記外筒と前記固定側環状部材としての前記ケーシングの連結部間のシール手段として請求項1記載のシール機構が配設されていることを特徴としている。
【0009】
請求項4の発明は、前記加熱炉が、前記内筒の軸線方向中間部に位置し且つ前記内筒の外周に同心状に配されて駆動機構により回転駆動される外筒と、該外筒の両端に固定的に配され前記内筒の両端がそれぞれ貫通する加熱流体給排用のケーシングとから構成されると共に、前記内筒が前記外筒と一緒に回転するよう内外筒連結機構により前記外筒に連結され、前記ケーシングの内部空間及び前記内筒と前記外筒間の間隙が加熱流体の流路とされ、前記内筒の両端に設けられた入口及び出口をそれぞれ覆って大気から遮断するフードが各前記ケーシングの外側に固定的に設けられ、前記回転側環状部材としての前記内筒と、前記固定側環状部材としての前記ケーシング及び前記フードとの間をシールする手段として、請求項2記載のシール機構が配設されていることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施形態のシール機構を組込んだ外熱式ロータリーキルン1の全体構成の概略を示す。架台2上に設置されたこのロータリーキルン1は、装入ホッパ3及び装入装置4から入口12aに投入される被処理物Hを、乾留、ガス化処理して、処理後の固形物Pを、出口12bから排出ホッパ6に排出し、処理により発生したガスGを、出口側発生ガスフード19から外部に取り出すようにしたものである。装入ホッパ3は、シール可能なダンパを内蔵した2組のホッパよりなり、ホッパ内を窒素または酸素含有量の少ない燃焼排ガスでパージすることにより、キルン1内への大気の混入を防止している。排出ホッパ6も同様である。パージを行うのは、キルン1内で発生した可燃性ガスと、大気中の酸素の混合による爆発を防止するためである。
【0011】
このロータリーキルン1は、外筒11と、外筒11の軸方向両側に配された加熱流体入口ケーシング16及び加熱流体出口ケーシング17と、それらの内部を貫通する内筒12と、内筒12の出口12b側を大気から遮断するように覆う出口側発生ガスフード19と、内筒12の入口12a側を大気から遮断するように覆う入口側ガスフード20と、外筒11の回転支持機構21及び回転駆動機構24とを備えている。また、更に、外筒11の端部と加熱流体入口ケーシング16の内端との連結部に設けられたシール機構30Aと、外筒11の端部と加熱流体出口ケーシング17の内端との連結部に設けられたシール機構30Bと、内筒12の端部外周と加熱流体入口ケーシング16の外端と出口側発生ガスフード19との間に設けられたシール機構32Aと、内筒12の端部外周と加熱流体出口ケーシング17の外端と入口側ガスフード20との間に設けられたシール機構32Bと、内筒12と外筒11を連結する内外筒連結機構18A、18Bとを備えている。
【0012】
このロータリーキルン1では、外筒11と加熱流体入口ケーシング16及び加熱流体出口ケーシング17とで加熱炉が構成されており、これらの内部を貫通するように、内筒12が外筒11内に配設されている。内筒12は、水平に対して僅かに傾斜しており、回転することにより、高い方の端部開口の入口12aから投入された被処理物Hを、低い方の端部開口の出口12b側へ徐々に送り移動して、出口12bから排出する。内筒12は、外筒11の内部に同心状に配されており、外筒11に対して、内外筒連結機構18A、18Bを介して連結されている。
【0013】
加熱炉の軸方向中間部に位置する外筒11は、加熱炉の主要部分を構成しており、回転支持機構21により回転可能に支持され、回転駆動機構24により回転駆動されるようになっている。回転支持機構21は、外筒11の下方に配設された支持ローラ22と、外筒11の外周に嵌められて支持ローラ22により転動可能に支持されたタイヤ23とからなる。回転駆動機構24は、図2に示すようにモータ等の駆動源25と、駆動源25により回されるピニオンギヤ26と、ピニオンギヤ26に噛合し外筒11の外周に嵌められたリングギヤ27とからなる。そして、駆動源25を作動させて、外筒11を回転させることにより、内筒12が回るようになっている。
【0014】
内筒12と外筒11の間には加熱流体Kの流路13が確保されており、この流路13は、外筒11がシール機構30A、30Bを介して加熱流体入口ケーシング16及び加熱流体出口ケーシング17に連結されていることにより、加熱流体入口ケーシング16及び加熱流体出口ケーシング17の各内部空間16a、17aと相互に連通している。従って、外部から送られる加熱流体Kは、加熱流体入口ケーシング16から、流路13を通って、加熱流体出口ケーシング17から出て行く。この場合、加熱流体入口ケーシング16が内筒12の出口12b側、加熱流体出口ケーシング17が内筒12の入口12a側に配置されており、加熱流体Kの流れは、被処理物Hの移動方向と反対に流れる。つまり、加熱流体Kの流れは、被処理物Hの流れに対して向流となる。なお、加熱流体入口ケーシング16は、図3に示すように、内筒12に対して同心の環状に形成されている。加熱流体出口ケーシング17も同様である。これらケーシング16、17は、架台2に固定的に取付けられており回らない。
【0015】
出口側発生ガスフード19は、加熱流体入口ケーシング16の外側に配設されており、内筒12の出口12bを覆っている。この出口側発生ガスフード19の上端には、発生ガスの導出口19aが設けられ、下端には、処理後の固形物Pを排出ホッパ6に排出する排出口19bが設けられている。また、入口側ガスフード20は、加熱流体出口ケーシング17の外側に配設されており、内筒12の入口12aを覆っている。この入口側ガスフード20には、装入装置4の先端が気密に貫通しており、同先端が内筒12の入口12a内に挿入されている。これら入口側ガスフード20及び出口側発生ガスフード19は、架台2に固定的に取付けられており回らない。
【0016】
次に細部を説明する。
内外筒連結機構18A、18Bは、図4、図5、図6に示すように構成されている。内外筒連結機構18A、18Bは、内筒12及び外筒11の軸線方向に間隔をおいて設けられ、各内外筒連結機構18A、18Bは、図6に示すように円周方向に複数個配置されている。
【0017】
各内外筒連結機構18A、18Bは、図4、図5に示すように、内筒12の外周面に溶接固定されたリング51と、外筒11の周壁を貫通し半径方向に軸線を向けて溶接固定されたガイド管54と、ガイド管54に一端を摺動可能に挿入し他端をリング51の中央孔52A、52Bに嵌合した連結ロッド53と、ガイド管54の外筒11の外側の端部フランジ55に結合された蓋板56と、蓋板56に螺合され先端をガイド管54の内部に進入させた調整ボルト57と、調整ボルト57の先端に取付けられた座金58と、座金58と連結ロッド53の端面との間に挿入され連結ロッド53を内筒12側へ押し付けるスプリング59とからなり、ガイド管54に対して摺動自在の連結ロッド53により、内筒12と外筒11とを、半径方向の熱膨脹差を吸収しつつ、回転力伝達可能に連結している。スプリング59は、連結ロッド53を常に内筒12側に押し付けることにより、連結ロッド53のガタつきや脱落を押さえている。調整ボルト57と座金58は、スプリング59の押圧力を加減すると共に、連結ロッド53の摺動可能量を規制する機能を果たす。
【0018】
内外筒12、11の軸方向に間隔をおいて設置された内外筒連結機構18A、18Bは、両方が軸方向に拘束力を発揮すると、内外筒12、11の軸方向の熱膨脹差を吸収できないので、図5に示すように、一方の内外筒連結機構18Bのリング51の中央孔52Bが軸方向に長い長孔として構成され、連結ロッド53とリング51との軸方向の相対移動を、必要量だけ許すようになっている。それ以外の点は共通である。
【0019】
次に本発明の実施形態としてのシール機構30A、30B、32A、32Bについて説明する。各シール機構30A、30B、32A、32Bは、設けられている場所が違うだけで、基本的にはほとんど共通の構成を有する。
【0020】
まず、図7を参照して、加熱流体入口ケーシング16の内端と外筒11の端部との連結箇所に設けられているシール機構30Aについて述べる。この場合、外筒11が回転側環状部材(第1の環状部材)であり、加熱流体入口ケーシング16が固定側環状部材(第2の環状部材)である。このシール機構30Aでは、外筒11の端部に、外筒11の回転軸線に対して略直交するフランジ11Aが設けられており、その外面が摺面Sとして設定されている。
【0021】
摺動面Sに対して対向する加熱流体入口ケーシング16の側壁の外面には、環状の固定フランジ61が、ネジ69(一点鎖線で簡略化して示す)により取付けられている。固定フランジ61の前方には移動フランジ62が間隔をおいて平行に配されており、固定フランジ61の内周端と移動フランジ62の内周端とが、内筒12の外側に間隔をおいて配設された伸縮管63によって相互に連結されている。伸縮管63と内筒12の間には、加熱流体Kの流路としての隙間が確保されている。
【0022】
そして、移動フランジ62は、固定フランジ61と移動フランジ62間に配されたスプリング(付勢部材)66によって、摺動面Sに適当な力で圧接させられており、この合わせ面で連結箇所の隙間をシールしている。なお、移動フランジ62と摺動面Sとの接触面には、シール物質として耐熱グリースが塗布されている。前記スプリング66は、円周方向に間隔をおいて複数配されており、固定フランジ61に突設したボルト67に一端が嵌挿されている。ボルト67には調整ナット68が螺合され、この調整ナット68の位置を調整することにより、スプリング66の反発力を変え、それにより移動フランジ62に与える圧接力を調整できるようになっている。
【0023】
また、移動フランジ62は、回転止め機構70により固定フランジ61に対し回転止めされている。回転止め機構70は、円周方向に間隔をおいて複数配設されている。各回転止め機構70は、固定フランジ61に溶接固定され移動フランジ62側に延びるアーム71と、移動フランジ72に溶接固定され固定フランジ61側に延びるアーム72と、両アーム71、72の重合部分に貫通させられたボルト74と、ボルト74に螺合することでアーム71、72を締結するナット75とからなり、一方のアーム71のボルト貫通孔73が長孔で形成されることにより、軸方向の移動を許し且つ相対回転不能にアーム71、72同士が連結されている。それにより、移動フランジ62が固定フランジ61に、両者間の間隔を調整可能に連結され、且つ回転しないように連結されている。
【0024】
なお、外筒11の内周面やケーシング16の内周面には、キャスタブル等の硬質の断熱材14が張り付けられ、伸縮管63の内周面には、ロックウール等の軟らかい断熱材65が張り付けられている。また、伸縮管63の内周側には、断熱材65の脱落防止等のために支持リング64が、移動フランジ61または固定フランジ61に支持された形で配されている。
【0025】
図8は、加熱流体出口ケーシング17の内端と、外筒11の端部との連結箇所に設けられているシール機構30Bを示す。この場合は、外筒11が回転側環状部材(第1の環状部材)であり、加熱流体出口ケーシング17が固定側環状部材(第2の環状部材)である。このシール機構30Bでは、外筒11の端部に、外筒11の回転軸線に対して略直交するフランジ11Bが設けられ、その外面が摺面Sとして設定されている。それ以外の構成は図7のシール機構30Aと全く同じである。
【0026】
図9は、加熱流体入口ケーシング16と出口側発生ガスフード19と内筒12との間の隙間をシールするシール機構32Aを示す。この場合は、内筒12が回転側環状部材(第1の環状部材)であり、加熱流体入口ケーシング16と出口側発生ガスフード19とが固定側環状部材(第2の環状部材)である。このシール機構32Aは、加熱流体入口ケーシング16の外端と内筒12の端部との間をシールする第2のシール機構(図8のシール機構30Bに相当)と、出口側発生ガスフード19の内端と内筒12の端部との間をシールする第3のシール機構(図7のシール機構30Aに相当)とを一緒に組み合わせたものである。
【0027】
このシール機構32Aでは、内筒12の端部外周に気密に環状の固定フランジ80を突設し、その固定フランジ80に環状の仕切板81を取外し可能(伸縮管63の取付け、取外しのため)に気密に取付けて、その仕切板81の両面を、回転軸線に対して略直交する摺面Sとして設定している。そして、仕切板81の一方の摺動面Sと加熱流体入口ケーシング16の外端側の側壁との間に、図8に示したシール機構30Bを設け、仕切板81の他方の摺動面Sと出口側発生ガスフード19の内端側の側壁との間に、図7に示したシール機構30Aを配設している。これにより、両シール機構30A、30Bの移動フランジ62、62が仕切板81の両側の摺動面Sにスプリング66の力で圧接させられ、これらの合わせ面でシールが行われている。
【0028】
次に作用を説明する。
この外熱式ロータリーキルン1では、加熱炉の主要部を構成する外筒11と内筒12とを内外筒連結機構18A、18Bで連結し、外筒11を回転駆動することで内筒12を回転させるようにしているから、内筒12の両端を加熱炉の外部に大きく延出して回転支持する必要がない。そのため、この例のように内筒12の両端を出口側発生ガスフード19及び入口側ガスフード20で完全に覆うことができ、それにより、内筒12を大気に露出させる部分を無くすことができ、大気への熱放散量を低減して、熱効率を向上させることができる。また、加熱炉内に収容する内筒12の長さを大きくすることができるので、内筒12の加熱効率が向上し、ロータリーキルン1の小型化が図れる。
【0029】
また、シール機構30A、30Bを介して、外筒11と加熱流体入口ケーシング16及び加熱流体出口ケーシング17とを連通しているので、両ケーシング16、17を通して、外筒11と内筒12を回転させながら、加熱流体を内外筒間の流路13に流通させ、内筒12を安定的に加熱することができる。また、仕切板81を組込んだシール機構32A、32Bによって、加熱流体の流路(ケーシング16、17の内部空間16a、17a)と被処理物からの発生ガスの流路(内筒12の入口12aと出口12b)を明確に分離したので、内筒12よりの発生ガスGと加熱流体Kの接触を確実に防止することができる。爆発等の危険を未然に防ぐことができる。
【0030】
また、外筒11と内筒12間に熱膨脹差が発生すると、図4、図5に示す内外筒連結機構18A、18Bでは、半径方向の熱膨脹差を、スプリング59に抗して連結ロッド53がガイド管54内を摺動することにより吸収する。また、軸方向の熱膨脹差については、図5に示す内外筒連結機構18Bの連結ロッド53がリング51の中央孔(長孔)52B内を移動することにより吸収する。
【0031】
また、各シール機構30A、30B、32A、32Bでは、移動フランジ62が摺動面Sにスプリング66の力で圧接させられているので、その合わせ面によって、熱膨脹の影響を吸収しながら、シール性を確保することができ、内筒12と外筒11を継続的に安定回転させることができる。即ち、半径方向の熱膨脹差は、摺動面Sと移動フランジ62が相互に滑ることで吸収し、軸方向の熱膨脹差については、伸縮管63が伸縮することで吸収する。この際、スプリング66により適当な力で移動フランジ62を摺動面Sに圧接させているので、適正なシール性能が維持される。また、固定フランジ61を取付けているフード19、20やケーシング16、17が熱変形して傾いても、スプリング66が円周方向に多数配置されているので、移動フランジ62と摺動面S間で良好な接触状態が確保され、シール性能が維持される。
【0032】
また、このロータリーキルン1のシール機構30A、30B、32A、32Bは、加熱炉の端部に設けたシールボックスに、加熱炉の炉内圧より高い圧力のシール用空気等を圧送してシールするタイプのものではないから、ランニングコストもかからず、停電時のシールも確保することができる。
【0033】
なお、特に仕切板81を組込んだ方のシール機構32A(32Bも同じ)について、図10に示すように変更を加えることもできる。
図10に示すシール機構132Aでは、仕切板81の摺動面Sと移動フランジ62の合わせ面間に、グランドパッキン85を追加挿入している。グランドパッキン85には、図示しない給油孔により耐熱グリースが供給されている。このシール機構132Aは、加熱流体の圧力が高い場合に特に有効である。
【0034】
また、図11に示すシール機構232Aでは、仕切板81と、それを接合している固定フランジ80との間に、バネ鋼のような弾性板を介在させることにより、固定フランジ80が傾いても、仕切板81を内筒12の回転軸線に直交するよう配置することができ、仕切板81の摺動面Sに対する移動フランジ62の摺動抵抗を低減することができる。
【0035】
なお、摺動面Sに供給するシール材として、耐熱グリース以外に、固体カーボン等を用いてもよいし、摺動面Sに銅製リング等の滑り材を組込んでもよい。
また、上記実施形態では、内筒12を水平に対して僅かに傾斜させたが、傾斜させずに水平に設置し、内筒12の内壁に被処理物搬送用の羽根をスパイラル状に固定して、内筒12の回転によるこの羽根の回転で被処理物を搬送するようにしてもよい。
【0036】
さらに、上記実施形態では、加熱炉の主要部である外筒11を回転させることにより、内筒12を追従回転させるように構成した場合を示したが、従来のように固定的に設けた加熱炉に対して、回転する内筒を貫通したタイプの外熱式ロータリーキルンに対して、加熱炉と内筒との間のシール手段として、本発明のシール機構を用いることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明のシール機構によれば、伸縮管に連結した移動フランジを付勢部材の力で摺面に圧接させているので、移動フランジと摺面の合わせ面で、第1、第2の環状部材間の隙間を確実にシールすることができる。また、第1、第2の環状部材の軸方向の熱膨脹差は伸縮管で吸収し、半径方向の熱膨脹差は、摺面と移動フランジの合わせ面の滑りにより吸収する。従って、熱膨脹差があっても、第1、第2の環状部材の隙間を、確実にシールすることができる。よって、従来例のように、シール用に空気を圧送する必要がなく、ランニングコストの低減が図れると共に、停電時のシールも確保することができ、安全性の向上が図れる。
【0038】
請求項2の発明によれば、内筒の外周に設けた仕切板に、それぞれ伸縮管に連結した移動フランジを圧接させているので、仕切板と、その両側の固定側環状部材との間の隙間を確実にシールすることができる。また、移動フランジを連結した伸縮管により、仕切板と固定側環状部材との軸方向の熱膨脹差を吸収することができ、移動フランジと仕切板の両面の摺動面との滑りにより、仕切板と固定側環状部材との半径方向の熱膨脹差を吸収することができる。従って、熱膨脹差があっても、回転する内筒と、固定側環状部材との間の隙間を確実にシールすることができ、内筒よりの発生ガスの漏れを防止、あるいは同発生ガスと加熱炉の火炎や加熱流体との接触を防止して、爆発等の危険を未然に防ぐことができる。
【0039】
請求項3の発明によれば、外筒を回すことで内筒を回すようにしたので、内筒自体の回転支持機構や回転駆動機構を設ける必要がなくなり、加熱炉から露出する内筒部分を極力小さくすることができ、熱効率の向上を図ることができる。また、外筒を回すものの、固定的に配した加熱流体給排用のケーシングを介して加熱流体を給排するので、加熱流体の給排を確実に行うことができる。しかも、ケーシングと外筒の連結部分に請求項1のシール機構を配設したので、外筒とケーシング間の熱膨脹差があっても、外筒とケーシングの連結部の隙間を確実にシールしながら、外筒を回すことができる。
【0040】
請求項4の発明によれば、請求項3の発明と同様に、外筒を回すことで内筒を回すようにしたので、内筒自体の回転支持機構や回転駆動機構を設ける必要がなくなり、加熱炉から露出する内筒部分を極力小さくすることができ、熱効率の向上を図ることができる。また、外筒を回すものの、固定的に配した加熱流体給排用のケーシングを介して加熱流体を給排するので、加熱流体の給排を確実に行うことができる。また、内筒の入口、出口を覆うフードと、ケーシングと、内筒との間をシールする手段として請求項2のシール機構を配設したので、内筒とフード及びケーシングとの間の熱膨脹差があっても、それらの間の隙間を確実にシールしながら、内筒を回すことができる。従って、内筒よりの発生ガスと加熱流体との接触を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のシール機構を装備した外熱式ロータリーキルンの全体の概略構成を示す側断面図である。
【図2】図1のII−II矢視断面図である。
【図3】図1のIII−III矢視断面図である。
【図4】図1における内外筒連結機構18Aの断面図である。
【図5】図1における内外筒連結機構18Bの断面図である。
【図6】図4、図5に示した内外筒連結機構18A、18Bの円周方向の配置を示す断面図である。
【図7】図1におけるシール機構30Aの詳細図であり、(a)は側断面図、(b)は回転止め機構70の平面図である。
【図8】図1におけるシール機構30Bの詳細図であり、(a)は側断面図、(b)は回転止め機構70の平面図である。
【図9】図1におけるシール機構32Aの詳細図であり、(a)は側断面図、(b)は回転止め機構70の平面図である。
【図10】図9のシール機構の他の例を示す側断面図である。
【図11】図9のシール機構の更に他の例を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 外熱式ロータリーキルン
11 外筒(回転側環状部材)
12 内筒(回転側環状部材)
12a 入口
12b 出口
13 流路
16 加熱流体入口ケーシング(ケーシング、固定側環状部材)
17 加熱流体出口ケーシング(ケーシング、固定側環状部材)
16a,17a 内部空間
18A,18B 内外筒連結機構
19 出口側発生ガスフード(フード、固定側環状部材)
20 入口ガスフード(フード、固定側環状部材)
24 駆動機構
30A,30B シール機構
32A,32B シール機構
63 伸縮管
62 移動フランジ
66 スプリング(付勢部材)
70 回転止め機構
81 仕切板
S 摺動面

Claims (4)

  1. 回転駆動されることにより入口から投入された被処理物を出口側へ送り移動して出口から排出する内筒と、内筒の外周に配されて内筒を加熱する加熱炉とを備えた外熱式ロータリーキルンの、回転側環状部材とそれに対向する固定側環状部材との間に設けられるシール機構において、
    前記回転側環状部材に設けられ、回転側環状部材の回転軸線に対して略直交する摺と、
    前記固定側環状部材伸縮管によって気密に連結され、前記摺動面に対向配置された環状の移動フランジと、
    前記固定側環状部材と前記移動フランジとの間に配設されて前記移動フランジを前記摺動面に圧接させる方向へ押圧する付勢部材と、
    前記移動フランジの移動を、前記固定側環状部材に対して接近離間する方向の移動のみ許し回転不可能に規制する回転止め機構と、
    備えることを特徴とする外熱式ロータリーキルンのシール機構。
  2. 前記回転側環状部材が前記内筒であり、
    前記摺動面が、内筒の外周に突設された環状の仕切板の両面に設けられ、
    該仕切板の両側に、前記固定側環状部材がそれぞれ配設され、
    これら各前記固定側環状部材と前記仕切板との間をシールするために、各前記固定側環状部材と前記仕切板との間にそれぞれ、前記移動フランジ、前記付勢部材及び前記回転止め機構が設けられている
    ことを特徴とする請求項1記載の外熱式ロータリーキルンのシール機構。
  3. 前記加熱炉が、前記内筒の軸線方向中間部に位置し且つ前記内筒の外周に同心状に配されて駆動機構により回転駆動される外筒と、該外筒の両端に固定的に配された加熱流体給排用のケーシングとから構成されると共に、
    前記内筒が前記外筒と一緒に回転するよう内外筒連結機構により前記外筒に連結され、
    前記ケーシングの内部空間及び前記内筒と前記外筒間の間隙が加熱流体の流路とされ、
    前記回転側環状部材としての前記外筒と前記固定側環状部材としての前記ケーシングの連結部間のシール手段として請求項1記載のシール機構が配設されている
    ことを特徴とする外熱式ロータリーキルンのシール機構。
  4. 前記加熱炉が、前記内筒の軸線方向中間部に位置し且つ前記内筒の外周に同心状に配されて駆動機構により回転駆動される外筒と、該外筒の両端に固定的に配され前記内筒の両端がそれぞれ貫通する加熱流体給排用のケーシングとから構成されると共に、
    前記内筒が前記外筒と一緒に回転するよう内外筒連結機構により前記外筒に連結され、
    前記ケーシングの内部空間及び前記内筒と前記外筒間の間隙が加熱流体の流路とされ、
    前記内筒の両端に設けられた入口及び出口をそれぞれ覆って大気から遮断するフードが各前記ケーシングの外側に固定的に設けられ、
    前記回転側環状部材としての前記内筒と、前記固定側環状部材としての前記ケーシング及び前記フードとの間をシールする手段として、請求項2記載のシール機構が配設されていることを特徴とする外熱式ロータリーキルンのシール機構。
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