JP3959320B2 - 受信機及びagc方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル多重放送の受信技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
移動体向け衛星放送では、衛星から送信される衛星波に加え、衛星波の補間のために地上波リピータを利用して地上波を送信する。この場合、衛星波は例えばTDM(Time Division Multiplexing)信号が使用されるのに対し、地上波は地上での特性を考慮した多重化方式を採用するので、例えばOFDM(Orthogonal Frequency Divisional Modulation)やCDM(Code Division Multiplexing)などの多重化方式を使用することになる。その結果、異なる方式の衛星波と地上波とが混在する環境が生じ、受信機は衛星波と地上波の多重信号を受信することになる。
【0003】
一般的に、受信機には受信信号の利得を制御するAGC(Auto Gain Control)回路が設けられるが、このような多重波を受信する受信機は放送方式毎に独立にAGCを行うように構成される。即ち、受信機は、地上波デジタル放送による放送波(以下、「地上波」と呼ぶ。)と、衛星方法による放送波(以下、「衛星波」と呼ぶ。)に対して、個別のAGC回路により独立にAGCを行う。具体的には、受信機は、多重信号から各方式の信号レベルを独立に検出してAGC信号を発生し、個別にAGCを行う。そして、各方式の受信信号を復調処理し、その後に両信号を合成してデコード処理部へ供給する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図1(a)に、衛星波と地上波の周波数帯域例を示す。一般的には、周波数軸上、地上波に隣接して衛星波が配置される場合が多く、図1(a)に示す例はある特定の方式の場合の例であり、周波数軸上、地上波の両側に隣接して衛星波が配置されている。受信機は、地上波については、地上波の帯域に対応する通過帯域PB1を有する地上波用フィルタにより地上波信号のみを抽出する。一方、衛星波については、衛星波の個々の帯域を通過するフィルタを個別に用意すると、複数の帯域分のフィルタが必要となるため受信機全体のコストアップにつながる。よって、受信機のフロントエンドを低コスト化するため、図1(a)に示すように、地上波と衛星波の両方を含む帯域を通過させる通過帯域PB2を有する衛星波用フィルタを使用することが一般的である。
【0005】
衛星波は人工衛星から送信されるため、電界強度は小さく、ほぼ一定のレベルで受信される。これに対し、地上波は、送信アンテナからの受信点の距離に応じてその電界強度が大きく変化する。地上波アンテナからの距離に応じた受信信号スペクトルの変化例を図1(a)〜(c)に示す。図1(a)に示すように、地上波アンテナから近距離の地点で受信された多重波は地上波成分のレベルが大きいが、地上アンテナから中距離の地点で受信された多重波は地上波成分のレベルがそれほど大きくない。また、地上波アンテナから遠距離の地点で受信された多重波では、地上波成分は非常に小さい。このように、衛星波の信号レベルは比較的安定であるのに対し、地上波の信号レベルは送信アンテナからの距離に大きく依存して変化する。さらに、地上波については、周囲環境の影響により、信号レベルに対してフェージングやマルチパスの影響も加わる。このため、地上波の信号レベルは衛星波に比べて大きく変動する性質を有する。
【0006】
前述のように、衛星波用フィルタとして図1(a)に示すように全帯域を通過帯域とするフィルタを使用する場合には、衛星波用のAGC回路は地上波を含む帯域の受信信号に基づいてAGCを行うため、以下のような問題が生じうる。
【0007】
この例の場合、衛星波が地上波の両側に位置するため、図1(a)に示すように、地上波アンテナから近距離の地点では、衛星波レベルよりも地上波レベルの方が大きくなる。よって、衛星波用AGC回路はレベルの大きい地上波信号のレベルに従って、地上波信号が飽和してレベルに歪みが生じないようにAGCを行う。よって、衛星波信号に対しても同様に減衰がなされてしまい、その結果、本来受信したい衛星波も減衰されてしまい、衛星波の受信が困難になる場合がある。
【0008】
また、前述のように、地上波は周囲環境によりフェージングやマルチパスの影響を受けやすい。よって、フェージングやマルチパスの影響により、地上波レベルが不安定になると、衛星波用AGC回路はその変動に追従して利得調整を行うため、衛星波のレベルを正しく制御できなくなることがある。
【0009】
本発明が解決しようとする課題としては、以上のようなものが例として挙げられる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、受信機において、第1の放送波及び第2の放送波の多重波を受信し、受信信号を出力する受信手段と、前記受信信号から前記第1の放送波のみを抽出して第1の放送波信号を出力する第1のフィルタと、前記受信信号から前記第1の放送波及び前記第2の放送波を抽出して第2の放送波信号を出力する第2のフィルタと、前記第1の放送波信号のレベルに基づいて前記第1の放送波信号の利得を制御する第1のAGC手段と、前記第2の放送波信号のレベルに基づいて前記第2の放送波信号の利得を制御する第2のAGC手段と、前記第1の放送波信号の受信状態を解析し、解析結果に基づいてAGC調整量を決定するAGC調整量決定手段と、前記AGC調整量に従って、前記第2のAGC手段のAGC量を調整するAGC調整手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、受信機におけるAGC方法において、第1の放送波及び第2の放送波の多重波を受信し、受信信号を出力する工程と、前記受信信号から前記第1の放送波のみを抽出して第1の放送波信号を出力する工程と、前記受信信号から前記第1の放送波及び前記第2の放送波を抽出して第2の放送波信号を出力する工程と、前記第1の放送波信号のレベルに基づいて前記第1の放送波信号の利得を制御する第1のAGC工程と、前記第2の放送波信号のレベルに基づいて前記第2の放送波信号の利得を制御する第2のAGC工程と、前記第1の放送波信号の受信状態を解析し、解析結果に基づいてAGC調整量を決定するAGC調整量決定工程と、前記AGC調整量に従って、前記第2のAGC工程において使用されるAGC量を調整するAGC調整工程と、を備えることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0013】
図2に、本発明の実施形態にかかる受信機1の概略構成を示す。図1に示すように、受信機1は、第1のフィルタ2と、第2のフィルタ3と、第1のAGC手段4と、第2のAGC手段5と、AGC調整量決定手段6と、AGC調整手段7とを備える。
【0014】
第1のフィルタ2及び第2のフィルタ3には、第1の放送波と第2の放送波の多重放送波が入力される。第1の放送波としては例えば地上波デジタル放送の地上波(即ち、OFDM信号)が挙げられ、第2の放送波としては例えば衛星放送の衛星波が挙げられる。第1のフィルタ2は、入力された多重放送波から、第1の放送波のみを抽出し、第1の放送波信号として第1のAGC手段4に供給する。第1のAGC手段4は、第1の放送波信号に基づいて、第1の放送波信号のAGCを実行する。
【0015】
一方、第2のフィルタ3は、第1の放送波及び第2の放送波の両方を抽出して第2の放送波信号として第2のAGC手段5に供給する。第2のAGC手段5は、第1の放送波及び第2の放送波に対応する放送波信号に基づいてAGCを行う。従って、第2のAGC手段によるAGCは、第1の放送波の受信状態の影響を受ける。
【0016】
AGC調整量決定手段6は、第1の放送波信号の受信状態を解析し、解析結果に基づいて、AGC調整量を決定する。そして、AGC調整手段7は、AGC調整量決定手段6が決定したAGC調整量に基づいて、第2のAGC手段5によるAGC量を調整する。前述のように、第2のAGC手段5は、基本的には第1の放送波及び第2の放送波を含む放送波信号に基づいてAGCを行うが、それに加えてAGC調整手段7が行う調整により、第1の放送波の受信状態変動による影響を軽減、除去することができる。その結果、第2のAGC手段5は、実質的に第2の放送波信号に対して適切なAGCを実行することが可能となる。
【0017】
AGC調整量決定手段6は、キャリア検出手段6a、閾値解析手段6b、時間変化量解析手段6cを含むことができる。キャリア検出手段6aは、第1の放送波信号中に含まれるキャリアを検出し、検出されたキャリアは閾値解析手段6b及びは時間変化量解析手段6cにより利用される。
【0018】
閾値解析手段6bは、所定の閾値を超えるキャリア数を算出し、その数が所定数を超える場合に、第1の放送波の受信状態を安定的であると判定する。その結果に応じてAGC調整量決定手段6はAGC調整量を決定したり、AGC調整手段7による調整の要否を決定することができる。また、閾値解析手段6bは、複数の閾値と各キャリアレベルとを比較することにより、第1の放送波の受信状態、例えば第1の放送波のアンテナと受信機の距離関係や、フェージングの有無などの状態を判定し、その結果に基づいてAGC調整量を決定したり、AGC調整手段7による調整の要否を決定することができる。
【0019】
一方、時間変化量解析手段6cは、各キャリアのレベルと閾値との大小関係を所定期間にわたって分析することにより、第1の放送波の受信状態の時間的変化を検出する。AGC調整量決定手段6は、その結果に基づいてAGC調整量を決定したり、AGC調整手段7による調整の要否を決定することができる。
【0020】
【実施例】
次に、本発明を適用した受信機の好適な実施例を説明する。図3は、本発明の実施例に係る受信機10の利得制御に関する部分を示したブロック図である。図3において、受信機10は、アンテナユニットATにより受信した受信信号を、衛星波と地上波の2系統に分けて処理する。
【0021】
受信機10は、地上波側処理系統として、フロントエンド部11、AD変換器(ADC)12、信号レベル検出部13、AGC信号生成部14、FFT部15、データデコード部16、キャリア検出部17、キャリア解析部18、AGC調整量決定部19及びマップ情報記憶部20を備える。フロントエンド部11、AD変換器12、信号レベル検出部13及びAGC信号生成部14は地上波側AGCループ10aを構成している。また、キャリア検出部17、キャリア解析部18、AGC調整量決定部19及びマップ情報記憶部20はAGC調整部10bを構成している。
【0022】
また、受信機10は、衛星波側処理系統として、フロントエンド部21、AD変換器(ADC)22、信号レベル検出部23、AGC信号生成部24及びデータデコード部25を備える。ここで、フロントエンド部21、AD変換器22、信号レベル検出部23及びAGC信号生成部24は衛星波側AGCループ10cを構成している。
【0023】
まず、地上波側処理系統について説明する。アンテナユニットATは受信波を受信信号としてフロントエンド部11へ供給する。
【0024】
フロントエンド部11の構成を図4に示す。図4において、フロントエンド部11は、RFフィルタ201と、RFアンプ202と、RF AGCアンプ203と、RFフィルタ204と、ミキサ205と、IFフィルタ206と、IF AGCアンプ207と、ミキサ208と、IFフィルタ209と、IF AGCアンプ210と、VCO(Voltage Controlled Oscillator)211及び214と、PLL(Phase Lock Loop)212及び215とを備える。
【0025】
RFフィルタ201は、受信信号から地上波を抽出するためのフィルタであり、例えば図1(a)に示す地上波用フィルタ通過帯域PB1を有する。RFアンプ202は、RFフィルタ201が抽出した地上波RF信号を所定の増幅度で増幅し、RF AGCアンプ203へ供給する。RF AGCアンプ203はAGC信号生成部14から供給されるAGC信号110に応じた増幅度で地上波RF信号を増幅する。増幅後の地上波RF信号は、RFフィルタ201と同一の通過特性を有するRFフィルタ204により、フィルタリングされ、ミキサ205へ供給される。
【0026】
ミキサ205は、PLL212及びVCO211により生成される信号とRFフィルタ204から出力される信号とを混合することにより第1のIF(Intermediate Frequency:中間周波数)信号を生成し、IFフィルタ206へ供給する。IF AGCアンプ207は、AGC信号生成部14から与えられるAGC信号110に基づいて、第1のIF信号を増幅する。また、ミキサ208は、VCO214及びPLL215により生成される信号と、第1のIF信号とを混合することにより第2のIF信号を生成し、IFフィルタ209へ供給する。IFフィルタ209は、第2のIF信号を第2のIFでフィルタリングし、IF AGCアンプ210へ供給する。IF AGCアンプ210は、AGC信号生成部14から供給されるAGC信号110に基づいて第2のIF信号を増幅し、AD変換器12へ出力する。
【0027】
図4に例示するフロントエンド部11では、RF信号、第1のIF信号及び第2のIF信号の3段階で、それぞれAGCアンプ203、207及び210により利得制御を行っている。なお、AGC信号生成部14は各AGCアンプ203、207及び210に対して異なるAGC信号を供給し、各AGCアンプにより異なる増幅率で各信号を増幅することができる。
【0028】
AD変換器12はアナログのIF信号をデジタル信号に変換し、信号レベル検出部13へ供給する。信号レベル検出部13は、デジタルIF信号のレベルとして、平均電力値を算出する。この平均電力値は、地上波信号の電界強度が十分に高いか否かを判断するためのパラメータとして使用される。
【0029】
信号レベル検出部13の構成例を図5(a)に示す。本構成例は地上波信号がOFDM信号の場合であり、AD変換器12から出力されるデジタルIF信号からIQ復調部131により実数成分と虚数成分に分離し、IQ合成部132により両成分を合成し、周波数オフセット補正部133により周波数軸上のオフセット補正を施して、得られた信号をキャリア検出部17及びFFT(Fast Fourier Transform)部15へ供給する。FFT15は信号レベル検出部13からの信号をFFT処理してデータデコード部16へ供給し、データデコード部16は地上波信号中の音声/データを復号化して信号処理回路へ供給する。
【0030】
次に、衛星側処理系統について説明する。アンテナユニットATからの受信信号は、フロントエンド部21へ入力される。フロントエンド部21は、基本的には図4に例示したフロントエンド部11と同様の構成を有し、衛星波RF信号を第1及び第2のIF信号にダウンコンバートしてAD変換器22へ出力する。但し、衛星波側のフロントエンド部21内のRFフィルタは、図1(a)に例示するように、衛星波及び地上波の全帯域を通過させる通過特性PB2を有する。その結果、衛星波側AGCループ10cは、衛星波及び地上波を含む帯域の信号に基づいてAGCを行う。但し、本発明では、図3に示すように、AGC調整量決定部10bが地上波の検出信号に基づいて衛星側AGCループ10bのAGC信号の調整を行う点に特徴を有する。
【0031】
フロントエンド部21の出力信号はAD変換器22でデジタル信号に変換され、信号レベル検出部23に供給される。信号レベル検出部23の構成例を図5(b)に示す。信号レベル検出部23において、IQ復調部231が入力された衛星波信号を実数部分と虚数部分とに分離し、IQ合成部232が両者を合成し、その合成信号をTDM分離部233が時間軸分離して衛星波信号を取得してデータデコード部25へ送る。データデコード部25は、衛星波信号を復号化して音声/データを取得し、信号処理回路へ供給する。
【0032】
次に、AGC調整部10bについて説明する。AGC調整部10bは、信号レベル検出部13から出力される地上波信号に基づいて、衛星波側ACGループのAGC信号の調整量を決定する処理を行う。具体的には、キャリア検出部17は、信号レベル検出部13が出力する地上波信号を周波数分析し、地上波信号中に含まれるキャリアを検出する。そして、キャリア解析部18は、検出されたキャリアに基づいて地上波信号の受信状態を解析し、解析結果をAGC調整量決定部19へ送る。ここで、地上波信号の解析結果は、例えば地上波信号中の所定レベル以上のキャリア数、地上波信号の受信状態、受信状態の時間的時間変化量などが挙げられる。マップ情報記憶部20は、そのような地上波信号の解析結果と、それに対応するAGC調整量との対応をマップ情報として記憶している。AGC調整量決定部19は、キャリア解析部18から供給された地上波信号の解析結果に基づいて、マップ情報を参照してAGC調整量を決定し、AGC調整量信号130として衛星波側AGCループ中のAGC信号生成部24へ供給する。衛星波側AGCループでは、AGC調整量信号130に基づいてAGC信号を調整する。これにより、衛星波側AGCループでは、地上波信号の受信状態を考慮してAGC量の補正を行うことができる。衛星側AGCループ単独では、前述のように地上波と衛星波を含めた帯域で信号を抽出してAGCを行うので、AGC自体が地上波信号の受信状態による影響を受けやすい。この点、本実施例によれば、AGC調整部10bが地上波信号の受信状態を検出、解析して、その結果に応じて衛星側AGCループのAGC量を調整するので、衛星側AGCループ中における地上波信号の受信状態による影響を軽減することができる。その結果、衛星側AGCループにおいて、衛星波信号を得るのに適したAGCを実行することが可能となる。
【0033】
次に、AGC調整部10b内における処理について詳しく説明する。AGC調整部10bは、地上波信号を分析することにより、地上波信号の受信状態を示すいくつかのパラメータについての解析結果を作成する。
【0034】
図6に、地上波信号(OFDM信号)を構成するキャリアの周波数分布を示す。OFDM信号におけるキャリア数は方式などによって異なるが、本例ではOFDM信号は固定数(1024本)のキャリアを有するものとする。キャリア検出部17は、信号レベル検出部13から抽出される地上波信号を周波数分析することにより、キャリアを検出する。キャリアの検出結果の例を図6(b)に示す。OFDM信号では、1024本のキャリアが周波数軸上に等間隔で存在するので、各キャリアの解析を行うことにより、各キャリアに対応する信号レベルを検出することができる。
【0035】
次に、キャリア解析部18は、検出した各キャリアを所定の閾値と比較し、閾値を超えるレベルを有するキャリア数を算出する。このキャリア数は、地上波信号の受信状態が安定的であるか、不安定であるかを示すパラメータとして利用される。即ち、キャリア解析部18は、ある閾値により各キャリアレベルを評価し、閾値以上のレベルを有するキャリア数が所定数以上存在する場合、地上波信号が安定的に受信されていると判定する。一方、閾値以上のレベルを有するキャリア数が所定数未満である場合、地上波信号の受信状態は不安定であると判定する。
【0036】
さらに、キャリア解析部18は、電界強度の複数の閾値を設定し、それぞれ当該閾値を超えるレベルを有するキャリア数を検出する。この分析(「閾値分析」と呼ぶ。)により、地上波信号が現在どのような受信状態にあるのかを概略的に把握することができる。図7(a)〜(d)に、地上波信号が種々の状態にあるときの、複数の閾値を超えるレベルを有するキャリア数の割合を示している。なお、横軸に示す閾値は、図6(b)に示す電界強度レベルに対応しているものとする。
【0037】
図7(a)は受信機10が地上波アンテナから近距離にある場合の閾値分析結果を示している。地上波アンテナから近距離にあるので、どの閾値についても、閾値を超えるキャリア本数の割合は高い。
【0038】
図7(b)は受信機が地上波アンテナから中距離にある場合の閾値分析結果を示している。地上波アンテナから少し離れると、受信される地上波レベルは減衰するため、高い閾値TH5、TH6などより大きなレベルを有するキャリア数の割合が減少する。
【0039】
図7(c)は受信機が地上波アンテナから遠距離にある場合の閾値分析結果を示している。地上波アンテナから遠距離の地点では受信される地上波レベルは著しく減衰するため、最小の閾値を超えるキャリアが僅かな数検出されるだけとなる。
【0040】
図7(d)は受信された地上波がフェージングの影響を受けた状態であり、各キャリアのレベルが不規則に変動するため、各閾値を超えるキャリア本数の割合は閾値の大小によらず不規則となる。図7(d)の例では、閾値TH4を超えるキャリア本数の割合が他に比べて少ないので、閾値TH3とTH4を超えるキャリア本数の割合に差があるので、地上波の受信信号は、閾値TH3とTH4の付近のレベルにおける変動が大きいことが推測できる。
【0041】
また、キャリア解析部18は、受信状態の時間変化量解析を行う。時間変化量解析とは、所定の時間にわたって受信状態を解析するものである。図8に時間変化量解析の例を示す。この例では、図8(a)に示すように、所定の単位時間にわたって複数の閾値(TH1〜TH6)を超えるレベルを有するキャリア本数を算出し、その結果に基づいて、図8(b)に示すように、各閾値TH1〜TH6についてキャリア本数の変動の大小を分析する。図8(b)に示すように、単位時間において、各閾値を超えるレベルを有するキャリア本数の変化量を検討することにより、地上波信号がどの付近のレベルで時間的に大きく変動しているかを推測することができる。図8(b)の例では、閾値TH3における変化量が大きいので、閾値TH3付近のレベルで多数のキャリアがレベル変動を起こしていることが理解される。
【0042】
[AGC動作]
次に、本実施形態に係る受信機のAGC動作について説明する。受信機10は、図3に示すように地上波側AGCループと衛星波側AGCループとを備える。まず、地上波側AGCループによるAGC動作について説明する。図9は、地上波側のAGC動作のフローチャートである。
【0043】
まず、信号レベル検出部13は、地上波信号を抽出し、その平均電力値を算出する(ステップS10)。AGC信号生成部14は、算出された平均電力値に基づいて、地上波側のAGC量を決定し、AGC量信号110をフロントエンド部11内の各AGCアンプへ供給する。これにより、各AGCアンプはそれぞれRF信号、IF信号の増幅度を設定し、増幅を行う。こうして、地上波側AGCループにおける基本的なAGCが実行される(ステップS14)。
【0044】
次に、ステップS10で算出された平均電力値が予め決められた設定値より大きいか否かが判定される(ステップS16)。設定値は、地上波信号全体の平均的な電力レベルが十分なレベルにあるか否かを判定するために設定される。平均電力値が設定値より大きい場合(ステップS16;Yes)、ステップS14におけるAGCが継続される。
【0045】
一方、平均電力値が設定値より小さい場合(ステップS16;No)、AGC調整部10bが動作する。即ち、キャリア検出部17が地上波信号中の各キャリアのレベルを検出する(ステップS20)。次に、キャリア解析部18が所定の閾値を決定し(ステップS22)、当該閾値を超えるキャリア数を算出する(ステップS24)。
【0046】
当該閾値を超えるキャリア数が予め決定された設定数より多い場合(ステップS26)、処理はステップS14に戻り、AGCを継続する。一方、当該閾値を超えるキャリア数が設定数より少ない場合(ステップS26;No)、キャリア解析部18は前述の閾値分析を行い(ステップS28)、さらに時間変化量解析を行う(ステップS30)。そして、それらの結果に基づいて、AGC調整量決定手段19はマップ情報を参照してAGC調整量を決定し(ステップS32)、AGC調整量信号130として図3に示す衛星側AGCループのAGC信号生成部24へ供給する。
【0047】
次に、衛星波側のAGC動作について図10を参照して説明する。図10は、衛星波側のAGC動作のフローチャートである。図10において、まず信号レベル検出部23は、衛星波側信号の平均電力値を算出し(ステップS40)、AGC信号生成部24は算出された平均電力値に基づいて衛星波側のAGC量を設定する(ステップS42)。そして、AGC信号生成部24がAGC信号をフロントエンド部21内の複数のAGCアンプに供給することにより、AGCが行われる(ステップS44)。
【0048】
そして、AGC信号生成部24は、AGC調整部10b内のAGC調整量決定部19からAGC調整信号130が入力されているか否かを判断する(ステップS46)。入力されていない場合には、ステップS44に戻ってステップS40〜S44を繰り返し、AGCを継続する。
【0049】
一方、AGC調整信号130が入力されている場合(ステップS46)、AGC信号生成部24はAGC調整信号130に基づいて、衛星波側のAGC量を調整する(ステップS48)。これにより、地上波信号の受信状態に応じて、衛星波側のAGC量が調整される。
【0050】
衛星波側のAGC量の調整方法としては、例えば地上波信号の平均電力が大きい場合は、地上波信号が比較的安定的に受信されており、地上波信号が衛星波側AGCに与える影響がそれほど大きくないと判断して、補正を行わない若しくは補正量を小さくすることができる。逆に地上波信号の平均電力が小さい場合や、それに加えて時間変化量が大きい場合などは、地上波信号の変動が大きいと判断し、衛星波側のAGC補正量を大きめに設定することができる。また、閾値分析により、地上波信号の受信状態がフェージングなどの影響を受けていると判断されるときには、衛星波側のAGC量を歪みが発生しない範囲内で増加させることができる。
【0051】
[変形例]
上記の実施例では、地上波の受信状態の解析結果に基づいて、衛星波側のAGC量のみを調整しているが、同解析結果を使用して、さらに地上波側のAGC量の調整を行うことも可能である。地上波側のAGCループは基本的に地上波信号のレベル(平均電力値)に基づいてAGCを行っているので、AGC調整部10bにより実行される地上波信号の細かな周波数分析結果に基づいて地上波側のAGCループ10aの調整を行えば、地上波側のAGCをより精密に行うことが可能となる。
【0052】
また、上記の実施例では、地上波がOFDM信号であり、衛星波がTDM信号であったが、本発明は多重化された複数の放送波のうちの一方がOFDM信号であれば適用が可能である。即ち、OFDM信号の受信状態を周波数分析した結果を利用して、他の信号のAGCの調整を行う各種の場合に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】地上波と衛星波の多重放送波における帯域分布例を示す。
【図2】本発明の実施形態に係る受信機の概略構成を示す図である。
【図3】本発明の実施例に係る受信機の概略構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示すフロントエンド部の構成を示すブロック図である。
【図5】図3に示す信号レベル検出部の構成を示すブロック図である。
【図6】地上波信号(OFDM信号)のキャリアの周波数分布例を示す。
【図7】地上波信号のキャリアの閾値解析例を示す。
【図8】地上波信号のキャリアの時間変化解析例を示す。
【図9】地上波側AGC動作のフローチャートである。
【図10】衛星波側AGC動作のフローチャートである。
【符号の説明】
10 受信機
11、21 フロントエンド
12、22 AD変換器
13、23 信号レベル検出部
14、24 AGC信号生成部
15 FFT部
16、25 データデコード部
17 キャリア検出部
18 キャリア解析部
19 AGC調整量決定部
20 マップ情報記憶部
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル多重放送の受信技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
移動体向け衛星放送では、衛星から送信される衛星波に加え、衛星波の補間のために地上波リピータを利用して地上波を送信する。この場合、衛星波は例えばTDM(Time Division Multiplexing)信号が使用されるのに対し、地上波は地上での特性を考慮した多重化方式を採用するので、例えばOFDM(Orthogonal Frequency Divisional Modulation)やCDM(Code Division Multiplexing)などの多重化方式を使用することになる。その結果、異なる方式の衛星波と地上波とが混在する環境が生じ、受信機は衛星波と地上波の多重信号を受信することになる。
【0003】
一般的に、受信機には受信信号の利得を制御するAGC(Auto Gain Control)回路が設けられるが、このような多重波を受信する受信機は放送方式毎に独立にAGCを行うように構成される。即ち、受信機は、地上波デジタル放送による放送波(以下、「地上波」と呼ぶ。)と、衛星方法による放送波(以下、「衛星波」と呼ぶ。)に対して、個別のAGC回路により独立にAGCを行う。具体的には、受信機は、多重信号から各方式の信号レベルを独立に検出してAGC信号を発生し、個別にAGCを行う。そして、各方式の受信信号を復調処理し、その後に両信号を合成してデコード処理部へ供給する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図1(a)に、衛星波と地上波の周波数帯域例を示す。一般的には、周波数軸上、地上波に隣接して衛星波が配置される場合が多く、図1(a)に示す例はある特定の方式の場合の例であり、周波数軸上、地上波の両側に隣接して衛星波が配置されている。受信機は、地上波については、地上波の帯域に対応する通過帯域PB1を有する地上波用フィルタにより地上波信号のみを抽出する。一方、衛星波については、衛星波の個々の帯域を通過するフィルタを個別に用意すると、複数の帯域分のフィルタが必要となるため受信機全体のコストアップにつながる。よって、受信機のフロントエンドを低コスト化するため、図1(a)に示すように、地上波と衛星波の両方を含む帯域を通過させる通過帯域PB2を有する衛星波用フィルタを使用することが一般的である。
【0005】
衛星波は人工衛星から送信されるため、電界強度は小さく、ほぼ一定のレベルで受信される。これに対し、地上波は、送信アンテナからの受信点の距離に応じてその電界強度が大きく変化する。地上波アンテナからの距離に応じた受信信号スペクトルの変化例を図1(a)〜(c)に示す。図1(a)に示すように、地上波アンテナから近距離の地点で受信された多重波は地上波成分のレベルが大きいが、地上アンテナから中距離の地点で受信された多重波は地上波成分のレベルがそれほど大きくない。また、地上波アンテナから遠距離の地点で受信された多重波では、地上波成分は非常に小さい。このように、衛星波の信号レベルは比較的安定であるのに対し、地上波の信号レベルは送信アンテナからの距離に大きく依存して変化する。さらに、地上波については、周囲環境の影響により、信号レベルに対してフェージングやマルチパスの影響も加わる。このため、地上波の信号レベルは衛星波に比べて大きく変動する性質を有する。
【0006】
前述のように、衛星波用フィルタとして図1(a)に示すように全帯域を通過帯域とするフィルタを使用する場合には、衛星波用のAGC回路は地上波を含む帯域の受信信号に基づいてAGCを行うため、以下のような問題が生じうる。
【0007】
この例の場合、衛星波が地上波の両側に位置するため、図1(a)に示すように、地上波アンテナから近距離の地点では、衛星波レベルよりも地上波レベルの方が大きくなる。よって、衛星波用AGC回路はレベルの大きい地上波信号のレベルに従って、地上波信号が飽和してレベルに歪みが生じないようにAGCを行う。よって、衛星波信号に対しても同様に減衰がなされてしまい、その結果、本来受信したい衛星波も減衰されてしまい、衛星波の受信が困難になる場合がある。
【0008】
また、前述のように、地上波は周囲環境によりフェージングやマルチパスの影響を受けやすい。よって、フェージングやマルチパスの影響により、地上波レベルが不安定になると、衛星波用AGC回路はその変動に追従して利得調整を行うため、衛星波のレベルを正しく制御できなくなることがある。
【0009】
本発明が解決しようとする課題としては、以上のようなものが例として挙げられる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、受信機において、第1の放送波及び第2の放送波の多重波を受信し、受信信号を出力する受信手段と、前記受信信号から前記第1の放送波のみを抽出して第1の放送波信号を出力する第1のフィルタと、前記受信信号から前記第1の放送波及び前記第2の放送波を抽出して第2の放送波信号を出力する第2のフィルタと、前記第1の放送波信号のレベルに基づいて前記第1の放送波信号の利得を制御する第1のAGC手段と、前記第2の放送波信号のレベルに基づいて前記第2の放送波信号の利得を制御する第2のAGC手段と、前記第1の放送波信号の受信状態を解析し、解析結果に基づいてAGC調整量を決定するAGC調整量決定手段と、前記AGC調整量に従って、前記第2のAGC手段のAGC量を調整するAGC調整手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、受信機におけるAGC方法において、第1の放送波及び第2の放送波の多重波を受信し、受信信号を出力する工程と、前記受信信号から前記第1の放送波のみを抽出して第1の放送波信号を出力する工程と、前記受信信号から前記第1の放送波及び前記第2の放送波を抽出して第2の放送波信号を出力する工程と、前記第1の放送波信号のレベルに基づいて前記第1の放送波信号の利得を制御する第1のAGC工程と、前記第2の放送波信号のレベルに基づいて前記第2の放送波信号の利得を制御する第2のAGC工程と、前記第1の放送波信号の受信状態を解析し、解析結果に基づいてAGC調整量を決定するAGC調整量決定工程と、前記AGC調整量に従って、前記第2のAGC工程において使用されるAGC量を調整するAGC調整工程と、を備えることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0013】
図2に、本発明の実施形態にかかる受信機1の概略構成を示す。図1に示すように、受信機1は、第1のフィルタ2と、第2のフィルタ3と、第1のAGC手段4と、第2のAGC手段5と、AGC調整量決定手段6と、AGC調整手段7とを備える。
【0014】
第1のフィルタ2及び第2のフィルタ3には、第1の放送波と第2の放送波の多重放送波が入力される。第1の放送波としては例えば地上波デジタル放送の地上波(即ち、OFDM信号)が挙げられ、第2の放送波としては例えば衛星放送の衛星波が挙げられる。第1のフィルタ2は、入力された多重放送波から、第1の放送波のみを抽出し、第1の放送波信号として第1のAGC手段4に供給する。第1のAGC手段4は、第1の放送波信号に基づいて、第1の放送波信号のAGCを実行する。
【0015】
一方、第2のフィルタ3は、第1の放送波及び第2の放送波の両方を抽出して第2の放送波信号として第2のAGC手段5に供給する。第2のAGC手段5は、第1の放送波及び第2の放送波に対応する放送波信号に基づいてAGCを行う。従って、第2のAGC手段によるAGCは、第1の放送波の受信状態の影響を受ける。
【0016】
AGC調整量決定手段6は、第1の放送波信号の受信状態を解析し、解析結果に基づいて、AGC調整量を決定する。そして、AGC調整手段7は、AGC調整量決定手段6が決定したAGC調整量に基づいて、第2のAGC手段5によるAGC量を調整する。前述のように、第2のAGC手段5は、基本的には第1の放送波及び第2の放送波を含む放送波信号に基づいてAGCを行うが、それに加えてAGC調整手段7が行う調整により、第1の放送波の受信状態変動による影響を軽減、除去することができる。その結果、第2のAGC手段5は、実質的に第2の放送波信号に対して適切なAGCを実行することが可能となる。
【0017】
AGC調整量決定手段6は、キャリア検出手段6a、閾値解析手段6b、時間変化量解析手段6cを含むことができる。キャリア検出手段6aは、第1の放送波信号中に含まれるキャリアを検出し、検出されたキャリアは閾値解析手段6b及びは時間変化量解析手段6cにより利用される。
【0018】
閾値解析手段6bは、所定の閾値を超えるキャリア数を算出し、その数が所定数を超える場合に、第1の放送波の受信状態を安定的であると判定する。その結果に応じてAGC調整量決定手段6はAGC調整量を決定したり、AGC調整手段7による調整の要否を決定することができる。また、閾値解析手段6bは、複数の閾値と各キャリアレベルとを比較することにより、第1の放送波の受信状態、例えば第1の放送波のアンテナと受信機の距離関係や、フェージングの有無などの状態を判定し、その結果に基づいてAGC調整量を決定したり、AGC調整手段7による調整の要否を決定することができる。
【0019】
一方、時間変化量解析手段6cは、各キャリアのレベルと閾値との大小関係を所定期間にわたって分析することにより、第1の放送波の受信状態の時間的変化を検出する。AGC調整量決定手段6は、その結果に基づいてAGC調整量を決定したり、AGC調整手段7による調整の要否を決定することができる。
【0020】
【実施例】
次に、本発明を適用した受信機の好適な実施例を説明する。図3は、本発明の実施例に係る受信機10の利得制御に関する部分を示したブロック図である。図3において、受信機10は、アンテナユニットATにより受信した受信信号を、衛星波と地上波の2系統に分けて処理する。
【0021】
受信機10は、地上波側処理系統として、フロントエンド部11、AD変換器(ADC)12、信号レベル検出部13、AGC信号生成部14、FFT部15、データデコード部16、キャリア検出部17、キャリア解析部18、AGC調整量決定部19及びマップ情報記憶部20を備える。フロントエンド部11、AD変換器12、信号レベル検出部13及びAGC信号生成部14は地上波側AGCループ10aを構成している。また、キャリア検出部17、キャリア解析部18、AGC調整量決定部19及びマップ情報記憶部20はAGC調整部10bを構成している。
【0022】
また、受信機10は、衛星波側処理系統として、フロントエンド部21、AD変換器(ADC)22、信号レベル検出部23、AGC信号生成部24及びデータデコード部25を備える。ここで、フロントエンド部21、AD変換器22、信号レベル検出部23及びAGC信号生成部24は衛星波側AGCループ10cを構成している。
【0023】
まず、地上波側処理系統について説明する。アンテナユニットATは受信波を受信信号としてフロントエンド部11へ供給する。
【0024】
フロントエンド部11の構成を図4に示す。図4において、フロントエンド部11は、RFフィルタ201と、RFアンプ202と、RF AGCアンプ203と、RFフィルタ204と、ミキサ205と、IFフィルタ206と、IF AGCアンプ207と、ミキサ208と、IFフィルタ209と、IF AGCアンプ210と、VCO(Voltage Controlled Oscillator)211及び214と、PLL(Phase Lock Loop)212及び215とを備える。
【0025】
RFフィルタ201は、受信信号から地上波を抽出するためのフィルタであり、例えば図1(a)に示す地上波用フィルタ通過帯域PB1を有する。RFアンプ202は、RFフィルタ201が抽出した地上波RF信号を所定の増幅度で増幅し、RF AGCアンプ203へ供給する。RF AGCアンプ203はAGC信号生成部14から供給されるAGC信号110に応じた増幅度で地上波RF信号を増幅する。増幅後の地上波RF信号は、RFフィルタ201と同一の通過特性を有するRFフィルタ204により、フィルタリングされ、ミキサ205へ供給される。
【0026】
ミキサ205は、PLL212及びVCO211により生成される信号とRFフィルタ204から出力される信号とを混合することにより第1のIF(Intermediate Frequency:中間周波数)信号を生成し、IFフィルタ206へ供給する。IF AGCアンプ207は、AGC信号生成部14から与えられるAGC信号110に基づいて、第1のIF信号を増幅する。また、ミキサ208は、VCO214及びPLL215により生成される信号と、第1のIF信号とを混合することにより第2のIF信号を生成し、IFフィルタ209へ供給する。IFフィルタ209は、第2のIF信号を第2のIFでフィルタリングし、IF AGCアンプ210へ供給する。IF AGCアンプ210は、AGC信号生成部14から供給されるAGC信号110に基づいて第2のIF信号を増幅し、AD変換器12へ出力する。
【0027】
図4に例示するフロントエンド部11では、RF信号、第1のIF信号及び第2のIF信号の3段階で、それぞれAGCアンプ203、207及び210により利得制御を行っている。なお、AGC信号生成部14は各AGCアンプ203、207及び210に対して異なるAGC信号を供給し、各AGCアンプにより異なる増幅率で各信号を増幅することができる。
【0028】
AD変換器12はアナログのIF信号をデジタル信号に変換し、信号レベル検出部13へ供給する。信号レベル検出部13は、デジタルIF信号のレベルとして、平均電力値を算出する。この平均電力値は、地上波信号の電界強度が十分に高いか否かを判断するためのパラメータとして使用される。
【0029】
信号レベル検出部13の構成例を図5(a)に示す。本構成例は地上波信号がOFDM信号の場合であり、AD変換器12から出力されるデジタルIF信号からIQ復調部131により実数成分と虚数成分に分離し、IQ合成部132により両成分を合成し、周波数オフセット補正部133により周波数軸上のオフセット補正を施して、得られた信号をキャリア検出部17及びFFT(Fast Fourier Transform)部15へ供給する。FFT15は信号レベル検出部13からの信号をFFT処理してデータデコード部16へ供給し、データデコード部16は地上波信号中の音声/データを復号化して信号処理回路へ供給する。
【0030】
次に、衛星側処理系統について説明する。アンテナユニットATからの受信信号は、フロントエンド部21へ入力される。フロントエンド部21は、基本的には図4に例示したフロントエンド部11と同様の構成を有し、衛星波RF信号を第1及び第2のIF信号にダウンコンバートしてAD変換器22へ出力する。但し、衛星波側のフロントエンド部21内のRFフィルタは、図1(a)に例示するように、衛星波及び地上波の全帯域を通過させる通過特性PB2を有する。その結果、衛星波側AGCループ10cは、衛星波及び地上波を含む帯域の信号に基づいてAGCを行う。但し、本発明では、図3に示すように、AGC調整量決定部10bが地上波の検出信号に基づいて衛星側AGCループ10bのAGC信号の調整を行う点に特徴を有する。
【0031】
フロントエンド部21の出力信号はAD変換器22でデジタル信号に変換され、信号レベル検出部23に供給される。信号レベル検出部23の構成例を図5(b)に示す。信号レベル検出部23において、IQ復調部231が入力された衛星波信号を実数部分と虚数部分とに分離し、IQ合成部232が両者を合成し、その合成信号をTDM分離部233が時間軸分離して衛星波信号を取得してデータデコード部25へ送る。データデコード部25は、衛星波信号を復号化して音声/データを取得し、信号処理回路へ供給する。
【0032】
次に、AGC調整部10bについて説明する。AGC調整部10bは、信号レベル検出部13から出力される地上波信号に基づいて、衛星波側ACGループのAGC信号の調整量を決定する処理を行う。具体的には、キャリア検出部17は、信号レベル検出部13が出力する地上波信号を周波数分析し、地上波信号中に含まれるキャリアを検出する。そして、キャリア解析部18は、検出されたキャリアに基づいて地上波信号の受信状態を解析し、解析結果をAGC調整量決定部19へ送る。ここで、地上波信号の解析結果は、例えば地上波信号中の所定レベル以上のキャリア数、地上波信号の受信状態、受信状態の時間的時間変化量などが挙げられる。マップ情報記憶部20は、そのような地上波信号の解析結果と、それに対応するAGC調整量との対応をマップ情報として記憶している。AGC調整量決定部19は、キャリア解析部18から供給された地上波信号の解析結果に基づいて、マップ情報を参照してAGC調整量を決定し、AGC調整量信号130として衛星波側AGCループ中のAGC信号生成部24へ供給する。衛星波側AGCループでは、AGC調整量信号130に基づいてAGC信号を調整する。これにより、衛星波側AGCループでは、地上波信号の受信状態を考慮してAGC量の補正を行うことができる。衛星側AGCループ単独では、前述のように地上波と衛星波を含めた帯域で信号を抽出してAGCを行うので、AGC自体が地上波信号の受信状態による影響を受けやすい。この点、本実施例によれば、AGC調整部10bが地上波信号の受信状態を検出、解析して、その結果に応じて衛星側AGCループのAGC量を調整するので、衛星側AGCループ中における地上波信号の受信状態による影響を軽減することができる。その結果、衛星側AGCループにおいて、衛星波信号を得るのに適したAGCを実行することが可能となる。
【0033】
次に、AGC調整部10b内における処理について詳しく説明する。AGC調整部10bは、地上波信号を分析することにより、地上波信号の受信状態を示すいくつかのパラメータについての解析結果を作成する。
【0034】
図6に、地上波信号(OFDM信号)を構成するキャリアの周波数分布を示す。OFDM信号におけるキャリア数は方式などによって異なるが、本例ではOFDM信号は固定数(1024本)のキャリアを有するものとする。キャリア検出部17は、信号レベル検出部13から抽出される地上波信号を周波数分析することにより、キャリアを検出する。キャリアの検出結果の例を図6(b)に示す。OFDM信号では、1024本のキャリアが周波数軸上に等間隔で存在するので、各キャリアの解析を行うことにより、各キャリアに対応する信号レベルを検出することができる。
【0035】
次に、キャリア解析部18は、検出した各キャリアを所定の閾値と比較し、閾値を超えるレベルを有するキャリア数を算出する。このキャリア数は、地上波信号の受信状態が安定的であるか、不安定であるかを示すパラメータとして利用される。即ち、キャリア解析部18は、ある閾値により各キャリアレベルを評価し、閾値以上のレベルを有するキャリア数が所定数以上存在する場合、地上波信号が安定的に受信されていると判定する。一方、閾値以上のレベルを有するキャリア数が所定数未満である場合、地上波信号の受信状態は不安定であると判定する。
【0036】
さらに、キャリア解析部18は、電界強度の複数の閾値を設定し、それぞれ当該閾値を超えるレベルを有するキャリア数を検出する。この分析(「閾値分析」と呼ぶ。)により、地上波信号が現在どのような受信状態にあるのかを概略的に把握することができる。図7(a)〜(d)に、地上波信号が種々の状態にあるときの、複数の閾値を超えるレベルを有するキャリア数の割合を示している。なお、横軸に示す閾値は、図6(b)に示す電界強度レベルに対応しているものとする。
【0037】
図7(a)は受信機10が地上波アンテナから近距離にある場合の閾値分析結果を示している。地上波アンテナから近距離にあるので、どの閾値についても、閾値を超えるキャリア本数の割合は高い。
【0038】
図7(b)は受信機が地上波アンテナから中距離にある場合の閾値分析結果を示している。地上波アンテナから少し離れると、受信される地上波レベルは減衰するため、高い閾値TH5、TH6などより大きなレベルを有するキャリア数の割合が減少する。
【0039】
図7(c)は受信機が地上波アンテナから遠距離にある場合の閾値分析結果を示している。地上波アンテナから遠距離の地点では受信される地上波レベルは著しく減衰するため、最小の閾値を超えるキャリアが僅かな数検出されるだけとなる。
【0040】
図7(d)は受信された地上波がフェージングの影響を受けた状態であり、各キャリアのレベルが不規則に変動するため、各閾値を超えるキャリア本数の割合は閾値の大小によらず不規則となる。図7(d)の例では、閾値TH4を超えるキャリア本数の割合が他に比べて少ないので、閾値TH3とTH4を超えるキャリア本数の割合に差があるので、地上波の受信信号は、閾値TH3とTH4の付近のレベルにおける変動が大きいことが推測できる。
【0041】
また、キャリア解析部18は、受信状態の時間変化量解析を行う。時間変化量解析とは、所定の時間にわたって受信状態を解析するものである。図8に時間変化量解析の例を示す。この例では、図8(a)に示すように、所定の単位時間にわたって複数の閾値(TH1〜TH6)を超えるレベルを有するキャリア本数を算出し、その結果に基づいて、図8(b)に示すように、各閾値TH1〜TH6についてキャリア本数の変動の大小を分析する。図8(b)に示すように、単位時間において、各閾値を超えるレベルを有するキャリア本数の変化量を検討することにより、地上波信号がどの付近のレベルで時間的に大きく変動しているかを推測することができる。図8(b)の例では、閾値TH3における変化量が大きいので、閾値TH3付近のレベルで多数のキャリアがレベル変動を起こしていることが理解される。
【0042】
[AGC動作]
次に、本実施形態に係る受信機のAGC動作について説明する。受信機10は、図3に示すように地上波側AGCループと衛星波側AGCループとを備える。まず、地上波側AGCループによるAGC動作について説明する。図9は、地上波側のAGC動作のフローチャートである。
【0043】
まず、信号レベル検出部13は、地上波信号を抽出し、その平均電力値を算出する(ステップS10)。AGC信号生成部14は、算出された平均電力値に基づいて、地上波側のAGC量を決定し、AGC量信号110をフロントエンド部11内の各AGCアンプへ供給する。これにより、各AGCアンプはそれぞれRF信号、IF信号の増幅度を設定し、増幅を行う。こうして、地上波側AGCループにおける基本的なAGCが実行される(ステップS14)。
【0044】
次に、ステップS10で算出された平均電力値が予め決められた設定値より大きいか否かが判定される(ステップS16)。設定値は、地上波信号全体の平均的な電力レベルが十分なレベルにあるか否かを判定するために設定される。平均電力値が設定値より大きい場合(ステップS16;Yes)、ステップS14におけるAGCが継続される。
【0045】
一方、平均電力値が設定値より小さい場合(ステップS16;No)、AGC調整部10bが動作する。即ち、キャリア検出部17が地上波信号中の各キャリアのレベルを検出する(ステップS20)。次に、キャリア解析部18が所定の閾値を決定し(ステップS22)、当該閾値を超えるキャリア数を算出する(ステップS24)。
【0046】
当該閾値を超えるキャリア数が予め決定された設定数より多い場合(ステップS26)、処理はステップS14に戻り、AGCを継続する。一方、当該閾値を超えるキャリア数が設定数より少ない場合(ステップS26;No)、キャリア解析部18は前述の閾値分析を行い(ステップS28)、さらに時間変化量解析を行う(ステップS30)。そして、それらの結果に基づいて、AGC調整量決定手段19はマップ情報を参照してAGC調整量を決定し(ステップS32)、AGC調整量信号130として図3に示す衛星側AGCループのAGC信号生成部24へ供給する。
【0047】
次に、衛星波側のAGC動作について図10を参照して説明する。図10は、衛星波側のAGC動作のフローチャートである。図10において、まず信号レベル検出部23は、衛星波側信号の平均電力値を算出し(ステップS40)、AGC信号生成部24は算出された平均電力値に基づいて衛星波側のAGC量を設定する(ステップS42)。そして、AGC信号生成部24がAGC信号をフロントエンド部21内の複数のAGCアンプに供給することにより、AGCが行われる(ステップS44)。
【0048】
そして、AGC信号生成部24は、AGC調整部10b内のAGC調整量決定部19からAGC調整信号130が入力されているか否かを判断する(ステップS46)。入力されていない場合には、ステップS44に戻ってステップS40〜S44を繰り返し、AGCを継続する。
【0049】
一方、AGC調整信号130が入力されている場合(ステップS46)、AGC信号生成部24はAGC調整信号130に基づいて、衛星波側のAGC量を調整する(ステップS48)。これにより、地上波信号の受信状態に応じて、衛星波側のAGC量が調整される。
【0050】
衛星波側のAGC量の調整方法としては、例えば地上波信号の平均電力が大きい場合は、地上波信号が比較的安定的に受信されており、地上波信号が衛星波側AGCに与える影響がそれほど大きくないと判断して、補正を行わない若しくは補正量を小さくすることができる。逆に地上波信号の平均電力が小さい場合や、それに加えて時間変化量が大きい場合などは、地上波信号の変動が大きいと判断し、衛星波側のAGC補正量を大きめに設定することができる。また、閾値分析により、地上波信号の受信状態がフェージングなどの影響を受けていると判断されるときには、衛星波側のAGC量を歪みが発生しない範囲内で増加させることができる。
【0051】
[変形例]
上記の実施例では、地上波の受信状態の解析結果に基づいて、衛星波側のAGC量のみを調整しているが、同解析結果を使用して、さらに地上波側のAGC量の調整を行うことも可能である。地上波側のAGCループは基本的に地上波信号のレベル(平均電力値)に基づいてAGCを行っているので、AGC調整部10bにより実行される地上波信号の細かな周波数分析結果に基づいて地上波側のAGCループ10aの調整を行えば、地上波側のAGCをより精密に行うことが可能となる。
【0052】
また、上記の実施例では、地上波がOFDM信号であり、衛星波がTDM信号であったが、本発明は多重化された複数の放送波のうちの一方がOFDM信号であれば適用が可能である。即ち、OFDM信号の受信状態を周波数分析した結果を利用して、他の信号のAGCの調整を行う各種の場合に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】地上波と衛星波の多重放送波における帯域分布例を示す。
【図2】本発明の実施形態に係る受信機の概略構成を示す図である。
【図3】本発明の実施例に係る受信機の概略構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示すフロントエンド部の構成を示すブロック図である。
【図5】図3に示す信号レベル検出部の構成を示すブロック図である。
【図6】地上波信号(OFDM信号)のキャリアの周波数分布例を示す。
【図7】地上波信号のキャリアの閾値解析例を示す。
【図8】地上波信号のキャリアの時間変化解析例を示す。
【図9】地上波側AGC動作のフローチャートである。
【図10】衛星波側AGC動作のフローチャートである。
【符号の説明】
10 受信機
11、21 フロントエンド
12、22 AD変換器
13、23 信号レベル検出部
14、24 AGC信号生成部
15 FFT部
16、25 データデコード部
17 キャリア検出部
18 キャリア解析部
19 AGC調整量決定部
20 マップ情報記憶部
Claims (6)
- 第1の放送波及び第2の放送波の多重波を受信し、受信信号を出力する受信手段と、
前記受信信号から前記第1の放送波のみを抽出して第1の放送波信号を出力する第1のフィルタと、
前記受信信号から前記第1の放送波及び前記第2の放送波を抽出して第2の放送波信号を出力する第2のフィルタと、
前記第1の放送波信号のレベルに基づいて前記第1の放送波信号の利得を制御する第1のAGC手段と、
前記第2の放送波信号のレベルに基づいて前記第2の放送波信号の利得を制御する第2のAGC手段と、
前記第1の放送波信号の受信状態を解析し、解析結果に基づいてAGC調整量を決定するAGC調整量決定手段と、
前記AGC調整量に従って、前記第2のAGC手段のAGC量を調整するAGC調整手段と、を備えることを特徴とする受信機。 - 前記AGC調整量決定手段は、
前記第1の放送波信号のキャリアを検出するキャリア検出手段と、
検出されたキャリアを所定の閾値と比較することにより前記第1の放送波信号の受信状態を判定する閾値解析手段と、
前記閾値解析手段による判定結果に基づいて、前記AGC調整量を決定する手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の受信機。 - 前記閾値解析手段は、検出されたキャリアを所定の閾値と比較する手段と、
前記所定の閾値を超えるレベルを有するキャリア数を所定数と比較する手段と、
前記所定の閾値を超えるレベルを有するキャリア数が前記所定数より少ない場合に、前記AGC調整手段による調整を実行させる手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の受信機。 - 前記放送波信号の受信状態は、前記第1の放送波信号の放送アンテナと前記受信機の距離に関する状態、及び、フェージングの発生状態を含むことを特徴とする請求項2に記載の受信機。
- 前記AGC調整量決定手段は、前記第1の放送波信号のキャリアを検出するキャリア検出手段と、
所定時間にわたる前記キャリアのレベル変化を示す時間変化量を出力する時間変化量解析手段と、
前記時間変化量に従って前記AGC調整量を決定する手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の受信機。 - 受信機におけるAGC方法において、
第1の放送波及び第2の放送波の多重波を受信し、受信信号を出力する工程と、
前記受信信号から前記第1の放送波のみを抽出して第1の放送波信号を出力する工程と、
前記受信信号から前記第1の放送波及び前記第2の放送波を抽出して第2の放送波信号を出力する工程と、
前記第1の放送波信号のレベルに基づいて前記第1の放送波信号の利得を制御する第1のAGC工程と、
前記第2の放送波信号のレベルに基づいて前記第2の放送波信号の利得を制御する第2のAGC工程と、
前記第1の放送波信号の受信状態を解析し、解析結果に基づいてAGC調整量を決定するAGC調整量決定工程と、
前記AGC調整量に従って、前記第2のAGC工程において使用されるAGC量を調整するAGC調整工程と、を備えることを特徴とするAGC方法。
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