JP3959251B2 - 炉心スプレイ配管の取替方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器内に設置されている炉心スプレイ配管を交換する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の炉心スプレイ配管の交換方法は、特開2000−214290号公報に記載されている。同公報では、以下の手順で炉心スプレイ配管を交換する。
【0003】
(1)既設の炉心スプレイ配管のうち、原子炉圧力容器を貫通するスプレイ水導入側の端部から炉心シュラウドへの接続側の端部までに亘る配管部分を水中で切断撤去する。(2)炉心シュラウドを通して炉心スプレイスパージャに接続される新規炉心スプレイ配管の立上り部分を設ける。(3)原子炉圧力容器の炉壁内面の曲率及び前記立上り部分の位置等を計測する。(4)前記測定結果に基づいて算出された曲率を有する新規炉心スプレイ配管の半円環パイプ部分を作成する。(5)前記半円環パイプ部分を原子炉圧力容器に取り付け、前記半円環パイプ部分と前記立上り部分とをスリーブによって接続する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術の手順(2)では、新規炉心スプレイ配管の立上り部分と炉心スプレイスパージャとの接合部にシールリングを用いている。シールリングは、立上り部分と炉心スプレイスパージャとの接合部を液密にする為のものであり、通常、立上り部分や炉心スプレイスパージャを構成する材料よりもやわらかく、変形しやすい材料で構成される。しかしながら、原子炉内の高温炉水中で腐食しにくく、且つやわらかい材料を選定するのは容易ではない。さらに、シールリングを予め立上り部分に固定しておくことは困難なので、据付時に炉内へシールリングが転落してしまう可能性がある。
【0005】
また、上記従来技術の手順(3)及び(4)において、原子炉圧力容器の内壁の曲率を精度よく測定する作業、及びこの測定結果を反映した半円環パイプ部分を精度よく作成する作業は多大な時間を要し、定検期間が長くなるという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、炉心スプレイ配管の取替作業を短期間で容易に行える炉心スプレイ配管の取替方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために本発明は、既設の炉心スプレイ配管を取り外す第1ステップと、原子炉圧力容器の外部からスプレイ水を導入するための新規炉心スプレイ配管入口部を取り付ける第2ステップと、炉心シュラウドを通して炉心スプレイスパージャに前記スプレイ水を導くための新規炉心スプレイ配管立上り部を取り付ける第3ステップと、その後、前記入口部から導入されたスプレイ水を前記立上り部に導くための配管として機能する新規炉心スプレイ配管中間部を、前記入口部に接続する第4ステップと、前記中間部を前記立上り部に接続する第5ステップとを備え、前記入口部は端部に第1のフランジを有する半円環パイプ入口部分を具備し、前記中間部は端部に第2のフランジを有する半円環パイプ中間部分、及び上部鉛直管部分を具備し、前記立上り部は下部鉛直管部分を具備し、前記第1のフランジ及び前記第2のフランジはその接触面が略球面状であり、前記第4ステップは、前記第1のフランジと前記第2のフランジとを接続することにより、前記半円環パイプ入口部分と前記半円環パイプ中間部分とを接続し、前記第5ステップでは、前記第1のフランジ及び前記第2のフランジの接触状態を調整することにより、前記中間部の上部鉛直管と前記立上り部の下部鉛直管との位置を合わせて接続する。
【0008】
上記フランジは、前記中間部の一端を前記入口部の端部の配管中心軸に対する円周方向に回転可能な機能(後述する捩れ補正機能)と、前記中間部の一端の配管中心軸を前記入口部の端部の配管中心軸に対して傾ける機能(後述する曲げ補正機能)とを有する。
【0009】
本発明によれば、既設の炉心スプレイ配管の製造図面(製作図面),CADデータ等に基づいて新規炉心スプレイ配管を予め製造しても、第5ステップにおいてフランジの接触状態を調整することにより、中間部と立上り部の位置合わせを容易に行うことができる。即ち、従来のような原子炉圧力容器の内壁の曲率を精度よく測定する作業、及びこの測定結果を反映した半円環パイプ部分を精度よく作成する作業が不要となる。従って、炉心スプレイ配管の取替作業を短期間で容易に実施することができる。
【0010】
さらに、新規炉心スプレイ配管を予め製造することにより、原子炉の定検(定期検査)期間中における炉心スプレイ配管の取替作業工程を短縮でき、これは定検期間の短縮に寄与する。
【0011】
【発明の実施の形態】
初めに、本発明の適用対象である炉心スプレイ配管の構造を図2〜図5を用いて説明する。
【0012】
図2は原子炉圧力容器(RPV)2の概略縦断面図である。RPV2は、内部に燃料集合体が装荷される円筒状の炉心シュラウド3,炉心シュラウド3の上部のRPV2内壁に沿って配置されている炉心スプレイ配管1などを備えている。尚、図2は、後述するように、ドライヤ,セパレータ等の構造物,燃料集合体等をRPV2内から搬出した状態を示す図である。
【0013】
炉心スプレイ配管1は、図3〜図5に示すように、炉外からRPV2を貫通し、炉内を通って炉心シュラウド3を貫通して、炉心シュラウド3内へスプレイ水を導く炉心スプレイ系の一部を構成するもので、RPV2内に設置されている。尚、図3は原子炉圧力容器内での炉心スプレイ配管の設置状態を示す部分切欠き斜視図、図4は炉心スプレイ配管と炉心シュラウドとの接合部を示す縦断面図、図5は炉心スプレイ配管とRPV2ノズルサーマルスリーブとの接合部を示す縦断面図である。
【0014】
炉心スプレイ配管1は、RPV2のノズルセーフエンド4及びサーマルスリーブ5を介して炉外の炉心スプレイ配管(図示せず)に接続され、炉内ではティー1aを介して左右に分岐している。このティー1aから分岐した先は、RPV2の内面に沿う(RPV2の円周方向に延びた)半円環パイプ部分1bとなっている。各半円環パイプ部分1bの先は、鉛直方向下方に向きを変え、この部分が鉛直管1cとなっている。
【0015】
一方、炉心シュラウド3の内部に取付けられた炉心スプレイスパージャ9から水平に伸びた水平管10は、炉心シュラウド3を貫通し、リングブラケット11を介して炉心スプレイ配管1の立上り管1dに溶接で接続されている。鉛直管1cの下端は、立上り管1dの上端とスリーブ1eにより接続されている。
【0016】
炉心スプレイ配管1は、これらティー1a,半円環パイプ部分1b,鉛直管1c,立上り管1d,スリーブ1e等から構成される。また、半円環パイプ部分1bは、クランプ14及びボルト15により、その途中の位置でRPV2に固定されている。
【0017】
以下、本発明による炉心スプレイ配管の取替方法の第1実施例を、図1及び図6〜図21を用いて説明する。図1は、本実施例の作業手順を示すフローチャートである。
【0018】
まず、ステップA1において、原子炉開放・燃料集合体等の搬出を行う。ここでは、原子炉圧力容器蓋(図示せず)を取り外し、ドライヤやセパレータ等の構造物(図示せず)を炉外へ移送し、炉内に装荷してある燃料集合体(図示せず)を全て炉外へ取り出す。全燃料集合体を取り出すことにより、作業員の被曝低減を図ることができ、作業中に異物が燃料集合体に紛れ込む可能性を小さくできる。
【0019】
次に、ステップA2において、原子炉圧力容器内壁除染として化学除染を行う。化学除染は、例えば、原子炉圧力容器2内に除染剤薬液を注入して、所定時間循環することにより、表面に付着した放射性物質を化学的に除去するものである。化学除染を行うことにより、以降の工程において作業員の被曝低減を図ることができる。
【0020】
その後、ステップA3において、既設の炉心スプレイ配管1の切断及び撤去を行う。図3〜図5に示した既設の炉心スプレイ配管1を、RPV2側の端部及び炉心シュラウド3側の端部で切断する。この切断作業は、遠隔切断装置を用いて水中で行う。炉心シュラウド3側の切断位置は、炉心シュラウド3に溶接されているリングブラケット11付近の水平管10の位置(図4のA−A断面)とする。RPV2側の切断位置は、サーマルスリーブ5の途中の位置(図5のB−B断面)とする。その後、天井クレーンを用いて炉心スプレイ配管1を吊り、クランプ14を外して、天井クレーンにより炉心スプレイ配管1を炉内から撤去する。
【0021】
次に、ステップA4において、炉内に放射線の遮蔽体を設置する。以降の工程において作業員が炉内に入るために、放射線を遮蔽する。図6は遮蔽体の設置状況を示す図で、(a)は炉心シュラウド周りの概略縦断面図、(b)は(a)のA−A矢視図である。図6(a)に示すように、炉心シュラウド3の上面にシュラウド遮蔽体37を設置する。また、図6(b)のように、RPV2の内壁に沿って、炉壁遮蔽体38を炉上部からワイヤーロープ等で吊り下げて設置する。
【0022】
続いてステップA5において、炉水位をシュラウド遮蔽体37近傍まで低下させる。ここで近傍とは、少なくともシュラウド遮蔽体37の上面より下側である。
【0023】
次に、ステップA6〜A8において、新規炉心スプレイ配管を設置する。以下、図7を用いて炉心スプレイ配管の設置方法を説明する。
【0024】
図7は原子炉圧力容器2内部に新規炉心スプレイ配管を設置した状態を示す部分切欠き斜視図である。図7に示すように、新規炉心スプレイ配管は、入口部40,中間部41,立上り部42からなる。新規炉心スプレイ配管は、炉外でこれら3つの部分に組み立てられて炉内に持ち込まれる。新規炉心スプレイ配管は、例えば既設配管の製造図面(製作図面)やCADデータ等に基づいて製作される。
【0025】
入口部40は、新規サーマルスリーブ39から導入されるスプレイ水を左右に分岐させるティー40a,原子炉圧力容器2の内面に沿って略水平に伸び略半円状に湾曲する半円環パイプ入口部分40b及び球面フランジ40cからなる。中間部41は、球面フランジ41a,半円環パイプ中間部分41b,半円環パイプ中間部分41bの先端に設けられた上部エルボー41c,上部エルボー41cから垂下する上部鉛直管部分41dからなる。立上り部分42は、この上部鉛直管部分41dにスリーブ43を介して接続される下部鉛直管部分42a,この下部鉛直管部分42aの下端に設けられる下部エルボー42b,下部エルボー42bに連なる水平管42c,水平管42cの端部に設けられる取り付けフランジ42dからなる。
【0026】
以下、ステップA6〜A8を詳細に説明する。始めに、ステップA6−1において、新規炉心スプレイ配管の立上り部42を据え付けるために、炉心シュラウド3外面の加工を行う。ここでは、図8(a)に示すように、立上り部42を炉心シュラウド3へ取付けるためのフランジシール面29を、炉心シュラウド3の外面に形成する。フランジシール面29は、円環状の溝として形成される。また、取り付けフランジ42dをボルト32により固定するためのねじ穴30の加工も行う。ねじ穴30は、炉心シュラウド3の内部からの漏洩流を生じさせないため、炉心シュラウド3を貫通しないよう加工する。
【0027】
次に、ステップA6−2において、新規炉心スプレイ配管の立上り部42の据え付けを行う。図8に示すように、立上り部42の据え付けは、取り付けフランジ42dをフランジシール面29に合わせ、ねじ穴30にボルト32を挿入することにより行う。これにより、取り付けフランジ42dのフランジ面からのスプレイ水の漏洩を防止できるため、従来のようなシールリングを必要とせず、原子炉内への異物混入を防ぐことができる。もちろん、立ち上がり部42と炉心シュラウド3との接続部にOリング,ガスケット,パッキン等のシール部材を用いても、スプレイ水の漏洩を防止することができる。図8はステップA6−2終了後における立上り部の取付け状態を示す図で、(a)は立上り部周辺の縦断面図、(b)は(a)のA矢視図である。
【0028】
ここで、立上り部42の据付け前に、リングブラケット11の溶接部に応力腐食割れの予防保全処理を施してもよい。予防保全処理としては、ウォータジェットピーニング,レーザーピーニング,高耐食材のクラッディング等がある。
【0029】
次に、ステップA7において、新規炉心スプレイ配管の入口部40を以下の手順により据え付ける。
【0030】
まず、ステップA7−1において、新規サーマルスリーブ39をノズルセーフエンド4に溶接接合するため、ノズルセーフエンド4の先端に溶接開先を機械加工する。次に機械加工後のノズルセーフエンド4の端部位置を測定し、その測定結果を用いて新規サーマルスリーブ39を適切な長さに加工する。
【0031】
その後、ステップA7−2において、新規サーマルスリーブ39をノズルセーフエンド4に溶接固定する。ステップA7−3では、新規サーマルスリーブ39に入口部40のティー40aを溶接固定する。
【0032】
上記の新規サーマルスリーブ39とノズルセーフエンド4との溶接、ならびに新規サーマルスリーブ39とティー40aとの溶接は、炉内から溶接装置(図示せず)を入れて実施する。ただし、ノズルセーフエンド4に接続しているRPV2外側の配管(図示せず)が切断してある状態であれば、RPV2の外側から溶接することも可能である。
【0033】
上記のステップA6(立上り部42の据付作業)とステップA7(入口部40の据付作業)は、そのどちらかを先に行ってもよいし、あるいは同時に実施しても構わない。
【0034】
ステップA6及びステップA7の終了後、ステップA8において、新規炉心スプレイ配管の中間部41を入口部40及び立上り部42に接続する。
【0035】
中間部41と入口部40との接続は、球面フランジ機構を用いて行われる。図9は球面フランジ機構34の説明図で、(a)は球面フランジ機構34の概略縦断面図、(b)は(a)のA−A断面図である。図9に示す様に、球面フランジ機構34は、球面フランジ40c及び41aを有する。一方の球面フランジ40cは、滑らかな凸型の球面を有する。相対する他方の球面フランジ41aは、球面フランジ40cの凸型の球面に対応する滑らかな凹型の球面を有する。この2つの球面フランジは、Oリング溝44にOリングが挟まれ、ボルト33により固定される。図9(b)に示すように、ボルト穴は球面フランジ40c及び41aの中心軸に対する円周方向に伸びた長穴となっている。球面フランジ40c及び球面フランジ41aの各々は、相対する半円環パイプ入口部分40b及び半円環パイプ中間部分41bに溶接で取付けられている。
【0036】
以下、球面フランジ機構による調整方法を説明する。例えば、立上り部42の下部鉛直管部分42aの軸心と、中間部41の上部鉛直管部分41dの軸心との調整において、図10(a)及び図10(b)の破線に示すような状態である場合は、球面フランジ機構34の球面形状を利用して半円環パイプ入口部分40bと半円環パイプ中間部分41bの取付角度(球面フランジの接触角度)を調整することにより、図10(b)の実線及び10(c)のように軸心を略一致させることが出来る。図10は、球面フランジ機構34の曲げ補正機能の説明図で、(a)は補正前の状態を示す図、(b)は補正による状態変化を示す図、(c)は補正後の状態を示す図である。
【0037】
また、図11(a)及び図11(b)の破線に示すような状態である場合には、球面フランジ機構34のボルト穴の形状(長穴)を利用して、半円環パイプ入口部分40bに対して半円環パイプ中間部分41bを捩ることにより、図11(b)の実線及び図11(c)のように軸心を略一致させることが出来る。図11は、球面フランジ機構34の捩れの補正機能の説明図で、(a)は補正前の状態を示す図、(b)は補正による状態変化を示す図、(c)は補正後の状態を示す図である。これらの機能を用いて、40bと41bの取付角度及び向きを調整することにより据付を容易に行うことが出来る。
【0038】
図10及び図11に示すように、球面フランジ機構34の取付角度及び向きの調整のみで立上り部42の下部鉛直管部分42aの軸心と、中間部41の上部鉛直管部分41dの軸心とを略一致させることができない場合には、図12及び図13に示す長さ調整シム45を用いることにより、軸心を一致させることができる。
【0039】
図12は、球面フランジ機構34による軸方向の距離補正機能の説明図で、(a)は補正前の状態を示す図、(b)は補正後の状態を示す図である。図13は、長さ調整シム45有する球面フランジ機構34の概略縦断面図である。長さ調整シム45は、球面フランジ40c及び41aの球面に対応する凹面及び凸面の球面をそれぞれ両側に備えている。また、あらかじめ厚みL1の異なった複数の長さ調整シム45を準備しておけば、適切な厚みの長さ調整シム45を選定して、球面フランジ機構34の取付角度を調整することにより、立上り部42の下部鉛直管部分42aの軸心と、中間部41の上部鉛直管部分41dの軸心とを容易に略一致させることができる。
【0040】
以上のようにして中間部41を入口部40に据え付けた後、図14に示すように、中間部41を新規クランプ59及び新規ボルト60によってRPV2の内面に保持する。その後、スリーブ43を用いて中間部41と立上り部42とを接続する。
【0041】
図15は、スリーブ43による接続方法の一例を示す縦断面図である。スリーブ43の上端には、その内径が上部鉛直管部分41dの下端部の外径よりも大きいリップ部46が設けられている。また、下部鉛直管部分42aの上端には、その内径がスリーブ43の下端部の外径よりも大きいリップ部47が設けられている。
【0042】
中間部41の位置合わせを行う際には、上部鉛直管部分41dがスリーブ43の中を略貫通するように、スリーブ43を所定の位置より高くして、スリーブ43が下部鉛直管部分42aの上端と干渉しないようにしておく。上部鉛直管部分41dの軸心が下部鉛直管部分42aの軸心と略一致するように中間部41の位置合わせが完了した後、スリーブ43を下方に移動させて下部鉛直管部分42aのリップ部47に嵌合させる。
【0043】
スリーブ43の上下端部と、上部鉛直管部分41d及び下部鉛直管部分42aとの嵌合部にはそれぞれ間隙が空いている。このために、上部鉛直管部分41dの軸心と下部鉛直管部分42aの軸心とが完全に一致していなくても、スリーブ43は適切に傾く。
【0044】
よって、スリーブ43と上部鉛直管部分41d及び下部鉛直管部分42aとの嵌合は、無理なく(容易に)行うことができる。また、上部鉛直管部分41dと下部鉛直管部分42aとの据付後の距離が多少変更されても、スリーブ43の上下端部と、上部鉛直管部分41d及び下部鉛直管部分42aとの嵌合部は上下に摺動できるために、その変更に容易に対応できる。
【0045】
スリーブ43の上部鉛直管部分41d及び下部鉛直管部分42aとの嵌合部は、各々のリップ部46及びリップ部47を全周にわたり溶接することによって液密に固定する。
【0046】
以上説明したように、スリーブ43を用いることにより、上部鉛直管部分41dの軸心と下部鉛直管部分42aの軸心とが完全に一致していなくても、調整後のずれを吸収することができる。また、溶接することで新規炉心スプレイ配管35にて供給するスプレイ水の漏洩を防止することが出来る。
【0047】
以上が炉心スプレイ配管の交換作業の主たる工程である。以降は、ステップA9〜A11において、炉水位を上昇し、炉内の遮蔽体を撤去して、その後、燃料集合体を装荷する等、原子炉の復旧作業を行う。
【0048】
尚、圧力容器内壁の除染方法は、本実施例で記載した化学除染の他に、高圧水を炉壁に当てるジェット洗浄,ブラシ等で掻き取る機械除染等も用いることができる。
【0049】
また、除染の実施時期は、作業者が既設炉心スプレイ配管1を撤去する時の被曝低減のためには、既設炉心スプレイ配管1を撤去する前が最適である。しかしながら、既設炉心スプレイ配管1の線量が低く、撤去時に作業者の被曝量が小さい場合には、図1におけるステップA1の後からステップA5までの間のどこで実施してもよい。
【0050】
また、上記実施例では、図9あるいは図13に示す球面フランジ機構34を用いたが、図16〜図19に示すような球面フランジ機構48〜51を用いてもよい。
【0051】
図16は別の一例である球面フランジ機構48を示す図で、一方の球面フランジ48aが滑らかな凸型の球面を有しており、相対する他方の球面フランジ48bも滑らかな凸型の球面を有している。球面フランジ48aと48bとの間には、各々の凸型の球面に対応する凹型の球面をその両側に有する長さ調整シム48dが挟まれて、締結ボルト48cにより固定される。
【0052】
あらかじめ厚みL2の異なった複数の長さ調整シム48dを準備しておけば、適切な厚みの長さ調整シム48dを選定し、球面フランジ機構48の取付角度を調整することにより、立上り部42の下部鉛直管部分42aの軸心と中間部41の上部鉛直管部分41dの軸心とを容易に略一致させることができる。なお、図16に示す球面フランジ機構48を用いることにより、図9に示す球面フランジ機構34に比べて、同じ曲げ角度で長さ調整幅をより大きくすることができる。
【0053】
図17は別の一例である球面フランジ機構49を示す図で、一方の球面フランジ49aが滑らかな凹型の球面を有しており、相対する他方の球面フランジ49bも滑らかな凹型の球面を有している。球面フランジ49aと49bとの間には、各々の凹型の球面に対応する凸型の球面をその両側に有する長さ調整シム49dが挟まれて、締結ボルト49cにより固定される。
【0054】
あらかじめ厚みL3の異なった複数の長さ調整シム49dを準備しておけば、適切な厚みの長さ調整シム49dを選定し、球面フランジ機構49の取付角度を調整することにより、立上り部42の下部鉛直管部分42aの軸心と中間部41の上部鉛直管部分41dの軸心とを容易に略一致させることができる。なお、図17に示す球面フランジ機構49を用いることにより、図9に示す球面フランジ機構34に比べて、同じ長さ調整幅で曲げ角度をより大きくすることができる。
【0055】
図18は、別の一例である球面フランジ機構50を示す図で、一方のフランジ50aが滑らかな平面を有しており、相対する他方の球面フランジ50bは滑らかな凹型の球面を有している。フランジ50aと球面フランジ50bとの間には、球面フランジ50bの凹型の球面に対応する凸型の球面をその片側に有し、もう一方の側は平面である長さ調整シム50dが挟まれて、締結ボルト50cにより固定される。
【0056】
あらかじめ厚みL4の異なった複数の長さ調整シム50dを準備しておけば、適切な厚みの長さ調整シム50dを選定し、球面フランジ機構50の取付角度を調整することにより、立上り部42の下部鉛直管部分42aの軸心と中間部41の上部鉛直管部分41dの軸心とを容易に略一致させることができる。
【0057】
なお、図18に示す球面フランジ機構50を用いることにより、図9に示す球面フランジ機構34のように曲げと捩れを同時に調整する必要がない。例えば、長さ調整シム50dの球面側を用いて曲げのみを微調整して、長さ調整シム50dと球面フランジ50bとを仮止めし、その後、長さ調整シム50dの平面側を用いて捩れのみを微調整することが可能となる。これにより、調整が容易となる。
【0058】
図19は別の一例である球面フランジ機構51を示す図で、一方のフランジ51aが滑らかな平面を有しており、相対する他方の球面フランジ51bは滑らかな凸型の球面を有している。フランジ51aと51bの間には、球面フランジ51bの凸型の球面に対応する凹型の球面をその片側に有し、もう一方の側は平面である長さ調整シム51dが挟まれて、締結ボルト51cにより固定される。
【0059】
あらかじめ厚みL5の異なった複数の長さ調整シム51dを準備しておけば、適切な厚みの長さ調整シム51dを選定し、球面フランジ機構51の取付角度を調整することにより、立上り部42の下部鉛直管部分42aの軸心と中間部41の上部鉛直管部分41dの軸心とを容易に略一致させることができる。
【0060】
なお、図19に示す球面フランジ機構51を用いることにより、図9に示す球面フランジ機構34のように曲げと捩れを同時に調整する必要がない。例えば、長さ調整シム51dの球面側を用いて曲げのみを微調整して、長さ調整シム51dと球面フランジ51bとを仮止めし、その後、長さ調整シム51dの平面側を用いて捩れのみを微調整することできる。これにより、調整が容易となる。
【0061】
尚、図18に示す球面フランジ機構50において、球面フランジ50aが滑らかな凹型の球面を有し、フランジ50bが滑らかな平面を有し、50a及び50bの面に対応する面を両側に有する長さ調整シムを挟み込んだ場合も、同様に曲げ及び捩れの機能を分散させることが出来る。また、図19に示す球面フランジ機構51において、球面フランジ51aが滑らかな凸型の球面を有し、フランジ51bが滑らかな平面を有し、51a及び51bの面に対応する面を両側に有する長さ調整シムを挟み込んだ場合も、同様に曲げ及び捩れの機能を分散させることが出来る。
【0062】
また、上記実施例ではスリーブ43を用いて中間部41と立上り部42とを接続したが、図20及び図21に記載のスリーブによる接続方法も可能である。
【0063】
図20は、別の一例であるスリーブ52による接続方法の説明図である。スリーブ52の両端部は、スリーブ52の管部(中央部)の外径よりも直径が大きな球面形状をしている。下部鉛直管部分42aの上端は、下部鉛直管部分42aの他の部分より大きな内径を有している。スリーブ52の下端の球面の直径は、下部鉛直管部分42aの上端の内径と略一致し、スリーブ52の下端の球面が下部鉛直管部分42aの上端内面を摺動可能に構成されている。
【0064】
また、カラー53の下端の内径は、その上端の内径より大きい。カラー53の上端の内径は、上部鉛直管部分41d下端の外径と略一致し、上部鉛直管部分41dの下部はカラー53を貫通して摺動可能に構成されている。カラー53の下端の内径は、スリーブ52の上端の外径と略一致し、スリーブ52の上端の球面がカラー53の下端内面を摺動可能に構成されている。
【0065】
中間部41の位置合わせを行う際には、上部鉛直管部分41dがカラー53の中を略貫通するように、カラー53を所定の位置より高くしておく。上部鉛直管部分41dの軸心が下部鉛直管部分42aの軸心と略一致するように中間部41の位置合わせが完了した後、スリーブ52を下部鉛直管部分42aの上端部に嵌合させる。その後、スリーブ52の上端の球面を覆うようにカラー53を所定の位置まで下ろし、カラー53の上端を上部鉛直管部分41dに溶接固定する。
【0066】
本スリーブ52の両端面は球状で、それと嵌合するカラー53の下端及び下部鉛直管部分42aの上端部の内面は円筒状であるため、上部鉛直管部分41dの軸心と下部鉛直管部分42aの軸心とが完全に一致していなくてもスリーブ52は適切に傾くことができる。これにより、スリーブ52と上部鉛直管部分41d及び下部鉛直管部分42aとの取付は無理なく容易に行うことができる。また、上部鉛直管部分41dと下部鉛直管部分42aとの据付後の距離が多少変更されても、上記のようにスリーブ52の上下端と、上部鉛直管部分41d及び下部鉛直管部分42aとの嵌合部をそれぞれ上下に摺動できるため、その変更に容易に対応できる。
【0067】
本例では、上部鉛直管部分41dの下部とカラー53は単に摺動できるように構成されているが、図21のように上部鉛直管部分41dの下部に雄ねじを、カラー53の上端部に雌ねじを設けて、両者を螺合させてもよい。本カラー53を用いることにより、例えば回り止めの点溶接を行うだけでスリーブの固定が可能になる。
【0068】
また、上記例では下部鉛直管部分42aの上端が、下部鉛直管部分42aの他の部分より大きな内径を有する構造となっているが、上部鉛直管部分41dと同様に、カラー53を用いてもよい。
【0069】
本第1実施例によれば、炉心シュラウド3の外面に取付けられる立上り部42の取り付けフランジ42dのフランジ面からのスプレイ水の漏洩を防止できるため、従来のようなシールリングを必要とせず、原子炉内への異物混入を防ぐことができる。
【0070】
また、新規炉心スプレイ配管35の途中に、球面フランジ機構34,48,49,50または51を有することで、予めRPV2の内壁の曲率を測定し、それにあわせて精度よく配管を加工することが不要となる。即ち、新規炉心スプレイ配管35は、例えば既設配管の製造図面(製作図面)やCADデータ等に基づいて予め製作しておけば良い。新規配管をこのように製作しても、炉内での配管の位置合わせを球面フランジ機構の調整により容易に行えるため、交換(取替)作業を短期間で行え、作業員の放射線被曝量も低く抑えることができる。
【0071】
さらに、新規炉心スプレイ配管を予め製造することにより、原子炉の定検(定期検査)期間中における炉心スプレイ配管の取替作業工程を短縮でき、これは定検期間の短縮に寄与する。
【0072】
次に、本発明による炉心スプレイ配管の取替方法の第2実施例を図22を用いて説明する。図22は、本実施例の作業手順を示すフローチャートである。
【0073】
本実施例が第1実施例と異なる点は、ステップB3〜B5の手順である。ステップB1〜B2,B6〜B11は、第1実施例のステップA1〜A2,A6〜A11と同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0074】
本実施例のステップB3では、図1のステップA4と同様に、炉内に放射線の遮蔽体を設置する。ステップB4では、図1のステップA5と同様に、炉水位をシュラウド遮蔽体37近傍まで低下する。ここで近傍とは、少なくともシュラウド遮蔽体37の上面より下側である。
【0075】
ステップB5では、図1のステップA3と同様に、既設の炉心スプレイ配管1の切断及び撤去を行う。ただし、本実施例の場合は、ステップB4で炉水位が下がっているため、既設の炉心スプレイ配管1のRPV側の端部の切断撤去作業及び切断後の配管の撤去作業は、大気中で実施される。
【0076】
このため第2実施例では、第1実施例と同様の効果が得られると共に、既設の炉心スプレイ配管1を撤去する作業を大気中で作業員が接近して行えるため、作業が容易となり、交換工程をより短くすることができる。
【0077】
次に、本発明による炉心スプレイ配管の取替方法の第3実施例を、図23及び図24を用いて説明する。図23は、本実施例の作業手順を示すフローチャートである。
【0078】
本実施例が第1実施例と異なる点は、ステップC6が追加されたことである。ステップC1〜C5,C7〜C12は第1実施例のA1〜A5,A6〜A11と同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0079】
第3実施例の特徴は、既設の炉心スプレイ配管1を撤去し、炉内遮蔽体を設置して、炉水位低下後に、ステップC6において、炉心スプレイスパージャ9の内面に予防保全処理を施すことである。
【0080】
本実施例では、予防保全処理の一例としてウォータジェットピーニング(WJP)を行った場合について説明する。図24はWJPの説明図で、(a)はWJP方法の手順を示す図、(b)はWJPヘッド挿入ガイドの取付状態を示す概略縦断面図、(c)はWJPの施行状態を示す概念図である。
【0081】
まず、ステップD1において、図24(b)に示すWJPヘッド挿入用のガイド58を設置する。ガイド58は、WJP施工を行うヘッド部36を円滑に予防保全対象部まで挿入するためのものである。次に、ステップD2において、ヘッド部36をガイド58から炉心スプレイスパージャ9内に挿入する。ヘッド部36を施工対象部まで移動後、ステップD3において、WJPを施工する。WJPの施工後、ステップD4において、ヘッド部36をガイド58から取り出す。その後、ステップD5において、ガイド58を取り外す。
【0082】
図24(c)を用いて、WJPの施行状況を説明する。オペレーションフロア54a上に制御盤54と高圧水ポンプ55を設置する。高圧水ポンプ55から吐出された高圧水は、高圧ホース56を通り、ヘッド部36に搭載されたノズル(図示せず)から噴出して炉水中にキャビテーションを生成する。このキャビテーションの崩壊時の衝撃力により炉心スプレイスパージャ9の内表面に圧縮応力を付与する。
【0083】
これにより、応力腐食割れの要因の一つである引張残留応力を低減できるため、応力腐食割れの発生を抑制できる。ヘッド部36は、ヘッド駆動機構57により炉心スプレイスパージャ9の内部を前進,後退及び回転することができ、炉心スプレイスパージャ9の内部の任意の位置に移動できる。
【0084】
予防保全処理を実施する時期は、ステップC6が最適である。これは、炉水位低下後は作業者がより近くまでアクセスでき、また、炉心シュラウド外面を加工する前は加工面にガイドを触れることなく作業できるためである。しかし、既設の炉心スプレイ配管1を撤去した後、新規炉心スプレイ配管の立上り部42を据え付けるまでの間に、炉心スプレイスパージャ9の内面に予防保全処理を施すことが可能である。したがって、この予防保全処理は図23中の、既設炉心スプレイ配管切断・撤去後から炉心スプレイ配管(立上り管)据付の前までのどの時点で実施してもよい。
【0085】
また、図24では、予防保全処理の一例としてウォータジェットピーニングを説明したが、例えばレーザーピーニングや高耐食材のクラッディング等を用いることができる。
【0086】
本第3実施例では、第1実施例と同様の効果が得られると共に、既設の炉心スプレイスパージャ9の内面に応力腐食割れの予防保全処理を行うことにより、炉心スプレイ配管の交換後の炉内構造物の信頼性がより増すことになる。
【0087】
次に、本発明による炉心スプレイ配管の取替方法の第4実施例を、図25及び図24を用いて説明する。図25は、本実施例の作業手順を示すフローチャートである。
【0088】
本実施例が第2実施例と異なる点は、ステップE6が追加されたことである。ステップE1〜E5,E7〜E12は、第2実施例のステップB1〜B5,B6〜B11と同じであるので、ここでは説明を省略する。第4実施例の特徴は、既設の炉心スプレイ配管1を撤去した後、ステップE6において、炉心シュラウド外面加工前に、炉心スプレイスパージャ9の内面に予防保全処理を施すことである。予防保全処理は、第3実施例と同様に、図24に示したようなウォータジェットピーニングやレーザーピーニング等が適用できる。
【0089】
また、この予防保全処理を行う時期は、炉心シュラウド外面加工の前が最適であるが、新規炉心スプレイ配管立上り部42を据え付ける前であればよい。
【0090】
本第4実施例では、第2実施例と同様の効果が得られると共に、既設の炉心スプレイスパージャ9の内面に応力腐食割れの予防保全処理を行うことにより、炉心スプレイ配管の交換後の炉内構造物の信頼性がより増すことになる。
【0091】
【発明の効果】
本発明によれば、炉心スプレイ配管の取替作業を短期間で容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本第1実施例の作業手順を示すフローチャート。
【図2】原子炉圧力容器の概略縦断面図。
【図3】原子炉圧力容器内での炉心スプレイ配管の設置状態を示す部分切欠き斜視図。
【図4】炉心スプレイ配管と炉心シュラウドとの接合部を示す縦断面図。
【図5】炉心スプレイ配管と原子炉圧力容器ノズルサーマルスリーブとの接合部を示す縦断面図。
【図6】遮蔽体の設置状況を示す図で、(a)は炉心シュラウド周りの概略縦断面図、(b)は(a)のA−A矢視図。
【図7】原子炉圧力容器内部に新規炉心スプレイ配管を設置した状態を示す部分切欠き斜視図。
【図8】ステップA6−2終了後における立上り部の取付け状態を示す図で、(a)は立上り部周辺の縦断面図、(b)は(a)のA矢視図。
【図9】球面フランジ機構34の説明図で、(a)は球面フランジ機構34の概略縦断面図、(b)は(a)のA−A断面図。
【図10】球面フランジ機構の曲げ補正機能の説明図で、(a)は補正前の状態を示す図、(b)は補正による状態変化を示す図、(c)は補正後の状態を示す図。
【図11】球面フランジ機構の捩れ補正機能の説明図で、(a)は補正前の状態を示す図、(b)は補正による状態変化を示す図、(c)は補正後の状態を示す図。
【図12】球面フランジ機構34による軸方向の距離補正機能の説明図で、(a)は補正前の状態を示す図、(b)は補正後の状態を示す図。
【図13】球面フランジ機構の長さ調整シムを示す横断図。
【図14】半円環パイプ部分の新規クランプによる固定を示す縦断面図。
【図15】スリーブによる接続方法の一例を示す縦断面図。
【図16】一方のフランジは凸型球面を有し、他方のフランジも凸型球面を有する球面フランジの断面図。
【図17】一方のフランジは凹型球面を有し、他方のフランジも凹型球面を有する球面フランジの断面図。
【図18】一方のフランジは平面を有し、他方のフランジは凹型球面を有する球面フランジの断面図。
【図19】一方のフランジは平面を有し、他方のフランジは凸型球面を有する球面フランジの断面図。
【図20】スリーブによる接続方法の一例を示す縦断面図。
【図21】スリーブによる接続方法の一例を示す縦断面図。
【図22】本第2実施例の作業手順を示すフローチャート。
【図23】本第3実施例の作業手順を示すフローチャート。
【図24】WJPの説明図で、(a)はWJP方法の手順を示す図、(b)はWJPヘッド挿入ガイドの取付状態を示す概略縦断面図、(c)はWJPの施行状態を示す概念図。
【図25】本第4実施例の作業手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…炉心スプレイ配管、1a,40a…ティー、1b…半円環パイプ部分、1c…鉛直管、1d…立上り管、1e,43,52…スリーブ、2…原子炉圧力容器、3…炉心シュラウド、4…ノズルセーフエンド、5…サーマルスリーブ、9…炉心スプレイスパージャ、10,42c…水平管、11…リングブラケット、34,48,49,50,51…球面フランジ機構、36…ヘッド部、37…シュラウド遮蔽体、38…炉壁遮蔽体、39…新規サーマルスリーブ、40…新規炉心スプレイ配管の入口部、40b…半円環パイプ入口部分、40c,41a,48a,48b,49a,49b,50b,51b…球面フランジ、41…新規炉心スプレイ配管の中間部、41b…半円環パイプ中間部分、41c…上部エルボー、41d…上部鉛直管部分、42…新規炉心スプレイ配管の立上り部、42a…下部鉛直管部分、42b…下部エルボー、42d…取り付けフランジ、45,48d,49d,50d,51d…長さ調整シム、50a,51a…フランジ、53…カラー。
Claims (11)
- 既設の炉心スプレイ配管を取り外す第1ステップと、
原子炉圧力容器の外部からスプレイ水を導入するための新規炉心スプレイ配管入口部を取り付ける第2ステップと、
炉心シュラウドを通して炉心スプレイスパージャに前記スプレイ水を導くための新規炉心スプレイ配管立上り部を取り付ける第3ステップと、
その後、前記入口部から導入されたスプレイ水を前記立上り部に導くための配管として機能する新規炉心スプレイ配管中間部を、前記入口部に接続する第4ステップと、
前記中間部を前記立上り部に接続する第5ステップとを備え、
前記入口部は端部に第1のフランジを有する半円環パイプ入口部分を具備し、
前記中間部は端部に第2のフランジを有する半円環パイプ中間部分、及び上部鉛直管部分を具備し、
前記立上り部は下部鉛直管部分を具備し、
前記第1のフランジ及び前記第2のフランジはその接触面が略球面状であり、
前記第4ステップは、前記第1のフランジと前記第2のフランジとを接続することにより、前記半円環パイプ入口部分と前記半円環パイプ中間部分とを接続し、
前記第5ステップでは、前記第1のフランジ及び前記第2のフランジの接触状態を調整することにより、前記中間部の上部鉛直管と前記立上り部の下部鉛直管との位置を合わせて接続することを特徴とする炉心スプレイ配管の取替方法。 - 既設の炉心スプレイ配管を取り外す第1ステップと、
原子炉圧力容器の外部からスプレイ水を導入するための新規炉心スプレイ配管入口部を取り付ける第2ステップと、
炉心シュラウドを通して炉心スプレイスパージャに前記スプレイ水を導くための新規炉心スプレイ配管立上り部を取り付ける第3ステップと、
その後、前記入口部から導入されたスプレイ水を前記立上り部に導くための配管として機能する新規炉心スプレイ配管中間部を、前記入口部に接続する第4ステップと、
前記中間部を前記立上り部に接続する第5ステップとを備え、
前記入口部は端部に第1のフランジを有する半円環パイプ入口部分を具備し、
前記中間部は端部に第2のフランジを有する半円環パイプ中間部分、及び上部鉛直管部分を具備し、
前記立上り部は下部鉛直管部分を具備し、
前記中間部の一端を前記入口部の端部の配管中心軸に対する円周方向に回転可能な機能及び、前記中間部の一端の配管中心軸を前記入口部の端部の配管中心軸に対して傾ける機能を、前記第1のフランジ及び前記第2のフランジの少なくとも何れかで有し、
前記第4ステップは、前記第1のフランジと前記第2のフランジとを接続することにより、前記半円環パイプ入口部分と前記半円環パイプ中間部分とを接続し、
前記第5ステップでは、前記第1のフランジ及び前記第2のフランジの少なくとも何れかが有する前記機能を用いて、前記第1のフランジ及び前記第2のフランジの接触状態を調整することにより、前記中間部の上部鉛直管と前記立上り部の下部鉛直管との位置を合わせて接続することを特徴とする炉心スプレイ配管の取替方法。 - 請求項1又は2において、前記入口部は、ティーと、前記ティーに接続された前記半円環パイプ入口部分とを具備し、
前記中間部は、前記半円環パイプ中間部分と、前記半円環パイプ中間部分に接続された第1のエルボーと、前記第1のエルボーに接続された上部鉛直管部分とを具備し、
前記立上り部は、下部鉛直管部分と、前記下部鉛直管部分に接続された第2のエルボーと、前記第2のエルボーに接続された水平管と、前記水平管に接続された取付フランジとを具備することを特徴とする炉心スプレイ配管の取替方法。 - 請求項3において、前記第3ステップでは、前記立上り部の前記取付フランジが、前記炉心シュラウド外面側の配管切断部を覆うように前記炉心シュラウド外面に接続され、その接続部は前記立上り部の前記スプレイ水が外部に漏れることを防ぐ構造を有することを特徴とする炉心スプレイ配管の取替方法。
- 請求項4において、前記第1のフランジ及び前記第2のフランジは、一方のフランジが凸型を有し、他方のフランジが前記凸型に対応する凹型を有することを特徴とする炉心スプレイ配管の取替方法。
- 請求項1乃至5の何れかにおいて、前記第1のフランジ及び前記第2のフランジのボルト穴が該フランジの中心軸に対する円周方向に延びた長穴となっていることを特徴とする炉心スプレイ配管の取替方法。
- 請求項1乃至6の何れかにおいて、前記第5ステップでは、前記中間部の上部鉛直管と前記立上り部の下部鉛直管とをスリーブにより液密に接続することを特徴とする炉心スプレイ配管の取替方法。
- 請求項1乃至7の何れかにおいて、前記第4ステップでは、前記第1のフランジと前記第2のフランジとの間隔を調整する長さ調整シムを介して、前記第1のフランジと前記第2のフランジとを接続することを特徴とする炉心スプレイ配管の取替方法。
- 請求項8において、前記長さ調整シムは、前記第1のフランジの接触面と前記第2のフランジの接触面に対応する凹面,凸面又は平面をその両側に備えていることを特徴とする炉心スプレイ配管の取替方法。
- 請求項1乃至9の何れかにおいて、前記中間部は前記原子炉圧力容器の曲率に対応する曲管部を有し、前記中間部は前記既設の炉心スプレイ配管の製造図面又はCADデータの少なくとも何れかに基づいて予め製造されたものを用いることを特徴とする炉心スプレイ配管の取替方法。
- 既設の炉心スプレイ配管を取り外す第1ステップと、
原子炉圧力容器の外部からスプレイ水を導入するための新規炉心スプレイ配管の入口部を取り付ける第2ステップと、
炉心シュラウドを通して炉心スプレイスパージャに前記スプレイ水を導くための新規炉心スプレイ配管の立上り部を取り付ける第3ステップと、
その後、前記入口部から導入されたスプレイ水を前記立上り部に導くための配管として機能する新規炉心スプレイ配管の中間部の端部と、前記入口部の一端とを夫々フランジにより接続する第4ステップと、
前記中間部の他端と前記立上り部の上端とを接続する第5ステップとを備え、
前記第4ステップの前記フランジはその接触面が略球面のものを夫々用い、
前記第5ステップでは前記フランジの接触状態を調整することにより、前記中間部と前記立上り部の位置を合わせて接続し、
前記中間部は前記原子炉圧力容器の曲率に対応する曲管部を有し、該中間部は前記既設の炉心スプレイ配管の製造図面又はCADデータの少なくとも何れかに基づいて予め製造されたものを用いることを特徴とする炉心スプレイ配管の取替方法。
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