JP3958682B2 - 蒸気タービンの劣化現象識別のための診断方法 - Google Patents

蒸気タービンの劣化現象識別のための診断方法 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は蒸気タービンの劣化現象を識別するための診断方法に関する。
【0002】
発電用、複合サイクル発電用および化学工業用の蒸気タービンについては高い稼動率が期待される。性能を低下させ、また場合によっては停止の原因となる変化が蒸気タービンに生ずると、このことは高い故障コストおよび続発コストに通ずる。蒸気タービンの機械部分における予測される変化の早期の診断は状態指向の保守計画を可能にし、従って作動コストを低減する。
【0003】
蒸気タービンの稼動率および採算性を評価するための重要な情報源は、作動中に蒸気が流れる蒸気タービンの構成要素の状態の知識である。こうして運転者は蒸気タービン内の例えば堆積を恐れる。なぜならば、これらは性能および効率の低下とならんで設備を損傷するような個別構成要素の過負荷を招き得るからである。
【0004】
構成形式および使用領域に応じて各蒸気タービンはシステムとして典型的な熱力学的な挙動を示す。蒸気タービンの熱力学的な挙動が蒸気の流れる構成要素における障害の発生により変化する場合には、早期に障害除去または少なくとも障害制限を行い得るように、これらの変化を正規の挙動に対し識別することが重要である。蒸気タービンの熱力学的な挙動は、使用中にたとえば浸食および腐食、汚れ(たとえば塩堆積による)、パッキン損耗(たとえばパッキン帯における)、熱的変形(たとえば最高温度限界を超えることによる)および異物障害(たとえば羽根における液滴の衝突による)により影響される。
【0005】
上に列挙した劣化現象により、常に蒸気タービンの作動中のタービン効率および蒸気スループットの悪化を伴うということから出発しなければならない。こうして効率悪化は、蒸気タービンに供給されるエネルギーの利用率の低下を意味するだけでなく、しばしば蒸気タービンの蒸気が流れる構成要素に起こり得る障害の早期の指摘でもある。同じことが蒸気タービンを通る蒸気スループットに対しても当てはまる。等しい作動条件、すなわち等しい生蒸気圧力、等しい入口弁位置および等しいタービン回転数の際の悪化している蒸気スループットは、同じく蒸気タービンの劣化現象の徴候である。
【0006】
蒸気タービンを監視するための通常のやり方は、作動指示が異様か否かの観察にある。たとえば蒸気タービンの種々の個所における圧力および温度のような状態量の付加的な測定により、この監視システムは洗練された。蒸気タービンにおける劣化現象を早期に識別するための別の方法は、現在の作動挙動を蒸気タービンの構造から導き出された理論的な作動挙動と比較することにある。そのための基礎は、蒸気タービンの熱力学的な挙動を表す蒸気タービン設備の構造の数学的なモデルである。
【0007】
アーバン(Urban、L.A.)著「ガス路解析を適用したタービンエンジン条件の監視(Gas Path Analysis applied turbine engine condition monitoring)」AIAA-Paper 72-1082、ニューオリンズ、1972、フィードラー(Fiedler、K)、ルンデルシュテット(Lunderstaedt、R)「ルストンガスタービンの診断方法(Diagnoseverfahren fuer RUSTON Gasturbine)第1部分報告、研究開発有限会社(Gesellschaft fuer Forschung und Entwicklung mbH)ハンブルグ、1985及びルンデルシュテット(Lunderstaedt、R)、フィードラー(Fiedler、K)著「流体機械の熱力学的状態診断(Thermodynamische Zustandsdiagnose an Stroemungsmaschinen)」VDI社エネルギー技術、VDI出版、160〜178頁、デュッセルドルフ、1992年報から、ガスタービンの圧力および温度のような状態量が測定され、それから診断関数が計算され、それらの時間的な変化からガスタービンの劣化が推定され得る航空機タービン駆動機構用の診断方法は知られている。そこに使用されるガス路解析と呼ばれる流体技術的な監視原理はガスタービン内の流体過程の数学的モデル化に基づいている。流体技術で知られている流線理論がモデル化の基礎を成している。
【0008】
しかしこの方法は蒸気タービンには応用されていない。なぜならば、この方法は特にガスタービン用として開発されたものであり、ガスタービンはその構成形式が蒸気タービンと基本的に異なっているからである。
【0009】
従って、本発明の課題は、蒸気タービンにおける劣化現象を識別するための、従来の技術にくらべて改善された診断方法を提供することである。
【0010】
この課題は、本発明によれば、蒸気タービンの劣化現象を識別するための診断方法において、蒸気タービンの効率および蒸気スループット又はそのいずれか一方が蒸気タービンの複数の作動点における第1の時点およびその後の第2の時点での蒸気タービンの状態量の測定から計算され、その際に作動点はパラメータである周方向マッハ数、圧力指数および入口弁位置の各値により決定され、第1の時点から第2の時点までの効率および蒸気スループットの変化又はそのいずれか一方の変化から作動点に関係して蒸気タービンの劣化の度合いが推定されることにより解決される。
【0011】
蒸気タービンの測定技術的な監視から先ず蒸気圧力、蒸気温度および蒸気質量流量が測定される。これらは数値としてタービンの状態に関する直接的な情報を与えるものではないが、これらの直接的に測定可能な状態量から、蒸気タービンの効率および蒸気タービンを通る蒸気スループットが計算され得る。劣化現象はタービンの熱力学的な挙動を変化させるので、効率および蒸気スループットも劣化現象により低下する。なぜならば、それらは蒸気タービンの熱力学的な挙動と直接的関連を有するからである。いま本発明は、蒸気タービンの効率および蒸気スループットからその劣化状態、堆積、浸食および腐食、異物損傷および摩損、が推定され得るという考察に基づいている。
【0012】
蒸気タービンにおける測定技術は圧力、温度および質量流量のような熱力学的な状態量を与える。湿り蒸気の発生の際の湿度成分の知識も求められる。蒸気タービンが発電機を駆動すると、ターボセットの出力される発電機有効電力も別の測定値として用いられる。これらから、また構造から知られている蒸気タービンおよび場合によってはターボセットの機械的なデータから、蒸気タービンの効率および蒸気スループットが計算され得る。いま、蒸気タービンの効率および蒸気スループットを3つのパラメータの、周方向マッハ数、圧力指数および入口弁位置の関数として表すことが特に望ましいことが判明している。ローターブレードの回転速度に対する尺度としての周方向マッハ数、タービンに供給される生蒸気の圧力に対する尺度としての圧力指数、および蒸気タービンへの生蒸気の供給を調節する入口弁の位置はこうして三次元のパラメータ空間を形成し、そのなかで蒸気タービンの効率および蒸気スループットがそれぞれスカラー量を表す。すなわち三次元のパラメータ空間の各々の点にたとえば効率値が対応付けられている。
【0013】
この際に周方向マッハ数Mu
【数1】
Figure 0003958682
により、また圧力指数Fは
【数2】
Figure 0003958682
により記述され得る。ここでuは周速、k(p、T)は等方性指数、p1は考察される蒸気タービンまたは考察されるタービン部分範囲の入口における圧力、v1(p、T)はその比体積、p2はその出口における圧力である。周速uは蒸気タービンでは
u=2πrm
より与えられており、ここでrmは蒸気が流されるリング面の中心半径、またnはタービンローターの回転数である。
【0014】
蒸気タービンにおける調節段の前の生蒸気に対する入口弁の位置の変化は、蒸気が流される構成要素における蒸気流の幾何学的な変化を生じさせる。こうして入口弁の位置の変化は蒸気が周囲を流される構成要素の障害と類似した振舞をする。従って蒸気タービンの効率を表す際の入口弁の位置を取り入れることは必須である。たとえば蒸気タービンの入口弁の位置の変化は蒸気流を絞ることになり得る。蒸気タービンにおいて蒸気の質が不十分なことにより例えば入口弁に塩の堆積が生ずると、このことは流れ抵抗を高め、従って同じく絞ることになる。変化した入口弁の位置、蒸気取り入れの幾何学的な変化の大きさおよびその入口弁のまわりの熱力学的な挙動への作用の知識なしでは、熱力学的な変化の原因を突き止めることができない。原因および作用を一義的に対応付けることができない。しかし入口弁位置の測定により、蒸気流の幾何学的な変化およびその蒸気タービンの熱力学的な挙動への作用を決定するための規範が得られる。これは絞りの原因を決定するために利用される。
【0015】
蒸気入口弁はたいてい複数の個別の弁から成っている。しばしば個別の弁は順次に重なりをもって開く。入口弁組み合わせの位置は、駆動する油圧装置に対する操作行程を考慮に入れてしばしばmmストロークで定められる。操作用油圧装置の機械的な設計に無関係であるように、入口弁の位置をパーセントで定めることは有利である。
【0016】
測定された状態量から蒸気タービンの効率を計算することができる。同じことが蒸気スループットに対しても当てはまる。両方の量は再び、状態量の測定の時点での周方向マッハ数、圧力指数および入口弁位置から生ずる作動点に関係して表され得る。蒸気タービンにおける劣化現象を診断するため、蒸気タービンがまだ劣化現象を有していない第1の時点で、たとえば蒸気タービンの始動の際に、蒸気タービンの複数の作動点における状態量が測定され、それから蒸気タービンの効率が計算される。効率値に各作動点が対応付けられる。ある時間、たとえば1年、の後に測定が繰り返される。第2の時点での測定に対する作動点を、それが第1の時点での測定の作動点とほぼ同一であるように選ぶことは有利である。第1および第2の作動点が正確に合致しているほど、蒸気タービンの劣化状態について正確な情報が得られる。
【0017】
いま1つの作動点(または2つのほぼ同一の作動点)に2つの効率値が対応付けられ得る。即ち、第1の時点での測定からの1つおよび第2の時点での測定からの1つである。1つの作動点における効率が第1の時点と第2の時点との間の時間中に悪化すると、このことは蒸気タービン内の熱力学的な変化に帰せられる。種々の作動点における複数の効率変化が存在するので、これから蒸気タービンの熱力学的な変化に関する詳細な情報が得られる。この詳細な情報から、劣化現象、たとえば蒸気タービンの内部の浸食又は堆積の範囲および形式が推定され得る。同じことが蒸気スループットに対しても当てはまり、その時間的な変化から同じく劣化が推定され得る。
【0018】
理想的な蒸気の挙動が計算の基礎にされることは目的にかなっている。蒸気タービンは確かにその熱力学的な挙動が理想的な蒸気と異なる実際の蒸気により作動せしめられるが、しかし理想的な蒸気の挙動に基礎をおくことは計算を顕著に簡単にする。蒸気タービンは過熱された水蒸気により作動せしめられるのでこの近似は許される。実際の蒸気の熱力学的な挙動に基礎がおかれなければならない一層正確な計算のためには、理想的な蒸気法則に基礎をおく計算が数値法により簡単化され得る。
【0019】
本発明の有利な構成では、蒸気タービンの効率および蒸気スループット又はそのいずれか一方が蒸気タービンの複数の第1の作動点において第1の時点で計算され、これらの第1の測定値から内挿により第1のスカラー領域が計算され、次いで効率および蒸気スループット又はそのいずれか一方が蒸気タービンの複数の第2の作動点において第2の時点で計算され、これらの第2の測定値から内挿により第2のスカラー領域が計算される。第1のスカラー領域から第2のスカラー領域までの時間的な変化から蒸気タービンの劣化の度合いが推定される。
【0020】
第1の時点で複数の第1の作動点において状態量の測定並びにそれからの効率および蒸気スループット又はそのいずれか一方の計算が行われると、本発明のこの構成では、第2のその後の時点での測定に対する作動点を第1の作動点の近くに選ぶことはもはや必要ではない。第2の時点で測定および計算が実行される作動点は、こうして第1の時点の作動点に全く無関係に選ばれ得る。このことは、蒸気タービンが第2の時点で、第1の測定の時点の作動モードと全く無関係な作動モードで作動され得ることを可能にする。なぜならば、いま例えば互いに合致する第1および第2の作動点での蒸気スループットの2つの値がもはや比較されずに、2つの連続的なスカラー領域が比較されるからである。
【0021】
内挿の詳細は種々の作動点における効率または蒸気スループットの値から生じる。種々の作動点における値が十分に存在しているならば、スカラー領域の経過が推定され、種々の作動点の間の中間範囲が相応する内挿によりその他の値で満たされ得る。1つの形式の蒸気タービンに対するスカラー領域の特性が知られているならば、測定および後続の計算は、スカラー領域のまさに正確な推定を可能にするために、少数の作動点においてのみ必要である。このようにして蒸気タービンの蒸気スループットおよび効又はそのいずれか一方に対する値は三次元のパラメータ空間の各点において定まっている。こうして任意の作動点における第1の時点での効率又は蒸気スループットの値が第2の時点での効率又は蒸気スループットの値と比較可能である。これらの直接的な比較から蒸気タービンの経時変化の度合いが推定され得る。同じく、両方のスカラー領域を連続として考察し、その変化から全体として蒸気タービンの経時変化の度合いを推定することが可能である。
【0022】
蒸気タービンの部分範囲に対する効率および蒸気スループット又はそのいずれか一方が計算され、それから部分範囲の劣化の度合いが推定されることは有利である。蒸気タービンの圧力、温度および蒸気量のような状態量の測定は蒸気タービンの空間的に異なる点において測定され得る。こうして効率および蒸気スループット又はそのいずれか一方を部分範囲、たとえばタービン流入範囲またはドラム部分に対してのみ計算することが可能である。この方法の利点は、蒸気タービンの内部の劣化現象の空間的な位置認識が可能なことにある。蒸気タービン内の変化を熱力学的な診断の枠内で良好に位置認識し得るためには、蒸気を流される個々のタービンセクションにタービンを可能なかぎり十分に分割することが有利である。しかしタービンセクションの熱力学的な挙動の変化はたとえばタービンセクションの入口および出口における蒸気圧力および蒸気温度のような周辺条件の知識に結び付けられている。場合によってはドラム部分が複数のドラムサブ部分に分けられ得る。
【0023】
専ら過熱された蒸気状態で作動される背圧タービンでは、流出範囲がドラム部分に加えられる。復水タービンの流出範囲では、圧力および温度の測定により湿り蒸気のエネルギー内容しか記述されないという困難が生ずる。しかしそれは後段の復水器における導き出される熱量の評価により計算可能である。蒸気タービンにおいてドラム部分内で調節されない蒸気量が抽気弁において取り出されると、これらのドラム部分は相前後して接続されているドラム部分のように考察すべきである。先行のドラム部分の蒸気、温度および蒸気圧力に対する出口値は、減ぜられた蒸気量の考慮のもとに後続のドラム部分に対する入口値である。前提は、蒸気量およびその状態値が測定技術的に捕捉されることである。タービン流入範囲は一般に生蒸気短管、蒸気シーブ、急速閉止弁、流入ボックス、取り入れ弁組み合わせおよび調節段を含んでいる。
【0024】
本発明の実施例を4つの図面により説明する。
【0025】
図1は、蒸気タービン2およびその後段に接続されている発電機3を含んでいる蒸気ターボセット1の概要図である。考察される蒸気ターボセット1は、たとえば都市に暖房用の熱を供給する地域暖房発電設備に設置されている。暖房発電設備においては、図に示されていない複数のボイラ設備が図示されていない母管システムを介して複数のターボセットに供給される。蒸気タービン2は軸流背圧タービンとして構成されている。生蒸気は管路4を経て、詳細には示されていない急速閉止弁を通って蒸気タービン2に導かれる。蒸気タービン2の蒸気流入範囲は取り入れ弁(以下では調節弁組合せ5と呼ばれる)と後続の調節段7とを含んでいる。調節弁組合せ5は4個の調節弁を含んでいる。調節段7において110barの蒸気が約60bar(翼室圧力)に減圧される。蒸気タービン2を通るその後の過程で、蒸気はドラム部分9でさらに減圧され、蒸気流出側でたとえば13barの作動圧力を有する詳細には図示されていない蒸気系統に供給される。蒸気タービン2のブレーディングは等圧構成形式での調節段7のなかの1段のブレーディングと、ドラム部分9における超過圧力構成形式での相異なる段半径を有する4つの相続く後続のドラム部分とから成っている。熱力学的な診断のために蒸気タービン2は調節弁組み合わせ5および調節段7およびドラム部分9を有するタービン流入範囲に分割される。
【0026】
蒸気タービン2は過熱された蒸気で作動されるので、湿り蒸気状態は生じない。このことは上記の蒸気パラメータにより与えられている。蒸気ターボセット1の構造からタービン流入範囲の設計データおよび調節弁組合せ5の流れ特性曲線が存在する。蒸気スループットおよび周方向マッハ数はそれぞれ蒸気タービン2の両方の部分範囲、タービン流入範囲およびドラム範囲、に関係する。
【0027】
2年以内に蒸気タービン2の状態量が100の異なる時点で測定された。時点という用語は以下では、離散的な時間値としてではなく、状態量が1つの測定周期のなかで測定された時間間隔として解釈される。管路4を通って流れる生蒸気の圧力pおよび温度Tおよび流量m、調節弁組合せ5の位置S、調節段7を去る蒸気の圧力pおよび温度T、ドラム部分9から出る蒸気の圧力pおよび温度Tが測定された。さらに発電機の出力Pが測定された。1測定周期内で蒸気タービンの状態量がそれぞれ蒸気タービンの複数の作動点において測定された。測定から1測定周期の各作動点に対する効率Wおよび蒸気スループットFが計算された。計算は下記の式に基づいて行われた。
【数3】
Figure 0003958682
ここで
F:蒸気スループット
A蒸気スループットの出力値
W:効率
A効率の出力値
D:圧力指数
u周方向マッハ数
S:入口弁位置
なお、f (D,M u ,S) 、g (D,M u ,S) はそれぞれ D M u S の関数を表わす。
【0028】
効率および蒸気スループットに対する複数の値から、内挿により測定周期の効率および蒸気スループットに対する各スカラー領域が求められた。こうして100の測定周期の終了後に、効率および蒸気スループットに対するそれぞれ100のスカラー領域が存在した。
【0029】
図2には効率Wおよび蒸気スループットFの計算の概要が示されている。図1中に示されている蒸気タービンの個所において測定される状態量の圧力、温度および蒸気流量から、両パラメータ、周方向マッハ数Muおよび圧力指数Dが計算される。この際に、考察されるタービンセクション、この場合にはタービン流入範囲、にわたってuは周速、kは圧力および温度から計算可能なアイゼントロピック指数、p1は圧力、v1は温度および圧力から計算可能なタービンセクションの入口における比堆積、p2はタービンセクションの出口における圧力である。周速uはu=2πrmnにより計算され、その際にrmは蒸気が流されるリング面の平均半径、nはタービンロータの回転数である。第3のパラメータとして取り入れ弁の位置S(パーセントで示される)が導入される。状態量およびパラメータ位置S、周方向マッハ数Muおよび圧力指数Dから、さらに蒸気タービンTの構造により条件付けられるデータが存在している場合には、蒸気タービンTの効率Wおよび蒸気スループットFが計算可能である。
【0030】
図3および図4には2つの異なる時点t1およびt2での効率Wに対する2つのスカラー領域31、41の概要が示されている。t1は、蒸気タービンが劣化現象なしであった時点であり、t2はそれからほぼ1年後の時点である。図3は圧力指数Dおよび取り入れ弁位置Sをパラメータとする面の形態でスカラー領域31を示す。パラメータの周方向マッハ数はこの図では一定とされておりパラメータとされていないので、スカラー領域31は二次元の面の形態で表示可能である。もちろんパラメータの周方向マッハ数Mu、圧力指数Dおよび取り入れ弁位置S、の他の2つまたはすべての3つをパラメータとしてのスカラー領域31の表示も可能である。
【0031】
図4にはタービン流入範囲の効率Wが図3に類似してパラメータの取り入れ弁位置Sおよび圧力指数Dに対しスカラー領域41として示されている。図3のスカラー領域31にくらべて図4のスカラー領域41は形が変っている。さらに、それはスカラー領域31よりも下に位置している。即ちタービン流入範囲の効率Wは後の第2の時点t2でのそれは第1の時点t1でのそれよりも低い。スカラー領域31と比較してスカラー領域41の形の変化と種々の作動点における効率Wの減少とから、タービン流入範囲の劣化の度合いが推定され得る。
【0032】
100の時点で、すなわち100の測定周期で、測定が図1で説明したように実行され、図3および4に示されたようにプロットされた。100の異なる測定周期での多数の測定により効率Wの悪化の時間的経過が非常に正確に決定され得た。タービン流入範囲に対する測定と類似の測定が蒸気タービン2のドラム部分9に対しても実行されたので、蒸気タービン2内の劣化現象もローカルに限定され得た。劣化が主としてタービン流入範囲で生じたことが確認された。なぜならば、そこで効率が最も強く低下したからである。さらに、多数の測定周期により効率Wの最も大きい変化が生じた時間が非常に正確に確認され得た。蒸気タービン2のオペレータにおける問い合わせにより、効率Wの急速な悪化として後になって確認された時点で地域暖房発電設備が大きい熱需要を満足しなければならなかったことが確認された。従ってオペレータの証言の後に休止時間をおいた時点で蒸気ボイラーが作動に入れられた。100の測定周期のなかでタービン流入範囲およびドラムの効率Wだけでなく蒸気スループットFも計算された。効率Wと同じく蒸気スループットFもスカラー領域としてパラメータの周方向マッハ数Mu、圧力指数Dおよび取り入り弁位置Sに対し計算され、プロットされた。タービン流入範囲内での変更された効率Wと変更された蒸気スループットFとの共同作用から、最大の変更の時点で著しく汚れがタービン流入範囲の蒸気の流される部分に堆積されたことが診断され得た。これによりオペレータに、新しいボイラーの始動により汚れた蒸気が蒸気タービンに入り、その結果著しく汚れが蒸気タービン2に堆積したということを報知することができた。効率Wおよび蒸気スループットFの減少の度合いから汚れの堆積の度合いが推定され、オペレータに蒸気タービン2のすぐ次の点検の期限が知らされることが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 蒸気タービンプラントの概要図。
【図2】 効率および蒸気スループットの計算過程の概要図。
【図3】 第1の時点に対応付けられるスカラー領域の説明図
【図4】 第2の時点に対応付けられるスカラー領域の説明図
【符号の説明】
1 蒸気ターボセット
2 蒸気タービン
3 発電機
4 管路
5 調節弁組合せ
7 調節段
9 ドラム部分
31 スカラー領域
41 スカラー領域

Claims (3)

  1. 蒸気タービン(2)の劣化現象を識別するための診断方法において、蒸気タービン(2)の効率(W)および蒸気スループット(F)又はそのいずれか一方が蒸気タービン(2)の複数の作動点における第1の時点(t1)およびその後の第2の時点(t2)での蒸気タービン(2)の状態量の測定から計算され、その際に作動点はパラメータである周方向マッハ数(Mu)、圧力指数(D)および入口弁位置(S)の各値により決定され、第1の時点(t1)から第2の時点(t2)までの効率(W)および蒸気スループット(F)の変化又はそのいずれか一方の変化から作動点に関係して蒸気タービン(2)の劣化の度合いが推定されることを特徴とする蒸気タービンの劣化現象識別のための診断方法。
  2. a)蒸気タービン(2)の効率(W)および蒸気スループット(F)又はそのいずれか一方が蒸気タービン(2)の複数の第1の作動点において第1の時点(t1)で計算され、
    b)これらの第1の測定値から内挿により第1のスカラー領域(31)が計算され、
    c)効率(W)および蒸気スループット(F)又はそのいずれか一方が蒸気タービン(2)の複数の第2の作動点において第2の時点(t2)で計算され、
    d)これらの第2の測定値から内挿により第2のスカラー領域(41)が計算され、
    e)第1のスカラー領域(31)から第2のスカラー領域(41)までの時間的な変化から蒸気タービン(2)の劣化の度合いが推定される
    ことを特徴とする請求項1記載の診断方法。
  3. 蒸気タービン(2)の部分範囲に対する効率(W)および蒸気スループット(F)又はそのいずれか一方が計算され、それから部分範囲の劣化の度合いが推定されることを特徴とする請求項1または2記載の診断方法。
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