JP3958476B2 - 配線用遮断器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、負荷短絡保護を目的とする配線用遮断器であって、特にその組立工程を簡素化する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
小さな短絡電流(100A〜200A)で瞬時引き外し動作する配線用遮断器で、短絡遮断時に発生するアークエネルギーを分割、限流する機能を有するものは、従来は例えば実開昭57−78556号公報に記載されているように、短絡を検知して瞬時引き外し動作を行う電磁コイル、接点を引き外した際に発生するアークエネルギーを限流する消弧装置、及び電源側接点である固定接点部等は、独立して樹脂成形により形成されたケーシング基台に組み付けられ、ねじ止め等で固定され取り付けられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の配線用遮断器は、独立した部品を個々に取り付けるため、組立が複雑であり製造ラインも専用化されていたし、夫々の部品に組み付け誤差が生じ、それが性能ばらつきの要因となっていた。
そこで本発明は、組立を簡略化すると共に、組み付け誤差を削減可能な配線用遮断器を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、ケーシング上面略中央に回路の開閉操作をする操作ハンドルを配置し、該操作ハンドルの操作方向であるケーシング前後端部に電源接続端子或いは負荷接続端子を設け、ケーシング内に固定接点及び可動接点と、回路の短絡を検知して引き外し動作をする電磁引き外し装置と、引き外し時の発生アークを限流する消弧装置と、固定接点と可動接点との開閉動作を行う開閉機構部とを具備した配線用遮断器であって、上部に前記消弧装置を配置し、その下方に前記固定接点を配置し、その双方に隣接する左右何れかに前記電磁引き外し装置を上下方向に引き外し動作するよう配置し、消弧装置と固定接点と電磁引き外し装置と、更に電源接続端子の少なくとも端子座とを連結部材を介して一体化し、前記ケーシング内に組み付けたことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を基に詳細に説明する。図1は本発明に係る配線遮断器の要部である一体化した装置の斜視図を示し、図2はその分解図、図3は組立途中を示している。
【0007】
図1において、1は電磁引き外し装置、2は消弧装置、3は固定接点、4は電源接続端子であり、これらは連結部材5に組み付けて一体化され、ユニット化されている。連結部材5は樹脂成形により形成され、上部にアーク消弧室6、その下方に電源側導体装着部7及び固定接点装着部8を有し、これらに隣接する位置に電磁引き外し装置1の装着部9を設けてある。
【0008】
アーク消弧室6は上下方向に貫通した四角形枠体で、内部に板状の消弧グリッド11を装着する複数の縦溝6aが形成されている。また、電源側導体装着部7と固定接点装着部8とは前後方向に隣接して設けられ、電源側導体装着部7は上下方向から電流導体を挟み込むよう横方向に突出した2本の突起体として形成され、固定接点装着部8は固定接点座3aを載置し係止する突起片となっている。
【0009】
また、電源側導体12は、略L字状に形成された金属片で形成され、一端に電源接続端子4を構成する端子座12aを有し、他端に電磁引き外し装置1の引き外しコイル13の一端に接続する接続孔12bが形成されている。そして、段部を有するコーナ部が装着部7に挾持される。
固定接点3は、コ字状に折り曲げた金属片14の一方を固定接点座14aとして形成し、接点となる突起片15が設けられている。金属片14の他方には横方向に突出辺14bが形成され、引き外しコイル13の他端を接続する接続孔14cが設けられている。
【0010】
一方、連結部材5の電磁引き外し装置装着部9は、電磁引き外し装置1の継鉄17を装着するよう形成され、上方から継鉄17を挿入し係止する挿入溝18を設け、継鉄の背部には幅広に形成した係止部17aを設けてある。尚、図2、図3において、19は引き外しコイルに挿入するボビン、22はプランジャー、23はスプリングであり、20は電源側接続端子を構成する角端子である。
【0011】
次に各部材の組み付け手順を説明する。先ず、アーク消弧室6に上方から消弧グリッド11及び走向板21を挿入して、消弧装置2を完成させる。消弧グリッド11及び走向板21は双方とも側部に係止段部11a,21aを有し挿入後所定位置でアーク消弧室内に係止し保持される。
そして、電源側導体12、及び固定接点3を有する金属片14をそれぞれ組み付け、ボビン19と引き外しコイル13とを継鉄17に組み付け、更にスプリング24、プランジャー22を組み付けて形成した電磁引き外し装置1を、継鉄17に形成した係止部17aを連結部材5の挿入溝18に挿入することで、連結部材5に組み付ける。そして、この時、引き外しコイル13の両端をそれぞれ電源側導体12に設けた接続孔12b及び金属片14の突出片14bに形成した接続孔14cに挿入させる。
【0012】
このように電磁引き外し装置と消弧装置と固定接点と電源接続端子とを一体に形成してユニット化することで、遮断器を組み立てる際、これらの部材を一気に組み付けることができ、組立の簡素化を図ることができる。そして、各部材を独立してケーシング内に組み付ける方式に比べ、組み付け誤差を小さくできる。尚、接続端子が上述するねじ式でなく、例えば速結端子の場合は、接続端子全体でなく端子座のみを一体化すればよい。
【0013】
図4〜図6は上記ユニット化した装置を組み込んだ配線遮断器を示している。図4は縦断面説明図、図5は上部ケーシングであるカバーを外した状態の横断面説明図、図6はカバーを外した平面図およびプランジャー動作部の説明図を示し、図において、25は操作ハンドル、26は負荷接続端子、27は可動接点であり、ケーシング24内にユニット化した電磁引き外し装置1、消弧装置2、固定接点3、電源接続端子4を組んだ様子を示している。また、28は引き外しアームであり、操作ハンドル25と同一の軸を中心に回転し、電磁引き外し装置1のプランジャー22の動作を開閉機構部の掛合片29へ伝える。尚、図4、図5では連結部材は省略してある。
【0014】
このように、消弧装置と固定接点とを上下方向に配置し、この双方に隣接するケーシングの略中央位置に電磁引き外し装置を上下方向に引き外し動作をするように連結部材により一体化することで、ユニット化した装置を小型に形成でき、操作ハンドル下部に形成された開閉機構部と電源接続端子部との間にユニットを設置することが可能となる。また、こうすることで、従来の配線用遮断器との部品の共用、及び製造ラインの共用化も可能となり、安価に作成することも可能となる。
【0015】
図7はユニット化した装置の他の形態を示し、左右2個の電源接続端子4,4を含む構成を一体化ている。連結部材30は、左右にアーク消弧室6,6、固定接点装着部8,8、電源側導体装着部7,7をそれぞれ有し、図示右側のアーク消弧室壁面に、電磁引き外し装置1を装着する装着部9を設け、左右のアーク消弧室6,6の間に1個の電磁引き外し装置1を設置している。そして、この電磁引き外し装置1は図示右側の電源側導体12及び固定接点3に接続されている。このように左右の部材を一体化し、ユニット化すれば、更に組立の簡素化を図ることができる。
【0016】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明によれば、電磁引き外し装置と消弧装置と固定接点と電源接続端子とを一体化し、ユニット化したので、組立の簡素化を図ることができるし、各部材を独立してケーシング内に組み付ける方式に比べ、組み付け誤差を小さくできる。
【0017】
そして、ユニット化した装置を小型に形成でき、操作ハンドル下部に形成された開閉機構部と電源接続端子との間に設置することが可能となり、そうすることで従来の配線用遮断器との部品の共用、及び製造ラインの共用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る配線遮断器の要部を示し、一体化してユニット化した装置の斜視図である。
【図2】図1の分解斜視図である。
【図3】図1の組立の途中を示す斜視図である。
【図4】図1のユニット化した装置を組み込んだ配線遮断器の縦断面説明図である。
【図5】図4のカバーを外した状態の側面説明図である。
【図6】図4のカバーを外した状態の平面説明図を(a)に示し、(b)はプランジャーの作動により、アーム及び掛合片の動作を示す斜視説明図である。
【図7】ユニット化した装置の他の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1・・電磁引き外し装置、2・・消弧装置、3・・固定接点、4・・電源接続端子、5・・連結部材、6・・アーク消弧室、7・・電源側導体装着部、8・・固定接点装着部、9・・電磁引き外し装置装着部、12・・電源側導体、12a・・端子座、13・・引き外しコイル、17・・継鉄、18・・挿入溝、24・・ケーシング、25・・操作ハンドル、26・・負荷接続端子、27・・可動接点、30・・連結部材。
Claims (1)
- ケーシング上面略中央に回路の開閉操作をする操作ハンドルを配置し、該操作ハンドルの操作方向であるケーシング前後端部に電源接続端子或いは負荷接続端子を設け、ケーシング内に固定接点及び可動接点と、回路の短絡を検知して引き外し動作をする電磁引き外し装置と、引き外し時の発生アークを限流する消弧装置と、固定接点と可動接点との開閉動作を行う開閉機構部とを具備した配線用遮断器であって、
上部に前記消弧装置を配置し、その下方に前記固定接点を配置し、その双方に隣接する左右何れかに前記電磁引き外し装置を上下方向に引き外し動作するよう配置し、消弧装置と固定接点と電磁引き外し装置と、更に電源接続端子の少なくとも端子座とを連結部材を介して一体化し、前記ケーシング内に組み付けたことを特徴とする配線用遮断器。
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1999
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