JP3958230B2 - アルミニウム合金ダイカスト鋳物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、特にエンジンのシリンダーブロックのように、寸法精度が要求され、しかも高温で使用されるアルミニウム合金ダイカスト鋳物に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリンダーブロックのように耐熱性や耐摩耗性が必要とされる部品には、ダイカスト用アルミニウム合金であるJIS規格ADC12アルミニウム合金が使用されている。そして、このJIS規格ADC12合金をベースに結晶粒等を微細化し、晶出物又は硬質粒子のネットワーク状の骨格を実質的に等方的にしている(例えば、特許文献1参照)。これにより、合金中の変形が実質的に均一になって、耐熱疲労性,高サイクル疲労強度などの耐疲労特性の向上を図っている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−199960号公報(第2−3頁、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ダイカスト法で鋳造されたADC12合金には、時間の経過とともに一般的に“永久生長”と言われる膨張現象がわずかながら起こる。“永久生長”は、アルミニウム合金に熱負荷をかけたとき、温度と時間に応じて線膨張以上に膨張する現象で、特にエンジンのシリンダーブロックのように、高温で使用されるものに顕著に発生する。永久生長が起こると使用中に寸法が変化することになるので、寸法精度が必要とされる製品では大きな問題となる。例えば、シリンダーブロックにおいては、0.08%以上の永久生長が起こると、ボアが歪み、その真円度が低下するためにピストン張力が増加し、燃費が低下する等の不具合が発生する。したがって、永久生長量を0.08%より少なく、好ましくは0.05%より小さくする必要がある。
【0005】
永久生長を抑制する方法として、図1に示すように、時効処理温度Taよりも高いTs以上の温度に一定時間以上保持することにより、過飽和に固溶しているSiやCuを析出させる安定化処理を施すことも行われている。しかし、熱処理を行おうとすると処理工数が増加するのみならず設備費やエネルギー費を要し、コストが高くなる。しかも時効温度よりも高い温度で熱処理されるので、過時効状態となり硬度が低下して部品の耐摩耗性や面圧が却って低下する。高温に長時間保持されることになるので、図2に示すように、耐熱強度が低下するとともに、部品が変形することにもなる。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、安定化のための熱処理を行わなくても、永久生長を抑制することができるアルミニウム合金ダイカスト鋳物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のアルミニウム合金ダイカスト鋳物は、その目的を達成するため、Cu:1.5〜4.0質量%,Si:7.5〜12.0%を含み、更にCa:0.1〜0.5質量%,ミッシュメタル:0.5〜1.0質量のいずれか1種以上を含み、残部がAlと不可避的不純物からなり、鋳造直後のα相の格子定数が、4.0485〜4.0500Åであることを特徴とする。
この合金には更に、Mg:0.5〜1.2質量%,Ti:0.01〜0.05質量%,B:0.05〜0.0003質量%のいずれか1種以上を含有させることもできる。
【0007】
また、α相の格子定数が4.0485〜4.0500Åであるアルミニウム合金ダイカスト鋳物は、Cu:1.5〜4.0質量%,Si:7.5〜12.0%を含み、残部がAlと不可避的不純物からなるアルミニウム合金溶湯を、ダイカスト鋳造後350〜200℃の温度域を5℃/秒以下で冷却することにより製造される。
アルミニウム合金溶湯としては、更にCa:0.1〜0.5質量%,ミッシュメタル:0.5〜1.0質量,Mg:0.5〜1.2質量%,Ti:0.01〜0.05質量%,B:0.05〜0.0003質量%のいずれか1種以上を含むものでも良い。
更にZnを2.0質量%以下含有させると、5℃/秒以下で冷却しても硬度低下を少なくすることができる。
【0008】
【作用】
本発明者等は、Cu:1.5〜4.0質量%,Si:7.5〜12.0%を含むアルミニウム合金において、永久生長が起こるメカニズムについて検討した。
鋳造直後のAl−Si−Cu合金では、α相には過飽和のSi,Cuが固溶されている。この状態では、Alに比べてSiとCuの原子半径が小さい(Al;0.143nm,Si;0.117nm,Cu;0.128nm)ため、α相の格子定数は小さくなっている(図3のa参照)。その後シリンダーブロックとして使用する等、高温に曝すと、過飽和に固溶しているSi及びCuは時間の経過とともにα相から析出する。Si原子とCu原子が析出する過程において、α相中においてSi原子とCu原子が原子半径の大きいAl原子に置き換わるのでα相の格子定数が増加し(図3のb参照)、その結果、合金は膨張する。この際の線膨張以上の膨張が“永久生長”である、と推測した。
【0009】
鋳造直後のα相の格子定数が小さいことが、永久生長を起こす原因である。永久生長を抑制するためには、鋳造直後のα相の格子定数が小さくならないようにすることが有効である。このためには、Al原子に比べて原子半径が小さいSiやCuの含有量を減らし、Mg含有量を増加する方法も考えられる。しかしながら、Si量の低減はアルミニウム合金の鋳造性のみならず機械的性質をも低下させる。またCu量の低減は硬さや高温特性を低下させることになる。さらに、Mg量の増加は、溶解時の溶湯の酸化やMg2Siの生成等で伸びが低下することに繋がる。
本発明者等が鋭意研究を重ねた結果、Cu:1.5〜4.0質量%,Si:7.5〜12質量%を含むアルミニウム合金においては、α相中の固溶合金元素量の調整により、α相の格子定数を4.0485Å以上にすると0.08%を超えるような永久生長が起こらないことを確認した。
【0010】
α相の格子定数を小さくしない方法としては、Al原子(原子半径0.143nm)より原子半径の大きい元素であるCa(原子半径0.197nm),ミッシュメタル(原子半径約0.183nm)のいずれか1種以上添加する方法が有効である。これらの原子はAl原子よりも原子半径が大きいので、α相に固溶されているSiやCuとは逆にα相の格子定数を大きくする作用がある(図4のa参照)。その作用がSiやCuのα相の格子定数を小さくする作用と相殺され、格子定数が小さくならない。
そして、時効が進行しても格子定数が大きいので、SiやCuとは逆にα相から析出するとα相は収縮する。そのため、SiやCuの析出に伴うα相の膨張が、Ca,ミッシュメタルの析出に伴うα相の収縮と相殺され、永久生長は抑制される(図4のb参照)。
これらの合金には、他にMg,Ti,Bを添加しても良い。
【0011】
また、永久生長は、上記SiやCu等の合金元素の影響の他に、析出相の粗大安定化によっても増加する。したがって、永久生長を抑制するには、鋳造後の冷却速度を調整して、過飽和に固溶されているSiやCuを析出させ、安定な化合物相を形成させておくことも有効である。
α相の格子定数が小さくなる原因が、Alの原子半径より小さい原子半径のSiやCuがα相に固溶されていることであるから、鋳造の際にSiとCuを予め安定相として析出させてα相中のSi,Cuの固溶量を少なくしておくと、その後α相の格子定数は小さくならない。本発明者等が鋭意研究を重ねた結果、永久生長を0.08%未満に抑制するためには、α相中のSiとCuの固溶量は合計で3.0質量%以下にする必要があること確認した。そして、そのためには、Cu:1.5〜4.0質量%,Si:7.5〜12.0質量%を含むアルミニウム合金においては、鋳造後に常温まで冷却する際に、350℃から200℃までの温度域を5℃/秒以下で冷却し、過飽和に固溶されているSiやCuを析出させ、Mg2SiやAl2Cu等の安定な化合物として成長させる必要があることも確認した。
なお、格子定数を小さくする作用を有するCa,ミッシュメタルを含んだアルミニウム合金の鋳造後の冷却速度を制御すると、より確実に永久生長を抑制することができた。
【0012】
【実施の態様】
次に、本発明の永久生長の少ないアルミニウム合金ダイカスト鋳物の、α相格子定数,成分,含有量等について詳しく説明する。
α相の格子定数:4.0485〜4.0500Å
格子定数が、4.0485Åに満たないと、時間が経過するとともにSiやCuが析出し、格子定数が大きくなって0.08%を超える永久生長が起こる。逆に4.0500Åを超えるとα相の格子定数が大きくなり過ぎており収縮が起こる。
Si:7.5〜12.0質量%
Siは、耐摩耗性や低熱膨張性を付与する作用を有している。この作用は7.5質量%以上の含有で顕著になる。逆に12.0質量%を超えると伸びが低下する。また、Siには機械的強度や防振性を向上させる作用も有している。
【0013】
Cu:1.5〜4.0質量%
Cuは機械的強度を向上させる作用を有している。この作用は1.5質量%以上の含有で顕著になる。しかし、4.0質量%を超えると耐食性が低下する。
Ca:0.1〜0.5質量%
CaはAlより原子半径が大きいため、α相に固溶された状態ではα相の格子定数を大きくする。安定相として析出される際にはα相の格子定数を減少させ、製品のアルミニウム合金鋳物を収縮させる作用を呈することになるが、この作用がSiやCuの析出による膨張を相殺し、全体としての永久生長を抑制させる。この効果は0.1質量%以上の含有で顕著になる。しかし、0.5質量%を超えると鋳造性を低下させることになる。またこのCaには共晶Siを微細化する作用もある。
【0014】
ミッシュメタル:0.5〜1.0質量%
La,Ce,Th等のミッシュメタルもCaと同様にAlより原子半径が大きいため、α相に固溶された状態ではα相の格子定数を大きくする。安定相として析出される際にはα相の格子定数を減少させ、製品のアルミニウム合金鋳物を収縮させる作用を呈することになるが、この作用がSiやCuの析出による膨張を相殺し、全体としての永久生長を抑制させる。この効果は0.5質量%以上の含有で顕著になる。しかし、1.0質量%を超えてもその効果は飽和しており、コストアップに繋がるのみであるから上限は1.0質量%とする。
【0015】
Mg:0.5〜1.0質量%
Mgはアルミニウム合金の機械的強度を向上させる作用を有している。この作用は0.5質量%の含有で顕著になる。しかし、その含有量が1.0質量%を超えると溶湯が酸化して鋳造性が悪化する。
また、Mgの原子半径(0.160nm)はAlの原子半径よりも大きいので、永久生長を抑制する作用も有している。
【0016】
Ti:0.01〜0.05質量%,
B:0.0003〜0.01質量%
TiとBは、結晶粒を微細化する作用を有し、鋳造性を向上させるとともにダイカスト材の機械的強度を向上させる。この効果は、Ti:0.01質量%以上、B:0.0003質量%以上の含有で顕著になる。しかし、Ti:0.05質量%、あるいはB:0.01質量%を超えると粗大な晶出物を形成し、伸びが低下する。
【0017】
鋳造後の冷却速度:350〜200℃の温度域を5℃/秒以下
Cu:1.5〜4.0質量%,Si:7.5〜12質量%を含むアルミニウム合金では、鋳造後に常温まで冷却する過程の350〜200℃の温度域を5℃/秒より早く冷却すると、α相中のSiとCuが十分に析出せず、α相中のSiとCuの合計固溶量が3.0質量%より多くなる。α相中のSiとCuの合計固溶量が3.0質量%より多いと高温に曝したときに安定相として析出し、永久生長が起きる。しかしながら、350〜200℃の温度域を5℃/秒以下の速度で冷却すると、α相中のSiとCuがこの段階で析出されて安定な析出物を生成するため、α相中のSiとCuの固溶量が3.0質量%以下となる。固溶量が3.0質量%以下となると高温に曝されても析出するSiやCuの量が少なく、格子定数があまり小さくならないので永久生長も小さい。
なお、通常のダイカスト法においては、鋳造後すぐに強制冷却しているが、本発明法の実施に当たっては、5℃/秒以下の速度を確保するためにダイカスト後加熱炉内に入れ徐冷する必要がある。
【0018】
Zn:2.0質量%以下
鋳造後、350〜200℃の温度域を5℃/秒以下の速度で冷却するとα相中のSiとCuの固溶量が減少する。そのため機械的強度が低下する。アルミニウム合金の機械的強度を向上させるために、2.0質量%以下のZnを添加することが好ましい。α相に固溶されたZnは、5℃/秒以下の速度で冷却しても析出せず固溶されたままなので、固溶強化作用を維持し、機械的強度の低下を少なくすることができる。2.0質量%を超えて添加しても上記作用は飽和し、機械的強度はさほど向上しない。そして、耐食性や耐酸化性が低下することになる。
【0019】
不可避的不純物量
Sn,Pb,Fe,P等が原料から不可避的に混入するが、Snについては0.2質量%以下に、Pbについては0.05質量%以下に、Fe,Mnについては2質量%以下に、さらにPについては0.05質量%以下であれば、永久生長には影響を及ぼさない。したがって、本発明合金は、上記各成分についてそれぞれの量までの含有を許容している。
なお、V,Zr等の遷移元素は拡散速度が遅く、実質的にほとんど析出しない元素が添加されていても問題はない。
【0020】
【実施例1】
表1に示す組成を有するアルミニウム合金溶湯を680℃で、プランジャー速度1.8m/秒,ゲート速度80m/秒で、金型のキャビティに圧入して、50mm×100mm×12mmのダイカスト鋳物を得た。金型よりダイカスト材を取り出した後、直ちに常温まで水冷した。なお、水冷前のダイカスト材の温度は370〜350℃であり、水冷時の冷却速度は約80℃/秒であった。
得られたダイカスト材から、10mmφ×100mmの丸棒を切り出し、マイクロゲージでその長さを測定した。その後200℃で50時間保持する熱処理を施した、熱処理後の長さをマイクロゲージで再び測定した。熱処理の前と後での丸棒の長さから、次式により永久生長量を算出した。
永久生長量=[(熱処理後長さ−熱処理前長さ)/熱処理前長さ]×100
また、熱処理の前と後の格子定数についてもX線回折法により測定した。
この永久生長量と格子定数を表2に示す。
【0021】
【0022】
【0023】
表2の結果からもわかるように、Caやミッシュメタルを添加しているため熱処理前の格子定数が4.0485Åより大きい合金No.2,3,4(本発明例)は格子定数の増加が少なく、永久生長量が0.07%以下である。これに対して、Caやミッシュメタルを含まないために格子定数が小さい合金No.1(比較合金;JIS規格ADC12合金相当)は、熱処理により格子定数が大きく増加し、永久生長量が0.110%にもなっていた。
なお、合金No.4の永久生長量が特に少ない理由は、Caの添加に加え、Cu量が少なく、Mg量が多いためである。
【0024】
【実施例2】
実施例1で使用した合金No.1と4について、同様の方法でダイカストを行い、離型した後、ダイカスト材を加熱炉内に入れ徐冷した。このとき350〜200℃の温度域でのダイカスト材の冷却速度が、1℃/秒と5℃/秒となるように調整して冷却した。
得られたダイカスト材について、実施例と同じ熱処理を行い、格子定数と永久生長量、及び(Si+Cu)の固溶量を測定した。固溶量はブタノール溶解法により測定した。
その結果を実施例1の結果と併せて表3に示す。
【0025】
【0026】
表3に示す結果から、冷却速度が遅くなると格子定数を小さくするSiやCuは金属間化合物として析出され、α相中の(Si+Cu)固溶量が減少し、その結果冷却直後の格子定数が増加し、永久生長量が少なくなることがわかる。
なお、合金No.4の(Si+Cu)の固溶量が少ない理由は、Caの添加の効果とCuの含有量そのものが少ないためである。
【0027】
【実施例3】
実施例1で使用した合金No.1と、この合金に2.0質量%のZnを加えた合金No.5を用意した。合金No.1および5について、実施例1と同様な方法でダイカストを行い、離型した後、ダイカスト材を加熱炉に入れ、350〜200℃の温度域での冷却速度が、1℃/秒,5℃/秒,10℃/秒となるように鋳造した。
そして、冷却速度永久生長量および硬度(HRB)の関係を調べた。
その結果を表4に示す。
【0028】
【0029】
表4から、冷却速度が遅くなると(Si+Cu)固溶量が少なくなって永久生長量と強度が低下することがわかる。しかしながら、(Si+Cu)固溶量が少なくなることによる強度低下は、Znを固溶させることにより低減できる。合金No.1と5では、永久生長量の低下の度合いはあまり変わらないが、Znを添加した合金No.5の方が強度低下の度合いが小さくなっていることからも裏付けられる。
【0030】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、Cu:1.5〜4.0質量%,Si:7.5〜12.0%を含むアルミニウム合金ダイカスト鋳物において、原子半径の比較的大きいCaやミッシュメタルを少量含有させて鋳造直後α相の格子定数を4.0485〜4.0500Åの範囲に調整しておくか、あるいは冷却時の冷却速度を遅くして原子半径の比較的小さいSiやCuのα相中の固溶量を極力少なくすることにより、その後長時間加熱時におけるα相中からのSiやCuの析出に起因する線膨張以上の膨張である永久生長の発生量を極力少なくすることができる。
したがって、エンジンのシリンダーブロックのように、高温で使用される際にも寸法変化が少ないことが要求される製品の製造に最適なアルミニウム合金ダイカスト鋳物として幅広く使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アルミニウム合金鋳物の、時効処理温度と安定化処理温度の関係を説明する図
【図2】 高温での安定化処理による強度の低下状況を説明する図
【図3】 永久生長が起こるメカニズムを説明する図
【図4】 永久生長を抑制するメカニズムを説明する図
Claims (5)
- Cu:1.5〜4.0質量%,Si:7.5〜12.0%を含み、更にCa:0.1〜0.5質量%,ミッシュメタル:0.5〜1.0質量のいずれか1種以上を含み、残部がAlと不可避的不純物からなり、鋳造直後のα相の格子定数が、4.0485〜4.0500Åであることを特徴とするアルミニウム合金ダイカスト鋳物。
- 更に、Mg:0.5〜1.2質量%,Ti:0.01〜0.05質量%,B:0.05〜0.0003質量%のいずれか1種以上を含む請求項1に記載のアルミニウム合金ダイカスト鋳物。
- Cu:1.5〜4.0質量%,Si:7.5〜12.0%を含み、残部がAlと不可避的不純物からなるアルミニウム合金溶湯を、ダイカスト鋳造後350〜200℃の温度域を5℃/秒以下で冷却することを特徴とするアルミニウム合金ダイカスト鋳物の製造方法。
- Cu:1.5〜4.0質量%,Si:7.5〜12.0%を含み、更にCa:0.1〜0.5質量%,ミッシュメタル:0.5〜1.0質量,Mg:0.5〜1.2質量%,Ti:0.01〜0.05質量%,B:0.05〜0.0003質量%のいずれか1種以上を含み、残部がAlと不可避的不純物からなるアルミニウム合金溶湯を、ダイカスト鋳造後350〜200℃の温度域を5℃/秒以下で冷却することを特徴とするアルミニウム合金ダイカスト鋳物の製造方法。
- 更に、Zn:2.0質量%以下を含むものである請求項4に記載のアルミニウム合金ダイカスト鋳物の製造方法。
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