JP3958104B2 - サブコンテンツ出力計画制御に特徴を有するカラオケ装置 - Google Patents

サブコンテンツ出力計画制御に特徴を有するカラオケ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は、メインコンテンツであるカラオケ演奏の曲間において広告宣伝や広報などのサブコンテンツを表示出力する(もちろん音響出力を伴っていてもよい)カラオケ装置に関し、とくに、サブコンテンツの出力計画制御の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラオケ装置において曲間に出力されるサブコンテンツとしては、音楽産業から発信される情報番組や広告番組、テレビコマーシャルのような企業や商品の広告番組などが、通信カラオケプロバイダーから契約者のカラオケ装置に送り届けられる。また、サブコンテンツ出力機能のあるカラオケ装置はそれが運用されている地域のローカルな広告・広報媒体としても利用されており、たとえば近辺の商店を紹介したり宣伝したりするサブコンテンツが制作され、カラオケ曲間に放映(出力)されている。さらに、カラオケ装置にプログラムされたごく短いゲーム番組もサブコンテンツの1つとして曲間出力される。たとえば、CGによるスロットルゲーム番組やポーカーゲーム番組などである。
【0003】
サブコンテンツをあまり高頻度で出力したのでは、本来のカラオケ利用者の不評をかう。広告主が期待する広告効果を上げるためには、サブコンテンツの出力計画を適切に設定して実行する必要がある。
【0004】
特許第3010931号公報には、カラオケ装置における次のようなサブコンテンツ出力計画制御の発明が開示されている。つまり、曲間にてサブコンテンツを一度出力したならば、タイマーでその後の経過時間を計測し、あらかじめ設定された禁止時間を経過するまでは、たとえ曲間が到来してもサブコンテンツ出力動作は行わず、禁止時間を過ぎてから到来した曲間でサブコンテンツを出力する制御方式としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来技術によるサブコンテンツ出力計画制御は、あるサブコンテンツ出力機会と次回のサブコンテンツ出力機会との間に空けるべき最小時間を適宜に設定し、それに従って制御するという単純なものである。
従って当然のことながら、ごく短いサブコンテンツを各曲間ごとに1つ以上出力することとし、各曲間でいくつのサブコンテンツを出力するのかといった計画制御にはまったく適合しない。
同様に、たとえば15曲のカラオケ演奏期間中にほぼ均等な時間密度分布で12個のサブコンテンツを曲間出力すると計画した場合など、前記従来方式は何の役にも立たない。
また、カラオケ演奏の予約が次々となされて予約曲が絶えることなく演奏される状況と、カラオケが従であるバーのような業態でポツリポツリとしか予約曲が入らない状況とでは、当然、サブコンテンツ出力計画を適切に変えることが望ましい。しかし、従来技術における前記禁止時間を変える程度では適当ではない。
【0006】
この発明の目的はカラオケ装置の利用状況、サブコンテンツの内容や性格、カラオケ店経営者の意向などに合わせて、多彩なサブコンテンツ出力計画制御を簡単な設定操作により実現できるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るカラオケ装置は、分説すると、つぎの事項(1)〜(6)により特定されるものである。
(1)記憶手段と、制御手段と、表示手段と、小数部レジスタを備え、曲間にサブコンテンツを出力するカラオケ装置であること
(2)記憶手段は、演奏履歴と、所定時間あたりに出力する番組数計画値と、番組単位のサブコンテンツを格納すること
(3)制御手段は、第1〜第3処理を行うこと
(4)第1処理は、演奏履歴に基づいて所定時間に演奏される曲数を推定した曲数推定値を算出するとともに、記憶手段に格納された番組数計画値を当該曲数推定値で割り算すること
(5)第2処理は、曲間の到来に際し、第1処理で算出された商と、小数部レジスタに記憶された小数値を加算すること
(6)第3処理は、曲間において、第2処理で算出された加算値の整数部の値に対応する番組数のサブコンテンツを記憶手段から順次読み出して表示手段より出力させ、当該加算値の小数部の値を小数部レジスタに記憶すること
【0008】
また望ましくは、サブコンテンツは多数用意されており、各サブコンテンツはそれぞれの出力機会の重み付けがなされており、その重み付けに従ってサブコンテンツの出力順番が制御されるカラオケ装置とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
===カラオケ装置の基本構成===
この発明の実施例にかかるカラオケ装置のハードウェア構成を図1に示した。カラオケ装置はパソコン相当のコンピュータ応用機器であり、中央処理装置1がCPU・RAM・ROMを含んだコンピュータ本体である。大容量の外部記憶装置として、ハードディスク装置2と、CD−ROMやDVD―ROMなどの光ディスク再生装置3を備える。また、加入者電話回線やISDN回線を介してカラオケホスト装置とでデータ通信する通信制御装置4と、利用者からの入力や利用者に向けての応答をやりとりする利用者インタフェース装置5と、MIDI形式の伴奏音楽データに基づいて伴奏音楽の音響信号を生成する音楽生成装置6と、伴奏音楽やマイクロホンから採取した音響信号を増幅してスピーカから出力する音響装置7と、CRTやLCDあるいはPDPなどを用いたディスプレイ8と、このディスプレイ8に表示すべき映像データを処理する映像処理装置9とを備えている。
【0010】
ハードディスク装置2などの大容量記憶装置にはカラオケ楽曲の伴奏音楽データや歌詞データを含むカラオケデータを多数曲分蓄積しており、中央処理装置1が利用者インタフェース装置5を介してリクエストを受け取ると、リクエスト入力の順番に従って該当する楽曲のカラオケデータを処理していくものである。
【0011】
===番組データベース===
この実施例にかかるカラオケ装置は番組データベースを管理しており、この中にはディスプレイ8に出力する番組(サブコンテンツ)が多数格納されている。番組とは、あるひとまとまりの内容をもつ広告や広報を映像で表現するものであり、企業の商品PRや商店のセール情報、コンサート情報、新譜情報、ゲームなどがある。各番組のデータは番組タイトルや提供主名などをインデックスとして番組データベースに管理されている。
【0012】
各番組は主に数十秒から数分程度のMPEG形式等の動画データや数コマ程度のJPEG形式等の静止画データからなり、外部のホスト装置等から通信回線を介して番組データベースに蓄積される。
【0013】
===番組の出力頻度計画値の設定===
本実施例において、各曲間に出力する番組の頻度を示す出力頻度計画値を通信カラオケプロバイダーやカラオケ店の経営者等が設定できるようになっている。本実施例における出力頻度計画値は、1時間あたりに何番組を出力すべきかを示す数値である。そのような出力頻度計画値を、例えば、カラオケ店経営者が営業時間の前に、あるいは通信カラオケプロバイダーが番組を提供する際などに、カラオケ装置やホスト装置等の適宜な操作インタフェースによって設定しておく。
【0014】
===演奏頻度の推定===
カラオケ装置では、演奏処理が済むと適宜なメモリに演奏開始時間や演奏終了時間などを演奏履歴として残しておく。
ある楽曲の演奏処理が済んで曲間になると、終了の時点から1時間前までの演奏履歴を参照し、演奏された楽曲数を計数する。そしてこの数値を今後1時間に演奏される楽曲数と推定し、演奏頻度推定値とする。
なお、カラオケ利用を開始してから1時間未満である場合には、その時間での演奏楽曲数から1時間当たりの演奏楽曲数(演奏頻度)を推定することはいうまでもない。また、カラオケ利用を開始してから1時間以上経過している場合であっても、全演奏楽曲をもとにして今後の演奏頻度推定値を算出するようにしてもよい。あるいはより推定値の精度を上げるべく、直前の10分程度の短い期間の演奏履歴をもとに演奏頻度推定値を算出するようにしてもよい。
【0015】
そして、このような演奏頻度の推定を1時間毎とか10分毎というように一定の時間をおいて行ってもよいし、カラオケ演奏が1曲終わるごとに推定するようにしてもよい。あるいは、過去1〜数週間にわたる同じ曜日の同じ時間帯でのそのカラオケ装置の利用実績(演奏履歴)に基づいて演奏頻度推定値を算出してもよい。
【0016】
===曲間での出力番組数の算出と番組出力処理===
先述の出力頻度計画値と演奏頻度推定値から、各曲間に出力する番組の数を算出する。上記の例によれば1時間当たり30の番組を出力すべきところ、推定した演奏頻度が1時間あたり12曲(すなわち曲間が12回)だったとする。この場合、12回の曲間に30の番組を出力するのであるから、均等な時間間隔で番組を出力するためには、1回の曲間当たりに2.5番組を出力すればよいことになる。この場合の出力計画制御の手順の概要を図2に示した。
【0017】
まず演奏頻度の推定後に最初の楽曲の演奏が終了して曲間になると、番組の出力機会の数を示す出力カウンタに2.5を計上する。しかし実際に出力できる番組数は自然数であるので、この曲間では番組を2つ出力する。したがって、適宜な番組を広告データベースから取り出して2つ出力する。また、このときに出力カウンタから出力済みの2を減算し、0.5にする。
【0018】
次の楽曲の演奏が終了して2回目の曲間が訪れると、出力カウンタには再び2.5を計上する。すなわち2.5を加算して出力カウンタは3.0となり、番組を3つ出力することになる。したがって適宜な番組を適宜な順番で3つ広告データベースから取り出して出力する。またこのとき、出力カウンタから出力済みの3を減算して、0とする。
【0019】
その次の楽曲の演奏が終了して3回目の曲間になると、同様にして出力カウンタに2.5を加算して2.5となる。したがって、この曲間では番組は2つ出力し、その後カウンタ値を0.5とする。
【0020】
以後、同様の処理を繰り返し、カウンタ値が更新される度にその整数部の値の分だけ番組を出力する。このようにして、出力頻度計画値に従って1時間当たりに30の番組が、各曲間にほぼ均等に割り振られて出力される。
【0021】
次に、推定した演奏頻度が1時間あたり25曲だった場合について説明する。1時間あたりに出力すべき番組の数は先と同様に15とすると、この場合は1回の曲間当たりに番組を0.6ずつ出力することになる。そこで、演奏頻度の推定後に1曲目の演奏が終了して曲間になると、出力カウンタには0.6が計上される。したがってこの曲間には番組は出力しない。
【0022】
次の楽曲の演奏が終了して2回目の曲間になると、出力カウンタには再び0.6が計上され、カウンタ値は1.2となる。したがって、この曲間に1つの番組を出力し、カウンタ値は1が減算されるので0.2となる。
【0023】
その次の楽曲の演奏が終了して3回目の曲間になると、出力カウンタに再び0.6を計上してその値が0.8となる。したがってこの曲間でも番組は出力しない。以後、同様の処理を繰り返して、カウンタ値が更新される度にその整数部の値の分だけ番組待ち行列の順番にしたがって番組を出力する。整数部の値が0の場合は番組を出力しない。このようにして、演奏楽曲数に左右されることなく、あらかじめ設定された出力頻度計画値に従って確実に番組が表示される。
【0024】
なお、演奏頻度の推定を短期間に頻繁に行った場合は、曲間ごとに出力カウンタに計上する値(1回の曲間に出力すべき番組数)は異なることがあり得るが、最新の推定値にしたがって計上すればよい。例えば1曲目の演奏終了時の演奏頻度推定によれば1回の曲間当たりに出力する番組は0.6だったが、2曲目の演奏終了時に推定した演奏頻度によれば曲間1回あたりに出力する番組は1.5であった場合、この2曲目終了時の出力カウンタ値は2.1となり、その曲間には番組が2回出力される。そして番組出力処理後のカウンタ値は0.1となる。以後同様にして出力カウンタに計上する。このようにすれば、急に演奏楽曲数が増えたり減ったりした場合にも柔軟に対応して、設定された出力頻度計画値に忠実に、確実に番組が表示されることになる。
【0025】
===番組別出力頻度による出力回数制御===
以上の説明では、各番組が均等に出力される場合について述べたが、番組ごとに異なった出力頻度を設定できるようにしてもよい。例えば、本実施例においては「多い」「普通」「少ない」などの相対的な設定を受け付ける。特に指定がなければ「普通」と見なすこととする。その他にも、1時間あたりに何回出力すべきかを示す数値を設定できるようにしてもよい。
【0026】
いずれの場合にも、例えば番組提供主が番組データベースに番組データを提供する際に、あるいはカラオケ事業者やカラオケ店経営者が番組提供主の提供額などに応じて、カラオケ装置やホスト装置等の適宜な操作インタフェースを介して入力した出力頻度の情報を受付けて、各番組に対応づけて適宜に記憶しておく。
【0027】
本実施例では、設定された番組別出力頻度について、「多い」と設定された番組は「少ない」と設定された番組の3倍の頻度で出力するように、また「普通」と設定された番組は「少ない」と設定された番組の2倍の頻度で出力するように制御する。例えば、出力すべき番組が7つ(A〜G)あり、番組A、Bの出力頻度は「多い」、番組C、D、Eの出力頻度「普通」、番組F、Gの出力頻度は「少ない」と設定されている場合について説明する。この場合には、出力頻度が「多い」と設定された番組(A、B)と「普通」と設定された番組(C、D、E)と「少ない」と設定された番組(F、G)に対して、3対2対1の回数の比率で出力されるように制御する。具体的な制御手順を図3に例示している。すなわち、まず番組A〜Gの中から1つずつ順番に選択する。したがって7番目まで選択すると番組A〜Gの全てが1回ずつ選択されることになる。8〜12番目までは番組A〜Eの中から1つずつ選択する。したがって、12番目まで選択すると、番組A〜Eはすべてが2回ずつ選択されることになる。同様にして、13〜14番目は番組A、Bの中から1つずつ選択する。したがって、14番目まで選択すると、番組A、Bは3回ずつ選択されることになる。このように選択した順番で曲間に番組を出力することにより、各番組が設定された出力頻度の比率に従った回数で出力される。
【0028】
また、このようにして決定した順番によって同じ曲間に同一の番組を2回以上続けて出力することになった場合には、その通りに連続して出力してもよいし、1回に短縮してもよいし、1回出力して残りの回数分は次の曲間に出力するようにしてもよい。または、その時点での演奏頻度に応じて自動的にいずれかの方式が選択されるようにしてもよい。このように番組表示のしかたを柔軟にすれば、カラオケ利用者の広告などに対する感じ方を細やかに推察しながら、効果的に番組を出力することができる。
その他、曲間の時間を自由に設定したり、そのようにしてあらかじめ決められた曲間の時間に応じて出力する番組数を決めたりしてもよい。
【0029】
【発明の効果】
この発明にかかるカラオケ装置によれば、カラオケ演奏楽曲数に左右されずにカラオケ演奏期間中にほぼ均等な時間密度分布で番組を出力できる。特に広告や広報等が効果的に確実に表示されるので、広告や広報等の効果が増大してカラオケ装置の広告媒体としての信頼性が高まり、カラオケ装置の設置店やカラオケ事業者の広告収入が増大する効果も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例にかかるカラオケ装置の構成例である。
【図2】この発明の一実施例にかかる出力計画制御手順を例示した図である。
【図3】この発明の一実施例にかかる番組別出力頻度の比率に従った出力順番制御の手順を例示した図である。
【符号の説明】
1 中央処理装置
2 ハードディスク装置
3 光ディスク再生装置
4 通信制御装置
5 利用者インタフェース装置
6 音楽生成装置
7 音響装置
8 ディスプレイ
9 映像処理装置

Claims (2)

  1. 記憶手段と、制御手段と、表示手段と、小数部レジスタを備え、曲間にサブコンテンツを出力するカラオケ装置であって、
    記憶手段は、演奏履歴と、所定時間あたりに出力する番組数計画値と、番組単位のサブコンテンツを格納し、
    制御手段は、第1〜第3処理を行い、
    第1処理は、演奏履歴に基づいて所定時間に演奏される曲数を推定した曲数推定値を算出するとともに、記憶手段に格納された番組数計画値を当該曲数推定値で割り算し、
    第2処理は、曲間の到来に際し、第1処理で算出された商と、小数部レジスタに記憶された小数値を加算し、
    第3処理は、曲間において、第2処理で算出された加算値の整数部の値に対応する番組数のサブコンテンツを記憶手段から順次読み出して表示手段より出力させ、当該加算値の小数部の値を小数部レジスタに記憶する
    カラオケ装置。
  2. 制御手段は、利用者インタフェースが受け付けた利用者入力に基づいて記憶手段の番組数計画値を設定変更する
    請求項1に記載のカラオケ装置。
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