JP3957677B2 - 船舶の係船設備 - Google Patents
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Description
船首楼甲板の係船機は、図5に示すように、揚錨機兼2ドラム係船機50が各舷1台づつと1ドラム係船機60を各舷1台が装備されている。
前記揚錨機兼2ドラム係船機50は、ジプシーホイル54(アンカーチェーンを巻き上げるための歯車)と係船索を巻き込み・巻き出しを行う2ドラムホーサードラム51,52を有し、その駆動源は、電動油圧式のモータ53である(非特許文献1,2)。
モータ53には、変速歯車が介され、ジプシーホイル54のクラッチの嵌脱により、ジプシーホイル54が回転したり、空転するようになっており、ジプシーホイル54にはブレーキが設けられている。
また、モータ53には、変速歯車が連結され、第1のホーサードラム51のクラッチの嵌脱により、第1のホーサードラム51が回転したり、空転するようになっており、第1のホーサードラム51にはブレーキが設けられている。
さらに、モータ53には、変速歯車が連結され、第2のホーサードラム52のクラッチの嵌脱により、第2のホーサードラム52が回転したり、空転するようになっており、第2のホーサードラム52にはブレーキが設けられている。
前記2ドラム係船機は、係船索を巻き込み・巻き出しを行う2ドラムホーサードラム71,72を有し、その駆動源は、電動油圧式のモータ73を有している(非特許文献1)。
また、モータ73には、変速歯車が連結され、第1のホーサードラム71のクラッチの嵌脱により、第1のホーサードラム71が回転したり、空転するようになっており、第1のホーサードラム71にはブレーキが設けられている。
さらに、モータ73には、変速歯車が連結され、第2のホーサードラム72のクラッチの嵌脱により、第2のホーサードラム72が回転したり、空転するようになっており、第2のホーサードラム72にはブレーキが設けられている。
前記各係船機50,60,70のドラム51,52,61,71,72から繰り出された係船索Rは、船体端部に設けた一対のフェアリーダ80によって案内されるようになっている。
船舶Sの船首楼甲板からバウラインR1(係船索)が一対のフェアリーダー間から海上に投下され、綱取ボートbがバウラインR1を拾い、岸壁のバウラインのピットpまでバウラインの先端を運び、岸壁の作業員にバウラインR1を渡し、作業員によってバウラインR1の先端がバウラインピットpに係止される。
船尾楼甲板からスターラインR2(係船索)が一対のフェアリーダー間から海上に投下され、綱取ボートbがスターラインR2を拾い、岸壁のスターラインのピットpまでスターラインの先端を運び、岸壁の作業員にスターラインR2を渡し、作業員によってスターラインR2の先端がスターラインピットpに係止される。
また、船首楼甲板および船尾楼甲板の各スプリングラインR3,R4およびブレストラインR5,R6も同様の手順で所定のピットに係止される。
第2発明の船舶の係船設備は、第1発明において、前記係船機が、甲板上の幅方向中央に設置されていることを特徴とする。
第3発明の船舶の係船設備は、第2発明において、前記係船索が、使用頻度の高い方の片舷に配置したとき、前記ホーサードラムに対し下巻きになるように、該ホーサードラムに巻付けられていることを特徴とする。
第4発明の船舶の係船設備は、船首側甲板に、請求項3記載の係船設備をスプリングライン用およびブレストライン用として2台設置し、船尾側甲板に、請求項3記載の係船設備をスプリングライン用およびブレストライン用として2台設置したことを特徴とする。
第2発明によれば、係船機を設置した中央以外の左右両側が、広々とした甲板となり、種々の作業に有効利用できる。また、ユニバーサルチョックとホーサードラムの距離が長く取れることにより、フリートアングルも十分確保でき、係船索がホーサードラムに整列して巻取れ、乱巻きが起こらない。
第3発明によれば、使用頻度の高い舷側を下巻きとしているため、船首楼甲板および船尾楼甲板の交通性、および係船索の安全性が、より一層向上する。
第4発明によれば、船首側の係船設備と船尾側の係船設備によって、2本のスプリングラインおよび2本のブレストラインの係船作業を行うことができる。
図1は本発明の一実施形態に係る係船設備の正面図、図2は図1の係船設備の平面図、図3は本発明を適用した船首楼甲板の平面図、図4は本発明を適用した船尾楼甲板の平面図である。
以下の実施形態は、船首楼甲板と船尾楼甲板に係船機を各3台ずつ装備した係船設備である。本発明の係船設備は、係船機1とユニバーサルチョック2のセットで構成されている。
係船機1は、1台の単胴のホーサードラム11、およびこれに付設されたインバータ等で速度制御を正逆回転制御が可能な電動モータ12とブレーキ装置13で構成されている。
前記ホーサードラム11は、ドラム胴の周囲に係船索Rを巻付けており、係船索Rを巻取ったり巻戻したりするものである。なお、図1において、反時計回りが巻込み方向である。また、このホーサードラム11の側面には、ブレーキ胴が形成されており、公知の構造のブレーキ装置13が取付けられている。ブレーキ装置13としては、遠隔操作可能なものも、機側操作のものも任意に用いることができる。
前記電動モータ12は、ホーサードラム11の外部に設置して減速機を介して連結したものでもよく、ホーサードラム11内に減速機と共に内蔵したものでもよい。この電動モータ12と前記ブレーキ装置13は、通常は船橋から遠隔操作できるものが用いられるが、機側操作できるようにしてもよい。なお、機側操作した場合は、遠隔操作した場合よりも機側操作を優先するようにしておかれる。
図3において、船首最前方の係船機1Aはバウライン専用のものであり、前方から2番目の係船機1Bはブレストライン用であり、前方から3番目の係船機1Cはスプリングライン用である。そして、前方から2番目、3番目の係船機1B,1Cは両舷兼用のものであり、接岸舷側に応じて右舷と左舷を使い分けるものである。また、上記3台の係船機1A,1B,1Cは船体中心線上に配置されている。このように、船体中心線上に係船機が配置されていると、中央以外の左右両側が広々とした甲板となり、種々の作業に有効利用できる。また、ユニバーサルチョック2とホーサードラム11の距離が取れることにより、フリートアングルも十分確保でき、係船索Rがホーサードラム11に整列して巻取れ、乱巻きが起こらなくなる。
図3において、前記係船機1Aのホーサードラム11の横方向すなわち船首の側板にはユニバーサルチョック2Aが設けられており、ホーサードラム11に巻き取られた係船索Raはユニバーサルチョック2Aを通り抜ける。この係船索Raは、船体左舷付または船体右舷付のバウラインとして用いられる。
2 ユニバーサルチョック
11 ホーサードラム
12 電動モータ
13 ブレーキ装置
Claims (4)
- ホーサードラムのドラム軸を船体前後方向に向けて甲板上に設置した係船機と
前記甲板の左右両舷の舷側板において、前記ホーサードラムの横方向位置に、それぞれ設けたユニバーサルチョックとからなり、
前記係船機が、係船索を巻取り巻戻しする1台の単胴のホーサードラムと、これに付設された前記ホーサードラムの回転駆動源および前記ホーサードラムのブレーキ装置とからなり、
前記ホーサードラムは、前記係船索を片舷側に繰り出すときはドラムの下方から繰り出し、反対舷に繰り出すときはドラムの上方から繰り出す
ことを特徴とする船舶の係船設備。 - 前記係船機が、甲板上の幅方向中央に設置されている
ことを特徴とする請求項1記載の船舶の係船設備。 - 前記係船索が、使用頻度の高い方の片舷に配置したとき、前記ホーサードラムに対し下巻きになるように、該ホーサードラムに巻付けられている
ことを特徴とする請求項2記載の船舶の係船設備。 - 船首側甲板に、請求項3記載の係船設備をスプリングライン用およびブレストライン用として2台設置し、
船尾側甲板に、請求項3記載の係船設備をスプリングライン用およびブレストライン用として2台設置した
ことを特徴とする船舶の係船設備。
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