JP3956457B2 - 色変換シート及びそれを用いた発光装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はディスプレイー、OA機器などの面状光源に最適な白色光を発光する色変換シートなどに係わり、特に耐熱性、耐衝撃性、耐薬品性及び耐コンタミ性(不純物混入防止)に優れた可視光変換シート及びそれを用いた発光装置に関する。
【0002】
【従来技術】
省エネルギーや環境に優しい商品が叫ばれる今日、各種光源やバックライトなどに水銀を使用する冷陰極管に代わり得る光源として、或いは電球などに較べ寿命が長く、かつ消費電力の少ない光源として発光ダイオードが利用されつつある。
【0003】
このような発光ダイオードは本質的に半導体のバンドギャップに基づいて単色性ピーク波長を発光する。したがって、発光ダイオードはそれ一つでは白色光など混色光を発光することができない。一方、各種光源などには視認性の向上などの観点から白色系の発光が一般に求められている。
【0004】
本発明者らはこれらの問題を解決するために、比較的短波長の青色光が発光可能なLEDチップとLEDチップからの発光により励起され黄色光などが発光可能な蛍光物質との混色発光により白色系など任意の発光色を得ることができる発光装置を開発した。このような発光装置として特開平5−152609号、特開平7−176794号や特開平8−7614号などが挙げられる。
【0005】
具体的な発光装置として図4に示す。図4は、透明な導光板402端面の少なくとも1箇所に青色発光ダイオード401が光学的に接続されている。導光板402の主面のいずれか一方に白色粉末が塗布された散乱層403を有し、散乱層403と反対側の導光板の主面側には透明なシート406が設けられている。シート406の表面あるいは内部に青色発光ダイオードの発光により励起されて蛍光を発する蛍光物質405が具備された構造などである。
【0006】
青色発光ダイオード401の発光により励起されて蛍光を発する蛍光物質405をシートの表面に印刷あるいは内部に具備することにより、LEDチップからの青色光と蛍光物質405からの発光との混色により白色光などが観測される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、車載用など様々な用途に利用され、耐熱性、耐候性、耐振動性や、より高輝度発光など種々の特性が要求される現在においては上記構成の色変換シートでは十分でなく更なる特性の向上が求められている。
【0008】
ベースとなるシートに対する印刷インキの接着力、高濃度に蛍光物質を添加した場合の膜強度、耐衝撃性或いは加工時の不純物減少や硬化後の耐熱性等を向上させることが求められる。製造工程の簡略化の観点からは反り防止が求められている。
【0009】
色変換シートはLEDチップなどからの光が照射されるばかりでなく外光も照射される場合がある。特に、薄膜である色変換シートに強い光が照射されると蛍光体により、より薄くなった樹脂に蛍光体による発光や蛍光体により反射された外光が高密度に当たる。そのため、蛍光体が含有された樹脂シートは特に耐光性が求められる。また、蛍光体を樹脂中に含有させる場合は樹脂との相溶性不要による諸物性の低下、着色などによる実用上の問題を解決する必要がある。
【0010】
耐光性などに優れ青色光の吸収により黄色系が発光可能な蛍光体としてセリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(以下、YAG蛍光体とも呼ぶ。)が挙げられる。この無機蛍光体は、ガーネット構造を持ち硬度が高く摩耗性のある粉体である。そのため高濃度にこの蛍光体を合成樹脂に練り込むことは、加工機からの摩耗汚染による機能の低下が考えられる。加工機からの摩耗汚染は光学用の部品として利用する場合、蛍光体の変換効率低下のみならず極めて大きな問題となる。本発明は上述の要求される諸特性を満たす優れた色変換シート及びそれを利用した発光装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の色変換シートは、樹脂シートに無機蛍光体を含有させた色変換シートであって、上記樹脂シートの一方の主面は、上記無機蛍光体が樹脂で被覆されており、上記樹脂シートの他方の主面は、上記無機蛍光体の一部が突出されており、その他方の主面が上記無機蛍光体を励起する光の入射面であることを特徴とする。
【0012】
上記樹脂シートは、ポリアリレートあるいはポリカーボネートを材料とすることが好ましい。
【0013】
上記無機蛍光体は、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体であることが好ましい。
【0014】
本発明の発光装置は、上記色変換シートと、発光素子と、を備えており、上記発光素子からの光が上記色変換シートに直接照射されることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明者らは種々実験の結果、特定の蛍光体及び特定の樹脂を選択することにより高濃度に蛍光物質を添加した場合においても強度が強く耐衝撃性あり、加工時の不純物(コンタミ)減少や硬化後の耐熱性等を向上させつつ耐光性に優れた色変換シートとしうることを見出し本発明を成すにいった。
【0016】
以上の観点から本発明者らは種々の基材中に無機蛍光体であるYAG蛍光体を混入して実験を行った結果、数ある樹脂の中からYAG蛍光体を含有させたときの樹脂劣化、混練及び押し出し時の熱劣化、可視光の透過性及びシート化(成形性)に最も優れた樹脂として熱可塑性樹脂を見出したものである。以下本発明の各構成について詳述する。
【0017】
(無機蛍光体103)
本発明に用いられるセリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体103は特に広義に解釈するものとし、イットリウムの一部或いは全部をLu、Sc、La、Gd及びSmからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素に置換し、或いはアルミニウムの一部或いは全体をGaとInの何れか又は両方で置換する蛍光体を含む広い意味に使用する。
【0018】
更に好ましくは、(Re1-XSmX)3(AlYGa1-Y)5O12:Ce(ただし、0≦X<1、0≦Y≦1、ReはY、Gdから選択される少なくとも1種)である。
【0019】
蛍光体と樹脂との比率を種々調整すること及び発光素子などの発光波長を選択することにより白色を含め電球色など任意の色調を提供させることができる。
【0020】
本発明に用いられるセリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体は、ガーネット構造のため、熱、光及び水分に強く、励起スペクトルのピークが450nm付近にさせることができる。また、発光ピークも530nm付近にあり700nmまで裾を引くブロードな発光スペクトルを持つ。しかも、組成のAlの一部をGaで置換することで発光波長が短波長にシフトし、また組成のYの一部をGdで置換することで、発光波長が長波長へシフトする。
【0021】
AlをGaに置換させる場合、発光効率と発光波長を考慮してAl:Ga=6:4から1:1の間の比率に設定することが好ましい。同様に、Yの一部をGdで置換することはY:Gd=9:1から1:9の範囲の比率に設定することが好ましく、4:1から2:3の範囲に設定することがより好ましい。Gdへの置換が2割未満では、発光波長における緑色成分が多く赤色成分が少なくなる。
【0022】
また、Gdへの置換が6割以上では、赤色成分が増えるものの輝度が急激に低下する傾向にある。特に、発光素子として窒化物半導体を利用した場合は、発光素子の波長によるがセリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体の組成の内、Y:Gd=4:1から2:3の範囲とすることにより1種類の蛍光体を用いて黒体放射軌跡におおよそ沿って白色光が発光可能な発光装置とすることができる。
【0023】
このように組成を変化させることで発光色を連続的に調節することが可能である。したがって、長波長側の強度がGdの組成比で連続的に変えられるなど窒化物半導体の発光素子から放出される青色系発光を白色系発光に変換するための理想条件を備えている。また、蛍光体をYやAlの置換量が異なる2種類以上のセリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体を混合して用いることもできる。これらを利用した発光装置上に、カラーフィルターを用いることによりフルカラー液晶表示装置用のバックライト光源などとしても利用できる。
【0024】
このようなYAG蛍光体は、高純度に生成されたY2O3、Al2O3、Gd2O3、Ce2O3及びフラックスなどをアルミナボールで混合粉砕を行い1350から1600℃の電気炉中で焼成することでセリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体の焼成品を得ることができる。アルミナボールで湿式分散を行いセリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体を得る。この無機蛍光体の励起スペクトル及び発光スペクトル例を図3に示す。
【0025】
(樹脂シート104)
本発明における樹脂シート104とは無機蛍光体103を内部に含有させるシート状の樹脂であり、内部に無機蛍光体103を均質に分散させられるものである。具体的には、熱可塑性樹脂であるポリアリレート樹脂、PET変性ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)、環状オレフィン、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリメチルメタアクリレート樹脂(PMMA)、ポリプロピレン樹脂(PP)、変性アクリル(サンジュレー 鐘淵化学)、ポリスチレン樹脂(PE)及びアクリルニトリル・スチレン共重合体樹脂(AS)等が挙げられる。
【0026】
YAG蛍光体を含んだシート状に形成した場合における発光効率、耐熱性、耐衝撃性や相溶性及び製造のし易さ等を考慮すると、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)、環状オレフィン、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリプロピレン樹脂(PP)が挙げられる。特に、ポリアリレート樹脂、PET変性ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)が総合的に優れている。表1にこれらの結果を相対的に示す。
【0027】
このような樹脂中に含有される無機蛍光体の量としては、色変換シートを通して視認させる色によって種々選択させることができるが樹脂シート中の分散性、透過率等を考慮して樹脂シート中に5重量%以上50重量%以下で蛍光体を含有させることが望ましい。
【0028】
また、図1の如く、色変換シート100の一方の主面101が樹脂シート104により無機蛍光体103が保護された凹凸を有すると共に他方の主面102が無機蛍光体103の一部が露出した凹凸を有する形状とすることで散乱光の利用により効率よく外来光を変換することができる。このようなシート形状とさせるためには、Tダイ押出法にて比較的簡単に形成させることができる。特に、上記構成の色変換シートさせるためには、一方のみ凹凸を付けた金属ローラとさせ他方をシリコーン膜が表面に形成されたローラにより構成させたTダイを用いることにより構成できる。このようなTダイにより形成させることにより、より均一な薄膜を量産性よく形成させることもできる。
【0029】
(発光素子205)
色変換シート200に照射される光は効率よく蛍光体を励起させ混色により白色系が発光可能な青色系が好ましい。このような光源として効率よく特定のピーク波長が発光可能な光源としてLEDやLD等の半導体発光素子が挙げられる。特に、セリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体を効率良く励起できる半導体発光素子の材料としては窒化物半導体が挙げられる。
【0030】
発光素子であるLEDチップは、MOCVD法等により基板上にInGaN等の半導体を発光層として形成させる。半導体の構造としては、MIS接合、PIN接合やpn接合などを有するホモ構造、ヘテロ構造あるいはダブルへテロ構成のものが挙げられる。半導体層の材料やその混晶度によって発光波長を種々選択することができる。また、半導体活性層を量子効果が生ずる薄膜に形成させた単一量子井戸構造や多重量子井戸構造とすることもできる。
【0031】
窒化物半導体を使用した場合、半導体基板にはサファイヤ、スピネル、SiC、Si、ZnOやGaN単結晶等の材料が用いられる。結晶性の良い窒化物半導体を量産性よく形成させるためにはサファイヤを用いることが好ましい。このサファイヤ基板上にGaN、AlN等のバッファー層を形成しその上にpn接合を有する窒化物半導体を形成させる。窒化物半導体は、不純物をドープしない状態でn型導電性を示す。発光効率を向上させるなど所望のn型窒化ガリウム半導体を形成させる場合は、n型ドーパントとしてSi、Ge、Se、Te、C等を適宜導入することが好ましい。
【0032】
一方、p型窒化ガリウム半導体を形成させる場合は、p型ドーパントであるZn、Mg、Be、Ca、Sr、Ba等をドープさせる。窒化ガリウム系化合物半導体は、p型ドーパントをドープしただけでは低抵抗なp型となりにくいためp型ドーパント導入後に、炉による加熱、低速電子線照射やプラズマ照射等によりp型化させることが好ましい。エッチングなどによりp型半導体及びn型半導体の露出面を形成させた後、半導体層上にスパッタリング法や真空蒸着法などを用いて所望の形状の各電極を形成させる。このような半導体ウエハーを分離させることによりLEDチップを得ることができる。
【0033】
本発明の色変換シート200を用いて白色系を発光させる場合は、YAG蛍光体203との補色関係や樹脂劣化等を考慮して発光素子205の発光波長は400nm以上530nm以下が好ましく、420nm以上490nm以下がより好ましい。窒化物半導体よりなる発光素子とセリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体との効率をそれぞれより向上させるためには、450nm以上475nm以下がさらに好ましい。
【0034】
(紫外線吸収剤)
耐光性の改良として無機蛍光体を励起させる励起波長及び無機蛍光体から放出される蛍光の吸収が少なく、かつ樹脂シート104の劣化を引き起こす光酸化劣化を防止する光安定剤を添加させることが望ましい。光安定化剤として連鎖開始阻害剤や紫外線吸収剤が挙げられる。特に、紫外線を吸収する紫外線吸収剤(UV吸収剤)の使用により使用樹脂の拡大が図られ用途の展開が図られる。紫外線に比較的弱い熱可塑性樹脂としてポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂においての効果が大きい傾向にある。
【0035】
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、蓚酸アニリド系、ベンゾフェノン系が挙げられる。具体的には、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,αジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールや2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールから選択される少なくとも1種が好適に挙げられる。
【0036】
特に2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,αジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾールは、外部からの励起光及び内部に配置されている蛍光体から放出される蛍光の何れにも透過性がよく色変換シートの発光効率を低下させることなく色変換シートを構成する樹脂劣化を好適に防止することができる。なお、紫外線吸収剤の効果(発光効率)を表2に示してある。
【0037】
(発光装置210)
本発明の発光装置例を図2(A)、(B)に示す。発光装置210は窒化物半導体よりなる発光素子205を有する発光ダイオードを発光ダイオードからの発光を周りが効率よく反射する反射板で覆われた凹部206内に配置させる。反射板で覆われた発光ダイオードと導光板207とを光学的に接続させる。導光板207には発光ダイオードからの発光波長が入射する面及び放出する面を除いて反射層208を形成させてある。
【0038】
導光板207の主面上にシート状に成形させたYAG蛍光体203が含有された熱可塑性樹脂204を配置させ発光装置210が形成させる。発光装置210はLCDのバックライト光源として十分な明るさが得られる。液晶表示装置として利用する場合は、導光板207の主面上に不示図の透光性導電性パターンが形成された硝子基板間に注入された液晶装置を介して配された偏光板により構成させることができる。なお、発光素子205からの発光波長を導光板207を介した後、色変換シート200に照射してもよいし導光板207を介さないで直接色変換シートに照射してもよい。以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は具体的実施例のみに限定されるものではないことは言うまでもない。
【0039】
【実施例】
(実施例1)
Y2O3を48重量部、Gd2O3を20重量部、Al2O3を48重量部、Ce2O3を1重量部及び及びAlF3を0.5重量部をボールミルにより混合、粉砕を行う。これを十分に混合して坩堝に入れ1500℃の電気炉で10時間焼成し、(Y0.6Gd0.4)3Al5O12:Ce蛍光体を得た。この蛍光体をクラッシャーにより粗砕を行いビーズミルで粉砕する。粉砕後、HNO3を5部、(Y0.6Gd0.4)3Al5O12:Ce蛍光体を100部、脱イオン水200部で1時間撹拌を行い十分な脱イオン水で洗浄後、脱水乾燥して蛍光体パウダーを得た。
【0040】
含有させる(Y0.6Gd0.4)3Al5O12:Ce蛍光体を蛍光体パウダーとして30部、ベースとなる樹脂シート材料としてポリアリレートを70部の配合で混練し二軸押出機にて混練造粒した。造粒されたカラードペレットはポリアリレート中に蛍光体が約30%含有されている。
【0041】
次に不示図のTダイ押出法にて上述のカラードペレットを用いて図1の如くYAG蛍光体103が熱可塑性樹脂101に含有されシート膜厚120μmの色変換シート100を形成させた。Tダイは一方のみ凹凸を付けた金属ローラとさせ他方をシリコーン膜が表面に形成されたローラにより構成させてある。ローラ間からYAG蛍光体含有樹脂をシート状に引き出し、一方の面101のみ凹凸加工をさせた膜厚120μmで均一な蛍光体含有樹脂シートを形成させる。蛍光体含有樹脂シートを裁断機により切断することにより色変換シートを形成させることができる。凹凸加工させた面101は無機蛍光体が樹脂104で被覆されており、凹凸加工していない面102は蛍光体が突出してある。
【0042】
色変換シート用の励起光源として青色(主発光ピーク470nm)のLEDチップを利用した。発光素子であるLEDチップはMOCVD法により形成させておりサファイア基板上にGaNよりなるバッファー層、GaNよりなるn型アンドープ層、SiドープされたGaNよりなりn型電極が接するn型コンタクト層、GaNよりなるn型アンドープ層、量子効果が生ずる程度の厚さ3nmでアンドープのInGaNよりなる活性層、AlGaNよりなるp型クラッド層、GaNよりなりp型電極が接するp型コンタクト層が積層されて構成してある。
【0043】
LEDチップがモールドされた発光ダイオードを導光板207の端部に配置させる一方、導光板207の主面に色変換シート200を配置させた。色変換シート200の凹凸加工させた面101を発光観測面側に配置させ他方の面102を導光板207と接して配置させた。LEDチップに電力を供給することにより色変換シート200を介して白色光を得ることができる。
【0044】
(実施例2)
含有させる(Y0.6Gd0.4)3Al5O12:Ce蛍光体を蛍光体パウダーとして20部、ベースとなる樹脂シート材料としてポリアリレート樹脂80部、紫外線吸収剤として2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,αジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールを0.3部とした以外は実施例1と同様にして色変換シートを形成させた。
【0045】
(実施例3)
含有させる(Y0.6Gd0.4)3Al5O12:Ce蛍光体を蛍光体パウダーとして20部、ベースとなる樹脂シート材料としてポリカーボネート樹脂80部、紫外線吸収剤として2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,αジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールを0.3部とした以外は実施例1と同様にして色変換シートを形成させた。
【0046】
(実施例4)
含有させる(Y0.6Gd0.4)3Al5O12:Ce蛍光体を蛍光体パウダーとして20部、ベースとなる樹脂シート材料としてポリプロピレン樹脂80部、紫外線吸収剤として2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,αジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールを0.3部とした以外は実施例1と同様にして色変換シートを形成させた。
【0047】
(実施例5)
含有させる(Y0.6Gd0.4)3Al5O12:Ce蛍光体を蛍光体パウダーとして20部、ベースとなる樹脂シート材料としてポリエチレンテレフタレート樹脂80部とした以外は実施例1と同様にして色変換シートを形成させた。
【0048】
(実施例6)
含有させる(Y0.6Gd0.4)3Al5O12:Ce蛍光体を蛍光体パウダーとして20部、ベースとなる樹脂シート材料としてポリメチルメタアクリレート樹脂80部とした以外は実施例1と同様にして色変換シートを形成させた。
【0049】
(実施例7)
含有させる(Y0.6Gd0.4)3Al5O12:Ce蛍光体を蛍光体パウダーとして20部、ベースとなる樹脂シート材料としてアクリルニトリルブタジュンスチレン共重合体樹脂80部とした以外は実施例1と同様にして色変換シートを形成させた。
【0050】
(比較例1)
実施例1と同様にして形成させてた蛍光体30部をエポキシ樹脂70部に混合させ蛍光体塗料を形成させた。シート状のポリエチレンテレフタレート上にスクリーン印刷法を用いて印刷、乾燥させて色変換シートを形成させた。
【0051】
実施例1から7及び比較例1を実施例1の光源によって発光させたときの輝度(比較例1を100とした相対値で表示してある。)、90℃30分の耐熱性試験、70℃30分の耐熱性試験、有機溶剤により溶融させたときの変質を調べた耐溶剤性及び色変換シートカット時のゴミ発生を表3に示す。表3から本発明の色変換シートが優れていることがわかる。
【0052】
【発明の効果】
本発明の構成とすることにより、耐熱性、耐候性、耐振動性及び高輝度発光が可能な色変換シート及び発光装置とすることができる。特に、本発明の色変換シートは高濃度に蛍光物質を添加した場合の膜強度、耐衝撃性、耐光性、相溶性或いは加工時の不純物減少や硬化後の耐熱性等を向上させることができ、製造工程の簡略化の観点からは反り防止が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の色変換シートを示した模式的断面図である。
【図2】図2は本発明の発光装置を示し図2(A)に発光装置の模式的斜視図を図2(B)に図2(A)のXXにおける模式的断面図を示す。
【図3】図3は本発明に用いられる無機蛍光体の励起スペクトルを図3(A)に示し発光スペクトルを図3(B)に示す。
【図4】図4は本発明と比較のために示す発光装置の模式的断面図を示す。
【符号の説明】
100、200・・・色変換シート
101・・・樹脂シートにより無機蛍光体が保護された凹凸を有する色変換シートの主面
102・・・無機蛍光体の一部が露出した凹凸を有する色変換シートの主面
103、203・・・セリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体
104、204・・・熱可塑性樹脂シート
205・・・発光素子
206・・・反射板で覆われた凹部
207・・・導光板
208・・・反射層
210・・・発光装置
401・・・青色発光ダイオード
402・・・導光板
403・・・散乱層
404・・・反射層
405・・・蛍光物質
406・・・透明なシート
【表1】 以上よりポリアリレート、ポリカーボネート(PC)、環状オレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリプロピレン(PP)、変性アクリル の順に色変換部材の基材として優れていることがわかる。
【表2】 なお、各紫外線吸収剤の含有量を0.3部/樹脂100部/YAG蛍光体20部としてポリカーボネート及びポリプロピレンにおける発光効率の結果を紫外線吸収剤を含有させない場合を100として比較してある。
【表3】 なお、90℃の耐熱性試験では実施例5が実施例4よりも変色の割合が多かった。
Claims (4)
- 樹脂シートに無機蛍光体を含有させた色変換シートであって、
前記樹脂シートの一方の主面は、前記無機蛍光体が樹脂で被覆されており、前記樹脂シートの他方の主面は、前記無機蛍光体の一部が突出されており、その他方の主面が前記無機蛍光体を励起する光の入射面であることを特徴とする色変換シート。 - 前記樹脂シートは、ポリアリレートあるいはポリカーボネートを材料とする請求項1に記載の色変換シート。
- 前記無機蛍光体は、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体である請求項1または2に記載の色変換シート。
- 前記請求項1から3のいずれか一項に記載の色変換シートと、発光素子と、を備えており、前記発光素子からの光が前記色変換シートに直接照射されることを特徴とする発光装置。
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