JP3955489B2 - ポジ型レジスト組成物 - Google Patents

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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超LSI、高容量マイクロチップの製造などのマイクロリソグラフィープロセスや、その他のフォトファブリケーションプロセスに好適に用いられるポジ型レジスト組成物に関するものである。更に詳しくは、193nm以下の真空紫外光使用して高精細化したパターンを形成し得るポジ型レジスト組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
集積回路はその集積度を益々高めており、超LSIなどの半導体基板の製造においては、クオーターミクロン以下の線幅から成る超微細パターンの加工が必要とされるようになってきた。パターンの微細化を図る手段の一つとして、レジストのパターン形成の際に使用される露光光源の短波長化が知られている。
【0003】
例えば64Mビットまでの集積度の半導体素子の製造には、現在まで高圧水銀灯のi線(365nm)が光源として使用されてきた。この光源に対応するポジ型レジストとしては、ノボラック樹脂と感光物としてのナフトキノンジアジド化合物を含む組成物が、数多く開発され、0.3μm程度までの線幅の加工においては十分な成果をおさめてきた。また256Mビット以上集積度の半導体素子の製造には、i線に代わりKrFエキシマレーザー光(248nm)が露光光源として採用されてきた。
更に1Gビット以上の集積度の半導体製造を目的として、近年より短波長の光源であるArFエキシマレーザー光(193nm)の使用、更には0.1μm以下のパターンを形成する為にF2エキシマレーザー光(157nm)の使用が検討されている。
【0004】
これら光源の短波長化に合わせ、レジスト材料の構成成分及びその化合物構造も大きく変化している。
KrFエキシマレーザー光による露光用のレジスト組成物として、248nm領域での吸収の小さいポリ(ヒドロキシスチレン)を基本骨格とし酸分解基で保護した樹脂を主成分として用い、遠紫外光の照射で酸を発生する化合物(光酸発生剤)を組み合わせた組成物、所謂化学増幅型レジストが開発されてきた。
また、ArFエキシマレーザー光(193nm)露光用のレジスト組成物として、193nmに吸収を持たない脂環式構造をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した酸分解性樹脂を使用した化学増幅型レジストが開発されてきている。
【0005】
2エキシマレーザー光(157nm)に対しては、上記脂環型樹脂においても157nm領域の吸収が大きく、目的とする0.1μm以下のパターンを得るには不十分であることが判明し、これに対し、フッ素原子(パーフルオロ構造)を導入した樹脂が157nmに十分な透明性を有することがProc. SPIE. Vol.3678. 13頁(1999)にて報告され、有効なフッ素樹脂の構造がProc. SPIE. Vol.3999. 330頁(2000)、同357頁(2000)、同365頁(2000)、WO−00/17712号等に提案され、フッ素含有樹脂を含有するレシスト組成物の検討がなされてきている。
【0006】
しかしながら、F2エキシマレーザー光露光用のフッ素樹脂を含有するレジスト組成物は、ArFエキシマレーザー光露光において、ラインエッジラフネス、現像欠陥などの問題があり、これらの点の解決が望まれていた。
ラインエッジラフネスとは、レジストの特性に起因して、レジストのラインパターンと基板界面のエッジが、ライン方向と垂直な方向に不規則に変動した形状を呈することを言う。このパターンを真上から観察するとエッジが凸凹(±数nm〜数十nm程度)に見える。この凸凹は、エッチング工程により基板に転写されるため、凸凹が大きいと電気特性不良を引き起こし、歩留まりを低下させることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、ArFエキシマレーザー光の露光光源の使用に好適な、フッ素樹脂を含有するポジ型レジスト組成物を提供することであり、ラインエッジラフネス、現像欠陥が著しく軽減されたポジ型レジスト組成物を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記諸特性に留意し鋭意検討した結果、本発明の目的が以下の特定の組成物によって達成されることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は下記構成である。
【0009】
(1)(A)下記一般式(II)、(IV)、または(VI)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくともひとつの繰り返し単位を有する、酸の作用により分解しアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂、
(B)活性光線又は放射線の照射により、酸を発生する化合物、
(C)溶剤、及び、
(D)樹脂(A)の全量に対して1〜10重量%の、
分子量が150〜300の、脂環基を有するカルボン酸もしくは脂環基を有するジカルボン酸、あるいは、分子量が290〜400の、含フッ素カルボン酸もしくは含フッ素ジカルボン酸
を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
【0010】
【化4】
Figure 0003955489
【化5】
Figure 0003955489
【化6】
Figure 0003955489
【0011】
式(II)において、mは0又は1を表す。
式(IV)及び(VI)において、Xは、水素原子又は酸の作用により分解する基を表す
(II)において、R3は、水素原子又は酸の作用により分解する基を表す。
式(IV)において、R21〜R32は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフルオロアルキル基を表すが、少なくとも一つは水素原子ではない。
式(VI)において、R 2 は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、又はトリフルオロメチル基を表す。R 51 〜R56は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフルオロアルキル基を表すが、R 51 〜R56のうちの少なくとも1つは水素原子ではない。nは1〜5の整数を表す。
【0012】
以下、更に、本発明の好ましい実施の態様を挙げる。
(2)化合物(D)が脂環基及びフッ素原子の少なくともいずれかを有するカルボン酸化合物であることを特徴とする上記(1)に記載のポジ型レジスト組成物。
(3)化合物(D)をレジスト組成物の固形分に対し1〜10重量%含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のポジ型レジスト組成物。
(4)樹脂(A)の重量平均分子量が5000〜30000であり、分子量分散度が1.1〜2.0であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
【0013】
(5)(B)活性光線又は放射線の照射により、酸を発生する化合物として、(B1)活性光線又は放射線の照射により、有機スルホン酸を発生する化合物を含有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
【0014】
(6)活性光線又は放射線の照射により有機スルホン酸を発生する化合物として、活性光線又は放射線の照射によりフッ素原子を含有する有機スルホン酸を発生する化合物と活性光線又は放射線の照射によりフッ素原子を含有しない有機スルホン酸を発生する化合物をそれぞれ1種以上含有することを特徴とする上記(5)に記載のポジ型レジスト組成物。
(7)更に、(B2)酸の作用により分解してカルボン酸を発生する化合物を含有することを特徴とする上記(5)又は(6)に記載のポジ型レジスト組成物。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に使用する化合物について詳細に説明する。
〔1〕樹脂(A)
本発明で使用される樹脂は、一般式(I)〜(VI)で表される少なくとも一つの繰り返し単位を含有する樹脂(フッ素ポリマー)である。
【0016】
まず、式(I)の繰り返し単位について説明する。
【0017】
【化7】
Figure 0003955489
【0018】
式(I)において、R11〜R16は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフルオロアルキル基を表す。但し、少なくともひとつは水素原子ではない。
11〜R16としてのフルオロアルキル基(少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基)は、炭素数1〜6のものが好ましく、炭素数1〜3のものが特に好ましい。例えば、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、フルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2−フルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−フルオロプロピル基などが挙げられ、トリフルオロメチル基が特に好ましい。
mは0又は1である。
Xは、水素原子又は酸の作用により分解する基を表す。
【0019】
Xの酸の作用により分解する基(以下、酸分解性基ともいう)としては、例えば−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、−COO−C(R36)(R37)(R38)、−C(R01)(R02)COO−C(R36)(R37)(R38)等が挙げられる。
36〜R39は、各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアラルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。R36とR39とは、互いに結合して環を形成してもよい。
01、R02は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアラルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。
【0020】
36〜R39、R01及びR02のアルキル基としては、炭素数1〜8個のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基等を挙げることができる。
36〜R39、R01及びR02のシクロアルキル基としては、単環型でもよく、多環型でのよい。単環型としては、炭素数3〜8個のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロブチル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。多環型としては、炭素数6〜20個のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基、アンドロスタニル基等を挙げることができる。尚、シクロアルキル基中の炭素原子の一部が、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
【0021】
36〜R39、R01及びR02のアリール基としては、炭素数6〜10個のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、ナフチル基、アントリル基、9,10−ジメトキシアントリル基等を挙げることができる。
36〜R39、R01及びR02のアラルキル基としては、炭素数7〜12のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
36〜R39、R01及びR02のアルケニル基としては、炭素数2〜8個のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基等を挙げることができる。
36〜R39、R01及びR02が有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができる。
【0022】
酸分解性基の好ましい具体例としては、t−ブチル基、t−アミル基、1−アルキル−1−シクロヘキシル基、2−アルキル−2−アダマンチル基、2−アダマンチル−2−プロピル基、2−(4−メチルシクロヘキシル)−2−プロピル基等の3級アルキル基、1−アルコキシ−1−エトキシ基、1−アルコキシ−1−メトキシ基、テトラヒドロピラニル基等のアセタール基、t−アルキルカルボニル基、t−アルキルカルボニルメチル基等が好ましく挙げられる。
【0023】
以下に、一般式(I)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、これらに限定するものではない。
【0024】
【化8】
Figure 0003955489
【0025】
次に、式(II)の繰り返し単位について説明する。
【0026】
【化9】
Figure 0003955489
【0027】
3は、水素原子又は酸分解性基を表す。
mは0又は1を表す。
【0028】
3の酸分解性基としては、例えば、式(I)のXとしての酸分解性基として挙げた−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)等を挙げることができる。
3の酸分解性基の好ましい具体例としては、t−ブチル基、t−アミル基、1−アルキル−1−シクロヘキシル基、2−アルキル−2−アダマンチル基、2−アダマンチル−2−プロピル基、2−(4−メチルシクロヘキシル)−2−プロピル基等の3級アルキル基、1−アルコキシ−1−エトキシ基、1−アルコキシ−1−メトキシ基、テトラヒドロピラニル基等のアセタール基、t−アルキルカルボニルメチル基等が挙げられる。
【0029】
以下に、一般式(II)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、これらに限定するものではない。
【0030】
【化10】
Figure 0003955489
【0031】
一般式(III)の繰り返し単位について説明する。
【0032】
【化11】
Figure 0003955489
【0033】
4は、水素原子又は酸分解性基を表す。
4の酸分解性基の具体例、好ましい具体例などは、式(II)のR3と同様である。
【0034】
以下に、一般式(III)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、これらに限定するものではない。
【0035】
【化12】
Figure 0003955489
【0036】
一般式(IV)の繰り返し単位について説明する。
【0037】
【化13】
Figure 0003955489
【0038】
Xは、水素原子又は酸分解性基を表す。
21〜R32は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフルオロアルキル基を表すが、少なくとも1つは水素原子ではない。
【0039】
Xの酸分解性基としては、例えば、式(I)のXとしての酸分解性基と同様である。
【0040】
21〜R32としてのフルオロアルキル基についての説明、好ましい具体例などは、式(I)におけるR11〜R16としてのフルオロアルキル基と同様である。
【0041】
以下に、一般式(IV)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、これらに限定するものではない。
【0042】
【化14】
Figure 0003955489
【0043】
次に、式(V)及び(VI)で表される繰り返し単位について説明する。
【0044】
【化15】
Figure 0003955489
【0045】
1及びR2は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、又はトリフルオロメチル基を表す。
Xは、水素原子又は酸分解性基を表す。
nは、1〜5の整数を表す。nが2〜5のとき、n個の基は同一でも異なっていてもよい。
41〜R46、R51〜R56は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフルオロアルキル基を表すが、R41〜R46の少なくとも一つ及びR51〜R56の少なくとも1つは水素原子ではない。
Xの酸分解性基は、例えば、式(I)のXとしての酸分解性基と同様である。R41〜R46、R51〜R56のフルオロアルキル基についての説明、好ましい具体例などは、式(I)におけるR11〜R16としてのフルオロアルキル基と同様である。
【0046】
以下に、一般式(V)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、これらに限定するものではない。
【0047】
【化16】
Figure 0003955489
【0048】
以下に、一般式(VI)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、これらに限定するものではない。
【0049】
【化17】
Figure 0003955489
【0050】
(A)成分の樹脂は、上記の繰り返し単位以外に、他の重合性モノマーを重合させてもよい。
(A)成分の樹脂は、酸の作用により分解しアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂(酸分解性樹脂)であり酸分解性基を有するが、酸分解性基を一般式(I)〜(VI)で表される繰り返し単位中に有していてもよいし、他の繰り返し単位中に有していてもよい。
【0051】
併用することができる共重合モノマーとしては、以下に示すものが含まれる。例えば、上記以外のアクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類、クロトン酸エステル類などから選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物である。
【0052】
具体的には、例えばアクリル酸エステル類、例えばアルキル(アルキル基の炭素原子数は1〜10のものが好ましい)アクリレート(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−t−オクチル、クロルエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート2,2−ジメチルヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、グリシジルアクリレート、ベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、など)アリールアクリレート(例えばフェニルアクリレートなど);
【0053】
メタクリル酸エステル類、例えば、アルキル(アルキル基の炭素原子数は1〜10のものが好ましい)メタクリレート(例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、クロルベンジルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、グリシジルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレートなど)、アリールメタクリレート(例えば、フェニルメタクリレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリレートなど);
【0054】
アクリルアミド類、例えば、アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、(アルキル基としては、炭素原子数1〜10のもの、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、ベンジル基などがある。)、N−アリールアクリルアミド(アリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、ニトロフェニル基、ナフチル基、シアノフェニル基、ヒドロキシフェニル基、カルボキシフェニル基などがある。)、N,N−ジアルキルアクリルアミド(アルキル基としては、炭素原子数1〜10のもの、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、イソブチル基、エチルヘキシル基、シクロヘキシル基などがある。)、N,N−ジアリールアクリルアミド(アリール基としては、例えばフェニル基などがある。)、N−メチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミドなど;
【0055】
メタクリルアミド類、例えば、メタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド(アルキル基としては、炭素原子数1〜10のもの、例えば、メチル基、エチル基、t−ブチル基、エチルヘキシル基、ヒドロキシエチル基、シクロヘキシル基などがある。)、N−アリールメタクリルアミド(アリール基としては、フェニル基などがある。)、N,N−ジアルキルメタクリルアミド(アルキル基としては、エチル基、プロピル基、ブチル基などがある。)、N,N−ジアリールメタクリルアミド(アリール基としては、フェニル基などがある。)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド、N−メチル−N−フェニルメタクリルアミド、N−エチル−N−フェニルメタクリルアミドなど;アリル化合物、例えば、アリルエステル類(例えば、酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリルなど)、アリルオキシエタノールなど;
【0056】
ビニルエーテル類、例えば、アルキルビニルエーテル(例えば、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテルなど)、ビニルアリールエーテル(例えばビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロルフェニルエーテル、ビニル−2,4−ジクロルフェニルエーテル、ビニルナフチルエーテル、ビニルアントラニルエーテルなど);
【0057】
ビニルエステル類、例えば、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルフェニルアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート、安息香酸ビニル、サルチル酸ビニル、クロル安息香酸ビニル、テトラクロル安息香酸ビニル、ナフトエ酸ビニルなど;
【0058】
スチレン類、例えば、スチレン、アルキルスチレン(例えば、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロヘキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロルメチルスチレン、トリフルオルメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレンなど)、アルコキシスチレン(例えば、メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレンなど)、ハロゲンスチレン(例えば、クロルスチレン、ジクロルスチレン、トリクロルスチレン、テトラクロルスチレン、ペンタクロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ヨードスチレン、フルオルスチレン、トリフルオルスチレン、2−ブロム−4−トリフルオルメチルスチレン、4−フルオル−3−トリフルオルメチルスチレンなど)、カルボキシスチレン、ビニルナフタレン;
【0059】
クロトン酸エステル類、例えば、クロトン酸アルキル(例えば、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシル、グリセリンモノクロトネートなど);イタコン酸ジアルキル類(例えば、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなど);マレイン酸あるいはフマール酸のジアルキルエステル類(例えば、ジメチルマレレート、ジブチルフマレートなど)、無水マレイン酸、マレイミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイロニトリル等がある。その他、一般的には共重合可能である付加重合性不飽和化合物であればよい。
【0060】
上記具体例で表される繰り返し構造単位は、各々1種で使用しても良いし、複数を混合して用いても良い。
【0061】
(A)成分の樹脂において、一般式(I)〜(VI)で表される繰り返し単位の含量は、総量として、一般に30〜100モル%、好ましくは50〜100モル%、更に好ましくは70〜100モル%である。
酸分解性基を有する繰り返し単位の含量は、一般に5〜60モル%、好ましくは10〜50モル%、更に好ましくは15〜35モル%である。
【0062】
上記の樹脂は、通常のラジカル重合法により合成することができる。
上記繰り返し構造単位を有する本発明の樹脂(A)の好ましい分子量は、重量平均で1,000〜200,000であり、更に好ましくは5000〜30000の範囲で使用される。分子量分散度(Mw/Mn)は1〜10であり、好ましくは1〜3、更に好ましくは1.1〜2.0の範囲のものが使用される。分子量分散度の小さいものほど、解像度、レジスト形状、及びレジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
【0063】
分子量分散度を下げる方法としては、通常のラジカル重合で得られたポリマーを、良溶剤に溶かしたのち、貧溶剤を添加して分子量の低い成分を分別する方法、あるいはリビングラジカル重合法などのリビング重合法による方法があり、いずれも好適に使用できる。リビングラジカル重合法としてはジョージらのニトロキシドを用いる方法、金属錯体を用いる澤本やマチャウフスキーらの方法など、いずれも用いることができる。またパターンのラフネスが良化するという観点から、上記通常のラジカル重合法においては、滴下重合法(ラジカル重合開始剤の存在下でモノマーをラジカル重合させている際に、さらにモノマーを連続的または断続的に加えるラジカル重合の方法)の適用が好ましい。滴下重合法においては、最初に反応容器に仕込むモノマーの種類および組成と、ラジカル重合進行中に後から添加するモノマーの種類および組成は同じであっても、異なっていても良い。また重合開始剤についても後から添加するモノマーとともに更に追加していく方法を利用すると、未反応で残存するモノマーを低減できるので好ましい。
【0064】
以下、(A)成分の樹脂の具体例を示すが、本発明はこれに限定されない。以下において、tBocは、t-ブトキシカルボニル基を表す。
【0065】
【化18】
Figure 0003955489
【0066】
【化19】
Figure 0003955489
【0067】
【化20】
Figure 0003955489
【0068】
本発明の樹脂(A)の添加量は組成物の全固形分を基準として、一般的に50〜99.5重量%、好ましくは80〜99重量%、更に好ましくは90〜98重量%の範囲で使用される。
【0069】
〔2〕活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B成分)
本発明のポジ型レジスト組成物は、活性光線又は放射線、特にF2エキシマレーザー光の照射により、酸を発生する化合物を含有する。
活性光線又は放射線の照射により、酸を発生する化合物としては、一般に、活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物(光酸発生剤)として使用されている化合物の中から選択することができる。
即ち、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている公知の光(400〜200nmの紫外線、遠紫外線、特に好ましくは、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光)、ArFエキシマレーザー光、F2エキシマレーザー光、電子線、X線、分子線又はイオンビームにより酸を発生する化合物及びそれらの混合物から適宜選択して使用することができる。
【0070】
このような化合物としては、たとえば S. I. Schlesinger, Photogr. Sci. Eng., 18, 387 (1974)、T. S. Bal et al, Polymer, 21, 423(1980)等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号、同 Re 27,992号、特開平3-140140号等に記載のアンモニウム塩、D. C. Necker et al, Macromolecules, 17, 2468(1984)、C. S. Wen et al, Teh, Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478 Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号等に記載のホスホニウム塩、J. V. Crivello et al, Macromorecules, 10(6), 1307(1977)、Chem. & Eng. News, Nov. 28, p31(1988)、欧州特許第104,143号、同339,049号、同第410,201号、特開平2-150848号、特開平2-296514 号等に記載のヨードニウム塩、J. V. Crivello et al, Polymer J. 17, 73(1985)、J. V. Crivello et al., J. Org. Chem., 43, 3055(1978)、W. R. Watt et al, J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 22, 1789(1984)、J. V. Crivello et al, Polymer Bull., 14, 279(1985)、J. V. Crivello et al, Macromorecules, 14(5), 1141(1981)、J. V. Crivello et al, J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 17, 2877(1979)、欧州特許第370,693号、同161,811号、同410,201号、同339,049号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同3,902,114号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、獨国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号等に記載のスルホニウム塩、J. V. Crivello et al, Macromorecules, 10(6), 1307(1977)、J. V. Crivello et al, J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 17, 1047(1979)等に記載のセレノニウム塩、C. S. Wen et al, Teh, Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478 Tokyo, Oct(1988)等に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩、米国特許第3,905,815号、特公昭46-4605号、特開昭48-36281号、特開昭55-32070号、特開昭60-239736号、特開昭61-169835号、特開昭61-169837号、特開昭62-58241号、特開昭62-212401号、特開昭63-70243号、特開昭63-298339号等に記載の有機ハロゲン化合物、K. Meier et al, J. Rad. Curing, 13(4), 26(1986)、T. P. Gill et al, Inorg. Chem., 19, 3007(1980)、D. Astruc, Acc. Chem. Res., 19(12), 377(1896)、特開平2-161445号等に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、S. Hayase et al, J. Polymer Sci., 25, 753(1987)、E. Reichmanis et al, J. Pholymer Sci., Polymer Chem. Ed., 23, 1(1985)、Q. Q. Zhuetal, J. Photochem., 36, 85, 39, 317(1987)、B. Amit et al, Tetrahedron Lett.,(24)2205(1973)、D. H. R. Barton et al, J. Chem Soc., 3571(1965)、P. M. Collins et al, J. Chem. Soc., Perkin I, 1695(1975)、M. Rudinstein et al, Tetrahedron Lett., (17), 1445(1975)、J. W. Walker et al, J. Am. Chem. Soc., 110, 7170(1988)、S. C. Busman et al, J. Imaging Technol., 11(4), 191(1985)、H. M. Houlihan et al, Macromolecules, 21, 2001(1988)、 P. M.Collins et al, J. Chem. Soc., Chem. Commun., 532(1972)、S. Hayase et al, Macromolecules, 18, 1799(1985)、E. Reichmanis et al, J. Electrochem. Soc., Solid State Sci. Technol., 130(6)、F. M. Houlihan et al, Macromolcules, 21,2001(1988)、欧州特許第0290,750号、同046,083号、同156,535号、同271,851号、同0,388,343号、米国特許第3,901,710号、同4,181,531号、特開昭60-198538号、特開昭53-133022号等に記載の0−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、M.TUNOOKA et al, Polymer Preprints Japan, 35(8)、G. Berner et al, J. Rad. Curing, 13(4)、 W. J. Mijs et al, Coating Technol., 55(697),45(1983), Akzo、H. Adachi et al, Polymer Preprints, Japan, 37(3)、欧州特許第0199,672号、同84515号、同044,115号、同618,564号、同0101,122号、米国特許第4,371,605号、同4,431,774 号、特開昭64-18143号、特開平2-245756号、特開平3-140109号等に記載のイミノスルフォネ−ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、特開昭61-166544号等に記載のジスルホン化合物等を挙げることができる。
【0071】
本発明に於いては、活性光線又は放射線の照射により、酸を発生する化合物として、活性光線又は放射線の照射により有機スルホン酸を発生する化合物(B1)が好ましい。
活性光線又は放射線の照射により有機スルホン酸を発生する化合物(B1)としては、活性光線又は放射線の照射によりフッ素含有スルホン酸を発生する化合物(B1a)と、活性光線又は放射線の照射によりフッ素非含有スルホン酸を発生する化合物(B1b)とを挙げることができる。
【0072】
〔B1a〕活性光線又は放射線の照射によりフッ素含有スルホン酸を発生する化合物
活性光線又は放射線の照射によりフッ素含有スルホン酸を発生する化合物としては、例えば、下記の一般式(PAG3)で表されるヨードニウム塩、または一般式(PAG4)で表されるスルホニウム塩を挙げることができる。
【0073】
【化21】
Figure 0003955489
【0074】
式中、Ar1、Ar2は、各々独立に、置換もしくは未置換のアリール基を示す。R203、R204、R205は、各々独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。
-は、少なくとも1つのフッ素原子を有するスルホン酸アニオンを示す。
またR203、R204、R205のうちの2つおよびAr1、Ar2はそれぞれの単結合または置換基を介して結合してもよい。
Ar1、Ar2、R203、R204、R205としてのアリール基としては、好ましくは、炭素数6〜14のアリール基、アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基である。
好ましい置換基としては、アリール基に対しては炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜9のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜9のアルキルカルボニルアミノ基、ニトロ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子及びフェニルチオ基であり、アルキル基に対しては炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数5〜14のアリール基、炭素数6〜15のアリールカルボニル基、カルボキシル基及びハロゲン原子を挙げることができる。
【0075】
-のスルホン酸アニオンとしては、好ましくは、少なくとも1つのフッ素原子を有する炭素数1〜20の脂肪族炭化水素及び炭素数5〜20の芳香族炭化水素を挙げることができる。これらは置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、炭素数1〜10のフッ素置換していてもよいアルコキシ基、炭素数2〜11のフッ素置換していてもよいアルコキシカルボニル基、フェニルアミノ基、フェニルカルボニル基、ハロゲン原子、水酸基を挙げることができる。芳香族炭化水素に対しては、さらに炭素数1〜15のアルキル基を挙げることができる。
尚、脂肪族スルホン酸アニオンについては、特に、フッ素原子をスルホン酸のα炭素原子上に有するアニオンは、酸強度が高く、フッ素原子を有さないアニオンに対して容易に塩交換を行う傾向にある。また、パーフルオロ脂肪族スルホン酸は更に酸強度が高い。
【0076】
以下に具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0077】
【化22】
Figure 0003955489
【0078】
【化23】
Figure 0003955489
【0079】
【化24】
Figure 0003955489
【0080】
【化25】
Figure 0003955489
【0081】
【化26】
Figure 0003955489
【0082】
【化27】
Figure 0003955489
【0083】
【化28】
Figure 0003955489
【0084】
【化29】
Figure 0003955489
【0085】
【化30】
Figure 0003955489
【0086】
〔B1b〕活性光線または放射線の照射によりフッ素非含有スルホン酸を発生する化合物
活性光線または放射線の照射によりフッ素非含有スルホン酸を発生する化合物としては、例えば、先の一般式(PAG3)及び(PAG4)において、Z-がフッ素原子を有しないスルホン酸アニオンであるヨードニウム塩及びスルホニウム塩を挙げることができる。
【0087】
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0088】
【化31】
Figure 0003955489
【0089】
【化32】
Figure 0003955489
【0090】
【化33】
Figure 0003955489
【0091】
【化34】
Figure 0003955489
【0092】
【化35】
Figure 0003955489
【0093】
【化36】
Figure 0003955489
【0094】
【化37】
Figure 0003955489
【0095】
また、下記一般式(PAG5)で表されるジスルホン誘導体または一般式(PAG6)で表されるイミノスルホネート誘導体を挙げることができる。
【0096】
【化38】
Figure 0003955489
【0097】
式中、Ar3、Ar4は各々独立に置換もしくは未置換のアリール基を示す。R206は置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。Aは置換もしくは未置換のアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基を示す。
【0098】
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0099】
【化39】
Figure 0003955489
【0100】
【化40】
Figure 0003955489
【0101】
【化41】
Figure 0003955489
【0102】
また、下記一般式(PAG7)で表されるジアゾジスルホン誘導体を挙げることができる。
【0103】
【化42】
Figure 0003955489
【0104】
式中、Rは、直鎖、分岐又は環状アルキル基、あるいは置換していてもよいアリール基を表す。
【0105】
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0106】
【化43】
Figure 0003955489
【0107】
上記〔B1a〕及び〔B1b〕の化合物は、過ヨウ素酸塩を用いて芳香族化合物を反応させ、得られたヨードニウム塩を対応するスルホン酸に塩交換することにより合成可能である。
また、アリールマグネシウムブロミドなどのアリールグリニャール試薬と置換又は無置換のフェニルスルホキシドを反応させ、得られたトリアリールスルホニウムハライドを対応するスルホン酸と塩交換する方法で合成できる。また、置換又は無置換のフェニルスルホキシドと対応する芳香族化合物をメタンスルホン酸/五酸化二リンあるいは塩化アルミニウムなどの酸触媒を用いて縮合、塩交換する方法、ジアリールヨードニウム塩とジアリールスルフィドを酢酸銅などの触媒を用いて縮合、塩交換する方法などによって合成できる。
塩交換は、いったんハライド塩に導いた後に酸化銀などの銀試薬を用いてスルホン酸塩に変換する方法、あるいはイオン交換樹脂を用いることでも塩交換できる。また、塩交換に用いるスルホン酸あるいはスルホン酸塩は、市販のものを用いるか、あるいは市販のスルホン酸ハライドの加水分解などによって得ることができる。
【0108】
本発明に於いては、活性光線又は放射線の照射により有機スルホン酸を発生する化合物(B1)と共に、酸の作用により分解してカルボン酸を発生する化合物若しくはアニオンとしてカルボン酸を有する化合物(B2)を使用することが好ましい。
酸の作用により分解してカルボン酸を発生する化合物若しくはアニオンとしてカルボン酸を有する化合物(B2)としては、酸の作用により分解してフッ素含有カルボン酸を発生する化合物若しくはアニオンとしてフッ素含有カルボン酸を有する化合物(B2a)と、酸の作用により分解してフッ素非含有カルボン酸を発生する化合物若しくはアニオンとしてフッ素非含有カルボン酸を有する化合物(B2b)とを挙げることができる。
【0109】
〔B2a〕酸の作用により分解してフッ素含有カルボン酸を発生する化合物及びアニオンとしてフッ素含有カルボン酸を有するイオン性化合物
フッ素含有カルボン酸としては、フッ素置換された脂肪族カルボン酸と、フッ素置換された芳香族カルボン酸を挙げることができる。
【0110】
フッ素置換された脂肪族カルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、イソ酪酸、バレリアン酸、トリメチル酢酸、カプロン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸等の脂肪族カルボン酸のフッ素置換物が挙げられる。これらは、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン原子を置換基として有していてもよい。また、その脂肪族鎖の中に酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、カルボキシル基、スルホニル基などの連結基を含んでいるものが好ましい。
好ましいフッ素置換された脂肪族カルボン酸として、下記の一般式で表されるものを挙げることができる。
L−(CH2)p(CF2)q(CH2)r−COOH
一般式中、Lは、水素原子又はフッ素原子を表す。p及びrは、各々独立に0〜15の整数、qは1〜15の整数を表す。この一般式におけるアルキル鎖の水素原子又はフッ素原子は、フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基(好ましくは炭素数1〜5)、フッ素原子で置換されていてもよいアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5)、または、水酸基で置換されていてもよい。
上記フッ素置換された脂肪族カルボン酸としては、好ましくはその炭素数が2〜20、より好ましくは4〜20である飽和脂肪族カルボン酸のフッ素置換物であることが好ましい。この炭素数を4個以上とすることで、発生するカルボン酸分解性の拡散性が低下し、露光から後加熱までの経時による線幅変化をより抑制できる。なかでも、炭素数4〜18個の直鎖又は分岐飽和脂肪族カルボン酸のフッ素置換物が好ましい。
【0111】
フッ素置換された芳香族族カルボン酸としては、炭素数が7〜20、より好ましくは7〜15であり、更に好ましくは7〜11である芳香族カルボン酸のフッ素置換物であることが好ましい。具体的には、安息香酸、置換安息香酸、ナフトエ酸、置換ナフトエ酸、アントラセンカルボン酸、置換アントラセンカルボン酸(ここで、置換基としてはアルキル基、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、アリール基、アシル基、アシルオキシ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリールチオ基が挙げられる)等の芳香族カルボン酸のフッ素置換物が挙げられる。なかでも、安息香酸、置換安息香酸のフッ素置換物が好ましい。
【0112】
これらフッ素原子で置換された脂肪族或いは芳香族のカルボン酸は、カルボキシル基以外の骨格に存在する水素原子の1個以上がフッ素原子で置換されたものであり、特に好ましくはカルボキシル基以外の骨格に存在する水素原子すべてがフッ素原子で置換された脂肪族或いは芳香族のカルボン酸(パーフルオロ飽和脂肪族カルボン酸あるいはパーフルオロ芳香族カルボン酸)である。これにより、感度が一層優れるようになる。
尚、脂肪族カルボン酸アニオンについては、特に、フッ素原子をカルボン酸のα炭素原子上に有するアニオンは、酸強度が高く、フッ素原子を有さないカルボン酸アニオンに対して容易に塩交換を行う傾向にある。また、パーフルオロ脂肪族カルボン酸は更に酸強度が高い。
【0113】
酸の作用により分解してフッ素含有カルボン酸を発生する化合物としては、上記のようなフッ素原子で置換された脂肪族或いは芳香族のカルボン酸のアニオンをカウンターアニオンとして有するオニウム塩化合物(スルホニウム塩、ヨードニウム塩等)、カルボン酸エステル基を有するイミドカルボキシレート化合物或いはニトロベンジルエステル化合物等が挙げられる。
より好ましくは下記一般式(I)〜(III)で表される化合物が挙げられる。これにより、感度、解像力、露光マージンが一層優れるようになる。この化合物は、酸の作用により分解して一般式(I)〜(III)のX-に相当する少なくとも1つのフッ素原子で置換された飽和脂肪族或いは芳香族のカルボン酸を発生する。
【0114】
【化44】
Figure 0003955489
【0115】
(上記式中、R1 〜R37は、各々独立に、水素原子、直鎖、分岐あるいは環状アルキル基、直鎖、分岐あるいは環状アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、または−S−R38基を表す。ここでR38は直鎖、分岐、環状アルキル基またはアリール基を表す。X-は、少なくとも1つのフッ素原子で置換された脂肪族あるいは芳香族のカルボン酸のアニオンである。)
-は、好ましくはパーフルオロ脂肪族カルボン酸あるいはパーフルオロ芳香族カルボン酸のアニオンであり、特に好ましくは炭素数4個以上のフッ素置換アルキルカルボン酸のアニオンである。
【0116】
一般式(I)〜(III)における、R1〜R38の直鎖、分岐アルキル基としては、置換基を有してもよい、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基のような炭素数1〜4個のものが挙げられる。環状アルキル基としては、置換基を有してもよい、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような炭素数3〜8個のものが挙げられる。
1〜R37のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基のような炭素数1〜4個のものが挙げられる。
1〜R37のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。
38のアリール基としては、フェニル基、トリル基、メトキシフェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜14個のものが挙げられる。アリール基は置換基を有してもよい。
これらの置換基として好ましくは、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、沃素原子)、炭素数6〜10個のアリール基、炭素数2〜6個のアルケニル基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基等が挙げられる。
【0117】
本発明で使用される一般式(I)〜(III)で表されるヨードニウム化合物あるいはスルホニウム化合物は、その対アニオンX-として、少なくとも1つのフッ素原子で置換された飽和脂肪族あるいは芳香族のカルボン酸のアニオンを有する。これらのアニオンは、該カルボン酸(−COOH)の水素原子が離脱したアニオン(−COO-)である。
【0118】
以下に、具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
一般式(I)で表される化合物の具体例(I−1f)〜(I〜36f):
【0119】
【化45】
Figure 0003955489
【0120】
一般式(II)で表される化合物の具体例(II−1f)〜(II〜67f):
【化46】
Figure 0003955489
【0121】
【化47】
Figure 0003955489
【0122】
【化48】
Figure 0003955489
【0123】
【化49】
Figure 0003955489
【0124】
一般式(III)で表される化合物の具体例(III−1f)〜(III〜4f):
【0125】
【化50】
Figure 0003955489
【0126】
その他の化合物の具体例(IV−1f)〜(V〜4f):
【0127】
【化51】
Figure 0003955489
【0128】
上記一般式(I)で表される化合物は、過ヨウ素酸塩を用いて芳香族化合物を反応させ、得られたヨードニウム塩を対応するカルボン酸に塩交換することにより合成可能である。
一般式(II)、一般式(III)で表される化合物は、例えば、アリールマグネシウムブロミドなどのアリールグリニャール試薬と置換又は無置換のフェニルスルホキシドを反応させ、得られたトリアリールスルホニウムハライドを対応するカルボン酸と塩交換する方法で合成できる。また、置換又は無置換のフェニルスルホキシドと対応する芳香族化合物をメタンスルホン酸/五酸化二リンあるいは塩化アルミニウムなどの酸触媒を用いて縮合、塩交換する方法、ジアリールヨードニウム塩とジアリールスルフィドを酢酸銅などの触媒を用いて縮合、塩交換する方法などによって合成できる。
塩交換は、いったんハライド塩に導いた後に酸化銀などの銀試薬を用いてカルボン酸塩に変換する方法、あるいはイオン交換樹脂を用いることでも塩交換できる。また、塩交換に用いるカルボン酸あるいはカルボン酸塩は、市販のものを用いるか、あるいは市販のカルボン酸ハライドの加水分解などによって得ることができる。
【0129】
アニオン部分としてのフッ素置換されたカルボン酸は、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)もしくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれるものを用いたものも好ましい。これらのフルオロ脂肪族化合物の製造法に関しては、例えば、「フッ素化合物の合成と機能」(監修:石川延男、発行:株式会社シーエムシー、1987)の117〜118ページや、「Chemistry of Organic Fluorine Compounds II」(Monograph 187,Ed by Milos Hudlicky and Attila E. Pavlath, American Chemical Society 1995)の747−752ページに記載されている。テロメリゼーション法とは、沃化物等の連鎖移動常数の大きいアルキルハライドをテローゲンとして、テトラフルオロエチレン等のフッ素含有ビニル化合物のラジカル重合を行い、テロマーを合成する方法である(Scheme-1に例を示した)。テロマー法による合成においては炭素鎖長の異なる複数の化合物の混合物が得られるが、これを混合物のまま使用してもよいし、精製して用いてもよい。
【0130】
〔B2b〕酸の作用により分解してフッ素非含有カルボン酸を発生する化合物及びアニオンとしてフッ素非含有カルボン酸を有するイオン性化合物
酸の作用により分解してフッ素非含有カルボン酸を発生する化合物及びアニオンとしてフッ素非含有カルボン酸を有するイオン性化合物としては、例えば、下記一般式(AI)〜(AV)で示される化合物を挙げることができる。
【0131】
【化52】
Figure 0003955489
【0132】
上記式において、R301 〜R337は、各々独立に水素原子、直鎖、分岐あるいは環状アルキル基、直鎖、分岐あるいは環状アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、または−S−R0基を表す。R0は直鎖、分岐、環状アルキル基またはアリール基を表す。
Ra、Rbは、各々独立に水素原子、ニトロ基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい、アルキル基、アルコキシ基を表す。Rc、Rdは、各々独立にハロゲン原子、置換基を有していてもよい、アルキル基又はアリール基を表す。RcとRdとが結合して芳香環、単環あるいは多環の環状炭化水素(これらの環内には酸素原子、窒素原子を含んでいてもよい)を形成してもよい。Y1、Y2は、炭素原子を表し、Y1−Y2結合は、単結合でも2重結合でもよい。上記X-は、下記式で示されるカルボン酸化合物がアニオンになったものを表す。X1、X2は、各々独立に、下記式で示されるカルボン酸化合物がカルボキシル基部分でエステル基となったものを表す。
【0133】
【化53】
Figure 0003955489
【0134】
【化54】
Figure 0003955489
【0135】
上記式中、R338は、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状あるいは環状のアルキル基(ここで、アルキル基の鎖中に酸素原子、窒素原子を含んでいてもよい)、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルケニル基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキニル基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状あるいは環状のアルコキシル基、前記アルキル基の水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子および/または水酸基で置換された基、前記アルケニル基の水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子および/または水酸基で置換された基、あるいは炭素数6〜20の置換もしくは非置換のアリール基を示す。ここで、アリール基の置換基としてはアルキル基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子を挙げることができる。
【0136】
339は、単結合あるいは、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状あるいは環状のアルキレン基(ここで、アルキレン基の鎖中に酸素原子、窒素原子を含んでいてもよい)、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルケニレン基、前記アルキレン基の水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子および/または水酸基で置換された基、前記アルケニレン基の水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子で置換された基、あるいは炭素数2〜20のアルコキアルキレン基を示し、複数存在するR338、R339は相互に同一でも異なってもよい。
【0137】
340は水酸基またはハロゲン原子を示し、複数存在するR340は相互に同一でも異なってもよい。m、n、pおよびqは各々独立に、0〜3の整数で、m+n≦5、p+q≦5である。zは0または1である。
【0138】
前記一般式(AI)〜(AV)における、R301〜R337、Ra、Rb、Rc、Rd、R0における直鎖、分岐アルキル基としては、置換基を有してもよい、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基のような炭素数1〜4個のものが挙げられる。環状アルキル基としては、置換基を有してもよい、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような炭素数3〜8個のものが挙げられる。
301〜R337、Ra、Rbのアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基のような炭素数1〜4個のものが挙げられる。
301〜R337、Ra、Rb、Rc、Rdのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。
0、Rc、Rdのアリール基としては、フェニル基、トリル基、メトキシフェニル基、ナフチル基のような置換基を有してもよい炭素数6〜14個のものが挙げられる。
これらの置換基として好ましくは、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、沃素原子)、炭素数6〜10個のアリール基、炭素数2〜6個のアルケニル基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基等が挙げられる。
【0139】
RcとRdとが結合して形成する、芳香環、単環あるいは多環の環状炭化水素(これらの環内には酸素原子、窒素原子を含んでいてもよい)としては、ベンゼン構造、ナフタレン構造、シクロヘキサン構造、ノルボルネン構造、オキサビシクロ構造等が挙げられる。
【0140】
本発明で使用される一般式(AI)〜(AIII)で表されるスルホニウム、ヨードニウム化合物は、その対アニオンX-として、上記式(C1)〜(C10)で示されるカルボン酸化合物のうち少なくとも1種の化合物のカルボキシル基(−COOH)がアニオン(−COO-)となったものを含む。
本発明で使用される一般式(AIV)〜(AV)で表される化合物は、置換基X1、X2として、上記式(C1)〜(C10)で示されるカルボン酸化合物のうち少なくとも1種の化合物のカルボキシル基(−COOH)がエステル基(−COO−)となった置換基を含む。
【0141】
338における、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状あるいは環状のアルキル基(ここで、アルキル基の鎖中に酸素原子、窒素原子を含んでいてもよい)としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ドデシル、1−エトキシエチル、アダマンチル等が挙げられる。
炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルケニル基としては、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、シクロヘキセン等が挙げられる。
炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキニル基としては、アセチレン、プロペニレン等が挙げられる。
炭素数1〜20の直鎖状、分岐状あるいは環状のアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ、イソブトキシ、ドデシルオキシ等が挙げられる。
炭素数6〜20の置換もしくは非置換のアリール基としては、フェニル、ナフチル、アントラニル等が挙げられる。
アリール基の置換基としてはアルキル基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子を挙げることができる。
【0142】
339における、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状あるいは環状のアルキレン基(ここで、アルキレン基の鎖中に酸素原子、窒素原子を含んでいてもよい)、としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、エトキシエチレン、シクロヘキシレン等が挙げられる。
炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルケニレン基としては、ビニレン、アリレン等が挙げられる。
【0143】
具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0144】
【化55】
Figure 0003955489
【0145】
【化56】
Figure 0003955489
【0146】
【化57】
Figure 0003955489
【0147】
【化58】
Figure 0003955489
【0148】
【化59】
Figure 0003955489
【0149】
一般式(AI)、一般式(AII)、一般式(AIII)で表される化合物は、米国特許第3,734,928号明細書に記載の方法、Macromolecules, vol. 10, 1307(1977), Journal of Organic Chemistry, vol. 55, 4222(1990), J. Radiat. Curing, vol. 5(1), 2(1978) に記載の方法などを用い、更にカウンターアニオンを交換することにより合成できる。一般式(AIV)、一般式(AV)で表される化合物は、N−ヒドロキシイミド化合物とカルボン酸クロリドを塩基性条件で反応させる、あるいはニトロベンジルアルコールとカルボン酸クロリドを塩基性条件下反応させることにより得られる。
【0150】
B1a成分とB1b成分との添加量の重量比、または、B1成分とB2成分の添加量の重量比は、通常1/1〜100/0、好ましくは1/1〜10/1、特に好ましくは2/1〜5/1である。
B1成分とB2成分の合計量は、組成物全固形分に対し、通常0.5〜20重量%、好ましくは0.75〜15重量%、より好ましくは1〜10重量%の範囲である。B1成分及びB2成分は各々複数種含有してもよい。
【0151】
〔3〕カルボキシル基を有する化合物(D成分)
本発明において(D)成分として使用される、少なくとも一つのカルボキシル基を有する化合物は、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸のいずれであっても良い。また、それぞれの多価カルボン酸であっても良い。
このような化合物としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、バレル酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ラウリル酸、トリデカン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ステアリル酸等の鎖状カルボン酸、
オキザル酸、マロン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ブチルマロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、ジメチルコハク酸、エチルメチルコハク酸、グルタル酸、メチルグルタル酸、アジピン酸、メチルアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸等のジカルボン酸、
シクロヘキサンカルボン酸、ジシクロヘキシル酢酸、シクロヘキシル酢酸、メチルシクロヘキサンカルボン酸、2−ノルボルナン酢酸、4−ペンチルビシクロオクタン−1−カルボン酸、ノルアダマンタンカルボン酸、1−アダマンタンカルボン酸、ケトピン酸、アビエチン酸等の脂環基を有するカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、シクロヘキサンジ酢酸、シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−アダマンタンジカルボン酸、1,3−アダマンタンジ酢酸、ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸等の脂環基を有するジカルボン酸、
パーフルオロヘキサン酸、パーフルオロペプタン酸、パーフルオロオクタン酸、パーフルオロノナン酸、パーフルオロデカン酸、パーフルオロ−2,5,8−トリメチル−3,6,9−トリオキサドデカン酸、パーフルオロ−2,5,8,11−テトラメチル−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカン酸、5H−オクタフルオロバレル酸、7H−ドデカフルオロヘプタン酸、9H−ヘキサデカフルオロノナン酸等の含フッ素カルボン酸、及び、
テトラフルオロコハク酸、ヘキサフルオログルタル酸、オクタフルオロアジピン酸、パーフルオロセバシン酸等の含フッ素ジカルボン酸
が挙げられる。
なお、樹脂(A)が、アセタール基を含有する場合は、含フッ素カルボン酸、含フッ素ジカルボン酸はアセタール基を分解させる可能性があるので好ましくない。
以上の内で好ましいものは、分子量が150〜300の、脂環基を有するカルボン酸もしくは脂環基を有するジカルボン酸、あるいは、分子量が290〜400の、含フッ素カルボン酸もしくは含フッ素ジカルボン酸である。分子量が小さすぎると、加熱ベーク工程でレジスト膜から揮発してしまう。一方、分子量が大きすぎると、レジスト溶剤への溶解性が不足する。
さらにカルボキシル基のβ炭素にフッ素原子を有するものは、157nmにおける吸光度が小さいため、157nm用レジストに用いた場合、透明性の観点から有利である。
これらのカルボキシル基を有する化合物は、フッ素原子を含有するバインダーからの相分離を経てレジスト膜の最表面に偏在化し、バインダー中のフッ素原子に由来する撥水性を低減することで、アルカリ性現像液との親和性を向上させているものと推定される。
カルボキシル基を有する化合物の添加量は、樹脂の全量に対して1〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは2〜5重量%である。添加量が多すぎると現像時に膜減りを起こし、反対に少なすぎると本発明の効果が十分得られない。
【0152】
〔4〕有機塩基性化合
本発明の組成物には、活性光線又は放射線の照射後、加熱処理までの経時による性能変動(パターンのT−top形状形成、感度変動、パターン線幅変動等)や塗布後の経時による性能変動、更には活性光線又は放射線の照射後、加熱処理時の酸の過剰な拡散(解像度の劣化)を防止する目的で、有機塩基性化合物を添加する。有機塩基性化合物としては、例えば塩基性窒素を含有する有機塩基化合物であり、共役酸のpKa値で4以上の化合物が好ましく使用される。
具体的には下記式(A)〜(E)の構造を挙げることができる。
【0153】
【化60】
Figure 0003955489
【0154】
ここで、R250 、R251 及びR252 は、同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜6個のアルキル基、炭素数1〜6個のアミノアルキル基、炭素数1〜6個のヒドロキシアルキル基又は炭素数6〜20個の置換もしくは非置換のアリール基を表し、ここで、R251とR252は、互いに結合して環を形成してもよい。R253 、R254 、R255 及びR256 は、同一でも異なってもよく、炭素数1〜6個のアルキル基を表す。
更に好ましい化合物は、一分子中に異なる化学的環境の窒素原子を2個以上有する含窒素塩基性化合物であり、特に好ましくは、置換もしくは未置換のアミノ基と窒素原子を含む環構造の両方を含む化合物もしくはアルキルアミノ基を有する化合物である。
【0155】
好ましい具体例としては、置換もしくは未置換のグアニジン、置換もしくは未置換のアミノピリジン、置換もしくは未置換のアミノアルキルピリジン、置換もしくは未置換のアミノピロリジン、置換もしくは未置換のインダゾール、イミダゾール、置換もしくは未置換のピラゾール、置換もしくは未置換のピラジン、置換もしくは未置換のピリミジン、置換もしくは未置換のプリン、置換もしくは未置換のイミダゾリン、置換もしくは未置換のピラゾリン、置換もしくは未置換のピペラジン、置換もしくは未置換のアミノモルフォリン、置換もしくは未置換のアミノアルキルモルフォリン等が挙げられる。好ましい置換基は、アミノ基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、アミノアリール基、アリールアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、水酸基、シアノ基である。
【0156】
特に好ましい化合物として、グアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3,−テトラメチルグアニジン、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピリジン、
【0157】
3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、N−アミノモルフォリン、N−(2−アミノエチル)モルフォリンなどが挙げられるがこれに限定されるものではない。
これらの含窒素塩基性化合物は、単独であるいは2種以上一緒に用いられる。
【0158】
酸発生剤と有機塩基性化合物の組成物中の使用割合は、(酸発生剤)/(有機塩基性化合物)(モル比)=2.5〜300であることが好ましい。該モル比が2.5未満では低感度となり、解像力が低下する場合があり、また、300を越えると露光後加熱処理までの経時でレジストパターンの太りが大きくなり、解像力も低下する場合がある。(酸発生剤)/(有機塩基性化合物)(モル比)は、好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。
【0159】
〔5〕界面活性剤
本発明の組成物は、界面活性剤、特にフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤を含有することが好ましい。すなわち、本発明の組成物には、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤及びフッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましい。これらフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤の添加は、現像欠陥の抑制及び塗布性の向上に効果を有する。
【0160】
これらの界面活性剤として、例えば特開昭62-36663号、特開昭61-226746号、特開昭61-226745号、特開昭62-170950号、特開昭63-34540号、特開平7-230165号、特開平8-62834号、特開平9-54432号、特開平9-5988号、米国特許5405720号、米国特許5360692号、米国特許5529881号、米国特許5296330号、米国特許5436098号、米国特許5576143号、米国特許5296143号、米国特許5294511号、及び、米国特許5824451号記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
このような市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、EF352(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル社製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
【0161】
界面活性剤の配合量は、本発明の組成物中の固形分を基準として、通常0.001重量%〜2重量%、好ましくは0.01重量%〜1重量%である。これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また、いくつかの組み合わせで添加することもできる。
【0162】
〔6〕その他の成分
(1)溶剤類
本発明の組成物は、上記各成分を溶解する溶媒に溶かして支持体上に塗布する。ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等が好ましく、これらの溶媒を単独あるいは混合して使用する。
本発明の組成物の固形分濃度として、一般的に3〜20重量%、好ましくは4〜15重量%、更に好ましくは5〜10重量%である。
【0163】
精密集積回路素子の製造などにおいてレジスト膜上へのパターン形成工程は、基板(例:シリコン/二酸化シリコン皮覆、ガラス基板、ITO基板等の透明基板等)上に、本発明の組成物を塗布し、次に活性光線又は放射線描画装置を用いて照射を行い、加熱、現像、リンス、乾燥することにより良好なレジストパターンを形成することができる。
【0164】
本発明の組成物の現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノーアミン等のアルコ−ルアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類、等のアルカリ類の水溶液を使用することができる。更に、上記アルカリ類の水溶液にイソプロピルアルコール等のアルコール類、ノニオン系等の界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
これらの現像液の中で好ましくは第四アンモニウム塩、更に好ましくは、テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド、コリンである。
【0165】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。
【0166】
<樹脂の合成>
α−トリフルオロメチルアクリル酸t−ブチルエステル20g及び3−(5−ビシクロ[2.2.1]ペンテン−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−2−プロパン−2−オール20gをTHF40gに溶解、窒素気流下70℃まで加熱した。そこへ、アゾ系重合開始剤V−65(和光純薬工業社製)2.0gを添加した。
別途α−トリフルオロメチルアクリル酸t−ブチルエステル20g及び3−(5−ビシクロ[2,2,1]ペンテン−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−2−プロパン−2−オール20g及びV−65(和光純薬工業社製)2.0gをTHF40gに溶かした溶液を準備し、それを重合が進行している反応溶液に4時間かけて滴下、さらに70℃にて6時間反応させた。反応液を室温に戻した後、反応液にヘキサン300mlに添加、析出した樹脂を回収した。得られた樹脂をアセトン50gに溶解した後、再度ヘキサン500mlに添加して未反応モノマーおよびオリゴマー成分を除去し先に例示した樹脂(B−1)を得た。
以下、同様にして先に例示した(B−2)〜(B−23)の樹脂を合成した。得た樹脂について、GPCにて分子量測定を行い、また分散度(Mw/Mn)を求めた。結果を表1に示す。
【0167】
【表1】
Figure 0003955489
【0168】
<B成分の合成>
合成例1 (トリフェニルスルホニウムノナフロロブタンスルホネート(VII−4)の合成)
トリフェニルスルホニウムヨージド20gをメタノール500mlに溶解させ、これに酸化銀12.5gを加えて室温で4時間攪拌した。反応液を濾過して銀化合物を除いた後、この溶液にノナフロロブタンスルホニックアシッド14.9gを加え、この溶液を濃縮した。得られた油状物にジイソプロピルエーテル300mlを加えて十分に攪拌した後、ジイソプロピルエーテルをデカントで除く操作を2回繰り返した。得られた油状物を減圧乾燥すると目的物が18g得られた。
【0169】
合成例2 (トリフェニルスルホニウム−4−ドデシルベンゼンスルホネート(PAG4−1)の合成)
トリフェニルスルホニウムヨージド10gをメタノール500mlに溶解させ、これに酸化銀4.44gを加えて室温で4時間攪拌した。反応液を濾過して銀化合物を除いた後、この溶液に4−ドデシルベンゼンスルホニックアシッド4.67gを加え、この溶液を濃縮した。得られた油状物にジイソプロピルエーテル300mlを加えて十分に攪拌した後、ジイソプロピルエーテルをデカントで除く操作を2回繰り返した。得られた油状物を減圧乾燥すると目的物が6g得られた。
【0170】
合成例3 (トリフェニルスルホニウムノナフロロペンタノエート(II−4f)の合成)
トリフェニルスルホニウムヨージド20gをメタノール500mlに溶解させ、これに酸化銀12.5gを加えて室温で4晴間撹拌した。反応液をろ過して銀化合物を除いた後、この溶液にノナフロロペンタノイックアシッド14.9gを加え、この溶液を濃縮した。得られた油状物にジイソプロピルエーテル300mlを加えて十分に撹拌した後、ジイソプロピビルエーテルをデカントで除く操作を2回繰り返した。得られた油状物を減圧乾燥すると目的物が18g得られた。
【0171】
[実施例1〜18及び比較例1〜18]
下記表2に示すA成分(樹脂):1.2g、B成分(酸発生剤):0.048g、C成分(溶剤)19.6g、D成分(カルボキシル基を有する化合物):0.98g、有機塩基性化合物:0.004g、界面活性剤:ポリマー溶液に対し100ppmを溶解した溶液を0.1μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過しポジ型レジスト液を調製した。
なお、特許請求の範囲の補正により、実施例1〜4、9、10、13〜15、17、18は、参考例である。
【0172】
【表2】
Figure 0003955489
【0173】
【表3】
Figure 0003955489
【0174】
表2における記号の内容は以下のとおりである。
N−1:ヘキサメチレンテトラミン
N−2:1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン
N−3:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン
W−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素系)
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素及びシリコン系)
S−1:乳酸エチル
S−2:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
S−3:プロピレングリコールモノメチルエーテル
尚、酸発生剤は先に例示したものである。
【0175】
上記のように調製したポジ型レジスト液をスピンコータを利用して反射防止膜(DUV42-6 BrewerScience. Inc. 製)を塗布したシリコンウエハー上に均一に塗布し、120℃60秒間加熱乾燥を行い、膜厚0.1μmのポジ型レジスト膜を形成した。このレジスト膜に対し、ArFマイクロステッパーを用いラインアンドスペース用マスク(ライン160nm、ライン/スペース=1:1)を使用してパターン露光し、露光後すぐに110℃90秒間ホットプレート上で加熱した。更に2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液で23℃にて30秒間現像し、30秒間純粋にてリンスした後、乾燥した。このようにして得られたシリコンウエハー上のパターンを下記の方法でレジスト性能を評価した。
【0176】
〔ラインエッジラフネス〕
ラインパターンの長手方向のエッジ5μmの範囲について、エッジがあるべき基準線からの距離を測長SEM((株)日立製作所製S−8840)により50ポイント測定し、標準偏差を求め、3σを算出した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
【0177】
〔現像欠陥〕
上記のようにして得られたレジストパターンについて、ケーエルエー・テンコール社製のKLA−2112機により現像欠陥数を測定し、得られた1次データ値を測定結果とした。
性能評価結果を表3に示した。
【0178】
【表4】
Figure 0003955489
【0179】
表3の結果より、本発明の組成物は、ラインエッジラフネス及び現像性能が良好であることが判る。
【0180】
【発明の効果】
本発明により、ラインエッジラフネス、現像欠陥性能が改善されたポジ型レジスト組成物を提供することができる。

Claims (2)

  1. (A)下記一般式(II)、(IV)、または(VI)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくともひとつの繰り返し単位を有する、酸の作用により分解しアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂、
    (B)活性光線又は放射線の照射により、酸を発生する化合物、
    (C)溶剤、及び、
    (D)樹脂(A)の全量に対して1〜10重量%の、分子量が150〜300の、脂環基を有するカルボン酸もしくは脂環基を有するジカルボン酸、あるいは、分子量が290〜400の、含フッ素カルボン酸もしくは含フッ素ジカルボン酸
    を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
    Figure 0003955489
    Figure 0003955489
    Figure 0003955489
    式(II)において、mは0又は1を表す。
    式(IV)及び(VI)において、Xは、水素原子又は酸の作用により分解する基を表す。
    式(II)において、R3は、水素原子又は酸の作用により分解する基を表す。
    式(IV)において、R21〜R32は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフルオロアルキル基を表すが、少なくとも一つは水素原子ではない。
    式(VI)において、R2は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基
    、又はトリフルオロメチル基を表す。R51〜R56は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフルオロアルキル基を表すが、R51〜R56のうちの少なくとも1つは水素原子ではない。nは1〜5の整数を表す。
  2. 請求項1に記載のポジ型レジスト組成物によりレジスト膜を形成し、当該レジスト膜を露光、現像することを特徴とするパターン形成方法。
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