JP3955453B2 - 外部記憶装置の制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、データを格納する外部記憶装置に関し、特に、データの複製を作成し、高速にリストアを実行する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
アプリケーションの不具合によって、誤ってデータを消去、あるいは、破壊してしまい、データ処理が中断してしまうことがある。また、クラッカーによってホームページなどのデータが改ざんされ、ホームページの開示を停止する必要が生じることがある。これらのデータの消去/破壊/改ざんが発生した場合、データのリストアが必要となる。
【0003】
データのバックアップに関する技術として、例えば、特開2000−339104に開示の技術がある。これは、ホストコンピュータからの要求にしたがって、ディスク制御装置が主体となって、論理ボリュームAに格納されているデータの複製を、論理ボリュームB内に作成する技術である。論理ボリュームAのデータが壊れた場合、論理ボリュームBのデータを使ってリストア処理を実行することができる。以下、複製元となる論理ボリュームを正ボリュームと呼び、複製を格納する論理ボリュームを副ボリュームと呼ぶことにする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
リストアを行う場合、次のことが望まれている。
(1)アプリケーションやWEBサーバなどの設定を変更しないで済むように、論理ボリュームのホストに対するインタフェースアドレスが変わらないこと。例えば、リストア前にSCSI−ID=0、LUN番号=1でホストコンピュータが認識していた場合、リストア後も同じアドレス、即ち、SCSI−ID=0、
LUN番号=1により、ホストコンピュータが認識できることとすべきである。
(2)データ処理の再開、ホームぺージの再開を短時間で行うために、短時間でデータを復旧すること。
(3)どのようにデータが消去/破壊されたかを解析して、アプリケーションの不具合を調査すること。どのようにデータが改ざんされたかを解析してクラッカーの手口を調査するために、元のデータを保存する必要があるためである。
【0005】
ところが、上記特開2000−339104は、上記(1)(2)(3)の要求に応える内容は開示されていない。
そこで、本発明の目的は、上記(1)(2)(3)の要求に応えることができ、データのバックアップに関連する、データ解析機能を飛躍的に増進させることが可能な技術を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明においては、副ボリュームに正ボリュームのコピーを作成する。
データ処理が終了したときなどデータの整合性が取れているところで正ボリュームと副ボリュームの切り離しを行う。切り離された時点の正ボリュームのデータのコピーが、副ボリュームに作成されており、副ボリュームはバックアップデータを保持した形になっている。
ディスク制御装置は、論理ボリュームを、ホストコンピュータとのI/Fとなる物理アドレスと、データを格納するための記憶媒体を識別する論理アドレスという2個の制御情報で管理する。
【0007】
リストアが必要になったとき、ホストコンピュータからディスク制御装置に対してリストア要求が発行される。このリストア要求には1個のオプションが付随し、次のいずれかを指定できる。
(1) 正ボリュームと副ボリュームの物理アドレスと論理アドレスとの入れ替えを実行した後、次のバックアップのために、正ボリュームのデータを副ボリュームにコピーするオプション
(2) 正ボリュームと副ボリュームの物理アドレスと論理アドレスとの入れ替えを実行した後、正ボリュームのデータを副ボリュームにコピーしないオプション
ディスク制御装置は受領したオプションを、ペアを管理する管理情報に格納し、コピー処理の起動の実行/抑止を制御する。
【0008】
消去/破壊/改ざんされたデータの解析が必要な場合、(2)のオプションつきのリストア要求を発行してリストアを実行して業務を再開するとともに、副ボリュームにアクセスしてデータの解析を行う。
【0009】
更に、データの解析が終わったら、バックアップデータを作成するために、コピー処理の起動の抑止を解除する要求をホストコンピュータは発行し、これを受領したディスク制御装置は、コピー処理を実行して、バックアップデータを作成する。
【0010】
以上に示した手順を実現する手段により、ホストインタフェースアドレスが変わることなく高速にリストアが実施できるとともに、壊れたデータが保存されるので解析などに利用できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明におけるシステム構成図である。
本システムは、ホストコンピュータ1000とディスク制御装置1001から構成される。尚、図1では、ディスク制御装置1001が1つ示されているが、本発明は、ホストコンピュータ1000との間にスイッチを介在させ、2以上のディスク制御装置1001とホストコンピュータ1000とが接続される構成であっても適用できる。
【0012】
ディスク制御装置1001は、ホストコンピュータ1000からの要求を受領し、ディスク制御装置1001全体を制御する制御プロセッサ1002と、制御情報を格納する制御メモリ1003と、論理ボリュームのデータを格納するディスク装置1006から構成される。
特に、制御メモリ1003は、本発明に必要なペア管理情報1004、論理ボリューム管理情報1005とを格納する。
【0013】
図2を用いて、ペア管理情報1004について説明する。
ユーザデータを格納する論理ボリュームを正ボリュームとすると、正ボリュームのデータの複製を格納する論理ボリュームが副ボリュームとなる。正ボリュームと副ボリュームの組をペアと呼ぶ。ペア管理情報1004は、ペアを管理するための情報で、ペア毎に存在する。
【0014】
ペア管理情報1004は、正ボリュームを識別する正ボリューム番号1100、副ボリュームを識別する副ボリューム番号1101、コピー要否フラグ1102、正ボリュームと副ボリューム間でデータが不一致になっている部分を示す差分量1103、ペアの状態を示すペア状態1105、正ボリュームと副ボリュームとでデータが異なっている場所を管理する差分情報1106から構成される。
【0015】
コピー要否フラグ1102は、正ボリュームと副ボリュームとでデータの同期をとる必要があるかどうかを示すフラグである。ここで、「データの同期をとる」とは、正ボリュームと副ボリュームでデータを一致させることをいう。
【0016】
コピー要否フラグ1102が「コピー要」の場合、正ボリュームと副ボリュームとでデータの同期をとる必要があることを示す。コピー要否フラグ1102が「コピー不要」の場合、正ボリュームと副ボリュームとでデータの同期をとる必要がないことを示す。
【0017】
図3を用いて、論理ボリューム管理情報1005(図1)について説明する。論理ボリューム管理情報1005は、ホストコンピュータ1000とのI/Fとなる物理アドレスと、データを格納するための記憶媒体を識別する論理アドレスとを管理する情報である。図3に示した例では、識別子が1である論理ボリューム1200は、識別子が11である物理アドレス1201と、識別子が101である論理アドレス1202とを持っていることを示している。
【0018】
したがって、ホストコンピュータ1000が物理アドレス1201として11を使ってアクセスした場合、ディスク制御装置1001は、論理アドレス1202が101である領域にアクセスして、ホストコンピュータ1000とデータのやり取りを行う。
【0019】
図4は、ホストコンピュータ1000からリストア要求を受領したときの制御プロセッサ1002の処理の流れを示している。
【0020】
リストア要求は、リストアの対象となるペアを示す正ボリューム番号と副ボリューム番号と、リストア処理後に正ボリュームと副ボリュームとの同期をとるかどうかを示すコピー要否フラグをパラメータとして持っている。
【0021】
制御プロセッサ1002(図1)は、リストア要求を受領すると、まず、受領したパラメータの正ボリューム番号と副ボリューム番号とから、リストアの対象となるペアのペア管理情報1004を見つける。
次に、パラメータのコピー要否フラグにしたがってペア管理情報1004のコピー要否フラグ1102の設定を行う。即ち、パラメータのコピー要否フラグが「同期要」を示すものであれば、コピー要否フラグ1102(図2)に「コピー要」を設定し、パラメータのコピー要否フラグが「同期不要」を示すものであれば、コピー要否フラグ1102に「コピー不要」を設定する(図4、ステップ1300)。
【0022】
次に、リストア処理を行う。リストア処理は、正ボリュームと副ボリュームの物理アドレスを入れ替える。例えば、図3の例を用いると、識別子が1である論理ボリュームを正ボリューム、識別子が2である論理ボリュームを副ボリュームとし、これらのペアについてリストアを行うと、識別子が1である論理ボリュームの物理アドレス1201が12になり、識別子が2である論理ボリュームの物理アドレス1201が11になる(ステップ1301)。
次に、リストア要求に対する終了報告をホストコンピュータ1000に行って、処理を終了する(ステップ1302)。
【0023】
図5は、差分量監視処理の処理フローを示している。
差分量監視処理は、正ボリュームと副ボリューム間の同期をとるコピー処理を起動する処理である。
【0024】
まず、ペア管理情報1004(図1)のペア状態1105(図2)を参照し、当該ペアが正ボリュームと副ボリューム間の同期が必要なペア状態かどうかを調べる。同期をとることが必要なペア状態の場合ステップ1500(図5)に進む。同期をとることが不要なペア状態の場合(ステップ1503で否の場合)、処理を終了する。
【0025】
次に、ペア管理情報1004の差分量1103を参照し、コピー処理を起動する閾値を超えているかどうかを調べる。閾値を超えている場合(ステップ1500で是)には、ステップ1501に進む。閾値を超えていない場合には処理を終了する。
【0026】
次に、ペア管理情報1004のコピー要否フラグ1102を参照し、リストア要求においてどのように指定されたかを調べる。コピー要否フラグ1102が「コピー要」の場合(ステップ1501で是)には、ステップ1502に進む。コピー要否フラグ1102が「コピー不要」の場合には処理を終了する。
ステップ1502では、コピー処理を起動する。
【0027】
上記の説明では、リストア後に、正ボリュームと副ボリューム間のデータの同期をとるかどうかは、同一のディスク制御装置におけるペアを単位として指定するものであったが、これを異なるディスク制御装置にまたがった、2つのボリュームのペアを単位として指定するものであっても良い。
【0028】
即ち、ホストコンピュータ1000は、ディスク制御装置1001(図1)に対して、リストア後に正ボリュームと副ボリューム間でデータの同期をとるかどうかを示すコマンドを発行する。前記コマンドを受領したディスク制御装置1001は、制御メモリ1003に、その情報を格納する。差分量監視処理は、前記情報を参照してコピー処理の起動を行なうか否かを決定する。
【0029】
上述した手段を用いると、データ解析を行うバックアップ/リストア処理が構成できる。
まず、データ処理を開始する直前やホームページの開示前など、データの整合性がとれている時点で、ペアを分割する。これにより、副ボリュームにバックアップデータが作成できている。
【0030】
正ボリュームのデータが消去/破壊/改ざんされた場合、ホストコンピュータ1000から「同期不要」のパラメータつきのリストア要求をディスク制御装置1001に発行する。ディスク制御装置1001では、リストア処理が実行され、正副のボリュームが入れ替わるが、正ボリュームと副ボリューム間のデータの同期は行われない。
【0031】
このリストア処理により、正ボリュームの物理アドレスでアクセスするとバックアップデータにアクセスでき、副ボリュームの物理アドレスでアクセスすると消去/破壊/改ざんされたデータにアクセスできる。
【0032】
ホストコンピュータ1000は、リストア処理を実施後、従来どおりの物理アドレスでデータ処理やホームページの開示を再開する。更に、もとの副ボリュームの物理アドレスをつかって消去/破壊/改ざんされたデータにアクセスし、データの解析などを行うことができる。
制御プロセッサ1002は、ホストコンピュータ1000から、同期要求を受領した場合には、コピー要否フラグ1102に「コピー要」を設定する。
【0033】
バックアップデータの作成、リストアの実施、データの解析、再同期という一連の流れをまとめると下記のようになる。最初のステップで、データを格納している論理ボリュームを論理ボリュームa、バックアップデータを格納する論理ボリュームを論理ボリュームbとする。
【0034】
更に、論理ボリュームaにつけられているホストインタフェースアドレスをSCSI−ID=0、LUN番号#=1とし、論理ボリュームbにつけられているホストインタフェースアドレスをSCSI−ID=1、LUN番号=2とする。
【0035】
特開2000−339104に示されている技術を使って、ホストコンピュータは、ディスク制御装置にペア形成要求を発行し、ペア形成要求を受領したディスク制御装置は、論理ボリュームaのデータの複製を論理ボリュームbに作成する。
【0036】
トランザクション処理が終わった時点その他の論理ボリュームa及びbのデータの整合性がとれている時点で、ホストコンピュータはディスク制御装置に分割要求を発行する。この分割要求を受領したディスク制御装置は、論理ボリュームaと論理ボリュームbで構成されるペアを分割し、論理ボリュームbにバックアップデータを作成する。
ホストコンピュータは、SCSI−ID=0、LUN番号=1というホストインタフェースアドレスを使って、論理ボリュームaにアクセスする。
【0037】
論理ボリュームaのデータが壊れ、壊れたデータを保存したい場合には、本発明によれば、高速なリストアが可能で、更に、消去/破壊/改ざんされたデータを保存することができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、高速なリストアが可能で、更に、消去/破壊/改ざんされたデータを保存することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明するシステム構成図である。
【図2】ペアを管理するペア管理情報のデータ構造を示す図である。
【図3】論理ボリュームに付随する物理アドレスと、論理アドレスとを管理する論理ボリューム管理情報のデータ構造を示す図である。
【図4】リストア要求を受領したときの処理フローを示す図である。
【図5】正ボリュームと副ボリュームとのデータの同期をとるためのコピー処理を起動するときの処理フローである。
【符号の説明】
1000 ホストコンピュータ
1001 ディスク制御装置
1002 制御プロセッサ
1003 制御メモリ
1004 ペア管理情報
1005 論理ボリューム管理情報
1006 ディスク装置

Claims (1)

  1. ホストコンピュータに接続され、当該ホストコンピュータとの間で、情報の送受を行う外部記憶装置であって、1又は2以上のディスク制御装置と、これに支配される正副の複数のボリュームとを有し、これら正副のボリュームの間でペアを作成し、データの複製を行う機能を有する外部記憶装置の制御方法において、
    データを格納する正ボリュームと、当該正ボリュームの前記データの複製を格納する副ボリュームとでペアを構成し、前記ペアをペア管理情報でペア毎に管理し、
    前記ホストコンピュータから、前記正ボリュームを前記副ボリュームと同期させるか否かの情報を伴ったリストア要求を受領した場合、
    前記ディスク制御装置の制御プロセッサは、受領したパラメータの正ボリューム番号と副ボリューム番号とから、リストアの対象となるペアの前記ペア管理情報を見つけ、
    前記パラメータのコピー要否フラグにしたがって前記ペア管理情報のコピー要否フラグの設定を行い、
    前記リストア処理に当たって、前記正ボリュームと前記副ボリュームの物理アドレスを入れ替え、
    次に、前記正ボリュームと前記副ボリュームとの間の同期をとるコピー処理を起動する処理として差分量監視処理を行う場合、
    前記ペア管理情報のペア状態を参照し、当該ペアが前記正ボリュームと前記副ボリュームとの間の同期が必要なペア状態かどうかを調べ、
    同期をとることが必要なペア状態の場合、前記ペア管理情報の差分量を参照し、コピー処理を起動する閾値を超えているかどうかを調べ、
    閾値を超えている場合には、前記ペア管理情報のコピー要否フラグを参照し、リストア要求においてどのように指定されたかを調べ、コピー要否フラグが「コピー要」の場合には、コピー処理を起動し、コピー要否フラグが「コピー不要」の場合には処理を終了するものであり、
    前記リストア要求の処理後に、前記正ボリュームと前記副ボリュームとの間のデータの同期をとるかどうかを、互いに異なるディスク制御装置にまたがった正ボリュームと副ボリュームとのペアを単位として指定する場合、
    前記ホストコンピュータは、前記ディスク制御装置に対して、リストア要求の処理後に前記正ボリュームと前記副ボリュームとの間でデータの同期をとるかどうかを示すコマンドを発行し、
    前記コマンドを受領した前記ディスク制御装置は、そのディスク制御装置の制御メモリに、その情報を格納し、
    前記差分量監視処理を行う場合は、前記情報を参照してコピー処理の起動を行うか否かを決定し、
    前記データの解析を行うバックアップ/リストア処理を実行する場合、
    前記データの整合性がとれている時点で、前記ペアを分割することにより、前記副ボリュームにバックアップデータを作成し、
    前記正ボリュームのデータが消去/破壊/改ざんされた場合、
    前記ホストコンピュータから「同期不要」のパラメータつきのリストア要求を前記ディスク制御装置に発行し、
    前記ディスク制御装置では、リストア処理が実行され、前記正副のボリュームが入れ替わる一方、前記正ボリュームと前記副ボリュームとの間のデータの同期は行われず、
    前記リストア処理により、前記正ボリュームの物理アドレスでアクセスするとバックアップデータにアクセスでき、前記副ボリュームの物理アドレスでアクセスすると消去/破壊/改ざんされたデータにアクセスでき、
    前記ホストコンピュータは、前記リストア処理を実施後、従来どおりの物理アドレスでデータ処理やホームページの開示を再開し、更に、元の副ボリュームの物理アドレスを使って消去/破壊/改ざんされたデータにアクセスし、当該データの解析を行い
    前記制御プロセッサは、前記ホストコンピュータから、同期要求を受領した場合には、前記コピー要否フラグに「コピー要」を設定する、
    外部記憶装置の制御方法。
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