JP3954963B2 - エンジンの潤滑油冷却装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの潤滑油冷却装置に関する。詳細には、エンジン本体と別体で備える潤滑油冷却器の配置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば一般の汎用エンジンにあっては、エンジンの熱によって、潤滑油が高温となったり、劣化したりすることによって潤滑油本来の機能を果たさなくなることを防止することから冷却装置を設ける必要がある。そのため、従来から一般に空冷ガソリン機関においては、冷却部等の表面にフィンを形成し、機体進行中に受ける空気の自然通風によって冷却し、冷却ファンによる主体部の強制冷却及び自然放熱を主体としている。
【0003】
そして、このような空冷式のエンジンにおいて、エンジンのシリンダケースの任意の部分に、冷却風を取り入れるための孔を形成し、冷却ファンによって該孔から吸入された冷却風を案内板等によって冷却箇所に導くように構成したエンジンの冷却装置は公知となっている(例えば、特許文献1参照)。さらに、潤滑油冷却器であるオイルクーラを取り付けたエンジンも広く公知となっている。
【0004】
また、エンジンの潤滑油と冷却水との間で熱交換を行う熱交換器において、潤滑油の流量および冷却水の流量を制御して潤滑油温度を適切な値に保持する技術も公知となっている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−213362号公報
【特許文献2】
特開2001−41040号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のオイルクーラを具備するエンジンにおいては、小型の作業機等のように構造上エンジンルームの空間が狭い場合等、オイルクーラの配置上、十分にオイルクーラの機能を発揮できず、潤滑油は自然冷却に近い状態となっていた。そのため、機体のエンジンルーム内の狭い空間に収納されることが多いエンジンにおいては、機関のヒートバランスを良好に保つことができず、潤滑油温度の過度の上昇が起こり、オーバーヒート発生の要因となることもあった。
【0007】
そこで本発明では、空冷ガソリンエンジンにおいて、オイルクーラの配置を工夫することによって潤滑油の冷却を効果的に行い、エンジン各部のヒートバランスを良好に保つ潤滑油冷却装置を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
請求項1においては、走行車両(1)に搭載する空冷式エンジンの潤滑油冷却装置において、潤滑油冷却器であるオイルクーラ(40)をエンジン(5)とは別体で備え、且つ冷却ファン(48)を内装し、前記オイルクーラ(40)へは、エンジン(5)に内装され、クランク軸(56)より歯車を介して駆動される潤滑油ポンプ(31)を介して、オイルパン(36)から潤滑油を給油すべく構成し、該潤滑油ポンプ(31)が、エンジン(5)の各部へ潤滑油を送油するポンプとしての機能と、作動油または潤滑油を冷却するためにオイルクーラ(40)へ送油するためのポンプとしての機能を兼備し、前記オイルクーラ(40)を前記冷却ファン(48)の冷却風入口側に、該冷却ファン(48)に対して偏心した位置に配置し、走行車両(1)の操向ハンドル(8)の下方にステアリングポスト(70)を延設し、該ステアリングポスト(70)の下部前方に、前記エンジン(5)を配設し、該ステアリングポスト(70)とエンジン(5)との間に、前記オイルクーラ(40)を配置したものである。
【0010】
請求項2においては、請求項1記載のエンジンの潤滑油冷却装置において、前記ステアリングポスト(70)とエンジン(5)の間に、該オイルクーラ(40)に接続されるホース(52・53)及び、該オイルクーラ(40)とホース(52・53)との接続部(42・43)をも配置したものである。
【0011】
請求項3においては、請求項1記載のエンジンの潤滑油冷却装置において、該オイルクーラ(40)は、ステアリングポスト(70)から延設された支持部材(71)によって支持したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図1はエンジンと潤滑油冷却器との位置関係を示す正面図、図2は同じく側面図、図3は本発明に係るエンジンの潤滑系統を示す概略図、図4は本発明に係る潤滑油冷却器を示す正面図、図5は本発明に係るエンジンを搭載する作業機の一実施例である乗用田植機の側面図、図6は同じく前部側面図、図7は本発明に係る潤滑油冷却器の配置の一実施例を示す斜視図である。
【0014】
本発明の潤滑油冷却装置を有するエンジン5の概略構成について図1乃至図3を用いて説明する。本発明に係るエンジン5は、空冷式V型ガソリンエンジンであり、一対のシリンダブロック60・60がV字状に配置され、下側の基部にクランクケースが配置され、該シリンダブロック60・60とクランクケース46とが一体的に構成され、該シリンダブロック60・60の上端部にはそれぞれシリンダヘッド55・55が取り付けられ、該クランクケース46の下端部にはオイルパン36が形成されている。
【0015】
該エンジン5のクランク軸56の一端部(図3における右側端部)にはフライホイール54が嵌合固定され、該クランク軸56先端部に外側からエンドナット57を螺嵌することで該フライホイール54がクランク軸56に固設され、一体的に回転可能に構成されている。また、該クランク軸56の他端部(図3における左側端部)は動力取り出し部となっている。
【0016】
また、前記フライホイール54外側面(図3における右側面)の外周部には、外側方向に突出する複数の羽根を突出して冷却ファン48を形成している。そして、エンジン5のクランクケース46のフライホイール54配設側の側面にはファンケース47を取り付けている。該ファンケース47は前記フライホイール54や冷却ファン48等を覆い、外部から保護するとともに外部の機器等と接触しないように構成している。該ファンケース47の外側面には冷却ファン48と対向するように通風孔47aを有しており、該通風孔47aの外側には図7に示すように、十分な冷却風が取り込め、かつ冷却ファン48への巻き込みを防止するためのファンカバー49がボルト等で取り付けられている。また、前記クランクケース46の前記クランク軸56の動力取り出し側(図3における左側面)には、クーリングダクト51が取り付けられ、前記冷却ファン48によって取り込まれて、エンジン5の各部を冷却した後の冷却風がスムースに排風するようにしている。
【0017】
このように、前記フライホイール54外側面の外周部には外側へ突出する冷却ファン48が設けられており、該フライホイール54の回転に伴う冷却ファン48の働きにより、前記ファンケース47に形成された通風孔47aから、冷却風としての外気が、該ファンケース47内へ進入するような構成となっている。前記ファンケース47は冷却ファン48によって取り込まれた冷却風をガイドする機能を有し、該ファンケース47内へ進入した冷却風は該冷却ファン48の外周方向に送風され、シリンダヘッド55付近やオイルフィルタ39等の高温部を冷却するような構造となっている。
【0018】
次に、エンジン5の潤滑系統について図3を用いて説明する。エンジン5が始動すると同時に、クランク軸56より図示しない歯車を介して潤滑油ポンプ31が駆動される。該潤滑油ポンプ31の駆動によって、前記オイルパン36内に収容されている潤滑油が吸い上げられる。吸い上げられた潤滑油はオイルストレーナ37で濾過され異物を除去された後、潤滑油ポンプ31からリリーフバルブ38へ送油され設定油圧に調圧される。調圧された潤滑油はクランクケース46から出てホース52を通って後述する潤滑油冷却器であるオイルクーラ40に送られて冷却され、オイルクーラ40の出口からホース53を通ってオイルフィルタ39に送られ、該オイルフィルタ39で濾過されより細かい異物が除去される。なお、該オイルクーラ40はエンジン本体とは別体で構成され、該オイルクーラ40及びオイルフィルタ39はクランクケース46の外側に配設されている。
【0019】
このオイルフィルタ39で濾過された潤滑油は、再びクランクケース46内に入りここで2方向に分かれる。一方の潤滑油路はフライホイール54側のクランク軸56のジャーナル部56aまで延設されて該ジャーナル部56aを潤滑する。他方の潤滑油路はクランク軸56の動力取り出し側のジャーナル部56bまで延設されて該ジャーナル部56bを潤滑し、さらに2方向に分かれる。前記二つの潤滑油路はクランクケース46の壁内に穿設される。
【0020】
前記潤滑油路から分かれた一方はクランク軸56の軸心部に穿設したオイル通路を通り、コンロッド58・58の支持部を潤滑する。コンロッド58の基端部で、該コンロッド58に形成された溝から、潤滑油をピストン59の裏側へ飛沫させて該ピストン59を冷却するとともに潤滑する。他方の潤滑油は、クランクケースカバー内の潤滑通路を通ってカムシャフト61の軸受部61aへ送られる。
【0021】
前記カムシャフト軸受部61aに送られた潤滑油は、カムシャフト61の軸心内に入り、そこから飛沫してバルブリフタ等を潤滑する。前記コンロッド58の溝とカムシャフト61から飛沫した潤滑油はカムシャフトギヤ62とクランク軸56の図示せぬタイミングギヤを冷却および潤滑する。該カムシャフト61から飛沫したオイルはシリンダバレルの潤滑油通路を通って上がり、バルブ63およびロッカアーム64を潤滑する。該バルブ63およびロッカアーム64を潤滑した潤滑油はリターン通路を通ってクランクケース46内部のオイルパン36へ戻る。
【0022】
本発明に係る、潤滑油の過度の温度上昇を防止するための潤滑油冷却器であるオイルクーラ40の配置場所および配置方法について、図1乃至図4及び図7を用いて説明する。本実施例では、オイルクーラ40をエンジン5の冷却ファン48の冷却風入口側に配置している。つまり図1及び図2に示すように、オイルクーラ40を前記冷却ファン48のファンカバー49の前部外側に配置している。このように、オイルクーラ40を、前記ファンカバー49の前部に配置することによって、該ファンカバー49から入ってくる冷たい風の流れによってオイルクーラ40が冷却され、該オイルクーラ40内を循環する潤滑油が効果的に冷却される。
【0023】
また、前記冷却ファン48は前記クランク軸56の動力取り出し側と反対側に配置されており、上述のように冷却ファン48のファンカバー49の前部にオイルクーラ40を配置しているので、該オイルクーラ40は、前記クランク軸56の動力取り出し側と反対側に配置されることになる。このような位置にオイルクーラ40を配置することによって、該オイルクーラ40が前記クランク軸56の動力取り出し部や動力伝達機構と干渉したり、作業機に連結する際の妨げとなったりすることがなく、また、ファンカバー49の外側には他の部品が配置されないことから該オイルクーラ40の配置位置の自由度を高めることができる。
【0024】
また、前記オイルクーラ40を、前記冷却ファン48のファンカバー49の前部に配置するのであるが、その際、該冷却ファン48の回転中心軸(クランク軸56)の延長線上から該オイルクーラ40を偏心させて配置している。つまり、図1に示すように、該オイルクーラ40とファンカバー49の中心を一致させて配置するのでなく、本実施例においては上側に偏位した位置に該オイルクーラ40を配置している。なお、偏位方向は限定するものではなく、下方または右方または左方であってもよい。このような位置にオイルクーラ40を配置することにより、エンジン5が始動直後でまだ冷えている状態のとき、冷却風によって該オイルクーラ40が過度に冷却されて、該オイルクーラ40内を循環する潤滑油の温度が低下し、潤滑油の粘度が上昇することも防げる。さらに、エンジン5始動後、該エンジン5の温度上昇に伴う潤滑油の温度の上昇によって、オイルクーラ40の温度も上昇するが、該オイルクーラ40を前記冷却ファン48の回転中心から偏移させているので、温度が上昇したオイルクーラ40によって冷却風が過度に温まることも防ぐことができる。
【0025】
次に、本発明に係るエンジンを搭載する乗用型の作業機の一実施例として乗用田植機100に搭載した場合について、その概略構成について図5を用いて説明する。乗用田植機100は走行車両1と、該走行車両1の後部に連結した植付部9とで構成されており、走行車両1の前部及び後部にはそれぞれ前輪2と後輪3が懸架され、車体フレーム4の前部には動力部であるエンジン5が搭載されている。該エンジン5後方の車体フレーム4の左右略中央には前後方向に長く形成したミッションケース6が配置されており、該ミッションケース6の前部に前輪2が支持され、後部に後輪3が支持されている。エンジン5及び燃料タンク16を覆うボンネット17の両側には予備苗載台30が配設され、オペレータが搭乗する車体カバー20によってミッションケース6等が覆われている。前記車体カバー20の後上部に運転席7が設けられ、前記燃料タンク16の後方に操向ハンドル8が配設され、該操向ハンドル8の下方にはステアリングポスト70(図6)が延設され、該ステアリングポスト70の下部前方にエンジン5が配設されている。
【0026】
前記エンジン5は、図6に示すように、前記車体フレーム4の前方に防振ゴム29(図7)を介して載置固定され、該エンジン5の上部にはステー等を介して前記燃料タンク16が固設され、該燃料タンク16を覆うように前記ボンネット17が配置されている。そして、エンジン5のファンケース47側、つまり冷却風入口側には、前記オイルクーラ40が配置されている。
【0027】
本実施例のように田植機のような小型の作業機等においては、作業性や前方視界性等を良くするため、構造上エンジンルーム内の空間が狭くなるので、本発明に係るエンジン5は全長を短くすることができるV型エンジンを採用している。このように狭い空間に収納された空冷式エンジンでは、該エンジンから発生する熱がこもりやすく、従来ではオイルクーラを設けたエンジンであっても十分にエンジンを冷却することができず、ヒートバランスを良好に保つことが困難であった。そこで本発明は、以下に説明するように、オイルクーラの配置を工夫することによって上記の問題の解決を図ろうとしている。
【0028】
エンジン5を作業機に搭載する場合、前記オイルクーラ40は、作業機本体側に取り付ける。但し、エンジン単独で使用する場合にはステー等の支持部材を介してファンケースまたはファンカバーに取り付ける。本実施例においては、作業機を乗用田植機100としており、図7に示すように、作業機本体側、即ち、ステアリングポスト70から延設された支持部材71によって支持されている。つまり、図4に示すオイルクーラ40から両側方(本実施例では上下方向であるが、左右方向であってもよい)に延設した支持部44・45を、前記ステアリングポスト70から延設した支持部材71・72にボルト等によって取り付けるようにしている。このようにオイルクーラ40を作業機本体側に設置することによって、前記支持部材71・72の形状等を変えることによってオイルクーラ40の配置位置を容易に変更することができる。つまり、該オイルクーラ40の配置位置の自由度が増し、エンジン5のヒートバランスを考慮して該オイルクーラの設置位置を調節することが可能となる。さらに、前記オイルクーラ40がエンジン5側の冷却ファン48のファンケース47に直接固定しないので、温度が上昇した該オイルクーラ40の熱がファンケース47に伝わりにくくなり、該ファンケース47の温度上昇が抑えられ、エンジン5全体の温度上昇も抑えることができる。
【0029】
また、前記ステアリングポスト70とエンジン5の間に、前記オイルクーラ40および該オイルクーラ40に接続されているホース52・53や該ホース52・53の接続部42・43が配置されるので、ステアリングポスト70によって作業機後方側からの衝撃等に対して、該オイルクーラ40やホース52・53や接続部42・43等を保護する役割も果たしている。さらに、該ステアリングポスト70から直接支持部材71・72を延出して前記オイルクーラ40を支持しているので、強固な支持が可能となる。
【0030】
上述したように、エンジン5を駆動させると潤滑油ポンプ31も駆動されて、オイルパン36から潤滑油を吸入して、前記オイルクーラ40に潤滑油が送油され、この潤滑油が該オイルクーラ40で冷却風によって冷却された後、各潤滑部に供給される構造となっている。つまり、前記潤滑油ポンプ31が、エンジン5の各部へ潤滑油を送油する潤滑油ポンプとしての機能と、作動油または潤滑油を冷却するためにオイルクーラ40へ送油するためのポンプとしての機能とを兼ね備えていることとなる。よって、別途オイルクーラ40用にポンプ等を設ける必要もなく、潤滑油ポンプ31を有効に利用することができる。さらに、潤滑油の流れのなかで、前記オイルクーラ40を各潤滑箇所よりも上流に配置しているので、該オイルクーラ40で冷却された後の潤滑油が各潤滑箇所に供給されて、効率の良い潤滑油冷却が可能となる。
【0031】
本発明を実施する前のエンジンと実施した後のエンジンとにおいて、潤滑油の温度を実際に測定して比較した結果、エンジン単体で全開負荷をかけた場合、本発明実施前では142℃であったのが、実施後では115℃であった。つまりこの場合、本発明を採用することによって潤滑油の温度が27℃低下しており、本発明の効果が測定値にも現れている。このように、本発明を実施することによって、潤滑油の冷却を効果的に行え、さらに、オイルクーラ40付近を通過した冷却風は温度が過度に上昇することがなく、エンジン5各部のヒートバランスを良好に保つことが可能となる。
【0032】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0033】
請求項1の如く、走行車両(1)に搭載する空冷式エンジンの潤滑油冷却装置において、潤滑油冷却器であるオイルクーラ(40)をエンジン(5)とは別体で備え、且つ冷却ファン(48)を内装し、前記オイルクーラ(40)へは、エンジン(5)に内装され、クランク軸(56)より歯車を介して駆動される潤滑油ポンプ(31)を介して、オイルパン(36)から潤滑油を給油すべく構成し、該潤滑油ポンプ(31)が、エンジン(5)の各部へ潤滑油を送油するポンプとしての機能と、作動油または潤滑油を冷却するためにオイルクーラ(40)へ送油するためのポンプとしての機能を兼備し、前記オイルクーラ(40)を前記冷却ファン(48)の冷却風入口側に、該冷却ファン(48)に対して偏心した位置に配置し、走行車両(1)の操向ハンドル(8)の下方にステアリングポスト(70)を延設し、該ステアリングポスト(70)の下部前方に、前記エンジン(5)を配設し、該ステアリングポスト(70)とエンジン(5)との間に、前記オイルクーラ(40)を配置したので、潤滑油冷却器を別体で備え、冷却ファンを内装する空冷式エンジンの潤滑油冷却装置において、前記潤滑油冷却器を前記冷却ファンの冷却風入口側に配置することにより、潤滑油冷却器がエンジン本体を冷却する前の冷却風によって冷却され、冷却効率の向上が図れるのである。
また、前記潤滑油冷却器を前記冷却ファンの偏心位置に配置したので、エンジンが始動直後でまだ冷えている状態のとき、冷却風によって潤滑油冷却器が過度に冷却されて、該潤滑油冷却器内を循環する潤滑油の温度が低下し、潤滑油の粘度が上昇することも防げる。
また、エンジン始動後、該エンジンの温度上昇に伴う潤滑油の温度の上昇によって、潤滑油冷却器の温度も上昇するが、該潤滑油冷却器を前記冷却ファンの回転中心から偏移させているので、冷却風が過度に温まることもなくなる。
【0038】
また、前記潤滑油冷却器に、前記エンジンのオイルパンから該エンジンに内装される潤滑油ポンプを介して給油するようにしたので、エンジンの各部へ潤滑油を送油する潤滑油ポンプとしての機能と、作動油または潤滑油を冷却するために前記潤滑油冷却器へ送油するためのポンプとしての機能とを兼用でき、別途潤滑油冷却器用にポンプ等を設ける必要もなく、前記潤滑油ポンプを有効に利用することができる。
【0034】
請求項2の如く、前記ステアリングポスト(70)とエンジン(5)の間に、該オイルクーラ(40)に接続されるホース(52・53)及び、該オイルクーラ(40)とホース(52・53)との接続部(42・43)をも配置したので、ステアリングポスト70によって作業機後方側からの衝撃等に対して、該オイルクーラ40やホース52・53や接続部42・43等を保護する役割も果たしている。
【0035】
請求項3の如く、該オイルクーラ(40)は、ステアリングポスト(70)から延設された支持部材(71)によって支持したので、該ステアリングポスト70から直接支持部材71を延出して、前記オイルクーラ40を支持することとなり、強固な支持が可能となる。
また、該潤滑油冷却器の配置位置の自由度が増し、エンジンのヒートバランスを考慮して設置位置を調節することが可能となる。
また、前記潤滑油冷却器がエンジン側の冷却ファンのファンケースに接することがなく、温度が上昇した潤滑油冷却器の熱がファンケースに伝わりにくくなり、該ファンケースの温度上昇が抑えられ、エンジン全体の温度上昇も抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 エンジンと潤滑油冷却器との位置関係を示す正面図。
【図2】 同じく側面図。
【図3】 本発明に係るエンジンの潤滑系統を示す概略図。
【図4】 本発明に係る潤滑油冷却器を示す正面図。
【図5】 本発明に係るエンジンを搭載する作業機の一実施例である乗用田植機の側面図。
【図6】 同じく前部側面図。
【図7】 本発明に係る潤滑油冷却器の配置の一実施例を示す斜視図。
【符号の説明】
5 エンジン
31 潤滑油ポンプ
36 オイルパン
40 オイルクーラ
48 冷却ファン
49 ファンカバー
52・53 ホース
56 クランク軸
70 ステアリングポスト
71 支持部材
100 乗用田植機
Claims (3)
- 走行車両(1)に搭載する空冷式エンジンの潤滑油冷却装置において、潤滑油冷却器であるオイルクーラ(40)をエンジン(5)とは別体で備え、且つ冷却ファン(48)を内装し、前記オイルクーラ(40)へは、エンジン(5)に内装され、クランク軸(56)より歯車を介して駆動される潤滑油ポンプ(31)を介して、オイルパン(36)から潤滑油を給油すべく構成し、該潤滑油ポンプ(31)が、エンジン(5)の各部へ潤滑油を送油するポンプとしての機能と、作動油または潤滑油を冷却するためにオイルクーラ(40)へ送油するためのポンプとしての機能を兼備し、前記オイルクーラ(40)を前記冷却ファン(48)の冷却風入口側に、該冷却ファン(48)に対して偏心した位置に配置し、走行車両(1)の操向ハンドル(8)の下方にステアリングポスト(70)を延設し、該ステアリングポスト(70)の下部前方に、前記エンジン(5)を配設し、該ステアリングポスト(70)とエンジン(5)との間に、前記オイルクーラ(40)を配置したことを特徴とするエンジンの潤滑油冷却装置。
- 請求項1記載のエンジンの潤滑油冷却装置において、前記ステアリングポスト(70)とエンジン(5)の間に、該オイルクーラ(40)に接続されるホース(52・53)及び、該オイルクーラ(40)とホース(52・53)との接続部(42・43)をも配置したことを特徴とするエンジンの潤滑油冷却装置。
- 請求項1記載のエンジンの潤滑油冷却装置において、該オイルクーラ(40)は、ステアリングポスト(70)から延設された支持部材(71)によって支持したことを特徴とするエンジンの潤滑油冷却装置。
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