JP3954109B2 - デジタル移動通信システムにおけるサービスレベルの設定 - Google Patents
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Description
本発明は、デジタル移動通信システムにおいてサービスレベルを設定する方法及びデジタル移動通信システムに係る。
先行技術の説明
移動通信ネットワーク内の移動通信加入者に提供されるサービスの質は、多数のファクタの合成作用によって決定される。現在の用途においては、サービスの質は、無線接続の技術的な質、例えば、送信される情報の送信レート及び精度や、所望の瞬間における無線チャンネルのアクセス性を意味するものと理解される。サービスレベルという用語は、サービスの上記質のレベルを指すものとして使用される。
デジタルデータ通信システム内では、送信信号の質を低下する送信エラーがスピーチ又はデータの送信中に送信経路に発生する。無線経路では、例えば、多経路伝播や、干渉信号や、高レベルのバックグランドノイズのために信号が干渉に遭遇するときに、送信エラーが発生する。送信されるべきデジタル信号のチャンネルコード化は、送信の質及び送信エラーの許容度を改善する。チャンネルコード化では、オリジナル信号から計算されたエラーチェックビットによりコード化スピーチ又はデータビットに冗長度が付加される。受信器においては、チャンネルコードがチャンネルデコーダでデコードされ、これは、エラーチェックビットを使用して、送信中に生じたエラーを検出又は修正すらできるようにする。
チャンネルコード化は、送信ビットの数を増加する。例えば、9.8kビット/sの送信レートをもつエラーチェックビットがGSMシステムにおいて13kビット/sの全レートスピーチ信号に付加されたときには、全送信レートが22.8kビット/sとなる。チャンネルコード化により与えられる保護のレベルは、必要に応じて構成される。大量のデータを急速に送信する場合には、ペイロードの大きなデータを送信チャンネルに送信できるようにチャンネルコード化が減少される。チャンネルコード化は、送信中に発生するエラーを充分に検出しそして修正するか、或いはエラーを検出だけするように構成される。チャンネルコード化を全く省いてもよい。この場合に、送信は、送信エラーに対して全く保護されない。GSMシステムでは、送信されるべきビットがそれらの重要性に基づいて異なるグループに分類され、チャンネルコード化が所定のレベルで行なわれる。この解決策に伴う問題は、最も重要なビットの効率的なチャンネルコード化のために常に無線経路の送信容量が占有されることである。送信エラーは、送信中に常に生じるものではない。このような場合に、チャンネルコード化は、無線チャンネルを不必要に阻止する。他方、保護されない高速情報送信は、干渉を受ける環境において問題を引き起こす。
添付図面の図1は、パンヨーロピアンGSM移動通信システムの簡単なブロック図である。移動ステーションMSは、無線経路を経てベーストランシーバステーションBTSに接続され、これは、図1の場合には、ベースステーションBTS1である。ベースステーションシステムBSSは、ベースステーションコントローラBSC及びこれにより制御されるベースステーションBTSを備えている。通常、移動サービス交換センターMSCは、多数のベースステーションコントローラBSCを制御する。移動サービス交換センターMSCは、他の移動サービス交換センターへインターフェイスすると共に、ゲートウェイ移動サービス交換センターGMSCを経て公衆電話ネットワークにもインターフェイスする。全システムのオペレーションは、オペレーション及びメンテナンスセンターOMCにより制御される。移動ステーションMSに関する加入者情報は、システムのホーム位置レジスタHLRに永久的に記憶されると共に、移動ステーションMSが現在位置するエリアのビジター位置レジスタVLRに一時的に記憶される。
セルラー移動通信システムは、無線有効到達範囲を形成するために多数の若干重畳する無線セルを使用する。無線ネットワークのプランニングにおいては、高いトラフィック容量を必要とするエリアにおけるセルの有効到達範囲が小さなマイクロセルにより構成される。移動ステーションMSがあるセルから別のセルへ移動するときには、新たな無線セルへのハンドオーバーが特定のハンドオーバー基準に基づいて行なわれる。進行中のコールへの干渉を最小にしてハンドオーバーを実行することが目的である。しかしながら、セルの有効到達範囲が小さいマイクロセルでは問題が生じ、即ち非常に頻繁にハンドオーバーを実行しなければならず、これはハンドオーバーにおける失敗のおそれを高める。
移動ステーションMS及びこれにサービスするベーストランシーバステーションBTSは、例えば、ハンドオーバー又は電力調整の場合に、無線接続における信号のレベル及び質を連続的に測定する。移動ステーションMSは、これにサービスするベースステーションBTSからの信号及びその位置エリアに最も近いベースステーションBTSからの信号を測定し、そしてその測定結果をレポートメッセージとして、それにサービスするベーストランシーバステーションBTSを経て、ベースステーションコントローラBSCへ規則的に送信する。ベースステーションBTSは、進行中の無線接続における信号のレベル及び質の測定を実行すると共に、おそらくは、ネットワークにおける一般的な干渉レベルを指示する他の測定も実行する。
個々の無線接続における信号のレベル及び/又は質が所望のレベルより低下したときには、ベースステーションBTS及び/又は移動ステーションMSにおいて送信電力の調整を行って、無線接続を改善することができる。移動ステーションMSの送信電力は、通常、特定の電力調整アルゴリズムにより固定ネットワークから調整される。移動ステーションMSは、これにサービスするセルのベースステーションBTS1から受け取られるダウンリンク信号の受信レベル(フィールド強度)及び質を測定し、そしてそのMSにサービスするセルのベースステーションBTS1は、次いで、移動ステーションMSから受け取られるアップリンク信号の受信レベル(フィールド強度)及び質を測定する。これら測定結果及び設定された電力調整パラメータに基づいて、電力調整アルゴリズムは、送信電力の適当なレベルを定め、これは、次いで、電力調整コマンドにおいて移動ステーションMSへ通知される。電力は、コール中に連続的に調整される。送信電力の増加に伴う問題は、ネットワークの干渉レベルを増加することであり、このため、送信電力はできるだけ低く保持されねばならない。
デジタルの時分割多重アクセスTDMA無線システムでは、移動ステーションMSのグループが同じ搬送波周波数又は無線チャンネルを時分割ベースで使用して、ベースステーションBTSと通信することができる。搬送波は、次々の反復フレームに分割され、これらフレームは、必要に応じてユーザに割り当てられるタイムスロット、例えば8個のタイムスロットに更に分割される。タイムスロットにおいて短いデータバーストが送信される。従って、ネットワークの観点から、8個のトラフィックチャンネルを単一の搬送波において形成することができる。
従来のTDMAシステムでは、各移動ステーションにデータ送信のために1つのトラフィックチャンネルタイムスロットが割り当てられる。使用可能な帯域巾と、送信に使用されるチャンネルコード化とに基づいて、単一のトラフィックチャンネルにおける最大送信レートは、非常に低いレベルに制限され、GSMシステムでは9.6kビット/s又は12kビット/sとされる。過去数年の間に、移動通信ネットワークにおける高速データサービスの必要性は著しく増大した。送信レートを高める1つの方法は、2つ以上のチャンネル対を使用することであり、これは、1つのフレームにおける多数のTDMAタイムスロットが1つの移動ステーションに対して割り当てられることを意味する。送信端では、無線経路を経て送信時間中にこのような並列のチャンネル間に高速データ信号が分割され、次いで、受信端において再びコード化される。これは、従来の送信レートに比して、使用するチャンネルの数に基づき、多数の送信レートでデータ送信サービスを提供できるようにする。
無線システムにおけるコード分割多重アクセスCDMAのオペレーションは、拡散スペクトル送信をベースとする。送信されるべきデータ信号は、加入者特有の拡散コードで乗算され、これは、通常1.25MHzの広帯域無線チャンネルにおいて送信を拡散させる。これは、多数のユーザが、異なる拡散コードで処理されたCDMA信号を同じ広帯域無線チャンネルに同時に送信できるようにする。受信端では、CDMA信号が加入者の拡散コードでデコードされ、これは狭帯域データ信号を発生する。他の加入者の広帯域信号は、所望の信号に比して、受信器においてノイズとして現れる。従って、CDMAシステムでは、加入者特有の拡散コードが、TDMAシステムのタイムスロットと同じ意味でシステムトラフィックチャンネルを形成する。又、CDMAシステムでは、多数のトラフィックチャンネル又は拡散コードを加入者に割り当てることによりデータ送信レートを高めることができる。
多数のトラフィックチャンネルを使用する高速送信に伴う問題は、セルにおいて多大な送信容量を占有することである。高速データ送信を使用する多数の加入者がネットワークセルに同時に存在する場合には、通常のユーザによるネットワークへのアクセスがセルの過負荷により阻止される。
発明の要旨
本発明の目的は、ネットワークの通常のオペレーションに干渉することなく、デジタルデータ通信システムの移動ステーションに必要なサービスレベルを与えることである。
この新たな形式のサービスレベルの設定は、ネットワーク干渉負荷を定義し、そして接続の確立に関連して、ベースステーション及び移動ステーションにおいてネットワーク干渉負荷に基づき送信パラメータを設定することを特徴とする本発明の方法により達成される。
更に、本発明は、デジタル移動通信システムにおいてサービスレベルを設定する方法であって、ネットワーク干渉負荷を定義しそしてそのネットワーク干渉負荷に基づいてネットワークパラメータを設定する方法にも係る。
又、本発明の目的は、ネットワーク干渉負荷を定義する手段と、そのネットワーク干渉負荷に応答して接続に対する送信パラメータを定義する手段と、この送信パラメータを定義する手段の出力に応答してベースステーションにおいて送信パラメータを設定する手段と、上記送信パラメータを定義する手段の出力に応答して移動ステーションにおいて送信パラメータを設定する手段とを備えたことを特徴とするデジタル移動通信システムを提供することである。
更に、本発明は、ネットワーク干渉負荷を定義する手段と、このネットワーク干渉負荷に応答してネットワークパラメータを設定する手段とを備えたことを特徴とするデジタル移動通信システムにも係る。
本発明は、一般的な負荷及び/又はネットワークが許す干渉レベルの状態で、個々の移動加入者に、必要なときに、標準より良好なサービスを提供できるようにするという考え方をベースとする。
本発明の方法は、例えば、ネットワークセルの負荷及び/又はベースステーションで測定された干渉レベル及び/又は信号の質に基づきネットワーク干渉負荷を定義する。接続のための送信パラメータは、定義された干渉負荷に基づいて設定される。例えば、低い干渉負荷は、無線経路を経て送信されるデータのチャンネルコードを減少し、ベースステーション及び/又は移動ステーションにおける送信電力を増加し、或いは各移動加入者の特定の要求に応じて移動ステーションに多数のトラフィックチャンネルを割り当てることができ、しかも、ネットワークの一般的なサービスレベルを損なうことがない。又、低い干渉負荷の間にネットワークパラメータを設定することもできる。例えば、セルの有効到達範囲を拡張するようにネットワークハンドオーバー基準を設定することができる。
このようにサービスレベルを設定する1つの効果は、ネットワークの一般的な干渉レベルが低いときにサービスを受ける加入者の数を増加できることである。
この方法の別の効果は、干渉を受ける環境においてチャンネルコードが減少されないので、高速データ送信における送信エラーが回避されることである。
本発明の更に別の効果は、若干の加入者しか存在せずそして干渉レベルが低いときに移動ステーションの信号送信レートを増大できることである。
更に、本発明の方法は、ネットワークが許す干渉負荷の状態で、標準より強い信号及び良好な信号/干渉比を個々の移動加入者に提供できることである。
本発明の方法の更に別の効果は、低い干渉レベルの環境において、セル(1つ又は複数)のサイズを増加することによりハンドオーバーの数を減少できることである。
【図面の簡単な説明】
以下、添付図面を参照して本発明を詳細に説明する。
図1は、GSM移動通信システムの簡単なブロック図である。
図2は、本発明の実施形態を示すフローチャートである。
図3は、本発明の第3の実施形態を示すフローチャートである。
図4は、本発明による移動通信システムの移動交換センターMSCを示すブロック図である。
図5は、電力増加プランニングを例示する図である。
好ましい実施形態の詳細な説明
本発明は、いかなるデジタル移動通信システムにも適用できる。特に、本発明は、TDMA、CDMA又はFDMA(周波数分割多重アクセス)のような多重アクセス変調技術で実施された移動通信システムに使用するのに適している。本発明は、主として、TDMA型のパンヨーロピアンデジタルGSM移動通信システムに関して以下に例示する。図1は、上記の簡単なGSMネットワーク構造を示す。GSMシステムの詳細な説明に関しては、GSM推奨勧告及び「移動通信システム用のGSMシステム(The GSM System for Mobile Communications)」M.モーリ&M.ポーテット、パライゼウ、フランス、1992年、ISBN:2−9507190−0−7を参照されたい。
図2は、本発明の方法の実施形態を示すフローチャートである。この実施形態では、ネットワーク干渉負荷が、各ベースステーションBTSで測定された干渉レベルに基づいて定義される(ブロック21)。ベースステーションBTSは、そのベースステーションの全てのトラフィックチャンネルにおいて干渉レベルを測定し、そしてその測定値に基づいて、例えば、個々のトラフィックチャンネルの干渉レベルを積分するか又は最も高い測定干渉レベルをセルの干渉負荷値として選択することにより当該セルの干渉負荷が定義される。次いで、個々のセルの干渉負荷値をネットワーク干渉レベルに対するローカル値として使用することもできるし、或いはセルの干渉負荷値に基づき、例えば、このような値を適当に積分又は合成するすることによりネットワーク干渉負荷を定義することもできる。ブロック23では、このように定義された干渉負荷値が、オペレータにより設定できるスレッシュホールド値11と比較される。干渉負荷がスレッシュホールド値11より低いままである場合には、ベースステーションBTSは、接続におけるチャンネルコードを減少し、そしてチャンネルコードを減少するための制御メッセージを移動ステーションMSに送信する(ブロック25)。スレッシュホールド値は、チャンネルコードの減少が本質的に送信エラーを増加しないように設定されるのが好ましい。チャンネルコードの減少は、他のネットワークオペレーションに対し無線チャンネルの送信容量を解放する。解放された送信容量は、移動加入者の新たなベースステーション接続に対して使用されるのが好ましく、これは、ネットワークがより多くの加入者にサービスできるようにする。
上記実施形態は、単一のスレッシュホールド値11の場合におけるサービスレベルの設定を説明するものである。多数のチャンネルコードレベルを選択できる場合には、各レベルにそれ自身のスレッシュホールド値lnを与えることができ、これは、各移動ステーションに割り当てられる送信容量を柔軟に調整できるようにする。この場合に、負荷値が、設定された全てのスレッシュホールド値l1、…lnと比較され、そしてスレッシュホールド値のトリガー作用に応答して、送信におけるチャンネルコードが、そのスレッシュホールド値に対応するチャンネルコードレベルへと変化する。レベルの1つはチャンネルコードの完全な削除に対応するのが好ましい。
本発明の第2の実施形態では、ネットワーク干渉負荷は、上記実施形態に関連して与えられたように、ベースステーションで実行される干渉測定に基づいて定義される。この干渉負荷は、上記のように、オペレータにより設定されたスレッシュホールド値11と比較される。干渉負荷がスレッシュホールド値11より低いままであるときは、ベースステーションBTS及び/又は移動ステーションMSにおいて、当該無線接続に指定されたトラフィックチャンネル上で送信電力が増加される。多数の異なるスレッシュホールド値l1…lnの場合には、スレッシュホールド値lnのトリガー作用に応答して、スレッシュホールド値として定義された送信電力値に対応するように送信電力が変更される。
図5は、ネットワークの停止の確率に対する6dB電力増加の作用を例示している。10%の停止確率が通常のネットワークプランニング基準であるとみなされる。図5の曲線は、全ての加入者に対する増加容量を受ける加入者の割合を表わしている。横軸は、全負荷に対するネットワーク負荷の程度を示す。例えば、70%のネットワーク負荷は、停止確率が10%を越えることなく、40%までの加入者に増加容量を提供することができる。
図3は、本発明の方法の第3の実施形態を示すフローチャートである。第3の実施形態では、ネットワーク干渉負荷がセルの負荷に基づいて定義される。各セルにおける使用中のトラフィックチャンネルと、関連セルにおけるトラフィックチャンネルの全数との割合、即ちセルにおけるトラフィックチャンネルの使用の程度が移動通信ネットワークにおいて監視される(ブロック31)。ネットワーク干渉負荷は、上記実施形態と同様に、セル負荷に基づいて定義される。ブロック33では、干渉負荷が、オペレータにより前もって決定されたスレッシュホールド値T1と比較される。図3の例では、干渉負荷がスレッシュホールド値T1より低いままであるときに、ベースステーションBTSは、移動ステーションに、必要時に、急速信号送信のために多数のトラフィックチャンネルを割り当てる。移動ステーションMSにより最適なデータ送信のためのオペレーションが所望されるかどうかがブロック34においてチェックされる。移動ステーションMSが、例えば、コール設定に関連して、通常より高速の送信レートを適用したいことを通知した場合には、オペレーションが図3においてブロック34からブロック35へ進み、そして多数のトラフィックチャンネル間で送信を分割することにより送信レートを増加するためのコマンドが移動ステーションMSに送信される。必要なときに、多数のスレッシュホールド値Tnを適用することができ、この場合には、異なるスレッシュホールド値をトリガーするのに応答して、そのトリガーされたスレッシュホールド値に対して定義された数に等しい多数のトラフィックチャンネルが移動ステーションMSに割り当てられる。
本発明の第4の実施形態においては、干渉負荷が、上記と同様に、セル負荷の程度、ベースステーションで実行された干渉測定の結果、又は負荷及び干渉測定結果の適当な組合わせに基づいて定義される。上記実施形態の場合と同様に、干渉負荷がスレッシュホールド設定値と比較される。干渉負荷がセル負荷及び干渉測定値の両方に基づいて定義された場合には、干渉負荷に例えば2つのスレッシュホールド値が与えられ、そしてこれら値の合成値より低く保つように監視することができる。干渉負荷がスレッシュホールド設定値より低いときには、セルの有効到達範囲が更に大きくなるようにネットワークのハンドオーバー基準が変更される。一般的なネットワーク干渉負荷が充分に低く、それ故、多数のセルの有効到達領域がハンドオーバー基準の設定を適用することにより拡大された場合には、ネットワークにおいて実行されるハンドオーバーの数が減少され、これは、ネットワークにおける信号容量をセーブして、コールが失われるおそれを低減する。
本発明の方法を実施するために、図4に示す手段が移動通信システム内に配置され、好ましくは、移動サービス交換センターMSCに配置されるか又はベースステーションコントローラBSCに関連して配置される。図4は、本発明の第1の実施形態に適合する移動サービス交換センターMSCのブロック図で、本発明にとって重要な移動サービス交換センターの要素のみを示している。図4の移動サービス交換センターMSCは、干渉負荷を定義する手段41と、接続の送信パラメータを定義する手段42とを備えている。手段41は、例えば、図4においては、ベースステーションBSC1、…BSCnから受け取った干渉測定結果を記憶するためのレジスタ431、…43mと、上記測定結果を処理するための積分器441、…44mとを備えている。手段41の出力から、ネットワーク障害負荷を指示する信号が手段42へ送られ、そこで、比較器45は、干渉負荷値を、前もって設定されたスレッシュホールド値と比較する。比較の結果として得られる信号は、コントローラ46へ送られ、該コントローラは、比較器45の出力に基づいて適当な送信パラメータを定義し、そして送信パラメータの設定値に対する命令をベースステーションコントローラBSC1、…BSCnに与える。例えば、干渉負荷がスレッシュホールド値l1より低いことを比較器45の出力信号が指示するときには、コントローラ46は、チャンネルコードを例えば通常の半分に減少できると決定する。他の送信パラメータは、通常に保持される。コントローラ46は、この情報をベースステーションコントローラBSC1へ送信してベースステーションBTS1へ更に送信し、そしてベースステーションBTS1を経て移動ステーションMSに送信する。又、手段42は、必要なときには、多数の比較器及びコントローラを含むこともできる。
図4の説明に加えて、本発明による移動通信システムは、ベースステーション(BTS)において送信パラメータを設定する手段と、移動ステーション(MS)において送信パラメータを設定する手段とを備え、これら手段は、コントローラ46の出力に応答する。これら手段は、ベースステーション(BTS)及び移動ステーション(MS)に配置されるのが好ましい。
上記の全ての実施形態において、干渉負荷は、別の更に適当な方法で定義することもできる。例えば、本発明のある実施形態は、干渉負荷がセル負荷の程度に基づいて定義されるか又は干渉測定及びセル負荷の程度の両方に基づいて定義されること以外、最初に述べた実施形態に対応するやり方で実施することができる。又、干渉レベルの測定に加えて又はそれに代わって、各ベースステーションBTSにおいてトラフィックチャンネルの信号の質を測定することにより干渉負荷を定義することもできる。信号の質は、例えば、ビットエラー率(BER)測定値として測定することもできる。例えば、BER測定結果を適当に平均化すると、ネットワーク干渉負荷を定義することができる。
添付図面及びそれに関連した上記説明は、本発明の基礎となる考え方を単に例示したものに過ぎない。サービスレベルを設定する本発明の方法の詳細は、請求の範囲内で種々変更し得る。本発明の上記説明は、主として、サービスの質に影響する個々のファクタの設定に関するものであるが、干渉負荷に基づき、例えば、上記の実施形態を適当に組合わせることにより多数の異なるパラメータを設定することができる。又、干渉負荷は、例えば、長時間にわたって行なわれた干渉負荷の観察に基づいて定めることもできる。
Claims (7)
- デジタル移動通信ネットワーク内でサービスレベルを設定するための方法であって、
一般的なネットワーク干渉負荷を決定する段階と、
上記ネットワーク干渉負荷を少なくとも1つの所定のスレッシュホールド値と比較する段階と、
接続の確立に関連して、上記ネットワーク干渉負荷に基づきベースステーション及び/又は移動ステーションにおいて送信パラメータを設定する段階と、を含み、
上記設定する段階が、
移動ステーション及びベースステーションの送信におけるチャンネルコードを減少して、上記ネットワーク干渉負荷があるスレッシュホールド値より低く保持された状態で使用できるチャンネルの数を増加する段階を含む、ことを特徴とする方法。 - 上記ネットワーク干渉負荷は、
各セルにおける負荷の程度を決定すること、及び、
上記セル及びその隣接セルにおける負荷の程度に基づいてセルの干渉負荷を決定すること、
により決定される請求項1に記載の方法。 - 上記ネットワーク干渉負荷は、
トラフィックチャンネルにおける干渉レベル及び/又は各ベースステーションにおける信号の質を測定すること、及び、
当該セルのベースステーションにより実行された測定に基づいて個々のセルにおける干渉負荷を決定すること、
により定められる請求項1に記載の方法。 - ネットワーク干渉負荷を少なくとも1つの所定のスレッシュホールド値と比較する段階と、
ベースステーション及び/又は移動ステーションにおける送信レートを増大して、干渉負荷があるスレッシュホールド値より低く保持された状態で接続の信号対干渉比を改善する段階と、
を含む請求項1に記載の方法。 - ネットワーク干渉負荷を少なくとも1つの所定のスレッシュホールド値と比較する段階と、
多数のトラフィックチャンネルを移動ステーションに割り当てて、干渉負荷があるスレッシュホールド値より低く保持された状態で信号送信レートを増加する段階と、
を含む請求項1に記載の方法。 - 干渉負荷に対して多数のスレッシュホールド値を設定する段階と、
各スレッシュホールド値又はスレッシュホールド値の組合わせより低い負荷値に応答して、ベースステーション及び移動ステーションにおける送信パラメータを、必要なときに、各スレッシュホールド値又はスレッシュホールド値の組み合わせに対して予め決定されたパラメータ値に設定する段階と、
を含む請求項4に記載の方法。 - ネットワーク干渉負荷を決定する手段と、
そのネットワーク干渉負荷に応答してネットワークパラメータを設定する手段とを備え、該設定する手段は、
上記ネットワーク干渉負荷を少なくとも1つの所定のスレッシュホールド値と比較するための手段と、
移動ステーション及びベースステーションの送信におけるチャンネルコードを減少して、干渉負荷があるスレッシュホールド値より低く保持された状態で使用できるチャンネルの数を増加するための手段と、
を含むことを特徴とするデジタル移動通信システム。
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