JP3953432B2 - 気体燃料タンク用管部材、気体燃料タンク及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、天然ガスなどの気体燃料を使用する車両に搭載される気体燃料タンクの構成要素であるタンク用管部材、当該部材を使用した気体燃料タンク及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車に搭載される気体燃料タンクには、ガスの圧力を均等に分散させるために円筒状の容器が使用され、また充分な容量を確保する必要上タンク径が大径であるため広い空間をもつトランクルームに設置されていた。
しかし、大径円筒状のタンクは設置場所に無駄な空間が生じてトランクルームの利用効率を低下させ、設置場所も限定されるので、最近では、比較的小径の管からなるタンク用管部材を、全体がガス流通可能に連通して平行するように多数配置したものが提案されている。このタンクは、各タンク用部管材の長さやタンク用管部材の本数を加減することにより、所望のタンク容量を確保することができるほか、設置空間にあわせた大きさや形態とすることができる利点がある。
なお、このような気体燃料タンクは特願2002−76781号,76782号及び76783号の明細書に記載されているが、タンク材料そのものにアルミニウムのクラッド管を用いた文献は、出願人が知る範囲ではない。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−146092号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述のタンク用管部材には、必要な強度を有することと加熱後の冷却が急速でなくても焼入れ効果が得られることから、JIS6063等のAl合金が使用されている。しかしながらAl−Mg−Si系合金管からなるタンク用管部材は、Mgを所定量以上含有するので、タンク用管部材を他の部材と組み合わせてタンクを製造する際に通常のフラックスろう付けをすることができないという不便があるほか、ベア材であるため耐食性が乏しいといった問題があった。
【0005】
本発明の目的は、Al合金管からなるタンク用管部材であって、他の部材と組み合わせてタンクを製造する際に通常のフラックスろう付けを実施することができ、かつ、耐食性に優れた気体燃料タンク用管部材を提供することにある。
本発明の他の目的は、前述のタンク用管部材を使用してより低コストで大量生産することができる気体燃料タンクとその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る気体燃料タンク用管部材は、前述の課題を解決するため以下のように構成したものである。
すなわち、請求項1に記載の気体燃料タンク用管部材は、Mg0.10〜1.50wt%とSi0.10〜1.50wt%及びCu0.50wt%以下(0wt%を含む)を含有し残部がAlと不可避的不純物からなるAl合金の芯材の外面に、Zn0.50〜4.00wt%を含有し残部がAlと不可避的不純物からなるAl合金の皮材がクラッドされた管であることを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の気体燃料タンク用管部材は、Mg0.10〜1.50wt%とSi0.10〜1.50wt%及びCu0.50wt%以下(0wt%を含む)を含有し残部がAlと不可避的不純物からなるAl合金の芯材の外面と内面に、Zn0.50〜4.00wt%を含有し残部がAlと不可避的不純物からなるAl合金の皮材がクラッドされた管であることを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の気体燃料タンク用管部材は、Mg0.10〜1.50wt%とSi0.10〜1.50wt%及びCu0.50wt%以下(0wt%を含む)を含有し残部がAlと不可避的不純物からなるAl合金の芯材の外面に、Zn0.50〜4.00wt%を含有し残部がAlと不可避的不純物からなるAl合金の皮材がクラッドされ、前記芯材の内面に、Mn0.30〜1.50wt%を含有し残部がAlと不可避的不純物とからなるAl合金の皮材がクラッドされた管であることを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の気体燃料タンク用管部材は、Mg0.10〜1.50wt%とSi0.10〜1.50wt%及びCu0.50wt%以下(0wt%を含む)を含有し残部がAlと不可避的不純物からなるAl合金の芯材の外面に、Zn0.50〜4.00wt%を含有し残部がAlと不可避的不純物からなるAl合金の皮材がクラッドされ、前記芯材の内面に、Mn0.30〜1.50wt%,Cu0.05〜1.00wt%を含有し残部がAlと不可避的不純物からなるAl合金の皮材がクラッドされた管であることを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載の気体燃料タンク用管部材は、請求項1の管部材において、前記皮材のクラッド率が、当該管部材の肉厚である芯材及び皮材の肉厚の合計の1〜25%であることを特徴としている。
請求項6に記載の気体燃料用管部材は、請求項2〜4のいずれかの管部材において、前記芯材の内外面の各々の皮材のクラッド率が、当該管部材の肉厚である芯材及び各皮材の肉厚の合計の1〜25%であることを特徴としている。
【0011】
請求項7に記載の気体燃料タンク用管部材は、請求項1〜6のいずれかの管部材において、押出成形により又は押出成形後に抽伸加工することにより製造されていることを特徴としている。
【0012】
本発明に係る気体燃料タンクは、前述の課題を解決するため以下のように構成したものである。
すなわち、請求項8に記載の気体燃料タンクは、平行に配置された請求項1〜7のいずれかに記載の多数の管部材からなる管群を備え、全体が連通していることを特徴としている。
【0013】
請求項9に記載の気体燃料タンクは、請求項8の気体燃料タンクにおいて、前記管群が少なくとも一つのAl合金製の保持部材へ貫通状に保持され、各管部材の一端部又は両端部はキャップにより気密に封じられていることを特徴としている。
【0014】
請求項10に記載の気体燃料タンクは、請求項9に記載の気体燃料タンクにおいて、前記保持部材と各管部材及び各キャップはろう付けされていることを特徴としている。
【0015】
請求項11に記載の気体燃料タンクは、請求項9又は10の気体燃料タンクにおいて、前記管群が、当該管群を構成する管部材と少なくとも一つの保持部材に形成された各連通孔を介して連通されていることを特徴としている。
【0016】
本発明に係る気体燃料タンクの製造方法は、前述の課題を解決するため以下のように構成したものである。
すなわち、請求項12に記載の気体燃料タンクの製造方法は、少なくとも一つのAl合金製の保持部材に請求項1〜7のいずれかに記載の管部材からなる管群を貫通状態に保持させるとともに当該管群全体を連通させ、各管部材の一端部又は両端部にAl合金からなるキャップを被せた組立体を製造する工程と、各管部材と保持部材及びキャップを窒素ガス等の還元性雰囲気中でフラックスろう付けする工程とを含むことを特徴としている。
【0017】
請求項13に記載の気体燃料タンクの製造方法は、請求項12の製造方法において、前記保持部材又は/及びキャップがブレ−ジング材であることを特徴としている。
【0018】
請求項14に記載の気体燃料タンクの製造方法は、請求項12又は13の製造方法において、加熱温度590〜620℃、保持時間1〜15分で前記フラックスろう付け後、前記組立体を15℃/分以上の速度で冷却する工程を含むことを特徴としている。
【0019】
請求項15に記載の気体燃料タンクの製造方法は、請求項14の製造方法において、前記冷却後に組立体を150〜200℃×5〜20時間で人工時効処理する工程をさらに含むことを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る気体燃料タンク用管部材の実施形態と、それを使用した気体燃料タンク及びその製造方法の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0021】
気体燃料タンク用管部材の実施形態
先ず、本発明に係る気体燃料タンク用管部材の材料について説明する。
図1は本発明の気体燃料タンク用管部材の実施形態を示す部分拡大断面図である。
図1に示すように、本発明に係るタンク用管部材30は、芯材300と、当該芯材の少なくとも外側の皮材301を有し、必要に応じて内側の皮材302を有するクラッド管である。図1には、内側の皮材302も図示されている。
本発明では、芯材によってタンク用材料として充分な強度を確保すると共に、少なくとも芯材の外側にろう付け性・耐食性に優れた材料を皮材としてクラッドすることによって、従来材では困難であったフラックスろう付けの実現と耐食性の向上を可能にしたものである。
【0022】
本発明に係る気体燃料タンク用管部材30の芯材300は、Mg0.10〜1.50wt%、Si0.10〜1.50wt%、Cu0.50wt%以下(0wt%含む。以下同じ。)を含有し、残部がAlと不可避的不純物からなる組成のAl合金である。
芯材300がMg0.10〜1.50wt%を含有するAl合金であるので強度の向上が図られる。また、Si0.10〜1.50wt%を含有するので、組織内のMg2Siの生成によりさらに強度向上が図られるとともに、後述のように燃料タンクを製造する際のろう付け加熱及びファン空冷により、特に焼入加工を施さなくても焼入効果が得られる。
芯材300におけるMgの含有率は、0.10wt%未満では強度向上の効果が十分でなく、1.50wt%を超えるとろう付け加熱後の冷却速度を水冷等でより急速にしないと焼入効果が得られなくなる。
芯材300のSi含有率が0.10wt%未満では組織内でのMg2 Siの生成が不十分で強度向上が図られず、1.50wt%を超えると組織内に巨大晶出物が生成されて逆に強度低下をまねく。
したがって、芯材300におけるMg及びSiの含有率は、それぞれともに0.10〜1.50wt%の範囲である必要がある。
芯材300におけるCuの含有量は部材の強度の向上と伸び特性を向上させる効果がある。0.50wt%を超えると強度は向上するが伸び特性が低下して加工性が悪くなるとともに耐食性も低下するので好ましくない。芯材300が特に強度を必要とする場合には、Cuを0.05wt%以上を含有させることが望ましい。ゆえに、Cuの好ましい含有範囲は0.05〜0.50wt%である。
【0023】
本発明に係る気体燃料タンク用管部材30の外側の皮材301に使用する材料は、Zn0.50〜4.00wt%を含有し残部がAlと不可避的不純物からなる組成のAl合金である。
皮材301におけるZnは、その含有率が0.50wt%未満かあるいは4.00wt%を超えると、いずれも耐食性が劣る。したがって、皮材301におけるZnの含有率は0.50〜4.00wt%の範囲である必要がある。
【0024】
本発明に係る気体燃料タンク用管部材30の内側に皮材302を設ける場合には、内皮に使用する材料は、要求強度に応じて請求項2〜4の記載のいずれかから選択される。
【0025】
第1の内皮材は、外皮材と同じ組成のAl合金からなる(請求項2相当)。Znは、その含有率が0.50wt%未満かあるいは4.00wt%を超えると、いずれも耐食性が劣る。したがって、第1の内皮材におけるZnの含有率は0.50〜4.00wt%の範囲である必要がある。
【0026】
なお、タンク用管部材30の内面には通常空気や酸性ガスは接触しないことを考慮して、芯材300の内面の皮材302を省略してもよい(請求項1相当)。タンク用管部材30の内面に空気や酸性ガスが接触しない場合も同様である。
この形態の部材30を使用して後述のように気体燃料タンクを製造する場合には、部材30の内面と他の部材とをろう付けしない形態とする必要がある。
【0027】
第2の内皮材は、Mn0.30〜1.50wt%を含有し残部がAlと不可避的不純物とからなるAl合金であり(請求項3相当)、第1の内皮材に比べて強度の向上を図ったものである。第2の内皮材のMn含有量が0.30wt%未満では強度向上の効果が十分でなく、1.50wt%を超えると押出等の加工性が低下するので好ましくない。
【0028】
第3の内皮材は、Mn0.30〜1.50wt%とCu0.05〜1.00wt%を含有し残部がAlと不可避的不純物とからなるAl合金(請求項4相当)であり、第1又は第2の内皮材に比べてさらに強度の向上を図ったものである。第3の内皮材のMnの含有量は、第2の内皮材と同様な理由で0.30〜1.50wt%である必要がある。第3の内皮材のCu含有量は、0.05wt%未満では強度向上の効果が十分でなく、1.00wt%を超えると押出等の加工性が低下するので好ましくない。
【0029】
芯材300の外面にのみ皮材301をクラッドした管部材30(請求項1相当)において、皮材301のクラッド率は、当該タンク用管部材30の肉厚(芯材の肉厚t+外皮材の肉厚t1)の1〜25%であるのが好ましい。また、芯材300の内外面に皮材301,302をクラッドした管部材30(請求項2〜4相当)においても、皮材301,302の各々のクラッド率は、当該タンク用管部材30の肉厚(芯材の肉厚t+外皮材の肉厚t1+内皮材の肉厚t2)の1〜25であるのが好ましい。そのクラッド率が部材の肉厚の1%未満では部材の製造限界以下となり、そのクラッド率が当該部材の肉厚の25%を超えると、部材30の強度を低下させるからである。
皮材301又は各皮材301,302のクラッド率は、それぞれ当該管部材30の肉厚の1〜25%を外れない範囲で、当該管部材30に要求される強度や、燃料タンクを製造する際のタンク用管部材の配置密度等により、適宜加減することができる。
【0030】
本発明に係る気体燃料タンク用管部材30は押出成形によるか、あるいは、押出成形後に抽伸加工することにより製造される。
【0031】
前記実施形態の気体燃料タンク用管部材を使用した気体燃料タンクの実施形態図2は天然ガス車両の一部を取り除いた側面図であり、車両1には本発明の実施形態による製造方法で製造された気体燃料タンク20が以下説明するように搭載されている。
同図で示すように、車両1内におけるリアシート2のシートバック4の後方には、例えば第1実施形態のタンク用管部材30を多数平行に配置し、全体をガス流通可能に連通させて構成した第1の気体燃料タンク21が設置され、リアシート2のシート本体3の下方には、第1の気体燃料タンクとほぼ同様に構成された第2の気体燃料タンク22が設置されている。
【0032】
シートバック4の後方のトランクルーム10は、仕切板11により前後に区分され、その前部空間には、全体形状が当該空間の形状に適合するように形成された第1のタンク21が、前後方向に設けられた車体のサイドフレーム7の上に支持フレーム23を介して固定されている。
【0033】
フロアパネル5は段差部を介してその後方のリアフロア6に接続されており、リアフロア6の下面側において、各々サイドフレーム7には所定の距離を置いてミドルクロスメンバ8とリアクロスメンバ9とがそれぞれ設けられている。両メンバ8,9間の空間には、全体形状が当該空間の形状に適合するように形成された第2のタンク22が、バンド25によりリアフロア6に押し付けられるように固定されている。
第2のタンク22の搭載部位の下方はプロテクタ28で覆われており、チッピングや接地などから第2のタンク22を保護している。また、第2のタンク22の上方には、ミドルクロスメンバ8とリアクロスメンバ9にわたるガードパイプ29が設置されており、ボディ剛性を高めている。
【0034】
前述のように、第1の気体燃料タンク21は第2の気体燃料タンク22と基本構成がほぼ同じであるので、以下第2の気体燃料タンクの構成についてのみ説明する。
図3は第2の気体燃料タンク22の斜視図、図4は図3の矢印C−Cに沿う部分拡大断面図、図5は図4の矢印D−Dに沿う縮小断面図である。
【0035】
気体燃料タンク22は、全体がガス流通可能に連通され、かつ所定の間隔で上下の段相互間では千鳥状になるように平行に多数配置されたタンク用管部材30からなる管群によって構成されている。管群を構成する各タンク用管部材30は、管の長手方向の任意の位置に配置されたAl合金板からなる1つ又は複数の中間の保持部材36(図3、図4では2箇所に平行に配置した例を図示)に形成されたそれぞれの貫通孔37(図4)へ挿通され、ろう付けされた状態でそれらの保持部材36に保持されている。各管部材30の内部には気体燃料(天然ガス)を吸着貯蔵するために活性炭等の吸着材が密に収容されている。
図4で示すように、各タンク用管部材30の一端部は当該端部へろう付けされたAl合金(例えばJIS3003)からなるキャップ38によりそれぞれ気密に塞がれている。この実施形態では、図6で示すように各キャップ38の一面にタンク用管部材30の端部形状と対応するように溝38aをリング状に形成し、管部材30の当該端部を前記溝38aへ挿入した状態でキャップ38を管部材30へろう付けしている。38bは箔ろうであり、この箔ろう38bは溝38aの両内壁面に接触した状態で当該溝38aから一部突出するようにあらかじめ当該溝38a内に挿入される。
【0036】
図3及び図4で示すように、各タンク用管部材30の他端部は、Al合金からなる端部の保持部材32に形成された貫通孔33へ一面側から挿入してろう付けされた状態で当該保持部材32に保持されている。保持部材32の各貫通孔33の他面側及び各タンク用管部材30の他端部は、貫通孔33へ挿入して溶接により接合されたAl合金(例えばJIS6063)のキャップ381によって気密に塞がれている。
図3で示すように、多数のタンク用管部材30の左側(図中矢印RH側)の端部は揃えられているが、その反対側の端部は、各タンク用管部材30の長さをタンク設置空間の広さや形状に適合させるため不揃いになっている。また、タンク用管部材30の数やそれらの配列はタンク設置空間の広さや形状に合わせて決定される。
【0037】
多数のタンク用管部材30からなる管群は前述のように全体がガス流通可能に連通されているが、この実施形態では、図4及び図5で示すように、保持部材32の肉厚内の所要部分と当該位置のタンク用管部材30に、例えばガンドリル等によって互いに連通するように連通孔34,31を形成し、これらの連通孔34,31により各タンク用管部材30が全体としてガス流通可能に連通するように構成している。
図5で示すように、端部の保持部材32の両端部の肉厚内には、当該位置のタンク用管部材30に形成された連通孔312と連通して外部に通ずる開口孔35がそれぞれ形成され、それらの開口孔35の一つの開口部を、コネクタ39を介して連通パイプ40(図3)により第1の気体燃料タンク21の同様な部材とそれぞれ連通している。開口孔35の他の開口部と連通孔34の外部への開口部はそれぞれ密栓41により気密に封じられている。
【0038】
図3で示すように、各保持部材36の下縁部には前述のバンド25が装着されており、各保持部材36及び端部の保持部材32の上縁部には、リアフロア6との間に介装されるクッションラバー26が設けられている。
【0039】
前記実施形態の気体燃料タンクは、第1に、前記いずれかの実施形態のタンク用管部材30が平行に多数配置された管群によって構成されているので、必要充分な強度と耐食性を有し、通常のフラックスろう付けが可能になるのでより低コストで提供することができる。
第2に、全体が連通している前記管群はAl合金製の保持部材32,36へ貫通状に保持され、各管部材30の一端部又は両端部はキャップ38により気密に封じられているので、各管部材の長さを適宜調整することにより設置する空間形態に適合させることができる。
第3に、前記管群は、当該管群を構成する管部材30と保持部材32に形成された各連通孔31,34を介して連通されているので、連通構造が簡単でしかも連通部が堅牢である。
【0040】
気体燃料タンクの製造方法の実施形態
前述の実施形態の気体燃料タンクは以下のような工程により製造される。
クラッド管を設計に沿って切断した各タンク用管部材30を、中間の保持部材36の貫通孔37へ挿通し、各管部材30の不揃い側の一端にキャップ38をセットし、各管部材30の揃った側の他端部を端部の保持部材32の貫通孔33へ一面側から挿入し、各管部材30の揃った側の端部が開口した状態の組立体を製造する。
中間の各保持部材36は、JIS3003からなる芯材の両面にJIS4045の皮材(厚み90μm)を合わせた厚み6mm程度のブレージング材である。端部の保持部材32は、同様な芯材の両面に同様な皮材(厚み170μm)を合わせた厚み12〜14mm程度のブレージング材である。
キャップ38は、厚み10mm前後のJIS3003板材をタンク用管部材30の外径よりも数mm大きくなるように裁断し、前述(図6)のようにその一面に溝38aを形成し、前記溝38aの両内面とタンク用管部材30の端部内外面との間に箔ろう38bを介在させた状態で当該管部材30の端部を前記溝38a内に挿入する。
【0041】
各タンク用管部材30,各保持部材32,36及び各キャップ38とを前述のように組み合わせた後、当該組立体の所要部分にフラックスのアルコール溶液(混合比1:1)を塗布する。これを窒素ガス雰囲気の炉内に供給し、加熱温度590〜620℃,保持時間1〜15分程度(例えば350℃,10minで予熱した場合、ろう付け加熱は600℃,3分程度。)で必要部分を一斉にろう付けする。
前記のろう付け加熱後、組立体を炉出ししてファン等により15℃/分以上の速度で急冷し、その後150℃〜200℃×5〜20時間(例えば80℃の場合、起算175℃で6時間程度)の条件で人工時効処理を施す。
次いで、各タンク用管部材30へそれらの開口側から吸着材を密に収容した後、各タンク用管部材30の保持部材32側の端部にキャップ381を溶接し気密に封じる。
【0042】
前記実施形態の気体燃料タンクの製造方法によれば、第1に、Al合金からなる適数の保持部材32,36に、本発明に係るタンク用管部材30を平行に多数配置した管群を保持させるとともに、いずれかの保持部材の部分で全体をガス流通可能に連通させ、各気体燃料タンク用管部材30の一端部にAl合金からなるキャップ38を被せた組立体を製造し、この組立体をその所要部分にフラックスを塗布した後還元性雰囲気中に供給し、前記気体燃料タンク用管部材30と各保持部材32,36及びキャップ38をフラックスろう付けすることにより製造されるので、設備コストが低減されしかも非常に効率的に製造されるところから、より低コストで製造することができる。
【0043】
第2に、ブレージング材で構成された保持部材32,36を使用したことにより、これらの保持部材とタンク用管部材30とのろう付け部にろうを配置する作業が不要になるので、さらに低コストで製造することができる。
第3に、各タンク用管部材30の一端部はキャップ38の一面へリング状に形成された溝38aに挿入された状態でろう付けされているので、タンク用管部材30の当該端部とキャップ38との気密性が確実に保たれる。
【0044】
前記実施形態において、フラックスろう付けの際の加熱温度が590℃未満ではろう材が溶融しないためろう付けできず、加熱温度が620℃を超えるとタンク用管部材が溶融してタンクを製造することができなくなる。保持時間が1〜15分の範囲を逸脱した場合もほぼ同様である。
また、炉出し後の急冷が15℃/分を下まわるとろう付け加熱による焼入効果が得られなくなる。
人工時効処理を行う場合の条件を150〜200℃で5〜20時間としたのは、処理温度が150℃未満の温度では十分な強度が得られず、処理温度が200℃を超えると強度低下を招く恐れがあるためである。また、人工時効処理が5時未満では十分な効果が得られず、20時間以上では強度低下を招く恐れがあるためである。
【0045】
管部材の加工性の評価(製造試験)
表1−1〜表1−4で示すようにそれぞれ異なる材料と設計(皮材のクラッド率)により、次に示す分類で各タンク用管部材の製造を試みた。各管部材は、管外径を50.0mm、管内径を46.0mmとし、それぞれ熱間押出後に冷間抽伸を行う要領で製造した。
なお、芯材に外皮と内皮とをクラッドするケースでは、外皮と内皮のクラッド率を同一とした。
【0046】
実施例No.1〜7: 請求項1,5と対応する管部材
実施例No.8〜14: 請求項2,6と対応する管部材
実施例No.15〜21: 請求項3,6と対応する管部材
実施例No.22〜28: 請求項4,6と対応する管部材
【0047】
比較例No.29: JIS6063のベア材による管部材
比較例No.No.30〜36: 外皮のZn含有率が請求項1に記載の範囲から外れた材料による比較例の管部材
比較例No.37,38: 芯材におけるCu含有率が請求項1に記載の範囲から外れた材料による比較例の管部材
比較例No.39〜45: 芯材におけるSi含有率が請求項1に記載の範囲から外れた材料による比較例の管部材
比較例No.46〜52: 芯材におけるMg含有率が請求項1に記載の範囲から外れた材料による比較例の管部材
比較例No.53〜60: 芯材におけるSi,Mg,Cuの各含有率及び外皮のZn含有率の中の2以上が請求項1に記載の範囲から外れた材料による比較例の管部材
比較例No.60,62: 芯材,外皮の合金成分及びそれらの含有率は請求項1に記載の範囲内であるが、外皮のクラッド率が請求項5に記載の範囲から外れた比較例の管部材
【0048】
比較例No.63,64: 芯材,内外皮の合金成分及びそれらの含有率は請求項2に記載の範囲内であるが、外皮及び内皮のクラッド率が請求項6に記載の範囲から外れた比較例の管部材
【0049】
比較例No.65〜71: 内皮のMn含有率が請求項3に記載の範囲を超えた材料による比較例の管部材
比較例No.72,73: 芯材,内外皮の合金成分及びそれらの含有率は請求項3に記載の範囲内であるが、外皮及び内皮のクラッド率が請求項6に記載の範囲から外れた比較例の管部材
【0050】
比較例No.74〜80: 内皮のCu含有率が請求項4に記載の範囲を超えた材料による比較例の管部材
比較例No.81〜87: 内皮のMn含有率が請求項4に記載の範囲を超えた材料による比較例の管部材
比較例No.88〜94: 内皮のMn及びCuの含有率が請求項4を超えた材料による比較例の管部材
比較例No.95〜100: 芯材,内外皮の合金成分及びそれらの含有率は請求項4に記載の範囲内であるが、外皮及び内皮のクラッド率が請求項6に記載の範囲から外れた比較例の管部材
【0051】
表1−1
【0052】
表1−2
【0053】
表1−3
【0054】
表1−4
【0055】
前述の管部材の製造試験の結果、比較例No.37,38,No.53〜61,No.63,No.65〜72,No.74〜97の材料及び設計によるタンク用管部材は、設計どうりに押出加工することができなかった。
【0056】
ろう付け性、耐食性、引張り強さの評価
前記各実施例と各比較例(設計どうりに押出加工できなかったものを除く)の各タンク用管部材について、同じ長さに切断したものをそれぞれ10本ずつ用意した。
これらの各種タンク用管部材と、JIS3003からなる芯材の両面にJIS4045の皮材(厚み90μm)を合わせた厚み6mmのブレージング材からなる各中間の保持部材と、同様な芯材の両面に同様な皮材(厚み170μm)を合わせた厚み12mmのブレージング材からなる端部の保持部材と、厚み10mmのJIS3003板材からなる各キャップを使用して、それぞれ前記実施形態に準じて組立体を製造した。
前記各組立体の所要部分にフラックスのアルコール溶液(混合比1:1)を塗布し、それらを窒素ガス雰囲気の炉内に供給し、加熱温度600℃,保持時間3分(ただし350℃,10分余熱)でろう付けした後、炉出ししてファンにより16℃/分の速度で80℃まで急冷し、175℃×6時間で人工時効処理を施し、燃料タンク見本(ただし、端部の保持部材側が密閉されていない見本)をそれぞれ製造した。
【0057】
各燃料タンク見本について、ろう付け性、耐食性及び引張り強さを評価し、それらを表2−1及び表2−2に示した。
「ろう付け性」の評価は、ろう付け部の外観と内部を観察し、外観欠陥については、ろう回りの不良の有無,ピンホール,ブローホール及び割れの有無を確認し、内部欠陥については、ピンホール,ブローホール等の有無を確認した。表2−1,表−2には、欠陥が発生していない場合を○、発生している場合を×と表示した。
「耐食性」の評価は、燃料タンク見本から試験片を切り取り、JIS Z 2371塩水噴霧試験方法に準じて実施し、1000時間の試験後に発生した孔食深さのを測定、その10箇所の平均値で評価した。表2−1,表2−2には、前記平均値とともに、孔食深さが30μm以下の場合を○、30μmを超えた場合を×とそれぞれ表示した。なお、評価は部材の外側で行った。
「引張強さ」の評価は、燃料タンク見本から試験片を切り取り、JIS Z 2241金属材料引張試験方に基づいて実施し、試験片はJIS 12A号、10本の平均値で評価した。表2−1,表2−2には、前記平均値とともに当該平均値が200N/mm2以上である場合を○、200N/mm2未満である場合を×とそれぞれ表示した。
【0058】
表2−1
【0059】
表2−2
【0060】
表2−1及び表2−2で示すように、芯材と皮材の合金成分、及び皮材のクラッド率が本発明の範囲内である実施例のタンク用管部材を使用した燃料タンク見本は、いずれの評価でも良好な結果を示した。
これに対し、芯材,皮材の合金成分又は皮材のクラッド率が、本発明の範囲から外れている比較例No.30〜36,No.39〜52,No.62,No.64,No.73,No.98〜100のタンク用管部材を使用した燃料タンク見本は、前記三つの評価の中のいずれかが不良であった。
JIS6063のベア材であるタンク用管部材(比較例No.29)を使用した燃料タンク見本は、引張り強さは良好であったが、ろう付け性及び耐食性ともに不良であった。
【0061】
冷却条件を変更した場合の評価
前記ろう付け性等の評価の際と同様な燃料タンク見本を製造する際に、当該見本の製造とはろう付け加熱後の冷却条件のみを変更し、ろう付け後の冷却を10℃/分の速度で実施してそれぞれ燃料タンク見本を製造した。
そして、それらの燃料タンク見本についても前述の場合と同様に「ろう付け性」、「耐食性」及び「引張り強さ」を評価し、その結果を表3−1及び表3−2に示した。
表3−1及び表3−2で示すように、比較例No.30〜36,No.39〜52,No.62,No.64,No.73,No.98〜100の管部材を使用した見本については勿論、各実施例の管部材を使用した燃料タンク見本についても、強度が大幅に低下し、引張り強さが評価基準に達しなかった。
【0062】
表3−1
【0063】
表3−2
【0064】
気体燃料タンク及びその製造方法のその他の実施形態
本発明に係る気体燃料タンクの製造方法において、比較的厚肉の保持部材32は、必ずしも各タンク用管部材30の揃った側の端部を保持させる必要はなく、例えば図7で示すように薄肉の保持部材36の一方を省略し、厚肉の保持部材32を中央寄り位置へ配置することができる。
保持部材32,36は前記実施形態におけるような板でなく、ブロック状のものや各部の厚みが異なる部材を使用することができる。
保持部材は、その形態によっては複数であることを要しない。保持部材が複数である場合においては、設置空間の状態によってはそれらを非平行状に配置し、管部材を通す孔を斜めに貫通するように形成することができる。
前記実施形態においては、各保持部材32,36にはブレ−ジングシートを使用したが、ブレ−ジングシートを使用することに代えて、ろう付けの前に組立体の必要部分にろうを配置しても実施することができる。
タンクを製造する際に、ガス吸着貯蔵式のタンクの場合には、前述のように管部材30の一方の端部にのみキャップ38を装着して組立体を製造し、必要部分をフラックスろう付けした後、各管部材に吸着材を充填した後に他方の端部にキャップを溶接するが、タンクがガス吸着貯蔵式でない場合には、気体燃料の供給口と取出口を除く各管部材30の両端部へキャップを装着して組立体を製造することができる。
また、キャップ38にはブレ−ジングシートを使用することができる。
【0065】
【発明の効果】
請求項1の発明に係る気体燃料タンク用管部材は、その芯材の材質によって気体燃料タンク用部材として必要十分な強度を有する。
また、通常空気や酸性ガスが接触しない外面に、ろう付け性・耐食性に富む皮材がクラッドされているので、耐蝕性に優れているとともに、タンク用管部材へ各部品をろう付けする際に還元性雰囲気中で通常のフラックスろう付けすることができ、気体燃料タンクの製造コストを低減することができる。
【0066】
請求項2の発明に係る気体燃料タンク用管部材は、請求項1の管部材と同様な効果を奏するほか、内面にもろう付け性・耐食性に富む皮材がクラッドされているので、内面に空気や酸性ガスが接触する環境下おいても十分な耐食性を有するとともに、その外面のみでなく内面と他の部材とをフラックスろう付けすることができる。
【0067】
請求項3の発明に係る気体燃料タンク用管部材は、その内面の皮材の材質により、請求項2の管部材と比べ強度がさらに向上する。
【0068】
請求項4の発明に係る気体燃料タンク用管部材は、その内面の皮材の材質により、請求項3の管部材と比べ強度がさらに向上する。
【0069】
請求項5及び6の発明に係る気体燃料タンク用管部材は、部材の強度を低下させないで円滑に皮材をクラッドすることができる。
【0070】
請求項7の発明に係る気体燃料タンク用管部材は、工業的に量産することができる。
【0071】
請求項8の発明に係る気体燃料タンクは、請求項1〜7のいずれかのタンク用管部材が平行に多数配置された管群によって構成されているので、必要充分な強度と耐食性を有し、通常のフラックスろう付けが可能になるのでより低コストで提供することができる。
【0072】
請求項9の発明に係る気体燃料タンクは、全体が連通している前記管群はAl合金製の保持部材へ貫通状に保持され、各管部材の一端部又は両端部はキャップにより気密に封じられているので、各管部材の長さを適宜調整することにより設置する空間形態に適合させることができる。
【0073】
請求項10の発明に係る気体燃料タンクは、保持部材と各管部材及び各キャップがろう付けされるので、量産に適する。
【0074】
請求項11の発明に係る気体燃料タンクは、管群が管部材と保持部材に形成された各連通孔を介して連通されているので、管部材相互の連通構造が簡単でありかつ堅牢である。
【0075】
請求項12の発明に係る気体燃料タンクの製造方法によれば、タンクの組立体を製造し、当該組立体を還元性雰囲気中で通常のフラックスろう付けすることにより気体燃料タンクを製造するので、設備コストが低減されしかも非常に効率的に製造されるところから、より低コストで製造することができる。
【0076】
請求項13の発明に係る気体燃料タンクの製造方法によれば、各保持部材又は/及びキャップをブレージング材で構成したことにより、これらの保持部材とタンク用管部材とのろう付け部にろうを配置する作業が不要になり、さらに低コストで製造することができる。
【0077】
請求項14の発明に係る気体燃料タンクの製造方法によれば、タンク用管部材その他の部材を溶融させないで円滑にろう付けすることができるほか、ろう付け加熱による焼入効果が得られ、特に焼入れする必要がなくなる。
【0078】
請求項15の発明に係る気体燃料タンクの製造方法によれば、所定の条件で人工時効処理を行うことにより十分な強度を有する気体燃料タンクを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る気体燃料タンク用管部材の一実施形態を示す部分拡大断面図である。
【図2】本発明の実施形態の方法により製造された燃料タンクを搭載した車両の一部を取り除いた状態の側面図である。
【図3】図2の車両に搭載されている第2の気体燃料タンクの斜視図である。
【図4】図3の矢印C−Cに沿う拡大断面図である。
【図5】図4の矢印D−Dに沿う縮小断面図である。
【図6】燃料タンクを構成するタンク用管部材の一端部の分解断面図である。
【図7】本発明に製造方法の他の形態を説明するための断面図である。
【符号の説明】
21 第1の気体燃料タンク
22 第2の気体燃料タンク
30 気体燃料タンク用管部材
300 芯材
301,302 皮材
32,36 保持材
31,34 連通孔
33,37 貫通孔
38,381 キャップ
Claims (15)
- Mg0.10〜1.50wt%とSi0.10〜1.50wt%及びCu0.50wt%以下(0wt%を含む)を含有し残部がAlと不可避的不純物からなるAl合金の芯材の外面に、Zn0.50〜4.00wt%を含有し残部がAlと不可避的不純物からなるAl合金の皮材がクラッドされた管であることを特徴とする、気体燃料タンク用管部材。
- Mg0.10〜1.50wt%とSi0.10〜1.50wt%及びCu0.50wt%以下(0wt%を含む)を含有し残部がAlと不可避的不純物からなるAl合金の芯材の外面と内面に、Zn0.50〜4.00wt%を含有し残部がAlと不可避的不純物からなるAl合金の皮材がクラッドされた管であることを特徴とする、気体燃料タンク用管部材。
- Mg0.10〜1.50wt%とSi0.10〜1.50wt%及びCu0.50wt%以下(0wt%を含む)を含有し残部がAlと不可避的不純物からなるAl合金の芯材の外面に、Zn0.50〜4.00wt%を含有し残部がAlと不可避的不純物からなるAl合金の皮材がクラッドされ、前記芯材の内面に、Mn0.30〜1.50wt%を含有し残部がAlと不可避的不純物とからなるAl合金の皮材がクラッドされた管であることを特徴とする、気体燃料タンク用管部材。
- Mg0.10〜1.50wt%とSi0.10〜1.50wt%及びCu0.50wt%以下(0wt%を含む)を含有し残部がAlと不可避的不純物からなるAl合金の芯材の外面に、Zn0.50〜4.00wt%を含有し残部がAlと不可避的不純物からなるAl合金の皮材がクラッドされ、前記芯材の内面に、Mn0.30〜1.50wt%,Cu0.05〜1.00wt%を含有し残部がAlと不可避的不純物からなるAl合金の皮材がクラッドされた管であることを特徴とする、気体燃料タンク用管部材。
- 前記皮材のクラッド率が、当該管部材の肉厚である芯材及び皮材の肉厚の合計の1〜25%であることを特徴とする、請求項1に記載の気体燃料タンク用管部材。
- 前記芯材の内外面の各々の皮材のクラッド率が、当該管部材の肉厚である芯材及び各皮材の肉厚の合計の1〜25%であることを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の気体燃料タンク用管部材。
- 押出成形により又は押出成形後に抽伸加工することにより製造されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の気体燃料タンク用管部材。
- 平行に配置された請求項1〜7のいずれかに記載の多数の管部材からなる管群を備え、全体が連通していることを特徴とする、気体燃料タンク。
- 前記管群は少なくとも一つのAl合金製の保持部材へ貫通状に保持され、各管部材の一端部又は両端部はキャップにより気密に封じられていることを特徴とする、請求項8に記載の気体燃料タンク。
- 前記保持部材と各管部材及び各キャップはろう付けされていることを特徴とする、請求項9に記載の気体燃料タンク。
- 前記管群は、当該管群を構成する管部材と少なくとも一つの保持部材に形成された各連通孔を介して連通されていることを特徴とする、請求項9又は10に記載の気体燃料タンク。
- 少なくとも一つのAl合金製の保持部材に請求項1〜7のいずれかに記載の管部材からなる管群を貫通状態に保持させるとともに当該管群全体を連通させ、各管部材の一端部又は両端部にAl合金からなるキャップを被せた組立体を製造する工程と、各管部材と保持部材及びキャップを還元性雰囲気中でフラックスろう付けする工程とを含むことを特徴とする、気体燃料タンクの製造方法。
- 前記保持部材又は/及びキャップがブレージング材であることを特徴とする、請求項12に記載の気体燃料タンクの製造方法。
- 加熱温度590〜620℃、保持時間1〜15分で前記フラックスろう付け後、前記組立体を15℃/分以上の速度で冷却する工程を含むことを特徴とする、請求項12又は13に記載の気体燃料タンクの製造方法。
- 前記冷却後に組立体を150〜200℃×5〜20時間で人工時効処理する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項14に記載の気体燃料タンクの製造方法。
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