JP3952610B2 - Fmcwレーダ装置の高周波回路及びfmcwレーダ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波やミリ波からなり照射方向が互いに異なった複数のレーダビームを用いて目標物体の位置情報を得るFMCWレーダ装置、及び該FMCWレーダ装置を構成する高周波回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、マイクロ波帯或いはミリ波帯のレーダ波を送受信することにより目標物体の位置情報を獲得するレーダ装置は、航空管制や気象観測をはじめとする様々な用途に幅広く用いられている。
【0003】
近年、このようなレーダ装置を車両に搭載し、車両前方に存在する衝突危険性のある障害物を検知して、運転者に警告を発したり、車両の動作(制動力等)を制御して危険を回避することが行われている。このような車載用レーダ装置では、小型で安価であることの他、比較的広い範囲に渡って障害物の検出を行う必要があるためレーダビームの走査が可能であることが要求される。
【0004】
ところで、レーダビームの走査方法としては、レーダ波を送受信するアンテナの向きを機械的に切り替える方法と、複数のアンテナを用いて電子的にビームの照射方向を切り替える方法とが知られている。しかし、機械的な切替方法では切替速度が遅いという問題があり、現状では、電子的な切替方法を用いたレーダ装置が数多く提案されている。
【0005】
この電子的な切替方法を用いたレーダ装置として、例えば、特開昭62−259077号には、互いに異なる方向に向けて配置された複数のアンテナに、インパット発振器で発生させた送信信号を電力分配器によって分配し、この電力分配された送信信号を各アンテナに供給することにより、各方向にてレーダ波を送受信するものが開示されている。
【0006】
一方、これらレーダ装置の小型化,低コスト化を図るための技術としては、マイクロ波やミリ波を扱う高周波回路を、半導体製造技術により小さな半導体チップに集積化してなるモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のようなレーダ装置の高周波回路をMMIC化する場合、送信信号やローカル信号を生成するために設けられたガンダイオードやインパットダイオードなどのいわゆる固体素子を、トランジスタやスタブ等にて構成された発振回路に置き換えなければならない。
【0008】
そして、このMMIC化された発振回路では、回路を構成する各素子が極めて小さく、固体素子のように大電力の信号を供給することができないため、発振回路の出力を分配して、複数のアンテナに供給すると、検知距離が大幅に低下してしまうという問題があった。
【0009】
そこで、例えば、特開平4−310887号に記載されているように、各アンテナ毎に送信回路(即ち送信信号を生成する発振回路)を設けることが考えられるが、MMICとして構成された発振回路は、固体素子を用いた場合と比較して、各送信回路が生成する送信信号の周波数を、正確に揃えることが困難であるという問題があった。
【0010】
即ち、MMICでは、基板状の素子やパタンは製版技術を用いて印刷により形成されるため、印刷時に発振回路を構成する素子の大きさやパタンがばらつくと、発振回路の発振周波数がずれてしまい、しかも、MMICでは、通常、固体素子に設けられているような周波数を微調整するための手段を設けることができないため、製造時のばらつきによってずれた周波数を微調整することができないのである。
【0011】
そして、特に車載用レーダ装置として多用されるFMCW方式のレーダ装置では、周波数を連続的に変化させたレーダ波を用いて目標物体の検出を行っているが、その周波数変調幅が、目標物体との距離や相対速度の検知精度に直接影響するため、各アンテナ毎に周波数変調幅の異なるレーダ波が送受信されていると、各アンテナ毎(即ち検知する方位毎)に距離の精度が異なってしまうという事態も発生しかねないため、各送信回路間にて送信信号を生成する発振器の特性を揃える必要性は高い。
【0012】
なお、例えば、外部から発振周波数を制御できる電圧制御発信器(VCO)を用いて個別に制御電圧を調節することにより、各々の周波数を揃えることも考えられるが、調整作業に手間を要するだけでなく、調整によって周波数を正確に合わせることができたとしても、経時変化により各発振器の周波数がずれてしまうため、長期間に渡って安定して使用することができないという問題があった。
【0013】
また更に、レーダ装置の高周波回路をMMIC化できたとしても、レーダ波によって広い範囲を走査するには、多くのアンテナが必要であったり、送出方向によって送信信号の位相を調節する等の複雑な構成が必要であったりするため、アンテナを含んだレーダ装置全体の小型化が強く望まれている。
【0014】
本発明は、上記問題点を解決するために、送信信号やローカル信号を生成するため複数設けられた高周波発振器の発振周波数を、アンテナに供給される送信信号の出力を低下させることなく全て揃えることができ、しかもMMIC化が可能なFMCWレーダ装置の高周波回路、及びこのような高周波回路を用いるのに好適な小型のFMCWレーダ装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた発明である請求項1記載のFMCWレーダ装置の高周波回路は、送信アンテナに供給されレーダ波として送出される送信信号を生成するための高周波発振器を少なくとも含んだ高周波処理部を複数備えており、基準信号注入手段が、基準信号生成手段にて生成された基準信号を、高周波処理部のそれぞれに注入する。
【0016】
なお、高周波処理部を構成する高周波発振器は、基準信号が注入されると、注入同期現象(インジェクションロックともいう)により発振周波数が基準信号の周波数にロックするように構成されている。従って、各送信信号生成手段が生成する送信信号は、すべて基準信号の周波数や位相と正確に一致することになる。
【0017】
このように、本発明のFMCWレーダ装置の高周波回路によれば、各送信アンテナ毎に、送信信号を生成する高周波発振器が備えられているので、MMIC化しても送信信号の強度を十分に確保でき、また、いずれの高周波発振器も発振周波数や位相が正確に一致しているので、どの高周波処理部を用いても高感度かつ均一な距離精度にて目標物体の検出を行うことができる。
【0018】
しかも注入同期現象を利用することにより、高周波発振器の発振を制御しているので、高周波発振器での発振周波数や位相を揃えるのに、煩雑な調整作業を行う必要がなく、また経時変化によって各高周波発振器間で発振周波数がずれてしまうこともないので、装置の信頼性及び保守性を向上させることができる。
【0019】
また、本発明のFMCWレーダ装置の高周波回路では、基準信号の周波数の増減に同期して、高周波発振器の固有発振周波数を増減させる周波数同期手段を備えており、更に、基準信号生成手段は、三角波発生器により生成された変調信号によって、基準信号の周波数を三角波状に連続的に変化させると共に、周波数同期手段は、その変調信号によって、高周波発振器の固有発振周波数を増減させるように構成されている。
従って、本発明のFMCWレーダ装置の高周波回路によれば、高周波発振器が注入同期現象を起こす周波数範囲が限られている(固有発振周波数を中心周波数として広がっている)にも関わらず、基準信号の周波数の増減に応じて固有発振周波数を増減させることで、基準信号の周波数が、そのロック可能な周波数範囲内に常に含まれるようにすることができる。
【0020】
即ち、FMCWレーダ装置では、送信信号の周波数を変調する場合、その周波数変調幅がロック可能な周波数範囲より大きければ、高周波発振器を基準信号に追従させることができなくなってしまうが、このような問題を解決することができる。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
次に、請求項2記載のFMCWレーダ装置の高周波回路では、各送信信号生成手段は、送信信号の生成を個別に起動停止可能に構成されている。
このように構成された本発明のFMCWレーダ装置の高周波回路では、例えば、目的の送信方向に最も近い方向に向いたレーダビームを有する送信アンテナへの送信信号を生成する送信信号生成手段のみを動作させ、他の送信信号生成手段からの送信信号の供給を停止させるように制御すれば、上記目的の送信方向以外にビームが送信されないため、仮に、目的の送信方向以外から反射波を受信しても、これをマルチパス(複数の物体に反射したレーダ波の受信)等を原因とする不要な反射波として特定でき、後段の処理にて除去できるため、信頼性の高い検出を行うことができる。
【0029】
【0030】
【0031】
次に、上述の請求項1または請求項2記載の高周波回路を備えたFMCWレーダ装置では、該高周波回路に接続され、送信アンテナ,受信アンテナ,或いは共用アンテナのいずれかとして使用されるレーダ用アンテナとして、例えば請求項3記載のように、複数の素子アンテナを直線的に配列してなるアレイアンテナと、各高周波処理部からの信号の入射位置によって、アレイアンテナから異なる方向へ平面波が放射されるよう前記各素子アンテナに分配される信号の位相を変化させるロットマンレンズとからなるものを用いることができる。
【0032】
このように構成されたFMCWレーダ装置は、レーダ用アンテナを極めて薄型に構成でき、また
高周波回路もMMIC化が可能なため、極めて薄型且つ小型に構成することができる。
また、同様に請求項1または請求項2記載の高周波回路を備えたFMCWレーダ装置では、レーダ用アンテナとして、請求項4記載のように、レーダ波を収束する誘電体レンズと、該誘電体レンズの焦点位置付近に、レーダ波の走査方向に沿って配置された複数のパッチアンテナとからなり、このパッチアンテナが、前記高周波回路の送信信号出力端毎又は受信信号入力端毎或いは送受信信号入出力端毎に設けられているものを用いてもよい。
【0033】
このように構成されたFMCWレーダ装置は、誘電体レンズによりビームが絞られアンテナ利得が高められるので、レーダの感度を向上させることができ、同じ感度を得るのであれば、より低出力(即ち小型)の送信信号生成手段/IF信号生成手段を用いることができ、レーダ装置をより小型化できる。
【0034】
なお、このようにパッチアンテナを用いる場合には、請求項5記載のように、パッチアンテナとして、給電面と放射面とが別面となるように構成されているものを用いることが望ましい。
即ち、パッチアンテナが形成される基板の給電面側に送信信号生成手段やIF信号生成手段を簡単に設けることができるため、装置のレイアウトが簡易化され、アンテナを含むレーダ装置全体の構成を小型化することができるのである。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の参考例及び実施例を図面と共に説明する。
[第1参考例]
図1は、第1参考例のレーダ装置の高周波回路の構成を表すブロック図である。
【0036】
図1に示すように、本参考例の高周波回路10は、制御端子Tcを介して入力される制御信号Cに従って起動/停止し、起動時には、送信信号Sを送信アンテナAsが接続される送信端子Tsから出力する高周波処理部としての3つの送信部12(12a〜12c)と、受信アンテナArが接続される受信端子Trからの受信信号Rに、ローカル信号LOを混合して中間周波信号IFを生成するIF信号生成手段としてのミキサMIXからなり、生成した中間周波信号IFを出力端子Toを介して外部に出力する受信部14とを備えている。
【0037】
また、本参考例の高周波回路10は、送信部12が生成する送信信号Sの基準となる基準信号Fを生成する高周波発振器OSCf及び該高周波発振器OSCfの出力を増幅する増幅器AMPfからなる基準信号生成手段としての基準信号生成部16と、基準信号生成部16にて生成された基準信号Fを伝送する共通伝送線CLと、共通伝送線CLにて伝送される基準信号Fの一部を分岐し、各送信部12a〜12cに供給する方向性結合器DJ1〜DJ3、及び同じく基準信号Fの一部を分岐しローカル信号LOとして受信部14を構成するミキサMIXに供給する方向性結合器DJ4とを備えている。なお、共通伝送線CL及び方向性結合器DJ1〜DJ3が基準信号注入手段に相当する。
【0038】
なお、送信部12a〜12cは、いずれも全く同じ構成をしており、送信信号Sを生成する送信信号生成手段としての高周波発振器OSCを備えている。
この高周波発振器OSCは、図2に示すように、高電子移動度電界効果トランジスタ(HEMT:high electron mobility transistor )20a、及びHEMT20aに正帰還を加えるためHEMT20aのソースに接続された帰還用スタブ20bからなる負性抵抗回路20と、一端がHEMT20aのゲートに接続され、他端がコンデンサ24を介して接地された伝送線からなる共振回路22と、一端がコンデンサ24の非接地端,他端が方向性結合器DJn(n=1〜3)に接続され、方向性結合器DJn側に信号が漏洩しないよう入力インピーダンスを調整するためのスタブ26と、一端がHEMT20aのドレイン,他端が送信部12の送信端子Tsに接続された伝送線28a、及び一端が送信端子Ts接続され、他端がコンデンサ30を介して接地されると共に抵抗32を介して送信部12の制御端子Tcに接続された伝送線28bからなり、当該高周波発振器OSCの出力インピーダンスを調整する出力整合回路28とを備えている。
【0039】
このように構成された高周波発振器OSCは、制御端子Tcを介して電力供給を受けると起動し、方向性結合器DJnから基準信号Fの供給がなければ、回路構成によって決まる固有発振周波数にて発振する。一方、方向性結合器DJnから基準信号Fの供給があれば、注入同期現象(インジェクションロック)により、発振周波数がロックされ、基準信号Fと同一周波数かつ同一位相の送信信号Sを生成する。
【0040】
なお、基準信号生成部16を構成する高周波発振器OSCfは、上述の高周波発振器OSCにおいて、スタブ26が省略され、制御端子Tcへの電力供給が常時行われる以外は、全く同様の構成をしており、各高周波発振器OSC,OSCfの固有発振周波数は、いずれもほぼ等しくなるように設定されている。
【0041】
以上のように構成された本参考例の高周波回路10では、制御信号Cにより送信信号Sの出力が許可(即ち、制御端子Tcを介して電力供給)されている送信部12でのみ高周波発振器OSCが起動し、その高周波発振器OSCにて生成された送信信号Sが送信端子Tsから出力される。そして、送信端子Tsに送信アンテナAsが接続されていれば、その送信アンテナAsからレーダ波として送出される。
【0042】
この時、基準信号生成部16により生成された基準信号Fが、共通伝送線CL,方向性結合器DJ1〜DJ3を介して各送信部12a〜12cの高周波発振器OSCに分配,注入されるため、起動中の高周波発振器OSCは、インジェクションロックにより、注入された基準信号Fと同一周波数かつ同一位相の送信信号Sを出力することになる。
【0043】
また、基準信号Fの一部は、共通伝送線CL,方向性結合器DJ4を介して受信部14のミキサMIXにもローカル信号LOとして供給され、ミキサMIXは、このローカル信号LOを受信端子Trから入力される受信信号Rに混合して中間周波信号IFを生成し、出力端子Toから外部に出力する。
【0044】
従って、本参考例の高周波回路10と、送信端子Ts及び受信端子Trに接続するアンテナAs,Arと、制御端子Tcに印加する制御信号Cを生成すると共に、出力端子Toから出力される中間周波信号IFを処理する信号処理装置とを組み合わせれば、簡単にレーダ装置を構成することができる。
【0045】
以上説明したように、本参考例の高周波回路10によれば、それぞれが別々のレーダ波として送出される複数の送信信号Sを、それぞれ専用の高周波発振器OSCを用いて生成しているので、当該高周波回路10をMMIC化しても、各送信信号Sの信号強度を十分に確保でき、しかも、基準信号Fを分岐することにより、送信信号Sの強度を低下させることなく信号強度の十分に大きなローカル信号LOを生成しているので、ミキサMIXでの変換ゲインも向上させることができる。つまり、本参考例の高周波回路10を用いてレーダ装置を構成すれば、高感度な検出を行うことができる。
【0046】
ところで、複数の送信アンテナAsを備えたレーダ装置を、前方を走行する車両や路側帯の障害物などを検出する車載用レーダ装置として用いる場合、送信アンテナAsとして指向性の強い(即ち絞られたレーダビームを有する)ものが使用され、それぞれが異なる方向にレーダ波を送出するように配置される。
【0047】
具体的には、送信アンテナAsのビーム幅を10°、車両正面の方位角を0°とすると、各送信アンテナAsを、各ビームが水平面(道路面)に沿って連続してつながるように、方位角−10°,0°,+10°(但し、正面を向いて左側がマイナス、右側がプラスとする)に向けて配置すれば、−15°〜+15°までの全ての範囲を漏れなくスキャンすることができる。なお、この場合、どの送信アンテナAsからのレーダ波も受信できるようにするには、ビーム幅30°の受信アンテナArを方位角0°に向けて配置すればよい。
【0048】
そして、このようなレーダ装置に本参考例の高周波回路10を適用すれば、高周波発振器OSCのインジェクションロックを利用して、各送信部12a〜12cにて生成される送信信号Sの周波数や位相をすべて一致させているので、どの方向にある目標物体も、均一な精度にて検出を行うことができる。
【0049】
また、本参考例の高周波回路10では、各送信部12a〜12c毎に、制御端子Tcが設けられ、個別に起動/停止できるようにされているので、送信したい方向のみ高周波発振器OSCを起動させることにより、対応する方向以外からの受信されたレーダ波を、マルチパス等による不要な反射波として特定することができ、より信頼性の高い検出を行うことができる。
【0050】
なお、本参考例では、高周波回路10を受信部14を含めて構成したが、受信部14及びローカル信号を生成する方向性結合器DJ4を省略して、レーダ波の送信のみを行う高周波回路を構成してもよい。
[第2参考例]
次に、第2参考例について説明する。
【0051】
本参考例の高周波回路10aは、第1参考例の高周波回路10とは、一部構成が異なるだけであるため、同じ構成については同一符号を付して説明を省略し、構成が相違する部分を中心に説明する。
即ち、図3に示すように、本参考例の高周波回路10aでは、基準信号注入手段に相当する構成として、基準信号Fを伝送する共通伝送線CL,各送信部12a〜12cに基準信号Fを分配する方向性結合器DJ1〜DJ3の代わりに、基準信号生成部16にて生成された基準信号Fを電波にして、各送信部12a〜12cの高周波発振器OSCに照射,注入する注入用アンテナAtが設けられている。また、ローカル信号LOを生成する方向性結合器DJ4は、基準信号生成部16と注入用アンテナAtとを接続する伝送線上に設けられている。
【0052】
なお、送信部12a〜12cを構成する高周波発振器OSCとしては、方向性結合器DJnから基準信号Fの供給を受けるために設けられていたスタブ26(図2参照)を省略したものを用いてもよい。このように構成された本実施例の高周波回路10aでは、基準信号生成部16にて生成され注入用アンテナAtを介して高周波発振器OSCに照射された基準信号Fは、高周波発振器OSCを構成するスタブや伝送線にて受信され、高周波発振器OSCの内部に注入される。
【0053】
すると、高周波発振器OSCは、インジェクションロックにより、注入された基準信号Fと同一周波数かつ同一位相の送信信号Sを出力する。
このように、本参考例の高周波回路10aによれば、第1参考例の高周波回路10と同様に、複数の送信信号Sをそれぞれ専用の高周波発振器OSCを用いて作成し、しかも、インジェクションロックを利用して各高周波発振器OSCの発振状態を制御し、また、基準信号Fを分岐してローカル信号LOを生成し、更に、送信部12a〜12cを個別に起動/停止するようにされているので、第1参考例の高周波回路10と全く同様の効果を得ることができる。
【0054】
これらの効果に加えて、本参考例の高周波回路10aでは、注入用アンテナAtを用いて基準信号Fを電波にして高周波発振器OSCに注入しており、共通伝送線CLや方向性結合器DJ1〜DJ3が不要なため、回路構成が簡単となるだけでなく、送信部12と基準信号生成部16とを物理的に接続する必要がないため、回路のレイアウトの自由度が増大し、レイアウトの制約が多い装置に適用する場合にも柔軟に対応できる。
【0055】
なお、本参考例では、高周波回路10aを受信部14を含めて構成したが、受信部14及び方向性結合器DJ4を省略して、レーダ波の送信のみを行う高周波回路を構成してもよい。また、本参考例では、基準信号Fを方向性結合器DJ4にて分岐することによりローカル信号LOを生成しているが、この方向性結合器DJの代わりに、注入用アンテナAtからの電波が照射される位置にインジェクションロック可能な高周波発振器を設け、この高周波発振器の出力をローカル信号LOとしてミキサMIXに供給するようにしてもよい。
【0056】
この場合、受信部14と基準信号生成部16との間も物理的に接続する必要がないため、より回路のレイアウトの自由度が大きくなる。また、第1及び第2参考例の高周波回路10,10aは、送信部12を3つ備えているが、送信部12の数はこれに限るものではなく、2つ或いは4つ以上備えていてもよい。
[第3参考例]
次に、第3参考例について説明する。
【0057】
本参考例の高周波回路10bは、第1参考例の高周波回路10とは、一部構成が異なるだけであるため、同じ構成については同一符号を付して説明を省略し、構成が相違する部分を中心に説明する。
図4に示すように、本参考例の高周波回路10bには、第1参考例の高周波回路10における送信部12及び受信部14の代わりに、3つの送受信部18(18a〜18c)が設けられ、ローカル信号LO生成用の方向性結合器DJ4が削除されている。本参考例ではこの送受信部18が高周波処理部に相当する。
【0058】
そして、送受信部18a〜18cは、いずれも全く同一の構成をしており、送信信号Sを生成する高周波発振器OSCと、制御端子Tcを介して入力される制御信号Cに従って起動/停止し、起動時には高周波発振器OSCにて生成された送信信号Sを増幅して、送信アンテナAsが接続される送信端子Tsに出力する増幅器AMPsと、高周波発振器OSCにて生成された送信信号Sの一部を分岐してローカル信号LOを生成するローカル信号生成手段としての方向性結合器DJsと、受信アンテナArが接続される受信端子Trからの受信信号Rに、方向性結合器DJsからのローカル信号LOを混合することにより中間周波信号IFを生成して出力端子Toから出力するIF信号生成手段としてのミキサMIXとを備えている。各送受信部18a〜18cの高周波発振器OSCは、それぞれ方向性結合器DJ1〜DJ3を介して基準信号Fが供給されるように接続されている。
【0059】
なお、本参考例の高周波発振器OSCでは、第1参考例において制御端子Tcに接続されていた端子(図2参照)から常時に電力供給を受け、発振動作を常時行うように設定されている。また、制御信号Cによる増幅器AMPsの起動/停止は、例えば、高周波発振器OSCの場合と同様に、制御信号Cによって電源供給を制御することで実現してもよいし、制御信号Cによって増幅率を変化させること、具体的には、HEMTを用いて構成されていれば、そのゲートバイアスを変化させることで実現してもよい。
【0060】
このように構成された本参考例の高周波回路10bでは、基準信号生成部16にて生成された基準信号Fが、共通伝送線CL,方向性結合器DJ1〜DJ3を介して各送受信部18a〜18cの高周波発振器OSCに分配,注入される。このため、高周波発振器OSCは、インジェクションロックにより、注入された基準信号Fと同一周波数かつ同一位相の送信信号Sを出力する。
【0061】
そして、制御信号Cにより送信信号Sの出力が許可されている(増幅器AMPsが起動されている)送受信部18でのみ、増幅器AMPsにて増幅された送信信号Sが送信端子Tsから出力され、送信端子Tsに送信アンテナAsが接続されていれば、その送信アンテナAsからレーダ波として送出される。
【0062】
この時、高周波発振器OSCにて生成された送信信号Sは、方向性結合器DJsにより一部分岐されてローカル信号LOとしてミキサMIXに供給され、ミキサMIXは、このローカル信号LOを受信端子Trから入力される受信信号Rに混合して中間周波信号IFを生成し、出力端子Toから外部に出力する。
【0063】
従って、本参考例の高周波回路10bと、送信端子Ts及び受信端子Trに接続するアンテナAs,Arと、制御端子Tcに印加する制御信号Cを生成すると共に、出力端子Toから出力される中間周波信号IFを処理する信号処理装置とを組み合わせれば、簡単にレーダ装置を構成することができる。
【0064】
以上説明したように、本参考例の高周波回路10bによれば、送受信部18毎に高周波発振器OSCが設けられており、この高周波発振器OSCの出力は2分岐されるだけであるため、送信信号Sの信号強度を大きく低下させてしまうことがなく、当該高周波回路10をMMIC化しても、送信信号Sの信号強度を十分に確保できる。
【0065】
また、本参考例の高周波回路10bでは、高周波発振器OSCのインジェクションロックを利用して、各送受信部18にて生成される送信信号Sの周波数や位相を全て一致させているので、第1参考例の高周波回路10の場合と同様に、本参考例の高周波回路10bを用いて構成されたレーダ装置では、どの方向にある目標物体も均一な精度にて検出を行うことができる。
【0066】
更に、本参考例の高周波回路10bでは、各送受信部18a〜18c毎に、制御端子Tcが設けられ、個別に送信信号Sの出力を許可/禁止できるようにされているので、第1参考例の場合と同様に、送信したい方向のみ高周波発振器OSCを起動させれば、対応する方向以外からの受信されたレーダ波を、マルチパス等による不要な反射波として特定することができ、信頼性の高い検出を行うことができる。
【0067】
また更に、本参考例の高周波回路10bでは、受信信号Rを処理するミキサMIXについては、すべての送受信部18のものが動作しているので、例えば、受信アンテナArをレーダビームが互いに重なり合うように設定しておけば、複数の送受信部18から同一目標物体についての出力(中間周波信号IF)を同時に得ることができ、これら出力の強度や位相を比較することにより、受信アンテナArにて受信されたレーダ波の到来方向を精度よく検出することができる。
[第4参考例]
次に第4参考例について説明する。
【0068】
本参考例の高周波回路10cは、第3参考例の高周波回路10bとは、一部構成が異なるだけであるため、同じ構成については同一符号を付して説明を省略し、構成が相違する部分を中心に説明する。即ち、図5に示すように、本参考例の高周波回路10cでは、基準信号注入手段に相当する構成として、基準信号Fを伝送する共通伝送線CLや各送受信部18a〜18cに基準信号Fを分配する方向性結合器DJ1〜DJ3の代わりに、基準信号生成部16にて生成された基準信号Fを電波にして、各送受信部18a〜18cの高周波発振器OSCに照射,注入する注入用アンテナAtが設けられている。
【0069】
なお、送受信部18a〜18cを構成する高周波発振器OSCとしては、第2参考例と同様に、方向性結合器DJnから基準信号Fの供給を受けるために設けられていたスタブ26(図2参照)を省略したものを用いてもよい。このように構成された本参考例の高周波回路10cでは、基準信号生成部16にて生成され注入用アンテナAtを介して高周波発振器OSCに照射された基準信号Fは、高周波発振器OSCを構成するスタブや伝送線路にて受信され、高周波発振器OSCの内部に注入される。
【0070】
すると、高周波発振器OSCは、インジェクションロックにより、注入された基準信号Fと同一周波数かつ同一位相の送信信号Sを生成する。そして、その送信信号Sは、送信端子Tsから出力されると共に、その一部は、同じ送受信部18を構成するミキサMIXに供給される。
【0071】
このように、本参考例の高周波回路10cによれば、第3参考例の高周波回路10bとは、高周波発振器OSCへの基準信号Fの注入方法が異なる以外は、全く同様に構成されているので、第3参考例の高周波回路10b同様の効果を得ることができる。
【0072】
それに加えて、本参考例の高周波回路10cでは、第2参考例の高周波回路10aと同様に、注入用アンテナAtを用いて基準信号Fを電波にして高周波発振器OSCに注入しており、共通伝送線CLや方向性結合器DJ1〜DJ3が不要なため、回路構成が簡単となるだけでなく、送受信部18と基準信号生成部16とを物理的に接続する必要がないため、回路のレイアウトの自由度が増大し、レイアウトの制約が多い装置に適用する場合にも柔軟に対応できる。
[第5参考例]
次に第5参考例について説明する。
【0073】
本参考例の高周波回路10dは、第3参考例の高周波回路10bとは、送受信部の構成が一部異なるだけであるため、同じ構成については同一符号を付して説明を省略し、構成が相違する部分を中心に説明する。
即ち、図6に示すように、本参考例の高周波回路10dでは、各送受信部19(19a〜19c)は、ローカル信号生成手段に相当する構成として、方向性結合器DJsの代わりに、インジェクションロック可能な高周波発振器OSCrを備えている。なお、この高周波発振器OSCrは、送信信号Sを生成する高周波発振器OSCと全く同様に構成されたものであり、各送受信部19a〜19cの高周波発振器OSCrは、それぞれ方向性結合器DJ4〜DJ6を介して基準信号が供給されるように接続されている。
このように構成された本参考例の高周波回路10dでは、基準信号Fが注入されることによりインジェクションロックした高周波発振器OSCが、基準信号Fと同一周波数かつ同一位相のローカル信号を生成する以外は、第3参考例の高周波回路10bと全く同様に動作する。
【0074】
従って、本参考例の高周波回路10dによれば、第3参考例の高周波回路10bと全く同様の効果を得ることができる。それに加えて、本参考例の高周波回路10dでは、送信信号Sが分岐されることがなく、しかも、個別の高周波発振器OSCrにて信号強度の大きなローカル信号LOをミキサMIXに供給でき、ミキサMIXでの変換利得を向上させることができるため、検出感度をより一層向上させることができる。
【0075】
なお、本参考例では、送受信部19a〜19cを構成する高周波発振器OSC,OSCrは、いずれも共通伝送線CL及び方向性結合器DJ1〜DJ6を介して基準信号Fを注入するように構成されているが、第2参考例や第4参考例と同様に、共通伝送線CL、及び方向性結合器DJ1〜DJ6の代わりに、基準信号生成部16にて生成された基準信号Fを電波として送受信部19a〜19cに照射,注入する注入用アンテナAtを設けてもよい。
[第6参考例]
次に第6参考例について説明する。
【0076】
本参考例の高周波回路10eは、第3参考例の高周波回路10bとは構成が一部異なるだけであるため、同じ構成については同一符号を付して説明を省略し、構成が相違する部分を中心に説明する。
即ち、図7に示すように、本参考例の高周波回路10eは、送受信部18a〜18cのそれぞれに、伝送線をリング状に接続してなる信号分離手段としてのハイブリッドカプラ40が接続されている。なお、本図では、図面を見やすくするため、一つの送受信部18の周辺のみ示している。
【0077】
このハイブリッドカプラ40は、送受信兼用の共用アンテナAmが接続される送受信端子Tmを備え、送受信部18の送信端子Tsから入力される送信信号Sを、送受信端子Tmにのみ通過させ、また、この送受信端子Tmから入力される受信信号Rを、送受信部18の受信端子Trにのみ通過させるように構成された周知のものである。
【0078】
このように構成された本参考例の高周波回路10eを用いてレーダ装置を構成すれば、アンテナ数を削減できるため、装置を小型化できるだけでなく、各共用アンテナAmでは、レーダビームが送信時と受信時とで全く一致しているため、アンテナAmの能力を最大限に有効利用できる。
【0079】
なお、本参考例では、第3参考例の高周波回路10bにハイブリッドカプラ40を適用したが、これに限らず、第4及び第5参考例にて説明した高周波回路10c,10d等のように、送信端子Ts及び受信端子Trをいずれも有する送受信部を備えたものであれば、同様に適用することができる。
【0080】
また、本参考例では、ハイブリッドカプラ40を用いているが、これと同様の動作が得られる、永久磁石を用いたサーキュレータやラットレース回路等を用いてもよい。
[第1実施例]
次に第1実施例について説明する。
本実施例の高周波回路10fは、第3参考例の高周波回路10bとは構成が一部異なるだけであるため、同じ構成については同一符号を付して説明を省略し、構成が相違する部分を中心に説明する。
【0081】
即ち、本実施例の高周波回路10fは、周波数が三角波状に連続的に変化するレーダ波を用いて目標物体の検出を行うFMCW方式のレーダ装置に適用されるものであって、図8に示すように、送受信部18a〜18cを構成する高周波発振器OSC、及び基準信号生成部16を構成する高周波発振器OSCfが、変調信号Mに従って、固有発振周波数を変化させることができるように構成されていると共に、この変調信号Mを生成する三角波発生器42が設けられている。なお、図8では、図面を見やすくするため、送受信部18を一つだけ示しているが、他の送受信部18の高周波発振器OSCも同様に三角波発生器42から変調信号Mの供給を受けるように構成されている。この三角波発生器42及び該三角波発生器42から高周波発振器OSCに変調信号Mを伝送する伝送線が周波数同期手段に相当する。
【0082】
ここで、各送受信部18を構成する高周波発振器OSCは、図9に示すように、図2を用いて先に説明した高周波発振器の構成に加えて、抵抗36a,36b,36cからなり、三角波発生器42からの変調信号Mを分圧してなるバイアス電圧を、共振回路22とコンデンサ24との接続端に印加することにより、共振回路22を介してHEMT20aのゲートに印加するバイアス印加回路36を備えている。但し、一端が伝送線28b及びコンデンサ30の接続端に接続された抵抗32の他端には、電源電圧或いは電源電圧を分圧してなる一定電圧が印加されている。
【0083】
この高周波発振器OSCでは、変調信号M(の電圧値)に応じて、HEMT20aのゲート・ソース間に印加するバイアス電圧が変化し、これに伴ってゲート・ソース間容量が変化することにより固有発振周波数が変化し、ひいてはインジェクションロックが可能な周波数範囲(以下、ロック可能範囲という)が変化する。
【0084】
なお、送受信部16を構成する高周波発振器OSCfは、スタブ26が省略されている以外は、全く同様に構成されており、高周波発振器OSC,OSCfは、いずれも、同じ大きさの変調信号Mに対してほぼ同じ周波数で発振するように設定されている。
【0085】
このように構成された本実施例の高周波回路10fによれば、図10(a)に示すように、基準信号F(即ち送信信号S)の周波数の変化と共に、この基準信号Fが注入される高周波発振器OSCのロック可能範囲が変化するため、基準信号Fの周波数変調幅がロック可能範囲より大きい場合でも確実にインジェクションロックを行うことができ、FMCW方式のレーダ装置を構成する際に好適に用いることができる。
【0086】
なお、図10(b)に示すように、基準信号Fの周波数変調幅が送受信部18を構成する高周波発振器OSCのロック可能範囲より小さい場合は、高周波発振器OSCに変調信号Mを印加することなく、高周波発振器OSCの固有発振周波数を周波数変調幅の中心付近に固定して用いてもよい。
【0087】
また、本実施例では、第3参考例の高周波回路10bに三角波発生器42を追加した構成について説明したが、この送信信号Sを生成する高周波発振器OSCの固有発振周波数を基準信号Fの周波数と同様に変化させる技術は、上述の他の参考例に適用してもよい。
【0088】
また、第3ないし第5参考例の高周波回路10b〜10dでは、送受信部18,19を3つ備えたものについて説明したが、送受信部18,19の数はこれに限るものではなく、2つ或いは4つ以上備えていてもよい。
[第7参考例]
次に、第1参考例の高周波回路10を適用して構成したレーダ装置について説明する。
【0089】
図11(a)は本参考例のレーダ装置50の全体構成を表すブロック図、図11(b)はそのアンテナ部を前方及び後方から見た斜視図である。
図11(a)に示すように、本参考例のレーダ装置50は、レーダ波を送信するアンテナ部52と、図1に示された高周波回路10の送信部12をMMIC化してなる送信部54(54a〜54g)を複数備えた高周波回路56と、各送信部54の制御端子Tcに印加する制御信号Cを生成すると共に、高周波回路56の出力端子Toから得られる中間周波信号IFに基づいて、目標物体の検出を行う信号処理回路58とを備えている。即ち、高周波回路56は、第1実施例の高周波回路10において送信部12が増設された構成となっている。
【0090】
このうち、アンテナ部52は、図11(b)に示すように、平面アンテナA〜Gをレーダ波の走査方向に沿って直線的に配列してなるアレイアンテナ52aと、各送信部54a〜54gの送信端子Tsから送出される送信信号Sの位相を調節して各平面アンテナA〜Gに分配する周知のロットマンレンズ52bとからなり、高周波回路56及び信号処理回路58は、ロットマンレンズ52bの裏面(平面アンテナA〜Hの取り付け面とは反対側)に取りつけられている。なお、各送信部54の送信端子Tsは、平面アンテナA〜Gと同様に、レーダ波の走査方向に沿って一列に配置されている。
【0091】
そして、ロットマンレンズ52bでは、送信部54aから入力された送信信号Sは、平面アンテナAには最も位相遅れが小さく、逆に平面アンテナGには最も位相遅れが大きくなるように伝達されると共に、その間の平面アンテナB〜Fには、F側になるほど位相遅れが等間隔で順次大きくなるように伝達される。このため、アレイアンテナ52aからは、アレイアンテナ52aの正面より平面アンテナH側に傾いた方向に平面波が放射されることになる。
【0092】
一方、中央に配列された送信部54dから入力された送信信号Sは、平面アンテナA〜Gのすべてに同じ位相遅れで伝達される。このため、アレイアンテナ52aからは、アレイアンテナ52aの正面に向けて平面波が放射されることになる。
【0093】
従って、本参考例のレーダ装置50によれば、制御信号Cを用いて、送信部54の起動/停止を制御して、いずれか一つの送信部54のみを順次起動させるように信号処理回路58を構成すれば、送信ビームのスキャンを行うことができ、上述したように、マルチパス等の不要反射波を確実に除去可能な信頼性の高い検出を行うことができる。
【0094】
また、本参考例のレーダ装置50では、アンテナ部52を平面アンテナA〜Gと、ロットマンレンズ52bにより構成しているので、極めて薄型の装置を構成することができる。
なお、本参考例では、上記第1参考例の高周波回路10を適用したレーダ装置について説明したが、これに限らず、上述したどの高周波回路10a〜10fを適用してもよい。
【0095】
特に、送信部の代わりに送受信部を有する高周波回路10b〜10dを適用した場合には、送信端子Ts用と受信端子Tr用とでアンテナ部52を2組用意する必要がある。但し、送受信部にハイブリッドカプラ40を追加してなる高周波回路10eを適用した場合には、別途受信アンテナを設ける必要がなく1組のアンテナ部52だけ設ければよい。
[第2実施例]
第7参考例のレーダ装置において、高周波回路10の代わりに第1実施例の高周波回路10fを適用したものが第2実施例のレーダ装置である。
[第8参考例]
次に第3参考例の高周波回路10bを適用したレーダ装置60について説明する。
【0096】
図12(a)は、本参考例のレーダ装置60の外観を表す斜視図、図12(b)は、ビームの放射方向を表す説明図である。
図12(a)に示すように、本参考例のレーダ装置60は、図4に示した高周波回路10bの送受信部18をMMIC化してなる送受信部62、送信用及び受信用のためにそれぞれ設けられた一対のパッチアンテナPAs,PArが実装された基板64を、複数個(本参考例では7個)一列に配列してなるキャリア66と、送信用のパッチアンテナPAsから放射されたレーダ波のビーム幅を絞ると共に、外部から入射されるレーダ波を受信用のパッチアンテナPAr上に収束させる誘電体レンズ68とを備えている。
【0097】
ここで、図13(a)は、キャリア66の正面図及びそのX−X断面図、図13(b)はキャリア66の背面図である。図13(a)及び(b)に示すように、パッチアンテナPAs,PArは、基板64の一方の面に電波の入出射面が形成され、他方の面に給電面が形成されたものが用いられている。そして、基板64の中央部に送受信部62が実装され、この送受信部62を挟んで両側にパッチアンテナPAs,PArが実装されている。この基板64は、パッチアンテナPAs,PArの入出射面が形成された側をキャリア66の背面に対向させるようにして、キャリア66に取り付けられている。
【0098】
なお、キャリア66には、各パッチアンテナPAs,PArと対向する位置に、その入射面を露出させるための窓76aが形成されている。また、キャリア66の背面には、基準信号Fを伝送する共通伝送線CLの他、制御信号C,中間周波信号IFを伝送するための伝送線群や、共通伝送線CLから、基準信号Fの一部を分岐して送受信部62に供給する方向性結合器DJnが実装され、更に、基準信号Fを生成する基準信号生成部16(図示せず)も実装されている。つまり、キャリア66上には、第3参考例の高周波回路10bにおいて送受信部18を増設した構成の高周波回路が実装されている。
【0099】
このように構成されたキャリア66は、誘電体レンズ68の焦点位置近傍に、誘電体レンズ68と平行に、且つレーダ波の走査方向に沿って各基板64が並ぶように配置されている。そして、図12(b)に示すように、レーダ波の放射方向を正面として、正面に向かって最も右に配置された基板64aのパッチアンテナPAs,PArのビームは、誘電体レンズ68の作用により、正面に向かって左に傾いた方向に放射され、また、中央に配置された基板64dのパッチアンテナPAs,PArのビームは、正面に向かって放射される。即ち、各基板64(64a〜64g)は、その配置位置に応じて、それぞれ異なる方向にレーダ波を送受信するように構成されている。
【0100】
以上説明したように、本参考例のレーダ装置60によれば、基板64の異なる面に放射面と給電面とが形成されるパッチアンテナPAs,PArを用いているので、基板64の背面(給電面と同じ面)に、送受信部62等を無理なく配置することができ、コンパクトな装置を構成することができる。
【0101】
また、本参考例のレーダ装置60では、誘電体レンズ68を用いることにより、キャリア66に対する基板64(即ちパッチアンテナPAr,PAs)の取り付け角度を各基板64毎に変化させることなく、レーダビームの放射方向をそれぞれ変化させているので、装置の作成を容易化できる。
[第9参考例]
次に第4参考例の高周波回路10cを適用したレーダ装置について説明する。
【0102】
本実施例のレーダ装置70は、第8参考例のレーダ装置60とは、キャリア66部分の構成が異なるだけであるため、このキャリア76についてのみ説明する。なお図14は、本参考例のレーダ装置におけるキャリア部分の正面図、及びそのY−Y断面図である。
【0103】
図14に示すように、本参考例のレーダ装置におけるキャリア76は、図5に示した高周波回路10cの送受信部18をMMIC化してなる送受信部72、送信用及び受信用のためにそれぞれ設けられた一対のパッチアンテナPAs,PArが実装された基板74を複数備えており、これら基板74は、第8参考例の場合と同様に、キャリア66に取りつけられている。なお、キャリア76の背面には、制御信号C,中間周波信号IFを伝送するための伝送線群MLのみが設けられている。
【0104】
そして、キャリア76の後方(背面と対向する側)には、図5に示した高周波回路10cの基準信号生成部16をMMIC化した回路73と、注入用アンテナAtとしてのパッチアンテナPAtとが実装された基板75を取りつけてなる第2のキャリア77が配置されている。なお、基板75は、第2のキャリア77の背面に取り付けられており、第2のキャリア77には、パッチアンテナPAtと対向する部分に、これを露出させるための窓77aが設けられている。
【0105】
更に、キャリア76と第2のキャリア77との間には、金属板等からなり電波の通過を阻止する遮蔽手段としての遮蔽板80が設けられている。但し、遮蔽板80には、図14(a)に示すように、送受信部72中の高周波発振器OSCの実装位置と対向する部分に、第2のキャリア77からの電波(基準信号F)を通過させるための開口部80aが設けられている。
【0106】
また、第2のキャリア77に形成された窓77aは、図14(b)に示すように、送受信部72を実装する基板74の配列方向に電波が広がるよう横長に形成されている。
このように構成された本参考例のレーダ装置70では、第2のキャリア77のパッチアンテナPAtから放射された電波(基準信号F)は、遮蔽板80により制限され、高周波発振器OSCのみに照射されるため、ミキサMIX等に照射されてミキサMIXが飽和する等の不都合が生じてしまうことがなく、装置の信頼性を向上させることができる。
【0107】
なお、本参考例では、第4参考例の高周波回路10cを適用したレーダ装置について説明したが、上述の遮蔽板80は、これに限らず、注入用アンテナAtを用いて電波により基準信号Fを高周波回路に注入するように構成されてさえいれば、同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1参考例の高周波回路の概略構成図である。
【図2】 高周波発振器の詳細な構成を表す回路図である。
【図3】 第2参考例の高周波回路の概略構成図である。
【図4】 第3参考例の高周波回路の概略構成図である。
【図5】 第4参考例の高周波回路の概略構成図である。
【図6】 第5参考例の高周波回路の概略構成図である。
【図7】 第6参考例の高周波回路の概略構成図である。
【図8】 第1実施例の高周波回路の概略構成図である。
【図9】 高周波発振器の詳細な構成を表す回路図である。
【図10】 第1実施例の高周波回路の動作を表す説明図である。
【図11】 第7参考例のレーダ装置の構成を表すブロック図、及び斜視図である。
【図12】 第8参考例のレーダ装置の構成を表す説明図である。
【図13】 キャリアの正面図、背面図、及び断面図である。
【図14】 第9参考例のレーダ装置におけるキャリアの正面図、及び断面図である。
【図15】 遮蔽板の形状、及び基準波送出部の構成を外観を表す説明図である。
【符号の説明】
10,10a〜10f,56…高周波回路12(12a〜12c),54(54a〜54d)…送信部14(14a〜14c)…受信部 16,73…基準信号生成部16(16a〜16c),18(18a〜18c),19(19a〜19c),62,72…送受信部 20…負性抵抗回路 22…共振回路24,30…コンデンサ 26…スタブ 28…出力整合回路32…抵抗 36…バイアス印加回路 40…ハイブリッドカプラ42…三角波発生器 50,60,70…レーダ装置 52…アンテナ部52a…アレイアンテナ 52b…ロットマンレンズ58…信号処理回路 64(64a〜64d),74,75…基板66…キャリア 68…誘電体レンズ 76,77…キャリア76a,77a…窓 80…遮蔽板 80a…開口部A〜G…平面アンテナ AMPf,AMPs…増幅器Am…共用アンテナ Ar…受信アンテナ As…送信アンテナAt…注入用アンテナ CL…共通伝送線 ML…伝送線群DJn(DJ1〜DJ6),DJs…方向性結合器 MIX…ミキサOSC,OSCf,OSCr…高周波発振器PAr,PAs,PAt…パッチアンテナ Ts…送信端子Tr…受信端子 Tm…送受信端子 Tc…制御端子 To…出力端子
Claims (5)
- 送信アンテナに供給されレーダ波として送出される送信信号を生成するための高周波発振器を少なくとも含んだ高周波処理部を複数備えるFMCWレーダ装置の高周波回路において、
前記送信信号の周波数を規定するための基準信号を生成する基準信号生成手段と、
該基準信号生成手段にて生成された基準信号を、前記高周波処理部のそれぞれに注入する基準信号注入手段と、
前記基準信号の周波数の増減に同期して、前記高周波発振器の固有発振周波数を増減させる周波数同期手段と、
を備え、前記高周波発振器として、前記基準信号が注入されると、注入同期現象により発振周波数が前記基準信号の周波数にロックするものを用いると共に、
前記基準信号生成手段は、三角波発生器により生成された変調信号によって、前記基準信号の周波数を三角波状に連続的に変化させ、前記周波数同期手段は、前記変調信号によって、前記高周波発振器の固有発振周波数を増減させるように構成されていることを特徴とするFMCWレーダ装置の高周波回路。 - 請求項1記載のFMCWレーダ装置の高周波回路において、
前記各送信信号生成手段は、前記送信信号の生成を個別に起動停止可能に構成されていることを特徴とするFMCWレーダ装置の高周波回路。 - 請求項1または請求項2記載の高周波回路と、
該高周波回路に接続され、前記送信アンテナ,受信アンテナ,或いは共用アンテナのいずれかとして使用されるレーダ用アンテナと、
を備えたFMCWレーダ装置において、
前記レーダ用アンテナが、
複数の素子アンテナを直線的に配列してなるアレイアンテナと、
各高周波処理部からの信号の入射位置によって、前記アレイアンテナから異なる方向へ平面波が放射されるよう前記各素子アンテナに分配される信号の位相を変化させるロットマンレンズと、
からなることを特徴とするFMCWレーダ装置。 - 請求項1または請求項2記載の高周波回路と、
該高周波回路に接続され、前記送信アンテナ,受信アンテナ,或いは共用アンテナのいずれかとして使用されるレーダ用アンテナと、
を備えたFMCWレーダ装置において、
前記レーダ用アンテナが、
レーダ波を収束する誘電体レンズと、
該誘電体レンズの焦点位置付近に、レーダ波の走査方向に沿って配置された複数のパッチアンテナと、
からなり、前記高周波回路の送信信号出力端毎又は受信信号入力端毎或いは送受信信号入出力端毎に、前記パッチアンテナが設けられていることを特徴とするFMCWレーダ装置。 - 請求項4記載のFMCWレーダ装置において、
前記パッチアンテナは、該パッチアンテナが形成された基板のいずれか一方の面側から給電され、いずれか他方の面側からレーダ波を放射するよう構成されていることを特徴とするFMCWレーダ装置。
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