JP3952522B2 - 軸受用シール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、転がり軸受等に装着されるシールに係り、特に、HDD、VTRなどの回転支持部に使用されるミニチュア軸受など,小型の軸受のシールとして好適な軸受用シールに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、転がり軸受用シールは、軸受の片面又は両面に配置されて軸受内への異物の侵入を防止すると共に軸受内の潤滑剤を保持するもので、環状の板形状等に成形されて、軌道輪,例えば外輪の嵌合溝に外周部を嵌合することで取り付けられる。
【0003】
このようなシールとしては、シール本体を弾性を有する合成ゴム、合成樹脂、熱可塑性エラストマーで構成し、そのシール本体を金属製の補強環で補強したものが知られている。しかし、このシールは、補強環を使用するため、当該補強環にかかる費用はもとより、製造工程が複雑化して形状設計上の自由度が制限されたり小型化が困難であり、高価なシールとなる。
【0004】
また、近年、HDD、VTR等の回転支持部に使用するミニチュア軸受の需要が急速に増加し、これにともない、補強環で補強しない、合成ゴム、合成樹脂、熱可塑性エラストマー等を単体で使用したシールの要求が強くなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記補強環を有しないシールとして、補強環を有するシールの素材と同等の材料で作成した場合には、強度や剛性が不足して、軸受に嵌合して装着した後に反り変形するおそれがある。従って、シールを厚くして所定の強度や剛性を確保する必要があるが、厚くするにも軸受の内部空間容積や幅との関係で自ずと限界があり、特に小型の軸受に適用しがたい。
【0006】
また、補強環を有するシールの素材に用いられる合成ゴム等よりも高剛性の弾性体でシールを作成して装着後の反り変形などを抑えるということも考えられるが、剛性が高いため軸受の嵌合溝にシールを取り付ける際に嵌合し難く作業性が悪化し、しかも弾性が不足するため嵌合溝部分の密封性が劣り、軸受内部に封入したグリース等の潤滑剤が短期に漏洩するおそれがある。
【0007】
さらに、シールの素材として合成ゴム、合成樹脂、熱可塑性エラストマーを単体で使用した場合には、温度並びに潤滑剤に含まれる油分による膨潤・収縮が生じシールの寸法変化が大きくなる。このため、シールのうち軸受に固定した部分の反対側と軸受とのクリアランス、例えば、シールの内径側と内輪端部外周面との間のクリアランスを適正に維持することが困難となり、短期に軸受から潤滑剤が漏洩したり軸受内に塵埃が侵入するおそれがある。
【0008】
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、補強環を用いることなく、簡単な手段によって密封性に優れた軸受用シールを提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1の軸受用シールは、熱可塑性ポリエステルエラストマーを母材としてガラス繊維を10〜50重量%混入させた素材から形成され、外周部及び内周部の近傍にそれぞれ分散されるガラス繊維の配向を同心状に配向し、且つ、上記外周部と内周部とを連結する芯部に分散するガラス繊維を放射状に配向したことを特徴としている。
次に、請求項に記載した発明は、請求項1に記載した構成に対しガラス繊維の混入量は、30〜40重量%であることを特徴としている。
【0010】
本発明の軸受用シールを形成する素材の母材となる熱可塑性ポリエステルエラストマーは、耐熱性、及び強度,伸び,耐疲労性等の機械的性質に優れた熱可塑性エラストマーである。その構造は、ポリエステルブロック共重合体であり、その重合体連鎖中に、主として芳香族ポリエステル単位からなるハードセグメントである高融点結晶性セグメントと、主として脂肪族ポリエーテル単位及び/又は脂肪族ポリエステル単位からなるソフトセグメントである低融点重合体セグメントとからなる。
【0011】
このような、機械的性質、耐熱性、及び柔軟性に優れた熱可塑性ポリエステルエラストマーからなる母材に、耐熱性、耐油性、剛性に優れ且つ膨張・収縮の極めて小さいガラス繊維を適量,混入することで、適度の剛性と弾性とを併せ持つと共に寸法精度が良好で寸法変化の小さなシールが得られる。
【0012】
この結果、本発明のシールは、適度な剛性及び弾性を持つことで、軸受への取付け性を悪化させることはなく、軸受の取付け部へ嵌合等により装着した後の反り変形が防止される。さらに、寸法変形が小さく適当な弾性力をもつので、軸受の取付け部との密封性が良好であり、しかもシールの軸受に固定した部分(取付け部)とは反対側の部分と軸受とのクリアランス、例えば、シールの内径側と内輪端部外周面とのクリアランスを適正に維持することが可能となる。
【0013】
ここで、ガラス繊維の含有割合を10〜50重量%としたのは、10重量%よりも少ないと、シールの剛性及び寸法安定性が不十分となるおそれがあるためであり、逆に、50重量%を超えると、シールが成形し難くなるばかりでなく、シールの弾性が乏しくなり嵌合溝部分などの取付け部との密封性が不十分となるおそれがあるからである。
【0014】
上記ガラス繊維の径は、特に限定されないが、繊維径で3〜20μmのものが好ましく、特に5〜15μmであるものが好ましい。これは、繊維径が3μmより小さいと、混入量が同じでも、母材との界面の面積が増加して組成物の溶融粘度が上昇しシールとして成形し難くなるおそれがあり、逆に、繊維径が20μmを超えると、シールの外観を著しく悪化させるおそれがあるからである。
【0015】
また、特に繊維径が5〜15mmの場合、組成物の粘度、及びシールの外観、並びに剛性のバランスが良好なものとなる。
また、ガラス繊維の長さも、特に限定されないが、繊維径の5倍以上で6mm以下であることが好ましく、特に10倍以上で3mm以下であるものが好ましい。繊維長が繊維径の5倍より短い場合には、シールの剛性が不十分となるおそれがあり、逆に、繊維長が6mmを超えると、母材への溶融混練がし難くなるからである。
【0016】
また、特に繊維長が繊維径の10倍以上で3mm以下の場合、シール用組成物としての強度並びに剛性と伸びのバランスが良好なものとなる。
このガラス繊維は、特に限定されないが、例えば、無アルカリガラス(所謂Eガラス)があげられている。
【0017】
また、ガラス繊維は、母材である熱可塑性ポリエステルエラストマーとの密着性を向上させる目的で、例えば、シラン系、アルミニウム系、チタネート系等のカップリング剤で処理したガラス繊維を用いてもよいし、そのようなカップリング剤を溶融混練時に添加してもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本実施の形態では、ミニチュア玉軸受に装着される軸受用シールを例に説明するが、軸受の種類やシールの形状などは、以下に説明するものに限定されない。
【0019】
本実施の形態のミニチュア玉軸受は、図1に示すように、内輪1と外輪2とが玉3(転動体)を介して径方向に対向配置され、上記玉3の両側にそれぞれシール5が配置されている。なお、図1中、4は保持器を表している。
【0020】
上記シール5は、図2に示すような環状の板部材であって、外周部5aが、外輪2内径面に設けられた嵌合溝6に嵌合されて軸受に取り付けられる。さらに、シール5の内周部5bは、内輪1外径面外縁部に設けた円環溝7に所定のクリアランスをもって遊嵌される。
【0021】
なお、図2及び後述の図3〜図5中の、P,Q,R,Sは、ゲート位置を説明するためのもので、シール5の構成とは関係ない。
このシール5は、熱可塑性ポリエステルエラストマーを母材とし、その母材中にガラス繊維GFを10〜50重量%混入し適当に分散させたプラスチックを素材として、上記円環板形状など目的とするシール形状に成形したものである。
【0022】
上記母材中に混入して分散するガラス繊維GFの配向は、特に限定はないが、上記図2に示すシール5では、外周部5a及び内周部5bの近傍にそれぞれ分散されるガラス繊維GFの配向を、同心円状に配向した例を示している。このように配向することで、外輪2に取り付けられる外周部5a及び円環溝7に遊嵌される内周部5bであるシール5の周縁部の径方向の弾性の低下を小さく抑えられるため、特に嵌合溝6に嵌合した嵌合部(外周部5a)の密封性が維持でき、所定の弾性を保持しつつ相対的にガラス繊維GFの増量が可能となる。この結果、シール5全体として強度や剛性の向上が図れ、嵌合後のシール5の反り変形や寸法変化が少なくなる。特に、軸受に嵌合する外周部5a側でガラス繊維GFを同心状に配したときに有効である。
【0023】
さらに、図3に示すように、芯部5c(外周部5aと内周部5bとを連結する部分)に分散するガラス繊維GFを放射状に配向するとよい。ガラス繊維GFを放射状に配向させることで、さらに有効に反り変形等を防止して、さらにシール5全体としての強度や剛性を向上させることが可能となる。
【0024】
上記シール5の素材は、例えば、次のようにすることで作成できる。
予め、母材となる熱可塑性ポリエステルエラストマーやガラス繊維GF等の原料を乾式混合機(ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、タンブラーミキサーなど)で予備混合した後に、溶融混合機(加圧ニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダープラストグラフなど)で溶融混合する。
【0025】
または、ガラス繊維GF以外の原材料を乾式混合機で予備混合し、溶融混合機で溶融可塑化した後に、ガラス繊維GFを規定量だけ添加する。
そして、上記溶融混合した材料を、例えば、ペレット状とし、射出成形機(スクリュウインラインなど)で、目的とするシール形状に成形する。成形条件は、特に、限定されず、熱可塑性ポリエステルエラストマーの通常の成形条件で実施すればよい。
【0026】
ここで、ガラス繊維をGFを、芯部5cで放射状に配向したり、外周部5aや内周部5bで同心状に配向することは、金型成形の際のゲート位置を適当に設定することで実現できる。例えば、図2に示すように、芯部5cに多点のピンポイントゲートPを設けたり、図3に示すように、芯部5cにディスクゲートQを設けたり、図4に示すように、外周部5aに多点のサイドゲートRを設けたり、図5に示すように、内周部5bにディスクゲートSを設けたりすることで実現できる。なお、図2,図4,及び図5のゲート位置P,R,Sは、真円度等の寸法精度を向上させるために割りと一般的なゲート位置である。また、図3に示すゲート位置Qは、金型構造が複雑となると共にゲートカットが煩雑となるおそれがある。
【0027】
なお、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて各種添加材(剤)を添加してもよい。添加材(剤)としては、各種合成樹脂、充填材、無機充填材、靱性改良材(例えばゴムなど)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光保護剤、耐熱安定剤、難燃剤、帯電防止剤、過酸化分解剤、流動性改良剤、非粘着性付与剤、離型剤、増核剤、可塑剤、固体潤滑剤、着色剤、など数多くのものが例示できる。
【0028】
また、熱可塑性ポリエステルエラストマーの機械的性質を向上させる目的でゴムをブレンドし、架橋剤と共に混練しながらゴムを架橋させ、且つ、そのゴムを微細に分散させる,所謂,動的架橋を行ってもよい。
【0029】
以上のような素材からなるシール5では、適度の剛性と弾性とを併せ持ち、しかも寸法精度が良好で寸法変化の小さなものとなる。
従って、軸受への組み付けの作業性をさほど悪化させることなく、外周部5a側を外輪2の嵌合溝6に嵌合し、内周部5b側を内輪1の円環溝7内に所定のクリアランスをもって遊嵌できる。そして、組み付け後に反り変形が発生することも防止される。しかも、寸法変形も小さいので、外輪2の嵌合溝6との密封性が良好で、しかも、シール5内周部5bと内輪1の嵌合溝6との間のクリアランスを適正に維持することができて、この部分の密封性も良好なものとなる。
【0030】
【実施例】
次に示す原材料を使用して、本発明に基づくシール5及び比較のためのシール5を作成し、各種試験を行った。
【0031】
▲1▼熱可塑性ポリエステルエラストマー(以下、TPEEと呼ぶ)として、東洋紡績社製のペルプレン(登録商標)S−1001を使用する。
▲2▼ポリアセタールコポリマー(以下、POMと呼ぶ)として、ポリプラスチックス社製のジュラコン(登録商標)M90−44を使用する。
【0032】
▲3▼ガラス繊維であるガラスチョップドストランド(以下、GFと呼ぶ)として、日東紡績社製のCS3PE−941を使用し、繊維径が13μmで、繊維長が3mmのものであり、シランカップリング剤処理品を使用する。
【0033】
まず、第1実施例を説明する。
TPEEと所定量のGFとを二軸押出機で混練する。このとき、GFは、溶融可塑化したTPEEに二軸押出機の途中から添加する。
【0034】
このようにして得られたペレットを、除湿乾燥機にて水分量0.1%以下になるまで乾燥し、射出成形機で幅20mm、長さ50mm、厚さ2mmの板状試験片(本発明の基づく素材)に成形する。同様な条件で、GFが無添加(比較例1)、又は本発明に基づかない添加量(比較例2)のGFが添加されるTPEEからなる比較用の試験片も作成する。
【0035】
そして、上記各試験片について耐油試験を行ったところ、下記表1に示すような試験結果を得た。
【0036】
【表1】
Figure 0003952522
ここで、耐油試験は、JIS試験用潤滑油No.3油中に試験片を100℃にて70時間,浸漬した後の体積変化を測定したもので、試験前の体積に対する変化率を求めたものである。
【0037】
この表1から分かるように、本発明に基づく適量のガラス繊維を含有したシール5の素材は、良好な耐油性を示し、特にガラス繊維の含有量が多いほど、その傾向は顕著に現れている。
【0038】
次に、第2実施例について説明する。
上記第1実施例と同様な方法で作成された素材と、GFが無添加のTPEE、及びPOMからなる素材を、それぞれ射出成形機を用いて環状のシール5に成形して、上述の図1に示すようなミニチュア玉軸受(内径5mm、外径13mm、幅4mm)に組み込んだ。
【0039】
なお、上記混入するGFを、図2から図5に示すように、無秩序に配向したり(図4を参照)、外周部5a近傍で同心円状に配向したり(図5等を参照)、芯部5cで放射状に配向したりして、GFの配向方向を違え、その効果も試験する。
【0040】
そして、シール5の反り試験及びグリース漏れ試験を実施したところ、下記表2及び表3に示すような結果が得られた。
【0041】
【表2】
Figure 0003952522
【0042】
【表3】
Figure 0003952522
ここで、反り試験は、軸受に嵌合後のシール5の反り変形の有無により評価している。
【0043】
また、グリース漏れ試験は、リチウム石鹸グリースを上記ミニチュア玉軸受に充填し、該シール5を装着した後に、2kgf のスラスト荷重を負荷し、60℃の雰囲気下で、内輪1側を回転数3600rpm で回転させることで実施した。そして、外輪2の嵌合溝6部分から油分が漏洩した時間をグリース漏れ時間として、嵌合溝6部分の密封性を評価したものである。
【0044】
この表2及び表3から分かるように、本発明に基づく実施例4〜8では、適度の弾性と剛性を具備するため、シール5を軸受の嵌合溝6に嵌合した後にシール5の反り変形が生じていない。しかも長時間にわたって嵌合溝6部分からのグリースの漏洩が生じていない。特に、実施例5,7と実施例6,8との比較から分かるように、GFを外周部5aでは同心状に芯部5cでは放射状に配向した方が、同一含有量でも、大幅にシール5の嵌合部分がより弾性に富むため、より嵌合溝6部分の密封性に優れていることが分かる。
【0045】
これに対して、比較例では、反り変形の防止と密封性が両立せず、反り変形が発生するか、又は密封性が悪いことが分かる。
なお、第1実施例からガラス繊維が多いほど耐油性は良くなるが、第2実施例の比較例5から、本発明の含有率以上のGFを混入すると密封性が悪くなることが分かる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の軸受用シールでは、熱可塑性ポリエステルエラストマーのもつ耐熱性及び機械的性質を損なうことなく、優れた耐油性と適度の弾性と剛性とを有すると共に寸法変化が小さくなるため、補強環がなくても、軸受へ装着した後に反り変形することがなく、しかも、良好な潤滑剤の密封性を備えるという効果がある。
【0047】
しかも、適量のガラス繊維を混入するという簡単な手段で作成できるので、ミニチュア軸受等の小型の軸受等に装着されるシールとして低価格で且つ優れたシールとなるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る軸受を示す断面図である。
【図2】本発明に係るガラス繊維の配向を示す図である。
【図3】本発明に係るガラス繊維の配向を示す図である。
【図4】本発明に係るガラス繊維の配向を示す図である。
【図5】本発明に係るガラス繊維の配向を示す図である。
【符号の説明】
1 内輪
2 外輪
3 玉
4 保持器
5 シール
5a 外周部
5b 内周部
5c 芯部
6 嵌合溝
7 円環溝
GF ガラス繊維

Claims (2)

  1. 熱可塑性ポリエステルエラストマーを母材としてガラス繊維を10〜50重量%混入させた素材から形成され、外周部及び内周部の近傍にそれぞれ分散されるガラス繊維の配向を同心状に配向し、且つ、上記外周部と内周部とを連結する芯部に分散するガラス繊維を放射状に配向したことを特徴とする軸受用シール。
  2. ガラス繊維の混入量は、30〜40重量%であることを特徴とする請求項1に記載した軸受用シール。
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