JP3952175B2 - タイヤ/ホイール組立体及びランフラット用支持体 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤ/ホイール組立体及びランフラット用支持体に関し、さらに詳しくは、ランフラット用支持体の確実かつ安定的な取付けを可能にしたタイヤ/ホイール組立体及びそれに使用するランフラット用支持体に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の走行中に空気入りタイヤがパンクした場合でも、緊急走行を可能にするようにする技術が市場の要請から多数提案されている。これら多数の提案のうち、特開平10−297226号公報や特表2001−519279号公報で提案された技術は、リム組みされた空気入りタイヤの空洞部内側のリム上に支持体を装着し、その支持体によってパンクしたタイヤを支持することによりランフラット走行を可能にしたものである。
【0003】
上記ランフラット用支持体は、外周側を支持面にすると共に内周側を開脚した開脚構造の環状シェルを有し、その両脚部に弾性リングを取り付けた構成からなり、その弾性リングを介してリム上に支持されるようになっている。このランフラット用支持体によれば、既存のホイール/リムに何ら特別の改造を加えることなく、そのまま使用できるため、市場に混乱をもたらすことなく受入れ可能にできる利点を有している。
【0004】
しかしながら、上述したランフラット用支持体は、タイヤのリム組み時にリムのハンプとビード部との狭い間隙に弾性リングの内周端を座着させるようになっている。そのため、弾性リングがその狭い隙間に確実に座着しない危険があり、このように弾性リングが座着しない状態でタイヤがパンクしてランフラット走行すると、ランフラット用支持体が本来の機能を発揮することができず、その結果、空気入りタイヤのビード部がリムから外れて走行不能に陥る。
【0005】
また、弾性リングが上記隙間に座着しても、その隙間がもともと狭いため、隙間量の不足からランフラット走行中に弾性リングが外れる危険もあり、従って、ランフラット用支持体を確実にかつ安定してリムに座着させることが難しいという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ランフラット用支持体を確実にかつ安定してリムに取り付けることが可能なタイヤ/ホイール組立体及びランフラット用支持体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のタイヤ/ホイール組立体は、ホイールのリムに装着した空気入りタイヤの空洞部に、外周側をタイヤ支持部にすると共に内周側を二股状に開脚した脚部にした環状シェルから構成したランフラット用支持体を配置したタイヤ/ホイール組立体であって、前記脚部を、前記空気入りタイヤのビード部が当接する前記リムのリムシートまで延在する第1脚部と、前記ビード部と前記リムシートとの間に延在する第2脚部とから構成したことを特徴とする。
【0008】
また、本発明のランフラット用支持体は、リムに装着した空気入りタイヤの空洞部に配置するランフラット用支持体であって、外周側をタイヤ支持部にすると共に内周側を二股状に開脚した脚部にした環状シェルから構成し、該脚部を、前記空気入りタイヤのビード部が当接する前記リムのリムシートまで延在する第1脚部と、前記ビード部と前記リムシートとの間に延在する第2脚部とから構成したことを特徴とする。
【0009】
上述した本発明によれば、脚部をビード部とリムシートとの間に延在させたので、ビード部とリムシートとの間で脚部を常に挟持することができるため、リムに対するランフラット用支持体の確実かつ安定的な取付けが可能になる。そのため、ランフラット走行中に空気入りタイヤのビード部がリムから外れて走行不能になるようなことがなく、パンクした緊急時に必要な距離を安全に安定して走行することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のタイヤ/ホイール組立体を添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明の一実施形態からなるタイヤ/ホイール組立体(車輪)の要部を示す子午線断面図であり、1はホイール外周のリム、2は空気入りタイヤ、3はランフラット用支持体である。これらリム1、空気入りタイヤ2、ランフラット用支持体3は、図示しないホイールの回転軸を中心として共軸に環状に形成され、リム1に装着した空気入りタイヤ2の空洞部2Aにランフラット用支持体3を配置した構成になっている。
【0012】
ランフラット用支持体3は、パンクしたタイヤを介して車両重量を支えるために金属、樹脂などの剛性材から環状体に形成された環状シェル4から構成されている。剛性材に使用される金属としては、スチール、アルミニウムなどを例示することができる。また、樹脂としては、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のいずれでもよい。熱可塑性樹脂としては、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ABSなどを挙げることができ、また熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などを挙げることができる。樹脂は単独で使用してもよいが、補強繊維を配合して繊維強化樹脂として使用してもよい。
【0013】
環状シェル4は外径が空気入りタイヤ2の内面2aとの間に一定距離を保つように内面2aの径よりも小さく形成されており、外周側に2個の凸曲面5をシェル幅方向にもつ環状のタイヤ支持部6を有している。このタイヤ支持部6は空気入りタイヤ2が正常なときは空気入りタイヤ2の内面2aから離間しているが、パンクしたとき潰れたその内面2aを支持するようになっている。
【0014】
環状シェル5の内周側は両側壁がそれぞれ脚部7として二股状に開脚している。両脚部7は、空気入りタイヤ2のビード部2Xが当接するリム1のリムシート1aまで延在する第1脚部8と、ビード部2Xとリムシート1aとの間に延在する第2脚部9とから構成されている。第2脚部9は、ビード部2Xのビードヒール部2X1まで延設している。
【0015】
このように構成されるランフラット用支持体3を装着するホイールは、ランフラット用支持体3の取付を容易にするため、左右に分割可能な分割ホイールを使用するのがよい。
【0016】
ランフラット用支持体3は、空気入りタイヤ2の内側に挿入された状態で空気入りタイヤ2と共にリム1にリム組みされ、タイヤ/ホイール組立体に構成される。このタイヤ/ホイール組立体が車両に装着されて走行中に空気入りタイヤ2がパンクすると、そのパンクして潰れたタイヤがランフラット用支持体3のタイヤ支持部6に支持された状態になるので、ランフラット走行を可能にする。
【0017】
上述した本発明によれば、脚部7をビード部2Xとリムシート1aとの間に延在させる構成にしたので、脚部7をビード部2Xとリムシート1aとの間で常に挟持した状態にすることができる。従って、ランフラット用支持体3を確実にかつ安定してリム1に座着させることができる。そのため、ランフラット走行中に空気入りタイヤ2のビード部2Xがリム1から外れて走行不能になるようなことがなく、パンクした緊急時に必要な距離を安全に安定して走行することができる。
【0018】
図2,3は、本発明のタイヤ/ホイール組立体の他の例を示し、これらのタイヤ/ホイール組立体は、上述したランフラット用支持体3の第1脚部8に弾性部10を形成したものである。
【0019】
図2のタイヤ/ホイール組立体では、第1脚部8の一部を蛇腹状に折り曲げることにより弾性部10を形成している。
【0020】
図3のタイヤ/ホイール組立体では、第1脚部8を、タイヤ支持部6に連接された外周脚部8Aと、第2脚部9に連接された内周脚部8Bと、これら外周脚部8Aと内周脚部8Bとの間に配設した弾性リング8Cとから構成し、弾性リング8Cを弾性部10にしたものである。弾性リング8Cと外周脚部8A及び内周脚部8Bとの連結は、加硫接着(弾性リング8Cが後述するゴムの場合)や弾性リング8Cに埋設した連結部材に係止するなどの機械的結合により行うことができる。
【0021】
弾性リング8Cにはゴムや弾性樹脂などの弾性材が使用され、ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴムなど、弾性樹脂としては、発泡ポリウレタンなどの発泡樹脂を挙げることができる。
【0022】
このように第1脚部8に弾性部10を設けることにより、ランフラット用支持体3の脚部7がタイヤ径方向に拡径することができるので、リム組み時にリムフランジ1bを容易に乗り越えることが可能になる。そのため、リム組み作業が複雑である分割ホイールを使用することなく、リム組み作業が容易な一体型のホイールを用いながら、上述と同様の効果を得ることができる。
【0023】
図4は、本発明のタイヤ/ホイール組立体の更に他の例を示し、このタイヤ/ホイール組立体は、上述した図1のランフラット用支持体3の脚部7に、脚部端Eから内側に延在する切欠き部11をシェル周方向に沿って所定の間隔で設けたものである。
【0024】
このように切欠き部11を脚部7に形成することにより、脚部7をタイヤ径方向に変形し易くすることができるのでリム組み性を改善し、かつ軽量化しながら、上述と同様の効果を奏することができる。
【0025】
切欠き部11は、図示するように、第2脚部9から第1脚部8まで延在するように形成するのが好ましいが、第2脚部9にのみ設けてもよい。
【0026】
切欠き部11の形状は、図示するように、次第に切欠き面積を減少させながら二等辺三角形状に延在させるようにするのが、脚部剛性を緩やかに変化させることができるので好ましいが、当然のことながらこれに限定されない。
【0027】
第2脚部9における切欠き部11の切欠き率(第2脚部9の切欠き部11がない状態における外周面9aの全面積に対する全切欠き部11の占める割合)としては、60〜90%にするのがよい。切欠き率が60%より低いと、リム組み性を効果的に改善することが難しくなる。逆に90%を超えると、第2脚部9の剛性が大きく低下するため好ましくない。
【0028】
切欠き部11を第1脚部まで設ける場合には、リム1のリムフランジ1bの外周端からタイヤ径方向外側に4〜15mmの距離Aまでの位置Pまで延設するのがよく、その場合の第2脚部9と接する第1脚部端8xと位置P間の第1脚部部分8Yにおける切欠き部11の切欠き率(第1脚部部分8Yの切欠き部11がない状態における外周面8Yaの全面積に対する全切欠き部11の占める割合)としては、30%以下にするのがよい。切欠き率が30%より高いと、ランフラット走行時における支持機能を損なう恐れがあるので好ましくない。
【0029】
本発明において、上記実施形態では、2個の凸曲面5を有するタイヤ支持部6を備えた環状シェル4の例を示したが、凸曲面は1個であってもよく、また、3個以上であってもよい。好ましくは、図示するように2個、あるいはそれ以上並ぶように形成することにより、空気入りタイヤ2の内面2aに対するタイヤ支持部6の接触箇所を2以上に分散させ、その内面2aに与える局部摩耗を低減するため、ランフラット走行を可能にする持続距離を延長することができる。
【0030】
【発明の効果】
上述したように本発明は、ランフラット用支持体の脚部を、空気入りタイヤのビード部が当接するリムのリムシートまで延在する第1脚部と、ビード部とリムシートとの間に延在する第2脚部とから構成したので、脚部をビード部とリムシートとの間で常に挟持した状態にすることができるため、ランフラット用支持体を確実にかつ安定してリムに取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態からなるタイヤ/ホイール組立体の要部を示す子午線断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態からなるタイヤ/ホイール組立体の要部を拡大して示す子午線断面図である。
【図3】本発明の更に他の実施形態からなるタイヤ/ホイール組立体の要部を拡大して示す子午線断面図である。
【図4】本発明の更に他の実施形態からなるタイヤ/ホイール組立体を示し、(a)は要部を拡大して示す子午線断面図、(b)は脚部の要部展開図である。
【符号の説明】
1(ホイールの)リム 1a リムシート
1b リムフランジ 2 空気入りタイヤ
2A 空洞部 2X ビード部
2X1 ビードヒール部 2a 内面
3 ランフラット用支持体 4 環状シェル
5 凸曲面 6 タイヤ支持部
7 脚部 8 第1脚部
8Y 第1脚部部分 8x 第1脚部端
9 第2脚部 10 弾性部
11 切欠き部 E 脚部端
P 位置
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤ/ホイール組立体及びランフラット用支持体に関し、さらに詳しくは、ランフラット用支持体の確実かつ安定的な取付けを可能にしたタイヤ/ホイール組立体及びそれに使用するランフラット用支持体に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の走行中に空気入りタイヤがパンクした場合でも、緊急走行を可能にするようにする技術が市場の要請から多数提案されている。これら多数の提案のうち、特開平10−297226号公報や特表2001−519279号公報で提案された技術は、リム組みされた空気入りタイヤの空洞部内側のリム上に支持体を装着し、その支持体によってパンクしたタイヤを支持することによりランフラット走行を可能にしたものである。
【0003】
上記ランフラット用支持体は、外周側を支持面にすると共に内周側を開脚した開脚構造の環状シェルを有し、その両脚部に弾性リングを取り付けた構成からなり、その弾性リングを介してリム上に支持されるようになっている。このランフラット用支持体によれば、既存のホイール/リムに何ら特別の改造を加えることなく、そのまま使用できるため、市場に混乱をもたらすことなく受入れ可能にできる利点を有している。
【0004】
しかしながら、上述したランフラット用支持体は、タイヤのリム組み時にリムのハンプとビード部との狭い間隙に弾性リングの内周端を座着させるようになっている。そのため、弾性リングがその狭い隙間に確実に座着しない危険があり、このように弾性リングが座着しない状態でタイヤがパンクしてランフラット走行すると、ランフラット用支持体が本来の機能を発揮することができず、その結果、空気入りタイヤのビード部がリムから外れて走行不能に陥る。
【0005】
また、弾性リングが上記隙間に座着しても、その隙間がもともと狭いため、隙間量の不足からランフラット走行中に弾性リングが外れる危険もあり、従って、ランフラット用支持体を確実にかつ安定してリムに座着させることが難しいという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ランフラット用支持体を確実にかつ安定してリムに取り付けることが可能なタイヤ/ホイール組立体及びランフラット用支持体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のタイヤ/ホイール組立体は、ホイールのリムに装着した空気入りタイヤの空洞部に、外周側をタイヤ支持部にすると共に内周側を二股状に開脚した脚部にした環状シェルから構成したランフラット用支持体を配置したタイヤ/ホイール組立体であって、前記脚部を、前記空気入りタイヤのビード部が当接する前記リムのリムシートまで延在する第1脚部と、前記ビード部と前記リムシートとの間に延在する第2脚部とから構成したことを特徴とする。
【0008】
また、本発明のランフラット用支持体は、リムに装着した空気入りタイヤの空洞部に配置するランフラット用支持体であって、外周側をタイヤ支持部にすると共に内周側を二股状に開脚した脚部にした環状シェルから構成し、該脚部を、前記空気入りタイヤのビード部が当接する前記リムのリムシートまで延在する第1脚部と、前記ビード部と前記リムシートとの間に延在する第2脚部とから構成したことを特徴とする。
【0009】
上述した本発明によれば、脚部をビード部とリムシートとの間に延在させたので、ビード部とリムシートとの間で脚部を常に挟持することができるため、リムに対するランフラット用支持体の確実かつ安定的な取付けが可能になる。そのため、ランフラット走行中に空気入りタイヤのビード部がリムから外れて走行不能になるようなことがなく、パンクした緊急時に必要な距離を安全に安定して走行することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のタイヤ/ホイール組立体を添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明の一実施形態からなるタイヤ/ホイール組立体(車輪)の要部を示す子午線断面図であり、1はホイール外周のリム、2は空気入りタイヤ、3はランフラット用支持体である。これらリム1、空気入りタイヤ2、ランフラット用支持体3は、図示しないホイールの回転軸を中心として共軸に環状に形成され、リム1に装着した空気入りタイヤ2の空洞部2Aにランフラット用支持体3を配置した構成になっている。
【0012】
ランフラット用支持体3は、パンクしたタイヤを介して車両重量を支えるために金属、樹脂などの剛性材から環状体に形成された環状シェル4から構成されている。剛性材に使用される金属としては、スチール、アルミニウムなどを例示することができる。また、樹脂としては、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のいずれでもよい。熱可塑性樹脂としては、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ABSなどを挙げることができ、また熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などを挙げることができる。樹脂は単独で使用してもよいが、補強繊維を配合して繊維強化樹脂として使用してもよい。
【0013】
環状シェル4は外径が空気入りタイヤ2の内面2aとの間に一定距離を保つように内面2aの径よりも小さく形成されており、外周側に2個の凸曲面5をシェル幅方向にもつ環状のタイヤ支持部6を有している。このタイヤ支持部6は空気入りタイヤ2が正常なときは空気入りタイヤ2の内面2aから離間しているが、パンクしたとき潰れたその内面2aを支持するようになっている。
【0014】
環状シェル5の内周側は両側壁がそれぞれ脚部7として二股状に開脚している。両脚部7は、空気入りタイヤ2のビード部2Xが当接するリム1のリムシート1aまで延在する第1脚部8と、ビード部2Xとリムシート1aとの間に延在する第2脚部9とから構成されている。第2脚部9は、ビード部2Xのビードヒール部2X1まで延設している。
【0015】
このように構成されるランフラット用支持体3を装着するホイールは、ランフラット用支持体3の取付を容易にするため、左右に分割可能な分割ホイールを使用するのがよい。
【0016】
ランフラット用支持体3は、空気入りタイヤ2の内側に挿入された状態で空気入りタイヤ2と共にリム1にリム組みされ、タイヤ/ホイール組立体に構成される。このタイヤ/ホイール組立体が車両に装着されて走行中に空気入りタイヤ2がパンクすると、そのパンクして潰れたタイヤがランフラット用支持体3のタイヤ支持部6に支持された状態になるので、ランフラット走行を可能にする。
【0017】
上述した本発明によれば、脚部7をビード部2Xとリムシート1aとの間に延在させる構成にしたので、脚部7をビード部2Xとリムシート1aとの間で常に挟持した状態にすることができる。従って、ランフラット用支持体3を確実にかつ安定してリム1に座着させることができる。そのため、ランフラット走行中に空気入りタイヤ2のビード部2Xがリム1から外れて走行不能になるようなことがなく、パンクした緊急時に必要な距離を安全に安定して走行することができる。
【0018】
図2,3は、本発明のタイヤ/ホイール組立体の他の例を示し、これらのタイヤ/ホイール組立体は、上述したランフラット用支持体3の第1脚部8に弾性部10を形成したものである。
【0019】
図2のタイヤ/ホイール組立体では、第1脚部8の一部を蛇腹状に折り曲げることにより弾性部10を形成している。
【0020】
図3のタイヤ/ホイール組立体では、第1脚部8を、タイヤ支持部6に連接された外周脚部8Aと、第2脚部9に連接された内周脚部8Bと、これら外周脚部8Aと内周脚部8Bとの間に配設した弾性リング8Cとから構成し、弾性リング8Cを弾性部10にしたものである。弾性リング8Cと外周脚部8A及び内周脚部8Bとの連結は、加硫接着(弾性リング8Cが後述するゴムの場合)や弾性リング8Cに埋設した連結部材に係止するなどの機械的結合により行うことができる。
【0021】
弾性リング8Cにはゴムや弾性樹脂などの弾性材が使用され、ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴムなど、弾性樹脂としては、発泡ポリウレタンなどの発泡樹脂を挙げることができる。
【0022】
このように第1脚部8に弾性部10を設けることにより、ランフラット用支持体3の脚部7がタイヤ径方向に拡径することができるので、リム組み時にリムフランジ1bを容易に乗り越えることが可能になる。そのため、リム組み作業が複雑である分割ホイールを使用することなく、リム組み作業が容易な一体型のホイールを用いながら、上述と同様の効果を得ることができる。
【0023】
図4は、本発明のタイヤ/ホイール組立体の更に他の例を示し、このタイヤ/ホイール組立体は、上述した図1のランフラット用支持体3の脚部7に、脚部端Eから内側に延在する切欠き部11をシェル周方向に沿って所定の間隔で設けたものである。
【0024】
このように切欠き部11を脚部7に形成することにより、脚部7をタイヤ径方向に変形し易くすることができるのでリム組み性を改善し、かつ軽量化しながら、上述と同様の効果を奏することができる。
【0025】
切欠き部11は、図示するように、第2脚部9から第1脚部8まで延在するように形成するのが好ましいが、第2脚部9にのみ設けてもよい。
【0026】
切欠き部11の形状は、図示するように、次第に切欠き面積を減少させながら二等辺三角形状に延在させるようにするのが、脚部剛性を緩やかに変化させることができるので好ましいが、当然のことながらこれに限定されない。
【0027】
第2脚部9における切欠き部11の切欠き率(第2脚部9の切欠き部11がない状態における外周面9aの全面積に対する全切欠き部11の占める割合)としては、60〜90%にするのがよい。切欠き率が60%より低いと、リム組み性を効果的に改善することが難しくなる。逆に90%を超えると、第2脚部9の剛性が大きく低下するため好ましくない。
【0028】
切欠き部11を第1脚部まで設ける場合には、リム1のリムフランジ1bの外周端からタイヤ径方向外側に4〜15mmの距離Aまでの位置Pまで延設するのがよく、その場合の第2脚部9と接する第1脚部端8xと位置P間の第1脚部部分8Yにおける切欠き部11の切欠き率(第1脚部部分8Yの切欠き部11がない状態における外周面8Yaの全面積に対する全切欠き部11の占める割合)としては、30%以下にするのがよい。切欠き率が30%より高いと、ランフラット走行時における支持機能を損なう恐れがあるので好ましくない。
【0029】
本発明において、上記実施形態では、2個の凸曲面5を有するタイヤ支持部6を備えた環状シェル4の例を示したが、凸曲面は1個であってもよく、また、3個以上であってもよい。好ましくは、図示するように2個、あるいはそれ以上並ぶように形成することにより、空気入りタイヤ2の内面2aに対するタイヤ支持部6の接触箇所を2以上に分散させ、その内面2aに与える局部摩耗を低減するため、ランフラット走行を可能にする持続距離を延長することができる。
【0030】
【発明の効果】
上述したように本発明は、ランフラット用支持体の脚部を、空気入りタイヤのビード部が当接するリムのリムシートまで延在する第1脚部と、ビード部とリムシートとの間に延在する第2脚部とから構成したので、脚部をビード部とリムシートとの間で常に挟持した状態にすることができるため、ランフラット用支持体を確実にかつ安定してリムに取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態からなるタイヤ/ホイール組立体の要部を示す子午線断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態からなるタイヤ/ホイール組立体の要部を拡大して示す子午線断面図である。
【図3】本発明の更に他の実施形態からなるタイヤ/ホイール組立体の要部を拡大して示す子午線断面図である。
【図4】本発明の更に他の実施形態からなるタイヤ/ホイール組立体を示し、(a)は要部を拡大して示す子午線断面図、(b)は脚部の要部展開図である。
【符号の説明】
1(ホイールの)リム 1a リムシート
1b リムフランジ 2 空気入りタイヤ
2A 空洞部 2X ビード部
2X1 ビードヒール部 2a 内面
3 ランフラット用支持体 4 環状シェル
5 凸曲面 6 タイヤ支持部
7 脚部 8 第1脚部
8Y 第1脚部部分 8x 第1脚部端
9 第2脚部 10 弾性部
11 切欠き部 E 脚部端
P 位置
Claims (12)
- ホイールのリムに装着した空気入りタイヤの空洞部に、外周側をタイヤ支持部にすると共に内周側を二股状に開脚した脚部にした環状シェルから構成したランフラット用支持体を配置したタイヤ/ホイール組立体であって、前記脚部を、前記空気入りタイヤのビード部が当接する前記リムのリムシートまで延在する第1脚部と、前記ビード部と前記リムシートとの間に延在する第2脚部とから構成したタイヤ/ホイール組立体。
- 前記第2脚部を前記ビード部のビードヒール部まで延設した請求項1に記載のタイヤ/ホイール組立体。
- 前記第1脚部に弾性部を形成した請求項1または2に記載のタイヤ/ホイール組立体。
- 前記脚部に脚部端から内側に延在する切欠き部をシェル周方向に所定の間隔で設けた請求項1または2に記載のタイヤ/ホイール組立体。
- 前記第2脚部における前記切欠き部の切欠き率を60〜90%にした請求項4に記載のタイヤ/ホイール組立体。
- 前記切欠き部を前記リムのリムフランジからタイヤ径方向外側に4〜15mmまでの位置Pまで前記第1脚部に延設し、前記第2脚部と接する第1脚部端と前記位置P間の第1脚部部分における前記切欠き部の切欠き率を30%以下にした請求項4または5に記載のタイヤ/ホイール組立体。
- リムに装着した空気入りタイヤの空洞部に配置するランフラット用支持体であって、外周側をタイヤ支持部にすると共に内周側を二股状に開脚した脚部にした環状シェルから構成し、該脚部を、前記空気入りタイヤのビード部が当接する前記リムのリムシートまで延在する第1脚部と、前記ビード部と前記リムシートとの間に延在する第2脚部とから構成したランフラット用支持体。
- 前記第2脚部を前記ビード部のビードヒール部まで延設した請求項7に記載のランフラット用支持体。
- 前記第1脚部に弾性部を形成した請求項7または8に記載のランフラット用支持体。
- 前記脚部に脚部端から内側に延在する切欠き部をシェル周方向に所定の間隔で設けた請求項7または8に記載のランフラット用支持体。
- 前記第2脚部における前記切欠き部の切欠き率を60〜90%にした請求項10に記載のランフラット用支持体。
- 前記切欠き部を前記リムのリムフランジからタイヤ径方向外側に4〜15mmまでの位置Pまで前記第1脚部に延設し、前記第2脚部と接する第1脚部端と前記位置P間の第1脚部部分における前記切欠き部の切欠き率を30%以下にした請求項10または11に記載のランフラット用支持体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002241400A JP3952175B2 (ja) | 2002-08-22 | 2002-08-22 | タイヤ/ホイール組立体及びランフラット用支持体 |
Applications Claiming Priority (1)
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