JP3951802B2 - せん断加工工程の3次元シミュレーション方法、および有限要素モデルの作成方法 - Google Patents

せん断加工工程の3次元シミュレーション方法、および有限要素モデルの作成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、せん断加工工程のシミュレーション方法および有限要素モデルの作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、鋳造や鍛造、その他の塑性変形を伴うような物品の設計に、有限要素法(FEM)を用いたシミュレーションが用いられており、そのためのソフトウェアも、優秀なものが市販されている。
【0003】
ところが、ワークをせん断した際の塑性変形をシミュレーションする技術がない。これは、せん断時におけるモデルの変形とせん断による分離処理の計算に非常に多くの時間がかかるためで、2次元モデルによる単順問題(軸対象または平面ゆがみの問題)のみとして扱うものはあるものの、3次元モデルによりせん断時の形状変形をシミュレーションする技術は実用化されていない。
【0004】
このため3次元でせん断加工工程をシミュレーション技術の研究が行われており、たとえば、「3次元形状の打ち抜き加工シミュレーション」(村川政夫、ポンハンギャオタティップ、神雅彦、第50回塑性加工連合講習会(1999.10.6〜8))には、型打ち抜きにおけるせん断に関して、ワーク(有限要素モデル)が切り離される直前までの塑性変形を有限要素法を用いてシミュレーションすることが発表されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の技術は、分離直前までのシミュレーションであり、したがって、ワークがせん断により分離された後の3次元形状を正確に表すまでには至っていない。
【0006】
そこで本発明の目的は、せん断加工工程における3次元の形状変化を有限要素法によりシミュレーションするせん断加工工程の3次元シミュレーション方法を提供することであり、また、そのための有限要素モデルの作成方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の構成により達成される。
【0008】
(1)せん断加工工程におけるワークの形状変化の有限要素法による3次元シミュレーション方法であって、前記ワークを、あらかじめせん断される部分から分離した第1部分と第2部分としてモデル化し、前記第1部分と第2部分の接触面における節点境界条件に、せん断抵抗応力に相当する摩擦力が働くように摩擦係数を設定したことを特徴とするせん断加工工程の3次元シミュレーション方法。
【0009】
(2)せん断加工工程におけるワークの形状変化の有限要素法による3次元シミュレーション方法であって、前記ワークを、あらかじめせん断される部分から分離された第1部分と第2部分に分けて、このうち当該第1部分のみをモデル化し、前記第1部分のモデルの前記第2部分とのせん断位置に、せん断抵抗応力に相当する摩擦力を加えるダミー物体モデルを接触させて、当該ダミー物体モデルを移動することを特徴とするせん断加工工程の3次元シミュレーション方法。
【0010】
(3)前記ダミー物体モデルは、形状変化しないものとしてシミュレーションすることを特徴とする。
【0011】
(4)せん断加工工程におけるワークの形状変化の有限要素法による3次元シミュレーションに用いる有限要素モデルの作成方法であって、前記ワークを、あらかじめせん断される部分から分離した状態としてモデル化することを特徴とする有限要素モデルの作成方法。
【0012】
【発明の効果】
本発明は請求項ごとに以下の効果を奏する。
【0013】
請求項1記載の本発明によれば、せん断加工工程の形状変化の3次元シミュレーションを行うための有限要素モデルとして、あらかじめせん断位置において第1部分と第2部分に分離した状態のモデルを用いて、せん断によって分離されるときに働くせん断抵抗応力を第1部分と第2の部分の接触面における摩擦力に置き換えて、せん断の形状変化をシミュレーションすることとしたので、せん断におけるモデルの分離計算を行う必要が無くなり、通常の有限要素法によるシミュレーションにより3次元形状をシミュレーションすることが可能となる。
【0014】
請求項2記載の本発明によれば、せん断加工工程の形状変化の3次元シミュレーションを行うための有限要素モデルとして、ワークをあらかじめせん断位置において分離し、形状変化として見たい部分のみをモデル化して、形状変化を見たい部分のせん断位置に、せん断抵抗応力に相当する摩擦力を加えるダミー物体モデルを接触させてシミュレーションすることとしたのでせん断におけるモデルの分離計算を行う必要が無くなり、通常の有限要素法によるシミュレーションにより3次元形状をシミュレーションすることが可能となる。
【0015】
請求項3記載の本発明によれば、ダミー物体モデルを形状変化しないものとしてシミュレーションすることとしたので、シミュレーションの計算時間を短縮することができる。
【0016】
請求項4記載の本発明によれば、せん断加工工程の3次元シミュレーションに用いる有限要素モデルとして、せん断されるワークを、あらかじめせん断される部分から分離した状態としてモデル化したので、せん断加工工程の3次元シミュレーションにおいてモデルの分離計算、および分離後のリメッシュを行う必要が無くなり、シミュレーションの計算時間を短縮することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
まず、本発明を適用した有限要素モデルによるせん断シミュレーションを説明するに当たり、この有限要素モデルの元になるせん断加工の実例について図9〜11を参照して説明する。
【0019】
このせん断の実例は、鍛造品のトリム加工である。通常、鍛造品は、鍛造後の段階では、実施に製品になる部分にバリが付いた状態となっている。そこで、このバリを取るための工程がトリム加工である。
【0020】
トリム加工は、図9に示すように、まず、ワークであるバリ12の付いた鍛造品10を、製品部11が固定されているレシービングダイ21上に、バリ12部分がボトムストッパー22上に来るように載置する。そして、製品部11の上部からトップストッパー23をあてて固定する。なお、トップストッパー23は、せん断加工中は固定されている。
【0021】
その後、トリムダイ24をバリ12部分の上方から下方向へ移動させて、バリ12をトリムダイ24の力によってせん断する。
【0022】
このとき、図10に示すように、製品部11とバリ12のせん断される部分には、圧縮力F(−せん断抵抗応力)が働く。また、製品部11がバリ12に加えられた力によって下方に引っ張られるため製品部11の上方とトップストッパー23との間に隙間25ができ、製品部11下方のレシービングダイ21から外れた部分が膨張して膨張部26ができる。
【0023】
その後、図11に示すように、トリムダイ24がさらに押し下げられることにより、バリ12が製品部11からせん断されて分離される。
【0024】
このように最終的にバリ12が分離された状態で、製品部11の上方とトップストッパー23との間に隙間25ができ、製品部11の下方に膨張部26gはできる。
【0025】
せん断の3次元シミュレーションでは、このようなトリム加工における製品の形状変化をシミュレーションするものである。
【0026】
図1および図2は、本発明を適用した有限要素モデルとこれを用いたシミュレーションによるトリム加工の様子を説明するための図面である。
【0027】
本実施の形態では、図1に示すように、上記の実例を3次元シミュレーションするための有限要素モデルとして、はじめから製品部1(第1部分)とバリ2a(第2部分)および2b(第2部分)の3つの形状モデルに分離された状態としている。
【0028】
そして、シミュレーションの際には、製品部1とバリ2aが接する部分、および製品部1とバリ2bが接する部分に、図1B(図1A中の点線丸部分拡大図)に示すように、有限要素モデルの節点3の境界条件として摩擦係数を設定する。
【0029】
そして、シミュレーションにおいては、図2に示すように、トリムダイ24を移動させることによりバリ2aおよび2bを移動させ、そのとき製品部1にかかるせん断抵抗応力を、製品部1とバリ2aおよび2bの接触面に働く摩擦力に置き換えてシミュレーションを行っている。
【0030】
せん断抵抗応力は、切断される部位の厚さや材質などに比例しており、このような比例関係が2物体の間の摩擦力に相似している。このため、部位ごとの分離タイミングおよび分離までの変形の大小関係などを摩擦係数を調整することで、せん断抵抗応力に相当する摩擦力として再現することが可能となる。
【0031】
これにより、本実施の形態によるシミュレーションでは、摩擦力によって製品部1には、レシービングダイ21にかからない部分が圧縮されて膨張し膨張部5が形成され、製品部1の上部とトップストッパー23との間には隙間6が発生する。
【0032】
このように、この有限要素モデルでは、実際のトリム加工においてせん断される部分がはじめから分離しているので、シミュレーションの際に、ワークの分離計算が不要となり、2つの物体の摩擦によるモデルの変形を計算すればよい。
【0033】
ここで、製品部1とバリ2aおよび2bの接触面における摩擦係数の設定について説明する。
【0034】
この摩擦係数は、実際のトリム加工において、バリがトリムダイによって押されることにより製品部を引っ張りながらせん断されるときの圧縮力の反力であるせん断抵抗応力に相当する力を2物体の摩擦力によって再現するために、その摩擦力の大きさを規定するためのものである。
【0035】
本実施の形態では、この摩擦係数は実験により求めた。
【0036】
この摩擦係数を求めるための実験は、実際に鍛造された部品を用いたトリム加工を実施し、そのときの製品の変形量と、様々な摩擦係数を設定してシミュレーションを実行した結果とを対比することで、最適な摩擦係数の値を求めている。
【0037】
図3は、実験に用いた鍛造品の外観構成とトリム加工を示す図面である(図3Aは斜視図であり、図3Bは図3Aのa−a線に沿う断面図である。)。この実験で鍛造品として用いたのは自動車部品の一つであるクランクシャフトのカウンターウエイト部分である。
【0038】
トリム加工を実行する装置は、図1などに示したものとは若干異なる構成であり、製品部61上方からトリムパンチ65を下方に移動させ、バリ62の下に設けられているトリムダイ64によってバリ62をせん断する。
【0039】
この実験により求めた実際の変形量は、バリ62が付いていた部分近傍でトリムパンチ65の型形状から外れて型により拘束されていない部分のふくらみ部分の変形量Δrと、トリムパンチ65の移動により製品部61下方へおされてふくらむ部分の変形量Δhである。
【0040】
そして、上記カウンターウエイトの本実施の形態による有限要素モデル(製品部とバリが初めから分離したモデル)により、摩擦係数に様々な値を用いてシミュレーションを行った。その結果得られた変形量ΔrおよびΔhをそれぞれ実際の鍛造品により得られた変形量ΔrおよびΔhと比較した。
【0041】
比較の結果を図4に示す。
【0042】
この図は、シミュレーションによる変形量と実際の変形量との差の標準偏差をプロットしたものである。この図から分かるように、シミュレーションのために設定した摩擦係数が0.35付近でもっとも標準偏差が小さくなっている。
【0043】
したがって、この実験により使用した鍛造品と同じ部材、あるいは同じ素材で同じ熱履歴を持つ製品などにおいては、その後、この0.35の摩擦係数を用いることで、せん断後の製品形状をシミュレーションにより予測することができる。
【0044】
これは、鍛造工程において素材に加えられた塑性変形履歴や熱履歴が同じであれば、せん断時に働く圧縮力も同じと見てよいためである。
【0045】
したがって、本実施の形態のシミュレーションを実行する際には、このように、一度、実際に鍛造品において実際の変形量を求めて、それに合うような摩擦係数を求めれば、その後は同様に製品についてはシミュレーションだけ行えばよいことになる。
【0046】
次に、有限要素法のシミュレーション装置およびその手順について説明する。
【0047】
本実施の形態おいて用いたシミュレーション装置およびその手順は、市販されているシミュレーションアプリケーションを用いてコンピュータにより実行するものである。
【0048】
有限要素法によるシミュレーションを行うための装置構成は、概略、図5に示すように、プリプロセッサ51、ソルバー52、およびポストプロセッサ53よりなるシミュレーションの実行部50と、有限要素モデルの元形状である形状データを記憶した形状データ記憶部55と、モデル条件やシミュレーション条件を設定する条件設定部56からなる。
【0049】
シミュレーションの実行部50は、有限要素法によるシミュレーションを実行する部分である。
【0050】
ここで、プリプロセッサ51は、周知のとおり、有限要素法によるシミュレーションを行う形状データについて、座標系を選定し、任意の有限要素数(節点の数)を設定し、また、拘束条件、荷重条件の設定などを行う。
【0051】
したがって、このプリプロセッサ51において、条件設定部56から上記の各条件が入力されて、はじめから製品部1とバリ2aおよび2bが分離したモデル形状が作成される。
【0052】
続くソルバー52は、周知のように実際に有限要素法解析によるシミュレーションを行う部分であり、バリ2aおよび2bが移動した際に、入力された摩擦係数により製品部1がどのように変形するかをシミュレーションする。
【0053】
続くポストプロセッサ53は、同じく周知のとおり、ソルバー52による解析の結果、各節点が移動した位置をグラフィック表示するための処理を行う。処理結果は、ディスプレイやプリンタ(いずれも不図示)などに解析データとして出力される。
【0054】
形状データ記憶部55は、シミュレーションを行うモデルの設計形状、ここでは鍛造されるクランクシャフトの設計形状が記憶されているデータベースである。なお、この形状データ記憶部は、CADシステムなどを利用して形状データをもらうようにしてもよい。
【0055】
条件設定部56は、シミュレーションに必要な各種条件(座標系、有限要素数、拘束条件、荷重条件など)の設定を行うと共に、上述した図1に示すような有限有限モデルを作るに際して、製品部1とバリ2aおよび2bをどの部分で分離しておくかといった分離位置の設定を行う。
【0056】
なお、シミュレーションの実行部50は、ハードウェアとしてはコンピュータであり、有限要素法によるシミュレーション(有限要素解析とも言う)を実行するためのアプリケーションがこのコンピュータにより実行されることにより、この実行部50として動作するものである。
【0057】
図6は、有限要素法による3次元形状のシミュレーション手順を示すフローチャートである。
【0058】
まず、有限要素モデルを作成するために、プリプロセッサ51が形状データを取り込む(S1)。
【0059】
続いて、有限要素モデルの作成とシミュレーションを行うための各種条件を設定する(S2)。この条件の設定は、座標系、モデル形状(モデル各部の寸法)、有限要素数(またはメッシュ粗さ)、拘束条件、荷重条件、せん断部分の板厚、トリムダイの移動速度、製品部とバリとの接触面の摩擦係数などである。
【0060】
このとき、レシービングダイ21、ボトムストッパー22、トップストッパー23、トリムダイ24についてもモデルとして入力するが、これらは、いずれも変形しないモデルとしてよい。また、これらは存在しないものとして、バリ2a、2bが直接に下方向に移動するものとして計算されるように設定してもよい。
【0061】
続いて、ソルバー52により設定された諸条件により有限要素法によるシミュレーションが実行される(S3)。
【0062】
その後、実行されたシミュレーションの結果として、ポストプロセッサ53によりシミュレーション後の有限要素モデルが出力される(S4)。
【0063】
次に、本実施の形態のシミュレーションによる変形量の予測結果についての評価を行った。
【0064】
この評価は、上述したカウンターウエイト部分について、実際にトリム加工が行われた後の製品複数個について変形量ΔrおよびΔhを測定し、本実施の形態によるシミュレーションの結果と比較した。
【0065】
ここで実施の製品のトリム加工においては、一つのトリムマシンで数千個の製品をトリム加工するため、加工数が増えるとトリムダイが摩耗し、その影響で、変形量ΔrおよびΔhが徐々に変化してくる。今回の評価では、シミュレーションにより、このようなトリムダイの摩耗などによる影響をシミュレーションすることができるか否かによりシミュレーションの正確性を評価したものである。
【0066】
このような評価のために実行したシミュレーションにおいては、トリムダイの摩耗量をバリ部分の板厚変化として、パラメータに取り入れることにより行った。これは、トリムダイが摩耗することで、その分、トリムダイとトリムパンチとの相対的な移動量、すなわち、せん断幅が変化するため、これをバリ部分の板厚を変化させることで、せん断幅の変化量とみなしたものである。
【0067】
図7は、加工個数と変形量の関係を示す図面であり、横軸に個数、縦軸に変形量平均を取ったものである。なお、変形量平均とは、1ロット24個の製品の変形量を平均したものである。
【0068】
図から分かるように、実測値とシミュレーションの値がよく一致しているのが分かる。
【0069】
したがって、本実施の形態によるシミュレーションにより、これまで難しかったせん断後の3次元形状のシミュレーションが通常の有限要素法によるシミュレーションにより実行可能となっているものである。
【0070】
これは、通常、有限要素法によるシミュレーションでは、物体が分離する際のシミュレーションは分離部分における節点の移動、および分離後のリメッシュに膨大な計算が必要であるため実行することが極めて難しいが、2物体の摩擦力によるモデルの変形では、接触面における節点の移動を算出するだけでよく、分離による節点の移動やリメッシュが不要となるので大幅に計算時間を短縮できるようになる。
【0071】
以上本発明を適用した実施の形態を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
【0072】
たとえば、上述した実施の形態では、有限要素モデルとして、製品部とバリが分離したものを用いたが、最終的に必要な形状は製品部だけであり、バリ側の形状はなくても良い場合が多い。
【0073】
そこで、本発明は、このような場合における有限要素モデルとして、実際の製品ではバリ付のものであっても、有限要素モデルとしては、図8に示すように、バリのない製品部71のみの形状モデルとし、バリが存在する部分に、製品部71との間で摩擦を生じさせるダミー物体モデル72を接触させ、このダミー物体モデル72を移動させることで、上述した実施の形態と同様にシミュレーションを行うことができる。この場合、バリの代わりに接触させたダミー物体モデルは変形しないものとして取り扱ってもよい。これによりバリ部分のモデル化のための時間を省略することができ、また、バリ部分の形状変化を計算しなくてもよいため、シミュレーションの計算処理時間を短縮することができる。
【0074】
また、上記実施の形態では、鍛造品のトリム加工を例に説明したが、本発明は、このような鍛造品のトリム加工に限定されるものではなく、様々なせん断加工工程における3次元形状のシミュレーションに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した有限要素モデルとこれを用いたシミュレーションによるトリム加工の様子を説明するための図面である。
【図2】 図1に続くトリム加工の様子を説明するための図面である。
【図3】 摩擦係数を求めるための実験に用いた鍛造品の外観構成とトリム加工を示す図面である。
【図4】 シミュレーションによる変形量ΔrおよびΔhと実際の鍛造品により得られた変形量ΔrおよびΔhとを比較した図面である。
【図5】 有限要素法によるシミュレーションを行うための装置の概略を示すブロック図である。
【図6】 有限要素法による3次元形状のシミュレーション手順を示すフローチャートである。
【図7】 トリム加工の加工個数と変形量の関係を示す図面である。
【図8】 他のモデル形状を説明するための図面である。
【図9】 有限要素モデルの元になるせん断加工の実例を説明するための図面である。
【図10】 図9に続くせん断加工の実例を説明するための図面である。
【図11】 図10に続くせん断加工の実例を説明するための図面である。
【符号の説明】
1…製品部
2a…バリ
2b…バリ
5…膨張部
6…隙間
10…鍛造品
11…製品部
12…バリ
50…実行部
51…プリプロセッサ
52…ソルバー
53…ポストプロセッサ
55…形状データ記憶部
56…条件設定部
71…製品部
72…ダミー物体モデル

Claims (4)

  1. せん断加工工程におけるワークの形状変化の有限要素法による3次元シミュレーション方法であって、
    前記ワークを、あらかじめせん断される部分から分離した第1部分と第2部分としてモデル化し、
    前記第1部分と第2部分の接触面における節点境界条件に、せん断抵抗応力に相当する摩擦力が働くように摩擦係数を設定したことを特徴とするせん断加工工程の3次元シミュレーション方法。
  2. せん断加工工程におけるワークの形状変化の有限要素法による3次元シミュレーション方法であって、
    前記ワークを、あらかじめせん断される部分から分離された第1部分と第2部分に分けて、このうち当該第1部分のみをモデル化し、
    前記第1部分のモデルの前記第2部分とのせん断位置に、せん断抵抗応力に相当する摩擦力を加えるダミー物体モデルを接触させて、当該ダミー物体モデルを移動することを特徴とするせん断加工工程の3次元シミュレーション方法。
  3. 前記ダミー物体モデルは、形状変化しないものとしてシミュレーションすることを特徴とする請求項2記載のせん断加工工程の3次元シミュレーション方法。
  4. せん断加工工程におけるワークの形状変化の有限要素法による3次元シミュレーションに用いる有限要素モデルの作成方法であって、
    前記ワークを、あらかじめせん断される部分から分離した状態としてモデル化することを特徴とする有限要素モデルの作成方法。
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