JP3951229B2 - 経路誘導装置及び方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載されたナビゲーション装置や携帯情報端末等のユーザに対して、所望の目的地への経路誘導を行なう技術分野に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、インターネット等の通信環境を利用して、外部のサーバ等からパーソナルコンピュータに各種情報を取得する技術が普及しており、例えば特開平11−143358号には、係る通信環境において通信可能に接続された通信機能を備える車載ナビゲーション装置と情報センターとの間において、経路誘導等のナビゲーションを行う技術が提案されており、このようなナビゲーション装置によれば、目的地への移動中において、有益な各種情報を取得することができ、効率的な移動が行える。
【0003】
また、特開2001−91282号には、施設の位置情報と駐車場の位置情報とを予め記憶しておき、ユーザ所望の施設が指定された際には、その施設に対応する駐車場への経路誘導を行なう技術が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のナビゲーションシステムにおいては、一般に、ユーザによって目的地またはその目的地への経由地が設定されるのに応じて、各種施設の位置情報や各種道路の種別情報等が関連付けされた地図情報が参照されることによって、その経由地や目的地に最も近い道路(最近接道路)が検出され、当該経由地や目的地に至る経路誘導路として、係る検出された最近接道路への誘導が行われる。
【0005】
従来のナビゲーションシステムにおいては、一般に、ユーザによって目的地またはその目的地への経由地が設定されるのに応じて、各種施設の位置情報や各種道路の種別情報等が関連付けされた地図情報が参照されることによって、その経由地や目的地に近いアクセス・ポイントを含む道路(最近接道路)が検出され、当該経由地や目的地に至る経路誘導路として、係る検出された最近接道路への誘導が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このようなナビゲーションシステム(情報センターまたは車載ナビゲーション装置)には、お気に入り地点の登録機能を備えるものがあり、この機能によれば、ユーザが登録したお気に入り地点の位置情報を登録することができ、登録されたお気に入り地点に実際に出かける際には、この位置情報を読み出すことにより、そのお気に入り地点に対しての経路誘導が行われるので、検索性の向上が図られる。
【0007】
従来の車載ナビゲーション装置(車両据置型のナビゲーション装置)を利用してユーザの登録操作に応じてお気に入り地点の登録がなされる場合、その車載ナビゲーション装置は、主に道路(駐車場を含む)上に存在する訳であるから、お気に入り地点として登録される位置情報が示す地点は、基本的には道路上である。
【0008】
<第1の問題>
上述したように、一般的な車両据置型のナビゲーション装置の如く従来より利用されている経路誘導システムでは、ユーザにより設定された所望の注目地点(目的地または経由地)に最も近接する最近接道路が地図情報を検索することによって選択され、該注目地点への経路誘導として、その最近接道路に至る経路誘導が行われる。従って、登録されたお気に入り地点にユーザが後日改めて出かける際には、そのお気に入り地点の位置情報が経路誘導時の注目地点として車載ナビゲーション装置に設定されれば、ユーザは、経路誘導機能を利用して、係る注目地点としてのお気に入り地点そのものに効率良く辿り着くことができる。
【0009】
これに対して、携帯可能なPDA等の情報端末をユーザが使用する場合において、上記従来の車載ナビゲーション装置と同様にユーザの登録操作に応じてお気に入り地点の登録がなされる場合、その情報端末は、ユーザが施設内においても持ち歩くことができる一方で、一般的な地図情報において、施設を代表する位置情報は個々の施設毎に特定の一地点が登録される。このため、施設内に存在するユーザの登録操作に応じて登録されたお気に入り地点の位置情報は、その施設を代表する地点として地図情報に予め登録された位置情報とは異なることが多く、更に、当該地図情報に予め登録されたところの、当該施設に近接する道路ルート上に対応する位置(座標値)に対してもズレていると想定され、このズレ量は、広い面積を有する施設(例えば大規模な遊園地やショッピングセンター等)であるほど顕著なものとなる。
【0010】
そして、上記の場合、前記の如く登録されたお気に入り地点にユーザが後日改めて出かける際には、そのお気に入りの登録地点の位置情報が経路誘導時の注目地点(目的地または経由地)として設定されることになるが、前記の通り登録された位置情報は、ユーザお気に入りの登録地点である施設内の何れかの位置を表わす情報(座標値)であり、その施設を代表する地点として地図情報に予め登録された位置情報とは異なる。このため、例えば、そのお気に入り地点を登録したときに当該施設内の当該お気に入り地点に到達すべくユーザが利用したところの、当該施設周辺の道路と、その登録地点に向けて今回新たに算出された経路誘導路に含まれる最近接道路とが異なる状況が発生してしまい、利便性に欠けることが予想される。
【0011】
例えば、高速道路上のパーキングエリア等の景観ポイントにてお気に入り地点の登録がなされた場合、そのパーキングエリアに到達するアクセス経路には裏側道(即ち、パーキングエリアへの物品供給や緊急自動車等の出入り等に主に利用される連絡道路)である一般道路を利用(経由)した方が、ユーザの現在位置から係る注目地点までの移動距離(道のり)が短い場合がある。このため、このような場合に、従来のナビゲーションシステムでは、ユーザの現在位置を起点として、景観ポイントであるお気に入り地点に対して、本来であればこれらの道路がその付帯施設への最近接道路として含まれる経路誘導路が算出されるべきところ、そのお気に入り地点に至る最近接道路として一般道路が選択された場合には、その最近接道路としての一般道路が含まれる経路誘導路が算出されてしまうことが問題となる。
【0012】
<第2の問題>
また、情報センターが情報端末に対して経路誘導サービスを提供する際に、既に登録されているお気に入り地点を注目地点として経路誘導路を算出する場合には、その情報端末の種類(自動車用、歩行者用等)や表示する地図画面の縮尺の違い、或いはディスプレイの大きさの違い等に応じて、その地図画面のイメージ情報を生成すべく情報センターが参照すべき地図情報は種類が異なることが予想されるが、複数の(複数種類の)地図情報に対して共通の座標系は採用されている場合であっても、実在するある一地点に対して、異なる複数の地図情報間において同一の座標値(位置情報)を割り付けることは容易ではない。
【0013】
従って、異なる複数の地図情報を同一の座標値(位置情報)を基準として比較すると、例えば、地図情報作成時に使用した写真の撮影画角範囲に含まれる微妙な歪み等に起因して、実在するある一地点が、それら複数の地図情報間においてズレを生じている場合があり、そのズレ量は、同一の地図情報に表現された個々の地域(領域)によっても異なる場合がある。
【0014】
このため、予め登録されている同一の注目地点の位置情報に基づいて経路誘導路を算出した場合であっても、経路誘導路の算出に際して参照される地図情報が異なれば、算出された経路誘導路において、当該注目地点への最近接道路が異なってしまうことが予想され、この不具合の発生を未然に防止するためには、お気に入り地点の登録時に、ユーザが使用する情報端末において、そのお気に入り地点の属性(種別)を判断できれば良い訳であるが、一般に、携帯電話等の情報端末には、従来の車載ナビゲーション装置の如く記憶媒体に記憶された地図情報及びその地図情報を適宜読み出すデバイスを搭載することは困難である。
【0015】
このため、このような情報端末では、受信したGPS信号を利用して自端末の現在位置(現在位置情報)自体を検出することはできるが、検出した現在位置が実際にどのような場所(例えば、道路上であるか否か等)であるのか、即ち、現在位置の属性(種別)を自端末にて判断することはできない。またその一方で、情報端末からは現在位置情報の入手しかできず、且つ情報センターにて参照可能な複数種類の地図情報は上述したように多かれ少なかれ互いにズレを含むので、当該情報端末の現在位置が実際にどのような場所であるかについて正確な判断を、情報センター側の処理機能を利用して実現することは困難である。
【0016】
そこで本発明は、登録されたお気に入り地点に適切な経路誘導を行なう経路誘導装置及び方法、並びにコンピュータ・プログラムの提供を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明に係る経路誘導装置は、以下の構成を特徴とする。
【0018】
即ち、登録されたお気に入り地点の位置情報に基づいて経路誘導を行なう経路誘導装置であって、お気に入り地点を登録するためのユーザの操作に応じて、そのお気に入り地点の位置情報と、該お気に入り地点に到達する際のアクセス経路に関する情報とを関連付けて登録可能な登録手段と、前記登録手段によって登録されたお気に入り地点への経路誘導が要求された際に、前記お気に入り地点にユーザが至るための経路誘導路として、前記お気に入り地点の位置情報に関連付けて登録されている前記アクセス経路に関する情報を参照することにより、算出される経路誘導路の後端部分に、前記アクセス経路が含まれる経路誘導路を算出する経路誘導手段と、を備え、前記アクセス経路に関する情報は、そのアクセス経路の種別を表わす識別情報であって、前記経路誘導路算出手段は、個々の道路の種別を表わす識別情報が予め登録されている地図情報を、前記アクセス経路の種別を表わす識別情報に基づいて参照することにより、前記お気に入り地点にユーザが至るための経路誘導路として、後端部分に前記アクセス経路が含まれる経路誘導路を算出することを特徴とする。
【0025】
また、前記経路誘導装置が、前記ユーザが使用する情報端末と通信可能なサーバ・コンピュータであり、前記登録手段は、前記お気に入り地点が登録されるに際して、そのお気に入り地点の位置情報に基づいて前記地図情報を参照することにより、前記お気に入り地点の周辺に存在する道路が、前記アクセス経路の選択候補として提示されるマンマシン・インタフェースを、前記情報端末にて提供すると良い。
【0029】
尚、同目的は、上記の各構成の経路誘導装置に対応する経路誘導方法によっても達成される。
【0030】
また、同目的は、コンピュータを上記各手段として機能させるコンピュータ・プログラムによっても達成される。
【0031】
【発明の効果】
上記の本発明によれば、登録されたお気に入り地点に適切な経路誘導を行なう経路誘導装置及び方法、並びにコンピュータ・プログラムの提供が実現する。
【0032】
即ち、請求項1、請求項3、請求項4の発明によれば、登録されているお気に入り地点への経路誘導が要求された際には、当該お気に入り地点の位置情報に関連付けて登録されているアクセス経路に関する情報が参照され、算出された経路誘導路の後端部分には、そのアクセス経路が含まれる。従って、上述した「発明が解決しようとする課題」において説明したお気に入り登録地点への経路誘導時における不適切なルートの算出(主に「第1の問題」)を防止することができ、適切な経路誘導を行なうことができる。
また、アクセス経路の種別を表わす識別情報が、そのお気に入り地点の位置情報と共に登録されるので、経路誘導時における不適切なルートの算出を防止することができ、適切な経路誘導を行なうことができる。
【0038】
また、請求項2の発明によれば、お気に入り地点の周辺に存在する道路が提示されるマンマシン・インタフェースを利用してユーザが選択操作を行なうのに応じて、選択したアクセス経路の種別を表わす識別情報が、そのお気に入り地点の位置情報と共に登録されるので、経路誘導時における不適切なルートの算出を防止することができ、適切な経路誘導を行なうことができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る経路誘導システムの実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0043】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態における経路誘導システムのシステム構成を例示する図であり、大別して、通信回線を介して接続される情報センター1と、ユーザ端末2とによって構成されている。
【0044】
同図において、情報センター1は、通信機能を有するサーバ・コンピュータ等の情報処理装置であって、インターネット4等の通信回線を介して外部装置とのデータ通信を行なうと共に、本実施形態に係るお気に入り地点の登録処理や経路誘導処理(詳細は後述する)を行なうことにより、ユーザのお気に入り地点を登録すると共に、そのユーザが使用するユーザ端末2からの要求に応じて、当該登録されたお気に入り地点にユーザが到達するための経路誘導を行なう。
【0045】
ここで、本実施形態に係る経路誘導システムを図7を参照して概説すれば、本実施形態では、お気に入り地点を登録するためのユーザの操作に応じて、そのお気に入り地点(101)の位置情報と、該お気に入り地点に到達する際のアクセス経路に関する情報(アクセス経路102またはアクセス・ポイント103)とを関連付けて登録可能である。
【0046】
そして、情報センター1は、現在位置(106)を起点として当該お気に入り地点(101)にユーザが至るための経路誘導が要求された際には、例えば斜線で示す施設を代表する地点として地図情報に予め登録された最近接ポイント105への経路誘導路を自動的に算出する従来のナビゲーション装置とは異なり、上述した「発明が解決しようとする課題」にて説明した「第1の問題」を解決すべく、先に登録されたお気に入り地点(101)の位置情報と、そのお気に入り地点の位置情報に関連付けて登録されているアクセス経路に関する情報とを参照することにより、算出される経路誘導路の後端部分に、当該アクセス経路(アクセス道路:102)またはアクセス経路上のアクセス・ポイント(103)が含まれる経路誘導路(同図に破線で示すルート部分と太線で示すルート部分)を算出可能であることを主な特徴とする。
【0047】
施設情報データベース(DB)12には、お気に入り地点として設定候補となり得る複数施設を対象として、個々の施設の位置情報及びその種別情報等が関連付けされて予め登録されている。
【0048】
地図情報データベース(DB)11は、ユーザ端末の種類(自動車用、歩行者用等)や表示する地図画面の縮尺の違い、或いはディスプレイの大きさの違い等に応じて、その地図画面のイメージ情報を生成すべく、情報センター1によって参照される複数種類の地図情報(11−1〜11−n)であって、個々の地図情報には、施設情報DB12に登録されている当該複数施設の位置情報(座標値)を含む広域な地図情報が予め格納されており、この地図情報には、各地点(座標値)の属性情報(道路、施設、山野、鉄道、河川等)や名称等が関連付けされており、更に、道路を表わす属性情報には、その道路の種別(高速道路、有料道路、自動車専用道路、一般道路等)を表わす種別情報、道路等級及び/または車線数等が関連付けされている。
【0049】
地図補正情報14は、地図情報データベース(DB)11をなす個々の地図情報(サブDB11−1〜11−n)に関して、実在する同一地点についての、当該個々の地図情報相互間における位置情報のズレ量に関する情報(補正情報)である。
【0050】
お気に入り地点登録データベース(DB)13には、情報センター1を利用して、お気に入り地点の登録や登録されたお気に入り地点に到達するための経路誘導等のサービスを受けることが可能な複数のユーザ端末2のユーザを対象として、ユーザ専用の記憶領域がユーザ個別に割り当てられており、個々の記憶領域には、対応するユーザの端末操作によって「お気に入り地点」として任意に登録された地点に関して、名称、位置情報、当該お気に入り地点に到達する際のアクセス経路に関する情報を関連付けて登録することができる。
【0051】
本実施形態において、ユーザ端末2は、本システムによる経路誘導サービスを受けることが可能な、通信機能を有する情報処理装置であって、図1に示すような携帯情報端末(PDA)、携帯電話の他に、移動体である自動車(車両)に搭載されたナビゲーション装置等の一般的な情報処理装置(情報端末)を採用することができるので、本実施形態におけるハードウエアの詳細な説明は省略する。但し、何れの場合にも、ユーザ端末2は、受信したGPS(グローバル・ポジショニング・システム)信号に基づいて、自装置の現在位置を検出する測位センサ(不図示)を備えるものとする。
【0052】
そして、ユーザ端末2は、本実施形態において、インターネット通信を行うことが可能な一般的な通信プロトコルのソフトウエア(ソフトウエアプログラム)、そのソフトウエアに従ってインターネット4を介してデータを送受信するインターネットブラウザ機能及びメール機能、並びにブラウザを描画する一般的なソフトウエア群を有しており、これらのソフトウエアが不図示のCPUによって適宜実行されることにより、ユーザ端末2と情報センター1とは、情報センター1にユーザ端末2が接続された(例えばログインした)状態において、インターネット4、並びに基地局5等の有線及び無線を含む通信回線を介して、双方向通信可能に接続される。尚、これらの装置における通信手段自体には、一般的な構成を採用するものとし、本実施形態における詳細な説明は省略する。
【0053】
本実施形態において、情報センター1側の3つのデータベース11乃至13、地図補正情報14、個々のユーザ端末2においては、位置情報(座標値)を扱うに際して、共通の座標系が採用されている。
【0054】
ここで、本実施形態では、説明の便宜上から、上記の如く地図情報DB11、施設情報DB12、並びにお気に入り地点登録DB13の3つのデータベースに情報センター1がアクセスするシステム構成にて説明するが、このシステム構成に限られるものではなく、大規模なデータベース内に一括して記憶されているシステム構成であっても、或いは、お気に入り地点登録DB13に格納されるべき情報を、個々のユーザ端末2が各種記憶デバイス内に個別に記憶している構成であっても良い。
【0055】
以下、情報センター1の動作を中心として、本システム全体の処理を説明する。
【0056】
尚、本実施形態では、以下に説明する経路誘導処理が情報センター1において実行されるのに応じて、インターネット4等の通信回線を介して情報センター1から受信した所定のデータ形式(例えば、HTML:Hypertext Markup Language,XML:Extensible Markup Language等)に基づくデータを利用して、ユーザ端末2にて所謂インターネットブラウザ機能が実行されることにより、そのユーザ端末2のユーザに対して、表示画面等の必要なマンマシン・インタフェース(ユーザインタフェース)が提供される場合を例に説明する。
【0057】
しかしながら、本実施形態に係る経路誘導システムはこのシステム構成に限られるものではなく、以下に説明する処理の一部或いは全てが、ユーザ端末2において実行されるシステム構成であっても良い。
【0058】
図5は、第1の実施形態における情報センター1の経路誘導処理を示すフローチャートであり、情報センター1の不図示のCPUが行なうソフトウエア・プログラムの動作手順を表わす。
【0059】
同図において、ステップS1,ステップS2:アクセス中のユーザ端末2においてお気に入り地点の登録操作が行われたかが判断され(ステップS1)、係る登録操作が検出されない場合にはステップS8に処理が進められ、検出された場合には、その要求操作が行われたユーザ端末2から、お気に入り地点として登録対象であるところの、当該ユーザ端末の現在位置情報を入手する(ステップS2)。
【0060】
ここで、情報センター1にアクセス可能な個々のユーザ端末2には、個別の識別情報(ID)が予め与えられており、以下の説明において、情報センター1及びユーザ端末2間の情報の送受信が行われるに際しては、一般的な手順により、情報の送信元と送信先とが適宜判別(特定)されるものとする。
【0061】
ステップS3:ステップS2にて入手した現在位置情報が表わす地点の所定距離以内に、その地点に接近することが可能な複数の近接道路が存在するかが、地図情報DB11を参照することによって判断される。
【0062】
ステップS4:ステップS3の判断において、現在位置情報が表わす地点の所定距離以内には1つの近接道路しか検出されなかった場合には、他の経路による接近ルートは存在しないため、その近接道路がアクセス道路であると特定して、そのアクセス道路の道路種別または当該地点に接近するための最近接ポイントを、地図情報DB11を参照することによって決定する。
【0063】
一方、ステップS3の判断にて現在位置情報が表わす地点の所定距離以内に複数の近接道路が検出された場合には、当該地点をお気に入り地点として登録するのに伴って、その地点に到達する際のアクセス経路に関する情報を特定する必要があるが、本実施形態では、以下に説明するステップS5(ユーザによる指定操作)またはステップS6(移動履歴に基づく自動設定)の何れかを、例えばユーザによる事前の設定によって選択することができる。
【0064】
ステップS5:ステップS3の判断にて現在位置情報が表わす地点の所定距離以内に複数の近接道路が検出された場合、本ステップでは、アクセス経路(アクセス道路)をユーザが選択可能なマンマシン・インタフェース(GUI)を、当該ユーザ端末2にて提示する。より具体的に、係るマンマシン・インタフェースとして、本実施形態では、以下に説明する3種類の指定画面(図2乃至図4)の何れかが当該ユーザ端末2にて表示され、表示された指定画面に対するユーザの指定操作に応じて、ユーザ所望のアクセス道路(図2の表示態様の場合)、その道路種別(図3の表示態様の場合)、或いはアクセス・ポイント(図4の表示態様の場合)が決定される。ここで、何れの表示態様の指定画面をユーザ端末2にて表示するかは、例えばユーザが事前に設定すれば良い。
【0065】
<指定画面(図2)>
図2は、第1の実施形態においてお気に入り地点が登録されるに際して、ユーザ端末2に表示される指定画面を例示する図であり、この指定画面の表示態様では、ステップS2にて入手した現在位置情報によって特定されるお気に入り地点(△印)の周辺に存在する複数の近接道路が地図画面上に表わされると共に、選択候補として、4つの近接道路が「1」乃至「4」の丸数字にて示されている。
【0066】
この指定画面(図2)に含まれる地図画面のイメージ情報が情報センター1にて生成されるに際しては、当該ユーザ端末2の種類(自動車用、歩行者用等)や表示する地図画面の縮尺の違い、或いはディスプレイの大きさの違い等に応じて、何れか適当な地図情報(11−1〜11−n)が参照される。
【0067】
また、係る指定画面(図2)において、ユーザは、当該お気に入り地点に到達すべく経路誘導路が算出される際にその経路誘導路の後端部分に含まれることを希望する何れかの近接道路を、例えば、ユーザ端末2の数字キー(不図示)の操作及びその後の「ok」ボタンの操作によって、「アクセス道路」として指定することができる。そして、情報センター1は、係る指定操作に応じたアクセス道路の識別情報をユーザ端末2から受信する。
【0068】
<指定画面(図3)>
また、図3は、第1の実施形態においてお気に入り地点が登録されるに際して、ユーザ端末2に表示される指定画面を例示する図であり、この指定画面の表示態様では、ステップS2にて入手した現在位置情報によって特定されるお気に入り地点(この場合は不図示)の周辺に存在する複数の近接道路の道路名称が、選択候補として一覧表示にて示されている。
【0069】
また、係る指定画面(図3)において、ユーザは、当該お気に入り地点に到達すべく経路誘導路が算出される際にその経路誘導路の後端部分に含まれることを希望する何れかの近接道路を、例えば、チェックボックスの選択操作及びその後の「ok」ボタンの操作によって、「アクセス道路(アクセス道路の種別)」として指定することができる。そして、情報センター1は、係る指定操作に応じたアクセス道路の種別(国道**号線等)を表わす識別情報をユーザ端末2から受信する。
【0070】
<指定画面(図4)>
また、図4は、第1の実施形態においてお気に入り地点が登録されるに際して、ユーザ端末2に表示される指定画面を例示する図であり、この指定画面の表示態様では、ステップS2にて入手した現在位置情報によって特定されるお気に入り地点(△印)の周辺に存在する複数の近接道路が地図画面上に表示されると共に、その地図画面においてユーザの操作に応じて移動可能なカーソル(+印)が表示される。
【0071】
この指定画面(図4)に含まれる地図画面のイメージ情報が情報センター1にて生成されるに際しては、当該ユーザ端末2の種類(自動車用、歩行者用等)や表示する地図画面の縮尺の違い、或いはディスプレイの大きさの違い等に応じて、何れか適当な地図情報(11−1〜11−n)が参照される。
【0072】
また、係る指定画面(図4)において、ユーザは、当該お気に入り地点に到達すべく経路誘導路が算出される際にその経路誘導路の後端部分に含まれることを希望する何れか任意の一地点を、例えば、ユーザ端末2の矢印キー(不図示)の操作を行なうことによるカーソルの移動操作及びその後の「ok」ボタンの操作によって、「アクセス・ポイント」として選択することができる。そして、情報センター1は、係る選択操作に応じたアクセス・ポイントの、当該地図画面上における位置を表わす座標情報をユーザ端末2から受信する。
【0073】
ステップS6:ステップS3の判断にて現在位置情報が表わす地点の所定距離以内に複数の近接道路が検出された場合、本ステップでは、ユーザ端末2の移動履歴に基づいて、お気に入り地点に到達する際のアクセス経路またはそのアクセス経路上のアクセス・ポイントが自動的に判別される。
【0074】
ユーザ端末2の移動履歴を情報センター1にて把握する手順としては、ステップS2またはステップS6にてそれまでの当該ユーザ端末2にて時系列に一時記憶されていた現在位置情報を一括して受信する、或いは、不図示の処理ステップによって、ユーザ端末2から所定時間周期で受信した現在位置情報を、例えばお気に入り地点登録DB13内のユーザ専用領域に一時記憶しておき、ステップS6にてそれまで時系列に一時記憶されていた現在位置情報を読み出しても良い。
【0075】
そして、何れかの手順によって入手した現在位置情報群が表わす複数地点は、当該ユーザ端末2が現在位置(即ち、最新の現在位置情報:本制御周期においてお気に入り地点としての登録対象の地点)に至るまでの当該ユーザ端末2の移動履歴を表わし、係る複数地点の中には、地図情報DB11に登録された道路上に対応する地点と、当該現在位置に到達すべく道路上から外れた地点とがある。そこで、ステップS6では、地図情報DB11を参照することにより、これら複数地点の位置情報の中から、例えば、当該現在位置周辺に存在する最近接道路を「アクセス経路」として自動的に選択する、或いは、係る最近接道路上で最も当該現在位置に近接するポイントを「アクセス・ポイント」として自動的に選択する。
【0076】
ステップS7:ステップS2にてお気に入り地点としての登録対象として入手したユーザ端末2の現在位置情報を、そのお気に入り地点の名称(任意設定、或いは地図情報DB11、施設情報DB12等を検索することによって入手した周辺地名等)、上述したステップS4乃至ステップS6の何れかの処理ステップにて指定(特定)されたアクセス道路、そのアクセス道路の種別、或いはアクセス・ポイントと関連付けて、お気に入り地点登録DB13内の当該ユーザ専用の記憶領域に記憶する。
【0077】
ここで、図4に例示するような表示態様の指定画面では、ユーザの選択操作に応じて、そのユーザ所望のアクセス・ポイントとして任意の一地点が選択されるが、ユーザが携帯可能なユーザ端末2に設けられたディスプレイは、例えば据え置き型のパーソナル・コンピュータや車載ナビゲーション装置のディスプレイと比較して、一般的に小さな表示エリアであり、解像度にも限りがある。このため、係る小さな表示エリアに表示された指定画面上でユーザが選択した地点(当該地点を表わす座標値)は、その指定画面に含まれる地図画面を生成するに際して参照された地図情報(11−1〜11−n)において道路(道路上)として予め登録されている位置情報とは異なる(外れている)場合が多いことが想定される。
【0078】
そこで、ステップS7では、上記の如くユーザによる選択位置が道路上から外れている場合、参照された地図情報において該選択地点の近傍に存在する道路上の一地点を示す位置情報を、「アクセス・ポイント」を示す位置情報として、お気に入り地点の位置情報等と関連付けて自動的に登録する。これにより、ステップS12にて経路誘導路を算出するに際しては、上述した「発明が解決しようとする課題」における「第2の問題」が考慮された適切なルートを算出することができる。
【0079】
これに対して、図2または図3に例示するような表示態様の指定画面では、図4に例示する指定画面の如く任意の一地点がユーザによって選択されることは無く、個々の選択肢に識別番号を予め付与しておけば、その指定画面に選択肢として表示された何れのアクセス道路またはその種別が選択されたとしても、情報センター1では、ユーザの選択操作を一義的に特定することができる。このため、ステップS5にて指定画面(図2または図3)を生成する際に参照された地図情報と、ステップS12にて経路誘導路を算出する際に参照される地図情報とが異なる場合であっても、係る識別番号によって同一のアクセス道路またはその種別を一義的に特定することができるので、指定画面(図4)を利用してユーザが任意の一地点を選択する場合における上記の処理構成は必要とされない。
【0080】
上述したステップS1乃至ステップS7の一連の処理によって、本実施形態では、お気に入り地点を登録するためのユーザの操作に応じて、お気に入り地点に関する登録情報として、そのお気に入り地点の位置情報、該お気に入り地点に到達する際のアクセス経路に関する情報等が関連付けされた状態で、お気に入り地点登録DB13内の当該ユーザ専用の記憶領域に登録される。
【0081】
そして、以下のステップでは、上記の如く登録されたお気に入り地点の読み出し処理、並びにそのお気に入り地点に到達するための経路誘導処理について説明する。
【0082】
ステップS8,ステップS9:アクセス中のユーザ端末2においてお気に入り地点の読み出し操作が行われたかが判断され(ステップS8)、係る操作が検出されない場合にはステップS1に処理がリターンし、検出された場合には、その操作と共に読み出し対象として指定されたお気に入り地点に関する登録情報が、お気に入り地点登録DB13内の当該ユーザ専用の記憶領域から読み出される(ステップS9)。
【0083】
ステップS10,ステップS11:ステップS9にて指定されたお気に入り地点を注目地点(目的地またはその目的地に到達するまでの経由地)とする経路誘導の要求操作が行われたかが判断され(ステップS10)、係る要求操作が検出されない場合にはステップS1に処理がリターンし、検出された場合には、当該ユーザ端末2から現在位置情報を入手する(ステップS11)。
【0084】
ステップS12:当該お気に入り地点の位置情報に関連付けて登録されていたアクセス経路に関する情報(アクセス経路またはアクセス・ポイント)、ステップS11にて入手した現在位置情報、並びに何れか適当な地図情報(11−1〜11−n)が参照されることにより、当該現在位置情報が表わすユーザ端末2の現在位置を起点として、ステップS10にて指定されたお気に入り地点にユーザが至るための経路誘導路が算出される。即ち、本ステップにおいて算出される経路誘導路を表わす位置情報群(点列)の後端部分には、当該アクセス経路またはそのアクセス経路上のアクセス・ポイントが含まれる。
【0085】
ところで、上述したように、本実施形態では、ステップS5及びステップS12において異なる地図情報(11−1〜11−n)の中から何れか適当なものが参照されるが、ステップS5にて指定画面(図2乃至図4)を生成する際に参照された地図情報と、ステップS12にて経路誘導路を算出する際に参照される地図情報とは異なる場合も想定される。そして、この場合、それら複数種類の地図情報間では、「発明が解決しようとする課題」において「第2の問題」として説明したように、実際には同一地点であっても異なる座標位置が割り付けられている場合があり、このような割り付け状態において、図7に太線と細線で例示される如く、現在位置周辺の比較的近い位置に複数の近接道路が平行して存在する場合等には、不適切な経路誘導路が算出される可能性がある。
【0086】
そこで、本実施形態では、地図情報DB11をなす個々の地図情報(11−1〜11−n)に関して、実在する同一地点についての、当該個々の地図情報相互間における位置情報のズレ量を、予め用意した地図補正情報14によって特定可能であり、登録されたお気に入り地点に至るための経路誘導路をステップS12にて算出するに際しては、複数種類の地図情報(11−1〜11−n)のうち、参照すべき第1地図情報が、お気に入り地点に関する登録情報の登録に際して参照された第2地図情報と異なるときには、地図補正情報14を参照することによって当該第1及び第2地図情報間の同一地点に対するズレ量を特定し、特定されたズレ量分だけアクセス経路またはアクセス・ポイントの位置情報を補正すると共に、補正後の位置情報に基づいて該第1地図情報を参照することにより、当該アクセス経路またはアクセス・ポイントが後端部分に含まれる経路誘導路を算出する。これにより、上述した「発明が解決しようとする課題」における「第2の問題」が考慮された適切なルートを算出することができる。
【0087】
或いは、ステップS12では、ユーザ端末2にて表示されるべき地図画面に含まれる経路誘導路を第1地図情報を参照することによって算出するに際に、複数種類の地図情報(11−1〜11−n)のうち、参照すべき第1地図情報が、お気に入り地点に関する登録情報の登録に際して参照された第2地図情報と異なるときには、該第2地図情報においてアクセス・ポイントの近傍に存在する道路上の一地点を示す位置情報を、そのアクセス・ポイントを示す位置情報とみなして、地図補正情報14を参照することによって補正し、補正後の位置情報に基づいて、該第1地図情報を参照することにより、当該アクセス・ポイントが後端部分に含まれる経路誘導路を算出しても良い。
【0088】
ステップS13:ステップS12にて算出された経路誘導路のパターンを含む地図画面のイメージ情報が生成され、生成されたイメージ情報が、当該ユーザ端末2に送信される。これにより、当該ユーザ端末2には、例えば図7(この場合、最近接ポイント105は除く)に例示するような地図画面が表示される。
【0089】
以上説明した本実施形態によれば、登録されたお気に入り地点に適切な経路誘導を行なうことができる経路誘導システムが実現する。
【0090】
即ち、本実施形態によれば、ステップS7にて登録されたお気に入り地点への経路誘導がステップS26にて要求された際には、お気に入り地点登録DB13内のユーザ専用の記憶領域から、当該お気に入り地点の位置情報と共に関連付けて登録されているアクセス経路に関する情報(アクセス経路またはアクセス経路上のアクセス・ポイント)が読み出され(ステップS9)、ステップS12では、そのアクセス経路またはアクセス経路上のアクセス・ポイントが後端部分に含まれる経路誘導路が算出される。
【0091】
従って、上述した「発明が解決しようとする課題」において説明したお気に入り登録地点への経路誘導時における不適切なルートの算出(主に「第1の問題」)を防止することができ、適切な経路誘導を行なうことができる。
【0092】
[第2の実施形態]
次に、上述した第1の実施形態に係る経路誘導システムを基本とする第2の実施形態を説明する。以下の説明においては、第1の実施形態と同様な構成については重複する説明を省略し、本実施形態における特徴的な部分を中心に説明する。
【0093】
上述した第1の実施形態では、お気に入り地点の登録に際して、そのお気に入り地点の位置情報と共に、そのお気に入り地点に到達する際のアクセス経路に関する情報(アクセス経路またはアクセス・ポイント)等が登録される処理構成を説明した。
【0094】
これに対して、本実施形態では、お気に入り地点の位置情報と共にアクセス経路及びアクセス・ポイントが登録されるのではなく、登録されたお気に入り地点への経路誘導がユーザ端末2から要求された際に、情報センター1は、そのお気に入り地点に至るための経路誘導路の後端部分に、そのお気に入り地点に到達する際のアクセス経路またはそのアクセス経路上に存在するアクセス・ポイントを選択可能なマンマシン・インタフェースを当該ユーザ端末2にて提供すると共に、そのマンマシン・インタフェースを介して選択されたアクセス経路またはアクセス・ポイントが後端部分に含まれる経路誘導路を算出する。
【0095】
図6は、第2の実施形態における情報センター1の経路誘導処理を示すフローチャートであり、情報センター1の不図示のCPUが行なうソフトウエア・プログラムの動作手順を表わす。
【0096】
同図において、ステップS21,ステップS22:上述した第1の実施形態におけるステップS21及びステップS22(図5)と同様な処理が行われることにより、お気に入り地点の登録がステップS21にて要求されている場合には、ステップS22において要求元のユーザ端末2の現在位置情報を入手する。
【0097】
ステップ23:ステップS22にてお気に入り地点としての登録対象として入手したユーザ端末2の現在位置情報を、そのお気に入り地点の名称(任意設定、或いは地図情報DB11、施設情報DB12等を検索することによって入手した周辺地名等)と関連付けて、お気に入り地点登録DB13内の当該ユーザ専用の記憶領域に記憶する。
【0098】
ステップS24,ステップS25:アクセス中のユーザ端末2においてお気に入り地点の読み出し操作が行われたかが判断され(ステップS24)、係る操作が検出されない場合にはステップS21に処理がリターンし、検出された場合には、その操作と共に読み出し対象として指定されたお気に入り地点に関する登録情報(ステップS23にて記憶された位置情報等)が、お気に入り地点登録DB13内の当該ユーザ専用の記憶領域から読み出される(ステップS25)。
【0099】
ステップS26,ステップS27:上述した第1の実施形態におけるステップS10及びステップS11(図5)と同様な処理が行われることにより、指定されたお気に入り地点を注目地点(目的地またはその目的地に到達するまでの経由地)とする経路誘導の要求操作がステップS26にて検出された場合には、ステップS27において当該ユーザ端末2から現在位置情報を入手する。
【0100】
ステップS28:ステップS27にて入手した現在位置情報が表わす地点の所定距離以内に、その地点に接近することが可能な複数の近接道路が存在するかが、地図情報DB11を参照することによって判断される。
【0101】
ステップS29:上述した第1の実施形態におけるステップS5(図5)と同様な処理が行われることにより、指定画面(図2)乃至指定画面(図4)の何れかが当該ユーザ端末2において表示され、表示された指定画面に対するユーザの指定操作に応じて、ユーザ所望のアクセス道路(図2の表示態様の場合)、その道路種別(図3の表示態様の場合)、或いはアクセス・ポイント(図4の表示態様の場合)が決定される。
【0102】
ステップS30:ステップS28の判断において、現在位置情報が表わす地点の所定距離以内には1つの近接道路しか検出されなかった場合には、他の経路による接近ルートは存在しないため、上述した第1の実施形態におけるステップS4(図5)と同様な処理が行われることにより、その近接道路がアクセス道路であると特定して、そのアクセス道路の道路種別または当該地点に接近するための最近接ポイントを、地図情報DB11を参照することによって決定する。
【0103】
ステップS31,ステップS32:上述した第1の実施形態におけるステップS12及びステップS13(図5)と同様な処理が行われることにより、ステップS26にて指定されたお気に入り地点にユーザが至るための経路誘導路が算出され(ステップS31)、算出された経路誘導路のパターンを含む地図画面のイメージ情報が生成されると共に、生成されたイメージ情報が、当該ユーザ端末2に送信される(ステップS32)。これにより、当該ユーザ端末2には、例えば図7(この場合、最近接ポイント105は除く)に例示するような地図画面が表示される。
【0104】
また、ステップS31にて経路誘導路が算出されるに際しては、アクセス・ポイントとして指定画面(図4)にて選択された選択地点を示す位置情報が、その指定画面に含まれる地図画面を生成する際に参照された地図情報において道路として予め登録されている位置情報とは異なる(ズレている)場合に、その地図情報において該選択地点の近傍に存在する道路上の一地点を示す位置情報を、本来のアクセス・ポイントを示す位置情報としてみなすことにより、経路誘導路が算出される。これにより、既に登録されているお気に入り登録地点への経路誘導の開始時に、ユーザがアクセス・ポイントとして選択した選択地点が道路上からズレているている場合であっても、適切なルートを算出することができる。
【0105】
或いは、ステップS31にて経路誘導路が算出されるに際して、指定画面にてアクセス経路として選択された選択経路が、その指定画面に含まれる地図画面を生成する際に参照された地図情報において道路として予め登録されている位置情報群とは異なる(ズレている)場合に、その地図情報において該選択経路の近傍に存在する道路を示す位置情報群を、本来のアクセス経路を示す位置情報群としてみなすことにより、経路誘導路が算出される。これにより、既に登録されているお気に入り登録地点への経路誘導の開始時に、ユーザがアクセス経路として選択した選択経路が道路上からズレているている場合であっても、適切なルートを算出することができる。
【0106】
以上説明した処理構成の本実施形態によれば、既に登録したお気に入り地点に到達する際のアクセス経路またはそのアクセス経路上に存在するアクセス・ポイントを、経路誘導路の算出に際して、その都度、選択可能である。従って、上述した「発明が解決しようとする課題」において説明したお気に入り登録地点への経路誘導時における不適切なルートの算出(主に「第1の問題」)を防止することができ、適切且つ柔軟な経路誘導を行なうことができる。
【0107】
尚、上述した各実施形態では、一例として、情報センター1にて経路誘導用の地図画面(例えば図7:この場合、最近接ポイント105は除く)をユーザ端末2にて表示するための所定のデータ形式の情報が生成され、ユーザ端末2では、その情報を受信すると共に、実行中の描画機能によって当該地図画面を表示するシステム構成を説明したが、ユーザ端末2が地図情報と、その地図情報を利用したナビゲーション機能とを有する場合には、情報センター1からイメージ情報化した地図画面を提供する必要は無く、経路誘導路を構成する複数地点(点列)の位置情報を提供すれば良い。
【0108】
また、上述した各実施形態を例に説明した本発明は、上述した情報センター1に対して、その説明において参照したフローチャートの機能を実現可能なコンピュータ・プログラムを供給した後、その装置のCPUに読み出して実行することによって達成される。そして、上述した処理の一部または全部をユーザ端末2にて行なう場合には、該当する処理を実現可能なコンピュータ・プログラムを供給した後、その装置のCPUに読み出して実行することによって達成される。また、当該装置内に供給されたコンピュータ・プログラムは、読み書き可能なメモリまたはハードディスク装置等の記憶デバイスに格納すれば良い。
【0109】
また、前記の場合において、当該各装置内へのコンピュータ・プログラムの供給方法は、フレキシブルディスク等の各種記録媒体を介して当該装置内にインストールする方法や、インターネット等の通信回線を介して外部よりダウンロードする方法等のように、現在では一般的な手順を採用することができ、このような場合において、本発明は、係るコンピュータ・プログラムのコード或いは記憶媒体によって構成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における経路誘導システムのシステム構成を例示する図である。
【図2】第1の実施形態においてお気に入り地点が登録されるに際して、ユーザ端末2に表示される指定画面を例示する図である。
【図3】第1の実施形態においてお気に入り地点が登録されるに際して、ユーザ端末2に表示される指定画面を例示する図である。
【図4】第1の実施形態においてお気に入り地点が登録されるに際して、ユーザ端末2に表示される指定画面を例示する図である。
【図5】第1の実施形態における情報センター1の経路誘導処理を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態における情報センター1の経路誘導処理を示すフローチャートである。
【図7】従来のナビゲーション装置において算出される経路誘導路と、第1及び第2の実施形態において算出される経路誘導路との差異を説明するための図である。
【符号の説明】
1:情報センター,
2:ユーザ端末,
4:インターネット,
5:基地局,
11:地図情報データベース(DB),
12:施設情報データベース(DB),
13:お気に入り地点登録データベース(DB),
14:地図補正情報
Claims (4)
- 登録されたお気に入り地点の位置情報に基づいて経路誘導を行なう経路誘導装置であって、
お気に入り地点を登録するためのユーザの操作に応じて、そのお気に入り地点の位置情報と、該お気に入り地点に到達する際のアクセス経路に関する情報とを関連付けて登録可能な登録手段と、
前記登録手段によって登録されたお気に入り地点への経路誘導が要求された際に、前記お気に入り地点にユーザが至るための経路誘導路として、前記お気に入り地点の位置情報に関連付けて登録されている前記アクセス経路に関する情報を参照することにより、算出される経路誘導路の後端部分に、前記アクセス経路が含まれる経路誘導路を算出する経路誘導手段と、
を備え、
前記アクセス経路に関する情報は、そのアクセス経路の種別を表わす識別情報であって、
前記経路誘導路算出手段は、
個々の道路の種別を表わす識別情報が予め登録されている地図情報を、前記アクセス経路の種別を表わす識別情報に基づいて参照することにより、前記お気に入り地点にユーザが至るための経路誘導路として、後端部分に前記アクセス経路が含まれる経路誘導路を算出することを特徴とする経路誘導装置。 - 前記経路誘導装置が、前記ユーザが使用する情報端末と通信可能なサーバ・コンピュータであり、
前記登録手段は、前記お気に入り地点が登録されるに際して、そのお気に入り地点の位置情報に基づいて前記地図情報を参照することにより、前記お気に入り地点の周辺に存在する道路が、前記アクセス経路の選択候補として提示されるマンマシン・インタフェースを、前記情報端末にて提供することを特徴とする請求項1記載の経路誘導装置。 - 登録されたお気に入り地点の位置情報に基づいて、情報処理装置を利用して、経路誘導を行なう経路誘導方法であって、
お気に入り地点を登録するためのユーザの操作に応じて、そのお気に入り地点の位置情報と、該お気に入り地点に到達する際のアクセス経路に関する情報とを関連付けて登録する登録工程と、
前記登録工程にて登録したお気に入り地点への経路誘導が要求された際に、前記お気に入り地点にユーザが至るための経路誘導路として、前記お気に入り地点の位置情報に関連付けて登録されている前記アクセス経路に関する情報を参照することにより、算出すべき経路誘導路の後端部分に、前記アクセス経路が含まれる経路誘導路を算出する経路誘導工程と、
を有し、
前記アクセス経路に関する情報は、そのアクセス経路の種別を表わす識別情報であって、
前記経路誘導路算出工程では、
個々の道路の種別を表わす識別情報が予め登録されている地図情報を、前記アクセス経路の種別を表わす識別情報に基づいて参照することにより、前記お気に入り地点にユーザが至るための経路誘導路として、後端部分に前記アクセス経路が含まれる経路誘導路が算出されることを特徴とする経路誘導方法。 - 登録されたお気に入り地点の位置情報に基づいて経路誘導を行なう経路誘導装置として、コンピュータを、
お気に入り地点を登録するためのユーザの操作に応じて、そのお気に入り地点の位置情報と、該お気に入り地点に到達する際のアクセス経路に関する情報とを関連付けて登録可能な登録手段、
前記登録手段によって登録されたお気に入り地点への経路誘導が要求された際に、前記お気に入り地点にユーザが至るための経路誘導路として、前記お気に入り地点の位置情報に関連付けて登録されている前記アクセス経路に関する情報を参照することにより、算出される経路誘導路の後端部分に、前記アクセス経路が含まれる経路誘導路を算出する経路誘導手段、
として機能させるコンピュータ・プログラムであって、
前記アクセス経路に関する情報は、そのアクセス経路の種別を表わす識別情報であって、
前記経路誘導路算出手段は、
個々の道路の種別を表わす識別情報が予め登録されている地図情報を、前記アクセス経路の種別を表わす識別情報に基づいて参照することにより、前記お気に入り地点にユーザが至るための経路誘導路として、後端部分に前記アクセス経路が含まれる経路誘導路を算出することを特徴とするコンピュータ・プログラム。
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