JP3950341B2 - 入浴剤組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光触媒を含有する入浴剤組成物及び水質浄化材に関する。より詳しくは、浴液の殺菌、悪臭の除去、有機物の分解除去、等を行うことのできる入浴剤組成物及び水質浄化材に係る発明である。
【0002】
【従来の技術】
浴液の殺菌(抗菌)方法としては、例えば、下記各種方法があり、それぞれが下記の短所、長所を有している。
【0003】
▲1▼塩素消毒による殺菌…安価で殺菌効果が確実であるが、塩素臭が不快である。また、アトピー性皮膚炎の人の皮膚を刺激し、機器・配管の腐食を促進する。さらにトリハロメタン(発がん性物質)発生の可能性も指摘されている。
【0004】
▲2▼紫外線照射…殺菌効果は強力であるが、コストが高い。また、紫外線照射部位のみの局所的効果はあるが、残留効果(持続性)はない。
【0005】
▲3▼オゾン殺菌…殺菌効果は強力であるが、紫外線照射と同様、コストが高い。また、局所的効果で残留効果(持続性)はない。さらに機器・配管の腐食を促進する。
【0006】
▲4▼銀・銅イオン殺菌…残留効果(持続性)があるが、水質により殺菌効果の発現にむらがある。また、長期にわたる安全性データがない。
【0007】
▲5▼各種抗菌剤による抗菌…例えばけい酸アルミニウムマグネシウム(特開2000−247893)、ヒノキチオール(特開平11−222455号)、カテキン(特開平11−43696号)、キトサン(特開平10−158305号)等の各種抗菌剤が知られているが、抗菌作用が不十分である。また、有機物分解効果はなく、湯の清澄効果も弱い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の殺菌、抗菌方法の短所を補うべく、入浴剤自身に殺菌力を付与することを目的とする。すなわち、浴液中のレジオネラ属菌や大腸菌等の細菌に対して殺菌(抗菌)作用を発揮し、さらに浴液中の有機物等の汚れを分解除去し、浴液の清澄作用が期待できる入浴剤組成物及び水質浄化材を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の入浴剤組成物は、下記構成により上記課題を解決するものである。
【0010】
無機塩類とともに光触媒粒体を必須成分として含有する入浴剤組成物であって、前記光触媒粒体が、触媒作用成分である二酸化チタンの粒子に多孔質リン酸カルシウムを結合(担持)させた複合酸化チタン粒子を含有するものである入浴剤組成物であって、
前記複合酸化チタン粒子が、下記組成Mg 2+ 非含有の擬似体液に平均粒径が0.5nm〜5μmの二酸化チタン粒子を浸漬して調製したものであることを特徴とする。
Na + 120〜160mM
+ 1〜 20mM
Ca 2+ 0.5〜 50mM
Cl - 80〜200mM
HCO 3 - 0.5〜 30mM
HPO 4 2- 1〜 20mM
SO 4 2- 0.1〜 20mM
- 0〜5mM
【0012】
また、二酸化チタンと多孔質リン酸カルシウムとの組成比は、通常、前者/後者(質量比)=99.999/0.001〜50/50とする。多孔質リン酸カルシウムが過少であると、多孔質リン酸カルシウムの結合効果を奏し難く、逆に過多であると、相対的に二酸化チタンの量が少なくなり光触媒作用(分解作用)が弱くなる。また、二酸化チタン上に形成される多孔質リン酸カルシウムの膜厚が厚くなり、二酸化チタン(触媒作用成分)への光到達量が低減するおそれがある。ここで、多孔質リン酸カルシウムの結合効果とは、主として、雑菌吸着作用、及び、入浴剤として使用した場合において身体に直接付着した場合の刺激低減作用をいう。
【0013】
また、多孔質リン酸カルシウムとしては、合成アパタイト又はオクタカルシウムホスフェート(OCP)、テトラカルシウムホスフェート(TCP)が望ましい。これらのリン酸カルシウムは、多孔質で吸着性の良好なものを得やすいためである。合成アパタイトとしては、水酸アパタイト、炭酸アパタイト、又はふっ化アパタイトが好適である。
【0014】
二酸化チタンの結晶系は、アナターゼ型とすることが光触媒としての活性が、他の結晶系(ルチル型等)に比して高いためで望ましい。
【0015】
無機塩類は、通常、水溶性の塩基性塩とする。塩基性塩は、肌の皮脂や分泌物を乳化し、きれいに洗い流す作用があり、また、皮膚を軟化し、表面のケラチン層を落とすので、肌を清浄化し、且つ、つるつる(滑らか)にする効果があるためである。
【0016】
塩基性塩として、ほう酸塩、特にほう砂が望ましい。光触媒作用による殺菌/除菌作用と、ほう酸塩類に基づく殺菌/除菌作用とが相乗するためである。
他方、本発明の水質浄化材は、下記構成により上記課題を解決するものである。
【0017】
光触媒担持体を含有する水質浄化材であって、
光触媒担持体が、担体に触媒作用成分として二酸化チタンを担持させるとともに多孔質リン酸カルシウムを結合させた複合酸化チタン担持体を含有し、
二酸化チタンと多孔質リン酸カルシウムとの組成比が前者/後者(質量比)=99.999/0.001〜50/50であることを特徴とする。
【0018】
上記水質浄化剤の複合酸化チタン担持体における担体の形態は、通常、顆粒体、繊維体、網目体(塊状、平面状の双方を含む。)又はフォーム体などの構造形成体とする。
【0019】
そして、当該水質浄化材は、公衆浴場・24時間風呂等の循環水質浄化用のろ過材として使用することが望ましい。複合酸化チタン担持粒子を介しての汚染有機物の吸着・分解(殺菌/除菌)が連続的に行われるため、循環水質浄化における水質浄化(クリーン化)の度合が向上する。
【0020】
上記で使用する担体粒子としては、通常、ろ過砂、珪藻土、セラミックス系粒子、高分子系粒子を使用する。これらは、ろ過材の構成粒子として多用されているためである。
【0021】
また、複合酸化チタン担持粒子における担体に対する二酸化チタン/多孔質リン酸カルシウムの結合比率が前者/後者(質量比)=99.9/0.1〜50/50とする。二酸化チタン/多孔質リン酸カルシウムの比率が小さすぎると、水質浄化材に係る本発明の効果である前述の水質浄化の度合を向上させがたくなり、当該比率が大きすぎると、過剰品質となるとともに、担体から二酸化チタン/多孔質リン酸カルシウムが脱落するおそれがある。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、本明細書中に記載する配合量を示す「%」は、特に断らない限り質量%を意味するものである。
【0023】
本発明の入浴剤組成物は、無機塩類とともに光触媒粒体を必須成分として含有するものである。
【0024】
入浴剤組成物中に光触媒粒体を含有させることで、浴液の殺菌、悪臭除去、濁り防止、さらには、浴槽のぬめり・カビ防止、汚れ防止等にも効果があり、浴槽の清掃作業の負担軽減も期待できる。
【0025】
そして、本発明の入浴剤組成物においては、光触媒粒体として、触媒作用成分である二酸化チタンの粒子に多孔質リン酸カルシウム(以下、単に「リン酸カルシウム」ということがある。)を結合(担持)させた複合酸化チタン粒子を含有することを特徴とするものである。
【0026】
ここで、触媒作用成分として、二酸化チタンを選択する理由は、光触媒の中でも特に、光触媒活性が高くて殺菌/除菌効果が顕著なためであるとともに、安全性が高く、光触媒作用を発現する光の波長が、近紫外光、日光、蛍光灯等の波長と重なるため、入浴剤組成物を使用する浴室での光源をそのまま利用できるためである。
【0027】
二酸化チタンとしては、通常、他のルチル型などに比して触媒活性が高いアナターゼ型のものを使用する。
【0028】
二酸化チタン系光触媒の殺菌/除菌等の機能発現のしくみは、以下のとおりである。
【0029】
二酸化チタンに光を照射すると、強い還元作用を持つ電子と強い酸化作用を持つ正孔とが生成し、接触してくる分子種を酸化還元作用により分解する。二酸化チタンのこのような作用すなわち光触媒作用を利用することによって、浴液(湯)の細菌や有機物質、悪臭等を分解除去することができる。この方法は、二酸化チタンと光を利用するだけで繰り返し使用することができる。また、反応生成物は無害な炭酸ガスなどであり、温度、pHなどの反応条件の制約が少ないという長所を有する。
【0030】
なお、その他の触媒作用成分の粒子、例えば酸化亜鉛(ZnO)、炭化けい素(SiC)、二硫化モリブデン(MoS2 )、酸化第二鉄(Fe23 )、酸化第二インジウム(In23 )、三酸化タングステン(WO3 )、等の粒子のうち、単独又は二種以上を二酸化チタン粒子と適宜併用して使用することもできる。
【0031】
さらに、上記二酸化チタン粒子には、適宜、白金、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、金、銀、銅などの触媒作用(主として酸化・還元反応)を有する金属を担持させることにより、当該金属による触媒作用と二酸化チタンの上記光触媒作用とが相乗して、殺菌/除菌作用の増大が期待できる。
【0032】
また、二酸化チタン粒子に、リン酸カルシウムを結合させる理由は下記の通りである。
【0033】
単に二酸化チタン粒子からなる光触媒粒体をそのまま入浴剤組成物に含有させただけでは、浴液の殺菌(除菌)効果がほとんど現れない。光触媒反応は、被分解物質が光触媒表面で、吸着→反応→脱離を繰り返すことにより行われるものであり、特に水中では光触媒と細菌との吸着性に問題があったためである。
【0034】
また、入浴時に光触媒粒体が身体に直接付着すると刺激性があり、入浴剤組成物の構成原料としては望ましくないためである。皮膚に対して直接的な酸化分解反応に起因するものと推定される。
【0035】
リン酸カルシウムは、多孔質で細菌(雑菌)、アミノ酸、蛋白質等の吸着性が良好である。このため、本発明のリン酸カルシウムが結合した酸化チタン粒子である複合酸化チタン粒子は、細孔の底に光触媒が露出した状態となり、この部分において光触媒に光が照射され、吸着された雑菌等を有効に殺菌することができる。また、二酸化チタン粒子が皮膚に直接触れるのを阻止して刺激性を低減させる。
【0036】
リン酸カルシウムとしては、リン酸イオン及びカルシウムイオンからなるもので有機物吸着性を有するものなら特に限定されない。特に、合成アパタイト又はオクタカルシウムホスフェート(リン酸八カルシウム)(OCP)、テトラカルシウムホスフェート(リン酸四カルシウム)(TCP)、リン酸三カルシウム等を好適に使用できる。合成アパタイトとしては、水酸アパタイト、炭酸アパタイト、ふっ化アパタイト等を好適に使用できる。
【0037】
これらのリン酸カルシウムは、多孔質で吸着性の良好なものを得やすいためである。
【0038】
なお、リン酸カルシウムのあるものは、紫外線、X線で蛍光・りん光を発し、熱ルミネセンスを示すものである。そのため、入浴剤として使用することにより、浴槽中の湯又は泡がルミネセンスを発することになり、視覚的に心身のリラックス感を高める効果の高い組成物とすることができる。
【0039】
本発明で使用可能な二酸化チタン粒子の平均粒径は、約0.5nm〜5μm、好ましくは約5nm〜2μm、より好ましくは約5nm〜0.5μmとする。これ以上粒径が大きいと浴液中でうまく分散できず、沈降してしまうため、吸着能が十分発揮されない。また、沈降してしまうと光も届きにくくなり、光触媒能を充分に発揮し難い。なお、一般に光触媒の粒径が小さいほど、光触媒の活性は増加する傾向を示す(微粒子効果)。
【0040】
なお、ジェット風呂等のように、浴液が常に攪拌状態にあり、光触媒の分散性が良好に保たれた状態であれば、二酸化チタンの粒径は、上記より大きくても有効であると推測される。
【0041】
また、二酸化チタンに対するリン酸カルシウムの結合比率は、前者/後者(質量比)=約99.999/0.001〜50/50、望ましくは、約99.9/0.1〜90/10、より好ましくは、約99/1〜95/5とする。リン酸カルシウムが過少であると、リン酸カルシウムの結合効果(雑菌吸着作用/皮膚刺激性の低減作用)を奏し難く、逆に過多であっても、当該結合効果の増大を期待できないばかりでなく、二酸化チタン上に形成されるリン酸カルシウムの膜厚が厚くなり、二酸化チタン(触媒作用成分)への光到達量が低減するおそれがある。
【0042】
上記光触媒粒体としては、特開平10−244166号に記載されているものを好適に使用できる。
【0043】
そして、入浴剤組成物中の光触媒粒体(リン酸カルシウム結合二酸化チタン)の含有率は、約1〜90%、好ましくは約2〜80%、さらに好ましくは約2〜60%とする。光触媒粒体の含有率が低すぎると、浴液における殺菌/除菌効果を奏しがたい。逆に多すぎると、湯の白濁が強くなる。また、温浴効果が現れない。
【0044】
なお、無機塩類の入浴剤組成物中の含有率は、上記光触媒粒体の含有率の略残部となる。必要に応じて、別途、各種添加剤を添加してもよい。添加剤としては、通常、入浴剤組成物に使用されている各種成分、例えば、色素類、香料、ビタミン類、生薬、植物エキス、収斂剤、消炎剤、紫外線吸収剤、殺菌剤、酵素類、油脂類、アルコール類、防腐剤、pH調整剤、色素安定化剤、香料保留剤、その他の保湿成分及び薬効成分等の添加物を用途に応じて、任意の割合で配合することが可能である。
【0045】
二酸化チタン粒子に対するリン酸カルシウムの結合(被覆)方法は、上記特開平10−244166号に開示された方法に準じて行うことができる。
【0046】
すなわち、二酸化チタン粒子(光触媒粒子本体)を擬似体液に浸漬して、表面に多孔質で被分解物質を吸着し易いリン酸カルシウム膜を生成させ被覆する。
【0047】
ここで、擬似体液の組成としては、例えば、NaCl、NaHCO3 、KCl、K2 HPO4 ・3H2 O、CaCl2 、Na2 SO4 あるいはNaFなどを、水に溶かすことで調製することができる。また、HClや(CH2 OH)3 CNH2等によりpHを7〜8、特に7.4に調製すると、リン酸カルシウムの結晶形成(通常、層状ないし膜状に形成される。)が良好となる。
【0048】
本発明に用いられる擬似体液の組成は、
Na+ 120〜160mM
+ 1〜 20mM
Ca2+ 0.5〜 50mM
Cl- 80〜200mM
HCO3 - 0.5〜 30mM
HPO4 2- 1〜 20mM
SO4 2- 0.1〜 20mM
- 0〜 5mM
が望ましい。これより濃度が薄いと、リン酸カルシウムの生成に時間がかかり、これより濃度が高いとリン酸カルシウムの生成が急激に起こって、多孔質度や膜厚の制御が難しくなる。なお、上記擬似体液は、前述の公報のごとく、Mg2+を含まないが、Mg2+を含まない方が、菌や有機物の吸着能が高いためである。
【0049】
二酸化チタン粒子を浸漬するときの擬似体液の温度は、約30〜100℃が望ましい。これより温度が低いとリン酸カルシウムの生成に時間がかかるし、これより温度が高いと擬似体液の蒸発により膜厚や多孔質度の制御ができなくなる。最も好ましくは約50〜80℃の温度である。
【0050】
二酸化チタン粒子を擬似体液に浸漬するときの時間は、1min〜18dayが好ましく、より好ましくは10min〜3hである。これより時間が短いとリン酸カルシウムの生成が不十分であり、これより時間が長いと膜厚が厚くなりすぎる。
【0051】
その後、約40〜600℃で乾燥することで、本発明の入浴剤組成物に適用可能な複合酸化チタン粒子(光触媒粒子)を得ることができる。なお、この浸漬・乾燥工程は複数回繰り返して目的の膜厚に調整することができる。
【0052】
なお、リン酸カルシウムの膜厚は、約0.5nm以上で、二酸化チタン粒子の粒径の約1〜2倍程度が望ましい。また、リン酸カルシウムの結合(付着)の態様は、二酸化チタン粒子の全面であっても部分的であっても、また、疎であっても密であってもよい。
【0053】
上記無機塩類としては、ほう酸塩、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3 )、炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )、炭酸カリウム(K2CO3 )、セスキ炭酸ナトリウム(Na2 CO3 ・NaHCO3 ・2H2 O)、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム(Na2 SiO4 )、オルトけい酸ナトリウム(Na4 SiO4 )、オルトリン酸ナトリウム(Na3 PO4 )、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム等の水溶性の塩基性塩や、その他、硫酸ナトリウム(Na2 SO4 :無水ボウショウ)、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、塩化マグネシウム(MgCl2 )、硫酸アルミニウム(Al2 (SO43 )、硫酸マグネシウム(MgSO4 )、硫酸アルミニウムカリウム(KAl(SO4 )・12H2 O:ミョウバン)、硝酸カリウム(KNO3 )、硝酸ナトリウム(NaNO3 )、塩化アンモニウム(NH4 Cl)、硫酸第一鉄(FeSO4 )等の中性・酸性無機塩等のなかから、1種又は2種以上を選択して使用することができる。
【0054】
上記のうち特に、水溶性の塩基性塩を含有して、浴液のpHを約8〜11程度に調製することが望ましい。入浴時の温泉感覚(入浴中の体を温め、かつ石けんを使わずに皮膚を清浄化する。)を楽しむことができるからである。水溶性の塩基性塩は、肌の皮脂や分泌物を乳化し、きれいに洗い流す作用がある。また、皮膚を軟化し、表面のケラチン層を落とすので、肌を清浄化し、且つ、つるつる(滑らか)にする効果もあり、入浴剤組成物の有効成分として多用されている。
【0055】
そして、上記塩基性塩は、特に、ほう酸塩とほう酸塩以外の塩基性塩とを併用することが望ましい。ほう酸塩が浴液の雑菌繁殖防止能(静菌性)を有し、光触媒の殺菌効果と相乗するのに加え、その他の塩基性塩(特に炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムが好適である)のつるつる感増大作用が付加されるためである。この場合、無機塩類全体に対してほう酸塩を例えば約20〜70%、望ましくは約30〜60%程度配合することができる。
【0056】
ここで、上記ほう酸塩としては、ほう砂(Na2 [ B45 (OH)4 ]・8H2 O))、ほう酸(H3 BO3 )、メタほう酸ナトリウム(NaBO2 )、過ほう酸ナトリウム、無水ほう砂(B23 )、等を挙げることができる。
【0057】
光触媒に対して光を照射するための光源の種類としては、ブラックライト、UVランプ、水銀灯、キセノンランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプを使用すると、二酸化チタンの光触媒能の発現が好適となる。また、蛍光灯、白熱灯も使用することができる。すなわち、通常浴室内に備えられる光源であれば、十分に対応可能である。なお、光がなくてもアパタイトの吸着による効果はあるため、入浴剤無添加の浴液よりも清澄化可能である。
【0058】
入浴剤組成物として光触媒粒体を使用する場合は、上記の如く光触媒成分を担体粒子を使用せずに、すなわち、担持させずにそのまま使用することが望ましい。担体に担持させて使用すると、粒径が大きくなり、光触媒の分散性・循環性が悪くなるとともに、相対的に下面側に光が当たりにくい。光触媒成分の有効利用率が低下する。
【0059】
ただし、担体が小さければ担持させて使用してもよい。また、ジェットバス等浴液の流動が激しく、粒径が大きくても十分に水中への分散性が確保できるものであれば担体に担持させて使用してもよい。
【0060】
なお、本発明における入浴剤組成物は、粉末剤、顆粒剤、錠剤等固形状のものを前提として説明したが、その他、光触媒粒体を分散させた液剤(液状)であっても、ゲル状であってもよい。なお、液剤の場合は、固形状の場合に比して、全量中の有効成分含量が相対的に少なく、使用時の浴液投入量は大きくなる。
【0061】
上記入浴剤組成物は、公衆浴場、ホテル、保養施設、家庭における24時間風呂、長時間利用する浴場等、比較的雑菌が繁殖しやすい浴液に適用すると効果が顕著となる。
【0062】
なお、上記入浴剤組成物を使用した浴液は、適宜、浴後のローションや掛け湯として使用したり、また、当該入浴剤組成物を洗面器に溶かして使用したりすると、殺菌に基づく、デオドラント(消臭)、さらには、各種皮膚病(水虫、カイセン、アトピー性皮膚炎)等の治癒促進効果を期待できるものである。
【0063】
また、入浴剤組成物に使用した複合酸化チタン粒子は、そのまま又は入浴剤と同様に、他の薬剤ないし媒体物と混合して、上記各種効果を目的とした薬用類組成物、すなわち、医薬部外品組成物や薬用化粧品とすることもできる。
次に本発明の水質浄化材について説明する。使用する光触媒や、リン酸カルシウムの種類等は、上記入浴剤組成物と同様であるため、同一部分ついては、説明を省略する。
【0064】
本発明の水質浄化材は、光触媒担持体を含有する水質浄化材であって、光触媒担持体が、担体に触媒作用成分として二酸化チタンを担持させるとともにリン酸カルシウムを結合させた複合酸化チタン担持体を含有し、二酸化チタンとリン酸カルシウムとの組成比が前者/後者(質量比)=99.999/0.001〜50/50、望ましくは、約99.9/0.1〜90/10、より好ましくは、約99/1〜95/5であることを特徴とするものである。
【0065】
上記範囲の限定理由は、入浴剤組成物の場合と同様である。
【0066】
上記担体に対する触媒成分である二酸化チタンの結合(担持)は、蒸着、PVD、CVD、スパッタリング、ゾルゲル法による二酸化チタンゾルのコーティング、超微粒子の二酸化チタンの固着など、いろいろな方法によって行うことができる。
【0067】
そして、担体の表面に二酸化チタン膜を被覆したものを上述の入浴剤組成物の場合に準じて擬似体液に浸漬し、複合酸化チタン担持体を調製する。
【0068】
ここで、担体の形態は、顆粒体、繊維体、網目体又はフォーム体などの構造形成体とする。
【0069】
複合酸化チタン担持粒子における担体に対する二酸化チタン/リン酸カルシウムの結合比率は、通常、前者/後者(質量比)=99.9/0.1〜50/50、好ましくは、約99/1〜40/60、より好ましくは約95/5〜30/70とする。
【0070】
二酸化チタン/リン酸カルシウムの結合比率が低すぎると、本発明の効果(汚染有機物の分解・殺菌作用)を得難く、結合比率が高すぎると、本発明の効果が飽和域に達して無駄である。
【0071】
そして、本発明の水質浄化材は、主として大衆浴場、24時間風呂、プール等の図1〜2における水質浄化循環システムにおける、ろ過機のろ過材や光触媒殺菌装置に使用する光触媒担持体として好適に使用することができる。
【0072】
図1に示す循環システムは、ろ過機を殺菌装置の前に配してもので、図2に示す循環システムは、図1においてろ過機を無くした構成である。なお、各システムにおいて、塩素注入をろ過工程の前又は浄化殺菌工程の後に行ってもよい。
【0073】
ろ過機における担体の種類は、上記ろ過材として慣用されているものなら特に限定されず、例えば、ろ過砂(けい砂)、珪藻土、セラミックス系粒子(顆粒体)及び高分子系粒子(顆粒体)等を使用可能である。
【0074】
より具体的には、下記のとおりである。
【0075】
ろ過砂の場合、通常、ろ過機内に形成される複層濾過層の上段層のろ過砂を本発明の水質浄化材で置き換える。このため、当該最上段層に使用する約0.1〜3mmのろ過砂を担体とする。最上段に本発明の水質浄化材を持ってくるのは、光を水質浄化材に当てることが容易なためである。
【0076】
なお、ろ過機をガラスのような透明材で形成すれば、中間層や下段層を形成するもっと大きな砂ないし砂利を担体とする水質浄化材を調製して、当該水質浄化材でそれらの層を形成してもよい。ろ過砂以外のろ過材を担体とする場合も同様である。
【0077】
珪藻土の場合は、通常、約5〜30μmのものを使用する。
【0078】
セラミックス系や高分子系のろ過材も当然使用可能である。それらの形態は、球体、柱体(筒体を含む)、多面体等任意であり、ソリッド(充実体)、フォーム(発泡体)を問わない。
【0079】
セラミックス系のものとしては、磁器系のものを通常使用するが、その他の酸化物系、炭化物系、窒化物、ケイ化物系、ホウ化物、硫化物系等任意である。
【0080】
高分子系のものとしては、実公昭57−22964号公報第2柱に記載されている下記構成のものを好適に使用できる。
【0081】
「高分子材料を主成分とした濾過材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメタクリレート等の高分子材料の1種又は数種を主成分とし、これに酸化チタン、酸化水酸化チタン、アルミナ、酸化アルミニウムマグネシウム、ケイ化カルシウム、炭酸カルシウム、アルミノケイ酸アルミニウム及び亜酸化ナマリの一種又は数種を付加したものである。また、その形状としては縦1〜2m/m、横1〜2m/mの円柱状のものであり、比重は1.1〜1.5が濾過材を洗浄する際の攪拌に好適である。」
なお、水質浄化循環路におけるろ過機のろ過材として使用する場合は、ろ過機内は、通常、光があたらないため、ろ過機の天井壁等にブラックライトを設けるか、又は、天井壁を開放ないし光透過性の良好な透明材で形成して濾過材(水質浄化材)に二酸化チタンが活性化する波長の光を当てる必要がある。
【0082】
なお、ろ過機内に後述の浄化殺菌装置の如く、光源を内蔵させる場合は、前記セラミックス系や高分子系のろ過材を複合酸化酸化チタン担持体とすることもできる。
【0083】
上記水質浄化材を公衆浴場等の水質浄化循環路(水質浄化循環システム)におけるろ過機のろ過材として使用するに際して、本発明の入浴剤組成物を浴液に投入して併用すれば、本発明の効果は相乗してさらに顕著になることが期待できる。当然、後述の光触媒殺菌装置と組み合わせても同様の効果が期待できる。
【0084】
本発明における光触媒浄化殺菌装置10の概念図の一例を図3に示す。筒状の装置本体12内の中央部にUVランプ(光源)14が配設(内蔵)され、その周囲、即ち、ランプに対向して光触媒担持体からなる水質浄化材16が充填されている。なお、UVランプ14は、通常、破損防止等の見地から、透明保護カバー15を備えたものを使用する。ここで透明保護カバーは、例えば、無機ガラス(例えば石英ガラス)や有機ガラス(例えばアクリル系樹脂)で形成したものを使用する。
【0085】
上記光触媒浄化殺菌装置における光触媒担持体(水質浄化材16)における担体は、上記ろ過材でも使用可能であるが、光透過可能なフォームセラミック、シリカゲル、ガラスビーズ、ガラスカレット、ガラス繊維等を光透過性を確保し易いものが望ましい。形態的には、顆粒体、繊維体、網目体(塊状、ブロック状、平面状、フォーム状)などの構造形成体とすることが望ましい。これらの形態にすることにより、光透過性及び通過水量を確保し易い。なお、形態として、光透過可能な隙間を有する繊維体を又は網目体を使用する場合は、材質は光透過性の有無を問わず、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、飽和ポリエステル(PBT、PET)、ポリアミド、ポリアセタール、フッ素樹脂等の極性熱可塑性樹脂/繊維、また、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン等の非極性熱可塑性樹脂/繊維等、さらには、不飽和ポリエステル、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂等任意である。
【0086】
なお、光源としては、UVランプに限られることなく、前述のブラックライト、水銀灯、キセノンランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプさらには蛍光灯であってもよい。また、光源の配設部位も中心部とは限らず、周囲に複数本、上下に複数本等任意である.当然、処理水(循環水・温水)に対する接触効率の見地から、温水入口18を下側、温水出口20を上側としたが、上下逆ないし、入口と出口が水平等任意である.さらには、U字形流路を形成するように天井側又は底部側のみに一対の温水入口・出口を形成してもよい。
【0087】
なお、図1において、本発明の水質浄化材は、ろ過機及び浄化殺菌装置の一方のみに使用した構成であっても勿論よい。ろ過機及び浄化殺菌装置の他方を本発明の水質浄化材を使用しない汎用のものを使用してもよい。
【0088】
なお、前記入浴剤組成物を投入して使用する浴液の水質循環路において、光触媒粒体を活性化させる光照射器を配した浴液循環システムとすることが望ましい(図4参照)。積極的に光触媒粒体の活性化をより促進することができるためである。すなわち、浴場における光照射が弱くても、入浴剤組成物中の光触媒粒体が細菌や汚れを付着した状態で循環するに際して、光を配置した装置内を通過するとき、光触媒粒体の光触媒活性が増大して、効果的に殺菌及び有機物分解の作用を奏する。なお、光触媒粒体はろ過機を通過する際、ナノレベルの微粒子であり、ろ過機内のろ体に捕獲されることはない。
【0089】
この場合使用する光照射器としては、例えば、図3に示す光触媒浄化殺菌装置10において、水質浄化材16を充填しないもの10Aを使用可能である(図5参照)。
【0090】
【発明の効果】
本発明の入浴剤組成物は、光を照射するだけで、低コスト・省エネルギー的でかつメンテナンスフリーで有効に殺菌・悪臭等の除去が可能である。また、有機物等の分解も可能であって、従来の抗菌剤以上の清澄効果を期待できる。
【0091】
また、本発明の水質浄化材は、水質浄化循環システムにおけるろ過機のろ過材さらには光触媒浄化殺菌装置における光触媒担持体として使用することにより、循環水中の汚染有機物の分解・殺菌を連続的に行うことができ、浴液のクリーン性の維持が容易となる。公衆浴場、プール等に適用した場合は、消毒剤(塩素化合物)の使用を低減できる効果も奏する。
【0092】
特に、光源が内蔵され、該光源に対向して光触媒担持体が充填された光触媒浄化殺菌装置を備えた水質浄化循環システムにおいて、光触媒担持体として本発明の水質浄化材を使用した場合は、光源と水質浄化材とを近接させることができるとともに光源の種類を雰囲気等を考慮せずに任意に選択でき、所要の殺菌能を容易に得ることができる。
【0093】
なお、本発明の発明性に影響を与えないが、光源が内蔵され、該光源に対向して光触媒担持体が充填された水質浄化循環システムに使用される光触媒浄化殺菌装置が、特開2000−217891に開示されている。
【0094】
【実施例】
<入浴剤組成物>
まず、擬似体液として、NaCl、NaHCO3 、KCl、K2 HPO4 ・3H2 O、CaCl2 、Na2 SO4 、HCl、(CH2 OH)3 CNH2 を用いて、Na+ 147mM、K+ 5mM、Ca2+7.5mM、Cl- 147mM、HCO3 4.2mM、HPO4 2- 15.0mM、SO4 2- 0.5mM組成で、pH7.4の水溶液を調製し、その中に平均粒径約0.5μmの二酸化チタンを入れ、60℃で1日間放置し、複合酸化チタン粒子(二酸化チタン/リン酸カルシウム≒98/2)からなる光触媒粒体を調製した。
【0095】
次に、上記光触媒粒体と表1に記載の他の各入浴剤成分を均一混合することにより各実施例・比較例の入浴剤組成物を得た。
【0096】
殺菌効果試験
▲1▼大腸菌(Escherichia coli, IAM1239) 菌液(菌数3×102 個)と入浴剤溶液(終濃度0.01%)を混和し、光源の下で3h放置し、大腸菌用寒天培地に1mLを接種し、35℃で24h培養後、菌数を確認した。
【0097】
▲2▼レジオネラ菌 (Legionella pneumophila) 菌液(菌数3×102 個)と入浴剤溶液(終濃度0.01%)を混和し、光源の下で3h放置し、「新版レジオネラ症防止指針(1999) 」中のレジオネラ属菌培養法により菌数を確認した。
【0098】
Figure 0003950341
浴槽水の清澄効果<過マンガン酸カリウム消費量>
大人4人が家庭浴槽(200L)に連続で入浴し、一晩放置した湯を採取し、上記各入浴剤組成物を0.01%の割合となるように入れ、光源の下で3h放置し、「日本薬学会編衛生試験法・注解1990」中の環境試験法/水質試験法/過マンガン酸カリウム消費量により求めた。
【0099】
Figure 0003950341
【0100】
【表1】
Figure 0003950341
【0101】
<水質浄化材>
チタンテトライソプロポキシドにエタノールとN−エチルジエタノールアミンとを添加して透明なゾル液を調製し、滴下法により平均粒径2mmのろ過砂の表面に酸化チタン膜を結合(付着)させた。すなわち、80℃に加熱した10%の硝酸水溶液で処理した平均粒径2mmの砂(けい砂)の表面に、上記ゾル液を少量滴下し、余分な液を落として乾燥した後、300℃の温度で加熱焼成した。これを5回繰り返すことにより、砂の表面が二酸化チタンで被覆された基材(二酸化チタン結合砂)を調製した。
【0102】
一方、擬似体液として、NaCl、NaHCO3 、KCl、K2 HPO4 ・3H2 O、CaCl2 、Na2 SO4 、HCl、(CH2 OH)3 CNH2を用いて、Na+ :147mM、K+ :5mM、Ca2+:7.5mM、Cl-: 147mM、HCO3 -:4.2mM、HPO4 2-: 5.0mM、SO4 2 : 0.5mM組成で、pH7.4の水溶液を調製し、その中に上記基材を入れ、50℃で3日間放置して、複合酸化チタン担持粒子を調製した。
【0103】
このときの二酸化チタン/リン酸カルシウム≒98/2、担体(けい砂)/(二酸化チタン/リン酸カルシウム)≒90/10である。
【0104】
殺菌効果試験
▲1▼大腸菌(Escherichia coli, IAM1239) 菌液(菌数3×102 個)と上記水質浄化材の分散液(終濃度0.1%)を混和し、光源(15Wブラックライト)の下で3h放置した後、大腸菌用寒天培地に1mLを接種し、35℃で24h培養後、菌数を確認した。
【0105】
▲2▼レジオネラ菌 (Legionella pneumophila) 菌液(菌数3×102 個)と水質浄化材分散液(終濃度0.1%)を混和し、光源(15Wブラックライト)の下で3h放置し、「新版レジオネラ症防止指針(1999) 」中のレジオネラ属菌培養法により菌数を確認した。判定基準は上記入浴剤組成物に用いたものと同様とする。
【0106】
浴槽水の清澄効果<過マンガン酸カリウム消費量>
大人4名が家庭浴槽(200L)に連続で入浴し、一晩放置した湯を採取し、水質浄化材を0.1%の割合となるように入れ、ブラックライト(15W)を照射しながら3h放置し、「日本薬学会編衛生試験法・注解1990」中の環境試験法/水質試験法/過マンガン酸カリウム消費量により求めた。判定基準は、上記入浴剤組成物に用いたものと同様とする。
【0107】
その結果、未処理の砂(比較例)は、殺菌効果:大腸菌:−、レジオネラ菌:−、清澄効果:−であったのに対し、複合酸化チタン担持砂(実施例)は、殺菌効果:大腸菌:+++、レジオネラ菌:+++、清澄効果:+++と、ともに著しく良好な結果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水質浄化材を使用するろ過機及び/又は浄化殺菌装置を組み込んだ水質浄化循環システムの一例を示す流れ図である。
【図2】図1においてろ過機を廃した水質浄化循環システムの他の一例を示す流れ図である。
【図3】本発明に使用する浄化殺菌装置の概略モデル断面図である。
【図4】入浴剤組成物を投入して使用する場合の浴液循環システムの一例を示す流図である。
【図5】図4において使用する光照射器の概略モデル断面図である。
【符号の説明】
10 光触媒殺菌装置
10A 光照射器
14 光源(UVランプ)
16 水質浄化材(光触媒担持体)

Claims (10)

  1. 無機塩類とともに光触媒粒体を必須成分として含有する入浴剤組成物であって、前記光触媒粒体が、触媒作用成分である二酸化チタンの粒子に多孔質リン酸カルシウムを結合(担持)させた複合酸化チタン粒子を含有するものである入浴剤組成物であって、
    前記複合酸化チタン粒子が、下記組成のMg 2+ 非含有の擬似体液に、平均粒径0.5nm〜5μmの二酸化チタン粒子を浸漬して調製されたものであることを特徴とする入浴剤組成物。
    Na + 120〜160mM
    + 1〜 20mM
    Ca 2+ 0.5〜 50mM
    Cl - 80〜200mM
    HCO 3 - 0.5〜 30mM
    HPO 4 2- 1〜 20mM
    SO 4 2- 0.1〜 20mM
    - 0〜5mM
  2. 前記複合酸化チタン粒子の含有率が2〜60質量%であることを特徴とする請求項1記載の入浴剤組成物。
  3. 前記二酸化チタンと多孔質リン酸カルシウムとの組成比が前者/後者(質量比)=99.999/0.001〜50/50であることを特徴とする請求項1記載の入浴剤組成物。
  4. 前記多孔質リン酸カルシウムが、合成アパタイト又はオクタカルシウムホスフェート(OCP)、テトラカルシウムホスフェート(TCP)のうちから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1記載の入浴剤組成物。
  5. 前記合成アパタイトが、水酸アパタイト、炭酸アパタイト、又はふっ化アパタイトであることを特徴とする請求項4記載の入浴剤組成物。
  6. 前記二酸化チタンの結晶系がアナターゼ型であることを特徴とする請求項1記載の入浴剤組成物。
  7. 前記無機塩類が水溶性の塩基性塩であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の入浴剤組成物。
  8. 前記塩基性塩として、ほう酸塩を含有することを特徴とする請求項7記載の入浴剤組成物。
  9. 前記ほう酸塩がほう砂であることを特徴とする請求項8記載の入浴剤組成物。
  10. 請求項1〜9いずれかの入浴剤組成物を投入して使用する浴液の水質循環路において、前記光触媒粒体を活性化させる光照射器を配することを特徴とする浴液循環システム。
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