JP3949805B2 - 糸付着防止部材及びその収納ケース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、竿体の周面に釣糸がべたつくのを抑える部材、及びこれを収納する収納ケースに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の釣竿には、竿体の周面に螺旋状の凸部を設けたものがある。これは、竿体の周面に水が付着した場合に釣糸が竿体の周面にべたつかないように、竿体周面と釣糸との間に隙間を設けるように処理を施したものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように竿体の周面に凸部を設けるには、別途製造工程が必要となり、コストの上昇や製造工程の複雑化を招く。また、竿体周面に凸部を設けると、平滑的に外観の美しさが演出できず、意匠性に乏しい。
【0004】
さらに、竿体周面の凸部は、例えば、降雨時や波しぶきをかぶるような場所で釣りを行う場合など、竿体の周面に水が付着する環境において釣りを行う場合に必要とされるものであり、それ以外の環境で釣りを行う場合は、特に必要とされないものである。つまり、常時竿体周面に設けておく必要も乏しいといえる。
【0005】
本発明の課題は、必要に応じて竿体に装着でき、釣糸が竿体にべた付くのを防止する糸付着防止部材及びその収納ケースを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明1にかかる糸付着防止部材は、釣竿の周面に着脱可能に取り付けられ、軸方向に形成されたスリットを有し、弾性を有するリング状の糸付着防止部材である。
【0007】
この場合は、例えば、降雨時のように釣糸が竿体周面にべた付く恐れがある場合、この糸付着防止部材を釣竿のラインガイドとラインガイドとの間に取り付けて、竿体周面に凸部を形成する。この凸部が平滑な竿体周面と釣糸との間に隙間を形成して釣糸のべた付きを抑える。この結果、必要に応じて釣糸のベタツキを有効に防止できる。
【0008】
また、竿体の周面自体は平滑な状態であり、竿体周面に様々なデザインを施すこともでき意匠性も向上する。さらに、様々な色,模様を伏した糸付着防止部材を取り付ければ、ユーザの好みに合わせて釣竿のデザインを演出できる。
【0009】
発明2にかかる収納ケースは、リング状の糸付着防止部材を収納する収納ケースであって、糸付着防止部材を嵌入し収納可能な嵌入部を有する本体部材と、嵌入部を収納可能な中空部を有するカバー部材とを備えている。そして、嵌入部は糸付着防止部材を嵌入可能な嵌入溝を複数有し、複数の嵌入溝は、順次径の大きいリング状の糸付着防止部材を収納可能なように、溝幅が大きくなるように形成されている。
【0010】
この場合には、釣竿に糸付着防止部材を取り付けておく必要がない場合、糸付着防止部材を嵌入部に嵌入して収納する。この結果、釣竿から取り外した糸付着防止部材を紛失するのを防止できる。また、カバー部材が本体部材に収納された糸付着防止部材が汚れてしまうのを防止する。さらに、嵌入部に設けられた複数の嵌入溝に、様々な大きさの径を有する糸付着防止部材を嵌入し収納することができる。穂先に向かってテーパー状に形成された釣竿には、様々な径を有する糸付着防止部材が必要とされる場合があるが、この場合にも、様々な糸付着防止部材を収納できる。
【0011】
発明3にかかる収納ケースは、発明2の収納ケースであって、本体部材は嵌入部に連続して設けられた装着部をさらに有し、カバー部材は装着部に着脱可能に装着される。
【0012】
この場合には、カバー部材を本体部材の装着部に装着して、本体部材に着脱自在に装着する。この結果、カバー部材を紛失することがない。また、取り扱いが容易になる。
【0013】
発明4にかかる収納ケースは、発明3の収納ケースであって、装着部は雄ネジ部を有し、カバー部材は開口側端部内周に装着部に螺合可能な雌ネジ部を有している。
【0014】
この場合には、カバー部材を装着部の雄ネジ部に螺号して、カバー部材を本体部材に着脱可能に取り付ける。
【0015】
発明5にかかる収納ケースは、リング状の糸付着防止部材を収納する収納ケースであって、本体部材とカバー部材とを備えている。本体部材は、糸付着防止部材を嵌入し収納可能な嵌入部と、嵌入部に連続して設けられ雄ネジ部を有する装着部とを有する。カバー部材は、嵌入部を収納可能な中空部を有し、開口側端部内周に装着部に螺合可能な雌ネジ部を有し装着部に着脱可能に装着される。
【0016】
この場合には、釣竿に糸付着防止部材を取り付けておく必要がない場合、糸付着防止部材を嵌入部に嵌入して収納する。この結果、釣竿から取り外した糸付着防止部材を紛失するのを防止できる。また、カバー部材が本体部材に収納された糸付着防止部材が汚れてしまうのを防止する。さらに、カバー部材を装着部の雄ネジ部に螺号して、カバー部材を本体部材に着脱可能に取り付ける。この結果、カバー部材を紛失することがない。また、取り扱いが容易になる。
【0017】
発明6にかかる収納ケースは、発明2〜5のいずれかの収納ケースであって、カバー部材は紐部材を係止可能な係止部を頭部に有している。
【0018】
この場合には、係止部に紐部材を係止して、例えば、ユーザが自分の首に紐部材をかけてこの収納ケースを持ち運ぶ。この結果、両手を同時に使う必要がある釣りを行う場合でも、収納ケースを容易に持ち運ぶことができる。
【0019】
なお、ここで用いる紐部材としては、周知のピンオンリール等を用いてもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0021】
本発明の第1実施形態を採用した糸付着防止部材10は、図1に示すように、ポリカーボネート等の合成樹脂からなり弾性を有するリング状の部材である。そして、軸方向にスリット10aが形成されている。また、本発明の第1実施形態を採用した収納ケース1は、図1及び図2に示すように、本体部材2と、釣鐘状のカバー部材3とを有している。
【0022】
本体部材2は、円筒を軸方向に半割りした形状の嵌入部21と、嵌入部21の端部に嵌入部21と一体成形された円盤状の装着部22と、装着部22より大径に装着部22に連続して形成されたツマミ部23とを有している。
【0023】
この嵌入部21は、糸付着防止部材10が嵌入可能なように、糸付着防止部材10の外径に合わせて形成されている。また、糸付着防止部材10の軸方向の幅に合致するように、複数の嵌入溝21aが形成されている。ここで形成される嵌入溝21aの数は、特に限定されるものではなく、任意の数の嵌入溝21aを形成できる。装着部22は、嵌入部21の周径とほぼ同じ径またはそれより大きい径を有する円盤状である。そして、側周面にネジ山が形成されて雄ネジ部になっている。ツマミ部23は、装着部22より大径に形成された円盤状に形成されており、側周面には滑り止め用の凸部が複数形成されている。そして、この装着部22とツマミ部23との間に形成される段差が、後に詳しく説明するように、カバー部材3を係止する係止段となっている。
【0024】
カバー部材3は、内部に中空部を有する釣鐘状の収納部31と、収納部31の頭部側端部に形成された係止部32とを有している。収納部31は、本体部材2の嵌入部21を開口側から中空部内に収納可能なように形成されている。そして、収納部31の開口側端部内周面は、本体部材2の装着部22と螺合可能なようにネジ山31aが形成されている。
このように構成された糸付着防止部材10は、図3に示すように、降雨時等、釣糸Lのベタツキを防止する必要がある際には、釣竿のガイドリング101とガイドリング101との間の竿体100の周面に、スリット10aから差し込んで固定する。この糸付着防止部材10は、竿体の周面に凸部を形成して釣糸Lと竿体100との間に隙間を設けて、釣糸のベタツキを防止する。
【0025】
一方、晴天時等、釣糸のベタツキを考慮する必要がない場合には、糸付着防止部材100は釣竿から取り外しておく。取り外した糸付着防止部材10は収納ケース1に収納する。具体的には、図1の2点鎖線に示すように、本体部2の嵌入溝21aに糸付着防止部材10嵌入して収納する。収納後、嵌入部21をカバー部材3の収納部31内に挿入し、ネジ山31aを装着部22に螺号して固定する。
【0026】
以上のように、本発明の第1実施形態を採用した糸付着防止部材10によれば、必要に応じて釣竿に装着することによって釣糸が竿体にべた付くのを有効に防止できる。また、この収納ケース1によれば、釣竿から取り外した糸付着防止部材10を、容易に収納でき、糸付着防止部材10を紛失するのを防止できる。
【0027】
なお、必要に応じて、係止部32に紐部材を係止し、首等から収納ケース1をぶら下げておくこともでき、収納ケース1自体の紛失も防止できる。
【0028】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0029】
本発明の第2実施形態を採用した糸付着防止部材40は、図4に示すように、ポリカーボネート等の合成樹脂からなり弾性を有するリング状の部材である。そして、軸方向にスリット40aが形成されている。このスリット40aを形成する糸付着防止部材40の両端部は、それぞれハの字型に広がって形成されている。
【0030】
また、本発明の第2実施形態を採用した収納ケースの本体部材2の嵌入部51は、順次径の大きいリング状の糸付着防止部材40を収納可能なように、順次溝幅Xが大きく形成された複数の嵌入溝51aを有している。
【0031】
なお、その他の構成は第1実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0032】
このように構成された糸付着防止部材40は、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。また、スリット40aがハの字型に形成されているので、釣竿の竿体周面への取り付けが容易になる。さらに、この収納ケースの嵌入溝51aは順次溝幅Xが大きくなるように形成されているので、様々な径を有する糸付着防止部材を収納できる。
【0033】
[他の実施形態]
(a)釣糸付着防止部材は、外通し竿のガイドリング間に任意の数取り付けるほか、中通し竿のリールと釣糸導入孔との間に取り付けてもよい。
【0034】
(b)カバー部材を透明な素材で形成してもよい。透明な素材でカバー部材を製造することにより、カバー部材内に本体部材を挿入した際、本体部材に嵌入された糸付着防止部材を目視できる。
【0035】
(c)本体部材及びカバー部材は、それぞれ円筒形,釣鐘型に限定されるものではない。例えば、四角柱や六角柱状に形成してもよい。六角柱に形成すれば、テーブル等に置いた場合に、収納ケースが自転して転がり落ちるのを防止できる。
【0036】
(d)紐部材として、ピリオンリールを用いてもよい。
【0037】
【発明の効果】
本発明にかかる糸付着防止部材によれば、必要に応じて竿体に装着でき、釣糸が竿体にべた付くのを有効に防止することができる。また、この収納ケースによれば、不要時に取り外した糸付着防止部材を容易に収納でき、糸付着防止部材の紛失を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態を採用した糸付着防止部材とその収納ケースを示した斜視図。
【図2】 図1の収納ケースの上面図。
【図3】 本発明の第1実施形態にかかる糸付着防止リングを釣竿に取り付けた場合を示す図。
【図4】 本発明の第2実施形態を採用した糸付着防止部材を示す図。
【図5】 本発明の第2実施形態を採用した収納ケースの本体部材の上面図。
【符号の説明】
10,40 糸付着防止部材
1 収納ケース
2 本体部材
3 カバー部材
21,51 嵌入部
Claims (6)
- 釣竿の周面に着脱可能に取り付けられ、軸方向に形成されたスリットを有し、弾性を有するリング状の糸付着防止部材。
- リング状の糸付着防止部材を収納する収納ケースであって、
糸付着防止部材を嵌入し収納可能な嵌入部を有する本体部材と、
前記嵌入部を収納可能な中空部を有するカバー部材と
を備え、
前記嵌入部は糸付着防止部材を嵌入可能な嵌入溝を複数有し、
前記複数の嵌入溝は、順次径の大きいリング状の糸付着防止部材を収納可能なように、溝幅が大きくなるように形成されている、
収納ケース。 - 前記本体部材は前記嵌入部に連続して設けられた装着部をさらに有し、
前記カバー部材は前記装着部に着脱可能に装着される、請求項2に記載の収納ケース。 - 前記装着部は雄ネジ部を有し、前記カバー部材は開口側端部内周に前記装着部に螺合可能な雌ネジ部を有している、請求項3に記載の収納ケース。
- リング状の糸付着防止部材を収納する収納ケースであって、
糸付着防止部材を嵌入し収納可能な嵌入部と、前記嵌入部に連続して設けられ雄ネジ部を有する装着部とを有する本体部材と、
前記嵌入部を収納可能な中空部を有し、開口側端部内周に前記装着部に螺合可能な雌ネジ部を有し前記装着部に着脱可能に装着されるカバー部材と、
を備える収納ケース。 - 前記カバー部材は紐部材を係止可能な係止部を頭部に有している、請求項2〜5のいずれかに記載の収納ケース。
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---|---|---|---|
JP01413998A JP3949805B2 (ja) | 1998-01-27 | 1998-01-27 | 糸付着防止部材及びその収納ケース |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11206280A JPH11206280A (ja) | 1999-08-03 |
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Family Applications (1)
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JP01413998A Expired - Fee Related JP3949805B2 (ja) | 1998-01-27 | 1998-01-27 | 糸付着防止部材及びその収納ケース |
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JP (1) | JP3949805B2 (ja) |
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