JP3949524B2 - 屋根下葺き材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、屋根材等のリサイクルを容易にする屋根下葺き材に関し、詳しくは、年月が経過しても屋根材等に癒着することのない屋根下葺き材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、屋根材と屋根下地材との間に介装される屋根下葺き材として使用されている材料には、厚手の紙に瀝青物質を含浸させ、更に瀝青物質を塗布して得られるアスファルトフェルトあるいはアスファルトルーフィング等のいわゆるアスファルト系ルーフィング材が知られている。 この他の材料として、合成樹脂または合成ゴム・エラストマー、合成繊維不織布・織布単体または組み合わせにより構成される材料もあるが、「釘穴シール性」、「寸法安定性」、「引張強度」、「耐久性とコストのバランス」等、屋根下葺き材に要求される性能において前記アスファルト系ルーフィング材が優れており、一般的に使用されている。
【0003】
アスファルト系ルーフィング材に用いられている瀝青物質(アスファルトコンパウンド)は、通常使用の環境温度である摂氏0〜70度(改質アスファルトに合成樹脂またはゴム・エラストマーをブレンドしたものでは摂氏−20〜70度)の範囲で、ある程度の流動性を有している。 このため、下葺き材、屋根材等固定するに際して、タッカー、釘等の使用による欠損部が生じても、前記流動性によるいわゆる「自己治癒性」が発現されて欠損部は修復され、高い防水性能が維持できる。 これが、アスファルト系ルーフィング材が、多く利用されている所以である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のアスファルト系ルーフィング材の特長である流動性は、他方では次のような問題の要因ともなっている。
すなわち、環境保全の見地から、近年、屋根材のリサイクル必要性が高まりつつあり、特に化粧平板スレート瓦では回収した古材を粉砕し原料の一部として再使用しやすい。 このため、化粧平板スレート瓦メーカーを中心にリサイクルシステムの構築がなされつつある。 ところが、このリサイクルの思わぬ隘路となっているのが、アスファルト系ルーフィング材の特長である流動性である。この流動性のため、下葺き材としてのアスファルト系ルーフィング材のアスファルトが経年の太陽熱により溶出して化粧平板スレート瓦に付着し、下葺き材と化粧平板スレート瓦とが一体化してしまい両者の分別は極めて困難であり、上記リサクルシステムの原料として使用できない。
【0005】
また、住宅等の解体時に発生する各材料を分別して再利用しようとする気運は屋根材に限らず、壁部や屋根部における下地材にも及んでいるが、この場合にも下地材と下葺き材としてのアスファルト系ルーフィング材との間には、前述の流動性による問題が発生しており、下地材の適正な再使用を困難にしているのが現状である。
【0006】
一方、従来のアスファルト系ルーフィング材は前述した流動性を有することに伴い、施工時に格別の対策が必要とされている。 すなわち、施工時に作業者の靴裏面に付着したアスファルトコンパウンドが、屋根材の施工に際して、屋根材表面への付着防止、いわゆる防汚性が必要である。 さらに、施工時における滑落防止対策、いわゆる防滑性も欠かせない。
【0007】
アスファルト系ルーフィングに防汚性、防滑性を付与する方策として、従来、鉱物性粉粒の撒着や不織布・織布、フィルム等の面材の貼着等がなされている。 アスファルト系ルーフィング材表面への鉱物性粉粒の撒着は、防汚性、防滑性の効果に優れているが、年月の経過とともにアスファルトコンパウンドの流動性を抑制できず、屋根材と下葺き材としてのアスファルト系ルーフィング材とが接触部分で溶着して一体化してしまう不都合がある。
他方、不織布・織布、フィルム等の面材の貼着は、防汚性に優れるが、防滑性には問題が多く、特に降雨時、朝露発生時等、表面が湿潤性をおびた場合防滑性能は極めて低下する。また、面材の材質によっては年月の経過とともにアスファルトコンパウンドの滲出により屋根材と付着一体化してしまうという不都合がある。 面材における防滑性向上を図るため、面材にアスファルトコンパウンドを含浸させたり、塗料塗布による滑り抵抗を高める試みもなされているが満足すべき結果を得られていない。 そこで、発泡樹脂塗料による表面処理を施したものも提供されているが、コストが高く、防滑性自体も安定的な性能を得られていないのが現状である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、屋根材と屋根下地材との間に介装される屋根下葺き材を、アスファルトコンパウンドによる芯層部と、この芯層部の両表面の少なくとも一方表面に形成されて屋根材および屋根下地材との癒着防止機能および施工作業時の汚染防止機能を具えた多機能層と、他方表面に形成され前記両材との癒着を防止する癒着防止機能層とからなり、前記多機能層および癒着防止機能層はアスファウルト類とゴム成分の所定の配合率からなる改質アスファルトコンパウンドにより構成し、前記配合率はアスファルト類30〜95重量%、ゴム成分5〜70重量%の範囲に設定することにより、上記従来の課題を解決しようとするものである。
【0009】
上記構成において、多機能層の表面には滑落防止機能を付与するための鉱物質粉粒層を形成することがある。
【0010】
また、上記構成において、芯層部を配合率アスファルト類30〜95重量%、ゴム成分5〜70重量%の範囲に設定してなる改質アスファルトコンパウンドにより形成し、多機能層ならびに癒着防止機能層を芯層部と一体に形成することがある。
【0011】
さらに、上記構成において、屋根材および屋根下地材との癒着防止機能、施工作業時の汚染防止機能ならびに滑落防止機能を具えた多機能層は、芯層部に貼設され瀝青物質(アスファルトコンパウンド)の滲出を防止するシート材とこのシート材の表面に形成される防滑手段とからなり、癒着防止機能層は芯層部に貼設され瀝青物質の滲出を防止する前記シート材から構成することがある。
【0012】
さらにまた、上記構成において、防滑手段はシート材の表面に形成した凹凸部で構成することがある。
【0013】
そして、上記構成において、凹凸部はシート材の表面に撒着形成した鉱物質粉粒層で構成することがある。
【0014】
【発明の実施形態】
以下、本願発明の実施形態を説明する。
図1は、本願発明の第1実施形態に係る屋根下葺き材の断面図である。
図において、11は屋根下葺き材である。シ−ト状に形成されたこの屋根下葺き材11は、有機天然繊維を主原料とする原紙または不織布等の基材13にアスファルト14を含浸積層させてなる芯層部12と、この芯層部12の両面にそれぞれ形成された多機能層15および癒着防止機能層16からなっている。
ここで、多機能層15の上面には化粧平板スレート瓦が周知の固定手段で取り付けられ、癒着防止機能層16の面は屋根下地材と接合することになる。
【0015】
芯層部12の両表面の少なくとも一方表面に形成される多機能層15は、屋根材および屋根下地材との癒着防止機能および施工作業時の汚染防止機能を具えている。 多機能層15は、アスファルト類とゴム成分につき所定の配合率を有する改質アスファルトコンパウンドで形成され、これにより前記癒着防止機能および施工作業時の汚染防止機能を具えることになる。 すなわち、前記改質アスファルトコンパウンドにおいて、前記配合率はアスファルト類30〜95重量%、ゴム成分5〜70重量%の範囲に設定さされる。このことにより、汚染防止、癒着防止等の機能が付与されることになる。なお、前記配合率は、アスファルト類60〜70重量%、ゴム類30〜40重量%の範囲に設定すると前記必要機能の発現により好ましい結果が得られる。
【0016】
前記構成になる多機能層15の表面には、施工作業時の滑落防止機能を付与するために、鉱物質粉粒を撒着して鉱物質粉粒層を形成する。これにより、表面の滑り抵抗が大きくなり、施工時における滑落を防止できるから作業者は施工作業に専心できるから作業効率も向上する。 なお、多機能層15を前記所定の配合率のアスファルトコンパウンドで形成することによりその表面は汚染防止機能を具えているが、鉱物質粉粒層を積層することにより汚染防止機能は更に強化される。
【0017】
前記第1実施形態では、芯層部12におけるアスファルトは従来の組成になるものを使用し、この芯層部12を挟持する多機能層15および癒着防止機能層16を前記所定配合率になるアスファルトコンパウンドで形成しているが、第2実施形態では、芯層部12を前記所定配合率になるアスファルトコンパウンドで形成し、この芯層部12の表裏両面を多機能層15および癒着防止機能層16としている。 換言すれば、芯層部12、これを挟持する多機能層15および癒着防止機能層16を前記所定配合率になるアスファルトコンパウンドで形成してこれらは一体化されていることになる。多機能層15表面に鉱物質粉粒層をさらに積層することにより汚染防止機能を強化してもよい。
【0018】
図2は、本願発明の第3実施形態に係る屋根下葺き材の断面図である。
この実施形態では、芯層部12におけるアスファルトは従来の組成になるものを使用し、この芯層部12を挟持する多機能層25および癒着防止機能層26を20g/m2 以上好ましくは40g/m2 以上の紙、合成樹脂フィルム、合成繊維不織布等の面材で形成して、アスファルトの滲出を防止し、屋根材あるいは屋根下地材と下葺き材との癒着を防止する。
多機能層25の表面には、防滑手段として凹凸部が形成してある。この凹凸部は、合成ゴム、合成樹脂の発泡処理や鉱物質粉粒の撒着により形成されるが、従来の実績、コスト等の見地から鉱物質粉粒の撒着が好ましい。
また、他の防滑手段として、柔軟性を有する合成ゴム、合成樹脂等を多機能層25の表面に塗布しても良いが、乾燥時と湿潤時では感覚的な差が生じることがあり、実際上は滑落を防止できるが作業者には若干の不安定感を与えることがある。
【0019】
【発明の効果】
本願発明にあっては、屋根材と屋根下地材との間に介装される屋根下葺き材を、アスファルトコンパウンドによる芯層部と、この芯層部の両表面の少なくとも一方表面に形成されて屋根材および屋根下地材との癒着防止機能および施工作業時の汚染防止機能を具えた多機能層と、他方表面に形成され前記両材との癒着を防止する癒着防止機能層とを具えて構成したので、屋根材および屋根下地材と長期間接合状態にあってもこれらに対して癒着しないから、既存資材のリサイクルが容易になり、しかも施工作業時における屋根下葺き材表面の汚染を防止できかつ作業の安全性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態に係る屋根下葺き材の断面図である。
【図2】 第3実施形態に係る屋根下葺き材の断面図である。
【符号の説明】
11......屋根下葺き材
12......芯層部
13......基材
14......アスファルト層(鉱物質粉粒撒着面)
15,25...多機能層
16,26...癒着防止機能層
Claims (3)
- 屋根材と屋根下地材との間に介装される屋根下葺き材であって、アスファルトコンパウンドによる芯層部と、この芯層部の両表面の少なくとも一方表面に形成されて屋根材および屋根下地材との癒着防止機能および施工作業時の汚染防止機能を具えた多機能層と、他方表面に形成され前記両材との癒着を防止する癒着防止機能層とからなり、前記多機能層および癒着防止機能層はアスファウルト類とゴム成分の所定の配合率からなる改質アスファルトコンパウンドにより構成し、前記配合率はアスファルト類30〜95重量%、ゴム成分5〜70重量%の範囲に設定したことを特徴とする屋根下葺き材。
- 請求項1において、多機能層の表面には滑落防止機能を付与するための鉱物質粉粒層を形成したことを特徴とする屋根下葺き材。
- 請求項2において、芯層部を配合率アスファルト類30〜95重量%、ゴム成分5〜70重量%の範囲に設定してなる改質アスファルトコンパウンドにより形成し、多機能層ならびに癒着防止機能層を芯層部と一体に形成したことを特徴とする屋根下葺き材。
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