JP3948861B2 - 煙突への枝管接続方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は製鉄所におけるコークス炉等の煙突に枝管を接続する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
製鉄所におけるコークス炉等の炉内で発生した高温ガスは、管路を通じて煙突から排出されているが、近年、この排ガスを暖房や給湯等の加熱用として有効利用を行うために、煙突から枝管を通じて取り込むことが行われている。一方、新設の炉を築造した場合、この新設炉からの排ガス用煙突として上記既設炉の煙突を利用するために、該新設炉と煙突とを枝管を介して連結、連通させ、両炉からの排ガスを一つの煙突内で合流させて排出することが行われている。
【0003】
上記炉がコークス炉の場合には、煙突内で約160 ℃の高温排ガスが外気との圧力差によって熱風となって上昇する、所謂、ドラフトが発生していて煙突内は常に負圧状態にある。そして、煙突はこの高温度に耐えるために耐火レンガ造りの内壁と強度部材としての役目を果たす鉄筋コンクリート製の外壁との二重筒構造になっており、鉄筋コンクリート製外壁は耐熱性が低くて約80℃の温度でもって常時加熱されていると将来的に破壊を招く可能性が高いため、上記内壁と外壁との間には断熱のための空気層が設けられている。
【0004】
さらに、炉から煙突に排ガスを導入する管路中には、定風量装置としてのダンパが付設されており、炉内と煙突内との圧力が一定となった定常状態の時には一定の開度に保たれたダンパを通じて一定量のガスが煙突内に流入するように構成している。
【0005】
このように、高温排ガスが上昇気流として発生している煙突に上記のような枝管を接続するには、従来から、ブレーカ等の破砕機を用いて煙突の内外壁に外壁側から貫通孔を開け、しかるのち、この貫通孔内に枝管の端部を挿入、接続することによって行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような方法では貫通孔の穿設作業に時間を要すると共に該貫通孔の形成後に、この貫通孔に枝管の端部を付設可能にするための補正作業を必要とし、しかるのち、貫通孔内に枝管の端部挿入作業を行うものであるから、作業能率が悪くて施工に長時間を要するという問題点がある。
【0007】
また、煙突に対する枝管の付設部位は通常、煙突の下部であり、この部分に枝管の接続用貫通孔を設けると負圧状態にある煙突内に外気が流入し、煙突内が正圧に近づいて煙突内と炉内との圧力バランスが崩れ、炉内で発生したガスが煙突側に流入する量が少なくなる。炉内では稼働中は勿論のこと、休止中でも燃焼が続いていて絶えずガスが発生しており、従って、炉内の発生ガスの流出量が少なくなると、炉内にガスが滞留して高圧状態となり、炉自体を傷めるばかりでなくコークス炉の場合には製造されるコークスの品質低下につながることになる。このため、上記ダンパの開度設定を変更すればよいが、その作業に手間を要する上に煙突内の圧力に対する応答に時間遅れがあって適切に対応することができないといった問題点がある。
【0008】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、上記煙突の内壁が人手によって解体可能なレンガ壁である点に着目し、外壁の切除後において、該内壁を煙突内の圧力変化を殆ど生じさせることのない方法でもって解体し、且つその作業が能率よく正確に行えるようにすると共に枝管の接続作業も短時間で行え、その上、枝管から煙突外壁に高熱が伝わらないようにする煙突への枝管の接続方法を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の煙突への枝管接続方法は、請求項1に記載したように、鉄筋コンクリート製外壁内に空気層を介してレンガ壁からなる内壁を配設してなる煙突に、煙路中に熱風が上昇している状態において枝管を接続する方法であって、円筒体の前端にビットを突設してなるコアカッタにより上記煙突の外壁を切削、除去して内壁の外周面に達する削孔部を形成する工程と、この工程に引き続いて上記コアカッタの円筒体によって上記削孔部と連続する内壁を外周面から内周面に貫通するまで切削し、切削したブロック状内壁部を円筒体内に収納し且つ該円筒体を内外壁間に貫通させた状態で残置させておく工程と、この工程後、上記円筒体内のブロック状内壁部を数分割に小割りしながら解体して煙路内に通じる分割連通孔部を順次形成することによりブロック状内壁部全体を解体、撤去する工程と、分割連通孔部が形成される毎に該分割連通孔部を締切板で塞ぐことによって上記ブロック状内壁部を、円筒体内を全面的に閉止する複数枚の締切板で置換する工程と、上記円筒体内に短管を挿入すると共にこの短管と円筒体との間の環状の隙間に断熱層を形成する工程と、この短管に枝管を接続する工程と、枝管と外部とを小面積開口部を介して連通させてこの小面積開口部から枝管内を通じて上記締切板を順次撤去する工程とからなることを特徴とするものである。
【0010】
【作用】
煙突の鉄筋コンクリート製外壁における外周面の所定部分、好ましくは外周面下端部の一部に、円筒体の前端にビットを突設してなるコアカッタの該円筒体前端面を当接して円筒体を回転させながら煙突を横切る方向に推進させると、まず、煙突外壁がコアカッタの円筒体の前端ビットにより円形溝状に切削されると共に該円形溝状の切削部で囲まれた外壁部分が円筒体内に取り込まれて行き、円筒体の前端ビットが外壁の内周面に達すると円形溝状の切削部が外壁内周面に貫通して該切削部で囲まれた外壁部分がくり抜かれ、円筒体内に収納された状態となる。こうしてコアカッタによって外壁の一部を内外周面間に亘って切削すると、一旦、コアカッタを後退させて外壁から抜き取って内部に収納された切削外壁部を円筒体内から取り除く。
【0011】
次いで、上記コアカッタの円筒体を該コアカッタの切削によって外壁の一部に形成された円形状の削孔部内に挿入してその前端ビットを煙突の内壁外周面に当接させ、上記外壁の場合と同様にして耐火レンガ造りの内壁の一部を該内壁の外周面から内周面に向かって円形状に切削していき、円筒体の前端が内壁内に貫通した状態となった時に切削作業を停止する。この状態においては切削された内壁の一部がブロック状内壁部として円筒体内に取り込まれている。
【0012】
しかるのち、コアカッタの円筒体の後端部を回転軸と共に取り除いて円筒体のみを煙突の内外壁間に亘って貫通した状態で残置させ、円筒体内に取り込まれている上記耐火レンガ造りのブロック状内壁部を人手によって解体して円筒体内を通じて外壁外に排除することにより、円筒体内を通じて煙突内の煙路を外部に連通させる。
【0013】
この際、ブロック状内壁部の解体は、該ブロック状内壁部を数分割に小割りしながら行い、1つの分割部分の撤去によって生じた分割連通孔部を締切板で直ちに塞ぐことによって煙突内の圧力に殆ど影響を与えないようにする。このようにブロック状内壁部に分割連通孔部が形成される毎に該孔部を締切板によって塞ぐ作業を繰り返し行ってブロック状内壁部を複数枚の締切板で置換する。
【0014】
次いで、枝管の接続短管をその前端が内壁の外周部に達する位置まで上記円筒体内に挿入したのちこの短管と円筒体との間の隙間に断熱材を充填して断熱層を形成し、しかるのち、短管に枝管を接続する。この枝管内と外部とは、例えば、該枝管に設けているバルブの開口部を通じて連通させた状態とし、この開口部を通じて作業員が枝管から上記短管内に入って上記締切板を一枚ずつ、分解し、上記開口部から外部に排出する。この際、開口部の開度が大きいと、枝管内に外気が多量に流入して締切板を撤去することによって形成される連通孔部を通じて煙突内に流出し、上述したように煙突内の圧力を大きく変動させる虞れがあると共に管内に粉塵が発生して作業環境を悪化させ且つ危険であるので、上記開口部の開度を必要最小限度にして締切板の撤去作業を行う。
【0015】
全ての締切板の撤去が完了すると、枝管に配管を接続して煙突内の排ガスの高熱を暖房や給湯等に利用したり、或いは、上記配管を新設炉に接続してこの新設炉からの排ガスを煙突内に流入させ、既設炉の排ガスと合流させて排出する。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の具体的な実施の形態を図面について説明すると、図1は既設のコークス炉A1からの排ガスを大気に放出するための既設の煙突Bの下端部適所に枝管Cを接続し、この枝管Cと配管Gを通じて新設のコークス炉A2の排ガスを上記煙突B内に流入させ、既設コークス炉A1の排ガスと合流させて外部に放出するように構成している全体の設備構造を示すもので、既設コークス炉A1と煙突下端部間を連結、連通している排ガス管D中には定風量ダンパEが配設されてあり、上記枝管Cは開閉バルブFを介して新設コークス炉A2に連通する配管Gに接続している。なお、上記煙突Bは図2に示すように、鉄筋コンクリート製の筒状外壁1と耐火レンガ造りの筒状内壁2との二重筒構造を有し、これらの内外壁1、2間には隙間3が設けられていてこの隙間3内を上昇する新鮮な空気層によって内壁2から外壁1に熱が伝わるのを防止している。
【0017】
このように、新設されたコークス炉A2の排ガス用煙突として既設コークス炉A1の煙突Bを共用させるためには、上述したように枝管Cを煙突Bに接続する必要があり、以下にこの枝管Cの接続方法を詳しく述べる。まず、煙突Bの下端部における枝管接続予定部分に対向して図2に示すように足場15を組み立て、この足場15上に架台16を固定し、該架台16上にコアカッタ4の回転、推進駆動装置17を設置する。コアカッタ4は、内径が上記枝管Cの外径よりも僅かに大径に形成され且つ長さが上記煙突Bの外壁1の外周面と内壁2の内周面間の厚みよりも僅かに長く形成されている円筒体4aの前端側開口端面に多数の切削ビット4bを突設してなり、このコアカッタ4の円筒体4aを煙突Bの外周面と対向している上記足場15の前端部上に回転自在に軸支した複数個のローラ18上にその下周面を架設状態で支持させている。
【0018】
さらに、コアカッタ4の円筒体4aの後端側開口端に円環状のフランジ板4cの外周端縁を着脱自在に固定していると共にこのフランジ部4cの背面中央部に、回転軸19の前端に固着している取付板20をボルト等によって取り外し自在に固定してあり、回転軸19はその後端部を上記回転、推進駆動装置17に連結して該回転軸19を介して回転、推進駆動装置17の回転、推進力をコアカッタ4に伝達するように構成している。
【0019】
そして、上記既設コークス炉A1が稼働中において、煙突Bの外壁1の一部を切除して削孔部を設ける作業を行う。まず、上記回転、推進駆動装置17を作動させて回転軸19を押し進めることによりコアカッタ4の円筒体4aの前端面を煙突Bの外壁1の下端部外周面における所定部分に当接させる。この状態にして回転、推進駆動装置17によりコアカッタ4の円筒体4aを回転させながら推進させると、円筒体4aの前端面に突設している切削ビット4bにより煙突Bの鉄筋コンクリート製外壁1が図3に示すように該外壁1の厚み方向、即ち、内周面に向かって円形溝状に切削5され、コアカッタ4の円筒体4aが外壁1内に侵入するに従ってその円形溝状切削部5の深さが大きくなると共に該切削部5で囲まれた外壁部1aが円筒体4a内に取り込まれて行き、円筒体4aの前端が図4に示すように、外壁1の内周面に達して外壁1と内壁2との間の隙間3に突出した状態になると切削部5が完全に外壁1を貫通してこの円形状切削部5で囲まれた外壁部1aがくり抜かれ、その周囲の壁体部から分離して円筒体4a内に収納された状態となる。
【0020】
このように、外壁1の一部がコアカッタ4によって内外周面間に亘って切削されると、回転、推進駆動装置17を逆方向作動させて回転軸19を引き戻す方向に後退させ、コアカッタ4の円筒体4aを外壁1から抜き取ったのち、該円筒体4a内に収納されている外壁部1aを円筒体4aから排除する。
【0021】
しかるのち、再び、回転、推進駆動装置17を作動させてコアカッタ4の円筒体4aを煙突Bに向かって推進させると、円筒体4aはローラ18上を最初に推進した時と同じ軌跡をたどって推進し、くり抜かれた上記外壁部跡によって形成された円形状の削孔部6(図5に示す)内に正確に挿入される。この削孔部6内に円筒体4aを挿通させて該円筒体4aの前端面がレンガ造りからなる内壁2の外周面に当接すると、この状態からさらに回転、推進駆動装置17により円筒体4aを回転させながら推進することによって上記削孔部6の延長上に対向する内壁2の一部を外周面から内周面に向かって該削孔部6の穿孔時における上記切削部5と同一形状、同一大きさの円形溝状の切削部5aを切削していく。
【0022】
この切削部5aが内壁2の内周面に達してコアカッタ4の円筒体4aの前端が煙突Bの煙路b内に突設した状態になると切削部5aが完全に内壁2を貫通してこの円形状切削部5aで囲まれた内壁部2aが円形ブロック状にくり抜かれ、その周囲の壁体部から分離して該円形ブロック状内壁部2Aが図6に示すように、円筒体4aの前半部内に収納された状態となる。
【0023】
このようにコアカッタ4の円筒体4aによって内壁2の一部が円形ブロック状にくり抜かれた状態になると、回転、推進駆動装置17を停止させ、回転軸19の上記前端取付板20を円筒体4aの基端側開口端に固定している上記フランジ板4cから取り外すと共にこのフランジ板4cも円筒体4aの後端面から取り外して円筒体4aの後端を全面的に開口させ、この円筒体4aのみを内外壁1、2間に貫通させた状態で残置させる。
【0024】
次いで、円筒体4a内に収納されている上記円形ブロック状内壁部2Aの撤去作業に移る。この際、円形ブロック状内壁部2Aを撤去すると、煙突Bの煙路bが円筒体4a内を通じて外気と連通するので、この撤去作業時には上記既設コークス炉A1を一旦、休止させる。コークス炉A1を休止させても、炉内の燃焼が続いていて耐えず高温ガスが発生しており、煙突B内には排ガスによる熱風が上昇気流として発生しているため、煙突B内が外部に対して負圧となり、外気との圧力差によって外気が煙突B内に流入する、所謂、ドラフトが生じて煙突Bと既設コークス炉A1との圧力バランスが崩れ、既設コークス炉A1から煙突Bへの排ガスの流入量が少なくなって既設コークス炉A1を傷めたりコークスの品質低下につながるので、煙突B内を外気に連通させる円筒体4aの開口時間を極力短縮し、且つ、円筒体4aの開口を必要最小限度にして煙突B内の圧力が殆ど変動しない状態にする。
【0025】
そのため、煙突Bと外気とを遮断している円筒体4a内の上記円形ブロック状内壁部2Aを数分割に小割りしながら撤去し、撤去することによって生じた分割連通孔部7a〜7dを直ちに閉止する作業を繰り返し行う。この作業を詳述すると、まず図7に示すように、円筒体4a内に挿入可能な鋼製円筒状枠8を使用する。円筒状枠8は前後円形枠部8a、8b間を一定長を有する複数本の直状材8cによって連結していると共に前側円形枠部8aを分割枠材8dによって同一面積を有する扇形状開口部81〜84に複数分割(図においては4分割)している。
【0026】
この円筒状枠8を上記円筒体4a内に挿入してその前側円形枠部8aをブロック状内壁部2Aの外面に当接させた状態にし、まず、1つの扇形状開口部81内を通じて露出している円筒体4a内のブロック状内壁部2Aの耐火レンガを作業員が適宜な工具を用いて解体、撤去することにより、ブロック状内壁部2Aに図8に示すように扇形状分割連通孔部7aを開口させる。この分割連通孔部7aが設けられると円筒状枠8の扇形状開口部81に該扇形状開口部81と同一形状を有する扇形状締切板9aを直ちに当てがってこの締切板9aの両側直状縁を分割枠材8d、8dに架設状態で仮固定することにより扇形状分割連通孔部7aを塞ぐ。なお、仮固定はビス止め又は締切板9aの端縁部背面と分割枠材8dとを挟着するコ字状の金具等を用いればよい。
【0027】
円筒体4a内のブロック状内壁部2Aに1つの扇形状分割連通孔部7aの形成後、次の扇形状開口部82内を通じて露出している上記ブロック状内壁部2Aの耐火レンガを解体、撤去して扇形状分割連通孔部7bを設けたのち、上記同様に該扇形状分割連通孔部7bを扇形状締切板9aによって塞ぎ、以下、この作業を円筒状枠8の全ての扇形状開口部81〜84を通じてこれらの開口部に対向するブロック状内壁部2Aの解体、撤去と締切板9aによる閉止作業とを繰り返し行い、図9に示すように、円筒体4a内のブロック状内壁部2Aを完全に解体、撤去して円筒体4aの前半部を全面的に開口させて煙突Bの煙路b内に連通させると共に円筒体4aの中間部を上記複数枚の扇形状締切板9aにより円板状に組み立てられた締切壁9によって全面的に閉止して煙突Bの煙路b内が円筒状枠8を挿入している円筒体4aの後半部内の空間部側に連通するのを遮断した構造とする。
【0028】
なお、円筒体4a内の上記ブロック状内壁部2Aを解体、撤去するに際して、上記円筒状枠8の扇形状開口部81〜84を予め、一つの扇形状開口部81を残して他の開口部を締切板9aによって塞いでおき、上記扇形状開口部81を通じて該開口部81に対向するブロック状内壁部2Aの一部を解体、撤去して扇形状連通孔部7aを形成したのち、円筒体4a内で円筒状枠8を周方向に回動(図においては90度) して締切板9aにより上記扇形状連通孔部7aを塞ぐと共に開口部81に対向した次のブロック状内壁部2Aの一部を解体、撤去し、再び、円筒状枠8を回動させて締切板9aにより解体、撤去跡の連通孔部7bを塞ぎ、この作業を繰り返し行ったのち、最後に解体、撤去された連通孔部7dを円筒状枠8の扇形状開口部84に扇形状締切板2aを装着することによって塞ぎ、円筒体4a内の中間部を全面的に閉止した締切壁9を形成してもよい。円筒体4a内が締切壁9によって全面的に塞がれると、既設のコークス炉A1を稼働させても煙突B内に外気が侵入する虞れはない。
【0029】
上記のように、円筒体4a内のブロック状内壁部2Aはレンガ壁よりなるので、鉄筋コンクリート製の外壁1と異なって人手による解体、撤去作業が可能であり、その上、上述したように小割り状態に小さく開口させて小断面の連通孔部7a〜7dを形成する毎にこれらの連通孔部7a〜7dを順次、締切板2aによって塞ぐので、煙突B内の圧力を殆ど変動させることはなく、さらに、外気の流通による粉塵の発生もなくして作業環境が良好となり、安全に作業が行えると共に人手によるレンガの解体、撤去作業であるから精度よく確実に行える。
【0030】
こうして、煙突Bの煙路b内に対する円筒体4a内を通じての外部への連通を締切壁9によって遮断した状態にしたのち、図10に示すように円筒体4a内に外部から外径が該円筒体4aの内径よりも僅かに小径での短管10を挿入する。この短管10の前後両端は全面的に開口していると共に後端には接続用フランジ部10a が一体に設けられている。短管10の挿入作業は、上記回転、推進駆動装置17を使用して行われ、足場15上に配設しているローラ18を大径のローラ(図示せず)に取り替えることによってこのローラ上に載置した短管10の中心を円筒体4aの中心に合致させ、この状態で回転、推進駆動装置17により短管10を推進させて該短管10の開口前端面を締切壁9の背面に当接させる。さらに、短管10を押し進めることにより、締切壁9を円筒状枠8と共に円筒体4a内を一体的に煙突Bの煙路b側に前進移動させ、締切壁9を円筒体4aの前半後部内、即ち、煙突Bの内壁2側に達した位置で停止させる。
【0031】
次いで、円筒体4aの内周面と短管10の外周面との間の環状の隙間にキャスタブルを注入、充填して該キャスタブルを固化させることにより、図11に示すように円筒体4aと短管10とを一体的に固着させたキャスタブル耐火物よりなる断熱層11を設ける一方、煙突Bの外壁1から外方に突出している短管10の後端部外周面に石膏ボードを被着して断熱層12を形成したのち、この断熱層12の周囲に型枠(図示せず)を組んで該型枠内にコンクリートを打設することにより短管10の周囲に煙突Bの外壁1の一部と一体化した補強コンクリート層13を形成する。
【0032】
しかるのち、図12に示すように短管10の後端フランジ部10a に後端にバルブFを連結している定尺の枝管Cを接続する。なお、枝管Cの接続作業は上記回転、推進駆動装置17を撤去した足場15を利用して行うことができる。次いで、バルブFを上述したブロック状内壁部2Aの解体時における1つの扇形状連通孔部7aと略々同一開口面積に相当する必要最小限度に開口させて該開口部から作業員が枝管C内に入り、枝管Cから短管10内に侵入して締切壁9を構成している1枚の扇形状締切板9aを取り外して円筒状枠8の扇形状開口部81を開放させると共に該締切板9aを枝管C内からバルブFの開口部を通じて外部に撤去する。この締切板9aの撤去作業の間は、既設コークス炉A1を一時、休止させておく。
【0033】
全ての締切板9aを撤去して図13に示すように、短管10内を全面的に開放した円筒状枠8の開口端と円筒体4aの前端部内の連通孔7を通じて煙突Bの煙路b内に連通させた状態にするとバルブFを閉止し、既設コークス炉A1を稼働させる一方、枝管Cに上記バルブFを介して配管Gを接続し、この配管Gを新設コークス炉A2に連結、連通させたのち、上記バルブFを開放すると共にこの新設コークス炉A2を稼働させて該コークス炉A2の排ガスを配管Gから枝管C、短管10、円筒体4a内を通じて煙突Bの煙炉b内に流入させ、既設のコークス炉A1からの排ガスと合流させて煙路b を通じて排気する。
【0034】
この時、短管10の前端部が煙突Bの内壁2側にまで突出しており、且つその外周面と円筒体4aの内周面間に断熱層11を設けているので、枝管Cを通じて煙突B側に流入する高温排ガスの熱は外壁1に殆ど伝わることはなく、一方、煙突Bの煙路b側の高温排ガスは円筒体4aに伝熱するが、煙突Bの内外壁1、2間に設けられている隙間3を上昇する空気流によって冷却されて外壁1側に伝わるのを阻止されるものである。
【0035】
なお、締切板9aの撤去は、バルブFの開口部を通じて行っているが、バルブFを使用することなく枝管内に必要最小限度の小断面開口部に形成した開閉扉を配設してこの開閉扉を作業員が通過時にのみ開放させながら締切板9aの撤去作業を行ってもよい。また、以上の実施例においては、煙突Bに付設した枝管Cを新設炉の排ガス用として利用しているが、煙突B内の高温排ガスをこの枝管Cを通じて取り込み、建物の室内暖房や給湯等の加熱用として利用してもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明の煙突への枝管接続方法によれば、鉄筋コンクリート製外壁内に空気層を介してレンガ壁からなる内壁を配設してなる煙突に、煙路中に熱風が上昇している状態において枝管を接続する方法であって、まず、円筒体の前端にビットを突設してなるコアカッタにより上記煙突の外壁を切削、除去して内壁の外周面に達する削孔部を形成するものであるから、人手により解体が困難な鉄筋コンクリート製外壁をコアカッタによって能率よく正確に切除して削孔部を形成することができ、次いで、コアカッタの円筒体によって上記削孔部と連続する内壁を外周面から内周面に貫通するまで切削し、切削したブロック状内壁部を円筒体内に収納し且つ該円筒体を内外壁間に貫通させた状態で残置させておくものであるから、煙突の内壁も外壁同様に能率よく正確に切削できるのは勿論、コアカッタの円筒体を煙突の内外壁に貫通させているにもかかわらず切削したブロック状内壁部を該円筒体内に収納しているので、外気が煙突内に流入するのを確実に防止した状態にしておくことができる。
【0037】
しかるのち、上記円筒体内のブロック状内壁部を数分割に小割りしながら解体して煙路内に通じる分割連通孔部を順次形成することによりブロック状内壁部全体を解体、撤去すると共に、分割連通孔部が形成される毎に該分割連通孔部を締切板で塞ぐことによって上記ブロック状内壁部を、円筒体内を全面的に閉止する複数枚の締切板で置換するので、ブロック状内壁部はレンガ壁よりなるから、鉄筋コンクリート製の外壁と異なって人手による解体、撤去作業が可能であるばかりでなく解体状態を目視しながら確実に且つ精度よく行うことができ、その上、小割り状態に小さく開口させて小断面の連通孔部を形成する毎にこれらの連通孔部を順次、締切板によって塞ぐので、煙突内の圧力を殆ど変動させることはなく、正常な排ガスを続行させることができ、また、円筒体内に外気の流通による粉塵の発生もなくして作業環境が良好となり、安全に作業が行える。
【0038】
さらに、上記ブロック状内壁部と締切板との置換後、円筒体内に短管を挿入すると共にこの短管と円筒体との間の環状の隙間に断熱層を形成するので、煙突内の高温排ガスの熱が煙突の鉄筋コンクリートからなる外壁に伝達するのを確実に遮断することができ、外壁が損傷するのを防止することができる。また、この短管に枝管を接続するものであるから、該円筒体を枝管付設のための一部材として使用して枝管接続作業が迅速に且つ正確に行えるものであり、その上、枝管接続後に、該枝管と外部とを小面積開口部を介して連通させてこの小面積開口部から枝管内を通じて上記締切板を順次撤去するので、この作業時においても枝管を通じて煙突側に流入する外気の量を少なくして煙突内に大きな圧力変動が生じるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】新設及び既設コークス炉と煙突との全体構成を示す簡略側面図、
【図2】煙突の一部に枝管接続用削孔部を形成するための装置全体の側面図、
【図3】コアカッタによって煙突の外壁を切削している状態の簡略縦断側面図、
【図4】外壁の切削を完了した状態の簡略縦断側面図、
【図5】削孔部の簡略縦断側面図、
【図6】コアカッタの円筒体を煙突の内壁まで貫通させた状態の簡略縦断側面図、
【図7】円筒状枠の簡略斜視図、
【図8】円筒枠を用いて煙突内壁のレンガを撤去し、その撤去跡を仕切板によって塞いだ状態の簡略縦断側面図、
【図9】円筒体内の仕切壁によって全面的に塞いだ状態の簡略縦断側面図、
【図10】円筒体内に短管を挿入すると共に断熱層を形成した状態の簡略縦断側面図、
【図11】その拡大縦断正面図、
【図12】仕切板を撤去している状態の簡略縦断側面図、
【図13】撤去後の枝管施工状態を示す簡略縦断側面図。
【符号の説明】
1 外壁
2 内壁
2A ブロック状内壁部
3 隙間
4 コアカッタ
4a 円筒体
5 切削部
6 削孔部
7a〜7d 分割連通孔部
9a 締切板
10 短管
11、12 断熱層
13 補強コンクリート層
A1 既設コークス炉
A2 新設コークス炉
B 煙突
C 枝管
Claims (1)
- 鉄筋コンクリート製外壁内に空気層を介してレンガ壁からなる内壁を配設してなる煙突に、煙路中に熱風が上昇している状態において枝管を接続する方法であって、円筒体の前端にビットを突設してなるコアカッタにより上記煙突の外壁を切削、除去して内壁の外周面に達する削孔部を形成する工程と、この工程に引き続いて上記コアカッタの円筒体によって上記削孔部と連続する内壁を外周面から内周面に貫通するまで切削し、切削したブロック状内壁部を円筒体内に収納し且つ該円筒体を内外壁間に貫通させた状態で残置させておく工程と、この工程後、上記円筒体内のブロック状内壁部を数分割に小割りしながら解体して煙路内に通じる分割連通孔部を順次形成することによりブロック状内壁部全体を解体、撤去する工程と、分割連通孔部が形成される毎に該分割連通孔部を締切板で塞ぐことによって上記ブロック状内壁部を、円筒体内を全面的に閉止する複数枚の締切板で置換する工程と、上記円筒体内に短管を挿入すると共にこの短管と円筒体との間の環状の隙間に断熱層を形成する工程と、この短管に枝管を接続する工程と、枝管と外部とを小面積開口部を介して連通させてこの小面積開口部から枝管内を通じて上記締切板を順次撤去する工程とからなることを特徴とする煙突への枝管接続方法。
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