JP3948774B2 - 斜板式コンプレッサ用斜板の製造方法 - Google Patents

斜板式コンプレッサ用斜板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3948774B2
JP3948774B2 JP00971197A JP971197A JP3948774B2 JP 3948774 B2 JP3948774 B2 JP 3948774B2 JP 00971197 A JP00971197 A JP 00971197A JP 971197 A JP971197 A JP 971197A JP 3948774 B2 JP3948774 B2 JP 3948774B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
swash plate
base material
drive shaft
casing
cylinders
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP00971197A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10205437A (ja
Inventor
正樹 河内
正紀 小川
正夫 明井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Calsonic Kansei Corp
Original Assignee
Calsonic Kansei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Calsonic Kansei Corp filed Critical Calsonic Kansei Corp
Priority to JP00971197A priority Critical patent/JP3948774B2/ja
Publication of JPH10205437A publication Critical patent/JPH10205437A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3948774B2 publication Critical patent/JP3948774B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B27/00Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders
    • F04B27/08Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis
    • F04B27/10Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis having stationary cylinders
    • F04B27/1036Component parts, details, e.g. sealings, lubrication
    • F04B27/1054Actuating elements
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2201/00Metals
    • F05C2201/04Heavy metals
    • F05C2201/0469Other heavy metals
    • F05C2201/0475Copper or alloys thereof
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2253/00Other material characteristics; Treatment of material
    • F05C2253/12Coating

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明に係る斜板を組み込む斜板式コンプレッサは、自動車室内の冷房や除湿を行なう為の自動車用空気調和装置に組み込み、エバポレータから吸引した冷媒蒸気を圧縮してから、コンデンサに向けて吐出する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用空気調和装置に組み込まれる蒸気圧縮式冷凍機は、図6に略示する様に構成される。コンプレッサ1は、吸入ポートから吸引した冷媒蒸気を圧縮してから吐出ポートより吐出する。このコンプレッサ1から吐出された冷媒は、コンデンサ2を通過する間に空気との間で熱交換を行なう事により放熱して凝縮する。このコンデンサ2から吐出された液状の冷媒は、リキッドタンク3と膨張弁4とを通過してからエバポレータ5内に送り込まれ、このエバポレータ5内で蒸発する。内部で冷媒が蒸発する事により、このエバポレータ5の温度が低下する為、このエバポレータ5を通過する空気を冷却し、自動車室内の冷房や除湿を行なえる。エバポレータ5内で蒸発した冷媒は、上記吸入ポートからコンプレッサ1内に吸入される。
【0003】
この様な自動車用空気調和装置に組み込まれる蒸気圧縮式冷凍機を構成するコンプレッサ1は、従来から種々の構造のものが知られている。又、駆動軸の回転運動を斜板によりピストンの往復運動に変換し、このピストンにより冷媒の圧縮を行なう斜板式コンプレッサも、従来から広く知られている。図7〜8は、この様な斜板式コンプレッサの1例として、特公昭64−1668号公報に記載されたものを示している。尚、この図7〜8に示した従来構造は、斜板の傾斜角度を変える事により容量を調節自在とした可変容量型に関するものであるが、図7は容量を最大とした状態を、図8は同じく最小とした状態を、それぞれ示している。先ず、この図7〜8に示した従来の可変容量型の斜板式コンプレッサに就いて説明する。
【0004】
コンプレッサ1を構成するケーシング6は、中央のケーシング本体7をヘッドケース8と端板9とで軸方向(図7〜8の左右方向)両側から挟持し、更に複数本の結合ボルト(図示せず)により結合して成る。このうちのヘッドケース8の内側には、低圧室10、10と高圧室11とを設けている。尚、高圧室11内は勿論、低圧室10内の圧力も陽圧である。又、上記ケーシング本体7とヘッドケース8との間には平板状の隔壁板15を挟持している。尚、図7〜8で複数に分割されている如く表されている低圧室10、10は互いに連通しており、上記ヘッドケース8の外面に設けられた単一の吸入ポート12aに通じている。又、上記高圧室11は、やはり上記ヘッドケース8に設けられた吐出ポート12bに通じている。そして、上記吸入ポート12aを前記エバポレータ5(図6)の出口に、上記吐出ポート12bを前記コンデンサ2(図6)の入口に、それぞれ通じさせている。
【0005】
上記ケーシング6内には駆動軸13を、上記ケーシング本体7と端板9とに掛け渡す状態で、回転のみ自在に支持している。即ち、上記駆動軸13の両端部を1対のラジアルニードル軸受22a、22bにより、上記ケーシング本体7と端板9とに支持すると共に、1対のスラストころ軸受23a、23bにより、この駆動軸13に加わるスラスト荷重を支承自在としている。これら1対のスラストころ軸受23a、23bのうち、一方(図7〜8の右方)のスラストころ軸受23aは、調整ナット24と上記駆動軸13の一端部(図7〜8の右端部)に形成した段部25との間に設けている。この調整ナット24は、上記ケーシング本体7の中心孔26に形成した雌ねじ部に螺合して、軸方向位置を調整自在である。又、他方(図7〜8の左方)のスラストころ軸受23bは、後述する支持ブラケット20と上記端板9との間に設けている。又、上記ケーシング6の内側で上記駆動軸13の周囲部分には、複数(例えば円周方向等間隔に5〜6個、図面には1個のみ記載)のシリンダ14を形成している。この様にケーシング本体7に形成した、複数のシリンダ14の内側には、それぞれピストン16を、軸方向に亙る変位自在に嵌装している。
【0006】
又、上記ケーシング本体7の一部内側で、上記複数のシリンダ14を形成した部分と前記端板9との間部分は、クランク室18としている。そして、上記駆動軸13の中間部でこのクランク室18内に位置する部分に、スリーブ19と支持ブラケット20とを、上記シリンダ14を設けた側から順に設けている。このうちのスリーブ19は、その外径面19a(外周面)を球状凸面とし、内径面(内周面)を円筒面としている。そして、このうちの内径面を、上記駆動軸13に対する摺動を自在としている。又、上記支持ブラケット20は、上記駆動軸13に外嵌固定して、この駆動軸13と共に回転する様にしている。尚、上記スリーブ19の一端面(図7〜8の左端面)と上記支持ブラケット20の基端部(図7〜8の下端部)片側面(図7〜8の右側面)との間には圧縮ばね21を設けて、上記スリーブ19にシリンダ14に近づく方向の弾力を付与している。従って上記スリーブ19は、次述する斜板27に力が作用しない限り、図8に示す様にストップリング28に衝合するまで上記シリンダ14側に変位し、上記斜板27が上記駆動軸13に対して直角に近くなるまで起立する(駆動軸13に対する傾斜角度が大きくなる。言い換えれば、駆動軸13の直交面に対する斜板27の傾斜角度θが小さくなる。)。
【0007】
上記スリーブ19には斜板27の内径部分を、揺動自在に外嵌している。即ち、この斜板27の内径面27a(内周面)は、上記スリーブ19の外径面19aとほぼ同じ曲率を有する球状凹面としている。そして、上記内径面27aを上記外径面19aに、摺動自在に外嵌する事により、上記斜板27を上記駆動軸13の周囲に、軸方向に亙る変位及び傾斜角度の調節自在に支持している。
【0008】
又、上記支持ブラケット20の外周縁(図7〜8の上縁)には駆動腕29を、直径方向外方に突出する状態で設けている。そして、この駆動腕29の先端部に傾斜長孔30を設けている。一方、上記斜板27の片面(図7〜8の左面)で上記駆動腕29と対向する部分には、被駆動腕31を固設している。この被駆動腕31の先端部にはガイドピン32を、上記駆動軸13に対し捩れの方向に支持している。このガイドピン32は、上記傾斜長孔30に遊合する事により上記斜板27を、傾斜角度の調節自在に枢支している。即ち、上記斜板27は、上記駆動軸13に対する上記スリーブ19の摺動に伴って、上記ガイドピン32を中心に揺動する。
【0009】
例えば、上記スリーブ19が圧縮ばね21の弾力に抗して支持ブラケット20に近づいた状態では、上記ガイドピン32が、図7に示す様に、上記傾斜長孔30の(駆動軸13を中心とする直径方向の)外端部に移動する。そして、この状態では、駆動軸13の直交面に対する上記斜板27の傾斜角度θが大きくなって、駆動軸13の回転に伴う前記各ピストン16のストロークが長くなり、コンプレッサ1の容量が増大する。これに対して、上記スリーブ19が圧縮ばね21の弾力に基づいて支持ブラケット20から遠ざかった状態では、上記ガイドピン32が、図8に示す様に、上記傾斜長孔30の内端部に移動する。そして、この状態では上記傾斜角度θが小さくなって、駆動軸13の回転に伴う上記各ピストン16のストロークが短くなり、コンプレッサ1の容量が減少する。
【0010】
上述の様にして駆動軸13の周囲に支持された斜板27の円周方向複数個所と上記各ピストン16とは、それぞれ1対ずつのスライディングシュー17、17により連結している。これら各スライディングシュー17、17の内側面(互いに対向する面)は平坦面として、上記斜板27の両側面外径寄り部分に摺接させている。又、これら各スライディングシュー17、17の外側面(相手スライディングシュー17と反対側面)は球状凸面としている。そして、上記内側面を上記斜板27の両側面に当接させた状態で、これら両スライディングシュー17、17の外側面を単一球面上に位置させている。一方、上記各ピストン16の後端部(前記隔壁板15から遠い側の端部で、図7〜8の左端部)には、上記スライディングシュー17、17と共に伝達部材を構成する連結腕部34を、各ピストン16と一体に形成している。そして、各連結腕部34に、上記1対のスライディングシュー17、17を抱持する為の抱持部33を形成している。この抱持部33には、上記各スライディングシュー17、17の外側面と密に摺接する球状凹面35、35を、互いに対向させて形成している。
【0011】
又、前記ケーシング本体7の一部内周面で、上記各連結腕部34の外端部に整合する部分には、各ピストン16毎にそれぞれ1対ずつのガイド面36を、円周方向に離隔させて形成している。上記各連結腕部34の外端部の円周方向両端縁部は、このガイド面36に案内されて、上記ピストン16の軸方向(図7〜8の左右方向)に亙る変位のみ自在である。従って、上記各ピストン16も、前記シリンダ14内に、軸方向に亙る変位のみ自在(回転不能)に嵌装されている。この結果、上記各連結腕部34は、上記斜板27の揺動変位に伴って上記各ピストン16を押し引きし、これら各ピストン16を上記シリンダ14内で軸方向に往復移動させる。
【0012】
一方、前記低圧室10及び高圧室11と上記各シリンダ14とを仕切るべく、前記ケーシング本体7とヘッドケース8との突き合わせ部に挟持している隔壁板15には、上記低圧室10と上記各シリンダ14とを連通させる吸入口37と、上記高圧室11と上記シリンダ14とを連通させる吐出口38とを設けている。そして、このうちの吸入口37部分に、上記低圧室10から上記各シリンダ14に向けてのみ冷媒蒸気を流す吸入弁39を設けている。又、上記吐出口38部分には、上記各シリンダ14から上記高圧室11に向けてのみ冷媒蒸気を流す吐出弁40を設けている。これら吸入弁39及び吐出弁40は一般的に、図示の様なリード弁を使用する。
【0013】
又、上記低圧室10と前記クランク室18との間には、これら両室10、18同士を連通させる圧力調整通路41を設けている。そして、この圧力調整通路41の途中に圧力調整弁45を設けている。この圧力調整弁45は、周囲の圧力に応じて軸方向に亙り伸縮するベローズ42と、このベローズ42の伸縮に伴って流通孔43を開閉するニードル44とを含んで構成する。そして、冷房負荷の変動に伴って変化する低圧室10部分の冷媒圧力に応じて、上記圧力調整通路41の開閉、或は開度の調整を行なう。尚、上記ベローズ42は、内部に所定圧力の気体を封入した状態で密閉している。
【0014】
上述の様に構成される従来の可変容量型のコンプレッサ1の作用は次の通りである。自動車室内の冷房或は除湿を行なう為、蒸気圧縮式冷凍機を運転する場合には、前記駆動軸13を回転駆動する。この結果、前記斜板27が回転して、前記複数のピストン16をそれぞれシリンダ14内で往復移動させる。そして、この様なピストン16の往復移動に伴って、前記吸入ポート12aに通じる低圧室10内の冷媒蒸気が、前記吸入口37を通じてシリンダ14内に吸い込まれる。この冷媒蒸気は、次いでこのシリンダ14内で圧縮されてから、前記吐出口38を通じて前記高圧室11に送り出される。
【0015】
冷房負荷が大きく、上記コンプレッサ1で多量の冷媒蒸気を圧縮する必要がある場合には、前記エバポレータ5(図6)から上記低圧室10に送り込まれる冷媒蒸気の圧力が高くなり、この低圧室10と通じる圧力調整通路41内の圧力も高くなる。この状態では、上記圧力調整弁45を構成するベローズ42が縮み、ニードル44が流通孔43から退避する。この結果、前記クランク室18が、上記流通孔43、圧力調整通路41を介して上記低圧室10に通じ、上記クランク室18内の圧力が低くなる。
【0016】
ところで、このクランク室18の圧力は、上記複数のピストン16の後背面(図7〜8の左面)に加わる。これに対してこれら各ピストン16の前面(図7〜8の右面)には、前記シリンダ14の圧縮空間(ピストン16の前面と前記隔壁板15との間の空間)内の圧力が加わる。従って、これら各ピストン16は、上記クランク室18内の圧力と圧縮空間内の圧力との差に応じた力で、圧力が低い側に押される傾向となる。そして、各ピストン16に加わるこれらの力の合計が、上記斜板27の傾斜角度を変化させる方向に加わる。勿論、上記圧縮空間内の圧力はピストン16の行程により変化するが、ピストン16の往復は高速で行なわれるので、上記圧縮空間内の圧力は全行程の平均値として考える事ができる。従って、上述の様に上記クランク室18内の圧力を低くした状態では、このクランク室18内の圧力が上記圧縮空間内の圧力に比べて十分に低くなり、上記各ピストン16を上記斜板27に向け、図7〜8で左方に押圧する力が強くなる。一方、前述の様に、この斜板27を枢支する為の枢軸であるガイドピン32は、駆動軸13の中心から直径方向外方にずれた位置に設けている。この為、上記各ピストン16が上記斜板27を押圧するモーメントは、各ピストン16毎に異なり、上記ガイドピン32に近いピストン16では小さく、同じく遠いピストン16では大きくなる。従って、クランク室18内の圧力が低い状態では、上記斜板27が図7に示す様に、上記ガイドピン32から遠い側がシリンダ14から離れる方向に大きく傾斜する(前記傾斜角度θが大きくなる)。この結果、この斜板27の回転に伴う上記各ピストン16のストロークが大きくなり、上記コンプレッサ1の容量が増大する。
【0017】
これに対して、冷房負荷が小さく、上記コンプレッサ1から吐出する冷媒蒸気が少なくて済む場合には、前記エバポレータ5(図6)から上記低圧室10に送り込まれる冷媒蒸気の圧力が低くなり、この低圧室10に通じる圧力調整通路41内の圧力も低くなる。この状態では、上記圧力調整弁45を構成するベローズ42が伸び、ニードル44の先端部が流通孔43に進入する。この結果、前記クランク室18と上記低圧室10との連通が断たれる。このクランク室18内には、上記ピストン16の外周面と前記シリンダ14の内周面との間の隙間から漏れた高圧の冷媒蒸気(ブローバイガス)が少しずつ進入するので、この様にクランク室18と低圧室10との連通が断たれた状態では、上記クランク室18内の圧力が上昇する。
【0018】
この様に上記クランク室18内の圧力が高くなった状態では、このクランク室18内の圧力が上記圧縮空間内の圧力に比べて高くなり、上記各ピストン16を上記斜板27から遠ざけるべく、図7〜8で右方に押圧する力が強くなる。従って、上記斜板27が図8に示す様に、駆動軸13に対して垂直に近くなる(前記傾斜角度θが小さくなる)。この結果、この斜板27の回転に伴う上記各ピストン16のストロークが小さくなり、上記コンプレッサ1の容量が減少する。冷房負荷が中間の場合には、上記圧力調整弁45が上記クランク室18内の圧力を中間程度に調節し、上記斜板27の傾斜角度θを図7に示した状態と図8に示した状態との中間に規制する。
【0019】
上述の様に構成され作用する斜板式コンプレッサを構成する斜板27は、図9に示す様に、母材46の表面のうち、少なくとも前記スライディングシュー17、17と摺接する部分に、ボンド層47を介して表面層48を設けている。上記母材46は、上記駆動軸13の回転を上記ピストン16に確実に伝達自在とすべく、鋳鉄等の高剛性を有する金属により造っている。又、上記ボンド層47は、上記母材46と表面層48との密着性(結合性)を確保する為のもので、この母材46の表面に、ニッケルのフレーム溶射により形成している。更に、上記表面層48は、鉄又は鉄を主成分とする合金の様な鉄系金属により造られた上記スライディングシュー17、17と上記母材46とが凝着するのを防止する為のもので、銅等の自己潤滑性を有する金属の超高速フレーム溶射により形成している。
【0020】
上記斜板27を上述の様に構成する事により、この斜板27の剛性を十分に確保して、上記駆動軸13の回転時に、この斜板13を変形させる事なく、この駆動軸13の回転運動を前記ピストン16の往復運動に変換できる。又、鉄系金属製であるスライディングシュー17、17と摺接する部分には、銅等の自己潤滑性を有する金属製の表面層48を形成しているので、上記駆動軸13の回転に伴ってこれらスライディングシュー17、17と斜板27とが摩擦し合った場合でも、摩擦面同士が凝着する事はない。尚、図7〜8には、駆動軸13に対して斜板27を揺動自在に支持した可変容量型の斜板式コンプレッサを示しているが、斜板の表面処理に関しては、駆動軸に斜板を固定した、固定容量型の斜板式コンプレッサの場合も同様である。勿論、この様な固定容量型斜板式コンプレッサの斜板も、本発明の対象となる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
図9に示す様に、母材46の表面にボンド層47を介して表面層48を形成する場合、表面層48の形成作業だけでなく、ボンド層47の形成作業も必要になる為、斜板27の製作費が嵩む事が避けられない。勿論、ボンド層47を省略すれば、上記斜板27の製作費の低廉化を図れるが、単にボンド層47を省略しただけの場合には、母材46と表面層48との密着性が不十分となり、長期間に亙る使用に伴って上記母材46から表面層48が剥離する等、十分な耐久性を確保する事が難しくなる。
本発明の斜板式コンプレッサ用斜板の製造方法は、この様な事情に鑑みて、上記ボンド層47を省略しても母材46と表面層48との密着性を確保し、この表面層48が母材46から剥離しにくい構造を、低コストで得られる製造方法を実現すべく考えたものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明の対象となる斜板式コンプレッサ用斜板は、何れも、前述した従来の斜板式コンプレッサ用斜板と同様に、吸入ポート及び吐出ポートを有するケーシングと、このケーシング内に設けられて上記吸入ポートに通じる低圧室と、上記ケーシング内に設けられて上記吐出ポートに通じる高圧室と、上記ケーシング内に回転自在に支持された駆動軸と、上記ケーシングの内側でこの駆動軸の周囲部分に、それぞれがこの駆動軸と略平行に形成された複数のシリンダと、これら各シリンダの内側に軸方向に亙る変位自在に嵌装されたピストンと、上記駆動軸の中間部周囲に、この駆動軸に対し直交する面に対し傾斜させた状態で支持されてこの駆動軸と共に回転する斜板と、この斜板の表面と摺接して、上記駆動軸の回転に伴うこの斜板の上記駆動軸の軸方向に亙る変位を上記各ピストンに伝達するスライディングシューと、上記低圧室から上記各シリンダに向けてのみ冷媒蒸気を流す吸入弁と、上記各シリンダから上記高圧室に向けてのみ冷媒蒸気を流す吐出弁とを備えた斜板式コンプレッサに組み込まれる。
又、この斜板は、高剛性を有する金属製の母材の表面で少なくとも上記スライディングシューと摺接する部分に、このスライディングシューを構成する金属とは異なる金属製の表面層を形成して成る。
【0023】
特に、本発明の対象となる斜板式コンプレッサ用斜板のうち、請求項1に記載した斜板式コンプレッサ用斜板にあっては、上記斜板式コンプレッサの運転時に上記各スライディングシューと上記表面層との摺動に基づいてこの表面層に加わる摩擦力を、この表面層と上記母材の表面とを互いに食い込ませる方向に作用させるべく、この母材の表面でこの表面層を形成する部分に、上記斜板の円周方向に亙って方向性を持たせた多数の微小突部を形成している。
そして、請求項1に記載した斜板式コンプレッサ用斜板の製造方法にあっては、上記母材の表面にグリッドを吹き付ける為のノズルを、この母材の表面の直交軸に対し上記斜板の円周方向に任意の角度分傾斜して配置した状態で、上記ノズルから上記母材の表面に向けグリッドを射出させつつ、この母材を回転させる事により、この母材の表面に上記多数の微小突部を方向性を持たせた状態で形成する。
【0024】
又、本発明の対象となる斜板式コンプレッサ用斜板のうち、請求項2に記載した斜板式コンプレッサ用斜板にあっては、上記母材の表面で上記表面層を形成する部分に、それぞれがこの表面層に対するアンカとして機能自在な、上記斜板の円周方向に関して所定方向に傾斜した多数の微小突部と、同じくこの所定方向とは逆方向に傾斜した多数の微小突部 とを形成している。
そして、請求項2に記載した斜板式コンプレッサの製造方法にあっては、上記母材の表面にグリッドを吹き付ける為のノズルを、この母材の表面の直交軸を挟んで上記斜板の円周方向に揺動変位させた状態で、このノズルからこの母材の表面に向けグリッドを射出させつつ、この母材を回転させる事により、この母材の表面に上記所定方向に傾斜した多数の微小突部と上記逆方向に傾斜した多数の微小突部とを形成する。
【0025】
【作用】
上述の様本発明の製造方法により造られる斜板式コンプレッサ用斜板は、何れも、ボンド層を省略しても母材と表面層との密着性を確保し、この表面層を母材から剥離しにくくできる。この為、上記斜板の十分な耐久性を確保しつつ、ボンド層を省略する事によるこの斜板の製作費の低廉化を図れる。又、上記母材の表面粗さを粗くしなくても、上記密着性を確保できる為、グリッドブラスト設備として、吹付エネルギの小さな吸引式のものを使用する事ができ、ノズル及びグリッドの寿命を長くし、これらの交換サイクルを長くして、コスト低減を図れる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に関する参考例を示している。本参考例の斜板式コンプレッサ用斜板は、鋳鉄である母材46の表面に直接、銅のプラズマ溶射層である表面層48を形成している。前述の図9に示した従来構造の様なボンド層47は形成していない。この様にボンド層47を省略しても十分な耐久性を確保する為に、本参考例の場合には、母材46の表面で表面層48を形成する部分の面粗度を大きくしている。そして、この母材46の表面に存在する微小な凹凸のうちの30%以上の部分が、上記表面層48に対するアンカとして機能する様にしている。
【0027】
この為に本参考例の場合には、上記母材46の表面粗さを、十点平均粗さ(Rz)で60〜100μmとし、上記表面層48の厚さT48を50〜200μmとしている。尚、この表面層48は、表面を平滑にする為、超高速フレーム溶射により予め厚めの表面層を形成した後、表面を研磨するが、この表面層48の厚さT48とは、研磨後に於ける表面層48の表面49と、上記Rzの中心線50との距離を言う。又、微小な凹凸のうちの30%以上の部分が上記表面層48に対するアンカとして機能するとは、上記厚さT48に対するRzの1/2(=Rz/2)の割合が30%以上である事を言う。例えば、上記Rzが100μmで、上記厚さT48が100μmの場合には、上記母材46の表面に存在する微小な凹凸のうちの50%が、上記表面層48に対するアンカとして機能する事になる。
【0028】
又、上述の様に、上記母材46の表面粗さを、上記表面層48に対して大きなアンカ効果を発揮し得る値に調整する為、上記母材46の表面にグリッドブラスト処理を施す。そして、この様なグリッドブラスト処理を行なう際に、グリッドを射出する為の圧力を高くしたり、或は大きなグリッドを使用する等により、上記母材46の表面粗さの値(Rz)を大きくする。
【0029】
上述の様に構成される本参考例の斜板式コンプレッサ用斜板は、上記母材46の表面と上記表面層48とが深く噛合するので、ボンド層47(図9)を省略しても、上記母材46と表面層48との密着性を確保できる。この為、この表面層48を母材46から剥離しにくくして、十分な耐久性を確保しつつ、ボンド層47を省略する事による製作費の低廉化を図れる。
【0030】
次に、図2〜4は、請求項1に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の場合には、鋳鉄である母材46の表面で、超高速フレーム溶射層である表面層48を形成する部分の表面に形成した多数の微小突起の形状を、斜板27の円周方向に亙り方向性を持たせている。即ち、上記母材46の表面に形成する微細な凹凸の断面形状を、例えばラチェット歯の如く、円周方向に関し非対称で一方向に傾斜した形状としている。
【0031】
この様な、円周方向に関し傾斜した断面形状を有する微小凹凸を形成した母材46の表面に上記表面層48を形成すると、これら母材46と表面層48とが、円周方向に亙る方向性を持って互いに噛合する。即ち、これら母材46と表面層48とは、互いの密着面同士の間に所定方向の力が働く場合には、この力に基づいて剥離しにくくなる。そこで、本例の斜板27を斜板式コンプレッサに組み付ける場合には、この斜板式コンプレッサの運転時に各スライディングシュー17(図7〜8)と上記表面層48との摺動に基づいてこの表面層48に加わる摩擦力が、この表面層48と上記母材46の表面とを互いに食い込ませる方向に作用する様にする。例えば、上記母材46の表面に図2に示した形状の微小凹凸を形成した場合には、上記スライディングシュー17に対して上記斜板27を、図2に矢印で示す様に、右方に変位させるべく、この斜板27を組み付ける。
【0032】
尚、上記母材46の表面に、上述の様な円周方向に関し傾斜した断面形状を有する微小凹凸を形成する作業は、図3〜4に示す様にして行う。即ち、この作業は、前述した参考例で母材46の表面に微小な凹凸を形成する場合と同様に、グリッドブラスト処理により行うが、被加工面である上記母材46の表面にグリッドを吹き付ける為のノズル51を、この母材46の表面の直交軸に対し任意の角度θ51分傾斜配置する。そして、このノズル51から母材46の表面に向けグリッドを射出しつつ、この母材46を回転させる。この母材46の回転方向は特に問わないが、図4に矢印で示す様に、表面に吹き付けられるグリッドに向かう方向に回転させれば、このグリッドの吹き付け力と斜板27の回転に基づく運動エネルギとが足されるので、効率の良い表面処理作業を行える。
【0033】
上述の様に造られて前述の様に構成される本例の斜板式コンプレッサ用斜板は、上記母材46の表面と上記表面層48とが、スライディングシュー27との摩擦に基づく力により互いに食い込む方向に噛合しているので、ボンド層47(図9)を省略しても、上記母材46と表面層48との密着性を確保できる。この為、この表面層48を母材46から剥離しにくくして、十分な耐久性を確保しつつ、ボンド層47を省略する事による製作費の低廉化を図れる。尚、本例の場合には、上記母材46の表面の粗さを、前述した参考例の場合程粗くする必要はないし、アンカ効果を発揮する範囲を30%以上とする必要もない(粗くしたり、30%以上としなくても、母材46と表面層48との密着性を確保できる)。但し、本例と参考例とを組み合わせて実施すれば、母材46から表面層48が剥離するのを防止する効果がより大きくなる事は明らかである。これに対して、母材46の表面粗さを小さく抑えれば、グリッドブラスト設備として、グリッド吹付エネルギの小さな吸引式のものを使用して、コスト削減を図れる。即ち、前述した参考例を実施するには、グリッド吹付エネルギの大きな直圧式のものを使用する必要があり、ノズル及びグリッドの寿命が短くなる。これに対して母材46の表面粗さを抑えれば、吹付エネルギの小さな吸引式のものを使用してノズル及びグリッドの寿命を長くし、これらの交換サイクルを長くして、コスト低減を図れる。
【0034】
次に、図5は、請求項2に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、母材46の表面で表面層48(図1〜2、9参照)を形成する部分に、斜板27の円周方向に関して互いに逆方向に傾斜した、それぞれ多数の微小突部を形成している。即ち、上記母材46の表面には、上記表面層48に対するアンカとして機能自在な、上記斜板27の円周方向に関して所定方向に傾斜した多数の微小突部52a、52aと、同じくこの所定方向とは逆方向に傾斜した多数の微小突部52b、52bとを形成している。
【0035】
この様な、それぞれ円周方向に関し互いに逆方向に傾斜した多数の微小突部52a、52bを形成した母材46の表面に上記表面層48を形成すると、これら母材46と表面層48とが、円周方向に亙る方向性を持たずに、互いに噛合する。即ち、これら母材46と表面層48とは、互いの密着面同士の間に面方向の力が働いても、何れかの微小突部52a、52a(又は52b、52b)と表面層48との噛合に基づき、剥離しにくくなる。
【0036】
尚、上記母材46の表面に、上述の様な円周方向に関し互いに逆方向に傾斜した多数の微小突部52a、52bを形成する作業は、図5に示す様に、被加工面である上記母材46の表面にグリッドを吹き付ける為のノズル51のこの母材46の表面に対する傾斜角度を絶えず変化させつつ行う。即ち、上記ノズル51を図5に矢印で示す様に揺動変位させつつ、このノズル51から母材46の表面に向けグリッドを射出しながら、この母材46を回転させる。
【0037】
上述の様に造られて前述の様に構成される本例の斜板式コンプレッサ用斜板は、上記母材46の表面と上記表面層48とが、スライディングシュー27との摩擦に基づく力により互いに噛合するので、ボンド層47(図9)を省略しても、上記母材46と表面層48との密着性を確保できる。この為、この表面層48を母材46から剥離しにくくして、十分な耐久性を確保しつつ、ボンド層47を省略する事による製作費の低廉化を図れる。特に、本例の場合には、斜板27の組み付けに関して方向性がないので、斜板式コンプレッサの使用方向が限定される事もない。尚、本例の場合も、前述した第1例の場合と同様に、上記母材46の表面の粗さを、前述した参考例の場合程粗くする必要はないし、アンカ効果を発揮する範囲を30%以上とする必要もない(粗くしたり、30%以上としなくても、母材46と表面層48との密着性を確保できる)。但し、本例と参考例とを組み合わせて実施すれば、母材46から表面層48が剥離するのを防止する効果がより大きくなる事は明らかである。これに対して、表面粗さを抑えれば、ノズル及びグリッドの交換サイクルを長くしてコスト低減を図れる事は、前述した第1例と同様である。
【0038】
【発明の効果】
本発明の対象となる斜板式コンプレッサ用斜板は、以上に述べた通り構成され作用するが、十分な耐久性を確保しつつボンド層を省略できるので、十分な信頼性及び耐久性を有し、しかも安価な斜板式コンプレッサの実現に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に関する参考例を示す、スライディングシューと摺接する斜板の表面部分の部分拡大断面図。
【図2】 本発明の実施の形態の第1例を示す、スライディングシューと摺接する斜板の表面部分の部分拡大断面図。
【図3】 第1例の構造を造る為、母材の表面を荒らす状態を示す模式図。
【図4】 同じく斜視図。
【図5】 本発明の実施の形態の第2例の構造を造る為、母材の表面を荒らす状態を示す模式図。
【図6】 自動車用空気調和装置を構成する蒸気圧縮式冷凍機の回路図。
【図7】 従来の可変容量型の斜板式コンプレッサを、吐出量を最大とした状態で示す断面図。
【図8】 同じく吐出量を最小とした状態で示す断面図。
【図9】 スライディングシューと摺接する、従来の斜板の表面部分の部分拡大断面図。
【符号の説明】
1 コンプレッサ
2 コンデンサ
3 リキッドタンク
4 膨張弁
5 エバポレータ
6 ケーシング
7 ケーシング本体
8 ヘッドケース
9 端板
10 低圧室
11 高圧室
12a 吸入ポート
12b 吐出ポート
13 駆動軸
14 シリンダ
15 隔壁板
16 ピストン
17 スライディングシュー
18 クランク室
19 スリーブ
19a 外径面
20 支持ブラケット
21 圧縮ばね
22a、22b ラジアルニードル軸受
23a、23b スラストころ軸受
24 調整ナット
25 段部
26 中心孔
27 斜板
27a 内径面
28 ストップリング
29 駆動腕
30 傾斜長孔
31 被駆動腕
32 ガイドピン
33 抱持部
34 連結腕部
35 球状凹面
36 ガイド面
37 吸入口
38 吐出口
39 吸入弁
40 吐出弁
41 圧力調整通路
42 ベローズ
43 流通孔
44 ニードル
45 圧力調整弁
46 母材
47 ボンド層
48 表面層
49 表面
50 中心線
51 ノズル
52a、52b 微小突部

Claims (2)

  1. 吸入ポート及び吐出ポートを有するケーシングと、このケーシング内に設けられて上記吸入ポートに通じる低圧室と、上記ケーシング内に設けられて上記吐出ポートに通じる高圧室と、上記ケーシング内に回転自在に支持された駆動軸と、上記ケーシングの内側でこの駆動軸の周囲部分に、それぞれがこの駆動軸と略平行に形成された複数のシリンダと、これら各シリンダの内側に軸方向に亙る変位自在に嵌装されたピストンと、上記駆動軸の中間部周囲に、この駆動軸に対し直交する面に対し傾斜させた状態で支持されてこの駆動軸と共に回転する斜板と、この斜板の表面と摺接して、上記駆動軸の回転に伴うこの斜板の上記駆動軸の軸方向に亙る変位を上記各ピストンに伝達するスライディングシューと、上記低圧室から上記各シリンダに向けてのみ冷媒蒸気を流す吸入弁と、上記各シリンダから上記高圧室に向けてのみ冷媒蒸気を流す吐出弁とを備えた斜板式コンプレッサに組み込まれる上記斜板で、高剛性を有する金属製の母材の表面で少なくとも上記スライディングシューと摺接する部分に、このスライディングシューを構成する金属とは異なる金属製の表面層を形成しており、上記斜板式コンプレッサの運転時に上記各スライディングシューとこの表面層との摺動に基づいてこの表面層に加わる摩擦力を、この表面層と上記母材の表面とを互いに食い込ませる方向に作用させるべく、この母材の表面でこの表面層を形成する部分に、上記斜板の円周方向に亙って方向性を持たせた多数の微小突部を形成している斜板式コンプレッサ用斜板の製造方法であって、上記母材の表面にグリッドを吹き付ける為のノズルを、この母材の表面の直交軸に対し任意の角度分だけ上記斜板の円周方向に傾斜して配置した状態で、上記ノズルから上記母材の表面に向けグリッドを射出させつつ、この母材を回転させる事により、この母材の表面に上記多数の微小突部を方向性を持たせた状態で形成する事を特徴とする斜板式コンプレッサ用斜板の製造方法。
  2. 吸入ポート及び吐出ポートを有するケーシングと、このケーシング内に設けられて上記吸入ポートに通じる低圧室と、上記ケーシング内に設けられて上記吐出ポートに通じる高圧室と、上記ケーシング内に回転自在に支持された駆動軸と、上記ケーシングの内側でこの駆動軸の周囲部分に、それぞれがこの駆動軸と略平行に形成された複数のシリンダと、これら各シリンダの内側に軸方向に亙る変位自在に嵌装されたピストンと、上記駆動軸の中間部周囲に、この駆動軸に対し直交する面に対し傾斜させた状態で支持されてこの駆動軸と共に回転する斜板と、この斜板の表面と摺接して、上記駆動軸の回転に伴うこの斜板の上記駆動軸の軸方向に亙る変位を上記各ピストンに伝達するスライディングシューと、上記低圧室から上記各シリンダに向けてのみ冷媒蒸気を流す吸入弁と、上記各シリンダから上記高圧室に向けてのみ冷媒蒸気を流す吐出弁とを備えた斜板式コンプレッサに組み込まれる上記斜板で、高剛性を有する金属製の母材の表面で少なくとも上記スライディングシューと摺接する部分に、このスライディングシューを構成する金属とは異なる金属製の表面層を形成しており、上記母材の表面でこの表面層を形成する部分に、それぞれがこの表面層に対するアンカとして機能自在な、上記斜板の円周方向に関して所定方向に傾斜した多数の微小突部と、同じくこの所定方向とは逆方向に傾斜した多数の微小突部とを形成している斜板式コンプレッサ用斜板の製造方法であって、上記母材の表面にグリッドを吹き付ける為のノズルを、この母材の表面の直交軸を挟んで上記斜板の円周方向に揺動変位させた状態で、このノズルからこの母材の表面に向けグリッドを射出させつつ、この母材を回転させる事により、この母材の表面に上記所定方向に傾斜した多数の微小突部と上記逆方向に傾斜した多数の微小突部とを形成する事を特徴とする斜板式コンプレッサ用斜板の製造方法。
JP00971197A 1997-01-22 1997-01-22 斜板式コンプレッサ用斜板の製造方法 Expired - Fee Related JP3948774B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00971197A JP3948774B2 (ja) 1997-01-22 1997-01-22 斜板式コンプレッサ用斜板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00971197A JP3948774B2 (ja) 1997-01-22 1997-01-22 斜板式コンプレッサ用斜板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10205437A JPH10205437A (ja) 1998-08-04
JP3948774B2 true JP3948774B2 (ja) 2007-07-25

Family

ID=11727847

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00971197A Expired - Fee Related JP3948774B2 (ja) 1997-01-22 1997-01-22 斜板式コンプレッサ用斜板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3948774B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4293295B2 (ja) * 1998-03-27 2009-07-08 大豊工業株式会社 斜板式コンプレッサーの斜板
JP4884135B2 (ja) * 2006-08-28 2012-02-29 日立建機株式会社 液圧回転機
JP5321943B2 (ja) * 2008-03-03 2013-10-23 Ntn株式会社 斜板式コンプレッサの斜板および斜板式コンプレッサ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10205437A (ja) 1998-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2004061306A1 (ja) 超臨界冷凍サイクル用の斜板式可変容量コンプレッサ
JP3948774B2 (ja) 斜板式コンプレッサ用斜板の製造方法
JP2001355570A (ja) ピストン式容量可変型圧縮機
CN111656012B (zh) 可变容量斜盘式压缩机
KR100382362B1 (ko) 가변용량 사판식 압축기
US6212995B1 (en) Variable-displacement inclined plate compressor
KR101597266B1 (ko) 용량 가변형 사판식 압축기
KR20120134859A (ko) 압축기
KR20170060583A (ko) 용량 가변형 경사판식 압축기
US20150275871A1 (en) Variable displacement swash plate type compressor
JP3615609B2 (ja) 斜板式コンプレッサ
CN112983821B (zh) 压缩机、制冷系统和制冷设备
JP4046409B2 (ja) 圧力制御弁のシール構造
JP2018096251A (ja) 圧縮機
JP2005105975A (ja) 圧縮機の弁構造
KR101793356B1 (ko) 용량 가변형 사판식 압축기
JP2001003858A (ja) 斜板式圧縮機
KR100734805B1 (ko) 가변용량 사판식 압축기
US20060222513A1 (en) Swash plate type variable displacement compressor
KR101452498B1 (ko) 압축기
KR100964532B1 (ko) 사판식 압축기
KR100715261B1 (ko) 가변 용량형 사판식 압축기
KR20110011802A (ko) 사판식 압축기용 사판 및 그 제조방법
US11073142B2 (en) Air-conditioner compressor for vehicle
JP2007218162A (ja) 往復動型流体機械

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070123

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070130

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070329

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070417

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070417

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100427

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees