JP3948208B2 - 画像処理装置および画像処理システム - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の給紙トレイを有する画像処埋装置、及びこの画像処理装置に対して印刷指示を行うクライアント装置を備えた画像処理システムに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来から、プリンタ等の画像処埋装置とコンピュータ端末等のクライアント装置とをネットワークを介して接続し、クライアント装置から画像処理装置に対して印刷指示を行うことができる画像処理システムが知られている。この種のシステムでは、画像処理装置で印刷を行うに際して、クライアント装置や画像処理装置で指定された条件に基づいて、印刷のための用紙選択が行われる。この用紙選択は、指定に一致するものを選択する機能（以下「ＡＰＳ」（Ａｕｔｏ Ｐａｐｅｒ Ｓｅｌｅｃｔｉｏｎ）という）と、一致するものがないときに近いものを選択する機能（以下「オーバライド」という）とに分けられる。
【０００３】
ＡＰＳおよびオーバライドに基づく用紙選択には、例えば、次のようなものがある。
（ａ）用紙サイズのほかに用紙紙質を指定するＡＰＳ。
（ｂ）画像処理システムが扱うことのできる用紙サイズのうち、一部のみを対象とするオーバライド。
（ｃ）指定の用紙サイズおよび／または用紙紙質を無視するオーバライド。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、用紙選択時に、上記（ａ）のように、用紙紙質を指定すると、その用紙紙質以外の用紙が選択されないため、用紙サイズの条件と組み合わせると一致するものが見つからないことが多い。給紙トレイは、カセットトレイと手差しトレイとに分けられ、前者の最大数は通常４、後者のそれは１である。手差しトレイは、通常、ＡＰＳおよびオーバライドの対象にならない。一方、用紙紙質を指定しないと、選択してほしくない用紙紙質がセットされている場合には、そのトレイが選択されてしまうという不都合が生ずる。
【０００５】
また、上記（ｂ）のような用紙選択を行うと、一部の用紙サイズのみが対象となるため、対象外の用紙サイズではオーバライドが機能しないという問題がある。さらに、上記（ｃ）のように、用紙サイズおよび／または用紙紙質を無視するオーバライドでは、指示者の許容範囲をこえた選択結果になることがあり、このような場合は用紙選択として適切とはいえない。
【０００６】
従って本発明の目的は、指示者が指定または許容する範囲の用紙に好適に印刷できる画像処理装置および画像処理システムを提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、用紙紙質の優先順位を記憶するための記憶手段と、クライアント装置から印刷情報を受信する印刷情報受付手段と、前記受信した印刷情報を解釈して印刷パラメータを特定するパラメータ解釈手段と、前記印刷パラメータと前記記憶手段から読み出した前記優先順位とに基づいて給紙トレイを決定する給紙トレイ決定手段とを備えた画像処理装置により、達成される。ここで、画像処理装置は、前記優先順位を設定するための設定手段をさらに備えることができる。また、前記用紙紙質の優先順位は、特定の用紙紙質の選択不可を含むようにすることができる。
【０００８】
また、上記目的は、オーバライドの条件を記憶するための記憶手段と、クライアント装置から印刷情報を受信する印刷情報受付手段と、前記受信した印刷情報を解釈して印刷パラメータを特定するパラメータ解釈手段と、前記印刷パラメータと前記記憶手段から読み出した前記オーバライドの条件とに基づいて給紙トレイを決定する給紙トレイ決定手段とを備えた画像処理装置により、達成される。ここで、画像処理装置は、前記オーバライドの条件を設定するための設定手段をさらに備えることができる。また、前記オーバライドの条件は、オーバライドしない、近い用紙サイズ（サイズ調整あり）、大きい用紙サイズ（サイズ調整なし）、近い用紙サイズ（サイズ調整なし）、および、大きい用紙サイズ（サイズ調整あり）のうちのいずれかとすることができる。
また、前記画像処理装置は、さらにクライアント装置から前記優先順位またはオーバライドの条件を設定するための設定受付手段を備えることができる。
【０００９】
また、本発明に係る画像処理システムは、用紙紙質の優先順位を記憶する画像処理装置と、前記画像処理装置とネットワークを介して接続されたクライアント装置とを備え、前記画像処理装置における用紙紙質の優先順位の設定を可能とするものである。さらに、本システムは、オーバライドの条件を記憶する画像処理装置と、前記画像処理装置とネットワークを介して接続されたクライアント装置とを備え、前記画像処理装置におけるオーバライドの条件の設定を可能とするものである。前記優先順位またはオーバライドの条件の設定は、前記画像処理装置の操作パネルにより行うことができ、あるいは前記クライアント装置からのリモート操作により行うことができる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
図１は、本発明に係る画像処理装置とそれに印刷指示を行うクライアント装置とを備えた画像処理システムの構成例を示す図である。図のように、プリンタ等の画像処理装置１が、ネットワーク２を介して、コンピュータ端末等のクライアント装置３、４に接続されている。
画像処埋装置１は複数の給紙トレイを有する。この給紙トレイは、例えば、表１に示すように４段トレイ構成とされる。
【００１１】
【表１】
【００１２】
本例では、表１に示すように、トレイ１にはＡ４／普通紙、トレイ２にはＡ４／ユーザ定義１、トレイ３にはＡ４／上質紙、トレイ４にはＡ３／再生紙が格納されている。
【００１３】
クライアント装置３、４は、ネットワーク２を介して画像処理装置１に必要に応じて印刷情報を出力する。画像処理装置１は、その印刷情報を受信して印刷処理を行う。この場合、クライアント装置から指示された用紙がトレイにないときは、画像処理装置１は、予め設定された用紙紙質の優先順位および／またはオーバライドの条件にしたがって所定の給紙トレイを選択し、その用紙に印刷を実行する。以下、これについて詳述する。
【００１４】
＜用紙紙質の優先順位とオーバライドの条件の設定およびその例＞
図２は、本発明に係る画像処理装置の一実施例を示すブロック構成図である。本装置は、図のように、用紙紙質の優先順位および／またはオーバライドの条件を記憶するための記憶手段２１と、この優先順位および／またはオーバライドの条件を操作パネルによりローカルで設定および参照するための設定／参照手段２２ａと、この優先順位および／またはオーバライドの条件をＷｅｂブラウザなどによりリモート操作で設定および参照するための設定／参照受付手段２２ｂと、クライアント装置からの印刷情報を受信するジョブ受付手段（印刷情報受付手段）２３と、受信した印刷情報を解釈して印刷パラメータを特定するパラメータ解釈手段２４と、印刷パラメータと前記記憶手段２１から読み出した優先順位および／またはオーバライドの条件とに基づいて給紙トレイを決定する給紙トレイ決定手段２５とを備える。ここで、記憶手段２１は、用紙紙質の優先順位格納部２１１、オーバライド条件格納部２１２、および、上記手順格納部２１３を有する。ここで上記手順とは、用紙紙質優先順位、オーバライド条件のパラメータをもとに給紙トレイを決定するアルゴリズム（プログラム）のことをいう。また、図２中の太線矢印は指示経路を示し、細線矢印はデータ（＋指示）経路を示す。
【００１５】
用紙紙質の優先順位とオーパライドの条件の設定は、例えば次のようにして行われる。設定指示および設定データは、ローカルの設定／参照手段２２ａまたはリモートの設定／参照受付手段２２ｂから入カされ、記憶手段２１の該当個所に設定される。
【００１６】
操作パネルを使う場合、次のような手順で設定される（オーバライドの条件は選択肢から１つを選ぶだけなので省略する）。まず、操作パネルのキーを適宜操作して、用紙紙質の優先順位を設定する画面を表示させる。すると、用紙紙質および設定されている優先順位が表示されるので、優先順位を変更する場合はキーを適宜操作して変更する。優先順位を表す値として数字しか使えない場合、選択不可を表す値は、例えば「０」とする。キーを適宜操作することで、別の用紙紙質およびその優先順位を表示させて、必要なだけ上記操作を繰り返すことにより、すべての用紙紙質の優先順位を所望の値に設定することができる。
【００１７】
クライアント装置上のＷｅｂブラウザを使う場合は、つぎのような手順で設定される。まず、Ｗｅｂブラウザに画像処理装置のＵＲＬを入カして画像処理装置にアクセスする。次に、Ｗｅｂページ内のハイパーリンクなどを適宜クリックして、用紙紙質の優先順位を設定するページを表示させる。すると、優先順位を設定できる全ての用紙紙質およびその優先順位の組のリストが表示されるので、優先順位を変更する場合は、所望のチェックボックスやラジオボタンをクリックし、あるいはセレクトメニューから所望の選択肢を選択することにより行うことができる。
【００１８】
この操作を繰り返して、上記用紙紙質の優先順位すべてを所望の値に設定する。設定が終了したら、登録ボタンをクリックすることで、Ｗｅｂブラウザ上で設定した内容を画像処理装置に反映させる。なお、手差しトレイがＡＰＳやオーバライドの対象トレイにはならず、また、手差しトレイでのみ給紙できる用紙紙質がある（たとえばＯＨＰフィルム）場合には、画像処理装置であつかえる用紙紙質のすべてに優先順位を設定するわけではない。
【００１９】
以上により、例えば、図３に示すような用紙紙質の優先順位が設定される。すなわち本例では、優先順位１は普通紙、優先順位２は再生紙、優先順位３は上質紙であり、ユーザ定義１〜Ｎは選択不可「×」とされる。
【００２０】
図４は、このような用紙紙質を考慮した自動用紙選択の手順の例を示す図である。図のように、装置が自動用紙選択の対象トレイになっており（ステップ４１）、故障しておらず（ステップ４２）、指定の用紙サイズの用紙がセットされており（ステップ４３）、各トレイに設定されている用紙紙質が選択不可ではなく（ステップ４４）、そして指定の付加機能（例えば、パンチやステープルなど）が可能な向きに用紙がセットされている（ステップ４５）ことを条件に、該当トレイが複数あるかどうかを判断する（ステップ４６）。その結果、該当トレイが複数ないときは、用紙の選択はそのトレイに決定される。一方、該当トレイが複数あるときは、用紙の選択は、用紙紙質の優先順位が高い（ステップ４７）ことを条件に、さらに該当トレイが複数あるかどうかを判断する（ステップ４８）。その結果、該当トレイが複数ないときは用紙の選択はそのトレイに決定される。また、該当トレイが複数あるときは、用紙の選択は、自動用紙選択時のトレイ優先順位が高い（ステップ４９）ことを条件として行われ、それによりトレイが決定される。ここで、ステップ４９は、自動用紙選択の対象トレイに対して、それらのあいだの優先順位を規定したものである。ここでは、同じ優先順位は許さない。
【００２１】
一方、オーバライドの条件は、次の選択肢のいずれかとなる。以下において、「近い」の尺度は面積とし、「大きい」の尺度は辺の長さとする（指定の用紙サイズを覆い尽くせれば「大きい」）。
▲１▼オーバライドしない（用紙補給メッセージをユーザインタフェース（ＵＩ）に表示する）。
▲２▼近い用紙サイズ（サイズ調整あり）
▲３▼大きい用紙サイズ（サイズ調整なし）
▲４▼近い用紙サイズ（サイズ調整なし）
▲５▼大きい用紙サイズ（サイズ調整あり）
本例では、オーバライドの条件として、例えば、上記▲２▼の「近い用紙サイズ（サイズ調整あり）」が設定される。
【００２２】
用紙紙質の優先順位とオーバライドの条件は、印刷指示のさいクライアント装置で指定可能としてもよい。この場合、選択肢は「画像処理装置で設定可能なもの」に、「画像処理装置の設定にしたがう」を追加する。クライアント装置で指定されないときは、画像処理装置の設定にしたがうものとする。
【００２３】
記憶手段２１に対して、設定および／または参照をクライアント装置のＷｅｂブラウザで行うには、画像処理装置に、ｈｔｔｐサーバ機能と、ｈｔｔｐプロトコル上の要求にしたがって画像処理装置が保持するデータを設定および／または参照する手段が必要となる。
【００２４】
＜トレイ指定しない印刷指示の例＞
次に、トレイ指定しない印刷指示の例を説明する。表２は、クライアント装置からの指示とその結果を表１および図３の設定例をもとに示すものである。
【００２５】
【表２】
【００２６】
表２に示すように、例えば、指定用紙サイズがＡ４の場合、選択結果トレイはトレイ１であり、ＡＰＳの処理で決定される。また、指定用紙サイズが８．５×１１の場合、選択結果トレイは同様にトレイ１であり、今度はＡＰＳで決定されないのでオーバライドの処理で決定される。
【００２７】
＜クライアント装置からの指示を受信したときの処理＞
画像処理装置がクライアント装置からの指示を受信したときの処理を、図２を参照しながら説明する。まず、ジョブ受付手段２３がジョブデータと各種パラメータを受信すると、各種パラメータがパラメータ解釈手段２４に伝達されてパラメータが特定される。給紙トレイ決定手段２５は、記憶手段２１に格納されている用紙紙質の優先順位および／またはオーバライドの条件を読み出して、これを上記特定のパラメータと比較してパラメータを決定し、これをもとに決められた手順で、ＡＰＳをおこなう。これで給紙トレイが決定しない場合、オーバライドをゆるす設定になっているときは、オーバライドをおこなう。クライアント装置での指示をより簡便にするため、グラフィカルＵＩなどの機能を追加することができる。
【００２８】
このように、用紙紙質については、１つに決めて選択するより、本発明のように優先順位をつける方が、ユーザの意図をより一層反映させることができ、かつ、該当トレイなしの可能性を小さくすることができる。
【００２９】
【発明の効果】
本発明によれば、指示者が指定または許容する範囲の用紙に好適に印刷できる画像処理装置および画像処理システムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る画像処理装置とそれに印刷指示を行うクライアント装置とを備えた画像処理システムの構成例を示す図である。
【図２】本発明に係る画像処理装置の一実施例を示すブロック構成図である。
【図３】用紙紙質の優先順位の設定例を示す図である。
【図４】用紙紙質を考慮した自動用紙選択の手順の例を示す図である。
【符号の説明】
１ 画像処理装置
２ ネットワーク
３、４ クライアント装置
２１ 記憶手段
２２ａ 設定／参照手段
２２ｂ 設定／参照受付手段
２３ ジョブ受付手段
２４ パラメータ解釈手段
２５ 給紙トレイ決定手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の給紙トレイを有する画像処埋装置、及びこの画像処理装置に対して印刷指示を行うクライアント装置を備えた画像処理システムに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来から、プリンタ等の画像処埋装置とコンピュータ端末等のクライアント装置とをネットワークを介して接続し、クライアント装置から画像処理装置に対して印刷指示を行うことができる画像処理システムが知られている。この種のシステムでは、画像処理装置で印刷を行うに際して、クライアント装置や画像処理装置で指定された条件に基づいて、印刷のための用紙選択が行われる。この用紙選択は、指定に一致するものを選択する機能（以下「ＡＰＳ」（Ａｕｔｏ Ｐａｐｅｒ Ｓｅｌｅｃｔｉｏｎ）という）と、一致するものがないときに近いものを選択する機能（以下「オーバライド」という）とに分けられる。
【０００３】
ＡＰＳおよびオーバライドに基づく用紙選択には、例えば、次のようなものがある。
（ａ）用紙サイズのほかに用紙紙質を指定するＡＰＳ。
（ｂ）画像処理システムが扱うことのできる用紙サイズのうち、一部のみを対象とするオーバライド。
（ｃ）指定の用紙サイズおよび／または用紙紙質を無視するオーバライド。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、用紙選択時に、上記（ａ）のように、用紙紙質を指定すると、その用紙紙質以外の用紙が選択されないため、用紙サイズの条件と組み合わせると一致するものが見つからないことが多い。給紙トレイは、カセットトレイと手差しトレイとに分けられ、前者の最大数は通常４、後者のそれは１である。手差しトレイは、通常、ＡＰＳおよびオーバライドの対象にならない。一方、用紙紙質を指定しないと、選択してほしくない用紙紙質がセットされている場合には、そのトレイが選択されてしまうという不都合が生ずる。
【０００５】
また、上記（ｂ）のような用紙選択を行うと、一部の用紙サイズのみが対象となるため、対象外の用紙サイズではオーバライドが機能しないという問題がある。さらに、上記（ｃ）のように、用紙サイズおよび／または用紙紙質を無視するオーバライドでは、指示者の許容範囲をこえた選択結果になることがあり、このような場合は用紙選択として適切とはいえない。
【０００６】
従って本発明の目的は、指示者が指定または許容する範囲の用紙に好適に印刷できる画像処理装置および画像処理システムを提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、用紙紙質の優先順位を記憶するための記憶手段と、クライアント装置から印刷情報を受信する印刷情報受付手段と、前記受信した印刷情報を解釈して印刷パラメータを特定するパラメータ解釈手段と、前記印刷パラメータと前記記憶手段から読み出した前記優先順位とに基づいて給紙トレイを決定する給紙トレイ決定手段とを備えた画像処理装置により、達成される。ここで、画像処理装置は、前記優先順位を設定するための設定手段をさらに備えることができる。また、前記用紙紙質の優先順位は、特定の用紙紙質の選択不可を含むようにすることができる。
【０００８】
また、上記目的は、オーバライドの条件を記憶するための記憶手段と、クライアント装置から印刷情報を受信する印刷情報受付手段と、前記受信した印刷情報を解釈して印刷パラメータを特定するパラメータ解釈手段と、前記印刷パラメータと前記記憶手段から読み出した前記オーバライドの条件とに基づいて給紙トレイを決定する給紙トレイ決定手段とを備えた画像処理装置により、達成される。ここで、画像処理装置は、前記オーバライドの条件を設定するための設定手段をさらに備えることができる。また、前記オーバライドの条件は、オーバライドしない、近い用紙サイズ（サイズ調整あり）、大きい用紙サイズ（サイズ調整なし）、近い用紙サイズ（サイズ調整なし）、および、大きい用紙サイズ（サイズ調整あり）のうちのいずれかとすることができる。
また、前記画像処理装置は、さらにクライアント装置から前記優先順位またはオーバライドの条件を設定するための設定受付手段を備えることができる。
【０００９】
また、本発明に係る画像処理システムは、用紙紙質の優先順位を記憶する画像処理装置と、前記画像処理装置とネットワークを介して接続されたクライアント装置とを備え、前記画像処理装置における用紙紙質の優先順位の設定を可能とするものである。さらに、本システムは、オーバライドの条件を記憶する画像処理装置と、前記画像処理装置とネットワークを介して接続されたクライアント装置とを備え、前記画像処理装置におけるオーバライドの条件の設定を可能とするものである。前記優先順位またはオーバライドの条件の設定は、前記画像処理装置の操作パネルにより行うことができ、あるいは前記クライアント装置からのリモート操作により行うことができる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
図１は、本発明に係る画像処理装置とそれに印刷指示を行うクライアント装置とを備えた画像処理システムの構成例を示す図である。図のように、プリンタ等の画像処理装置１が、ネットワーク２を介して、コンピュータ端末等のクライアント装置３、４に接続されている。
画像処埋装置１は複数の給紙トレイを有する。この給紙トレイは、例えば、表１に示すように４段トレイ構成とされる。
【００１１】
【表１】
本例では、表１に示すように、トレイ１にはＡ４／普通紙、トレイ２にはＡ４／ユーザ定義１、トレイ３にはＡ４／上質紙、トレイ４にはＡ３／再生紙が格納されている。
【００１３】
クライアント装置３、４は、ネットワーク２を介して画像処理装置１に必要に応じて印刷情報を出力する。画像処理装置１は、その印刷情報を受信して印刷処理を行う。この場合、クライアント装置から指示された用紙がトレイにないときは、画像処理装置１は、予め設定された用紙紙質の優先順位および／またはオーバライドの条件にしたがって所定の給紙トレイを選択し、その用紙に印刷を実行する。以下、これについて詳述する。
【００１４】
＜用紙紙質の優先順位とオーバライドの条件の設定およびその例＞
図２は、本発明に係る画像処理装置の一実施例を示すブロック構成図である。本装置は、図のように、用紙紙質の優先順位および／またはオーバライドの条件を記憶するための記憶手段２１と、この優先順位および／またはオーバライドの条件を操作パネルによりローカルで設定および参照するための設定／参照手段２２ａと、この優先順位および／またはオーバライドの条件をＷｅｂブラウザなどによりリモート操作で設定および参照するための設定／参照受付手段２２ｂと、クライアント装置からの印刷情報を受信するジョブ受付手段（印刷情報受付手段）２３と、受信した印刷情報を解釈して印刷パラメータを特定するパラメータ解釈手段２４と、印刷パラメータと前記記憶手段２１から読み出した優先順位および／またはオーバライドの条件とに基づいて給紙トレイを決定する給紙トレイ決定手段２５とを備える。ここで、記憶手段２１は、用紙紙質の優先順位格納部２１１、オーバライド条件格納部２１２、および、上記手順格納部２１３を有する。ここで上記手順とは、用紙紙質優先順位、オーバライド条件のパラメータをもとに給紙トレイを決定するアルゴリズム（プログラム）のことをいう。また、図２中の太線矢印は指示経路を示し、細線矢印はデータ（＋指示）経路を示す。
【００１５】
用紙紙質の優先順位とオーパライドの条件の設定は、例えば次のようにして行われる。設定指示および設定データは、ローカルの設定／参照手段２２ａまたはリモートの設定／参照受付手段２２ｂから入カされ、記憶手段２１の該当個所に設定される。
【００１６】
操作パネルを使う場合、次のような手順で設定される（オーバライドの条件は選択肢から１つを選ぶだけなので省略する）。まず、操作パネルのキーを適宜操作して、用紙紙質の優先順位を設定する画面を表示させる。すると、用紙紙質および設定されている優先順位が表示されるので、優先順位を変更する場合はキーを適宜操作して変更する。優先順位を表す値として数字しか使えない場合、選択不可を表す値は、例えば「０」とする。キーを適宜操作することで、別の用紙紙質およびその優先順位を表示させて、必要なだけ上記操作を繰り返すことにより、すべての用紙紙質の優先順位を所望の値に設定することができる。
【００１７】
クライアント装置上のＷｅｂブラウザを使う場合は、つぎのような手順で設定される。まず、Ｗｅｂブラウザに画像処理装置のＵＲＬを入カして画像処理装置にアクセスする。次に、Ｗｅｂページ内のハイパーリンクなどを適宜クリックして、用紙紙質の優先順位を設定するページを表示させる。すると、優先順位を設定できる全ての用紙紙質およびその優先順位の組のリストが表示されるので、優先順位を変更する場合は、所望のチェックボックスやラジオボタンをクリックし、あるいはセレクトメニューから所望の選択肢を選択することにより行うことができる。
【００１８】
この操作を繰り返して、上記用紙紙質の優先順位すべてを所望の値に設定する。設定が終了したら、登録ボタンをクリックすることで、Ｗｅｂブラウザ上で設定した内容を画像処理装置に反映させる。なお、手差しトレイがＡＰＳやオーバライドの対象トレイにはならず、また、手差しトレイでのみ給紙できる用紙紙質がある（たとえばＯＨＰフィルム）場合には、画像処理装置であつかえる用紙紙質のすべてに優先順位を設定するわけではない。
【００１９】
以上により、例えば、図３に示すような用紙紙質の優先順位が設定される。すなわち本例では、優先順位１は普通紙、優先順位２は再生紙、優先順位３は上質紙であり、ユーザ定義１〜Ｎは選択不可「×」とされる。
【００２０】
図４は、このような用紙紙質を考慮した自動用紙選択の手順の例を示す図である。図のように、装置が自動用紙選択の対象トレイになっており（ステップ４１）、故障しておらず（ステップ４２）、指定の用紙サイズの用紙がセットされており（ステップ４３）、各トレイに設定されている用紙紙質が選択不可ではなく（ステップ４４）、そして指定の付加機能（例えば、パンチやステープルなど）が可能な向きに用紙がセットされている（ステップ４５）ことを条件に、該当トレイが複数あるかどうかを判断する（ステップ４６）。その結果、該当トレイが複数ないときは、用紙の選択はそのトレイに決定される。一方、該当トレイが複数あるときは、用紙の選択は、用紙紙質の優先順位が高い（ステップ４７）ことを条件に、さらに該当トレイが複数あるかどうかを判断する（ステップ４８）。その結果、該当トレイが複数ないときは用紙の選択はそのトレイに決定される。また、該当トレイが複数あるときは、用紙の選択は、自動用紙選択時のトレイ優先順位が高い（ステップ４９）ことを条件として行われ、それによりトレイが決定される。ここで、ステップ４９は、自動用紙選択の対象トレイに対して、それらのあいだの優先順位を規定したものである。ここでは、同じ優先順位は許さない。
【００２１】
一方、オーバライドの条件は、次の選択肢のいずれかとなる。以下において、「近い」の尺度は面積とし、「大きい」の尺度は辺の長さとする（指定の用紙サイズを覆い尽くせれば「大きい」）。
▲１▼オーバライドしない（用紙補給メッセージをユーザインタフェース（ＵＩ）に表示する）。
▲２▼近い用紙サイズ（サイズ調整あり）
▲３▼大きい用紙サイズ（サイズ調整なし）
▲４▼近い用紙サイズ（サイズ調整なし）
▲５▼大きい用紙サイズ（サイズ調整あり）
本例では、オーバライドの条件として、例えば、上記▲２▼の「近い用紙サイズ（サイズ調整あり）」が設定される。
【００２２】
用紙紙質の優先順位とオーバライドの条件は、印刷指示のさいクライアント装置で指定可能としてもよい。この場合、選択肢は「画像処理装置で設定可能なもの」に、「画像処理装置の設定にしたがう」を追加する。クライアント装置で指定されないときは、画像処理装置の設定にしたがうものとする。
【００２３】
記憶手段２１に対して、設定および／または参照をクライアント装置のＷｅｂブラウザで行うには、画像処理装置に、ｈｔｔｐサーバ機能と、ｈｔｔｐプロトコル上の要求にしたがって画像処理装置が保持するデータを設定および／または参照する手段が必要となる。
【００２４】
＜トレイ指定しない印刷指示の例＞
次に、トレイ指定しない印刷指示の例を説明する。表２は、クライアント装置からの指示とその結果を表１および図３の設定例をもとに示すものである。
【００２５】
【表２】
表２に示すように、例えば、指定用紙サイズがＡ４の場合、選択結果トレイはトレイ１であり、ＡＰＳの処理で決定される。また、指定用紙サイズが８．５×１１の場合、選択結果トレイは同様にトレイ１であり、今度はＡＰＳで決定されないのでオーバライドの処理で決定される。
【００２７】
＜クライアント装置からの指示を受信したときの処理＞
画像処理装置がクライアント装置からの指示を受信したときの処理を、図２を参照しながら説明する。まず、ジョブ受付手段２３がジョブデータと各種パラメータを受信すると、各種パラメータがパラメータ解釈手段２４に伝達されてパラメータが特定される。給紙トレイ決定手段２５は、記憶手段２１に格納されている用紙紙質の優先順位および／またはオーバライドの条件を読み出して、これを上記特定のパラメータと比較してパラメータを決定し、これをもとに決められた手順で、ＡＰＳをおこなう。これで給紙トレイが決定しない場合、オーバライドをゆるす設定になっているときは、オーバライドをおこなう。クライアント装置での指示をより簡便にするため、グラフィカルＵＩなどの機能を追加することができる。
【００２８】
このように、用紙紙質については、１つに決めて選択するより、本発明のように優先順位をつける方が、ユーザの意図をより一層反映させることができ、かつ、該当トレイなしの可能性を小さくすることができる。
【００２９】
【発明の効果】
本発明によれば、指示者が指定または許容する範囲の用紙に好適に印刷できる画像処理装置および画像処理システムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る画像処理装置とそれに印刷指示を行うクライアント装置とを備えた画像処理システムの構成例を示す図である。
【図２】本発明に係る画像処理装置の一実施例を示すブロック構成図である。
【図３】用紙紙質の優先順位の設定例を示す図である。
【図４】用紙紙質を考慮した自動用紙選択の手順の例を示す図である。
【符号の説明】
１ 画像処理装置
２ ネットワーク
３、４ クライアント装置
２１ 記憶手段
２２ａ 設定／参照手段
２２ｂ 設定／参照受付手段
２３ ジョブ受付手段
２４ パラメータ解釈手段
２５ 給紙トレイ決定手段
Claims (11)
- 用紙紙質の優先順位を記憶するための記憶手段と、クライアント装置から印刷情報を受信する印刷情報受付手段と、前記受信した印刷情報と前記記憶手段から読み出した用紙紙質の優先順位とに基づいて給紙トレイを決定する給紙トレイ決定手段とを備え、前記給紙トレイ決定手段は、前記受信した印刷情報と前記記憶手段から読み出した用紙紙質の優先順位とに基づいて決定された給紙トレイが複数ある場合にさらに自動用紙選択時のトレイ優先順位に基づいて給紙トレイを決定することを特徴とする画像処理装置。
- 用紙紙質の優先順位を記憶するための記憶手段と、前記優先順位を設定するための設定手段と、クライアント装置から印刷情報を受信する印刷情報受付手段と、前記受信した印刷情報と前記記憶手段から読み出した用紙紙質の優先順位とに基づいて給紙トレイを決定する給紙トレイ決定手段とを備え、前記給紙トレイ決定手段は、前記受信した印刷情報と前記記憶手段から読み出した用紙紙質の優先順位とに基づいて決定された給紙トレイが複数ある場合にさらに自動用紙選択時のトレイ優先順位に基づいて給紙トレイを決定することを特徴とする画像処理装置。
- 前記用紙紙質の優先順位が、特定の用紙紙質の選択不可を含むことを特徴とする請求項１または２記載の画像処理装置。
- 選択肢から１つを選ぶオーバライドの条件を記憶するための記憶手段と、クライアント装置から印刷情報を受信する印刷情報受付手段と、前記受信した印刷情報と前記記憶手段から読み出した前記オーバライドの条件とに基づいて給紙トレイを決定する給紙トレイ決定手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
- 選択肢から１つを選ぶオーバライドの条件を記憶するための記憶手段と、前記オーバライドの条件を設定するための設定手段と、クライアント装置から印刷情報を受信する印刷情報受付手段と、前記受信した印刷情報と前記記憶手段から読み出した前記オーバライドの条件とに基づいて給紙トレイを決定する給紙トレイ決定手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
- 前記オーバライドの条件が、オーバライドしない、近い用紙サイズ（サイズ調整あり）、大きい用紙サイズ（サイズ調整なし）、近い用紙サイズ（サイズ調整なし）、および、大きい用紙サイズ（サイズ調整あり）のうちのいずれかであることを特徴とする請求項４または５記載の画像処理装置。
- クライアント装置から前記優先順位またはオーバライドの条件を設定するための設定受付手段を備えたことを特徴とする請求項１〜６のいずれかに記載の画像処理装置。
- 用紙紙質の優先順位を記憶し、印刷情報と前記記憶した用紙紙質の優先順位とに基づいて給紙トレイを決定するものであって前記印刷情報と前記記憶した用紙紙質の優先順位とに基づいて決定された給紙トレイが複数ある場合にさらに自動用紙選択時のトレイ優先順位に基づいて給紙トレイを決定する画像処理装置と、前記画像処理装置とネットワークを介して接続され、前記画像処理装置に前記印刷情報を出力するクライアント装置とを備え、前記画像処理装置における用紙紙質の優先順位の設定を可能としたことを特徴とする画像処理システム。
- 選択肢から１つを選ぶオーバライドの条件を記憶し、印刷情報と前記記憶したオーバライドの条件とに基づいて給紙トレイを決定する画像処理装置と、前記画像処理装置とネットワークを介して接続され、前記画像処理装置に前記印刷情報を出力するクライアント装置とを備え、前記画像処理装置におけるオーバライドの条件の設定を可能としたことを特徴とする画像処理システム。
- 前記優先順位またはオーバライドの条件の設定が、前記画像処理装置の操作パネルにより行われることを特徴とする請求項８または９記載の画像処理システム。
- 前記優先順位またはオーバライドの条件の設定が、前記クライアント装置からのリモート操作により行われることを特徴とする請求項８または９記載の画像処理システム。
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