JP3948118B2 - 蛇口直結型浄水器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛇口管部の先端が外径の大きい拡径部である丸形蛇口に取水口を接続させるための蛇口接続部を備えた蛇口直結型浄水器に関する。
【0002】
【従来の技術】
上水道等から供給される原水を浄化する方法として、たとえば、上水道等の蛇口に浄水器を取り付けて原水の浄化を図る。取り付ける浄水器は様々なタイプのものがあるが、原水を供給する蛇口にナットを介して浄水器本体を取り付ける、蛇口直結型浄水器が多く用いられている。
【0003】
浄水器が取り付けられる蛇口は、先端部が円周方向に膨らんでいる場合(以下、これを丸型蛇口という)が多く、そのため蛇口直結型浄水器は、図1に示すように、内径が丸型蛇口13の外径とほぼ同等の大きさになっている固定用リング1を丸型蛇口13の拡径部14の上に装着し、この固定用リング1を挟む形でナット15を浄水器本体17に締結する。ナット15を締結することにより、ゴムパッキン16を丸型蛇口13の先端に密着させ、浄水器本体17を丸型蛇口13に水密的に固定する。
【0004】
固定用リング1は、その内径と同等の外径を有し、かつ、円周方向に膨らんだ拡径部14を先端部に有する丸型蛇口に取り付けるために、図2に示すように、開環部2と内周面に設けられた切欠部を有している。この固定用リングを、その開環部2を手で拡げて内径を大きくした状態で、丸型蛇口先端の拡径部14を通過させる。この操作を容易にするために、固定用リング1は柔らかい材質を用いたり、切欠部を深く形成する。
【0005】
しかし、柔らかい材質を用いた場合、取り付けた浄水器本体17に鍋を当てたような小さな衝撃だけで固定用リングが変形し、浄水器本体17が外れてしまうことがある。また、切欠部を図3に示すように深く形成すると、拡げた際に切欠部先端4に応力が集中し、塑性変形を起こし元の形状にもどらなくなる。図4のように切欠幅を広くすると、応力が集中することを避けることができるが、固定用リングの内周面と丸型蛇口の接触面積が少なくなり、やはり、小さな衝撃だけで浄水器本体17が外れてしまったりする。そして、応力集中を小さくするため図5のように切欠深さを浅くすることもできるが、浅すぎると固定用リングを拡げることが困難になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、蛇口直結型浄水器の取水口を丸型蛇口の先端へ容易かつ強固に取り付け固定することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明の蛇口直結型浄水器は、蛇口管部の先端が外径の大きい拡径部である丸形蛇口に取水口を接続させるための蛇口接続部を備えた蛇口直結型浄水器において、蛇口接続部は、蛇口先端に密着されるパッキン、拡径部とパッキンとに外嵌される固定用リング、及び、固定用リングとパッキンと取水口とを継合固定させるナットからなること、前記固定用リングは、開環部を有するリング状であって、拡幅部を有する切欠部が内周面側に2個以上設けられ、内周面には逆階段状に、小径部、中径部及び大径部が順次形成され、かつ、外周面の下部側に大径の鍔部が設けられた形状であり、小径部、中径部及び大径部はそれぞれ、蛇口管部、拡径部およびパッキンに外嵌されること、及び、前記ナットは上部側が内側に突出した突縁部をなす形状であり、突縁部は固定用リングの鍔部の上に嵌合されることを特徴とするものである。
【0008】
ここで、固定用リングの切欠部における拡幅部が丸みを帯びていることが好ましい。また、プラスチック製固定用リングであることも好ましい。
【0009】
【0010】
【発明の実施の形態】
図6に示す本発明の固定用リングは、開環部2と2つの切欠部3と固定用リングの軸方向に、かつ、内周を三等分する位置に形成されている。そして、切欠部3の外周側先端には、幅方向に拡幅された拡幅部8が設けられている。
【0011】
また、本発明の固定用リングは、丸型蛇口先端に蛇口直結型浄水器を強固に固定するため、図1や図7に示すように、内周面には逆階段状に、小径部、中径部及び大径部が順次形成されていて、小径部、中径部及び大径部はそれぞれ、蛇口管部、拡径部およびパッキンに外嵌される。即ち、蛇口の管状部外径と同じ大きさの内径を有する小径部9と、蛇口先端の径方向に拡径された部分の最大外径より少し大きな内径を有する中径部10と、中径部よりさらに大きな内径を有する大径部11とが形成されている。また、ナット15が係合して丸型蛇口先端をゴムパッキン16に押し付けるよう浄水器を取り付けることができるように、外周面の下部側には外方に突出する鍔部12が設けられている。
【0012】
本発明において、切欠部7が設けられていることによって、固定用リングの開環部を容易に押し広げることができる。また、この切欠部7は、固定用リングの内周面に設けられている。
【0013】
切欠部7の幅は、固定用リングの内周面と丸型蛇口の接触面積を十分に確保し、衝撃にも耐えて浄水器が蛇口に強固に固定されるように、小径部円周の1〜10%の範囲にあることが好ましい。蛇口外径が16〜19mmの場合、1〜3mmの範囲である。そして、小径部9の内周面から切欠部外周側先端までの深さは、固定用リングの拡げやすさと強度の点から、固定用リングの内周面から外周面までの距離の40%以上、かつ、大径部11までの範囲で設けるのが好ましい。
【0014】
また、本発明の固定用リングは、切欠部7先端に形成された拡幅部8によって、従来の拡幅部のない固定用リングにくらべ、同じ力で押し拡げても応力集中を回避することができる。この拡幅部8の形状は、無理に拡げすぎたときに応力が集中せず弾性変形するように、鋭角を設けない形状、たとえば図8〜11に示す円形状や楕円形状など、丸みをおびた形状であることが好ましい。
【0015】
本発明において、押し拡げ易さの観点から、このような拡幅部8を有する切欠部3が少なくとも2個形成されている。さらには、2〜20個の切欠部を有することが好ましい。
【0016】
本発明の固定用リングは、取り付けられた浄水器本体に鍋などをあてたときの衝撃などに耐えられるように、ポリオレフィン、たとえばポリアセタール、ABSなどのプラスチック製であることが好ましい。
【0017】
このような本発明の固定用リングを用いて浄水器を取り付ける際には、ナット15を丸型蛇口13に通しておき、固定用リング5の開環部6を押し広げて内径を拡径させた状態で丸型蛇口13の先端部外側に取り付ける。そして、浄水器本体17に取り付けられたゴムパッキン16の上面に丸型蛇口13の底面を当接させ、丸型蛇口13に通しておいたナット15を固定用リング5の鍔部12に係合させた状態で浄水器本体17に締め付けることにより、丸型蛇口13に浄水器本体17を固定することができる。
【0018】
切欠部先端に幅方向に拡幅された拡幅部8を有する本発明の固定用リング5によって、塑性変形を防ぎつつ容易に押し広げることができ、浄水器を丸型蛇口13へ容易かつ強固に取り付け固定することができる。
【0019】
【発明の効果】
本発明の蛇口直結型浄水器で用いている固定用リングは、開環部と拡幅部を有する切欠部とが設けられているので、塑性変形を防ぎつつ容易に押し広げることができ、浄水器を丸型蛇口13へ容易かつ強固に取り付け固定することができる。
【0020】
そして、このような切欠部を少なくとも2個形成しているので、1カ所の切欠部にかかる応力が低くなり、塑性変形のおこりにくい固定用リングである。拡幅部が丸みを帯びている場合は、応力が集中することをさらに防ぐことができる。また、プラスチックでこの固定用リングを形成することで、衝撃に強くなり、さらに強固に浄水器などを固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】浄水器を丸型蛇口に取り付けた際の概略縦断面図である。
【図2】従来の固定用リングの一実施態様を示す概略平面図である。
【図3】従来の固定用リングの一実施態様を示す概略平面図である。
【図4】従来の固定用リングの一実施態様を示す概略平面図である。
【図5】従来の固定用リングの一実施態様を示す概略平面図である。
【図6】本発明の固定用リングの一実施態様を示す概略平面図である。
【図7】本発明の固定用リングの一実施態様を示す概略縦断面図である。
【図8】本発明の固定用リングの一実施態様を示す概略平面図である。
【図9】本発明の固定用リングの一実施態様を示す概略平面図である。
【図10】本発明の固定用リングの一実施態様を示す概略平面図である。
【図11】本発明の固定用リングの一実施態様を示す概略平面図である。
【符号の説明】
1 : 固定用リング
2 : 開環部
3 : 切欠部
4 : 切欠部先端
8 : 拡幅部
9 : 小径部
10 : 中径部
11 : 大径部
12 : 鍔部
13 : 丸型蛇口
14 : 拡径部
15 : ナット
16 : ゴムパッキン
17 : 浄水器本体
Claims (3)
- 蛇口管部の先端が外径の大きい拡径部である丸形蛇口に取水口を接続させるための蛇口接続部を備えた蛇口直結型浄水器において、蛇口接続部は、蛇口先端に密着されるパッキン、拡径部とパッキンとに外嵌される固定用リング、及び、固定用リングとパッキンと取水口とを継合固定させるナットからなること、前記固定用リングは、開環部を有するリング状であって、拡幅部を有する切欠部が内周面側に2個以上設けられ、内周面には逆階段状に、小径部、中径部及び大径部が順次形成され、かつ、外周面の下部側に大径の鍔部が設けられた形状であり、小径部、中径部及び大径部はそれぞれ、蛇口管部、拡径部およびパッキンに外嵌されること、及び、前記ナットは上部側が内側に突出した突縁部をなす形状であり、突縁部は固定用リングの鍔部の上に嵌合されることを特徴とする蛇口直結型浄水器。
- 固定用リングの切欠部における拡幅部が丸みを帯びている、請求項1記載の蛇口直結型浄水器。
- プラスチック製固定用リングである、請求項1又は2に記載の蛇口直結型浄水器。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP14094098A JP3948118B2 (ja) | 1998-05-22 | 1998-05-22 | 蛇口直結型浄水器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP14094098A JP3948118B2 (ja) | 1998-05-22 | 1998-05-22 | 蛇口直結型浄水器 |
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JPH11333448A JPH11333448A (ja) | 1999-12-07 |
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Family
ID=15280363
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14094098A Expired - Fee Related JP3948118B2 (ja) | 1998-05-22 | 1998-05-22 | 蛇口直結型浄水器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3948118B2 (ja) |
-
1998
- 1998-05-22 JP JP14094098A patent/JP3948118B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11333448A (ja) | 1999-12-07 |
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