JP3948115B2 - コークス乾式消火設備の蒸気タービン運転方法 - Google Patents

コークス乾式消火設備の蒸気タービン運転方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、製鉄所のコークス製造工程においてコークスを冷却する設備である、コークス乾式消火設備(所謂CDQ)に設けられた発電用蒸気タービンの運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、省エネルギー及び環境対策を目的として、製鉄所のコークス工場で赤熱コークスを冷却する設備として、冷却塔の上部から赤熱コークスを装入し、その下部から冷却された循環ガスを吹込んで赤熱コークスを冷却し、循環ガスと赤熱コークスとの熱交換により高温となった循環ガスを廃熱ボイラーに導き、ここで蒸気を発生させて熱回収を行なう、所謂コークス乾式消火設備(CDQ)が実用化されている。このコークス乾式消火設備で発生した蒸気は、蒸気タービンで電力に、又は高炉の送風機等の動力に変換されている。
【0003】
図4に、コークス乾式消火設備及びその付帯設備例の概念図を示す。同図において、2はコークス乾式消火設備、4は廃熱ボイラー、6は蒸気タービン、そして7は発電機である。コークス乾式消火設備を中心とした設備の運転方法は次の通りである。
【0004】
コークス炉(図示せず)から窯だしされた赤熱コークス20は、所定のバケット22に収容され、巻き上げ機1によりコークス乾式消火設備2の上部に搬送され、冷却塔30の上部装入口2aから冷却塔30に装入される。一方、循環ファン3により吸引された低温の循環ガス21は、冷却塔30の下部からその内部に導入され、上部から下降しつつある赤熱コークス20を冷却すると共に、赤熱コークス20の顕熱により高温に加熱された循環ガス211は、冷却塔30の上部から廃熱ボイラー4に導かれる。高温の循環ガスは廃熱ボイラー4において蒸気を発生させると共に冷却され、再び循環ファン3に戻る。一方、廃熱ボイラー4で発生した蒸気は、主蒸気管5を通って蒸気タービン6に入り、蒸気タービン6を回してこれに連結された発電機7により電気に変換される。蒸気タービン6から排出された蒸気は復水器11にて復水された後、再び廃熱ボイラー4に供給される。
【0005】
上記コークス乾式消火設備2で発生する蒸気は、冷却塔30に装入される赤熱コークスの装入量によって直接の影響を受ける。特に、赤熱コークス20の冷却塔30への装入が、コークス炉からのコークスの排出作業、即ち窯出しの制約条件により減少したり、あるいは停止したりする場合には、上記循環ガス211の温度が低下し、廃熱ボイラー4での蒸気発生量が減少する。
【0006】
一方、廃熱ボイラー4及び蒸気タービン6での蒸気圧力及び蒸気温度の従来の制御方法を下記フロー図により説明する。
図5は、廃熱ボイラー4で発生した蒸気が主蒸気管5を通って蒸気タービン6に入り、次いで復水器11で冷却されて復水タンク15に戻るフローにおいて、蒸気タービン6へ供給する蒸気圧力を調節するための蒸気タービン入口前の蒸気加減弁8を示す概略フロー図、並びに、蒸気が主蒸気管5から蒸気タービン4を迂回してタービンバイパス減圧減温弁10を経由し、復水器11又はプロセス蒸気ラインに導かれるタービンバイパス9を示す概略フロー図である。
【0007】
蒸気圧力に関しては、蒸気タービン6への蒸気の呑み込み量を制御している加減弁8は、加減弁8前の圧力を一定になるようにガバナー12により制御している。また、その結果廃熱ボイラーの蒸気圧力も一定に保持される。
【0008】
蒸気温度に関しては、廃熱ボイラー4の過熱器4aに減温水を供給することにより、廃熱ボイラー4の出口における蒸気温度を一定に制御している。
【0009】
ところが、上述したように、冷却塔30への赤熱コークス20の装入量が減少すると、循環ガス211の温度が低下し、そのため廃熱ボイラー4の過熱器4aへの減温水がほぼ0(零)にまで減少し、蒸気温度は低下する。同時に廃熱ボイラー4での蒸気発生量も低下する。その結果、蒸気タービン6の性能に基づく運転可能範囲から外れ、蒸気タービン4を停止させ、しかも、タービンバイパス9を通して発生蒸気を復水器11に導くか、プロセス蒸気ラインへ導くかしなければならない。また、蒸気タービン6を停止させた場合には、この再度立ち上げのためには蒸気温度及び蒸気圧力が規定値まで回復しなければならない。その結果、発電再開までに数時間を要する。
【0010】
上記問題に関連して、例えば、特開平2−24391号公報には、コークス乾式消火設備において、冷却塔からのコークス排出速度に応じて自動的に、冷却塔及び廃熱ボイラーの熱収支を計算し、得られた目標蒸気量に基づき冷却用循環ガス量を制御することにより、回収熱量を安定させ、且つ熱回収効率の向上及び蒸気発生量の安定化を図る技術を開示している(以下、「先行技術1」という)。
【0011】
また、火力発電所においては、電力の需要に対する効率的な発電設備の運転方法として、蒸気タービンへの供給蒸気圧力の最適値として求められた効率曲線上の通常運転点を外れると発電効率が低下するため、部分負荷時の効率アップのために、上記供給蒸気圧力を下げることにより蒸気タービンの運転を継続し、発電を継続するという方法を採用している(以下、「先行技術2」という)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述した先行技術には、下記の問題点がある。
先行技術1では、コークス乾式消火設備における回収熱量の安定化、熱回収効率の向上及び蒸気発生量の安定化という効果は発揮される。しかしながら、蒸気タービンによる発電による電力供給までの安定化を達成することができるか否かという観点からは問題が残る。
【0013】
一方、先行技術2で解決された課題と本発明が解決しようとする課題との間には下記相違点がある。コークス乾式消火設備においても、蒸気タービンへの供給蒸気による運転による発電である点においては先行技術2における設備と同じである。しかしながら、先行技術2においては、燃料炊きのボイラーを対象としているので、その燃焼量の調整により、上述した通り発電機の性能仕様範囲を満たすように条件を調整し得るので、発電を継続することは可能である。これに対して、コークス乾式消火設備においては、ボイラーは燃料炊きではなく廃熱ボイラーであるため、蒸気発生は赤熱コークスの装入量に全面的に依存している。従って、先行技術2の方法を本発明の問題解決に適用することは困難であり、特に、赤熱コークスのコークス乾式消火設備への供給が停止した場合においては、先行技術2の方法を適用することは不可能となる。
【0014】
従って、この発明の目的は、コークス乾式消火設備の廃熱ボイラーによる蒸気タービンへの供給蒸気圧力の変化を前提とした制御方式の採用により、当該蒸気タービン運転の下限能力範囲の拡大をし、特に、コークス乾式消火設備への赤熱コークスの供給が一次的に停止した場合でも、発電継続が可能となる廃熱ボイラーによる蒸気タービンの運転方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上述した観点から、コークス乾式消火設備のタービン運転方法を開発すべく鋭意研究を重ねた。その結果、赤熱コークスの供給が一次的に停止した場合でも、廃熱ボイラーでの発生蒸気量と蒸気タービンに供給する蒸気の温度とに適切な下限値を設定し、蒸気発生量及び蒸気温度がこれらの設定値を下回った時点で、蒸気タービンへ供給する蒸気圧力の設定値を小さくすることにより、発電を継続し得る条件があり得ることを知見した。
【0016】
この発明は上記知見に基づきなされたものであり、その要旨は次の通りである。
請求項1記載のコークス乾式消火設備のタービン運転方法は、冷却塔の上部から底部に移動する赤熱コークスの移動層に、循環ガスを前記赤熱コークスの移動方向に対して向流方向に導入し、前記循環ガスにより前記赤熱コークスを冷却すると共に、前記赤熱コークスにより加熱された前記循環ガスを廃熱ボイラーに導入し、前記廃熱ボイラーにおいて前記赤熱コークスの顕熱を蒸気として回収し、前記蒸気をタービンに導いて前記タービンにより前記蒸気を電力に変換し、前記廃熱ボイラーにおける蒸気の発生量及び前記蒸気の温度が設定範囲内の値である場合には、前記蒸気タービンに導入される蒸気圧力を初期設定値p0 に保持する制御を行ない、前記廃熱ボイラーにおける蒸気の発生量及び前記蒸気の温度が前記設定範囲内の値未満に低下した場合には、前記蒸気タービンに導入される前記蒸気圧力を、前記初期設定値p0 未満であって前記設定値p0 よりも低い他の設定値pmin 以上に維持する制御を行なうことにより、前記蒸気タービンの運転を停止させない、コークス乾式消火設備の蒸気タービン運転方法において、前記蒸気タービンに導入される前記蒸気圧力を前記初期設定値p 0 未満、前記他の設定値p min 以上に維持している制御期間中、現時点における前記蒸気タービン入口における前記蒸気圧力に応じて発生する蒸気量の最大値を表示装置に表示し、当該蒸気発生量の最大値に応じて前記蒸気タービンに供給する蒸気量を補正することに特徴を有するものである。
【0017】
請求項2記載のコークス乾式消火設備のタービン運転方法は、請求項1記載の発明において、蒸気タービンに導入される蒸気圧力を初期設定値p0 未満、他の設定値pmin 以上に維持する制御方法として、廃熱ボイラーで発生した蒸気が蒸気タービンを迂回するためのバイパスを設け、こうして設けられたタービンバイパスにおける蒸気圧力の設定値を、初期設定値p0 未満、他の設定値pmin 以上の間にある現時点における蒸気タービン入口における蒸気圧力pa よりも所定値だけ高い蒸気圧力に自動的に設定することにより行なうことに特徴を有するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、この発明を、図面を参照しながら説明する。
図1は、この発明の一つの実施形態を示す概略説明図である。同図は、図5に示した、従来のコークス乾式消火設備において蒸気タービンに供給される蒸気の復水タンクに至るフロー、及び、その蒸気のタービンバイパスの系について説明するフロー図に対して、蒸気加減弁8を制御するガバナー12に「変圧モード」を設定するためのシーケンサー13を新たに設けた図である。ここで、変圧モードとは、従来の、蒸気タービン前蒸気圧力を一定値に制御するモードに対して、下記の通り、廃熱ボイラーでの蒸気発生量及び蒸気タービン前蒸気温度に応じて蒸気タービンに導入される蒸気圧力を所定の圧力以上の範囲内の適切な値に変更する制御モードをいう。即ち、廃熱ボイラーにおける蒸気の発生量及びその蒸気の温度が設定範囲内の値である場合には、蒸気タービンに導入される蒸気圧力を初期設定値p0 に保持する制御を行なう。ところが、廃熱ボイラーにおける蒸気の発生量及びその蒸気の温度が上記設定範囲内の値未満に低下した場合には、蒸気タービンに導入される蒸気圧力を、その初期設定圧力値p0 未満であってその設定圧力値p0 よりも低い他の設定値pmin 以上の適切な蒸気圧力値pval に維持する制御を行なうことを指すモードを意味する。
【0020】
従って、赤熱コークスの冷却塔への装入量が停止された場合には、上述した通りの変圧モードで制御すべき条件になった場合に、蒸気タービン前蒸気圧力の設定値を、初期設定値よりも下げた値での一定値制御をする。こうすることにより、蒸気タービンの性能仕様範囲内での運転が可能となり、電力は定格電力よりも小さくなるが、発電を継続することが可能となる。但し、この場合の蒸気圧力の設定値は、個々の蒸気タービン固有の性能に依存して定めるべきである。
【0021】
そして、蒸気タービン前蒸気圧力の設定値を、初期設定値p0 よりも下げた値での一定値制御をする具体的な方法として、タービンバイパスにおける蒸気圧力の設定値を、現在時点におけるタービン前蒸気圧力pa よりも所定値Δpだけ高い蒸気圧力pa +Δpに自動的に設定することにより行なうことが望ましい。ここで、所定値Δpの値は、個々のボイラー及びタービン固有の容量・性能に依存して定めるべきであるが、例えば、タービン前蒸気圧力の初期設定値p0 が80kg/cm2 程度、現在時点におけるタービン前蒸気圧力pa が60kg/cm2 程度の場合には、所定値Δpとしては、1kg/cm2 程度であれば十分である。
【0022】
次に、蒸気タービン6が何らかの理由により停止した場合等のために、タービンバイパス9が設置されている。このような場合、通常は廃熱ボイラーで発生した蒸気は、安全にタービンバイパス装置によりプロセス蒸気ライン又は復水器11に導かれる。また、通常運転時(上記変圧モード運転ではなく、初期設定値p0 を維持する運転時を指す)には、タービンバイパスの蒸気圧力は、蒸気タービン6の前圧より若干高い値、例えば、1kg/cm2 程度高い値に設定しておく。
【0023】
もし、蒸気タービンの変圧モード運転時に、タービンバイパス9の蒸気圧力設定値を適切な値に低下させておかないと、何らかの理由により蒸気タービン6が停止した場合には、蒸気加減弁8が全閉となり廃熱ボイラー4の出口蒸気圧力は短時間で上昇するため、廃熱ボイラー4の蒸気温度が異常に高くなったり、あるいはドラム17水位が異常に上がったりした場合には、蒸気タービン6のみならず廃熱ボイラー4も停止する。そして、コークス乾式消火設備全体が停止する恐れがある。そこで、通常運転時と同様、変圧運転時においても、タービンバイパス9の蒸気圧力設定値を適切な値に低下させておかなければならない。上記適切な蒸気圧力設定値とは、変圧運転の現時点における蒸気タービン6の前圧より若干高い値を指す。
【0024】
上記理由により、この発明においては通常運転から変圧モード運転に切り替わった場合に、自動的にタービンバイパス9の蒸気圧力設定値が変圧運転の現時点における蒸気タービン6の前圧より若干高い値に設定されるように制御する。
【0025】
更に、この発明においては、変圧モード運転時の蒸気タービン前の蒸気圧力及びその温度に応じた、蒸気タービンノズル通路面積、排気湿り度に基づく蒸気タービン6の保護基準の遵守操作をするために、廃熱ボイラー4での最大蒸気発生量をオンタイムで表示する。
【0026】
【実施例】
次に、この発明を、実施例によって更に詳細に説明する。
図4に示したコークス乾式消火設備と廃熱ボイラー及び蒸気タービン等とを主体とする設備において、図1に示した蒸気タービン入口前での蒸気圧力の制御及びタービンバイパスでの蒸気圧力の制御フローにより、赤熱コークスの冷却塔への供給が停止した場合に、本発明のタービン運転方法を実施した。この設備の発電機出力は30.6MWである。
【0027】
通常運転時の状態は、蒸気タービン入口前での蒸気圧力が、設備定格の82kg/cm2 、その温度が514℃、蒸気ボイラーでの水蒸発量が102t/hrrであった。ところが、赤熱コークスの供給が停止したために、蒸気温度及び蒸発量が低下しはじめたが、当初は従来通り定圧モードにより蒸気圧力を初期設定値p0 =82kg/cm2 の一定値に制御した。圧力一定値制御は、ガバナー12により蒸気加減弁8を調節して行なう。しかしながら、この設備における従来の発電可能な下限運転範囲である条件、蒸気温度が475℃、蒸発量が40t/hrまで低下した時点で、変圧モードに切り替えた。即ち、図1において、蒸気タービン入口前圧力を調節する蒸気加減弁8を制御するガバナー12に、変圧モードを設定するシーケンサー13を設け、これによりタービンバイパス減圧減温弁10の設定圧力を、現時点における蒸気タービン入口前圧力に1kg/cm2 を加えた圧力に自動的に調節するようにした。赤熱コークスの供給停止後の時間経過につれて蒸気温度、蒸発量、及び圧力が低下する状況を、模式的に図2に示す。
【0028】
図2に示すように、今回の変圧運転により、蒸気圧力=60kg/cm2 、蒸気温度=400℃、蒸発量=20t/hrに低下するまで、蒸気タービンの運転が可能であることがわかった。
【0029】
図3に、上記実施例における蒸気タービンの運転方法の切り替えに伴う発電出力の経時変化を示す。赤熱コークスの供給停止時点(冷却塔1からの切出し停止時点)から、蒸気圧力一定制御期間を経て、蒸気タービンの変圧運転期間に入り、ここで赤熱コークスの供給が再開され、次いで、発電出力が徐々に回復し、変圧運転から定圧運転に切り替え、以後発電出力が回復していく。このように、実施例によれば、赤熱コークスの供給が停止しても、蒸気タービンを停止させることなく、出力は低下するが発電を継続することができる。
【0030】
これに対して、比較例として従来通り、赤熱コークスの供給停止後も定圧運転を継続した場合の発電出力の経時変化を、図3に点線で併記した。この場合は、赤熱コークスの切出し停止後約1.5hrで蒸気タービンを停止しなければならなくなった。そして、赤熱コークスの切出し停止が約1.8hr継続した後、それが再開後も蒸気タービンを再立ち上げするまでに更に約1.8hrを要し、発電出力が原状復帰するまでには、赤熱コークス供給再開後、2.5hr以上を要した。
【0031】
上述した通り、本発明の方法によりコークス乾式消火設備の蒸気タービンの運転すれば、赤熱コークスの供給停止後約2hr経過しても蒸気タービンを停止させずに操業できること、また、赤熱コークスの切り出し量が定格切り出し量の約1/5程度でも蒸気タービンを停止させずに操業が可能であることがわかった。
【0032】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、コークス乾式消火設備に対する赤熱コークスの供給が停止して、廃熱ボイラーで発生する蒸気温度及び蒸気発生量が低下しても、相当長時間にわたり蒸気タービンの運転を継続することができ、出力は低下するが発電を継続することができる。このようなコークス乾式消火設備の蒸気タービン運転方法を提供することができ、工業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により蒸気タービンの変圧制御運転を行なう場合の蒸気圧力の制御フロー図である。
【図2】赤熱コークスの供給停止後に行なった変圧制御運転時の時間経過に対する蒸気温度、蒸発量、及び圧力が低下する状況を、模式的に示すグラフである。
【図3】実施例において蒸気タービンの運転方法を変圧制御運転に切り替えた場合の発電出力の経時変化と、従来の定圧制御運転時のそれとを比較したグラフである。
【図4】コークス乾式消火設備及びその付帯設備例の概念図である。
【図5】従来の方法により蒸気タービンの定圧制御運転を行なう場合の蒸気圧力の制御フロー図である。
【符号の説明】
1 巻き上げ機
2 コークス乾式消火設備
2a 冷却塔の上部装入口
3 循環ファン
4 廃熱ボイラー
4a 過熱器
5 主蒸気管
6 蒸気タービン
7 発電機
8 蒸気加減弁
9 タービンバイパス
10 タービンバイパス減圧減温弁
11 復水器
12 ガバナー
13 シーケンサー
14 切り出し装置
15 復水タンク
16 貯水池
17 ドラム
18 安全弁
20 赤熱コークス
21 循環ガス
22 バケット
30 冷却塔
81 蒸気加減弁前圧力計
101 タービンバイパス前圧力計
211 CDQ出口又はボイラー入口循環ガス(高温)

Claims (2)

  1. 冷却塔の上部から底部に移動する赤熱コークスの移動層に、循環ガスを前記赤熱コークスの移動方向に対して向流方向に導入し、前記循環ガスにより前記赤熱コークスを冷却すると共に、前記赤熱コークスにより加熱された前記循環ガスを廃熱ボイラーに導入し、前記廃熱ボイラーにおいて前記赤熱コークスの顕熱を蒸気として回収し、前記蒸気をタービンに導いて前記タービンにより前記蒸気を電力に変換し、前記廃熱ボイラーにおける蒸気の発生量及び前記蒸気の温度が設定範囲内の値である場合には、前記蒸気タービンに導入される蒸気圧力を初期設定値p0 に保持する制御を行ない、前記廃熱ボイラーにおける蒸気の発生量及び前記蒸気の温度が前記設定範囲内の値未満に低下した場合には、前記蒸気タービンに導入される前記蒸気圧力を、前記初期設定値p0 未満であって前記設定値p0 よりも低い他の設定値pmin 以上に維持する制御を行なうことにより、前記蒸気タービンの運転を停止させない、コークス乾式消火設備の蒸気タービン運転方法において、
    前記蒸気タービンに導入される前記蒸気圧力を前記初期設定値p 0 未満、前記他の設定値p min 以上に維持している制御期間中、現時点における前記蒸気タービン入口における前記蒸気圧力に応じて発生する蒸気量の最大値を表示装置に表示し、当該蒸気発生量の最大値に応じて前記蒸気タービンに供給する蒸気量を補正することを特徴とする、コークス乾式消火設備の蒸気タービン運転方法。
  2. 前記蒸気タービンに導入される前記蒸気圧力を前記初期設定値p0 未満、前記他の設定値pmin 以上に維持する制御方法は、前記廃熱ボイラーで発生した蒸気が前記蒸気タービンを迂回するためのバイパスを設け、こうして設けられたタービンバイパスにおける蒸気圧力の設定値を、前記初期設定値p0 未満、前記他の設定値pmin 以上の間にある現時点における前記蒸気タービン入口における蒸気圧力pa よりも所定値だけ高い蒸気圧力に自動的に設定することにより行なうことを特徴とする、請求項1記載のコークス乾式消火設備の蒸気タービン運転方法。
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