JP3947819B2 - 光学的手法を用いた植物個体の選別方法 - Google Patents
光学的手法を用いた植物個体の選別方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物の選別方法に関し、詳しくは、植物体の成分に関する遺伝的変異を、非破壊測定法を用いて検出する方法及び選別した植物体に関する。
【0002】
【従来の技術】
農作物等の植物の遺伝的変異個体を大量に選別する際に、色々な方法がとられてきた。このような方法として、肉眼で見分けることのできる、色の違い、背の高さ、形の違い等は容易に個体の選別が可能で、その変化に付随して変化する性質も同様に選別の対象とし、広く利用されてきた。しかし、これらの方法は、大量の場合には肉眼等で簡単に見分けることのできる性質に限られている。このため、外見上変化の見られない植物体の内容成分やその変化は、そのままでは検出できず、上記した性質以外には大量の試料は選別できないのが現状である。特に、出現頻度の低い形質などでは、当初から育種選抜の対象として考えることができなかった。ましてや加工利用等によって生じる内容品質の基準となる物質の前駆物質または目的とする物質は、煩雑な前処理や化学分析を行わなくては検出、定量できず、上記した性質以外は大量には選別できないのが現状である。
【0003】
また例えばワサビのような自家不和合性植物は、更に困難な問題を抱えており、遺伝的に固定された純系の作出が難しく、自然交配によって得られる遺伝的に均一でない実生苗を用いるか、またはそれら実生苗の栄養繁殖体を用いる方法がとられている。これらは個体または系統ごとに遺伝的形質の変化があることから、個体別に選抜する必要があり、且つ選抜のために評価した個体を継続的生育に維持しなければならない。従って化学分析等を用いた内容成分評価を行う場合は、分析に用いる試料が量的に求められ、個体の継続的生育を維持することが困難であり、また煩雑な操作を求められることから、迅速、大量に評価することができず、内容成分に基づく選別を行うことができないのが現状である。
【0004】
以上のような問題を解決するためには、大量に選別できるように、効率化することが必要となる。しかし、育種しようとする対象が種子である場合には、種子ごとに遺伝的形質が変化する場合があるため、個別に選別する必要があり、種子の発芽に変化を与えずに個体別に選別しなければならないといった問題がある。
また育種しようとする対象が自家不和合性植物またはその栄養繁殖体である場合には、個体または系統ごとに遺伝的形質の変化があるため、個別に選別する必要があり、更に植物体が継続的に育成可能な状態を維持しつつ個体別に選別しなければならないといった問題がある。
【0005】
非破壊法による植物体の内容成分の解析手法としては、多くの研究がなされている。特に近赤外線など光を用いる方法が知られているが、種子ごと、栄養体ごとの個体を対象として高速で定量選別し効率的な育種に利用する方法については、まだ解決されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来の植物体内容成分の育種方法には、それぞれの問題があり、満足できるものではなかった。特に突然変異を利用して目的とする遺伝的形質をもつ個体を得るためには、10万から1000万の個体を選抜の対象とする必要がある。しかし、植物体内容成分の変異については、外見的変化がないかぎり今まで大量の個体を選抜対象とすることができなかった。このため内容成分の違いを、個体別に高速に非破壊で正確に選別する方法が強く求められていた。
【0007】
本発明は上記観点からなされたものであり、遺伝的変異、特に放射線による突然変異株を効率よく選抜する方法及び品種を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、遺伝的変異個体に光を照射して得られる反射光及び透過光等の特性をコンピュータプログラムにより高速で解析し、精密に内容成分や変化を定量的に読み取る測定方法を適用することにより、目的とする内容成分やその変化を有する品種を作出できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、植物の遺伝的変異個体を個体ごとに非破壊計測法と化学定量法からコンピュータプログラムを用いて選別する、植物体の内容成分に関する育種方法である。
【0010】
本発明はその様態として、上記選別方法において、非破壊計測法とコンピュータプログラムを用いて、遺伝的変異に伴う植物の内容成分の違いを検出し、目的とする個体を選別することを特徴とする品種作出方法を提供する。本方法の発明において、前記遺伝的変異個体の選別対象としては、種子または栄養体が挙げられる。また本発明を適用する範囲としては植物個体が挙げられる。
【0011】
本発明の方法に使用する、植物に遺伝的変異を誘導する方法は、遺伝的な変異を誘起するものであれば、限定されるものではないが、好ましくは放射線、X線、化学物質などである。特に好ましくは、放射線のうちγ線、中性子線、イオンビーム、X線等である。
【0012】
また本発明の方法に使用する光計測法は、非破壊もしくは発芽及び継続的な生育が可能な植物体が得られれば、とくに限定されるものではないが、好ましくは測定対象の損傷が極めて少ない可視光線、近赤外線、また短時間であれば、紫外線、蛍光X線を利用した測定法が挙げられる。特に好ましい測定法としては、遺伝的変異を起こした個体ごとに測定でき、種子であれば一粒ごとに内容成分を測定可能な単粒成分測定法、変異した栄養体であれば、変異した部分を検出できる二次元測定法を例示することができる。
【0013】
本発明の光計測法によって得られる光学的情報を、コンピュータプログラムで処理することで、植物体に含まれる内容成分を定量する方法を提供することができる。コンピュータプログラムとしては、例えばケモメトリックス手法(ケモメトリックス−新しい分析化学、相島銭朗、丸善:1992)と総称される主成分分析、クラスター分析、判別分析、重回帰分析、主成分回帰分析、PLS (partial least squares )回帰分析、SIMCA (soft independent modeling of class analogy) 、KNN(K-nearest neighbor method)、ニューラルネットワーク分析等、及びこれらを組み合わせて使用することが挙げられる。
【0014】
データマイニングやノリッジディスカバリーシステム等と呼ばれるコンピュータプログラム(〔特集〕大規模データーベースからの知識獲得:人工知能学会誌vol. 12, No. 4)では、目的とする出力をあらかじめ特定し、計算結果をフィードバックすることによりモデルをより精緻化する目的志向型と、不連続、多次元で、かつ大量のデータの中から意味のある情報を抽出するのに適している仮説発見型がある。仮説発見型は、その出力結果の根拠を理解しやすいため、本発明では、この仮説発見型を必須とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
【0016】
(1)本発明を適用し得る植物体
本発明の植物の選別方法においては、放射線や交配等の操作によって得られた遺伝的変異は、種子の場合では二代目以降で遺伝子の表現形質が現れるため、二代目以降で使用することが可能となる。また栄養体の場合には、変異したものを、栄養繁殖によって得るため初代で使用することができる。
【0017】
種子として利用できる植物は、光計測法により測定可能であれば特に限定されない。近赤外線とコンピュータスペクトル解析プログラムによる内容成分の定量可能な種子であれば特に好ましく利用できる。また種子では種皮をかぶっているものが多いが、これらは、発芽に影響がなければ除去して計測できる。
【0018】
選別の対象となる植物として、具体的にはイネ、ムギ、マメ、トウモロコシ、ナタネ等の穀類の種子、及びその栄養体等があげられる。トマト、メロン等の果物類については発芽種子及び栄養体等が挙げられる。また、キャベツ、ハクサイ、ダイコン、ブロッコリー、カリフラワー等の野菜類については発芽種子及び栄養体が挙げられる。更にカーネーション、バラ、マーガレット、キク等の花き類については栄養体が挙げられる。
【0019】
例えばワサビにおいては、大きさ、色、形などの外観的な品質にもまして、辛味、風味などの内容品質が重視される。特に前駆物質シニグリンが、加工利用等の過程で、酵素チロシナーゼによって変化したイソチオシアネート類が辛味、風味成分として最も重要であり、これら物質の含量によって品質のより高い品種、系統を選抜することを目的とする。しかしワサビでは磨砕等の処理後にイソチオシアネート類が生じることから、栄養体等の成分分析による選抜では、イソチオシアネート類は指標にできない。そこで本発明では、前駆物質であるシニグリン含量と磨砕等の処理後に生じるイソチオシアネート類含量との間に相関を見出した。更にワサビ葉身部のシニグリンと磨砕等の処理後に生じる根茎のイソチオシアネート類含量との間に相関を見出した。近赤外分光法を用い、根茎または葉身のシニグリンを測定し、根茎の辛味成分すなわちイソチオシアネート類を推定する方法を見出し、放射線等の処理及び交配等により得られたワサビの変異個体から、辛味成分を多く含む個体を効率的に選抜する方法を発明した。
【0020】
(2)本発明に用いる光の種類と計測方法
次に、光計測法について説明する。本発明に用いられる光は、好ましくは可視光線、近赤外線、及び赤外線、また、短時間であれば、紫外線及び蛍光X線等を測定用として用いる。これらの光は植物体の損傷がないかまたは少ないため、発芽など植物体の活性に与える悪影響が少なく、使用できる。特に近赤外線は非破壊で測定に優れており、本目的に好ましく用いることができる。
【0021】
また、種子であれば一粒ごとに、栄養体であれば一個体ごとに高速で測定できる装置により、遺伝的変異が最も効率よく検出できる。とくに栄養茎、葉、組織培養体における、遺伝的変異個体の検出においては、一個体ずつ連続に高速で計測できる装置を提供することにより、より効率的な検出が期待される。特に好ましくは、米、麦粒や豆類を一粒ずつ連続で選別する方法を例示することができる。例えばワサビにおいては、選別の対象となる部位として、栄養体、すなわち根茎、茎、葉が挙げられ、目的成分の測定には、ワサビ栄養体そのもの、継続的な生育を阻害しない程度に採取した根茎切片、根茎から切り離した葉身、葉柄等が挙げられる。
【0022】
また特に栄養体の選抜においては、ほ場内で一個体ごと短時間で測定できる装置により、継続的生長を妨げず遺伝的変異が最も効率良く検出できる。特にワサビなどの場合は、生育を妨げないために個体をほ場内で測定できるような小型軽量の装置(例えば図5に示した装置、または株式会社果実非破壊品質研究所FT−20など)を提供することにより好ましく遺伝的変異個体を選抜できる。また栄養茎葉、組織培養体における、遺伝的変異個体の検出においては、平面または一直線に並べておいて、検出できる装置を提供することにより、より効率的な検出が期待される。
なお図5中、符号1は光源、2は分光器、3はディテクタ及びアンプ、4はAD変換器、5は演算集計装置、6は光ファイバ、7は被測定試料である。
【0023】
(3)定量に用いるコンピュータプログラム
光学的に測定されたデータは、植物体の内容成分に関する情報を含んでいるので、光学的データと重回帰分析法、主成分分析法、クラスター分析法、判別分析法や、重回帰分析法の欠点を補った主成分回帰分析、PLS法等による解析結果との関連を明らかにすることにより、内容成分の定量法を例示することができる。更に、栽培された植物は、土壌条件、気象条件、潅漑水、栽培条件、施肥条件等により、同一の形質をもつ種子を用いても、その種子や栄養体の成分は、大きな違いが出るため、遺伝的変異を読みとるためには、不連続で多次元的影響を考慮して今までの線形統計モデル、非線形モデル、ニューラルネットワークモデルによる方法に加えて、大量のデータの中から規則性を見つけて、測定精度の向上ができる仮説発見型のプログラムを利用した推定方法が好ましい。従って、本発明では、この仮説発見型のプログラムを必須とする。
【0024】
(4)計測の対象となる植物体の成分及び反応
近赤外線を用いる計測では、近赤外線の吸収や反射特性に特徴が見られる物質及び反応であれば限定されるものではないが、上記コンピュータプログラムを用いて、糖、酸、ビタミン、アミノ酸、タンニン類、脂肪酸、デンプン、窒素、リン、カリウム、ナトリウム、マグネシウム等が好ましく測定できる。また同様にワサビに関しては、内容品質を左右する物質アリルイソチオシアネートなどのイソチオシアネート類、またその前駆物質シニグリン等が好ましく測定できる。可視光線及び紫外線では、透過光の吸収によって種子内部の混濁度が測定できるので、もち性、うるち性の判別が可能である。また、発芽などに影響のない特定の物質に反応する試薬を処理して、反射光または透過光により試薬の特異的吸収波長を測定することで、高精度で定量または検出することが可能である。蛍光X線を用いる計測では、ベリリウム以上の金属が測定でき、品種に基づく反応の違いを計測できると期待される。また例えばアミノ酸シークエンスの結果に基づいてアレルゲン物質を合成し、それを動物の血液中に注入することで、抗体を効率良く得ることができる。精製された抗体は、精度良く定量検定に用いることができる。
【0025】
(5)本発明の植物の選別方法及び品種作出方法
本発明の方法においては、品種作出に用いる種子、または栄養体に、放射線、またはX線、化学物質など変異原を処理し、植物体に遺伝的変異を誘導する。変異原の処理量は、遺伝的変異が誘起されればよいが、好ましくは、発芽率または生長が無処理に比べて60〜70%以上となるように処理する。
【0026】
遺伝的変異を誘起した植物体は、種子ではその子孫に遺伝的特性が表現されるため、二代目以降で選別が可能となる。自家受粉する種子では、二代目(M2世代)、以降が好ましく用いることができる。選抜は、三代目(M3世代)以降で同様な操作を繰り返し行うことで、確実に目的とする遺伝的変異が得られるものと期待される。
また、栄養体では、変異処理を行った後に、増殖した部分について、選別を行う。この場合も選別の繰り返しによってキメラの早期解消が図られるものと期待される。
【0027】
特に、果実を生産の目的にする植物では、放射線などで変異処理した枝や自然に発生した突然変異の枝(枝変わり)に着果した果実を選別することによって得られた目的の変異個体に付随する培養可能な部分を、組織培養や挿し木により再生させ、目的とする形質を有する完全な植物体を得るのに好ましく用いることができる。
近赤外線を用いた選別法については、含水率の少ない種子では、1000〜2300nm付近の近赤外線の反射または透過光が好ましく利用できる。受光素子として硫化鉛、ガリウム砒素等の素子が好ましく利用できる。ガリウム砒素素子を積層したアレイは、全波長測定が迅速であるため特に好ましく用いることができる。可視光線を用いた選別法では、400〜600nm近傍の波長の反射光及び透過光を利用して混濁度を測定し、種子のもち性またはうるち性の程度が判別できる。また、酒造米では、同様な方法で心白の発生程度が測定できる。蛍光X線を用いる場合には、種子の表面の1mm四方以上を平らに削り出せば個体別に測定可能となるため、種子の発芽機能を阻害せずに計測することができると期待される。
【0028】
本発明が適用可能な植物として、上記方法を用いて選別が可能な植物であれば、特に制限されるものではないが、近赤外線及び蛍光X線を用いる選別法の対象として、イネ、小麦、大麦、トウモロコシ、大豆の乾燥種子は、形状が機械的な操作に適しているため好ましく用いることができる。栄養体としては、茶、ブドウ、柑橘類、ナシ等の葉、茎、組織培養体が好ましく用いることができる。
【0029】
以上のように放射線などの処理により遺伝的変異を起こした植物個体を各種光を用いて計測した内容成分や反応を、コンピュータプログラムを用いて分析することにより、遺伝的変異個体を効率よく選別できる。その結果、目的の性能をもった品種を再現性よく作出できる。
【0030】
更に原種栽培では、品種の純度が最も重要となるが、突然変異の発生、他の品種の混入や目的としない花粉との交雑による変異を品種既定のスペクトルの特徴と比較することで排除することができる。本法を効率的に適用する方法として、類似系列分析(IBM インテリジェントマイナー搭載)が優れている。このように本発明では、植物体の選別を育種に利用するだけでなく、原種管理など品種の特徴を示す光学的スペクトルを検出することで、混種を防ぎ、純度の高い品種を得ることができる。
【0031】
【実施例】
具体的な実施例の説明に先立ち本発明の原理について説明する。植物体に近赤外線などを照射すると、光の散乱、反射、吸収が起こる。光の吸収によって特定のスペクトル域に分子の基準振動が現れる。例えば米のタンパク質の吸収波長として、1656、1672、2176、1776、2116nm等が知られている。これらは、PLS回帰分析や重回帰分析などによって実測値との相関関係を明らかにすることで検量線を作出することが可能で、精度良く定量することができる。一粒分析の場合、形状や重さが異なるが、米粒の透過光を分光し瞬時に計測可能な、構成仕様に示した光計測アレイを利用することで、±0.35%程度の精度で1粒2秒以下の速度で計測が可能である。本発明の重要性は、突然変異が極めて少ない、放射線による突然変異や自然に起こった突然変異が極めてわずかな確率の変異であっても、検量線ができているものであれば精度良く選別の対象となる点にある。
以下に具体的な実施例を挙げるが、本発明はこれらに限られるものではない。
【0032】
【実施例1】
(1)測定装置
名称 玄米高速連続成分分析装置CTC−3型
(i)装置の概要
本装置は、玄米単粒に近赤外光を照射し、透過あるいは反射スペクトルから玄米のタンパク質を求める成分分析装置である。
【0033】
(ii) ブロックダイヤグラム
試料供給部から一粒ずつ連続供給された玄米に、光源からの光を照射する。試料からの反射光あるいは透過光は光ファイバーにより集光され、分光器に導入される。分光器内部において、入射された光は分光器により波長ごとに分離され、出射部分に配置されたリニアアレイ検出器に入射される。検出は、短波長領域では400〜700nmと650〜1050nmをSi−CCD、長波長領域では1000〜1600nmと1500〜2300nmをInGaAsの四つの検出器でそれぞれ行う。
検出器からのアナログ出力はA/Dコンバータによりデジタル変換され、コンピュータに読み取られる。基準板との比較により反射率あるいは透過率に変換されたスペクトルから、試料のタンパク質をデータベース上に蓄えられた検量線に基づいて測定する。測定された玄米は、タンパク質測定値とあらかじめ設定されたランク設定によって階層別に選別され、タンクに貯留される。図1に玄米高速連続成分分析装置のブロックダイヤグラムを示した。
【0034】
(iii)構成仕様
本件(試料供給部・測定部・演算制御部・選別・貯留部)
外観形状 ;デスクトップタイプ 電源AC100V
試料供給部 ;1粒/秒以内 4kg貯留
複数粒供給した場合は、試料を別に分別するか、あるいは試料
供給部に戻る構造であること。
測定部 ;1秒/粒以内
連続運転が可能な構造で、波長の正確性などの補正は一週間に
一回以下であること。
測定は透過/反射のどちらでも行えること。
測定波長 ;400〜700nm/650〜1050nm/1000〜16
00nm/1500〜2300nm
波長分解能 ;5〜20nm程度
データ間隔 ;1nm
光源 ;ハロゲンランプ
集光光学系 ;光ファイバー光学系
分光器 ;回析格子分光器
分光器1 波長範囲 400〜700nm
分光器2 波長範囲 650〜1050nm
分光器3 波長範囲 1000〜1600nm
分光器4 波長範囲 1500〜2300nm
検出器 ;検出素子 Si−CCD及びInGaAsリニアアレイ
検出器1 波長範囲 400〜700nm 0.14nm/
ピクセル
検出器2 波長範囲 650〜1050nm 0.19nm
/ピクセル
(分光器1、2;ピクセル数2100、電子冷却無し)
検出器3 波長範囲 1000〜1600nm 2.34n
m/ピクセル
検出器4 波長範囲 1500〜2300nm 3.13n
m/ピクセル
(分光器3、4;ピクセル数256、電子冷却)
演算制御部 ;測定部を含めて1秒/粒以内
検量線に基づく玄米分別のランク設定が簡便に行えること。
ランク別に分別した粒数の表示が行えること。
計測した玄米個々のデータ(吸収スペクトル、成分値、分別ラ
ンク)を記憶装置(HDD)に保存するとともに、計測と同時
に外部へも出力できること。
試料がなくなった場合や、光源切れ、停電などの異常発生時は
システムの自動停止が行えること。
選別部 ;1粒/秒以内
あらかじめタンパク質値によって決められた五段階以上に選別
可能。
分別手法及び分別部は玄米への損傷が軽微で、発芽力を損なわ
ない構造。
貯留部 ;最大4kg
総合選別速度;2秒以内(試料の供給・測定・選別を含むすべての工程)
【0035】
(iv) ソフトウェア
タンパク測定用PLS回帰分析ソフト
(v)一般仕様
型式 ;CTC−3型
対象穀物 ;玄米(品質;ひとめぼれ、山田錦、コシヒカリ)
測定時間 ;2秒/粒以内(供給・測定・選別・貯留含む)
測定範囲 ;タンパク質 5〜10%(乾物)
測定精度 ;タンパク質 SEP≦0.5%(ただし水分12〜18%のと
き)
【0036】
【実施例2】
近赤外線を用いたアレルゲンの少ないコムギ品種の選別
(1)試験材料と方法
コムギ(普通、一粒、マカロニ、クラブ、栽培エンマー、ポーランド、リベット、スペルタ系)100品種について、一品種当たり3〜6粒ずつ、合計370サンプルのアレルゲン含量を測定した。抗原抗体反応による比色値から算出した相対値(ELISA値)またはそれに基づいた区分を目的変数とし、解析ソフトにClementine5.2.1(SPSS社製)を使用して近赤外線吸収スペクトルによるアレルゲン含量の予測を行った。
(2)試験結果
データを検量線用、検定用に分けて検討を行った。ニューラルネットワーク分析を利用したELISA値の予測では、実測値より低く予測される傾向が認められた(図2参照)。C5.0(決定木)分析によるELISA値の区分予測では正解率が63〜68%だったが、C5.0とニューラルネットワーク分析を組み合わせた予測では、アレルゲン含量の低い区分では高い確率で予測することが可能だった(図3、4の表を参照)。
【0037】
【実施例3】
ワサビにおけるシニグリン含量からアリルイソチオシアネート含量の推定方法
(1)方法
(i)供試材料
静岡県農業試験場のわさび分場で栽培したワサビ「真妻」、「静系17号」、「D−52」及びこれら品種の放射線照射種子M1。
(ii) 分析方法及び分析時期
シニグリン含量、アリルイソチオシアネート含量ともに、HPLCを用いて測定した。
(2)結果の概要
ワサビ根茎破砕後のアリルイソチオシアネート含量とその前駆物質シニグリン含量の間に強い相関関係(相関係数r=0.968、1%有意)が認められ(図6参照)、シニグリン含量を測定することによりアリルイソチオシアネート量を推定できることを明らかにした。
更に葉身のシニグリン含量と根茎のアリルイソチオシアネート含量との間にも強い相関関係(相関係数r=0.779、1%有意)が認められ(図7参照)、葉身のシニグリンから根茎破砕後のアリルイソチオシアネート量を推定できることを明らかにした。
【0038】
【実施例4】
近赤外線を用いたシニグリン含量の多いワサビ品種の選抜方法
ワサビの突然変異個体の作出
(1)方法
(i)供試材料
静岡県農業試験場のわさび分場で栽培したワサビ47個体(「真妻」、「あまぎみどり」、「静系13」及びこれら品種の放射線照射種子M1)を平成11年1月及び8月に収穫し、試験に用いた。
(ii) 近赤外スペクトルの測定
継続的生育を阻害しない程度にワサビ根茎下部を5mm厚で輪切りにし、中心部分を直径17mmのコルクボーラーでくり抜いた。ワサビ根茎を反射型サンプルセルに入れ、近赤外分光光度計(NIRSystems6500)を用いて透過反射スペクトル(400〜2500nm)を測定した(積算回数50回)。
(iii)シニグリン含量の測定
ワサビ根茎をホモジナイズした後、高速液体クロマトグラフ(島津製作所LC10−ATVPシステム)で分析した。
(iv) 検量線の作成及び評価;解析手法として重回帰分析とPLS回帰分析を用い、それぞれ根茎のシニグリン含量を目的変数とし、二次微分スペクトル各波長の吸光度を説明変数とする検量線を作成した。なお全サンプルの約1/3を未知試料とし、検量線の測定精度を評価した。
(2)結果の概要
(i)サンプルとして7品種を用いたところ、表1に示すように根茎のシニグリン含量は、7.41〜17.69mg/gF.W(0.74〜1.77%)と、比較的広いレンジ幅であった。
【0039】
【表1】
【0040】
(ii) 重回帰分析
原スペクトルには、1450nm及び1950nm付近に水の吸収と思われる大きなピークがみられた。二次微分スペクトルと成分濃度の間で相関の高い波長域は10波長を超えた。そこでそれぞれの波長を第一波長にマニュアル選択して検量線を作成・評価したところ、検量線評価時の精度が最も高かったのは、第一波長に1628nmを用いた検量線で、検量線評価時の測定誤差(以下SEP)は1.35であった(表2、図8(a)参照)。1628nmは、シニグリン純品の帰属波長である1626nm近傍であり、ワサビ内のS−C=NやC=Nの官能基をとらえていると考えられた。
【0041】
【表2】
【0042】
(iii)PLS回帰分析
全波長に同じ重み付け(Weight)をして解析した状態でSEP1.29と、重回帰分析より精度の高い検量線が得られた。更にシニグリンの帰属波長を考慮しながら各波長の重み付けを検討したところ、2222nm付近に8倍、1650nm付近に2倍の重み付けを行った検量線が最も精度が高く、SEPは1.03であった(表3、図8(b)参照)。
【0043】
【表3】
【0044】
以上の結果から、近赤外分光法を用いてワサビのシニグリン含量を測定することができ、辛味成分の多いワサビの選抜に利用可能であることを明らかにした。また解析手法として重回帰分析及びPLS回帰分析とも利用できた。
【0045】
【発明の効果】
遺伝的変異個体に光を照射して得られる反射光及び透過光等の特性をコンピュータプログラムにより高速で解析し、精密に内容成分や変化を読み取る測定法を適用することにより、目的とする内容成分やその変化を有する品種を作出できることを見出した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 玄米高速連続成分分析装置のブロックダイヤグラムを示す説明図である。
【図2】 ニューラルネットワーク分析によるELISA値の予測値と実測値との関係を示すグラフである。
【図3】 C5.0分析によるELISA値の予測精度を表示する表である。
【図4】 C5.0後にニューラルネットワーク分析を行った場合の予測精度を表示する表である。
【図5】 植物個体の生育を妨げないように、ほ場内で個体の測定が行えるようにした測定機の種々の実施の形態を示す説明図である。
【図6】 ワサビ根茎部におけるシニグリン含量と破砕後のアリルイソチオシアネート含量との関係を示すグラフである。
【図7】 ワサビ葉身のシニグリン含量と根茎破砕後のアリルイソチオシアネート含量との関係を示すグラフである。
【図8】 重回帰分析によるワサビ根茎シニグリン含量の推定値と実測値との関係を示すグラフ(a)、並びにPLS回帰分析によるワサビ根茎シニグリン含量の推定値と実測値との関係を示すグラフ(b)である。
【符号の説明】
1 光源
2 分光器
3 ディテクタ及びアンプ
4 AD変換器
5 演算集計装置
6 光ファイバ
7 被測定試料
Claims (8)
- 遺伝的変異によって植物個体に生じた内容成分の違いやその変化を測定する方法であって、
この方法は、
遺伝的変異を起こした植物個体に、発芽など植物体の活性に与える悪影響を極めて抑制する、近赤外線、可視光線、紫外線、X線、蛍光X線のうちの一つまたは複数を組み合わせた光を照射し、
これらを照射することで得られる、検出対象となる成分に応じ相関して出現する光のスペクトルについて、これを仮説発見型のコンピュータプログラムであるデータマイニングを用いて定量し、
これにより、大量の植物個体を非破壊もくしは以後の継続的な生育を可能とした状態で、一個体ずつ性能に応じて高速に選別するようにしたことを特徴とする光学的手法を用いた植物個体の選別方法。 - 前記選別対象となる植物個体は、
内容成分が品質を大きく左右する植物や、
植物中の前駆物質が利用時に他の物質に変化しその物質量が品質を大きく左右する植物、
または、栄養繁殖性植物、
更に、自家不和合性植物、
またはその自然交配によって得られる植物体、またはそれらの栄養繁殖体のように、個体または系統ごとに遺伝的形質の変化がある個別から内容成分に基づく選別を行う必要があり、また選抜された個体の継続的生育を維持しなければならない植物であることを特徴とする請求項1記載の光学的手法を用いた植物個体の選別方法。 - 前記植物個体を選別するにあたっては、定量分析された情報に基づき、あらかじめ設定されたランク毎に階層別に貯留されることを特徴とする請求項1または2記載の光学的手法を用いた植物個体の選別方法。
- 前記植物個体に誘導する遺伝的変異は、放射線、X線、化学物質、自然に発生する突然変異、交配による変異のうちの少なくとも一つを変異原とすることを特徴とする請求項1、2または3記載の光学的手法を用いた植物個体の選別方法。
- 前記植物個体の内容成分やその変化を解析するコンピュータプログラムには、正確な定量検量線が作成できるケモメトリックス手法を適用するようにしたことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の光学的手法を用いた植物個体の選別方法。
- 前記植物個体を大量に選別するにあたっては、光学的方法等の非破壊測定法で得られた情報を用い、栄養繁殖性植物体などの側芽の利用、または根茎最下部等の可食部の一部を利用することにより、検査個体をそのまま継続して生育させる方法で個体ごとに選別することを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の光学的手法を用いた植物個体の選別方法。
- 前記植物個体を選別するにあたっては、植物中の前駆物質が加工利用時に他の物質に変化し、その物質量が品質を大きく左右する目的の物質を、加工利用前の形で測定し、前駆物質または目的とする物質の生成量と高い相関関係がある物質の量から推定し、個体の調査、選抜を行うようにしたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の光学的手法を用いた植物個体の選別方法。
- 前記植物個体を選別するにあたっては、育種の目標とする部位の物質生成量を、これと高い相関関係がある植物体の一部組織の物質量から推定し、個体の調査、選抜を行うようにしたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載の光学的手法を用いた植物個体の選別方法。
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