JP3947312B2 - データ通信処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話等の無線通信装置と、パーソナルコンピュータ等の通信端末とに接続して、無線通信回線を介して通話およびデータ転送を行うためのデータ通信処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル方式携帯電話(以下、PDC)等の無線通信装置と、パーソナルコンピュータ等の通信端末とに接続して、無線通信回線を介して通信端末のデータ通信を行うデータ通信アダプタがある。また、データ通信アダプタには、例えば1997年電子情報通信学会総合大会予稿集(P590)に記載のもののように、データ通信において非音声データと共に音声データを通信して通話を行えるようにしたもの(以下、同時伝送アダプタ)がある。
【0003】
図2に、従来の同時伝送アダプタ101の一例を示す。図示のように、同時伝送アダプタ101には、通信用PDC102と、パーソナルコンピュータ等の通信端末103と、マイク1041およびスピーカー1042からなる音声入出力部104とが接続される。
【0004】
同時伝送アダプタ101は、音声入出力装置104の音声データと、通信端末103の非音声データとを交互に通信して、データ転送と通話を並行して実施することができる。この通信のことを、以下では音声・データ同時通信と呼ぶ。
【0005】
図4に示すように、音声・データ同時通信は、図2の構成を有する端末システムが図示しない基地局および交換局を介して無線回線で互いに接続した状態で実施される。音声・データ同時通信では、図3に示すように、非音声データの設定されたフレームと、音声データの設定されたフレームとが、予め定めたタイミングで交互に伝送される。
【0006】
PDC102は、基地局との間で、自身の機能による通話で使用する音声通信と、同時伝送アダプタ101間の通信に使用するデータ通信とを行うことができる。この通信モードの切替えは、同時伝送アダプタ101からの指示によりなされる。
【0007】
以下、同時伝送アダプタ101の音声・データ同時通信の機能についてさらに詳しく説明する。
【0008】
105はPDCインターフェース処理部である。このPDCインターフェース処理部105は、発着呼、データ通信の開始および終了等のPDC操作制御を行うPDC制御コマンド処理部1051と、データ通信モード時にPDC102と同時伝送アダプタ101との間で送受信されるTCHデータの同時伝送アダプタ101への取り込みおよび同時伝送アダプタ101からPDC102への送り出しを行うデータ送受信部1052とからなる。
【0009】
PDC102、アダプタ101間で扱われる信号およびコマンドの仕様、発着呼、データ通信の開始、終了シーケンス等はデジタルセルラーホン共通化検討会によるデジタルセルラーホン共通仕様Aで規格化され、公開されている。PDCインターフェース処理部105は本規格にしたがった処理を行う。
【0010】
本規格にしたがったシーケンス処理を行うことにより、同時伝送アダプタ101は、PDC102の発着呼、データ通信モードへの移行等の操作制御を行う。同時伝送アダプタ101がPDC102を操作制御する際にPDC102に入力される制御コマンドは、上りシリアル信号と呼ばれている。たとえば、オフフック、ダイヤリング、非電話サービス要求ON/OFF等のコマンドがある。また、PDC102は、自身のステータスや基地局からの応答を示すステータスコマンド、たとえば、通話中表示ON/OFF、非電話サービス確認ON/OFF、トーン種別等の応答コマンドを同時伝送アダプタ101に出力してくる。これらPDC102から出力される応答コマンドは下りシリアル信号と呼ばれる。PDC制御コマンド処理部102では、上りシリアル信号の送出および下りシリアル信号の受信解析を規定のシーケンスにしたがって行うことにより、PDC102の操作制御を行う。
【0011】
106は通信端末103と同時伝送アダプタ101間の送受信信号のレベル変換等を行う通信端末インターフェース部、107は同時伝送アダプタ101内のモードを制御する通信モード判定部、そして108は通信端末103からのアダプタ制御用コマンド処理を行うATコマンド処理部である。アダプタ制御用コマンドは、前記PDC制御用コマンドとは異なり、パソコン通信等で使用されるモデム装置と同様ATコマンドと呼ばれるモデム制御コマンドを一般的に使用する。通信端末103はATコマンドで同時伝送アダプタ101内部の機能設定を行うコマンドおよび発呼、着呼、データ通信モードへの移行を行うためのコマンド等を同時伝送アダプタ101へ送る。たとえば発呼を行う時は、通信端末103からダイヤリングコマンド(ATD)を使用する。入力されたATコマンドをATコマンド処理部108で解析し、解析結果をPDCインターフェース処理部105へ通知する。PDC制御コマンド処理部1051ではダイヤリング指示がきたら、まず上りシリアル信号でPDC102へオフフックコマンド送出する。そして、下りシリアル信号でトーン種別のダイヤルトーンコマンドを待ち、受信したら、次に上りシリアル信号でダイヤル番号コマンドを送出するといった規定シーケンスで発呼処理を行う。
【0012】
通信モード判定部107は、PDC102の通信状態にあわせて、同時伝送アダプタ101内のモードを決め、各モードにしたがって以下に説明する処理を行うものである。同時伝送アダプタ101内のモードには、PDC102が未通信状態のオフラインコマンドモード、PDC102が音声通話中の音声通信モード、データ通信中のデータ通信モード、および、データ通信モード中にPDC操作を行わせるオンラインコマンドモードがある。通信モード判定部107は、主として下りシリアル信号を受けてこれらのモードを設定し、通信端末インターフェース処理部106を介して通信端末103から送られてくるデータの送信先を切替える。オフラインおよびオンラインコマンドモードおよび音声通信モードでは無線通信回線上にデータを送信しないので通信端末103からのデータは、全て通信端末インターフェース処理部106を介して、ATコマンド処理部108へ送られる。 そして、データ通信モード時には、通信端末103から入力されるデータは、無線通信回線を介して相手に送信するので、次に述べる非音声データ処理部109へデータを送り、所定のデータ処理を行う。
【0013】
PDC102を使用したデータ通信を行うにあたり、無線通信回線確立手順や通信データフォーマット、エラー訂正方法等は電波システム開発センターRCRSTD−27D第2分冊にデジタル方式自動車電話システム標準規格として規格化されている。非音声データ処理部108は、本規格に準拠したデータ処理を施す。具体的には、無線通信回線上で送受信される通信データフォーマットにあわせた通信データパケットの組み立て、解体、PDC102と基地局との間でデータ通信を確立するための通信手順確立処理および再送制御のエラー処理等である。
【0014】
音声データ処理部110は、上記RCR規格の第1分冊記載の音声符号化方式で音声データ処理を行う音声コーデックを有するものである。音声データ処理部110は、音声入力装置1041から入力された音声信号をデジタル化するA/D変換部、送信音声データの圧縮コーディング、受信音声データの解凍デコーディングを行う音声コーデック、音声コーデックで解凍された音声データをアナログ信号に変換し、音声出力装置1042へ出力するD/A変換部からなる。
【0015】
111は音声・データ同時通信処理部である。PDC102は、図3に示すように、データ通信モードになると20ms周期のTCHフレーム信号(1)と42kHzクロックが断続するTCHクロック(2)を同時伝送アダプタ101へ出力する。PDC102、同時伝送アダプタ101間では、TCHフレーム(1)およびTCHクロック(2)に同期して224bit単位でTCHデータの送受信が行われる。同時伝送アダプタ101からの送信データはTCH送信データ(3)に記したタイミングで送信され、PDC102からの受信データはTCH受信データ(4)に記したタイミング受信される。同時伝送アダプタ102は、通常のデータ通信時は20ms毎にデータの送受信を行う。そして、同時通信時は音声・データ同時通信処理部111において、送信処理では、通信端末103から送られる非音声データと音声入力装置1041からの音声データを図3に示したように20ms毎に交互にPDC102へ送信し、受信処理ではPDC102から交互に送られてくる非音声データと音声データを識別し、非音声データは非音声データ処理部109で処理した後、通信端末103上に出力し、音声データは音声データ処理部110で処理した後、音声出力装置1042へ出力する。以上が従来の同時伝送処理である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
PDCは、自動車等で移動しながら通信を行っている場合、既に無線通信回線の接続を確立している基地局の通信エリアを外れると、移動先の基地局あるいはより回線状態の良い基地局に無線通信回線を接続し直し、通信を継続するように動作する。これはハンドオーバーと呼ばれる。
【0017】
ハンドオーバー時には通信が一時的に途切れる。ただし、PDC102による通話を行う音声通信では、移動先の基地局との間で無線回線の接続が確立されるまでの間、以前の基地局を介した音声通信を継続するため、音声の途切れは最小限ですむ。
【0018】
しかし、データ通信では、基地局が切り替わる時点で通信データに誤りや抜けが発生するため、移動先の基地局との間で無線回線接続が確立するまでの間、正常にデータ通信を行うことができなくなり、同時伝送アダプタ101の受信データに誤りや抜けが生じ易くなる。このため、音声入出力装置104による通話中にハンドオーバーが起ると、音声コーデック部で音声データのデコードができなくなり、音途切れが生じる。この音途切れの時間は、音声通信時に比べて、ハンドオーバー時に以前の基地局との通信が継続されない分、長時間にわたってしまう。このため、基地局の切替えが頻繁に起ったり、移動先の基地局に空き回線が無い等の理由で切り替わるまでの時間が延びる場合には、音途切れも頻発し、非常に聞きにくくなったり、あるいは会話できなくなるといった問題が生じる。
【0019】
また、上記従来の同時伝送アダプタ101では、音声・データ同時通信において、通信データの半分を音声データ通信用に固定的に割当てるため、非音声データの平均的な通信速度が、非音声データのみ通信する場合の半分となる。従って、音声・データ同時通信により大量のデータを通信する場合には、通信に要する時間が非常に長くなり、これに伴い通信にかかる費用が大きくなるという問題が生じる。
【0020】
さらに、通信中にデータ通信から音声通信へ、逆に音声通信からデータ通信へ通信モードを切替える場合には、同時伝送アダプタ101のユーザが例えば通話により切替えることを通信相手のユーザに連絡し、両者が通信端末を操作して、同時伝送アダプタに切替えを指示する必要がある。このため、例えば一方のユーザが自動車の運転中などで操作を行えない場合には、通信モードの切替えが実施できないという問題があった。
【0021】
そこで、本発明は、音声データおよび非音声データの同時通信で通話を行っている時に、ハンドオーバーの発生等による音質劣化が生じても、使用者に不快を与えずに通話を継続できるようにするデータ通信処理装置を提供することを第1の目的とする。
【0022】
また、音声データおよび非音声データの同時通信において非音声データをより高速に通信できるようにするデータ通信処理装置を提供することを第2の目的とする。
【0023】
さらに、音声通信とデータ通信との間の通信モードの切替えを、通信している2つの通信装置が連動して行うことのできる通信システムを提供することを第3の目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するため、本発明は、基地局との間に設定された無線回線を介して音声通信とデータ通信とを選択的に行う無線電話機と、通信端末と、音声入出力装置とに接続されて、前記データ通信により前記通信端末の非音声データおよび音声入出力装置の音声データを通信するためのデータ通信処理装置であって、前記無線電話機の通信モードを切替える制御を行う制御手段と、前記データ通信を行っている時に通信状態を検知し、検知結果に応じて、前記無線電話機の通信を、該無線電話機による通話を行うための音声通信に切替えるか否かを判定する判定手段と、音声通信に切替えるとの判定がなされた時に通信モードの切替え要求データを送信すると共に、切替え確認データを送信するための管理データ送信手段と、受信データから通信モードの切替え要求データおよび切替え確認データを検出すると共に、通信モードの切替え要求データの検出できた時に管理データ送信手段から切替え確認データが送信されるようにする管理データ検出手段とを備え、前記制御手段は、前記切替え確認データまたは検出がなされた時に、音声通信が開始されるように前記無線電話機の通信モードを切替えることを特徴とするデータ通信処理装置を提供する。
【0025】
また、第2の目的を達成するため、本発明は、基地局との間に設定された無線通信回線を介して音声通信とデータ通信とを選択的に行う無線通信装置と、通信端末と、音声入出力装置とに接続されて、前記データ通信により前記通信端末の非音声データおよび音声入出力装置の音声データを通信するためのデータ通信処理装置であって、前記データ通信において、前記非音声データおよび音声データを混在させて通信する同時通信モードの通信と、前記非音声データを連続的に通信する高速データ通信モードの通信とを選択的に行う通信処理手段と、前記通信処理手段の通信モードの切替えを行う制御手段と、前記通信モードを切替える時に通信モードの切替え要求データを送信すると共に、切替え確認データを送信する管理データ送信手段と、受信データから通信モードの切替え要求データおよび切替え確認データを検出すると共に、通信モードの切替え要求データを検出できた時に管理データ送信手段から切替え確認データが送信されるようにする管理データ検出手段とを備え、前記制御手段は、前記切替え確認データの送信がなされた時と、前記切替え確認データの検出がなされた時とに、通信モードの切替えを実施することを特徴とするデータ通信処理装置を提供する。
【0026】
さらに、第3の目的を達成するため、本発明は、無線通信回線を介して音声通信とデータ通信とを選択的に行う複数の無線電話機と、前記無線電話機間の通信に介在する複数の通信回線交換装置と、前記無線通信装置に接続されてデータ通信を行う複数のデータ通信処理装置と、からなる通信システムであって、前記通信回線交換装置は、無線電話機との間の制御信号の通信で受信した、予め定めた種別の制御メッセージを、送信元の無線電話機の通信相手の無線電話機に転送するためのモード管理手段を有し、前記無線電話機は、音声通信とデータ通信との間で通信モードを切替える制御を行う手段と、接続されたデータ通信処理装置の指示で通信モードを切替える時に、前記制御メッセージを送信により該切替えを通信相手に知らせるための手段と、通信相手から前記制御メッセージを受信して、接続された通信端末に渡す手段とを有し、前記データ通信処理装置は、渡された前記制御メッセージから通信相手の通信モードを判定する手段と、接続された無線電話機にコマンドを出し、判定された通信モードへの切替えがなされるようにする手段とを有することを特徴とする通信システムを提供する。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0028】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る同時伝送アダプタ201の構成を示すブロック図である。なお、図1において、図2の従来構成の要素と同じ機能をもつものには、同じ符号を付している。
【0029】
本実施形態の同時伝送アダプタ201は、図2の従来の構成に加え、機能ブロックとして、通話モード判定部112、通信モード切替え要求/確認データ送出部113、および、通信モード切替え要求/確認データ検出部114を有する。
【0030】
通話モード判定部112は、PDC102からの下りシリアル信号を解析して無線回線状態を検知する処理を行う無線回線状態検知部115を有し、ハンドオーバーの発生検出と、通話モードの切替え要否の判定および制御を行う。
【0031】
通信モード切替え要求/確認データ送出部113と、通信モード切替え要求/確認データ検出部114は、通信相手の端末システムとの間で、通話モードの切替えを行うことの通知とその検出を行う。
【0032】
まず、ハンドオーバーの発生検出について説明する。PDC102は、ハンドオーバー発生時に基地局からの応答コマンドを特定の下りシリアル信号で同時伝送アダプタ201へ出力する。なお、出力されるコマンドは、上記のデジタルセルラーホン共通仕様Aで規定されてはいないが、特定のデータとなることが実験でわかっている。下りシリアル信号で送られるコマンドは、PDCインターフェース処理部105内のPDC制御コマンド処理部1051で受信および解析され、対応する処理がなされる。この一機能として、無線回線状態検知部115が受信コマンドからハンドオーバーの発生を検出する処理を行う。ハンドオーバーが検出されると、通話モード判定部102は、通信モードを切替えるために、検出結果を通信モード切替え要求/確認データ送出部113に通知する。
【0033】
次に、アダプタのモードをデータ通信モードから音声通信モードに切替える時の従来の手順について、図5を用いて説明する。データ通信モードにおいて、通信端末103は、まず、同時伝送アダプタ201を制御できるようにするため、エスケープコマンドを送信する。同時伝送アダプタ201内の通信モード判定部107は、エスケープコマンドの受信を検出すると、自装置のモードをオンラインコマンドモードに遷移させる。これにより、以降、通信端末103から送られるデータがATコマンド処理部108へ送られるようになる。次に、通信端末103は、モード切替え用のATコマンドを送出する。このATコマンドを受けたATコマンド処理部108は、通信モードがデータ通信から音声通信に移行するよう、PDC制御コマンド処理部1051に指示する。これに応じて、PDC制御コマンド処理部1051は、上りシリアル信号により非電話サービス要求OFFのコマンドをPDC102に送出する。これを受けたPDC102は、基地局に対して、モデム通信OFF要求のメッセージを出し、基地局側からモデム非活性の応答メッセージを受信すると、同時伝送アダプタ201に対して非電話サービス確認OFFの応答コマンドを下りシリアル信号で送る。この応答コマンドは、PDC制御コマンド処理部1051で受信され、PDC102が音声通信モードになったことが通信モード判定部107に通知される。これに応じて、通信モード判定部107は、自アダプタ102の通信モードを音声通信モードに遷移させる。そして、通信相手側の端末システムでも同様にしてデータ通信モードから音声通信モードへの切替えがおこなわれる。これにより、双方のシステムが音声通信モードになり、PDC102による通話(すなわち、PDC102内のマイクおよびスピーカを用いた通話)が可能となる。
【0034】
本実施形態では、通信する2つの端末システムで通信モードの切替えが連動してなされるようにするため、通信モード切替え要求/確認データ送出部113および通信モード切替え要求/確認データ検出部114は、予め定めた値となる通信モード切替え要求データおよび通信モード切替え確認データを通信する。
【0035】
図6に、データ通信で使用するデータフレームのフォーマットを示す。このデータパケットは、データ長が224ビットで、9600bpsの通信速度で伝送される。このデータパケットは、通信エラー処理で使用されるバックワード制御情報部およびフォワード制御情報部と、ユーザーデータの通信に使用するフォワードチャネル情報部と、CRCエラー検出符号とからなる。フォワードチャネル情報部は、そのデータ長およびデータ種別フラグと、ユーザ通信データとからなる。なお、この1パケットは、図3のTCH送受信データ(224bit)に対応する。
【0036】
通信モード切替え要求/確認データは、パケットデータ内のフォワードチャネル情報部に、ユーザー通信データの代りに設定され、通信される。なお、通信モード切替え要求/確認データは、例えば8ビット程度のデータ量であるため、フォワードチャネル情報部の一部に組込み、通常のユーザー通信データと一緒に通信するようにしても良い。
【0037】
次に、本実施形態の、データ通信モードから音声通信モードへ移行する手順について、図7を用いて説明する。
【0038】
無線回線状態検知部115がハンドオーバーを検出すると、その結果を受けて、通信モード切替え要求/確認データ送出部113は、音声通信モードへの切替えを通信相手に通知するため、非音声データ処理部109に切替え要求データを出力する。これを受けた非音声データ処理部109は、切替え要求データを設定した送信パケット(図6)を生成し、通信相手に送信する。
【0039】
送信されたパケットは、通信相手の同時伝送アダプタ201で受信され、非音声データ処理部109で受信処理を施される。この受信処理では、受信パケットデータからフォワードチャネル情報部を抜き出し、通信モード切替え要求/確認データ検出部114に送る。通信モード切替え要求/確認データ検出部114は、送られたフォワードチャネル情報部と、予め設定されている通信モード切替え要求データとを比較し、一致した場合には、通信モード切替え要求データを正常に受信したことを示す通信モード切替え確認データを設定したパケットを返送する。
【0040】
通信モード切替え確認データを受けた同時伝送アダプタ201は、接続されたPDC102に対して非電話サービス要求OFFを送信して、音声通信モードに遷移する。これと同じころ、通信モード切替え確認データを返送した同時伝送アダプタ201も、PDC102に非電話サービス要求OFFを送信し、音声通信モードに遷移する。
【0041】
非電話サービス確認OFFを受けた各PDC102は、自らの機能を用いた通話が可能な状態となる。そして、音声通信による通話が開始される。
【0042】
なお、同時伝送アダプタ201で、通信モードの切替がなされたことをユーザに通知する処理を行うようにしてもよい。この場合、例えば、通信端末103への表示や、スピーカ1042からの音声出力、アダプタ本体に設けたランプ(図示せず)の点灯により、通信モードの切替えを通知するようにする。
【0043】
以上のように、第1の実施形態によれば、ハンドオーバーの発生時にそれを検出して、データ通信による通話から、音声通信による通話に切替えるため、ハンドオーバーによる影響の少ない状態で通話が再開できるようになる。また、通信モード切替え要求/確認データの通信が正常になされた時に通信モードの切替を行うため、切替え動作を確実に行うことが可能になる。
【0044】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0045】
図8に、本発明の第2の実施形態に係る同時伝送アダプタ301の構成を示す。本実施形態は、通話モード判定部112でのモード切替えの判定を、ハンドオーバー発生の有無の代りに、受信される音声データのエラー状態に応じて行うものである。なお、図8において、図1のものと同じ機能を持つものには、同じ符号を付している。第1の実施形態と相違する部分を中心に説明を行う。
【0046】
音声データ処理部110では、PDC102内で行われる音声データ処理と同等で、RCR規格に基づいた一連の音声データ処理を行う。送信処理では、まず、マイク1041からのアナログ音声信号を、A/D変換部で音声データに変換する。そして、音声コーデック部では、圧縮処理と、CRCエラー検出符号の付加とを行い、さらに、音声データとそのCRC符号に対して誤り訂正のための畳込み符号化処理と、データビットを拡散するインターリーブ処理とを行う。
【0047】
音声データ処理部110の受信処理では、以上と逆の処理を行う。すなわち、音声コーデック部で、デインターリーブ処理、音声データのエラー訂正処理、音声データのCRCエラー検出を行い、CRCエラーが検出されなければ音声データの伸張処理を行う。そして、伸張処理した音声データをD/A変換部でアナログ音声に変換して、スピーカ1042より音声として出力する。CRCエラーが検出されるた場合は、音声劣化を目立たなくするため、エラー部分の再生停止、あるいは、直前に受信した音声データの再生を繰り返す。なお、以上の音声データ処理部110は、汎用LSIによって実現される。
【0048】
本実施形態では、通話モード判定部112により、音声データ処理部110でのCRCエラーの検出の状態を監視し、例えば所定期間以上音声データのエラーが続いたら、データ通信モードによる通話を、音声通信モードによる通話に切替える制御を行う。
【0049】
図8において、通話モード判定部112には、音声データエラー検出部801が設けられている。この音声データエラー検出部801は、音声データ処理部110より出力されるCRCエラーステータス信号を監視する。そして、例えば音声データ(ユーザー通信データ)の受信毎にCRCエラーとなった回数をカウントして、予め定めた時間以上エラーが続いているかどうかを判定する。ここで、図3に示すように音声データは40ms毎に受信されるため、例えば3秒間エラー(音途切れ)が続いていることを検出するには、エラーが75回(=3s/40ms)続いたことを検出すればよい。
【0050】
通話モード判定部112は、CRCエラーが所定回数以上連続したことを検出すると、検出結果を通信モード切替え要求/確認データ送出部113に出力して、通信モードの切替えを要求する。これにより、通信モード切替え要求データの設定されたパケットが通信相手に送信される。以降、図7で説明した第1の実施形態の手順と同様の手順で、切替え要求データ/確認データの通信が行われ、同時伝送アダプタ301が共に音声通信モードに遷移する。そして、PDC102による音声通信が開始される。
【0051】
以上のように、本発明の第2の実施形態によれば、通信モードの切替を、声データのエラー検出状況に応じて行うことができる。この場合、例えば、ハンドオーバーが起こったとしても音声抜け等の音声劣化が少なければ通信モードを切替えずにデータ通信による通話を継続したり、逆に、ハンドオーバーが起こっていない場合であっても、受信電波状況等によって音声劣化が多くなったら通信モードを音声通信モードによる通話に切替えるといった制御が可能となる。
【0052】
第1の実施形態で説明した通話モード判定部112の機能を追加して、ハンドオーバー検出と、エラー検出状況との両方に応じて、通信モードの切替え判定を行うようにしてもよい。
【0053】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0054】
図9に、第3の実施形態に係る同時伝送アダプタ401の構成を示す。本実施形態は、通信モードの切替え処理を通信端末103のアプリケーションレベルで行うものである。このため、同時伝送アダプタ401には、上述の通信モード切替え要求/確認データ送出部および通信モード切替え要求/確認データ検出部が設けられていない。なお、本実施形態の通信モード判定部112は、第2の実施形態と同じ機能を実現するものであり、音声データエラー検出部801を有する。もちろん、第1の実施形態のように無線回線状態検知部を使用するようにしてもよい。
【0055】
通話モード判定部112は、音声データエラー検出部801で所定期間以上のエラーが検出されると、通話モードの切替えが必要であることを非音声データ処理部109に通知する。この通知に応じて、非音声データ処理部109は、通信端末I/F部106から通信端末103に、通信モードの切替えを指示するデータが出力されるようにする。そして、通信端末103のアプリケーションレベルの処理により、モード切替えを行うための制御がなされる。
【0056】
図10に、通信端末103のアプリケーションレベル(ソフトウェア処理)で実施される通信モード切替え処理のフローチャートを示す。
【0057】
なお、ここでは、所定期間のエラー検出時にアダプタ401から通信端末103に出されるモード切替え指示データを「VOICE ERROR」、アダプタ401から送信されるモード切替え要求データを「REQ MODE CHANGE」、モード切替え確認データを「ACK MODE CHANGE」とする。もちろん、それぞれを識別できるコードであれば、どのようなコードを使用してもよい。
【0058】
図10において、通信端末103は、まず、受信したデータがモード切替え指示データ「VOICE ERROR」であるかどうかをチェックする(処理1001)。「VOICE ERROR」である場合には、通信モード切替え要求データ「REQ MODE CHANGE」を通信相手の通信端末103へ送信する処理を行い(処理1002)、通信モード切替え確認データの受信待ち状態となる。
【0059】
受信データが「VOICE ERROR」でない場合には、続いて、通信相手から受信した通信モード切替え要求データ「REQ MODE CHANGE」であるかどうかをチェックする(処理1003)。「REQ MODE CHANGE」である場合には、通信モード切替え確認データ「ACK MODE CHANGE」を通信相手に返送する処理を行う(処理1004)。受信したデータがモード切替え指示データおよび通信モード切替え要求データのいずれでもなければ、通信モード切替え処理を終了する。
【0060】
上記の処理1004、1005で、通信モード切替え確認データ「ACK MODE CHANGE」を送信した後、または、通信モード切替え確認データ「ACK MODE CHANGE」を受信した時には、エスケープコマンドの送出処理を行う(処理1006)。以降の処理は、図5で説明した一般的な切替え手順と同じ手順で実施される。すなわち、エスケープコマンド送出後、アダプタ301がオンラインコマンドモードに遷移するまで待ち(処理1007)、コマンド入力が可能となったら、音声通信モード切替えコマンドを送出する処理を行う(処理1008)。これにより、同時伝送アダプタ401は、PDC102に対して非電話サービス要求OFFを送信し、基地局側からの応答を受けて非電話サービス確認OFFを受けると、音声通信モードに遷移し、通話が可能となる。
【0061】
以上のように、本実施形態では、同時伝送アダプタには、無線通信回線検知部112あるいは音声データエラー検出部801を新たに設けるだけでよく、通信端末におけるアプリケーションレベルのソフトウェア処理で第1あるいは第2の実施形態と同様の処理を実現することも可能である。
【0062】
なお、ハンドオーバーや音声エラー等の通信品質の劣化検出時にはその旨をユーザーに報知する処理のみを行い、ユーザーの指定を受けてから、通信モードを切替える処理を行うようにしてもよい。ユーザーへの報知は、通信端末103でのメッセージ表示や、「回線状態が良くありません。しばらくお待ち下さい。」等の音声メッセージのスピーカからの出力により、通信品質の劣化発生を知らせる。回線状態が悪い状態であっても非音声データについてはエラー処理が行われているので、データ通信は継続可能である。従って、ユーザーはデータ通信を優先したい場合は、そのままの状態で待機し、通話を優先したい時は、通信端末103を操作して、切替えを指示すればよい。
【0063】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
【0064】
図11に、第4の実施形態に係る同時伝送アダプタ501の構成を示す。図示のように、本実施形態の同時伝送アダプタ501は、通信モード切替え要求/確認データ検出部114を、非音声データ処理部109の受信データ入力段に配置した構成となる。
【0065】
上記第1および第2の実施形態では、通信モード切替え要求/確認データの検出を、非音声データ処理部109で再送制御処理等の所定のエラー処理を行った後に得られるデータを用いて行う。この手法では、正確な受信データから検出を行うことができるが、例えば電界強度の低下等により通信状態が悪化し、通信データのエラーが多くなると、非音声データ処理部109では、CRCエラーや受信順序の不整合が検出され、再送要求が繰り返し出されるようになる。このため、非音声データ処理部109の後段にデータが渡されなくなり、通信モード切替え要求/確認データの検出に長い時間がかかってしまう可能性がある。
【0066】
そこで、本実施形態では、通信モード切替え要求/確認データの検出を非音声データ処理部109で処理する前のデータを用いて実施する。このため、通信モード切替え要求/確認データ検出部114は、音声・データ同時通信処理部111内に設けている。
【0067】
図11において、図1の構成要素と同じ機能を持つものには同じ符号を付している。また、ここでは、通話モードの切替えの判定を、無線回線状態検知部115を用いて行うが、第2の実施形態のように音声エラー検出部を用いるようにしてもよい。以下では、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明を行う。
【0068】
通話モード判定部112で通話モードの切替えが必要と判定された場合には、通信モード切替え要求データが通信モード切替え要求/確認データ送出部113から非音声データ処理部109に送られ、それを設定したパケットが通信相手に送信される。
【0069】
通信相手の同時伝送アダプタ501で受信されたパケットは、音声・データ同時通信処理部111に渡され、通信モード切替え要求データの設定を通信モード切替え要求/確認データ検出部114でチェックされる。
【0070】
具体的には、音声・データ同時通信処理部111では、PDC102から受信パケットを渡される度に、それを一旦バッファへ蓄えて、音声データか非音声データかを判定する。そして、非音声データであると判定した場合には、続いて、通信モード切替え要求/確認データの設定を検出する。この時にはまだエラー処理がなされていないため、受信データにはエラーが発生している場合がある。これによる誤判定を防ぐため、通信モード切替え要求/確認データ検出部114は、通信モード切替え要求/確認データの検出回数をカウントし、検出回数が予め定めた複数回(例えば5回)を超えた場合に、通信モード要求/確認データを受信したと判定する。このように判定することで、誤判定を少なくし、かつ、正確に通信モード切替え要求/確認データを認識することが可能となる。
【0071】
以上の判定が、通信モード切替え要求データと通信モード切替え確認データのそれぞれについてなされ、第1の実施形態と同様にして、同時伝送アダプタ501の通信モードの切替えがなされる。
【0072】
なお、通信モード切替え要求/確認データは、複数パケットにまたがらすに1パケット以内に設定するのが好ましい。これにより、バーストエラー等で途中パケットが受信できなかった場合でも認識できる可能性が上がり、効果的である。また、通信モード切替え要求/確認データの部分にのみにエラー訂正が可能なように例えばBCH符号化等のエラー訂正符号を付加し、受信時にエラー訂正すれば、より正確に検出することが可能である。また、通信モード切替え要求/確認データの受信処理は非音声データ処理部109の前に行ってしまうので、通信端末103に出力する処理を行う必要は無い。従って、図6に示した第3バイト目のデータ長はフォワードチャネル情報部の有効データ長から通信モード切替え要求/確認データを除いたデータ数としておけば、非音声データ処理部109では、通信モード切替え要求/確認データを無視させることができ、従来と同じ処理を行えば良いだけで実現できる。
【0073】
以上のように、本実施形態によれば、通信モード切替え要求/確認データの検出を非音声データ処理の前段で行うようにすることで、電波状態の悪化により受信パケットにエラーが頻発する状態においても、通信モード切替え要求/確認データの検出を短期間に行うことができる。これにより、通信モードの切替えを短期間にタイミングよく行うことができるようになる。
【0074】
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
【0075】
音声・データ同時通信では、図3で説明したように、同じデータ量の非音声データと音声データとを交互に通信するため、非音声データ単独の場合に比べ非音声データの通信容量が半分となり、通信時間は2倍となる。これは、音声通話をほとんど行わない状態でも同じである。そこで、本実施形態では、音声・データ同時通信中に、非音声データのみを連続的に通信する機能を有する。
【0076】
図12に、本実施形態に係る同時伝送アダプタ601の構成を示す。なお、図12において、図11の構成要素と同じ機能を持つものには、同じ符号を付している。また、本実施形態では、第4の実施形態と同様に、通信モード切替え要求/確認データの検出処理を誤り検出処理の前に行う。なお、第1の実施形態のように誤り検出処理の後に行うようにすることもできる。
【0077】
同時伝送アダプタ601は、音声・データ同時通信を行う同時通信モードの他に、非音声データを連続して通信する高速通信モードを有する。音声・データ同時通信処理部1520は、この通信モードに対応する通信処理を行う。
【0078】
また、同時伝送アダプタ601は、通信モード切替え制御部1201と、送信データ量検出部1202とを有する。ここで、送信データ量検出部1202は、通信端末103から入力される送信データのデータ量を調べる機能を有する。通信モード切替え制御部1201は、音声・データ同時通信処理部111に対し、通信モードの切替えを制御する。
【0079】
通信端末103より同時伝送アダプタ601に入力される送信データは、例えば通信モード判定部107内に設けるバッファで、一旦保持するようにする。送信データ量検出部1202は、このバッファ内の送信待ち状態のデータの量を調べ、送信データが過剰にたまっていることを検出する。ここで、送信データの過剰は、バッファの空き容量が所定の容量以下となったとき、あるいは、バッファ内のデータ量が、図6のフォワードチャネル情報部内のユーザー通信データ部の設定データ量を超えたときに検出される。
【0080】
通信モード切替え制御部1201は、上記の検出結果を受け、送信データが過剰にたまっている場合、同時通信モードから高速データ通信モードへの切替えを指示する通信モード切替え要求データを出力する。これにより、非音声データと音声データとを交互に伝送する通信から、非音声データを連続して伝送する通信に切替えられる。
【0081】
図13に、本実施形態で使用する通信パケットのフォーマットを示す。図中のデータパケットAは、非音声データ伝送用のパケットであり、通信モード切替え要求/確認データの設定領域を有する。データパケットBは通信モード切替え要求/確認データを含まない通常の非音声データパケット、音声パケットは音声・データ同時通信時の音声データのパケットである。
【0082】
次に、本実施形態における通信モード切替えシーケンス処理について、図14を用いて説明する。
【0083】
図14のシーケンスは、本実施形態の構成を有する同時伝送アダプタ1と2が同時通信モードの通信を行っている時に、同時伝送アダプタ1側の送信データ量が過剰となったことに応じて、同時伝送アダプタ1から2への送信を高速データ通信モードに切替える手順を示している。なお、以下の説明では、同時伝送アダプタ1から2への送信を上り方向、その逆を下り方向とする。
【0084】
同時伝送アダプタ1では、送信データ量検出部1202が、上述の処理により過剰な送信データがあることを検出すると、通信モード切替え制御部1201が、通信モード切替え要求/確認データ送出部113および音声・データ同時通信処理部111に、モード切替え要求を出す。
【0085】
これに応じて、通信モード切替え要求/確認データ送出部103から非電話データ処理部109に通信モード切替え要求データが送られ、図13に示したデータパケットAが生成されて、同時伝送アダプタ2に送信される。
【0086】
同じく切替え要求を受けた音声・データ同時通信処理部111は、データパケットBまたはAと音声パケットとを交互に送る音声・データ同時通信から、データパケットAのみを連続して送る高速データ通信に処理を切替える。なお、この時点では、下り方向で受信されるデータの処理は、同時通信モードの処理のままで良い。
【0087】
同時伝送アダプタ2では、通信モード切替え要求/確認検出部113でデータパケットAの通信モードの切替え要求データを受信する。この受信は、第4の実施形態で説明したように、複数回(ここでは5回)確認される。通信モード切替え要求データが5回受信されると、それが通信モード切替え要求/確認送出部113および音声・データ同時通信処理部111に通知される。
【0088】
通知を受けた通信モード切替え要求/確認送出部113から非音声データ処理部109に、通信モード切替え確認データが送られ、それを設定したデータパケットAが生成され、同時伝送アダプタ1へ返送される。
【0089】
同じく通知を受けた音声・データ同時通信処理部111は、受信データについて、音声・データ同時通信から、データパケットAのみを連続して受信する高速データ通信に受信処理を切替える。これにより、受信されたデータパケットAは通信端末103に転送されるようになる。なお、送信処理は、同時伝送アダプタ1側に合わせ、音声・データ同時通信のままで良い。すなわち、同時伝送アダプタ2は、図14に示すように、通信切替え確認データを含んだデータパケットAと音声パケットとを交互に送信するように動作する。
【0090】
同時伝送アダプタ1は、切替え確認データを5回受信するまで待ち、5回受信した時点で、それを非音声データ処理部109に通知する。これにより、以降、上り方向では、通信モード切替え要求データの設定領域を持たないデータパケットBの送信が開始される。これにより、より多くのユーザー通信データを送信できるようになる。
【0091】
このようにして、上り方向の通信が、同時通信モードから高速データ通信モードに切り替わる。下り方向の通信についても、同時伝送アダプタ2の送信データ量が増えた時に同様のシーケンスで切替え動作を行うことで、高速データ通信ができる。
【0092】
高速データ通信モードから同時通信モードに切替えることも可能である。すなわち、高速データ通信中、送信データ量検出部1202は、さらに、バッファ内の送信データが過剰でなくなったことを検出する。この検出に応じて、通信モード切替え制御部1201は、高速データ通信モードから再び同時通信モードへ戻す。この場合のシーケンスも、図14と同様の手順で実現できる。
【0093】
なお、以上で説明した切替え動作は、同時通信モードから高速データ通信モード、または、その逆の切替えを行うもであるが、データ通信における他の通信モードへの度切替え動作にも適用できる。切替える対象のそれぞれを識別できるように、通信モード切替え要求/確認データを予め定めることにより、前述と同様のシーケンスで切替え動作を行って多様な制御を実現することが可能となる。
【0094】
以上のように、本実施形態によれば、音声・データ同時通信中であっても、大量データを通信するような場合は、自動的に通信モードが切り替わり、非音声データの平均的な通信速度があがるので、通信時間が短縮され、通信コストが削減される。また、非音声データの通信量が少なければ、音声・データ同時通信に戻すことも可能なので、より利便性を高めた形態で、双方向対話型の通信が可能となる。
【0095】
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
【0096】
本実施形態は、第5の実施形態と同様に同時通信モードから高速データ通信モードに切替えて非音声データを高速に通信するもであるが、非音声データの通信を行いつつ、通信モードの切替えを通信相手に通知できるようにしたものである。以下、第5の実施形態と異なる部分を中心に説明を行う。
【0097】
図15に示すように、本実施形態の同時伝送アダプタ701は、識別符号送出部1501および識別符号検出部1502を有し、通信モード切替え要求/データの代りに、通信モードの識別符号の送信および検出が行われる。
【0098】
識別符号送出部1501は、送信する非音声データパケットに、その通信モードを示す識別符号を設定する。識別符号検出部1502は、受信したパケットに設定される識別符号をチェックする処理を行う。
【0099】
本実施形態で用いる非音声データパケットは、図13に示すフォーマットを有する。データパケットAには、常時、予め定めた領域に通信モードの識別符号が設定される。データパケットAを用いることにより、通信端末103で送受信する通信データと同時に識別符号を通信することが可能となる。なお、音声パケットについては、識別符号を設定しない従来のフォーマットが用いられる。
【0100】
図16に識別符号を使用した場合の処理シーケンスを示す。なお、図中の()内には、パケットの送信元の通信モードを記している。
【0101】
同時通信モードでの通信時、図15の構成を有する同時伝送アダプタ1および2は、共に、同時通信モードを示す識別符号の設定された非音声データパケットと、音声パケットとを交互に送受信する。受信側の同時伝送アダプタは、識別符号の検出およびチェックにより、通信モードおよびパケットの種別を識別する。そして、同時通信モードであることを認識すると、非音声データパケットを非音声データ処理部109に転送し、音声パケットを音声データ処理部110に転送する。
【0102】
送信側の同時伝送アダプタ1では、送信データ量検出部1202および通信モード切り替え制御部1201が、図12で説明したように、送信データのデータ量に応じて通信モードの切替えを行う。そして、高速データ通信モードに切替える場合には、識別符号送出部1501および音声・データ同時通信処理部111に高速データ通信モードへの切替え要求が出される。
【0103】
この切替え要求を受けた識別符号送出部1501は、高速データ通信用を示す識別符号を非音声データ処理部109に指定する。これにより、非音声データ処理部109は、非音声データと共に高速データ通信用を示す識別符号を設定したデータパケットAを生成し、転送する。
【0104】
同じく切替え要求を受けた音声・データ同時通信処理部111は、音声パケットを送出するタイミングにおいても、非音声データ処理部109からのデータパケットAを送信する処理を行う。これにより、データパケットAが連続的に送信されるようになる。
【0105】
一方、受信側の同時伝送アダプタ2では、受信パケット内の識別符号を識別符号検出部1502がチェックする。そして、高速データ通信モードを示す識別符号を検出した場合には、音声パケットの受信タイミングであっても、そのデータパケットAを非音声データ処理部109に転送する。
【0106】
同時通信モードに戻す場合には、送信側が識別符号を同時通信モードを示すものに変える。そして、受信側では、識別符号から同時通信に戻ったことを認識し、同時通信モードの処理に切替える。
【0107】
本実施形態によれば、図14に示したような通信モード切替え要求/確認データのやり取りを行う必要がなく、送信側が一方的に識別符号の付け替えを行うだけで受信側の通信モードもこれに応じて切り替わるので、より高速に切替え動作を実行することができる。
【0108】
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。
【0109】
図17に、第7の実施形態に係る同時伝送アダプタ801の構成を示す。本実施形態では、同時通信モードと高速データ通信モードとの間の切替えを、送信音声の有無に応じて行うものである。なお、図17において、図12と同じ機能を持つ構成要素には共通の符号を付している。以下では、第5の実施形態(図12)と異なる部分を中心に説明を行う。
【0110】
音声データ処理部110内の音声コーデックは、図示しないVOX(Voice Operate Transmission)機能を備える。VOX機能は、音声入力が無いことを検出する機能である。従来は送信電力を低減するため、例えばPDCで送信音声が無い場合に送信動作を停止するのに使用されていた。このVOX機能により、送信音声が無い期間が検出される。
【0111】
通信モード切替え制御部1201は、VOX機能の検出結果に応じて、通信モードを切替える制御を行う。具体的には、音声・データ同時通信の状態で、VOX機能により一定期間以上無音期間が続いた場合には、通信モードを高速データ通信モードに切替えるよう制御する。
【0112】
通信モードの切替えシーケンス処理では、モード切替えの判定手法が異なる以外は第5の実施形態と同じである。通信モード切替え制御部1201は、VOX機能の検出結果から切替えを行うと判断した場合、通信モード切替え要求/確認送出部113に切替え要求を出力する。以降、図14に示したシーケンスで処理がなされ、同時通信モードから非音声データのみの高速データ通信モードへ動作が切替えられる。
【0113】
また、高速データ通信モードにおいて、VOX機能により無音期間が検出されなくなった場合、通信モード切替え制御部1201は、通信モードを同時通信モードへ切替える制御を行う。
【0114】
第6の実施形態のように、通信モードの識別符号の設定・検出を行い、図16に示したシーケンスで切替えを行うこともできる。
【0115】
以上のように、本実施形態によれば、送信音声の無い期間に、非音声データの高速データ通信を行うことができ、データ通信の帯域を有効に利用して、高速にデータ通信を行うことができるようになる。
【0116】
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。
【0117】
上述の各実施形態では同時伝送アダプタが通信モードの切替えを自動的に行うものであったが、第8の実施形態では、通信モードの切替えを、ユーザーからの指示に応じて行うようにしている。
【0118】
図18に、本実施形態に係る同時伝送アダプタ901の構成例を示す。なお、図18において、図12の構成要素と同じ機能を持つものには同じ符号を付している。以下では、異なる部分を中心に説明を行う。
【0119】
図中、1801は通信モードの指定を受け付ける通信モード切替え操作部である。この操作部1801は、例えばプッシュスイッチで構成され、スイッチのオン/オフ状態を示す信号を通信モード切替え制御部1201に出力する。
【0120】
通信モード切替え制御部1201は、操作部1801からの信号を受けて、指定された通信モードを認識する。例えばスイッチがオン状態のとき高速データ通信モード、オフ状態のとき音声・データ同時通信モードとなる。そして、通信モードを指定された場合、その通信モードへの切替えを、通信モード切替え要求/確認データ送出部113に指示する。
【0121】
通信モードの切替えシーケンスは、切替えの判定手法以外は図14と基本的に同じである。切替開始側の同時伝送アダプタ901では、通信モード切替え操作部1801のオン/オフ状態が変化すると、通信モード切替え制御部1201が通信モード切替え要求/確認データ送出部113に指示を出す。そして、図14で説明したシーケンス処理が開始されて、モード切替がなされる。なお、第6の実施形態のように、通信パケットに通信モードの識別符号を付加して、図16に示すフローで切替えを行うようにしてもよい。
【0122】
本実施形態によれば、ユーザーが指定したタイミングで通信モードの切替えを実施することができるようになる。
【0123】
次に、本発明の第9の実施形態に係る通信システムについて説明する。
【0124】
上述の第1から第4の実施形態では通信中にデータ通信から音声通信へのみ通信モードの切替えを行うことができる。第9の実施形態の通信システムは、さらに、音声通信からデータ通信への切替えを可能にしたものである。
【0125】
まず、音声通信からデータ通信に切替える場合の従来の手順について説明する。データ通信のモードに切替える場合には、同時伝送アダプタ101が、非電話サービス要求ONの上りシリアルコマンドをPDC102に出力し、これに応じてPDC102が、RCR規格で規定された制御信号であるINFOメッセージの送信により、基地局および交換局側にデータ通信の実施を指示する。これにより、基地局および交換局側はデータ通信の可能な状態となる。しかし、通信相手のPDCおよび同時伝送アダプタ101には、通信モードが切替ったことを検出可能とする情報は一切伝送されないため、自動的にデータ通信を開始することはできない。データ通信を行える状態にするには、通信相手側でも、PDC402への非電話サービス要求ONの上りシリアルコマンドの出力と、これに伴う基地局および交換局へのINFOメッセージの送信とが必要となる。このため、従来は、例えば、双方の端末システムのユーザーが通話で連絡を取合って、通信モードを切替える操作を行う必要があった。このため、例えば、一方の端末システムおよびそのユーザーが自動車で移動中であり、通信端末の操作ができない場合は、通信モードの切替えを行うことができず、不便である。
【0126】
本実施形態では、通信モード切替えを一方の通信端末からの操作でのみ可能にするため、通信モードの切替えを通信相手に伝達する手段を有する。
【0127】
図19に、本実施形態の通信システム内の網側設備の構成を示す。網側設備は、図示のように、基地局1901、交換局1902、および、公衆網1903を有する。本実施形態の端末システム間の通信は、図19に示す構成の交換局1902および基地局1091を2組み介して行われることになる。
【0128】
PDC202は、通信モード切替え時に、上記のINFOメッセージを交換局1902に送る機能の他に、自身の通信モードと、通信相手の着番号とを設定したメッセージ(以下、MDINFOメッセージ)を、交換局1902に送る機能を有する。このMDINFOメッセージは制御信号として基地局に送信される。
【0129】
交換局1902は、基地局1901との間でデータをやり取りするための基地局インターフェース部1904、基地局1901からの通信データを着番号に対応する通信相手の回線に接続する回線交換部1905、公衆網1903との間のインターフェース処理を行う公衆網I/F部1906、RCR規格で規定される各種メッセージに基づいて発着呼制御を行う呼制御部1907、および、通信モード管理部1908を有する。本実施形態の網側設備は、交換局1902に、予め定めたメッセージを検出して転送する通信モード管理部1908を設けた点が従来と異なる。
【0130】
図21に、通信システム内の同時伝送アダプタ1101の構成を示す。図示のように、同時伝送アダプタ1101は、相手モード検出部2101を設けた点が、従来の構成(図2)と異なる。この相手モード検出部2101は、PDC制御コマンド処理部1051内に設けられ、PDC202より送られる下りシリアルコマンドから、上記のMDINFOメッセージを検出する機能を有する。
【0131】
図20に、MDINFOメッセージを使用した切替えシーケンスを示す。
【0132】
交換局1902は、データ通信への切替え要求するINFOメッセージを送信側のPDC202から受信すると、以降の通信を自局1902内のデータ通信アダプタ(図示せず)で処理させるための切替え処理を行う。データ通信処理の準備が整うと、交換局1902は、データ通信が可能となったことを示すモデム活性のINFOメッセージをPDC202に返す。
【0133】
これにより、送信側のPDC202の通信モードは音声通信モードからデータ通信モードに切り替わる。続いて、送信側のPDC202は、通信モードが切替わったことを交換局1902に知らせるために、MDINFOメッセージを生成し、送信する。
【0134】
送信されたMDINFOメッセージは、交換局1902で受信され、通信モード管理部1908に渡される。通信モード管理部1908では、MDINFOメッセージを渡されると、メッセージ内の着番号から受信側のPDC202が属する交換局を判断し、その交換局にMDINFOメッセージを転送する。
【0135】
転送先の交換局1908では、公衆網1903から送られてくるデータを受信し、MDINFOメッセージを通信モード管理部1908に渡す。通信モード管理部1908は、渡されたMDINFOメッセージ内の着番号に対応する受信側のPDC202に、そのMDINFOメッセージを基地局1901を介して送信する。
【0136】
受信側のPDC202では、受信データからMDINFOメッセージが検出されると、下りシリアルコマンドを用いてMDINFOメッセージの内容を受信側の同時伝送アダプタ1101に転送する。なお、MDINFOメッセージをそのまま下りシリアルコマンドとして転送するようにしてもよい。
【0137】
受信側の同時伝送アダプタ1101は、相手モード検出部2101でMDINFOメッセージが検出されると、非電話サービス要求ONの上りシリアルコマンドをPDC202に対して送出する処理を行う。これを受けて、受信側の交換局1902も、データ通信が可能な状態となり、モデム活性を示すINFOメッセージを返す。そして、PDC202から同時伝送アダプタ1101に非電話サービス確認ONの下りシリアルコマンドが送られることで、データ通信モードが成立する。すなわち、データ通信モードへの切替え動作において、受信側の端末システムのユーザは切替えのための操作を行う必要がない。
【0138】
なお、本実施形態の切替えシーケンスを用いて、さらに、データ通信から音声通信モードへ遷移する場合のモード切替えを行うことも同様の手段で実現可能である。
【0139】
以上のように、本実施形態によれば、音声通信モードから同時通信モードへの切替えが一方の通信端末での操作に応じて行えるので、通信相手のユーザが操作をできない場合であっても、通信モードの切替えが可能となり、使い勝手の向上が図れる。また、切替えは網側からの応答に応じて行うので、より確実に実行できる。
【0140】
【発明の効果】
以上で説明したように、本発明によれば、音声データおよび非音声データの同時通信で通話を行っている時に、ハンドオーバーの発生等による音質劣化が生じても、使用者に不快を与えずに通話を継続できるようにするデータ通信処理装置を提供することことができる。
【0141】
また、音声データおよび非音声データの同時通信において非音声データをより高速に通信できるようにするデータ通信処理装置を提供することことができる。
【0142】
さらに、音声通信とデータ通信との間の通信モードの切替えを、通信している2つの通信装置が連動して行うことのできる通信システムを提供することことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 無線通信回線状態から通信モードを切替える本発明の第1の実施の形態を示す同時伝送アダプタの構成図である。
【図2】 従来の同時伝送アダプタの構成図である。
【図3】 PDCと同時伝送アダプタ間で使用される信号フォーマットである。
【図4】 音声・データ同時伝送機能使用時の使用形態を示す図である。
【図5】 データ通信モードから音声通信モードに切替える規定シーケンスである。
【図6】 音声・データ通信時の通信データパケットフォーマットと通信モード切替え要求/確認データの関係を示す図である。
【図7】 本発明による通信モード切替えシーケンスを示す図である。
【図8】 音声データ処理部のエラー状態により通信モードを切替える本発明の実施形態の同時伝送アダプタの構成図である。
【図9】 通信端末のアプリケーションソフトで通信モード切替えを行う本発明の実施形態の同時伝送アダプタの構成図である。
【図10】 通信端末のアプリケーションソフトで通信モード切替えを行う時のフローチャートである。
【図11】 無線通信回線状態から通信モードを切替える本発明の実施形態の同時伝送アダプタの構成図である。
【図12】 送信データ量に応じて通信モードを切替える本発明の実施形態の同時伝送アダプタの構成図である。
【図13】 通信モード切替えで使用するPDCと同時伝送アダプタ間で使用される信号フォーマットである。
【図14】 通信モード切替え要求/確認データによる通信モード切替えシーケンス例を示す図である。
【図15】 識別符号によって通信モードを切替える同時伝送アダプタの構成図である。
【図16】 識別符号による通信モード切替えシーケンス例を示す図である。
【図17】 VOX検出によって通信モードを切替える本発明の実施形態の同時伝送アダプタの構成図である。
【図18】 音声データ処理部のエラー状態により通信モードを切替える本発明の第2の実施の形態を示す図である。
【図19】 一方の通信相手の通信モードを他方の通信相手に転送する手段を設けた交換局の構成図である。
【図20】 網を介した通信モード切り替わりメッセージ伝達シーケンスである。
【図21】 網を介した通信モード切り替わりメッセージにより、通信モードを切替える同時伝送アダプタの構成図である。
【符号の説明】
101、201、301、401、501、601、701、801、901、1101...同時伝送アダプタ、102、202...PDC、103...通信端末、104...音声入出力部、1041...マイク、1042...スピーカ、105...PDCI/F処理部、1051...PDC制御コマンド処理部、1052...TCHデータ送受信部、106...通信端末I/F処理部、107...通信モード判定部、108...ATコマンド処理部、109...非音声データ処理部、110...音声データ処理部、111...音声・データ同時通信処理部、112...通話モード判定部、113...通信モード切替え要求/確認データ送出部、114...通信モード切替え要求/確認データ検出部、115...無線回線状態検知部、801...音声データエラー検出部、1001...通信モード切替え指示データ受信チェック処理、1002...通信モード切替え要求データ送出処理、1003...通信モード切替え要求データ受信チェック処理、1004...通信モード切替え確認データ送出処理、1005...通信モード切替え確認データ受信チェック処理、1006...エスケープコマンド入力処理、1007...オンラインコマンドモード待ち処理、1008...音声通信モード切替えコマンド入力処理、1201...通信モード切替え制御部、1202...送信データ量検出部、1501...識別符号送出部、1502...識別符号検出部、1801...通信モード切替え操作部、1901...基地局、1902...交換局、1903...公衆網、1904...基地局I/F部、1905...回線交換部、1906...公衆網I/F部、1907...呼制御部、1908...通信モード管理部、2101...相手モード検出部。
Claims (10)
- 基地局との間に設定された無線回線を介して音声通信とデータ通信とを選択的に行う無線電話機と、通信端末と、音声入出力装置とに接続されて、前記データ通信により前記通信端末の非音声データおよび音声入出力装置の音声データを通信するためのデータ通信処理装置であって、
前記無線電話機の通信モードを切替える制御を行う制御手段と、
前記データ通信を行っている時に通信状態を検知し、検知結果に応じて、前記無線電話機の通信を、該無線電話機による通話を行うための音声通信に切替えるか否かを判定する判定手段と、
音声通信に切替えるとの判定がなされた時に通信モードの切替え要求データを送信すると共に、切替え確認データを送信するための管理データ送信手段と、
受信データから通信モードの切替え要求データおよび切替え確認データを検出すると共に、通信モードの切替え要求データの検出できた時に管理データ送信手段から切替え確認データが送信されるようにする管理データ検出手段とを備え、
前記制御手段は、前記切替え確認データの送信または検出がなされた時に、音声通信が開始されるよう、送受信双方の前記無線電話機の通信モードを連動して切替えることを特徴とするデータ通信処理装置。 - 請求項1記載のデータ通信処理装置であって、
前記判定手段は、前記無線電話機に無線回線を介して接続している基地局が他の基地局に切り替る時、または、受信された音声データのデータ誤りが予め定めた回数連続した時に、音声通信に切替えると判断することを特徴とするデータ通信処理装置。 - 請求項1または2記載のデータ通信処理装置であって、
前記管理データ送信手段は同じ送信を複数回繰り返し、
管理データ検出手段は、再送制御のエラー処理を行う前の受信データを用いて検出を行い、
前記制御手段は、予め定めた複数回、前記切替え確認データの送信または検出がなされた時に、通信モードの切替えを実施することを特徴とするデータ通信処理装置。 - 基地局との間に設定された無線通信回線を介して音声通信とデータ通信とを選択的に行う無線通信装置と、通信端末と、音声入出力装置とに接続されて、前記データ通信により前記通信端末の非音声データおよび音声入出力装置の音声データを通信するためのデータ通信処理装置であって、
前記データ通信において、前記非音声データおよび音声データを混在させて通信する同時通信モードの通信と、前記非音声データを連続的に通信することで同時通信モードに比べて高速に通信する高速データ通信モードの通信とを選択的に行う通信処理手段と、
前記通信処理手段の通信モードの切替えを行う制御手段と、
前記通信モードを切替える時に通信モードの切替え要求データを送信すると共に、切替え確認データを送信する管理データ送信手段と、
受信データから通信モードの切替え要求データおよび切替え確認データを検出すると共に、通信モードの切替え要求データを検出できた時に管理データ送信手段から切替え確認データが送信されるようにする管理データ検出手段とを備え、
前記制御手段は、前記切替え確認データの送信または検出がなされた時に、通信モードの切替えを実施することを特徴とするデータ通信処理装置。 - 基地局との間に設定された無線通信回線を介して音声通信とデータ通信とを選択的に行う無線通信装置と、通信端末と、音声入出力装置とに接続されて、前記データ通信により前記通信端末の非音声データおよび音声入出力装置の音声データを通信するためのデータ通信処理装置であって、
前記データ通信において、前記非音声データおよび音声データを混在させて通信する同時通信モードの通信と、前記非音声データを連続的に通信することで同時通信モードに比べて高速に通信する高速データ通信モードの通信とを選択的に行う通信処理手段と、
前記データ通信処理手段の通信モードを切替える制御を行う制御手段と、
送信されるパケットに、通信データと共に自装置の通信モードの識別符号を設定する識別符号送信手段と、
受信したデータから識別符号を検出する識別符号検出手段とを備え、
前記通信処理手段は、受信したパケットを、該パケット内の識別符号の示す通信モードで処理することを特徴とするデータ通信処理装置。 - 請求項4または5記載のデータ通信処理装置であって、
前記通信端末から入力される送信データのデータ量を監視するデータ量検出手段をさらに備え、
前記制御手段は、送信バッファの空き容量が所定の容量以下となったと送信データ量検出部が判定したとき、通信モードの切替えを行うことを特徴とするデータ通信処理装置。 - 請求項4または5記載のデータ通信処理装置であって、
通信モードの指定を受付ける操作手段をさらに備え、
前記切替え制御手段は、前記操作手段が受け付けた通信モードに、通信を開始した後に通信モードを切替えることを特徴とするデータ通信処理装置。 - 無線通信回線を介して音声通信とデータ通信とを選択的に行う複数の無線電話機と、前記無線電話機間の通信に介在する複数の通信回線交換装置と、前記無線通信装置に接続されてデータ通信を行う複数のデータ通信処理装置と、からなる通信システムであって、
前記通信回線交換装置は、無線電話機との間の制御信号の通信で受信した、予め定めた種別の制御メッセージを、送信元の無線電話機の通信相手の無線電話機に転送するためのモード管理手段を有し、
前記無線電話機は、音声通信とデータ通信との間で通信モードを切替える制御を行う手段と、接続されたデータ通信処理装置の指示で通信モードを切替える時に、前記制御メッセージを送信により該切替えを通信相手に知らせるための手段と、通信相手から前記制御メッセージを受信して、接続された通信端末に渡す手段とを有し、
前記データ通信処理装置は、渡された前記制御メッセージから通信相手の通信モードを判定する手段と、接続された無線電話機にコマンドを出し、判定された通信モードへの切替えがなされるようにする手段とを有し、送受信双方の前記無線電話機の通信モードを切替えることを特徴とする通信システム。 - 無線通信回線を介して音声通信とデータ通信とを選択的に行う無線通信装置に接続されてデータ通信を行うデータ通信処理装置であって、
前記無線通信装置から渡された制御メッセージから通信相手の通信モードを判定する手段と、前記無線電話機にコマンドを出し、判定された通信モードへの切替えがなされるようにする手段とを有し、送受信双方の前記無線電話機の通信モードを切替えることを特徴とするデータ通信処理装置。 - 基地局を介して無線電話機に接続される通信回線交換装置であって、
無線電話機との間の制御信号の通信で受信した、予め定めた種別の制御メッセージを、送信元の無線電話機の通信相手の無線電話機に転送するためのモード管理手段を有し、送受信双方の前記無線電話機の通信モードを切替えることを特徴とする通信回線交換装置。
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