JP3946590B2 - 画像処理方法、画像処理プログラムおよび画像処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、光学顕微鏡などで撮影した細胞の画像においてその細胞の輪郭を抽出する画像処理方法、画像処理プログラム、画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ヒトの遺伝情報の概要が解読され、つぎの段階として医療・創薬分野などへの応用のためにDNAの機能解析が注目されている。その一つの手段として、細胞内にcDNAを注入したときに引き起こされる形態変化を定量的に解析することによって、DNAの機能を明らかにしようとする試みがある。従来、その解析には目視により形態変化をスクリーニングする方法が用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術にあっては、解析処理に多大な時間と費用を必要とするという問題点があった。特に、創薬分野などへ応用するためには大量の形態変化を解析する必要があり(たとえば、1日1万検体以上)、そこで、画像処理により自動的に形態変化を検出し解析することが求められている。
【0004】
また、解析には生きている細胞を扱う必要があるため、従来のように細胞を染色し鮮明な画像を得るという方法をとることができない。さらにまた、位相差画像を用いる場合には、細胞の輪郭が不鮮明なものやノイズが含まれているものが多く、従来のエッジ抽出による方法では輪郭抽出は困難であるという問題点があった。
【0005】
この発明は上記問題を解決するため、細胞の輪郭を迅速にかつ効率的に抽出することにより、形態変化の検出を自動的にかつ所定期間で大量におこなうことが可能な画像処理方法、画像処理プログラム、画像処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる画像処理方法、画像処理プログラムおよび画像処理装置は、同一視野における細胞の位相差画像に関する情報および蛍光画像に関する情報を入力し、入力された位相差画像に関する情報および蛍光画像に関する情報に基づいて前記細胞の輪郭を抽出し、抽出された輪郭に関する情報を出力することを特徴とする。
【0007】
これらの発明によれば、目視に頼ることなく、迅速にかつ効率的に細胞輪郭を抽出することができる。
【0008】
さらに、入力された位相差画像に関する情報に対して、抽出された細胞辺縁のハローを用いて細胞輪郭のエッジを算出し、算出されたエッジを用いてGVF(gradient vector flow)を作成し、入力された蛍光画像に関する情報に対して、モルフォロジを利用して核の輪郭を抽出し、作成されたGVFと抽出された核の輪郭に基づいて細胞の輪郭を抽出することもできる。さらにまた、蛍光画像を注目細胞のマーカーとして用いることもできる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像処理方法、画像処理プログラムおよび画像処理装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
(細胞輪郭抽出処理の概要)
まず、この発明の本実施の形態にかかる画像処理方法における細胞輪郭抽出処理の概要について説明する。図1は、この発明の本実施の形態にかかる画像処理方法における細胞輪郭抽出の概要を示す説明図である。
【0011】
図1において、本実施の形態にかかる画像処理方法は、同一視野の位相差画像と蛍光画像のそれぞれの処理からなる。位相差画像の処理としては、まず、位相差画像のエッジの抽出をおこない(ステップS101)、抽出されたエッジに基づいてGVFの作成をおこなう(ステップS102)。また、蛍光画像の処理としては、初期輪郭の作成をおこなう(ステップS103)。これらの位相差画像の処理と蛍光画像の処理は平行しておこなうことができる。そして、両処理から得られた結果に基づいて、GVF Snakesによって細胞輪郭を抽出する(ステップS104)。
【0012】
このように、位相差画像の特徴を利用してエッジを抽出し、そのエッジを用いて画像処理技術のGVF Snakesにより細胞の輪郭抽出をおこなう。また、蛍光画像は注目細胞のマーカーとして利用し、Snakesの初期輪郭作成に用いる。これによって、画像から正確に細胞輪郭を抽出することができる。
【0013】
(画像処理装置のハードウエア構成)
つぎに、この発明の本実施の形態にかかる画像処理装置のハードウエア構成について説明する。図2は、この発明の本実施の形態にかかる画像処理装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
図2において、画像処理装置は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、HDD204と、HD205と、FDD(フレキシブルディスクドライブ)206と、着脱可能な記録媒体の一例としてのFD(フレキシブルディスク)207と、ディスプレイ208と、I/F(インタフェース)209と、キーボード211と、マウス212と、スキャナ213と、プリンタ214と、を備えている。また、各構成部はバス200によってそれぞれ接続されている。
【0015】
ここで、CPU201は、画像処理装置の全体の制御を司る。ROM202は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。HDD204は、CPU201の制御にしたがってHD205に対するデータのリード/ライトを制御する。HD205は、HDD204の制御で書き込まれたデータを記憶する。
【0016】
FDD206は、CPU201の制御にしたがってFD207に対するデータのリード/ライトを制御する。FD207は、FDD206の制御で書き込まれたデータを記憶したり、FD207に記録されたデータを情報処理装置へ読み取らせたりする。着脱可能な記録媒体として、FD207のほか、CD−ROM(CD−R、CD−RW)、MO、DVD(Digital VersatileDisk)、メモリーカードなどであってもよい。ディスプレイ208は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどである。
【0017】
I/F(インタフェース)209は、通信回線を通じてLANやインターネットなどのネットワークに接続され、ネットワークを介して、他のサーバーや情報処理装置に接続される。そして、I/F209は、ネットワークと内部とのインタフェースを司り、他のサーバーや情報端末装置からのデータの入出力を制御する。I/F209は、たとえばモデムなどである。
【0018】
キーボード211は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力をおこなう。タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス212は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウインドウの移動やサイズの変更などをおこなう。ポインティングデバイスとして同様の機能を備えるものであれば、トラックボール、ジョイスティックなどであってもよい。
【0019】
スキャナ213は、ドライバ画像などの画像を光学的に読み取り、情報処理装置内に画像データを取り込む。さらにOCR機能も備えており、OCR機能によって、印刷された情報を読み取ってデータ化することもできる。また、プリンタ214は、輪郭画像情報などの画像データや文書データを印刷する。たとえば、レーザプリンタ、インクジェットプリンタなどである。
【0020】
(画像処理装置の機能的構成)
つぎに、画像処理装置の機能的構成について説明する。図3は、この発明の本実施の形態にかかる画像処理装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。図3において、画像処理装置は、制御部300と、画像外部入力部301と、位相差画像処理部302と、蛍光画像処理部303と、輪郭抽出処理部304と、記憶部310と、を含んでいる。また、記憶部310は、画像情報記憶部311と、エッジ情報記憶部312と、初期輪郭情報記憶部313と、輪郭画像情報記憶部314と、からなる。
【0021】
ここで、制御部300は、上記各構成部301〜314の制御を司るとともに装置全体の制御を司る。また、画像外部入力部301は、光学顕微鏡350からの同一視野の位相差画像情報および蛍光画像情報の入力を受け付け、画像情報記憶部311に記憶する。
【0022】
また、位相差画像処理部302は、画像情報記憶部311に記憶された位相差画像情報に対して、細胞輪郭のエッジを抽出し、そのエッジ情報をエッジ情報記憶部312に記憶する。より具体的には、画像情報記憶部311に記憶された位相差画像情報から細胞辺縁のハローを抽出し、抽出されたハローを用いて細胞輪郭のエッジを算出し、算出されたエッジ情報をエッジ情報記憶部312に記憶する。なお、ハローの抽出処理の内容およびエッジ情報の算出処理についての詳細は後述する。
【0023】
また、蛍光画像処理部303は、画像情報記憶部311に記憶された蛍光画像情報に対して、モルフォロジを利用して核の輪郭を抽出し、抽出された輪郭情報を初期輪郭情報記憶部313に記憶する。
【0024】
また、輪郭抽出処理部304は、エッジ情報記憶部312に記憶された細胞輪郭のエッジ情報および初期輪郭情報記憶部313に記憶された輪郭情報に基づいて細胞の輪郭を抽出し、その情報を含む輪郭画像情報を輪郭画像情報記憶部314に記憶する。輪郭画像情報記憶部314に記憶された輪郭画像情報は、モニタ351(たとえば図2に示したディスプレイ208)へ出力することができる。
【0025】
さらに、図示は省略するが、輪郭画像情報記憶部314に記憶された輪郭画像情報に基づいて、特徴量(たとえば、細胞の円形度や不整度など)の抽出や形態変化の検出をすることもできる。また、輪郭画像情報記憶部314に記憶された輪郭画像情報は、たとえば図2に示したFD207およびFDD206、I/F209、プリンタ214などによって外部へ出力することができる。
【0026】
上記制御部300、位相差画像処理部302、蛍光画像処理部303、輪郭抽出処理部304は、ROM202、RAM203、HD205あるいはFD207に記憶されたプログラムをCPU201が実行することによってそれらの機能を実現する。
【0027】
また、記憶部310(画像情報記憶部311、エッジ情報記憶部312、初期輪郭情報記憶部313、輪郭画像情報記憶部314)は、RAM203、HD205およびHDD204、あるいはFD207およびFDD206によってその機能を実現する。
【0028】
(画像処理装置の処理手順)
つぎに、画像処理装置の処理の手順について説明する。図4は、この発明の本実施の形態にかかる画像処理装置の処理の手順を示すフローチャートである。図4のフローチャートにおいて、まず、位相差画像411を読み込む(ステップS401)。図5は位相差画像411の一例を示す説明図である。図5に示すように、位相差画像411は、細胞の輪郭が不鮮明なものやノイズが含まれているものが多い。
【0029】
輪郭抽出の有効な手法として、Snakesという画像処理技術がある。これは、画像のエッジをとることである程度の輪郭を抽出し、途切れた部分をこのSnakesの処理によって補完することができる。しかし、今回使用する位相差画像411には細胞内にもエッジがありノイズとなってしまう。そこで、位相差画像411の特徴であるハローのみを抽出することによって、ノイズの少ない細胞輪郭の一部を取り出すことができる。
【0030】
図5に示すように、位相差画像411には細胞の縁に明るい縁取りがある。ここでモルフォロジのclose−openingフィルタを利用することによって、この明るい部分を抽出することができる。
【0031】
具体的には、まず、位相差画像411にclose−openingフィルタを適用する。つぎにフィルタを適用した画像と元画像の輝度差をとることによって、ハローを抽出する(ステップS402)。その後に二値化、細線化処理をおこない細胞輪郭のエッジ412とする(ステップS403)。図6は図5の位相差画像の処理結果である。ここで、使用する構造要素は大きくなるとノイズが増えてしまうので、ハローの部分を抽出する程度の小さい構造要素を選ぶ。この処理によってある程度のエッジを抽出することができる。
【0032】
このハローを抽出して途切れている部分をSnakesによって補う。ただし、一般的なSnakesでは細胞の角や細長い部分の輪郭を正確にとることが困難なので、エッジに引き付けられる力が広範囲におよぶGVFを加えたGVF Snakesによって、細胞の輪郭抽出をおこなう。
【0033】
ステップS403において抽出された画像のエッジ412(図6)を利用してGVF field413を算出する(ステップS404)。具体的には、
【数1】
を最小にするu(x,y),v(x,y)と定義する。
【0034】
エッジ付近では、
【数2】
そして、エッジから離れた場所では、
【数3】
の項の影響が大きくなるのでu,vがゆっくり変化する。したがって、広範囲に力がおよびエッジ付近ではエッジに引き付けられる力が強いので、正確に目的とするエッジを抽出することができる。また、パラメータμの値を大きくするとGVF Snakesの処理の際に輪郭の収束は遅くなるが、ノイズの影響を受け難くなる。図7は、図6のエッジより求めたGVFを画像化したものである。
【0035】
つぎに、蛍光画像421を読み込む(ステップS405)。従来のように細胞を染色し鮮明な画像を得るという方法をとることができないため、解析に使用する画像を得るために、96穴プレート内の細胞に蛍光マーカーを付与したcDNAを注入・培養し、光学顕微鏡350によって撮影した蛍光画像421を読み込む。cDNAを注入してもすべての細胞にcDNAが入り込むわけではない。図8に示すように、注入に成功した細胞の核のみが光っている。
【0036】
蛍光画像421を注目細胞(cDNAの注入に成功した細胞)のマーカーとして利用すると同時に、Snakesの初期輪郭に利用する。蛍光画像421を二値化することによって核の輪郭を抽出し、Snakesの初期輪郭とする(ステップS406)。画像の二値化はヒストグラムによるものが一般的であるが、96穴プレートで撮影した画像は背景部分の輝度が画像内の場所に依存してゆるやかに変化することがあるので、望ましい結果を得ることは難しい。
【0037】
図9は、蛍光画像のある位置の水平方向の輝度分布を示す説明図である。このように輝度分布に勾配がある場合が多い。そこで、ここでは前処理としてモルフォロジを利用することによって、安定して二値化画像を得られるようにした。
【0038】
まず、蛍光画像を核より小さい構造要素でclosing処理をおこない、その後大きい構造要素(ここでは核と同程度の大きさのものを使用)でopening処理をおこなう。これによって、図10に示すように背景画像を得ることができる。図10は、図9と同じ場所における輝度分布を示す説明図である。
【0039】
ここで、opening処理のみでも背景画像を得られるが、closing処理をおこなうことによってノイズを減らすことができる。つぎに、図11に示すように、元画像からこの背景画像を引くことによって発光部分の輝度だけが残り、背景部分の輝度は0以下となるので閾値は簡単に決めることができる。図11は図9と同じ場所の輝度分布を示す説明図であり、この処理で値が0以下になる場合は輝度を0にしている。
【0040】
このように画像を二値化することにより核の型が得られる。この核の輪郭をSnakesの初期輪郭422とする。図12は、図8の蛍光画像の処理結果を示す説明図である。また、この方法で二値化すると密集している細胞の核どうしが繋がってしまう場合がある。そこで、図13に示すように、モルフォロジを利用た分水嶺アルゴリズムにより、繋がっている核を分離する処理を加える。
【0041】
つぎに、GVF Snakesによって細胞の輪郭の抽出処理をおこなう(ステップS407)。GVF Snakesは、
輪郭点を、
【数4】
GVFを、
【数5】
とするとき、以下の式を繰り返し計算して目的の輪郭に収束させる。
【数6】
(α:張力パラメータ、β:平滑パラメータ、γ:GVFのパラメータ、t:時間)
【0042】
ただし、初期輪郭は核の輪郭であり、目的とする輪郭の内側にある。そこで、輪郭を膨らませる力が必要なので、
【数7】
を(2)式に加えた以下の式を利用する。
【数8】
【0043】
上記ステップS406における初期輪郭をこの式によって、輪郭の変化がある程度小さくなるまで計算し、細胞の輪郭を抽出する。図14は図5、図8の画像より細胞の輪郭抽出をおこなった結果を示す説明図である。ここで、実線は初期輪郭を示しており、点線は処理後の輪郭を示している。
【0044】
なお、ステップS401の位相差画像411の読み込みと、ステップS405の蛍光画像421の読み込みは、いずれかが先であってもよく、また、同時であってもよい。したがって、図4に示した順序で位相差画像411の処理が終了した後、蛍光画像421の処理をおこなってもよく、その逆であってもよい。さらに、両者を同時並行でおこなってもよい。
【0045】
(具体的実験例)
つぎに、発明者が実際におこなった具体的な実験例について説明する。この実験例で、使用した画像(696×520Pixel、対物20倍)は、Hela細胞という癌細胞である。この細胞の平均的なサイズは70×50Pixel程度である。この細胞画像160枚(1963個の細胞)について、輪郭抽出をおこない評価をおこなった。蛍光画像はcDNAの注入が成功し、核が発光しているものを使用した。
【0046】
また、つぎのようにパラメータを設定して実験をおこなった。まず、エッジの抽出処理については、使用したモルフォロジの構造要素は3×3、5×5、7×7、9×9Pixelの4種類であり、それぞれの構造要素でエッジを抽出しその結果をマージした。ここで大きさの異なる構造要素を複数使うことによって、より正確にエッジの抽出をすることができた。
【0047】
また、核の輪郭抽出処理については、使用したモルフォロジの構造要素はclosingに11×11Pixel、openingに31×31Pixelの構造要素を使用した。二値化は、輝度(256階調)が0を背景、1以上を核の領域としておこなった。また、GVF Snakesについては、0α=0.6、β= 0.0、γ=2.0、κ=1.8、μ= 0.15とした。
【0048】
評価方法は位相差画像と輪郭抽出をおこなった処理画像を重ねあわせ、目視により評価した。結果として約66%(1963個のうち1294個)の細胞の輪郭抽出に成功した。抽出できていないものは位相差画像においてハローがはっきりと出ておらず、細胞と培地の境界が不鮮明なものである。図15〜図17に結果例を示す。図15〜図17において、初期輪郭は処理結果の実線で示されており、処理後の輪郭は点線で示されている。
【0049】
図15は、画像中央にある細胞の下部分のハローが不鮮明なので輪郭を抽出できなかった例である。図16に示すようにハローが出ている細胞に関しては正確に細胞の輪郭を抽出できている。図17は、図13(d)を初期輪郭として処理したもので、右から二番目の細胞はノイズにより上部の輪郭抽出ができなかったが、それ以外は比較的きれいに輪郭を抽出できた。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態によれば、細胞にcDNAを注入したときに引き起こされる形態変化を検出するために、画像処理のGVF Snakesにより細胞の輪郭抽出を試みた。まず、蛍光画像を用いてGVF Snakesの初期輪郭を作成した。ここでモルフォロジを利用した二値化により撮影条件の影響を受けずに安定して初期輪郭を作成できた。つぎに、位相差画像のハローを抽出してGVF Snakesのエッジ情報としたことで、正確に細胞輪郭を抽出することに成功した。このように蛍光画像と位相差画像を利用することによって、注目細胞の輪郭抽出を自動的におこなうことに成功した。
【0051】
また、本実施の形態における画像処理方法は、あらかじめ用意されたコンピュータ読み取り可能なプログラムであってもよく、またそのプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現される。このプログラムは、HD、FD、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【0052】
(付記1)同一視野における細胞の位相差画像に関する情報および蛍光画像に関する情報の入力を受け付ける画像情報入力工程と、
前記画像情報入力工程によって入力が受け付けられた位相差画像に関する情報および蛍光画像に関する情報に基づいて前記細胞の輪郭を抽出する輪郭抽出工程と、
前記輪郭抽出工程によって抽出された輪郭に関する情報を出力する出力工程と、
を含んだことを特徴とする画像処理方法。
【0053】
(付記2)前記画像情報入力工程によって入力が受け付けられた位相差画像に関する情報に対して、細胞輪郭のエッジを抽出する位相差画像処理工程を含み、
前記輪郭抽出工程は、前記位相差画像処理工程によって抽出された細胞輪郭のエッジに基づいて前記細胞の輪郭を抽出することを特徴とする付記1に記載の画像処理方法。
【0054】
(付記3)前記位相差画像処理工程は、抽出された細胞辺縁のハローを用いて細胞輪郭のエッジを算出し、算出されたエッジを用いてGVF(gradientvector flow)を作成し、
前記輪郭抽出工程は、前記位相差画像処理工程によって作成されたGVFに基づいて前記細胞の輪郭を抽出することを特徴とする付記2に記載の画像処理方法。
【0055】
(付記4)前記画像情報入力工程によって入力が受け付けられた蛍光画像に関する情報に対して、モルフォロジを利用して核の輪郭を抽出する蛍光画像処理工程を含み、
前記輪郭抽出工程は、前記蛍光画像処理工程によって抽出された核の輪郭に基づいて前記細胞の輪郭を抽出することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の画像処理方法。
【0056】
(付記5)前記蛍光画像は、蛍光マーカーを付与したcDNAを注入した細胞に関する画像であることを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の画像処理方法。
【0057】
(付記6)前記蛍光画像を注目細胞のマーカーとして用いることを特徴とする付記5に記載の画像処理方法。
【0058】
(付記7)同一視野における細胞の位相差画像に関する情報および蛍光画像に関する情報の入力を受け付けさせる画像情報入力工程と、
前記画像情報入力工程によって入力が受け付けられた位相差画像に関する情報および蛍光画像に関する情報に基づいて前記細胞の輪郭を抽出させる輪郭抽出工程と、
前記輪郭抽出工程によって抽出された輪郭に関する情報を出力させる出力工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【0059】
(付記8)同一視野における細胞の位相差画像に関する情報および蛍光画像に関する情報を入力する画像情報入力手段と、
前記画像情報入力手段によって入力された位相差画像に関する情報および蛍光画像に関する情報に基づいて前記細胞の輪郭を抽出する輪郭抽出手段と、
前記輪郭抽出手段によって抽出された輪郭に関する情報を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、目視に頼ることなく、迅速にかつ効率的に細胞輪郭を抽出することができ、これによって、形態変化の検出を自動的にかつ所定期間で大量におこなうことが可能な画像処理方法、画像処理プログラム、画像処理装置が得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の本実施の形態にかかる画像処理方法における細胞輪郭抽出の概要を示す説明図である。
【図2】この発明の本実施の形態にかかる画像処理装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】この発明の本実施の形態にかかる画像処理装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【図4】この発明の本実施の形態にかかる画像処理装置の処理の内容を示すフローチャートである。
【図5】位相差画像の一例を示す説明図である。
【図6】図5の位相差画像の処理結果を示す説明図である。
【図7】図6のエッジより求めたGVFを画像化したものを示す説明図である。
【図8】蛍光画像の一例を示す説明図である。
【図9】蛍光画像のある位置の水平方向の輝度分布を示す説明図である。
【図10】図9と同じ場所における輝度分布を示す説明図である。
【図11】図9と同じ場所の輝度分布を示す説明図である。
【図12】図8の蛍光画像の処理結果を示す説明図である。
【図13】繋がっている核を分離する処理を示す説明図である。
【図14】図5、図8の画像より細胞の輪郭抽出をおこなった結果を示す説明図である。
【図15】細胞の輪郭抽出の処理(抽出失敗)を示す説明図である。
【図16】別の細胞の輪郭抽出の処理(抽出成功)を示す説明図である。
【図17】別の細胞の輪郭抽出の処理(抽出成功)を示す説明図である。
【符号の説明】
300 制御部
301 画像外部入力部
302 位相差画像処理部
303 蛍光画像処理部
304 輪郭抽出処理部
310 記憶部
311 画像情報記憶部
312 エッジ情報記憶部
313 初期輪郭情報記憶部
314 輪郭画像情報記憶部
350 光学顕微鏡
351 モニタ
411 位相差画像
412 画像のエッジ
413 GVF field
421 蛍光画像
422 核の輪郭(GVF Snakesの初期輪郭)
Claims (6)
- 画像情報入力手段と、蛍光画像処理手段と、輪郭抽出手段と、出力手段を備えたコンピュータによる画像処理方法であって、
前記画像情報入力手段が、同一視野における細胞の位相差画像に関する情報および蛍光画像に関する情報の入力を受け付ける画像情報入力工程と、
前記蛍光画像処理手段が、前記画像情報入力工程によって入力が受け付けられた蛍光画像に関する情報に対して、モルフォロジを利用して核の輪郭を抽出する蛍光画像処理工程と、
前記輪郭抽出手段が、前記画像情報入力工程によって入力が受け付けられた位相差画像に関する情報と、前記蛍光画像処理工程によって抽出された核の輪郭に基づいて前記細胞の輪郭を抽出する輪郭抽出工程と、
前記出力手段が、前記輪郭抽出工程によって抽出された輪郭に関する情報を出力する出力工程と、
を含んだことを特徴とする画像処理方法。 - 前記コンピュータは位相差画像処理手段をさらに備え、
前記画像処理方法は、前記位相差画像処理手段が前記画像情報入力工程によって入力が受け付けられた位相差画像に関する情報に対して、細胞輪郭のエッジを抽出する位相差画像処理工程を含み、
前記輪郭抽出工程は、前記位相差画像処理工程によって抽出された細胞輪郭のエッジに基づいて前記細胞の輪郭を抽出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。 - 前記位相差画像処理工程は、抽出された細胞辺縁のハローを用いて細胞輪郭のエッジを算出し、算出されたエッジを用いてGVF(gradient vector flow)を作成し、
前記輪郭抽出工程は、前記位相差画像処理工程によって作成されたGVFに基づいて前記細胞の輪郭を抽出することを特徴とする請求項2に記載の画像処理方法。 - 前記蛍光画像は、蛍光マーカーを付与したcDNAを注入した細胞に関する画像であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の画像処理方法。
- 画像情報入力手段と、蛍光画像処理手段と、輪郭抽出手段と、出力手段を備えたコンピュータに実行させる画像処理プログラムであって、
前記画像情報入力手段に、同一視野における細胞の位相差画像に関する情報および蛍光画像に関する情報の入力を受け付けさせる画像情報入力工程と、
前記蛍光画像処理手段に、前記画像情報入力工程によって入力が受け付けられた蛍光画像に関する情報に対して、モルフォロジを利用して核の輪郭を抽出する蛍光画像処理工程と、
前記輪郭抽出手段に、前記画像情報入力工程によって入力が受け付けられた位相差画像に関する情報と、前記蛍光画像処理工程によって抽出された核の輪郭に基づいて前記細胞の輪郭を抽出させる輪郭抽出工程と、
前記出力手段に、前記輪郭抽出工程によって抽出された輪郭に関する情報を出力させる出力工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。 - 同一視野における細胞の位相差画像に関する情報および蛍光画像に関する情報を入力する画像情報入力手段と、
前記画像情報入力手段によって入力が受け付けられた蛍光画像に関する情報に対して、モルフォロジを利用して核の輪郭を抽出する蛍光画像処理手段と、
前記画像情報入力手段によって入力された位相差画像に関する情報と、前記蛍光画像処理手段によって抽出された核の輪郭に基づいて前記細胞の輪郭を抽出する輪郭抽出手段と、
前記輪郭抽出手段によって抽出された輪郭に関する情報を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
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