JP3946544B2 - 給餌装置及びこれを使用する給餌システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば養殖魚等に餌を与える給餌装置及び給餌システムに係り、特に、極めて微小量の給餌が正確に、しかも瞬時に行える給餌装置と、この給餌装置を使用し残餌が少なく効率よく給餌できる給餌システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、餌等の飼料の過剰投与等により養殖漁場の環境が悪化している。このような状況に適切に対処し、持続的な養殖生産の確保を図るためには、漁場環境の改善と残餌の少ない給餌方法の開発が必要である。自発摂餌式給餌は、今までにない食欲対応型の自動給餌方法の一つであり、必要最小限の給餌量で効率のよい成長が得られ、残餌が少ないため水質の悪化を防止できるというメリットを有している。
【0003】
従来、この種の給餌装置としては、特開平10−178958号公報に記載の魚用の給餌機がある。この公報に記載の給餌機は、図14に示すように餌箱61と、餌箱61の底部を閉塞するように固定されて餌を落下させる貫通孔62Aを開口している底板62と、底板62の貫通孔62Aの開口面積を調整して餌量を調整する調整板63と、底板62の上面に沿って回転して、餌を底板の貫通孔62Aに供給する回転羽根64と、回転羽根64を回転させるモーター65とを備えている。
【0004】
そして、餌箱61は上部餌箱61Aと下部餌箱61Bを備え、下部餌箱61Bは上部餌箱61Aに対して回転できるように配設されている。下部餌箱61Bは回転羽根64と一緒に回転されるように回転羽根64に連結されており、モーター65が下部餌箱61Bと回転羽根64の両方を回転し、回転羽根64でもって底板62の貫通孔62Aに餌を供給して排出するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記構造の給餌装置は、餌箱が上部餌箱61Aと下部餌箱61Bとから構成され、構造が複雑であると共に動作が不安定となる虞があり、貫通孔62Aを通過する給餌量の調整は調整板63を進退させて開口面積を変化させるものであるため、微量の給餌の際には、貫通孔62Aの開口面積を、ごく小さくする必要がある。しかし、稚魚期の飼料は粒径が小さく粘着性があるため、小さな開口部からは安定した供給ができないため、給餌機毎の給餌量のばらつきが大きく、給餌量の微量調整が難しいという問題点があった。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、構成が簡単で動作が安定しており、微量な給餌量を正確に、しかも瞬時に安定して餌を供給することができ、特に稚魚等への微量な給餌に適した給餌装置を提供することにある。また、前記した給餌装置と、稚魚等の摂餌要求を正確に検出する装置等を組み合わせて、摂餌要求に対応して微量の給餌量を正確に瞬時に供給でき、残餌が少なく効率よく給餌できる給餌システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成すべく、本発明に係る給餌装置は、餌を収容し底面に排出口を有するホッパー部と、排出口の上部を覆い底面との間に空間を有して対向するゲートと、該ゲートと底面との空間に進入して餌を空間内に送り込み排出口から排出させるフィーダープレートと、フィーダープレートを駆動する駆動モーターと、ゲートを上下動させてゲートの下面と底面との空間の間隔を調整する調整手段とを備える。
【0008】
そして、本発明に係る給餌装置は、ホッパー部は円筒壁部を有し該円筒壁部内に餌を収容し、フィーダープレートは、円筒壁部の底部に同心的に位置すると共に円錐面を有するフィーダーの底部より外周方向に突出する円盤状で、餌を空間内に送り込む鋸歯状の切欠き部を備えることを特徴としている。
【0009】
さらに、本発明に係る給餌装置の好ましい具体的な他の態様としては、前記の給餌装置において、調整手段は空間の間隔を段階的に調整することを特徴とする。また、フィーダープレートの回転角度を計測する計測装置を備えると、さらに好適であり、駆動モーターは回転角度を一定の角度に制御可能であることが好ましい。
【0010】
このように構成された本発明の給餌装置によれば、ホッパー部に収容された餌は底板の上面とゲートの下面との空間内に、駆動モーターの回転により進入するフィーダープレートにより送り込まれ、底面の排出口から自重で落下して排出され稚魚等の給餌対象に給餌される。餌はフィーダープレートで微量ずつ正確にゲートと底面との空間に送り込まれるため、給餌量がばらつくことなく、しかも瞬時に餌を排出して給餌対象の稚魚等に供給することができる。
【0011】
ホッパー部の円筒壁部内に収容された餌は、円錐状のフィーダーで外周部に集められ、円盤状のフィーダープレートの切欠き部で餌を間隔内に送り込むので、極めて微量の餌を正確に、しかも瞬時に排出することができる。また、空間の間隔を段階的に調整できるため、微量の給餌量を段階的に正確に調整して排出することができる。計測されたフィーダープレートの回転角度と、前記調整手段で調整される空間の間隔で設定される定量給餌量より、排出される総給餌量を算出することができる。また、駆動モーターを、回転角度が一定になるように制御することにより、定量給餌量と回転角度により排出される総給餌量を算出することができる。
【0012】
本発明に係る給餌システムは、前記したいずれかの給餌装置と、給餌対象の自発摂餌要求を検知する検知装置とを備え、該検知装置が給餌対象の自発摂餌要求を検知したとき駆動モーターを駆動して、排出口から所定量の餌を排出させることを特徴とする。
【0013】
この給餌システムによれば、稚魚等の給餌対象の自発摂餌要求を検知し、この検知信号を基に給餌装置を作動させて瞬時に餌を供給するため、稚魚等の食欲に合わせてタイミングよく給餌できるので、稚魚等の成長を良好に保つことができる。また、食欲に合わせて給餌量を設定できるため残餌が少なく、水槽内の水が腐敗することが少なく快適な環境で稚魚等を効率よく飼育することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る給餌装置の一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は本実施形態に係る給餌装置の正面図、図2は図1のA−A線断面図、図3は図2のB−B線断面図である。図1〜3において、給餌装置1は下方の本体部2と、その上方の餌を収容するホッパー部10とを備えている。本体部2は直方体状のケースであり、正面に操作スイッチ3、サンプルスイッチ4、カウンター5、及びデータロガ端子6が備えられ、前面には前記の操作部を覆うコントロールカバー7が上部を支点として回動可能に支持されている。本体部2から電源コード8が延出されている。
【0015】
操作スイッチ3は、給餌装置1の自動・切・連続を切換えるものであり、「自動」の場合、後述の検知スイッチの信号により、給餌装置1を作動させ、1回分給餌する。また、サンプルスイッチ4の押圧によっても1回分給餌する。「切」は、点検時や非常時等に切換えるもので、運転を停止する。「連続」は、検知スイッチの信号に関係なく連続運転となり、例えば外部のタイマー(図示せず)により運転、停止となり、従来型の給餌装置となる。このとき、給餌装置1のカウンター5は作動しない。さらに、後述のホッパー部内の飼料の強制排出時にも使用する。カウンター5は給餌回数をカウントするものであり、1回分の給餌量が安定しているので給餌量とカウント数を掛けることにより総給餌量を計算できる。また、データロガ端子6からのカウント数の出力で給餌時刻と給餌回数との関係である給餌リズムが記録できる。
【0016】
ホッパー部10は厚板状の円形のホッパー底板11と、このホッパー底板上に連結された円筒状の円筒壁部12と、この円筒壁部の上部開口を閉塞する蓋体13とから構成され、円筒壁部内に餌を収容する。ホッパー底板11と円筒壁部12とは2つの止め金具で連結されている。円筒壁部12は本例では上下に分割されて止めねじで連結されている。ホッパー底板11は円筒壁部12に沿って、餌を排出するために上方に開口する湾曲した長円状の排出口14を備えている。この排出口14は本体部2内の落下口9と連通し、落下口は下方が開口している。
【0017】
このようにホッパー部10は概略円柱容器状をしており、上部の蓋体13から餌を収容して下方の排出口14から所定量の餌を、例えば所定時間ごとに或いは指示に従って排出するものである。すなわち、給餌装置1は、ホッパー部10内の餌を所定の時刻に給餌する場合は、操作スイッチ3を連続に設定しタイマーやタイムスイッチにより作動させ、給餌対象からの自発摂餌要求があったときに給餌する場合は、操作スイッチ3を自動に設定し、後述する自発摂餌要求の検知スイッチからの指示で排出機構20を作動させるものである。排出機構20の餌の排出量は、調整機構30で調整することができる。
【0018】
つぎに、ホッパー部10内の餌を排出する排出機構20及び排出量を調整する調整機構30について、図4〜9を参照して説明する。図4は図2のC矢視図、図5は図4のD−D線断面図、図6は図4の平面図、図7は図6のE−E線に沿う動作状態を示す断面図、図8は排出機構及び調整機構を示す要部斜視図、図9は調整機構を示す要部分解斜視図である。
【0019】
先ず、排出機構20について詳細に説明する。上方開口の排出口14は、餌が直接排出されないように上部をゲート15で覆われ、ゲートの下方の底面との間に高さHの空間16が形成されている。すなわち、排出口14の開口面積よりゲート15のホッパー底板11と対向する面積の方が大きく設定されている。ゲート15はホッパー底板11と対向する下面は平坦面で上面は傾斜面となっており、長手方向の一方の端部は傾斜しており、円筒壁部12に対接するように平面形状が湾曲し、後述する調整機構30により上下動可能となっている。
【0020】
ホッパー底板11の上方には、円錐面を有するフィーダー22が円筒壁部12と同心的に位置しており、ホッパー底板11の裏面に固定された駆動モーター23により回転可能となっている。フィーダー22の下面にはフィーダープレート24が固定されている。フィーダープレート24は金属薄板材から円盤状に形成され、外周には切欠き部を構成する鋸歯状の歯24aが形成され、ホッパー底板11に密着してゲート15とホッパー底板11との間に進入し、餌をゲートの下方の空間16内に送り込むものである。本例では、フィーダープレート24は0.3〜0.5mm程度の厚さのステンレス鋼板から形成され、外周が9度間隔で分割された40個の歯24aが形成されており、歯と歯の間は餌を引掛けて送り込む切欠き部24bとなっている。
【0021】
駆動モーター23はフィーダー22及びフィーダープレート24を所定の角度回転させるものであり、ステッピングモーターやサーボモーター等が好適である。ステッピングモーターの場合、所定のパルス数を印加することによりオープンループで所定角度だけ回転させることができる。また、サーボモーターの場合、回転軸の絶対位置をセンサにより検出できるため、フィーダー22等を所定の角度だけ高精度に回転させることができる。
【0022】
このように、排出機構20は、ホッパー部10内の餌をフィーダープレート24の切欠き部24bに引掛けて空間16内に送り込み、餌が排出口14に位置したとき自重で落下させるものである。フィーダープレート24の1歯分の回転が1回の給餌回数となり、カウンター5で計測される。この給餌回数の計測は、フィーダープレート24に機械的に係合する接点(図示せず)等で計測することができ、また駆動モーター23を作動させるパルスを計測するようにしてもよい。
【0023】
ゲート15は円筒壁部12とフィーダー22の垂直面との間に対接して上下動するものであり、調整機構30によってホッパー底板11の上面とゲート15の下面との空間16の間隔Hを調整できる。円筒壁部12の内面には上下方向の係合溝12aが形成され、この係合溝に操作片31が上下動可能に位置し、操作片31にゲート15がねじ止めされている。係合溝12aの中心には円筒壁部12を貫通する縦長孔12bが形成され、縦長孔内には操作軸32が位置している。操作軸32は一端が皿ねじ頭部で操作片31に係合し、他端は外周ねじ部が形成され円筒壁部12より外部に突出している。
【0024】
円筒壁部12の外周には、水平方向に調整機構30を構成する目盛板取付金具33が固定されている。目盛板取付金具33は、中央の平坦部には外側面に横方向にスライド可能に目盛板34が支持され、両端部は円筒壁部12に固定する脚部となっている。目盛板34は目盛板取付金具と対接する設定部34aと、この設定部から直角に延出する操作部34bとからL字状に形成され、設定部の中央には横方向のスライド溝34cが形成され、下辺には高さが8段階の設定面34dが形成されている。図示の例では、各設定面の高さは1mmであり、1番下の設定面と1番上の設定面との高さは7mmとなっている。そして、スライド溝34cを貫通する2本のねじやリベット等の止め具33aが目盛板取付金具33に固定され、目盛板34は横方向にスライドできる構成となっている。
【0025】
目盛板34の内側の円筒壁部12には縦長の指示プレート35が上下動可能に支持されている。指示プレート35は金属板材を屈性して形成され、縦長部35aと、この縦長部の側方から突出して目盛板の設定面に対接する設定部35bとを備えている。そして縦長部の中心には縦長の長孔35cが形成され、この長孔内に支持ねじ36が嵌合している。支持ねじ36の先端は円筒壁部12にねじ込まれており、指示プレート35は円筒壁部12に対して上下動可能となっている。縦長部35aの下方には操作軸32が貫通する貫通孔35dが設けられており、指示プレート35と操作軸32とを連結している。
【0026】
操作軸32の貫通側の端部には円柱状のつまみ37が嵌合し、つまみの内周の空隙には押圧バネ38が圧縮状態に装着されている。そして、つまみ37の外側の操作軸32の先端に袋ナットとナットからなる止め具39が固定されている。この止め具39はつまみ37と指示プレート35の対接面が僅かな隙間を有するように固定され、押圧バネ38が指示プレート35に弾接している。このため、指示プレート35は上下方向に所定の押圧力を加えることにより上下動可能であると共に、任意の位置に停止することができるように構成されている。そして、指示プレート35の位置に連動して操作片31を介してゲート15が上下動するように構成され、ゲート15の下面とホッパー底板11の上面との空間16の間隔Hを調整している。この間隔Hを調整することにより、空間16内に進入する餌の量を調整することができる。
【0027】
つぎに、前記した給餌装置1と、給餌対象の自発摂餌要求を検知する検知装置とを備える給餌システムについて、図10〜12を参照して説明する。先ず、給餌システムを構成する給餌対象である稚魚等の自発摂餌要求を検出する検知スイッチについて、図10,11を参照して説明する。図10は検知装置である検知スイッチの断面図、図11は図10の動作状態を示す断面図である。
【0028】
この検知スイッチ40は、筐体41に支持された固定接点42と、固定接点と対向する接点43aを有する可動接片43と、筐体41に移動可能に支持され可動接片43を固定接片42方向に移動させる押圧片45と、筐体41にヒンジ部46aを介して揺動可能に支持され押圧片45を移動させる作動片46とを備え、可動接片43を固定金具47の水平部47aと粘弾性型樹脂から構成される衝撃吸収体44とにより挟んで支持している。そして、作動片46には水平ロッド48が固着され、水平ロッドは中央の凹部48aと調整部48bとを備えている。調整部には調整重り49が軸方向に移動可能に装着され、凹部には垂直ロッド50が連結され、先端に疑似餌51をつけることができる。
【0029】
この検知スイッチ40は、前記した給餌装置1と組み合わされ給餌システムを構成する。すなわち、図12に示すように、検知スイッチ40はケース52等に入れられ給餌装置1と共に水槽S等の上部に設置される。検知スイッチ40は水槽Sの水中に位置する疑似餌51を備え、例えば水槽S中の稚魚Tが疑似餌51を引張る動作や、つつく動作を検出して信号線53により給餌装置1に供給するものである。稚魚Tが餌を要求する摂餌動作をしたとき、疑似餌51に接触してアクセスし、この動作を検知して速やかに給餌する給餌装置1を備えることにより、残餌が少なく良好な環境で稚魚の優れた成長を得ることができるものである。稚魚Tの自発摂餌要求はデータロガ端子6から出力される。
【0030】
この給餌システムは、給餌対象として例えば体重が0.14g〜0.43g程度のニジマスの稚魚Tが疑似餌51を0.1g以下の引張り力で引いた場合でも、衝撃吸収体44が僅かに圧縮されて接点42と43aが閉じるように設定されており、稚魚Tの極めて微細な行動を確実に検出することができるため、稚魚Tの摂餌要求を正確に検知することができ、この検知により速やかに給餌装置1を作動して給餌を行うものである。
【0031】
前記の如く構成された本実施形態の給餌装置1を使用する給餌システムの動作について以下に説明する。給餌装置1から餌Fを例えば水槽Sに供給するときは、先ずホッパー部10に餌Fを充填しておく。すなわち、ホッパー部10の上部の蓋体13を開き、内部に粒状或いは顆粒状の餌Fを充填する。餌Fはフィーダー22の円錐面を下り、円筒壁部12の内面に沿って集められるため、最後まで途中に滞ることなく排出することができる。
【0032】
ホッパー部10に餌を充填したあと、操作スイッチ3を自動にしてサンプルスイッチ4を押し、駆動モーター23を回転させてフィーダープレート24を所定のステップ数だけ回転させ、図7に示すように次のステップで餌Fが落下する直前の状態に初期設定し、カウンター5を「0」にリセットする。この状態で稚魚Tが疑似餌51を引張ると、検知スイッチ40の接点43aが固定接点42と接触して信号線53により給餌装置1を作動させる。
【0033】
すなわち、駆動モーター23を回転させ、フィーダー22及びフィーダープレート24を1ステップである9度だけ反時計方向に回転し、フィーダープレート24の歯24aの切欠き部24bに餌Fを引掛けて旋回し、餌Fをゲート15とホッパー底板11との間の空間16に送り込み、排出口14から落下口9を通して水槽S内に落下させる。稚魚Tが疑似餌51を引張り、検知スイッチ40が給餌装置1を作動させて餌を落下させるのに、約2秒以内という瞬時に餌を稚魚Tに与えることができる。
【0034】
ゲート15とホッパー底板11との空間16の間隔H、すなわちゲート高さを最低の1mmに設定し、餌Fの粒子形状は125〜180ミクロンの微細粒で100回作動させた場合、フィーダープレート24を1ステップの9度だけ回転させたときの餌の最低排出量は約0.03gであった。そして、排出量の標準偏差は0.005gと極めて精度の良いものであった。従って、フィーダープレート24を2ステップの18度回転させると、約0.06gの餌がゲート15の下に進入して排出口14から排出される。そして、最低排出量である0.03gとカウンター5で計測された給餌回数であるステップ数とを掛けることにより、給餌量を算出することができる。
【0035】
つぎに、ゲート15の高さを変化させて、空間16の間隔Hを調整する動作について説明する。ゲート高さが1mmのときは、目盛板34の1番左の設定面と指示プレート35の設定部35bとが対接しているが、ゲート高さを例えば2mmに設定するときは目盛板34を左方に1ステップだけ移動すると、2番目の設定面34dと設定部35bとは1mmの間隔で離れる。つぎに、つまみ37を上方に押圧すると、指示プレート35は1mmだけ上方に移動して設定部35bは2番目の設定面と対接する。これにより、つまみ37に連動して操作軸32、操作片31が上方に移動し、ゲート15は上方に1mmだけ上昇して間隔Hは2mmに設定される。
【0036】
このようにして、間隔Hを2mmに設定し、同様に1ステップの9度だけフィーダープレート24を回転させると、約0.04gの餌がゲート15の下に進入して排出口14から排出される。すなわち、ゲート高さが2mmのときの餌の最低排出量は約0.04gであり、フィーダープレート24を複数ステップだけ回転させることにより、その倍数の餌が排出される。同様に、ゲート高さを3mmとしたときは、最低排出量は約0.08gとなり、ゲート高さを4,5,6,7,8mmとした場合の最低排出量は、それぞれ約0.1g,0.15g,0.2g,0.25g,0.28gであった。従って、複数歯を送ることにより、前記の整数倍の給餌量を得ることができる。
【0037】
また、餌の粒子形状が180〜300ミクロンの微細粒の場合、ゲート高さを1〜8mmまで変化させたとき、最低排出量は約0.036g、0.05g、0.09g、0.115g、0.176g、0.208g、0.292g、0.343gとなる。このようにゲート高さを変化させて間隔Hを調整することにより、餌の排出量を略リニアに精度よく変化させることができ、排出時間は約2秒以内と瞬時に排出できるため、魚等の摂餌要求に合わせて、タイミングよく給餌することができる。なお、微細粒の大きさが300〜500ミクロンの場合や、粒子形状がクランブルで700ミクロン、800〜1300ミクロンの場合、また粒子形状が顆粒で400ミクロン、700ミクロン、1300ミクロン、1800ミクロン、2000ミクロンの場合の排出量を調べたが、同様にばらつきが少なく精度よく排出できることが確認できた。
【0038】
従来の給餌装置では、前記のような微量の餌を正確に与えることはできず、例えば、初期個体体重が0.4gの稚魚を8000匹、水槽に入れて1回の検知スイッチの稼動で排出される給餌量と残餌の発生を調べたところ、餌量が0.06gを越えると残餌が発生し、残餌により水槽の水が汚染されるという不具合が発生していた。
【0039】
ここで、魚等の自発摂餌要求に対して、給餌されるまでの応答時間の違いによる影響と、応答時間と給餌量との関係、及び応答時間の違いが成長に及ぼす影響について述べる。先ず、給餌応答時間が魚の摂餌行動に与える影響について、図13を参照して説明する。図13は朝6時過ぎから徐々に照明を点灯し、夕方7時頃から徐々に消灯してコントロールし、給餌応答時間を2秒、4秒、15秒、60秒としたときの15分間の自発摂餌要求を示し、2〜7週続けた場合の各週の要求回数を示すグラフである。
【0040】
図13から明らかなように、魚等の自発摂餌要求に対して、給餌応答時間が短い方が、すなわち要求したあと瞬時に給餌する方が摂餌要求回数が多くなるという傾向があり、この傾向は週を増すごとに大きくなり、食欲が増進して魚が反応することが分かる。従って、自発摂餌要求があってから2〜4秒以内で餌を供給すると、魚は効率よく餌を食して残餌が起こることが少なくなり、成長が早まることを期待できる。
【0041】
また、初期個体体重が1.53gの稚魚を約40匹、水槽に入れ、約40週間飼育した場合の給餌応答時間が成長に及ぼす影響を調査した。この結果を示す表1から明らかなように、給餌応答時間が短いと総摂餌量に示されるように、たくさん食べて平均体重が増え、成長率が高くなることが判明した。また、残餌が少ないため、生簀等の環境が汚染されることが少なく、良好な環境で成長の速い飼育が可能となる。なお、表1において、a,b,abのアルファベットが違うものは5%危険率で有意差ありを示し、各試験区の数値は3反復区の平均±標準偏差を示している。
【0042】
【表1】
【0043】
このように、稚魚の食欲に正確に対応して、1回に排出される餌量を微量にしながら食欲を満たすように瞬時に給餌するため、残餌が極めて少なく、残餌が長時間水中に放置されて水が腐敗することを回避でき、水槽等の環境の清掃を簡略化できる。また、稚魚の成長を良好に保つことができる。
【0044】
なお、前記した実施形態では、フィーダープレートを金属性の薄板で形成する例を示したが、数mm程度の厚さを有する樹脂製の板材から形成してもよい。また、フィーダープレートの切欠き部として鋸歯状の切欠き部を用いたが、円盤状の板材に貫通する孔を形成し、この孔に餌を引掛けてゲートの空間に送り込むようにしてもよい。さらに、切欠き部として、貫通する溝部を形成してもよい。給餌対象として稚魚の例を示したが、この給餌装置と給餌システムは大型の魚にも適用できることは勿論であり、また魚以外の給餌対象にも適用でき、給餌対象の効率のよい成長を期待できる。
【0045】
給餌対象の自発摂餌要求を検知する検知装置として、粘弾性体で接点板を支持し体重が極めて小さい稚魚の微細な動作を検出する検知スイッチの例を示したが、例えば給餌対象が疑似餌を突く動作を検出できるものであれば、どのような構成のものであってもよい。すなわち、体重の大きい成魚を飼育する場合は、自発摂餌動作が大きいため、大きい動作を検知できる検知手段を使用することができる。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明から理解できるように、本発明の給餌装置は、微量の餌をばらつきが少なく正確に、しかも瞬時に給餌することができる。また、給餌量が安定し、魚等の給餌対象に与える餌量を正確に把握できるため、効率のよい給餌システムを得ることができる。さらに、適量の餌で残餌がないため、水槽の水が腐敗することがなく、快適な環境で飼育することができる。そして、給餌対象の摂餌要求に合わせて瞬時に給餌できるため、給餌対象の成長を良好に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る給餌装置の一実施形態の正面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】図2のB−B線断面図。
【図4】図2のC矢視図。
【図5】図4のD−D線断面図。
【図6】図4の平面図。
【図7】図6のE−E線に沿う動作状態を示す断面図。
【図8】排出機構及び調整機構を示す要部斜視図。
【図9】調整機構を示す要部分解斜視図。
【図10】検知スイッチの断面図。
【図11】図10の動作状態を示す断面図。
【図12】給餌システムの概略構成図。
【図13】給餌対象の自発摂餌要求回数を示すグラフ。
【図14】従来技術を示す要部断面図。
【符号の説明】
1 給餌装置、 10 ホッパー部、
11 ホッパー底板、 14 、排出口、
15 ゲート、 16 空間、
20 排出機構、
22 フィーダー、 23 駆動モーター、
24 フィーダープレート、
24a 歯、 24b 切欠き部、
30 調整機構、 31 操作片、
32 操作軸、 33 目盛板取付金具、
34 目盛板、 34d 設定面、
35 指示プレート、 37 つまみ、
38 押圧バネ、 39 止め具、
40 検知スイッチ(検知装置)、
53 信号線、
H 空間の間隔、 F 餌、
S 水槽、 T 稚魚
Claims (5)
- 餌を収容し底面に排出口を有するホッパー部と、前記排出口の上部を覆い前記底面との間に空間を有して対向するゲートと、前記空間に進入して前記餌を該空間内に送り込み前記排出口から排出させるフィーダープレートと、前記フィーダープレートを駆動する駆動モーターと、前記ゲートを上下動させて前記空間の間隔を調整する調整手段とを備え、
前記ホッパー部は、その円筒壁部内に餌を収容し、前記フィーダープレートは、前記円筒壁部の底部に同心的に位置すると共に円錐面を有するフィーダーの底部より外周方向に突出する円盤状で、前記餌を前記空間内に送り込む切欠き部を備えることを特徴とする給餌装置。 - 前記調整手段は、前記空間の間隔を段階的に調整することを特徴とする請求項1に記載の給餌装置。
- 前記フィーダープレートの回転角度を計測する計測装置を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の給餌装置。
- 前記駆動モーターは、回転角度を制御可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の給餌装置。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の給餌装置と、給餌対象の自発摂餌要求を検知する検知装置とを備え、該検知装置が給餌対象の自発摂餌要求を検知したとき前記駆動モーターを駆動して、前記排出口から所定量の餌を排出させることを特徴とする給餌システム。
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