JP3944252B2 - 不飽和型重合体の水添方法 - Google Patents

不飽和型重合体の水添方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、赤外分光分析を利用して水添率を検知しながら、高圧オートクレーブ内で不飽和型重合体を水素添加する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
赤外線ATR(Attenuated Total Reflection )セルは、従来の透過型セルに較べると低感度であるが、セルを反応液に浸漬してin-situ に赤外線吸収スペクトルを得ることができるという優れた特徴を有する。しかも、近年のコンピュータの発達により、ATRセル出力中の微弱な吸収スペクトル信号のS/N比が、フーリエ変換および逆変換という数学的手法を用いることにより大幅に向上した結果、低感度というATR法の弱点は事実上克服され、定量分析手法としての地位を確立しつつある。
【0003】
一般に、このようなフーリエ変換を利用する赤外線分光装置は、FT−IR(Fourier Transform Infrared Spectrometer )と称される。
【0004】
また、従来の透過型セルによる赤外線分光法では1回の分析に数分を要するのに対して、ATR法によるFT−IRでは1秒間に数回の反復分析が可能で、極めて迅速である。
【0005】
ATR法の上記の特徴を活かすことができれば、進行中の反応過程をリアルタイムに追跡して、反応制御など有用な処理を行うことが可能になる。しかし、高圧オートクレーブ内に水素を供給しながら不飽和型重合体の水素化を行う方法においては、高温、高圧、高粘度、引火爆発などの問題があり、ATR法を実用化するには、まだ解決すべき問題が多い。
【0006】
本発明者らは、水素添加反応(以下、「水添反応」という)による高飽和型重合体の製造工程における水添反応打切り時期を決定するためにATR法の適用を考えた。すなわち、不飽和結合を有する重合体を溶剤に溶解した溶液セメント中のC=C二重結合の濃度をATR法FT−IRによりリアルタイムに追跡し、目標巣点率に到達したかを判定しようとするものである。
【0007】
そのためには、水添反応温度における赤外線吸収スペクトルから得られる各種分子内構造部位の吸光度比を説明変数として、水添率を所要の精度で推定しうる検量線を確立する必要があることは勿論であるが、それにも増して重要なのは安全性の確保である。
【0008】
水添工程では漏洩性、爆発性が極めて高い水素を大量に扱い、反応速度を高めるために水素は高圧でオートクレーブに供給される。しかも、ATRセルは水素が充満しているオートクレーブ内に配置される。
【0009】
通常、ATRセルはプローブで保護して使用されるが、セルはオートクレーブ内の反応液に直接触れる必要から、その一部がプローブから露出している。このような構造から、セルが何らかの原因で破損した場合やセルとプローブの継ぎ目に隙間ができた場合は、オートクレーブの内容物がプローブ内へ侵入し、パイプ状のオプティカルパスを通ってFT−IRや系外にまで達しうる。FT−IRには高温の赤外線ランプやリレー接点等があり、水素ガスが侵入した場合には着火源となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、ATR法のプローブにおいて、たとえセルが破損しても、オプティカルパス等の部分からFT−IRや系外へガスが噴出することを確実に防止でき、しかも、FT−IRとATRセルの間を赤外光が自由に往復することができて、赤外線吸収スペクトルの観測に支障を来すことのない、不飽和型重合体の水添方法における赤外分光分析技術を提供することある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、高圧オートクレーブ中において、SBR、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、NBR、ポリノルボルネンの中から選ばれた不飽和型重合体を含む反応液に水素を吹き込んで、該不飽和型重合体を水添する方法において、該反応液に浸漬される赤外線ATRセルをその先端部に保持し、他端にオートクレーブへの気密取付手段を備え、ATRセルと前記他端との間を光学的に連結する内部オプティカルパスを前記ATRセルと一体的にその内部に保持するプローブと、赤外光を低損失で通過させると共にオートクレーブの使用圧力に耐えうる耐圧窓部材とを備え、前記プローブがオートクレーブ内に挿入された状態で、前記耐圧窓部材を前記プローブの気密取付手段に重ねてオートクレーブ器壁の取付孔に気密に固定し、オートクレーブ外の赤外分光分析装置と前記プローブ内部のオプティカルパスとが前記耐圧窓部材を介して光学的に連結されてなる装置を用い、反応液中のC=C二重結合の濃度を追跡しながら水素化することを特徴とする不飽和型重合体の水添方法により達成される。
【0012】
上記赤外線プローブ装置における前記耐圧窓部材は、所定形状のKRS−5材からなることができる。KRS−5は臭化タリウム−ヨウ化タリウム混合物の結晶であって、光学材料として優れているのみならず、衝撃に強く割れにくい特性を有している。しかし、他の材料であっても、本発明の課題解決原理に沿う性能を有する材料ならば、必ずしもKRS−5材に限られないことはいうまでもない。例えば、臭化タリウム−塩化タリウム混合物であるKRS−6を使用することもできる。
【0013】
また、上記赤外線プローブ装置はさらに、前記内部オプティカルパスを遮断しうる遮断弁を備えることができる。
【0014】
上記の遮断弁は、平行な2つの貫通孔を弁体に有するボール弁またはプラグ弁であることができる。
【0015】
【作用】
ATRセルがプローブに保持され、プローブ自体はある程度の耐圧性を有するとしても、セルはオートクレーブ内の反応液に直接触れる必要からその一部がプローブから露出している。このような構造から、セルが何らかの原因で破損したりセルとプローブの継ぎ目に隙間ができた場合は、オートクレーブの内容物がプローブ内へ侵入する可能性がある。
【0016】
しかし、上記の赤外線プローブ装置では、赤外光を低損失で通過させると共にオートクレーブの使用圧力に耐えうる耐圧窓部材からなる耐圧窓をオートクレーブの器壁に設け、この耐圧窓を境として、ATRセル及びその付属部品を保持するプローブ全体を、オートクレーブの高圧区域内へ閉じ込めている。従って、万一ATRセルが破損して重合体含有反応液や水素ガスがプローブの中へ侵入しても、それらが外部の低圧区域へ噴出することが防止される。
【0017】
また赤外光は、前記耐圧窓を通じてATRセルと外部のFT−IRの間を低損失で自由に往復することができるので、上記の赤外線プローブ装置が、赤外線吸収スペクトルの観測の妨げになることはない。
【0018】
このように、上記の赤外線プローブ装置では、耐圧窓部材が発明の成否の鍵を握る重要部品である。
【0019】
本発明の発明者らは各種の材料をテストした結果、赤外線透過性能において従来から定評のあるKRS−5と呼ばれる光学材料が、機械的強度においても優れた性能を有することを見出した。所定厚さのKRS−5材の板は、オートクレーブの内圧が一時にステップ状に掛かる場合でも十分に耐えられることを実験的に確かめた。耐圧窓部材の厚さ等は、Mechanical Engineer's Handbook, 4th Ed.,McGrow Hill Book Co.,Inc. 所載の下記計算式により決定することができる。
【0020】
t/D=0.866(P/Fa)1/2
ここで、t:厚さ(mm)、Fa:見かけの弾性限界(kg/cm2)、P:圧力(kg/cm2)、D:円形形状の直径(mm)である。
【0021】
また本発明において、プローブの内部オプティカルパスの途中に遮断弁を設けることは、安全対策の2重化の意味がある。すなわち、通常はこの弁を開いておくが、プローブに漏れがあることが検知された場合には直ちにこれを閉止する。これにより、セルの破損等による衝撃圧力から耐圧窓を保護することができる。また、耐圧窓に何らかの問題があることが発見された場合に、オートクレーブの運転中であっても遮断弁を閉じることにより、点検、交換作業を安全に行うことができ、安全性を一層高めることができる。
【0022】
遮断弁の弁形式としては、迅速操作が可能なボール弁あるいはプラグ弁が好ましいが、通常の弁では流路孔が1つしかない。本発明の場合は、往復の赤外光が混じり合わないように2つの光路を区分する必要があるので、弁を2個使用しなければならないことになる。しかし、それでは遮断弁の嵩ばりが無視できないものになり、また2つの光路を1操作で緊急遮断するのに不便である。そこで、平行な2つの貫通孔を弁体に有するボール弁あるいはプラグ弁を、本発明の赤外線プローブ装置のために特別に用意することにした。
【0023】
以下、本発明の実施例について説明するが、先ず、本発明の不飽和型重合体の水添反応に用いる装置の全体構成、並びにATRセルの構造及び作動原理について概観しておく。
【0024】
(水添反応装置の全体構成)図1は、水添反応装置の一例を示すブロック図である。図面中央の反応器は冷却用ジャッケット及び攪拌機付のオートクレーブ100で、この中に不飽和結合を有する重合体の溶液セメントと水添反応触媒がチャージされており、攪拌機で攪拌しつつ、水素ガスが流量計101を通して連続的に供給される。オートクレーブ内の温度は温度制御装置102により制御されており、オートクレーブ内部の発熱量に応じて冷却水がジャッケットへ供給される。
【0025】
この反応装置では、赤外線プローブ装置1はオートクレーブ100の上部から挿入されている。オートクレーブ100外に設置されているFT−IR200から、赤外光がオプティカルパス203aを経てオートクレーブ中のATRセル2へ供給され、セル2からオプティカルパス203bを経てオートクレーブ100外の検出器201へ戻る。
【0026】
検出器201で検出されたATRセル2の出力信号はFT−IR200へ供給され、ここで信号処理されて吸収スペクトルが抽出される。吸収スペクトル信号は別のコンピュータ202へインプットされて水添率の推定が行われる。推定水添率データは、図示しないオートクレーブ制御装置へ送られ、反応停止等、必要な制御動作が行われる。
【0027】
FT−IR200及び検出器201はオートクレーブ100の近くに設置する必要があるので、窒素加圧した内圧防爆ボックスに収容して可燃性ガスとの接触を防ぐ。コンピュータ202その他は、オートクレーブ100から離れた非防爆区域に設置される。
【0028】
なお、ATRセル2を高粘度の重合体溶液に浸漬する場合、セル2の汚れによる感度低下が懸念されるが、上記赤外線プローブ装置を使用した水添工程の場合は、数十バッチに1回程度のクリーニングを行えば、実用上問題がないことが判明している。
【0029】
(ATRセルの構造及び作動原理)
図2は、ATRセルの構造を示す断面図である。
【0030】
ATRセル2のプローブ4の下端部のくぼみ6には、ロッドがプローブ4から露出して保持されている。このロッドはATRセル2の本体であるから、以下の説明ではセルと同じ符号2を付す。ロッド2は四角柱状に研磨された光学材料からなり、この部分が測定対象である反応液に直接接触する。オプティカルパス3aの下端はロッド2の上端に接続されており、オプティカルパス3aから下方に向けて赤外光が入射すると、ロッド2の両側から斜め下向に向かう入射光を与える。赤外光はロッド2の中を多数回全反射しつつ他端から射出される。
【0031】
赤外光がロッド2の中で全反射する際、極く微量の光がロッド2の境界面を越えて反応液中へ滲み出し、そこで遭遇する原子団に固有な波数(波長)の光が吸収され、残った光が再びロッド2内へ戻る。
【0032】
従って、全反射といっても入射光の全部が反射されるのではなく、吸収波数の光の強度が吸収された分だけ減少した光が反射されるから、ロッド2からの射出光には吸収スペクトルが含まれることになる。しかし、入射光の大部分がそのまま反射光になり、吸収スペクトルは反射光の極めて僅かの割合を占めるに過ぎないから、吸収に対するATRセル2の感度は低い。そこで、ロッド2の中でなるべく多数回全反射を繰り返すことにより吸収感度を向上させると共に、前述のように、信号処理段階でS/N比を上げる工夫がされている。
【0033】
ロッド2から射出された赤外光は、プローブの下端で180°方向転換され、図中右側のオプティカルパス3b内を上方へ進み、検出器201に至る。
【0034】
次に、本発明の一実施例で用いる装置について説明する。図3は、この実施例で用いる赤外線プローブ装置1の一部透視図を含む斜視図である。この赤外線プローブ装置1は、上記図1に示したものと同様、オートクレーブ100の上部から挿入されるものである。図3には、赤外線プローブ装置1外のFT−IR200及び検出器201と共に、これらと赤外線プローブ装置1とを結ぶ外部オプティカルパス203a、203bが示されている。
【0035】
プローブ4は円筒形をなし、その上端にフランジ5を有し、プローブ4の下部にはロッド2が露出された状態で保持されている。プローブ4の内部には、ロッド2からプローブ4上端のフランジ面の高さまで、2本の内部オプティカルパス3a、3bが延びている。
【0036】
オートクレーブ100上部の鏡板には、高圧容器の一部としてのフランジ105付きノズル104が溶接されており、ここからプローブ4が挿入される。その際、プローブ4とノズル104のフランジ5、105を合わせてその間にパッキング材を介在させておく。次に、プローブ4のフランジ5の上に、オートクレーブの使用圧に耐えうる所定の直径及び厚さに研磨したKRS−5材の円板7を、2枚のパッキング材に挟んで載せ、さらにその上から、プローブ4と、FT−IR200及び検出器201とを連結する外部オプティカルパス203a、203bが装填されたパイプ204のフランジ205を、内外のオプティカルパス3a、203a、及び3b、203bの光軸を合わせて載せ、以上3枚のフランジ5、105、205をボルトで締め着けて固定する。こうして、本実施例の赤外線プローブ装置1が完成する。
【0037】
以下に、本実施例の赤外線プローブ装置1の作用について説明する。
【0038】
ロッド2がプローブ4に保持され、プローブ4自体はある程度の耐圧性を有するにしても、ロッド2はオートクレーブ100内の反応液に直接触れる必要上、その一部がプローブ4から露出している。このような構造から、ロッド2が何らかの原因で破損したり、ロッド2とプローブ4の継ぎ目に隙間ができた場合は、オートクレーブ100の内容物がプローブ4内へ侵入する可能性がある。
【0039】
しかし、本実施例のプローブ装置1では、赤外光を低損失で通過させると共にオートクレーブの使用圧力に耐えうるKRS−5材の円板からなる耐圧窓7を、高圧容器の一部としてのフランジ付きノズル104上に固定し、この耐圧窓7を境として、プローブ4全体をオートクレーブ100の高圧区域内に閉じ込めている。従って、万一ロッド2が破損して反応液や水素ガスがプローブ4の中へ侵入しても、それらが外部の低圧区域へ噴出することは未然に防止される。
【0040】
また赤外光は、耐圧窓7を通じてロッド2と外部のFT−IR200及び検出器201との間を低損失で自由に往復することができるので、上記の赤外線プローブ装置1が赤外線吸収スペクトルの観測に支障を与えることはない。
【0041】
なお、上で説明したオートクレーブ100の上部から挿入するタイプの赤外線プローブ装置1は、オートクレーブの鏡板から内容物液面までの距離が短い、比較的小型のオートクレーブでの使用に適している。大型のオートクレーブでは、前記液面までの距離が長いため、上部挿入型の赤外線プローブ装置ではプローブ4の全長を長くしなければならず、そのため、プローブ4が振動し易くなる等の不都合がある。
【0042】
次に、本発明の他の実施例で用いる装置について説明する。図4は、この実施例で用いる赤外線プローブ装置10の縦断面図である。この実施例の赤外線プローブ装置10は、上記図3に示したものとは異なり、オートクレーブ100の底部から挿入される。このタイプの赤外線プローブ装置10は全長を短くすることができるという利点を有し、特に大型のオートクレーブ100では、上述した理由により、底部挿入型の赤外線プローブ装置10が適している。
【0043】
それ以外に、この実施例が図3の実施例と異なる点は、プローブ4のフランジ5と耐圧窓7との間に、遮断弁8と圧力検出用ノズル9とを備えることである。ノズル9には図示しない圧力検出器が接続される。遮断弁8は2孔ボール弁である。この弁8は通常は開かれており、弁体に設けられた2つの平行な貫通孔が、往復の内部オプティカルパス3a、3bの一部として機能している。しかし、ノズル9に接続した圧力検出器によりプローブ4に漏れがあることが検知された場合には、直ちに閉止される。
【0044】
遮断弁8を設けたことにより、ロッド2の破損等によりプローブ4に侵入したオートクレーブ100の内容物や水素ガスを遮断して、これらが耐圧窓7に衝撃力を及ぼすことを防止することができる。また、耐圧窓7に何らかの問題がある場合は、オートクレーブ100の運転中であっても、遮断弁8を閉じることにより点検、交換作業を安全に行うことができる。従って、安全性を一層高めることができる。
【0045】
本実施例においても、耐圧窓7を境にしてプローブ4全体をオートクレーブ100の高圧区域内に閉じ込めている点、その他は、上記図3の実施例と同じであるから、その作用等の詳細な説明を省略する。
【0046】
(耐圧窓部材試験装置の説明)
図5は、赤外線プローブ装置に用いる耐圧窓部材を試験する装置の構成を示す図である。配管先端のフランジに試験される材料で作成した円板を固定し、この円板を目がけて砂混じりの水を衝突させて衝撃圧力を与える装置である。この場合、砂は砕けたロッドの破片を模擬しており、図中の記号RDは所定圧力で破裂する破裂板を表している。
【0047】
この試験装置を用いて、所定の厚さに研磨したKRS−5材の円板が本発明に使用できる機械的強度を有することを確認した。
【0048】
【発明の効果】
本発明の水添方法において用いる赤外線プローブ装置では、赤外光を低損失で通過させると共に高圧オートクレーブの使用圧力に耐えうる耐圧窓部材からなる耐圧窓をオートクレーブの器壁に設け、この耐圧窓を境として、ATRセル及びその付属部品を保持するプローブ全体を、オートクレーブの高圧区域内へ閉じ込めている。従って、万一ATRセルが破損して反応液や水素ガスがプローブの中へ侵入しても、それらが外部の低圧区域へ噴出することが防止される。
【0049】
また赤外光は、前記耐圧窓を通じてATRセルと外部のFT−IRの間を低損失で自由に往復することができるので、上記の赤外線プローブ装置が赤外線吸収スペクトルの観測の妨げになることはない。
【0050】
従って、上記の赤外線プローブ装置により、赤外線ATRセルを高圧オートクレーブ中に安全に保持することができると共に、赤外線ATRセルの性能を十全に発揮させることができる。上記装置を用いることにより、重合体溶液中のC=C二重結合等の濃度をATR法FT−IRによりリアルタイムに追跡し、目標の水添率に到達したか否かを判定することが可能になる。
【0051】
かくして、本発明の水添方法によれば、高い安全性と信頼性をもって、SBR、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、NBR、ポリノルボルネンの中から選ばれた不飽和型重合体の水素添加を行うことができる
【0052】
【図面の簡単な説明】
【図1】赤外線プローブ装置を備えた水添反応装置の一例を示すブロック図である。
【図2】ATRセルの構造を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施例としての赤外線プローブ装置(オートクレーブの上部から挿入するタイプ)の一部透視図を含む斜視図である。
【図4】本発明の他の実施例で用いる赤外線プローブ装置(オートクレーブの底部から挿入するタイプ)の縦断面図である。
【図5】赤外線プローブ装置に用いる耐圧窓部材を試験する装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1、10 赤外線プローブ装置
2 ATRセル(ロッド)
3a、3b、203a、203b オプティカルパス
4 プローブ
5、105、205 フランジ
6 プローブ先端部のくぼみ
7 耐圧窓
8 遮断弁
9 圧力検出用ノズル
100 反応器(オートクレーブ)
101 水素流量計・積算計
102 温度制御装置
104 ノズル
200 FT−IR
201 検出器
202 コンピュータ
204 パイプ

Claims (1)

  1. 高圧オートクレーブ中において、SBR、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、NBR、ポリノルボルネンの中から選ばれた不飽和型重合体を含む反応液に水素を吹き込んで、該不飽和型重合体を水添する方法において、
    該反応液に浸漬される赤外線ATRセルをその先端部に保持し、他端にオートクレーブへの気密取付手段を備え、ATRセルと前記他端との間を光学的に連結する内部オプティカルパスを前記ATRセルと一体的にその内部に保持するプローブと、
    赤外光を低損失で通過させると共にオートクレーブの使用圧力に耐えうる耐圧窓部材とを備え、
    前記プローブがオートクレーブ内に挿入された状態で、前記耐圧部材を前記プローブの気密取付手段に重ねてオートクレーブ器壁の取付孔に気密に固定し、
    オートクレーブ外の赤外分光分析装置と前記プローブ内部のオプティカルパスとが前記耐圧窓部材を介して光学的に連結されてなる装置を用い、反応液中のC=C二重結合の濃度を追跡しながら水素化することを特徴とする不飽和型重合体の水添方法。
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