JP3942202B2 - Photopolymerization initiator, energy beam curable composition containing the same, and cured product thereof - Google Patents

Photopolymerization initiator, energy beam curable composition containing the same, and cured product thereof Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、新規な特定な構造を有するスルホニウム塩またはスルホキソニウム塩、それらからなる光重合開始剤、これを含有するエネルギー線の照射により硬化が可能なエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】
光重合性組成物は印刷インキ、塗料、コーティング、液状レジストインキ等の分野において、省エネルギー、省スペース、無公害性等の要請から盛んに研究され、実用化が検討されてきた。しかしこれらの研究の大部分は二重結合のラジカル重合反応に基づくものであった。カチオン重合性物質、例えばエポキシ樹脂は、物性的には優れた材料であるが光重合をさせることは困難で、今までアクリル変性することにより二重結合を導入した材料が主に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
光によりエポキシ樹脂を硬化されるのに、例えば米国特許第3794576号には感光性芳香族ジアゾニウム塩を光重合開始剤として使用し光照射により光重合開始剤を分解し、ルイス酸を放出することによりエポキシ樹脂を重合する方法が提案されている。しかしながら芳香族ジアゾニウム塩は光分解によりルイス酸と同時に窒素ガスを放出し、そのためにエポキシ樹脂の膜厚が15μ以上になると塗膜が発泡し、厚塗りの用途には適さない。更に、又、エポキシ樹脂との混合物は光が存在しない時でも、徐々に硬化が進行する等、保存安定性に問題があり、一液性の組成物とはなりえない。
上記のジアゾニウム塩系開始剤の欠点を克服すべく、種々検討がなされ、厚塗り性及び保存安定性の改良された技術として芳香族スルホニウム塩系や芳香族ヨードニウム塩系開始剤及びそれらを含有する硬化性樹脂組成物が特公昭52−14278号公報、特公昭52−14277号公報、特開昭54−53181号公報、特公昭59−19581号公報等に開示されている。しかしながら、これらの芳香族オニウム塩を含有する組成物はジアゾニウム塩に比較し硬化性が乏しいという欠点を有し、又芳香族スルホニウム塩の場合は、硬化物の臭気が問題となっていた。かかる欠点を克服するべく、特開昭56−55420号公報等に、特定の基を有する芳香族スルホニウム塩が提案されている。しかし、上記の欠点は、いくらか解消されるものの十分ではない。又、光重合性組成物の使用される分野が拡大するにつれて、市場の要求に対応するために、新規な光重合開始剤、それを含有する組成物の提供は重要である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の課題を解決するため鋭意研究の結果、新規な光重合開始剤を開発し、これを用いた組成物は、保存安定性、相容性、硬化性に優れ、その硬化物は臭気が少ないエネルギー線硬化性組成物を提供することに成功した。
すなわち、本発明は、
(1)式(1)
【0005】
【化3】

Figure 0003942202
【0006】
{式中、Xは式(2)で示される基
【0007】
【化4】
Figure 0003942202
【0008】
(式中R6 〜R15は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシ基、C1 〜C20の構造中に、水酸基、エーテル基、エステル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、あるいはアリル基を有しても良い脂肪族基、フェニル基、フェノキシ基、チオフェノキシ基、のいずれかから選択された基である。)
1 〜R5 は、それぞれ水素原子、水酸基、C1-15の脂肪族基、ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシ基、フェニル基、及び式(2)で示される基から選択された基であり、nは1〜4、Zは式(3)または式(4)
【0009】
MQp (3)
MQp-1 (OH) (4)
【0010】
(式中、Mはリン原子、ホウ素原子、ヒ素原子またはアンチモン原子であり、Qはハロゲン原子であり、Pは4〜6の整数である。)で示される。}で示されるスルホニウム塩。
(2)これらの塩からなる光重合開始剤及び
(3)カチオン重合性物質(A)と(1)項記載の光重合開始剤(B)を含有することを特徴とするエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物に関する。
【0011】
本発明で用いるカチオン重合性物質(A)としては、例えば、エポキシ樹脂、スチレン、ビニルエーテル等のカチオン重合性ビニル化合物、更にはスピロオルソエステル、ビシクロオルソエステル、スピロオルソカーボナートのような環状エーテル類が挙げられる。エポキシ樹脂としては、従来、公知の芳香族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、更にはエポキシド単量体類、エピサルファイド単量体類が挙げられる。
ここで、芳香族エポキシ樹脂として例示すれば、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールまたはそのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジルエーテルであって、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール化合物またはビスフェノール化合物のアルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加体とエピクロロヒドリンとの反応によって製造されるグリシジルエーテル類、ノボラック型エポキシ樹脂類(例えば、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂等)、トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル等が挙げられる。また、脂環式エポキシ樹脂として、具体的な例としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロー3,4−エポキシ)シクロヘキサノン−メタ−ジオキサン、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、EHPE−3150(ダイセル化学工業株式会社製、脂環式エポキシ樹脂、軟化点71℃)等が挙げられる。
【0012】
更に脂肪族エポキシ樹脂の例としては、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテルがあり、その代表例としては、1,4−ブタンジーオルのジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド)を付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテルが挙げられる。更にエポキシド単量体類の例としては、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルやフェノール、クレゾール、ブチルフェノールまたはこれらにアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0013】
カチオン重合性ビニル化合物としては、例えば、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメチロールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、
【0014】
【化5】
Figure 0003942202
【0015】
及び
【0016】
【化6】
Figure 0003942202
【0017】
等が挙げられる。また、これらカチオン重合性有機材料は単独でも2種以上の混合物でもかまわない。
【0018】
本発明で用いる一般式(1)で表されるスルホニウム塩としては、例えば一般式(5)で表されるチオキサントン系化合物
【0019】
【化7】
Figure 0003942202
【0020】
(式中、R1 〜R5 は、それぞれ水素原子、水酸基、C1 〜C15の脂肪族基、ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシ基、エステル基、フェニル基から選択された基である。)
と置換または非置換ジフェニルスルホキシド化合物を公知のスルホニウム塩の生成反応を利用する方法(以下1)法という)、2)相当する置換及び非置換のスルホニウム塩をあらかじめ合成し、その後、置換基を変換、導入する方法(以下2)法という)のいずれかにより合成することができる。
先ず1)法を具体的に説明すると式(5)で表されるチオキサントン系化合物(具体例としては、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジプロピルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−ヒドロキシ−3,4−ジメチルチオキサントン、1−メトキシチオキサントン、2−メトキシチオキサントン、3−メトキシチオキサントン、4−メトキシチオキサントン、1−メチル−4−ヒドロキシチオキサントン、1−メチル−4−クロロチオキサントン、1,2−ジメチル−4−クロロチオキサントン、1,3−ジメチル−4−クロロチオキサントン、2,3,4−トリメチルチオキサントン、3−ニトロチオキサントン、3−エトキシチオキサントン、1,3,4−トリメチル−2−オキシカルボニルメチルチオキサントン、2−オキシカルボニルメチル−4−メチルチオキサントン、2−フェニルチオキサントン、1−カルボニルオキシメチルチオキサントン、1−カルボニルオキシエチル−3−ニトロチオキサントン、1−カルボニルオキシエチル−3−エトキシチオキサントン等を挙げることができる。)と置換または非置換ジフェニルスルホキシド化合物(例えば、ジフェニルスルホキシド、4,4′−ジフルオロジフェニルスルホキシド、2,2′−ジフルオロジフェニルスルホキシド、3,3′−ジフルオロジフェニルスルホキシド、4,2′−ジフルオロジフェニルスルホキシド、4,4′−ジブロムジフェニルスルホキシド、4,4′−ジクロロジフェニルスルホシキド、2,2′,4,4−テトラクロロジフェニルスルホキシド、4,4′−ジメチルジフェニルスルホキシド、4,4′−ジエチルジフェニルスルホキシド、4,4′−ジメトキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジエチルジフェニルスルホキシド、4−メチルチオジフェニルスルホキシド、4−フェニルチオジフェニルスルホキシド等)を公知の方法、例えば脱水剤(例えば、五酸リン、濃硫酸、無水酢酸等)中で、常温〜100℃で縮合反応を行ない、次いで、これらの反応液を式(3)又は(4)(例えば、NaSbF6 、NaPF6 、NaAsF6 、NaBF4 、NaSbF5 OH、KSbF6 、KPF6 、KAsF6 、KSbF5 OH等)の水溶液に滴下し、スルホニウム塩を得ることができる。
【0021】
2)法を具体的に説明すると、1)法で合成したスルホニウム塩、例えば式(6)
【0022】
【化8】
Figure 0003942202
【0023】
(但し、式中、R1-5 は、式(5)中のR1-5 と同一で、Aはハロゲン原子、Zは前記式(3)または式(4)で示される。)で示される化合物等の公知の方法、例えば、塩基性化合物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等)の存在下、大過剰のモノ又ポリアルコール類(例えば、メタノール、エタノール、カルビトール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,4−ブタンジオール、グリシドール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、アリルアルコール等)を室温〜150℃で、必要に応じて、ジメチルスルホキシド等の有機溶剤の存在下反応させることにより、前記ハライド化合物のハライド部が例えば、
【0024】
【化9】
Figure 0003942202
【0025】
【化10】
Figure 0003942202
【0026】
【化11】
Figure 0003942202
【0027】
【化12】
Figure 0003942202
【0028】
等の置換基に変換されたスルホニウム塩を得ることができる。
一般式(1)で示される化合物の代表例としては次表1、表2の化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
【表1】
Figure 0003942202
【0030】
【表2】
Figure 0003942202
本発明の硬化性組成物は、100重量部のカチオン重合性物質(A)対して0.01〜20重量部より好ましくは0.1〜10重量部の前記の式(1)で示されるスルホニウム塩(B)を必須の成分とするが適当な割合は、カチオン重合性物質やエネルギー線の種類、照射量、所望の硬化時間、温度、湿度、塗膜厚などさまざまな要因を考慮することによって決定される。カチオン重合性物質へのスルホニウム塩の溶解を容易にするため、あらかじめスルホニウム塩を溶剤類(例えば、プロピレンカーボネート、カルビトール、カルビトールアセテート、ブチロラクトン等)に溶解し使用することができる。
本発明の硬化性組成物は、カチオン重合性物質及びスルホニウム塩を混合、溶解あるいは混練等の方法により調製することができる。
【0031】
本発明の硬化性組成物は、紫外線等のエネルギー線を照射することにより0.1秒〜数分後に指触乾燥状態あるいは溶媒不溶性の状態に硬化することができる。適当なエネルギー線としては、スルホニウム塩またはスルホキソニウム塩の分触を誘発するエネルギーを有する限りいかなるものでもよいが、好ましくは、高、低圧水銀ランプ、キセノンランプ、殺菌灯、レーザー光などから得られる2000オングストローム〜7000オングストロームの波長を有する電磁波エネルギーや電子線、X線、放射線等の高エネルギー線を使用する。エネルギー線への暴露は、エネルギー線の強度によるが、通常は0.1秒〜10秒程度で十分である。しかし比較的厚い塗装物についてはそれ以上の時間をかけるのが好ましい。エネルギー線照射後0.1秒〜数分後には、ほとんどの組成物はカチオン重合により指触乾燥するが、カチオン重合反応を促進するために加熱を併用することも場合によっては好ましい。
本発明の組成物には、さらにカチオン重合を損わない範囲で希釈のための溶剤や、改質のための非反応性の樹脂や(メタ)アクリル酸エステル化合物(例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応物であるエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート等のオリゴマーや、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のモノマー等)を配合することができる。(メタ)アクリル酸エステル化合物を使用する場合には、光ラジカル重合開始剤(例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アセトフェノンジメチルケタール、ベンゾイルメチルエーテル等)を使用するのが好ましい。また例えば、電気特製を改良する目的などのため有機カルボン酸や酸無水物を使用したり、あるいはゴム弾性をもたせるなどの目的でポリマールその他の可とう性プレポリマーを混合することができる。
【0032】
本発明の組成物は、通常透明な液状として使用されるものであるが、用途によっては不活性な顔料、染料、充填剤、静電防止剤、難燃剤、消泡剤、流動調整剤、増感剤、促進剤、光安定剤等を混合して用いられる。本発明の組成物は金属、木材、ゴム、プラスチック、ガラス、セラミック製品等に使用することができる。さらに本発明の具体的な用途としては、塗料、コーティング剤、インキ、レジスト、液状レジスト、接着剤、成形材料、注型材料、パテ、ガラス繊維含浸剤、目止め剤等が挙げられる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、実施例中の部は、重量部である。
【0034】
(式(1)で表されるスルホニウム塩の合成例)
実施例1
2,4−ジエチルチオキサントン38.4部、4,4′−ジフルオロジフェニルスルホキシド23.8部、無水酢酸100部及びメタンスルホン酸398部を仕込み、25℃で攪拌しながら約8時間反応を行ない、次いで、この反応混合物をNaSbF6 の水溶液619.9部(水582.8部にNaSbF637.1部を溶解したもの。)に少しずつ滴下し、析出した黄色の固体をろ過、水及びエチレンエーテルで洗浄した。黄色の固体が93.0部得られた。生成物の融点は81.1〜87.9℃で元素分析値は次のとおりであった。
元素 実測値(重量%) 計算値(重量%)
炭素 48.10 48.02
水素 3.25 3.20
イオウ 8.89 8.84
アンチモン 16.71 16.78
フッ素 20.99 20.95
この製造方法に基づいて、構造式
【0035】
【化13】
Figure 0003942202
【0036】
のスルホニウム塩を得た。
【0037】
実施例2.
1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン61部、4,4′−ジメチルジフェニルスルホキシド46.1部、無水酢酸200部、及びメタンスルホン酸796部を仕込み、25℃で約8時間反応させ、次いで反応混合物をNaSbF6 の水溶液862.8部(水810.6部にNaSbF6を51.7部を溶解したもの。)に少しずつ滴下し、析出した黄色の固体をろ過し、水及びエチルエーテルで洗浄した。黄色の固体が135.6部得られた。生成物の融点は、105.2〜111.0℃で元素分析値は、次のとおりであった。
元素 実測値(重量%) 計算値(重量%)
炭素 47.84 47.80
水素 3.52 3.48
イオウ 8.57 8.51
アンチモン 16.20 16.15
フッ素 15.15 15.12
塩素 4.72 4.70
この製造方法に基づいて、構造式
【0038】
【化14】
Figure 0003942202
【0039】
のスルホニウム塩を得た。
実施例3.
2−イソプロピルチオキサントン50.8部、ジフェニルスルホキシド40.4部、無水酢酸200部及びメタンスルホン酸796部を仕込み、25℃で約8時間反応させ、次いで反応混合物をNaPF6 の水溶液560部(水526.4部にNaPF6 33.6部を溶解したもの。)に少しずつ滴下し、析出した黄色の固体をろ過、水及びエチルエーテルで洗浄した。黄色の固体が105.1部得られた。生成物の融点は、79.1〜85.7℃で元素分析値は、次のとおりであった。
元素 実測値(重量%) 計算値(重量%)
炭素 57.49 57.53
水素 3.99 3.96
イオウ 10.95 10.97
リン 5.28 5.30
フッ素 19.52 19.50
この製造方法に基づいて、構造式
【0040】
【化15】
Figure 0003942202
【0041】
のスルホニウム塩を得た。
【0042】
実施例4
実施例1で得た化合物40部、水酸ナトリウム4.0部、エチレングリコール200部を仕込み、室温で24時間反応し、その後、水中に注ぎ込み析出した黄色の固体をろ過し、乾燥し常温で固体の生成物を得た。生成物の構造式は下記のものであり、元素分析の結果は計算値にほぼ一致した。
【0043】
【化16】
Figure 0003942202
【0044】
元素 実測値(重量%) 計算値(重量%)
炭素 48.31 48.26
水素 4.10 4.05
イオウ 8.07 8.05
アンチモン 15.30 15.29
フッ素 14.33 14.31
【0045】
(組成物の実施例)
実施例5〜8、比較例1、2
表3に示す配合組成(数値は重量部である。)に従ってエネルギー線硬化性組成物を配合し、混合溶解した。これを、アルミテストパネル上に5μの厚さに塗布し高圧水銀灯(80w/cm)で8cmの距離から紫外線を照射し、硬化させた。調整された組成物の透明性、保存安定性、指触乾燥性、硬化塗膜の光沢、臭気について試験した。それらの結果を表3に示す。
【0046】
透明性:組成物の透明性を目視判定した。
○・・・・完全に透明である
△・・・・わずかににごりあり
×・・・・白ダクしている
××・・・・すぐに分離する
保存安定性:組成物を40℃で3ケ月間保存し、安定性を調査した。
○・・・・全く変化していない
△・・・・やや増粘している
×・・・・ゲル化している
指触乾燥性:指触乾燥するまでの照射量(mJ/cm2) を測定した。
光沢:指触乾燥するまでの照射量(mJ/cm2) を照射した後、硬化塗膜の表面を目
視判定した。
○・・・・光沢が良好である
△・・・・ややくもりがある
×・・・・全く光沢がない
【0047】
臭気:塗布面に1000mJ/cm2照射した後、硬化塗膜の表面の臭気を観察した。
○・・・・全く臭気がない
△・・・・わずかに臭気がある
×・・・・臭気がある
××・・・・臭気が強い
【0048】
【表3】
Figure 0003942202
【0049】
注 *1 化合物1:ジフェニル−4−チオキフェノールキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート
*2 化合物2:4,4′−ビス〔ビスフェニルスルホニオ〕フェニルスルフィドビスヘキサフルオロホスフェート
*3 セロキサイド2021:ダイセル化学工業(株)製、脂環式エポキシ樹脂
*4 EHPE−3150:ダイセル化学工業(株)製、脂環式エポキシ樹脂
表3の結果から明らかなように、本発明の光重合開始剤を含有した組成物は、相容性、保存安定性に優れ、透明で硬化性に優れ、硬化塗膜の光沢が良好であり、硬化塗膜の臭気も小さい。
【0050】
【発明の効果】
本発明の光重合開始剤を含有したエネルギー線硬化性組成物は、相容性、保存安定性に優れ、透明で硬化性に優れ、硬化塗膜の光沢が良好で、硬化塗膜の臭気も小さく、優れた物性の硬化物をあたえる。[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a sulfonium salt or sulfoxonium salt having a novel specific structure, a photopolymerization initiator comprising the same, an energy ray-curable composition that can be cured by irradiation with energy rays, and a cured product thereof. About.
[0002]
[Prior art]
Photopolymerizable compositions have been actively studied in the fields of printing inks, paints, coatings, liquid resist inks, etc., from the demands for energy saving, space saving, pollution-free property, etc., and their practical application has been studied. However, most of these studies were based on double-bond radical polymerization reactions. Cationic polymerizable substances, such as epoxy resins, are materials with excellent physical properties, but are difficult to photopolymerize, so far materials that have been introduced with double bonds by acrylic modification have been mainly used. .
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
For example, US Pat. No. 3,794,576 uses a photosensitive aromatic diazonium salt as a photopolymerization initiator to decompose the photopolymerization initiator by light irradiation and release a Lewis acid. A method for polymerizing an epoxy resin has been proposed. However, aromatic diazonium salts release nitrogen gas simultaneously with Lewis acid by photolysis, and therefore, when the thickness of the epoxy resin is 15 μm or more, the coating film foams and is not suitable for thick coating applications. Furthermore, a mixture with an epoxy resin has a problem in storage stability, such as a gradual curing even in the absence of light, and cannot be a one-component composition.
Various studies have been made to overcome the drawbacks of the above-described diazonium salt-based initiators, and aromatic sulfonium salt and aromatic iodonium salt-based initiators and the like are included as techniques for improving thick coatability and storage stability. Curable resin compositions are disclosed in Japanese Patent Publication No. 52-14278, Japanese Patent Publication No. 52-14277, Japanese Patent Application Laid-Open No. 54-53181, Japanese Patent Publication No. 59-19581, and the like. However, compositions containing these aromatic onium salts have the disadvantage that they are less curable than diazonium salts, and in the case of aromatic sulfonium salts, the odor of the cured product has been a problem. In order to overcome such disadvantages, an aromatic sulfonium salt having a specific group has been proposed in JP-A-56-55420. However, although the above disadvantages are somewhat eliminated, they are not sufficient. In addition, as the field in which photopolymerizable compositions are used expands, it is important to provide a novel photopolymerization initiator and a composition containing the same in order to meet market demands.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive research to solve the above-mentioned problems, the present inventors have developed a novel photopolymerization initiator, and a composition using the photopolymerization initiator has excellent storage stability, compatibility, and curability. The cured product has succeeded in providing an energy beam curable composition with less odor.
That is, the present invention
(1) Formula (1)
[0005]
[Chemical 3]
Figure 0003942202
[0006]
{Wherein X is a group represented by formula (2)
[Formula 4]
Figure 0003942202
[0008]
(Wherein R 6 to R 15 are a hydrogen atom, a halogen atom, a nitro group, an alkoxy group, and a C 1 to C 20 structure, respectively, a hydroxyl group, an ether group, an ester group, a (meth) acryloyl group, an epoxy group, Or, it is a group selected from any of an aliphatic group, a phenyl group, a phenoxy group, and a thiophenoxy group, which may have an allyl group.
R 1 to R 5 are each a group selected from a hydrogen atom, a hydroxyl group, a C 1 -C 15 aliphatic group, a halogen atom, a nitro group, an alkoxy group, a phenyl group, and a group represented by formula (2). Yes, n is 1 to 4, Z is Formula (3) or Formula (4)
[0009]
MQ p (3)
MQ p-1 (OH) (4)
[0010]
(Wherein M is a phosphorus atom, boron atom, arsenic atom or antimony atom, Q is a halogen atom, and P is an integer of 4 to 6). } The sulfonium salt shown by these.
(2) A photopolymerization initiator comprising these salts and (3) a cationically polymerizable substance (A) and the photopolymerization initiator (B) described in the item (1), Product and its cured product.
[0011]
Examples of the cationic polymerizable substance (A) used in the present invention include cationic polymerizable vinyl compounds such as epoxy resins, styrene, and vinyl ethers, and cyclic ethers such as spiro orthoesters, bicycloorthoesters, and spiroorthocarbonates. Is mentioned. Examples of the epoxy resin include conventionally known aromatic epoxy resins, alicyclic epoxy resins, aliphatic epoxy resins, epoxide monomers, and episulfide monomers.
Here, as an example of an aromatic epoxy resin, a polyglycidyl ether of a polyhydric phenol having at least one aromatic nucleus or an alkylene oxide adduct thereof, for example, a bisphenol such as bisphenol A, bisphenol F, bisphenol S, etc. Glycidyl ethers and novolac type epoxy resins (for example, phenol novolac type) produced by reacting an adduct of an alkylene oxide (for example, ethylene oxide, propylene oxide, butylene oxide, etc.) of a compound or a bisphenol compound with epichlorohydrin Epoxy resin, cresol / novolak type epoxy resin, brominated phenol / novolac type epoxy resin, etc.), trisphenol methane triglycidyl ether and the like. Specific examples of the alicyclic epoxy resin include 3,4-epoxycyclohexylmethyl-3,4-epoxycyclohexanecarboxylate, bis- (3,4-epoxycyclohexylmethyl) adipate, 2- (3 , 4-epoxycyclohexyl-5,5-spiro 3,4-epoxy) cyclohexanone-meta-dioxane, bis (2,3-epoxycyclopentyl) ether, EHPE-3150 (manufactured by Daicel Chemical Industries, Ltd., alicyclic epoxy resin) , Softening point 71 ° C.) and the like.
[0012]
Examples of aliphatic epoxy resins include polyglycidyl ethers of aliphatic polyhydric alcohols or alkylene oxide adducts thereof, and typical examples thereof include 1,4-butanediol diglycidyl ether, 1,6-hexanediol. Diglycidyl ether, glycerin triglycidyl ether, trimethylolpropane triglycidyl ether, polyethylene glycol diglycidyl ether, propylene glycol diglycidyl ether, ethylene glycol, propylene glycol, glycerin and other aliphatic polyhydric alcohols Or the polyglycidyl ether of the polyether polyol obtained by adding 2 or more types of alkylene oxides (ethylene oxide, propylene oxide) is mentioned. Furthermore, examples of the epoxide monomers include monoglycidyl ethers of higher aliphatic alcohols, phenols, cresols, butylphenols, or monoglycidyl ethers of polyether alcohols obtained by adding alkylene oxides to these.
[0013]
Examples of the cationic polymerizable vinyl compound include triethylene glycol divinyl ether, tetraethylene glycol divinyl ether, cyclohexane-1,4-dimethylol divinyl ether, 1,4-butanediol divinyl ether,
[0014]
[Chemical formula 5]
Figure 0003942202
[0015]
And [0016]
[Chemical 6]
Figure 0003942202
[0017]
Etc. These cationic polymerizable organic materials may be used alone or as a mixture of two or more.
[0018]
Examples of the sulfonium salt represented by the general formula (1) used in the present invention include a thioxanthone compound represented by the general formula (5).
[Chemical 7]
Figure 0003942202
[0020]
(In the formula, R 1 to R 5 are groups selected from a hydrogen atom, a hydroxyl group, a C 1 to C 15 aliphatic group, a halogen atom, a nitro group, an alkoxy group, an ester group, and a phenyl group, respectively.)
And a substituted or unsubstituted diphenyl sulfoxide compound using a known sulfonium salt formation reaction (hereinafter referred to as method 1)), 2) the corresponding substituted and unsubstituted sulfonium salts are synthesized in advance, and then the substituents are converted. , Can be synthesized by any one of the methods (hereinafter referred to as 2).
First, 1) the method will be specifically described. A thioxanthone compound represented by formula (5) (specific examples include 2,4-diethylthioxanthone, 2,4-dipropylthioxanthone, 2-isopropylthioxanthone, 4-isopropyl Thioxanthone, 2-chlorothioxanthone, 1-chloro-4-propoxythioxanthone, 2-hydroxy-3,4-dimethylthioxanthone, 1-methoxythioxanthone, 2-methoxythioxanthone, 3-methoxythioxanthone, 4-methoxythioxanthone, 1-methyl -4-hydroxythioxanthone, 1-methyl-4-chlorothioxanthone, 1,2-dimethyl-4-chlorothioxanthone, 1,3-dimethyl-4-chlorothioxanthone, 2,3,4-trimethylthioxanthone, 3-nitrothio Sandone, 3-ethoxythioxanthone, 1,3,4-trimethyl-2-oxycarbonylmethylthioxanthone, 2-oxycarbonylmethyl-4-methylthioxanthone, 2-phenylthioxanthone, 1-carbonyloxymethylthioxanthone, 1-carbonyloxyethyl -3-nitrothioxanthone, 1-carbonyloxyethyl-3-ethoxythioxanthone, etc.) and substituted or unsubstituted diphenyl sulfoxide compounds (for example, diphenyl sulfoxide, 4,4'-difluorodiphenyl sulfoxide, 2,2 '-Difluorodiphenyl sulfoxide, 3,3'-difluorodiphenyl sulfoxide, 4,2'-difluorodiphenyl sulfoxide, 4,4'-dibromodiphenyl sulfoxide, 4, '-Dichlorodiphenyl sulfoxide, 2,2', 4,4-tetrachlorodiphenyl sulfoxide, 4,4'-dimethyldiphenyl sulfoxide, 4,4'-diethyldiphenyl sulfoxide, 4,4'-dimethoxydiphenyl sulfoxide, 4 , 4'-diethyldiphenyl sulfoxide, 4-methylthiodiphenyl sulfoxide, 4-phenylthiodiphenyl sulfoxide, etc.) in a known method, for example, dehydrating agents (for example, phosphorus pentaacid, concentrated sulfuric acid, acetic anhydride, etc.) A condensation reaction is performed at 0 ° C., and then these reaction solutions are converted into the formula (3) or (4) (for example, NaSbF 6 , NaPF 6 , NaAsF 6 , NaBF 4 , NaSbF 5 OH, KSbF 6 , KPF 6 , KAsF 6 , KSbF 5 OH, etc.) can be added dropwise to obtain an sulfonium salt. wear.
[0021]
2) The method will be described in detail. 1) A sulfonium salt synthesized by the method, for example, the formula (6)
[0022]
[Chemical 8]
Figure 0003942202
[0023]
(Wherein, R 1-R 5 is the same as R 1-R 5 in formula (5), A is a halogen atom, Z is represented by the formula (3) or (4).) In the presence of a basic compound (eg, sodium hydroxide, potassium hydroxide, potassium carbonate, etc.), a large excess of mono- or polyalcohols (eg, methanol, ethanol, Tolu, ethylene glycol, polyethylene glycol, propylene glycol, glycerin, trimethylolpropane, 1,4-butanediol, glycidol, 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, 2-hydroxypropyl (meth) acrylate, allyl alcohol, etc.) at room temperature By reacting at ˜150 ° C. in the presence of an organic solvent such as dimethyl sulfoxide, if necessary, Halides of Id compounds, for example,
[0024]
[Chemical 9]
Figure 0003942202
[0025]
[Chemical Formula 10]
Figure 0003942202
[0026]
Embedded image
Figure 0003942202
[0027]
Embedded image
Figure 0003942202
[0028]
A sulfonium salt converted to a substituent such as can be obtained.
Representative examples of the compound represented by the general formula (1) include the compounds shown in Tables 1 and 2 below, but are not limited thereto.
[0029]
[Table 1]
Figure 0003942202
[0030]
[Table 2]
Figure 0003942202
The curable composition of the present invention comprises 0.01 to 20 parts by weight, more preferably 0.1 to 10 parts by weight of the sulfonium represented by the above formula (1) with respect to 100 parts by weight of the cationic polymerizable substance (A). Although the salt (B) is an essential component, an appropriate ratio is determined by considering various factors such as the type of cationically polymerizable substance and energy ray, irradiation amount, desired curing time, temperature, humidity, and coating thickness. It is determined. In order to facilitate the dissolution of the sulfonium salt in the cationically polymerizable substance, the sulfonium salt can be dissolved in a solvent (for example, propylene carbonate, carbitol, carbitol acetate, butyrolactone, etc.) before use.
The curable composition of the present invention can be prepared by a method of mixing, dissolving or kneading a cationically polymerizable substance and a sulfonium salt.
[0031]
The curable composition of the present invention can be cured to a dry-to-touch state or a solvent-insoluble state after 0.1 seconds to several minutes by irradiation with energy rays such as ultraviolet rays. Any suitable energy ray may be used as long as it has an energy that induces the contact of the sulfonium salt or sulfoxonium salt, but it is preferably obtained from a high or low pressure mercury lamp, a xenon lamp, a germicidal lamp, a laser beam, or the like. Electromagnetic energy having a wavelength of 2000 angstroms to 7000 angstroms, high energy rays such as electron beams, X-rays, and radiation are used. Exposure to energy rays depends on the intensity of the energy rays, but usually about 0.1 to 10 seconds is sufficient. However, it is preferable to spend more time on relatively thick coatings. From 0.1 seconds to several minutes after irradiation with energy rays, most compositions are dry to the touch by cationic polymerization, but it is also preferable in some cases to use heating in combination to promote the cationic polymerization reaction.
The composition of the present invention further includes a solvent for dilution within a range that does not impair cationic polymerization, a non-reactive resin for modification, and a (meth) acrylic ester compound (for example, bisphenol A type epoxy resin). , Oligomers such as epoxy (meth) acrylate, urethane (meth) acrylate, and polyester poly (meth) acrylate, which are a reaction product of epoxy resin such as novolak type epoxy resin and (meth) acrylic acid, and 2-hydroxy (meth) acrylate 1,6-hexanediol di (meth) acrylate, 1,9-nonanediol di (meth) acrylate, monomers such as trimethylolpropane tri (meth) acrylate, pentaerythritol tri (meth) acrylate, etc.) Can do. When using a (meth) acrylic acid ester compound, it is preferable to use a photo radical polymerization initiator (for example, 1-hydroxycyclohexyl phenyl ketone, acetophenone dimethyl ketal, benzoyl methyl ether, etc.). Further, for example, an organic carboxylic acid or an acid anhydride may be used for the purpose of improving electrical characteristics, or a polymer or other flexible prepolymer may be mixed for the purpose of providing rubber elasticity.
[0032]
The composition of the present invention is usually used as a transparent liquid, but depending on the application, it may be an inert pigment, dye, filler, antistatic agent, flame retardant, antifoaming agent, flow regulator, A sensitizer, an accelerator, a light stabilizer and the like are mixed and used. The composition of the present invention can be used for metal, wood, rubber, plastic, glass, ceramic products and the like. Furthermore, specific applications of the present invention include paints, coating agents, inks, resists, liquid resists, adhesives, molding materials, casting materials, putty, glass fiber impregnating agents, sealants and the like.
[0033]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be specifically described by way of examples. In addition, the part in an Example is a weight part.
[0034]
(Synthesis example of sulfonium salt represented by formula (1))
Example 1
2,4-diethylthioxanthone (38.4 parts), 4,4'-difluorodiphenyl sulfoxide (23.8 parts), acetic anhydride (100 parts) and methanesulfonic acid (398 parts) were charged, and the reaction was conducted at 25 ° C. with stirring for about 8 hours. Then, this reaction mixture was added dropwise little by little to 619.9 parts of an aqueous solution of NaSbF 6 (32.8 parts of NaSbF 6 dissolved in 582.8 parts of water), and the precipitated yellow solid was filtered, washed with water and ethylene. Washed with ether. 93.0 parts of a yellow solid was obtained. The melting point of the product was 81.1-87.9 ° C., and the elemental analysis values were as follows.
Element Measured value (% by weight) Calculated value (% by weight)
Carbon 48.10 48.02
Hydrogen 3.25 3.20
Sulfur 8.89 8.84
Antimony 16.71 16.78
Fluorine 20.99 20.95
Based on this manufacturing method, the structural formula
Embedded image
Figure 0003942202
[0036]
The sulfonium salt was obtained.
[0037]
Example 2
First, 61 parts of 1-chloro-4-propoxythioxanthone, 46.1 parts of 4,4'-dimethyldiphenyl sulfoxide, 200 parts of acetic anhydride, and 796 parts of methanesulfonic acid were charged and reacted at 25 ° C for about 8 hours, and then the reaction mixture Was added dropwise to 862.8 parts of an aqueous solution of NaSbF 6 (51.7 parts of NaSbF 6 dissolved in 810.6 parts of water), and the precipitated yellow solid was filtered and washed with water and ethyl ether. did. 135.6 parts of a yellow solid were obtained. The melting point of the product was 105.2 to 111.0 ° C., and the elemental analysis values were as follows.
Element Measured value (% by weight) Calculated value (% by weight)
Carbon 47.84 47.80
Hydrogen 3.52 3.48
Sulfur 8.57 8.51
Antimony 16.20 16.15
Fluorine 15.15 15.12
Chlorine 4.72 4.70
Based on this manufacturing method, the structural formula
Embedded image
Figure 0003942202
[0039]
The sulfonium salt was obtained.
Example 3
20.8 parts of 2-isopropylthioxanthone, 40.4 parts of diphenyl sulfoxide, 200 parts of acetic anhydride and 796 parts of methanesulfonic acid were charged and reacted at 25 ° C. for about 8 hours, and then the reaction mixture was mixed with 560 parts of NaPF 6 aqueous solution (water). A solution obtained by dissolving 33.6 parts of NaPF 6 in 526.4 parts) was added dropwise little by little, and the precipitated yellow solid was filtered and washed with water and ethyl ether. 105.1 parts of a yellow solid were obtained. The melting point of the product was 79.1 to 85.7 ° C., and the elemental analysis values were as follows.
Element Measured value (% by weight) Calculated value (% by weight)
Carbon 57.49 57.53
Hydrogen 3.99 3.96
Sulfur 10.95 10.97
Phosphorus 5.28 5.30
Fluorine 19.52 19.50
Based on this manufacturing method, the structural formula
Embedded image
Figure 0003942202
[0041]
The sulfonium salt was obtained.
[0042]
Example 4
40 parts of the compound obtained in Example 1, 4.0 parts of sodium hydroxide, and 200 parts of ethylene glycol were charged, reacted at room temperature for 24 hours, then poured into water, the precipitated yellow solid was filtered, dried, and dried at room temperature. A solid product was obtained. The structural formula of the product is as follows, and the results of elemental analysis almost agreed with the calculated values.
[0043]
Embedded image
Figure 0003942202
[0044]
Element Measured value (% by weight) Calculated value (% by weight)
Carbon 48.31 48.26
Hydrogen 4.10 4.05
Sulfur 8.07 8.05
Antimony 15.30 15.29
Fluorine 14.33 14.31
[0045]
(Example of composition)
Examples 5 to 8, Comparative Examples 1 and 2
The energy ray-curable composition was blended according to the blending composition shown in Table 3 (the numerical value is parts by weight) and mixed and dissolved. This was applied to an aluminum test panel to a thickness of 5 μm, and cured by irradiating ultraviolet rays from a distance of 8 cm with a high-pressure mercury lamp (80 w / cm). The prepared composition was tested for transparency, storage stability, dryness to touch, gloss of cured coating, and odor. The results are shown in Table 3.
[0046]
Transparency: The transparency of the composition was visually determined.
○ ································································································· Storage stability: 3 Stored for months to investigate stability.
○ ···· No change at all ························· Gelling touch dryness: irradiation dose until touch dry (mJ / cm 2 ) It was measured.
Gloss: After irradiating the irradiation amount (mJ / cm 2 ) until dry to the touch, the surface of the cured coating film was visually judged.
○ ················· Good gloss
Odor: After irradiating the coated surface with 1000 mJ / cm 2 , the odor on the surface of the cured coating film was observed.
○ ・ ・ ・ ・ No odor △ ・ ・ ・ ・ Slight odor × ・ ・ ・ ・ Smell xx ・ ・ ・ Strong odor [0048]
[Table 3]
Figure 0003942202
[0049]
* 1 Compound 1: Diphenyl-4-thioxphenoloxyphenylsulfonium hexafluorophosphate * 2 Compound 2: 4,4'-bis [bisphenylsulfonio] phenyl sulfide bishexafluorophosphate * 3 Celoxide 2021: Daicel Chemical Industries Co., Ltd., alicyclic epoxy resin * 4 EHPE-3150: Daicel Chemical Industries, Ltd., alicyclic epoxy resin As apparent from the results in Table 3, the composition containing the photopolymerization initiator of the present invention. The product is excellent in compatibility and storage stability, transparent and excellent in curability, the gloss of the cured coating film is good, and the odor of the cured coating film is small.
[0050]
【The invention's effect】
The energy beam curable composition containing the photopolymerization initiator of the present invention is excellent in compatibility and storage stability, transparent and excellent in curability, the gloss of the cured coating film is good, and the odor of the cured coating film is also present. Gives a cured product with small and excellent physical properties.

Claims (4)

式(1)
Figure 0003942202
{式中、Xは式(2)で示される基
Figure 0003942202
(式中R6-R15は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシ基、C1-C20の構造中に、水酸基、エーテル基、エステル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基あるいはアリル基を有しても良い脂肪族基、フェニル基、フェノキシ基、チオフェノキシ基、のいずれかから選択された基である。)、R1-R5 は、それぞれ水素原子、水酸基、C1-C15の脂肪族基、ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシ基、エステル基、フェニル基および式(2)で示される基から選択された基であり、nは1〜4、Zは式(3)または式(4)
MQP (3)
MQP-1 (OH) (4)
(式中、Mは、リン原子、ホウ素原子、ヒ素原子またはアンチモン原子であり、Qはハロゲン原子であり、Pは4〜6の整数である。)で示される。}で示されるスルホニウム塩。
Formula (1)
Figure 0003942202
{Wherein X is a group represented by formula (2)
Figure 0003942202
(In the formula, R 6 -R 15 are each a hydrogen atom, a halogen atom, a nitro group, an alkoxy group, a C 1 -C 20 structure, a hydroxyl group, an ether group, an ester group, a (meth) acryloyl group, an epoxy group, or A group selected from an aliphatic group which may have an allyl group, a phenyl group, a phenoxy group, and a thiophenoxy group.), R 1 to R 5 are a hydrogen atom, a hydroxyl group, and C 1 , respectively. -C 15 aliphatic group, halogen atom, nitro group, alkoxy group, ester group, phenyl group and a group selected from the group represented by formula (2), n is 1-4, Z is formula (3 ) Or formula (4)
MQ P (3)
MQ P-1 (OH) (4)
(Wherein M is a phosphorus atom, boron atom, arsenic atom or antimony atom, Q is a halogen atom, and P is an integer of 4 to 6). } The sulfonium salt shown by these.
前記式(1)で示されるスルホニウム塩からなる光重合開始剤。 A photopolymerization initiator comprising a sulfonium salt represented by the formula (1) . カチオン重合性物質と請求項2記載の光重合開始剤を含有することを特徴とするエネルギー線硬化性組成物。An energy ray-curable composition comprising a cationically polymerizable substance and the photopolymerization initiator according to claim 2 . 請求項3記載の組成物の硬化物。A cured product of the composition according to claim 3.
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