JP3941391B2 - 固定化dnaライブラリー作製装置、遺伝子増幅装置、遺伝子増幅産物解析、遺伝子診断装置及びそれらの装置の制御方法 - Google Patents

固定化dnaライブラリー作製装置、遺伝子増幅装置、遺伝子増幅産物解析、遺伝子診断装置及びそれらの装置の制御方法 Download PDF

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、遺伝子工学、蛋白質工学、細胞工学、免疫学等の分子生物学関連分野や生化学関連分野において、微量の試料溶液で加熱を伴う各種反応に使用する自動的反応装置及び自動的反応解析方法に関する。より詳しくは、固定化DNAライブラリー作製、遺伝子増幅、遺伝子解析、遺伝子診断等の一連の操作を完全自動化した装置及びそれらの装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遺伝子の変異・欠損等の遺伝子研究・遺伝子診断においては、DNAライブラリーの作製、DNAライブラリーを用いたポリメラーゼ・チェイン・リアクション(PCR)による遺伝子増幅及び遺伝子増幅産物の解析の3種類の操作が別個に行われていた。
従って、これらの個々の操作に対しては、各段階毎に目的DNAの抽出・精製過程が含まれていて、多大な時間を要するという問題点がある。また、固定化DNAライブラリー作製に用いた反応器から反応溶液を完全に除去しないと、引き続き行われるPCRの効率に多大な影響をもたらす。
【発明が解決使用とする課題】
【0003】
本発明は、上記問題点に鑑み、一連の操作が簡単で自動的に実施することができる固定化DNAライブラリー作製装置、遺伝子増幅装置、遺伝子増幅産物解析装置及び遺伝子診断装置を提供することを技術的課題とする。
また、これらの装置を機能的に連結するシステムを提供することを課題とする。さらに、フローセル型方法によって固定化DNAライブラリー作製後の試料精製過程を簡便で確実に実施できることを技術的課題とする。そして、PCRによる遺伝子増幅産物の解析をPCR直後に連続的に、しかもデータ解析も含めて自動的に行える装置を提供することを課題とする。
【発明の開示】
【0004】
本発明の固定化DNAライブラリー作製装置は、化学修飾された基体で形成された反応器と、前記反応器の温度を制御する加熱・冷却手段と、前記加熱・冷却手段を制御する第1温度制御部と、前記反応器へ試料溶液を送液する試料送液部と、を有する固定化DNAライブラリー作製装置であって、前記反応器は上下蓋なしの筒状に形成したフローセルホルダーの側壁に窓を開けて該窓に前記基体を固定・取外し可能に設置したものであり、前記基体は、その表面に、水酸基、カルボキシル基、硫酸基、シアノ基、ニトロ基、チオル基又はアミノ基で化学修飾されたものであることを特徴とする。
本発明の遺伝子増幅装置は、
化学修飾された基体で形成された反応器と、前記反応器の温度を制御する加熱・冷却手段と、前記加熱・冷却手段を制御する第1温度制御部と、前記反応器へ試料溶液を送液する試料送液部と、を有する遺伝子増幅装置であって、
前記反応器は上下蓋なしの筒状に形成したフローセルホルダーの側壁に窓を開けて該窓に前記基体を固定・取外し可能に設置したものであり、
前記基体は、その表面に、水酸基、カルボキシル基、硫酸基、シアノ基、ニトロ基、チオル基又はアミノ基で化学修飾されたものであることを特徴とする。
本発明の遺伝子増幅装置は、
遺伝子を固定化した基体で形成された反応器と、前記反応器の温度を制御する加熱・冷却手段と、前記加熱・冷却手段を制御する第1温度制御部と、前記反応器へ試料溶液を送液する試料送液部と、を有する遺伝子増幅装置であって、
前記反応器は上下蓋なしの筒状に形成したフローセルホルダーの側壁に窓を開けて該窓に前記基体を固定・取外し可能に設置したものであり、
前記基体は、その表面に、水酸基、カルボキシル基、硫酸基、シアノ基、ニトロ基、チオル基又はアミノ基で化学修飾されたものであることを特徴とする。
上記固定化DNAライブラリー作製装置や遺伝子増幅装置においては、前記基体が、ダイヤモンド、シリコン、ガラス、金属又はプラスチックであることが望ましい。
また、前記反応器を複数個設置して反応器本体としたものであることが望ましい。
本発明の遺伝子増幅産物解析装置は、上記の装置によって増幅された遺伝子増幅産物を、前記遺伝子増幅装置から連続的に受けて、遺伝子増幅産物の電気泳動を実施することにより遺伝子の解析をすることを特徴とする。
本発明の遺伝子診断装置は、上記の遺伝子増幅装置と、遺伝子増幅産物解析装置と、これらの装置を制御するコンピュータ制御部と、を有することを特徴とする。
本発明の遺伝子診断装置は、上記の装置によって増幅された遺伝子増幅産物を遺伝子増幅産物解析装置に送液し、遺伝子増幅産物の電気泳動を実施し、その解析データをコンピュータに集積することを特徴とする。
本発明の固定化DNAライブラリー作製装置、遺伝子増幅装置、遺伝子増幅産物解析装置又は遺伝子診断装置の制御方法は、上記の装置を制御する方法であって、第1温度測定部からの信号をコンピュータ制御部に入力し、コンピュータ制御部が、予め入力された値と比較して第2温度制御部と第3温度制御部とを駆動させることを特徴とする。
本発明の遺伝子増幅産物の電気泳動を実施する方法は、上記の装置によって増幅された遺伝子増幅産物を遺伝子増幅産物解析装置に送液することを特徴とする。
本発明の解析データをコンピュータに集積する方法は、上記の装置によって増幅された遺伝子増幅産物を遺伝子増幅産物解析装置に送液し、遺伝子増幅産物の電気泳動を実施することを特徴とする。
【0005】
本発明の自動化された固定化DNAライブラリー作製装置、遺伝子増幅装置、遺伝子増幅産物解析装置及び遺伝子診断装置を、図面を用いて説明する。
図1に本発明で用いる反応器(フローセル)の概略図を示す。反応器は、本発明の固定化DNAライブラリー作製装置又は遺伝子増幅装置などで用いるフローセルを構成する。
図2は、フローセルホルダーの概略図である。図3は、固定化DNAライブラリー作製装置又は遺伝子増幅装置の反応器本体の分解概略図である。下記に示すいくつかの実施例では、フローセルホルダーにダイヤモンド基体等を設置して、その基体を加熱・冷却手段のペルチェ素子等で固定して、さらに反応器の上下部に試料溶液の出入口を設置する場合を説明する。
図4は、本発明の固定化DNAライブラリー作製装置、遺伝子増幅装置及び遺伝子診断装置の送液制御システムを示す概略図である。この送液制御システムは、固定化DNAライブラリー作製用の試料溶液、DNA固定化後のセル洗浄溶液、遺伝子増幅用の試料溶液、遺伝子増幅産物溶液など、あるいは、各装置間で自動的に試料溶液を送液するための自動制御システムである。
図5は、遺伝子増幅産物を解析するための遺伝子増幅産物解析装置の主要部を示す概略図である。図6は、試料送液部、固定化DNAライブラリー作製装置、遺伝子増幅装置、遺伝子増幅産物解析装置などを機能的に連結した遺伝子診断装置の概略図である。
図7は、図6に示す装置の自動制御システムを示す概略図である。この自動制御システムは、固定化DNAライブラリー作製装置又は遺伝子増幅装置と、それらの装置の温度を制御するシステムと、それらの装置への試料溶液の送液を制御するシステムと、遺伝子増幅産物解析装置への試料溶液の送液を制御するシステムなどからなる。
【0006】
なお、固定化DNAライブラリー作製装置又は遺伝子増幅装置に用いる反応器を設置するフローセルホルダーは、いわゆる取付け・取外しが容易なカセット型にすることも出来る。
また、ダイヤモンド基体等で構成された2個の反応器(フローセル)を1個のフローセルホルダー内に設置して、そのフローセルホルダー5個を一組にして、さらにその一組のフローセルホルダーを、6個のペルチェ素子等で挟み固定する構成とすることも出来る(図7参照)。
図3、図6或いは図7において、10は固定化DNAライブラリー作製装置又は遺伝子増幅装置の反応器本体である。反応器本体10において反応器9を構成する基体11は、熱伝導性の良い基体、例えばダイヤモンド基体、或いはアルミニウムやステンレススチール等の金属基体を使用することが好ましい。また、シリコンやガラス、セラミックスなども使用できる。さらに、ポリカーボネートやフッ素樹脂等のプラスチック基体等の単一種類のもの、これらを組み合わせたもので形成されたものも使用することができる。また、基体11の表面に特定の基を付加(化学修飾)させたものを用いることが好ましい。この化学修飾によって、DNAが基体の表面に固定化されやすくなる。基体表面に付加(化学修飾)され、末端に極性基を有する特定の基としては、水酸基、カルボキシル基、硫酸基、シアノ基、ニトロ基、チオル基、アミノ基などの基が該当する。また、この他、有機カルボン酸も含まれる。
【0007】
反応器9の形状は、円筒状、多角形筒状のものなどが好適である。また、基体11は、片状(板状)のものが好適である。フローセルホルダー12は、化学的に安定な、例えばテフロン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂等の高分子材料で形成されることが望ましい。図3に示すように、反応器本体10内には、2個の反応器9を保持固定するフローセルホルダーを2個以上複数個設置するとライブラリー作製又は遺伝子増幅効率を高めることが出来る。
また、反応器9は、基体11の側壁を分解型にしておくことも好ましく、例えば図1に示すように、反応器9を四角柱状の上下蓋なしの筒状に形成し、側壁を4枚の片状基体11に分解できる構造とすることができる。この基体11の大きさや形状は、例えば一辺が10mm程度で厚みが0.1mm程度のものとすることが好ましい。
【0008】
そしてこの基体11を、例えば、合成樹脂製のフローセルホルダー12の側壁に開けられた窓120を塞ぐように、前後・左右の側壁(4枚の片状基体)の一部を構成するように設置して、反応器9とすることができる。図2においては、基体11が左右の側壁に設置する場合を示すが、前後の側壁にも設置する。そして、基体11の後部から基体11に接するように加熱・冷却手段13を設置する。さらにフローセルホルダー12の上下M,N方向に試料溶液が流通可能な構成となっており、フローセルホルダー12内に設置された基体11は、試料溶液と接触することが出来る。この場合、反応器の側壁の少なくとも1枚は基体11上に遺伝子を固定化できるもの(未だ遺伝子を固定化していないもの)、或いは遺伝子を固定化したもの、のどちらかを用いることが望ましい。基体11に遺伝子を固定化していないものを用いる場合においては、反応器は固定化DNAライブラリー作製装置の反応器として作用し、基体11に遺伝子を固定化したものを用いる場合においては、反応器は遺伝子増幅装置の反応器として作用する。
【0009】
さらに、反応器本体内に複数の反応器を設置して作業の効率化を図ることも出来る。図7には反応器を10個設置した例を示す。また、複数個の反応器を並列的に連結収納した反応器本体を、ワンタッチで取付け・取外しができるカセット型にして、操作の効率化を図ることもできる。このカセット型の具体的な態様については後述の固定化DNAライブラリーの部分で詳述する。
【0010】
図3は、本発明の固定化DNAライブラリー作製装置及び遺伝子増幅装置の反応器本体の組立部品を系統的に配列した分解概略図である。図3において、フローセルホルダー12の上下方向中央部に位置する基体挿入部8に、四角柱状の上下蓋なしの筒状形状の反応器9が形成されるように4枚の基体11を設置する。そして、基体11の後部から、加熱・冷却手段13(例えばペルチェ素子等)を接触させて押さえつけ固定する。この加熱・冷却手段13は基体11の加熱・冷却を直接行う。なお、基体11は、フローセルホルダー12に容易に固定・取外し出来る構成とすることが望ましい。そして、反応器本体10の上下部には試料溶液をフローセルへ出入させるための出入口7が設けられており、オーリング14と試料溶液のフローセルへの出入口固定用ネジ型コック15を用いて、テフロン製送液用キャピラリーチューブ16を反応器本体10に固定する。
【0011】
加熱・冷却手段13は、反応器9を形成する基体11の背中部に直接接触し、反応器9を加熱・冷却する手段であり、ペルチェ素子、電熱ヒータ、赤外線ランプ等を用いることが好ましい。この加熱・冷却手段13は、反応器9と直接的に接触させて設置することによって反応器9の温度を直接的に制御できるので、従来の遺伝子増幅装置よりも温度制御精度が極端に良くなる。この加熱・冷却手段13は、ペルチェ素子用の第2温度制御部62によって温度制御され(図7参照)、第2温度制御部62は、予め入力されたプログラムを記憶させたコンピュータ制御部60によりコントロールされる。
【0012】
図7は、反応器本体の概略を示す平面図である。図7において、反応器本体10内に反応器(100,101,102,103,104,105,106,107,108,109)を10個設置して、固定化DNAライブラリー作製装置又は遺伝子増幅装置として使用する例を示す。
【0013】
反応器本体10内に設置された反応器(100〜109)の温度制御は、反応器に接して設けられた温度センサー110(例えばサーミスタなど)を介して、第1温度測定部61と、加熱・冷却手段13を駆動させる第2温度制御部62と、反応器本体10の冷却をする冷却手段(例えば冷却水等を通過させる冷却用空洞を設けるなど)の温度等を制御する第3温度制御部63とによって行われる。すなわち、反応器9の側部に接して設けられた温度センサー110を介して第1温度測定部61からの信号がコンピュータ制御部60に入力されると、コンピュータ制御部60は、予め入力されているプログラムチャート(昇温温度、昇温時間、保持時間、降温温度、降温時間等)と比較し、加熱・冷却手段13を駆動させる第2温度制御部62と、反応器本体10の冷却をするように、第3温度制御部63とを駆動させる。
【0014】
温度センサー110は、図7ではS8に設置してあるが、代表的な反応器1個にのみ温度センサーを設置し、この情報に基づき反応器本体10全体の温度制御を行うことができる。また、温度センサーを複数の反応器に設置して、反応器ごとの情報をコンピュータ制御部60に入力して演算処理して反応器本体10全体の温度制御を行うこともできる。
さらに、図7に示すように、2個の反応器を1セットにして、この左右両側に加熱・冷却手段13を設置し、この加熱・冷却手段13で1セットの反応器を挟むようにすることもできる。そして、加熱・冷却手段13のそれぞれに、第2温度制御部62から反応器の温度を制御する情報を入力する。
【0015】
反応器本体10を冷却するために冷却用空洞を用いる場合の冷却手段は、この空洞に冷却水や冷風を流通させるパイプや冷却ファンを設置したユニットなどが好適に採用される。そして第3温度制御部63からの指示でこのユニットなどを駆動させて反応器9を急速に冷却することができる。また、この場合の冷却手段は、加熱・冷却手段13の側面にも直接接していて、加熱・冷却手段13の冷却効果を促進することもできる。
【0016】
次に、図4,図6及び図7を用いて、本発明の遺伝子診断装置への送液制御システムについて説明する。図4に示す送液制御システムは、次のような送液制御を行う。
(1)固定化DNAライブラリーを作製するため試料溶液チューブ23から反応器本体10へ送液すること、
(2)固定化DNAライブラリーを作製した後の溶液を、反応器本体10からポリエチレン製キャピラリーチューブ34を通して廃液するために送液すること。
(3)作製された固定化DNAライブラリーを精製するために洗浄液を反応器本体10へ送液すること、
(4)DNAライブラリーを固定化した反応器9へPCR用反応溶液を送液すること、PCR後に遺伝子増幅産物溶液を遺伝子増幅産物溶液用チューブ30へ送液すること、
(5)遺伝子増幅産物溶液チューブ30中に予め添加してあったローデイング緩衝液(電気泳動用のマーカーを含む緩衝液)と遺伝子増幅産物溶液との混合のために窒素ガスの吹き込みをすること、
(6)混合後の遺伝子増幅産物溶液をキャピラリー型電気泳動部50の試料注入口へ送液すること、等の送液切換制御及び/又は流路切換制御を行う。
【0017】
これらの制御は、予めプログラムされたコンピュータ制御部60からの指令により、送液・流路切換制御部64を介して電磁バルブ40及び切換バルブ(41,42,43,44,45,46,47,48)を駆動させることによって行う。すなわち、図4に示した概略図の左下側部分について説明する。
まず、挿入ブロック本体21のチューブ挿入穴22,24に、DNAライブラリー用の試料溶液の入ったチューブ23及びDNAライブラリー用の洗浄溶液の入ったチューブ25をそれぞれ挿入する。そして、挿入ブロック本体21の上に、シリコンラバー31及び挿入ブロック本体21を密封するための密封用蓋32を被せる。そして、このシリコンラバー31及び密封用蓋32の一部に設けられた挿入孔300を通して溶液吸排用のエッペン型チップ33,33を、それぞれDNAライブラリー用の試料溶液チューブ23及びDNAライブラリー用の洗浄溶液チューブ25内に浸漬固定する。
そして、ホース36の一端を挿入ブロック本体21の上部に接続し、チューブ23又はチューブ25の上面をガス圧によって加圧し、溶液がエッペン型チップ33内に導入される構成となっている。また、ホース36の他端をガス用二方切換バルブ43に接続し、さらにガス用二方切換バルブ42,41を間に挿入し窒素ガス供給用電磁バルブ40に接続する。
【0018】
次に、挿入ブロック本体21の上部側を説明する。
2本の溶液の吸排用のエッペン型チップ33,33を、テフロン製などのエッペン型チップホルダー35,35にそれぞれ固定した後に、溶液用二方切換バルブ44に接続する。さらに、溶液用二方切換バルブ44を、ホース34を介して溶液用二方切換バルブ45、送液用キャピラリーチューブ16に接続し、フローセル型の固定化DNAライブラリー作製用の反応器本体10に接続する。
【0019】
次に、反応器本体10を遺伝子増幅装置として用いる場合の送液制御システムについて説明する。すなわち、図4の右下側を説明すると、挿入ブロック本体26のチューブ挿入穴27,29に、PCR用の反応溶液チューブ28及び遺伝子増幅産物用溶液チューブ30をそれぞれ挿入する。そして、挿入ブロック本体26の上に、シリコンラバー31及び密封用蓋32をを被せる。そして、このシリコンラバー31及び密封用蓋32の一部に設けられた挿入孔300を通して溶液吸排用のエッペン型チップ33,33を、それぞれチューブ28及びチューブ30内に浸漬固定する。そして、ホース36の一端を挿入ブロック本体26の上部に接続し、チューブ28又はチューブ30の上面をガス圧によって加圧し、溶液がエッペン型チップ33内に導入される構成となっている。また、ホース36の他端をガス用二方切換バルブ42,48に接続し、さらにガス用二方切換バルブ41を間に挿入し窒素ガス供給用電磁バルブ40に接続する。
【0020】
次に、挿入ブロック本体26の上部側を説明する。2本の溶液の吸排用のエッペン型チップ33,33を、テフロン製などのエッペン型チップホルダー35,35にそれぞれ固定した後に、溶液用二方切換バルブ44に接続する。さらに、溶液用二方切換バルブ44を、ホース34を介して溶液用二方切換バルブ45、送液用キャピラリーチューブ16に接続し、フローセル型の固定化DNAライブラリー作製用の反応器本体10に接続する。また、PCR用の反応溶液チューブ28の側は溶液用二方切換バルブ45に接続し、遺伝子増幅産物溶液チューブ30の側は溶液用二方切換バルブ47に接続する。そして、PCR用の反応溶液のチューブ28側は、溶液用二方切換バルブ45を介してフローセル型の反応器本体10に接続している。
【0021】
フローセル型の固定化DNAライブラリー及び遺伝子増幅部を兼ねる反応器本体10に溶液用二方切換バルブ46を接続することによって、廃液したい時にはバルブを1の方向に切り換えることにより、排出口400より排出することができ、遺伝子増幅産物を保存したい時には二方切換バルブ46を2の方向に切り換え、溶液用二方切換バルブ47を介して電気泳動用ローディング緩衝液の入っている遺伝子増幅産物溶液チューブ30に送液できるように接続する。
【0022】
次に、図5、図7を用いて本発明の遺伝子増幅産物解析装置を説明する。本発明の遺伝子増幅産物解析装置を用いての遺伝子解析は、遺伝子増幅産物溶液をキャピラリー型電気泳動部50の試料注入口(誘導用キャピラリー)56を通してDNA分析用キャピラリーカラム51のゲル界面に注入した後に、コンピュータ制御部60からの信号に基づき電気泳動制御部65の高圧電源58のスイッチを作動させて、キャピラリー型電気泳動部50の駆動と同時に分光型DNA検出器55も駆動させる。さらに、分光型DNA検出器55の駆動開始に伴って、コンピュータ制御部60は、分光型DNA検出器55からの分光学的データを電気泳動データ測定部66を通して集積・解析して、各試料解析に対応したリアルタイムな電気泳動パターンをコンピュータ制御部60のディスプレイ上に表示し、さらにそれらの電気泳動パターン・データを記憶する。
【実施例】
【0023】
本発明の実施例を図面を用いてさらに詳細に説明する。実施例において、固定化DNAライブラリー作製、遺伝子増幅、遺伝子増幅産物を解析する各操作において、送液・流路切換の自動制御に関わる電磁バルブ・切換バルブの作動状況との関連性を、図6、図7及び図8を用いてさらに詳細に説明する。
反応器として10mm四方(厚さ約0.1mm)のダイヤモンドチップ11をダイヤモンド基体として用い、図2に示すようにフローセルホルダー12の側壁に4枚使用した。すなわち図の手前側1枚、向こう側1枚、左右側壁側2枚である。反応器として使用したダイヤモンドチップ11にはすでに有機カルボン酸で化学修飾済みのものを用いた。フローセル型の反応器本体10の上下の出入口に、テフロン製送液用キャピラリーチューブ16をオーリング14と固定用ネジコック15とで固定し、液漏れのない固定化DNAライブラリー作製装置を組み立てた。この固定化DNAライブラリー作製装置は、遺伝子増幅装置をも兼ねること示できる。
【0024】
(固定化DNAライブラリー作製装置)
まず、反応器が1個の場合の固定化DNAライブラリー作製装置の操作概要について、図6を用いて説明する。固定化DNAライブラリーの作製操作において、電磁バルブ40と二方切換バルブ(41〜48)とで構成される送液制御システムの一連のバルブ操作作動状況を図8に示す。
すなわち、図8には、電磁バルブ40の作動状況(ONかOFFか)及び二方切換バルブ(41〜48)の作動状況の方向性を示す(1の方向か、2の方向か)。符号「不」は、二方切換バルブを「不使用」であることを示す。なお、このときのダイヤモンドチップ11には、mRNA(messenger RNA:メッセンジャーRNA)に対してはオリゴ−dT16−20が、化学的なペプチド結合によって固定化されているものを使用した。
一方、gDNA(genomic DNA:染色体DNA)に対しては、目的の制限酵素部位をすでに形成させている二本鎖オリゴヌクレオチドのセンス鎖の部分が化学的なペプチド結合によって固定化されているものを使用した。
【0025】
次に、mRNAからのcDNAライブラリーを作成するために、必要な試薬溶液と、全RNA試料を含む試料溶液チューブ23からの反応溶液とを、加熱・冷却手段13によって室温以下の所定温度に設定されている反応器本体に、送液制御システムの駆動によって誘導し、固定化されているオリゴ−dT16−20とmRNAのハイブリダイゼーションを行った。その後、加熱・冷却手段13によってダイヤモンドチップ11を37〜60℃の範囲内での適当な一定温度に固定し、逆転写酵素の作用によってcDNA合成を行った。このときのcDNAは、固定化オリゴ−dT16−20の3’方向へ延長反応したところの固定化した状態である。従って、引き続き反応器9を加熱・冷却手段13によって80〜90℃に昇温させ、ハイブリダイゼーションしているmRNAをcDNAから解離させた状態で、送液制御システムを駆動させて洗浄溶液チューブ25からの洗浄用アルコール溶液(70%)を反応器本体10内に通過させてmRNAとその他の残った反応試薬を洗い流した。さらに、反応器本体10内に窒素ガスを所定時間送り続けて、作製した固定化cDNAライブラリーの完全な洗浄・乾燥を完了した。その後、反応器9の温度を、引き続いて行われるPCRのために要求される温度に設定した。
【0026】
次に、gDNAでの固定化gDNAライブラリー作製について説明する。まず、目的の制限酵素での切断によって断片化されたgDNAとライゲースを含むライゲーションに必要な試薬とを混合した試料溶液を、試料溶液チューブ23から送液制御システムの駆動によって、室温以下の所定温度に設定されている反応器本体10に誘導した。その後、加熱・冷却手段13によって反応器9の温度を37℃にまで昇温させて、ライゲーション反応を行った。ライゲーション反応後、反応器9の温度を37℃に保った状態で、送液制御システムを駆動させて洗浄溶液チューブ25から洗浄用アルコール溶液(70%)を反応器本体10内を通過させて、未反応のgDNAと残った反応試薬とを洗い流し、さらに窒素ガスを所定時間送り続けて、固定化gDNAライブラリーの完全な洗浄・乾燥を完了した。その後、反応器9の温度を、引き続いて行われるPCRのために要求される温度に設定した。
【0027】
(遺伝子増幅装置)
上記のようにして作製された、固定化cDNAライブラリー或いは固定化gDNAライブラリーを用いて、引き続き遺伝子増幅(PCR)を行った。この遺伝子増幅装置への送液は、図8に示すように電磁バルブ40及び二方切換バルブ(41〜48)の作動状況を変動させることによって送液制御システムを駆動させて行った。PCRを開始するために要求される温度にまで加熱・冷却手段13によって昇温させた反応器9に、PCRに必要なDNAポリメラーゼ、目的プライマー・セット、4種のヌクレオチド等を含むPCR試薬溶液を試料溶液チューブ28から送り込み、加圧条件下で二本鎖のDNAを一本鎖DNAに解離させる熱変性温度(95℃で1.5分)、一本鎖DNAとDNAプライマーとをハイブリダイズさせるアニーリング温度(45℃で1分)、耐熱性DNAポリメラーゼによるDNA鎖の伸長反応を行わせるDNA増幅温度(74℃で2分)に、それぞれ順に温度制御し、これらの温度変化を30サイクル繰り返してPCRを行った。
上記のようにして増幅した、固定化cDNAライブラリーからの遺伝子増幅産物或いは固定化gDNAライブラリーからの遺伝子増幅産物を、図8に示すように電磁バルブ40及び二方切換バルブ(41〜48)の作動状況の変動によって送液制御システムを駆動させて、次段階操作のために送液した。
【0028】
(遺伝子増幅産物解析装置)
次に、PCRによって得られた遺伝子増幅産物を、電気泳動用のローディング緩衝液を予め加えていた遺伝子増幅産物溶液チューブ30に送り込んだ。その後も所定時間、溶液チューブ30に窒素ガスを供給して、遺伝子増幅産物とローディング緩衝液との完全な混合を行った。そして、遺伝子増幅産物とローディング緩衝液との混合溶液の一部を、キャピラリー型電気泳動部50に誘導し、遺伝子増幅産物の解析を行った。
図5は本発明の遺伝子増幅産物解析装置の主要部であるキャピラリー型電気泳動部50を示す概略図である。遺伝子増幅産物解析装置は、キャピラリー型電気泳動部50と、DNA検出器55と、これらのキャピラリー型電気泳動部50及び分光型DNA検出器55とを制御する電気泳動制御部65と、電気泳動データ測定部66とを有する。ローデイング緩衝液と混合された遺伝子増幅産物の一部は、適量な窒素ガス圧によって溶液用二方切換バルブ47(図4或いは図6参照)のもう一方の出口よりポリスチレン製キャピラリーチューブ34を通じて、遺伝子増幅産物解析用キャピラリー型電気泳動部50の入口である遺伝子増幅産物の誘導用キャピラリー56に導入される。
図5に示すキャピラリー型電気泳動部50は、一つの試料液(S0)に接続させた実施例を示しているが、電気泳動部50は多数の試料液に接続させることが出来る。本発明のキャピラリー型電気泳動部50は、複数個の試料の固定化DNAライブラリー作製および遺伝子増幅産物を同時に得ることによって、それらの電気泳動も同時に行えるようになっている。例えば、図5及び図6では、S0からS9までの10個の試料が一度に処理できるものを示しているが、実際には必要に応じて何十種類の試料にも適応できる形のものが可能である。10個の試料を一度に処理する場合には、図4に示す固定化DNAライブラリー作製装置および遺伝子増幅装置を10個電気泳動部50に接続する必要がある。
【0029】
次に、図5を用いて電気泳動部50を詳しく説明する。誘導用キャピラリー固定カセット57で固定された誘導用キャピラリー56の先端は、電気泳動用緩衝液が満たされている上部(一極側)緩衝液タンク52中のDNA分析用キャピラリーカラム51の上部入口に接続し、遺伝子増幅産物溶液を静かにゆっくりとカラム上層部に重層した後に、静かに取り除く。上部(−極側)緩衝液タンク52と同様に、電気泳動用緩衝液が満たされた下部(+極側)緩衝液タンク53の両タンクの底部には電極用白金線54が固定されていて、それらの白金線54はキャピラリー型電気泳動用の高圧電源58に接続されている。高圧電源58のスイッチ投入後、−極側から+極側へと泳動する各試料中のDNAは、DNA分析用キャピラリーカラム51の先端近くに設置されている分光型DNA検出器55にて、その分析地点での通過時間を測定することによって遺伝子増幅産物の増幅長および増幅量をコンピュータ解析する。
【0030】
分光型DNA検出器55は、レザー光源、ハロゲン光源、キセノン光源等からの光ファイバーを通して誘導される照射光がDNA試料あるいはDNA試料と特異的に結合している蛍光色素によって吸収された量、あるいは照射光によって誘導された蛍光量を、同じく光ファイバーを通してフォトダイオードで測定できるシステムを採用している。それらの一連の操作も図7の電気泳動制御部65と電気泳動データ測定部66を通してコンピュータ制御部60でコントロールする。
【0031】
次に、図7を用いて反応器を反応器本体に複数個設けた例を示す。たとえば、10個の反応器(100〜109)を反応器本体10内に設けた例での一連の操作例を示す。反応器9を複数個設置する場合は、次の箇所に切換バルブを増設すればよい。すなわち、前述した二方切換バルブ48(図6参照)の白丸口と、挿入ブロック本体26との間に切換バルブを1カ所設け、二方切換バルブ42と、挿入ブロック本体26との間にさらに1カ所設け、そして、二方切換バルブ42と、挿入ブロック本体21との間にさらに1カ所設ける。例えば、10個の反応器(100〜109)を設置する場合は、三カ所に、入り口一方・出口10方の切換バルブをそれぞれ1個設置する。この増設によって、図7に示すような10個の反応器を設けた遺伝子増幅産物解析装置の送液制御システムを同時に制御することができる。
【0032】
本発明の固定化DNAライブラリー作製装置、遺伝子増幅装置、遺伝子増幅産物解析装置を組み合わせて、多検体の遺伝子診断を一度に短時間で行える遺伝子診断装置とすることができる。すなわち、本発明の固定化DNAライブラリー作製装置、遺伝子増幅装置、遺伝子増幅産物解析装置を組み合わせて、必要な数だけ並列的に配置することによって、多検体遺伝子診断装置を提供することができる。また、本発明の遺伝子診断装置は、遺伝子増幅産物解析装置の電気泳動データ測定部66に集積された遺伝子解析データを、コンピュータ制御部60等に送信することでDNAデータバンクとしての機能を持たせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の装置を用いれば、固定化DNAライブラリー作製のための温度制御が簡単なだけではなく、作製された固定化DNAライブラリーの精製・乾燥も容易に行える。つまり、半永久的に利用可能なカセット型固定化DNAライブラリーが非常に短時間で作製できる。また、固定化DNAライブラリーを作製した直後にすぐに、或いは保存されていた固定化DNAライブラリーを反応器本体にセットアップするだけで、PCR効率の非常に優れた遺伝子増幅とその遺伝子増幅産物の解析が自動的に、しかも極く短時間で可能になる。従って、本発明の遺伝子診断装置を用いれば、遺伝子診断を自動的に行う上で技術的に重要な要求項目である、半永久的に利用可能なカセット型固定化DNAライブラリーの作製、効率・特異性の優れた遺伝子増幅、さらには遺伝子増幅産物の連続的な自動解析、といったことをすべて自動化できる。
また、これからの本格的な自動化遺伝子診断装置の開発においては、本発明の装置を中心にすえて、その前後に、検体試料の前処理用装置、遺伝子変異・欠陥等の遺伝子診断に必要なシークエンス用PCRのための遺伝子増幅産物の精製・乾燥過程とシークエンス用遺伝子増幅装置、集積された遺伝子解析データをインターネット等でオンライン化することによるDNAデータバンクとの比較解析装置、等を付け加えることによって、より完全な形に近い自動化遺伝子診断装置とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1は本発明の基体を用いた反応器(フローセル)の概略図である。図2はフローセルホルダーの概略図である。図3は反応器本体の概略分解図である。図4は本発明の送液制御システムを示す概略図である。図5は本発明の遺伝子増幅産物解析装置の主要部を示す概略図である。図6は本発明の遺伝子診断装置の概略図である。図7は本発明の遺伝子診断装置の自動制御システムの概略図である。図8はバルブの作動状況を示す。

Claims (11)

  1. 化学修飾された基体で形成された反応器と、前記反応器の温度を制御する加熱・冷却手段と、前記加熱・冷却手段を制御する第1温度制御部と、前記反応器へ試料溶液を送液する試料送液部と、を有する固定化DNAライブラリー作製装置であって、
    前記反応器は上下蓋なしの筒状に形成したフローセルホルダーの側壁に窓を開けて該窓に前記基体を固定・取外し可能に設置したものであり、
    前記基体は、その表面に、水酸基、カルボキシル基、硫酸基、シアノ基、ニトロ基、チオル基又はアミノ基で化学修飾されたものであることを特徴とする固定化DNAライブラリー作製装置。
  2. 化学修飾された基体で形成された反応器と、前記反応器の温度を制御する加熱・冷却手段と、前記加熱・冷却手段を制御する第1温度制御部と、前記反応器へ試料溶液を送液する試料送液部と、を有する遺伝子増幅装置であって、
    前記反応器は上下蓋なしの筒状に形成したフローセルホルダーの側壁に窓を開けて該窓に前記基体を固定・取外し可能に設置したものであり、
    前記基体は、その表面に、水酸基、カルボキシル基、硫酸基、シアノ基、ニトロ基、チオル基又はアミノ基で化学修飾されたものであることを特徴とする遺伝子増幅装置。
  3. 遺伝子を固定化した基体で形成された反応器と、前記反応器の温度を制御する加熱・冷却手段と、前記加熱・冷却手段を制御する第1温度制御部と、前記反応器へ試料溶液を送液する試料送液部と、を有する遺伝子増幅装置であって、
    前記反応器は上下蓋なしの筒状に形成したフローセルホルダーの側壁に窓を開けて該窓に前記基体を固定・取外し可能に設置したものであり、
    前記基体は、その表面に、水酸基、カルボキシル基、硫酸基、シアノ基、ニトロ基、チオル基又はアミノ基で化学修飾されたものであることを特徴とする遺伝子増幅装置。
  4. 前記基体が、ダイヤモンド、シリコン、ガラス、金属又はプラスチックである請求項1〜3のいずれかに記載の装置。
  5. 前記反応器を複数個設置して反応器本体とした請求項1〜4のいずれかに記載の装置。
  6. 請求項2〜5のいずれかに記載の装置によって増幅された遺伝子増幅産物を、前記遺伝子増幅装置から連続的に受けて、遺伝子増幅産物の電気泳動を実施することにより遺伝子の解析をすることを特徴とする遺伝子増幅産物解析装置。
  7. 請求項2〜5のいずれかに記載の遺伝子増幅装置と、請求項8記載の遺伝子増幅産物解析装置と、これらの装置を制御するコンピュータ制御部と、を有する遺伝子診断装置。
  8. 請求項2〜5のいずれかに記載の装置によって増幅された遺伝子増幅産物を遺伝子増幅産物解析装置に送液し、遺伝子増幅産物の電気泳動を実施し、その解析データをコンピュータに集積することを特徴とする、遺伝子診断装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の装置を制御する方法であって、第1温度測定部からの信号をコンピュータ制御部に入力し、コンピュータ制御部が、予め入力された値と比較して第2温度制御部と第3温度制御部とを駆動させることを特徴とする、固定化DNAライブラリー作製装置、遺伝子増幅装置、遺伝子増幅産物解析装置又は遺伝子診断装置の制御方法。
  10. 請求項2〜5のいずれかに記載の装置によって増幅された遺伝子増幅産物を遺伝子増幅産物解析装置に送液し、遺伝子増幅産物の電気泳動を実施する方法。
  11. 請求項2〜5のいずれかに記載の装置によって増幅された遺伝子増幅産物を遺伝子増幅産物解析装置に送液し、遺伝子増幅産物の電気泳動を実施し、その解析データをコンピュータに集積する方法。
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