JP3940691B2 - 保護継電装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力系統の事故継続を検出して、所定時間以内に事故除去を行うための保護継電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高抵抗接地系統の事故が長時間に亘って継続した場合、中性点抵抗器(以下、NGRと呼ぶ)の耐量を超えないように、1線地絡の事故継続状況を検出して、母線に接続されている回線を、予め決められた順序に従って順次遮断していくという方式(順序遮断機能)が取られている(例えば、非特許文献1参照。)。
ここでは、その一例として、以下に、具体的な事例について図を用いて説明する。
【0003】
図10は、従来の保護継電装置の構成図である。同図において、201は変圧器バンクであり、複数の変圧器バンク201が複母線甲・乙に接続されている。図には示していないが、変圧器バンク201の上位系が電源である。202は母線に接続されている送電線で、203,204,205は遮断器である。
【0004】
206は保護継電装置であり、変圧器バンク201の電流および変圧器中性点に設置されているNGRの電流と母線の電圧を入力として事故検出と事故継続時の遮断判定を行う機能を持っている。すなわち、地絡事故が発生した場合は、母線の零相電圧と変圧器中性点に設置されているNGRの電流を検出し、送電線の保護装置と協調を取った所定時間後に、予め決められた遮断順序と時限に従って回線を1回線ずつ遮断していく。
【0005】
図11は、地絡事故の場合のアルゴリズムを示すフローチャート例を示す。同図において、ステップ211、ステップ212では、常時入力された電圧・電流を演算し事故検出を行っている。事故が検出されると、ステップ213では、送電線回路保護装置と協調を取った所定の時間T01が経過した後であれば、本順序遮断機能方式が起動されて、ステップ214では、1番初めに遮断するように設定された#1L回線が遮断される。その後、ステップ215では、事故除去が行われたかを確認し、事故が継続している場合は、ステップ216で、T02時限後に2番目に設定された#2L回線が遮断される。
【0006】
このように、予め指定された遮断順序に従って回線を遮断していく。なお、時限T01は0.5sec、時限T02は1.0sec、さらに、T03は1.5secというオーダーである。
【0007】
【非特許文献1】
後備保護継電方式専門委員会著「後備保護継電方式」電気協同研究37巻1号、1981年6月、p.20−21
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の順序遮断機能方式では、予め遮断順序を決めているため、事故回線以外の遮断が行われる可能性が大きく、そのため、事故除去時間も遅くなるという問題があった。
【0009】
したがって、本発明は、高抵抗接地系統の母線に接続される回線の電流を検出し、事故が継続している時に事故と思われる回線を優先的に選択して遮断することにより、事故継続時間を短縮するとともに、停電範囲を狭くして系統の復旧を容易にする保護継電装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の保護継電装置は、高抵抗接地系統の母線に接続される各回線の電気量を入力し、該電気量を演算し、演算結果に基いて所定の回線を予め定められた順序に従って遮断する保護継電装置において、地絡事故継続を検出する地絡事故検出手段と、各回線の零相電流から有効分電流を検出する零相電流検出手段と、地絡事故検出手段の出力信号によって、零相電流検出手段で検出された有効分電流の最も大きい回線に遮断指令を出し、所定の時間後に地絡事故検出手段の出力信号が継続していれば、上記操作を繰返す遮断回線選択手段と、母線に接続される変圧器バンク回線方向の事故を判定する変圧器バンク回線事故判定手段と、地絡事故検出手段の出力と変圧器バンク回線方向事故判定手段の出力信号が同時に出力された時は、所定の時間後に優先的に変圧器バンク回線に遮断指令を出力する変圧器バンク回線遮断手段とを備えたことを特徴とする。
これにより、変圧器バンク回線に事故方向を識別する機能をもたせ、事故継続を検出した時に、変圧器バンク方向に事故がある場合には、最初に変圧器バンクの遮断器(CB)を遮断することになる。従来の保護装置では、送電線回線を遮断した後に変圧器バンク回線を遮断するというシーケンスであるために、変圧器バンク回線の事故の場合に事故遮断まで極めて時間を要していた点を改善することができる。
【0013】
請求項2記載の保護継電装置は、高抵抗接地系統の母線に接続される各回線の電気量を入力し、該電気量を演算し、演算結果に基いて所定の回線を予め定めら
れた順序に従って遮断する保護継電装置において、地絡事故継続を検出する地絡事故検出手段と、各回線の零相電流から有効分電流を検出する零相電流演算手段と、母線に接続される変圧器バンク回線の零相有効分電流の合計電流を求める零相有効分電流合計演算手段と、零相有効分電流合計演算手段で得られた合計電流に1より小さい係数Kを掛け合せた値以上の零相有効分電流が流れる回線を優先的に選択する回線選択手段と、地絡事故検出手段の出力信号が出力されている期間に前記回線選択手段で検出された回線に遮断指令を出力し、前記地絡事故検出手段の出力信号が継続していれば、所定の時間間隔で上記操作を繰返す回線遮断手段とを備えたことを特徴とする。
これにより、高抵抗接地系統の地絡事故時に事故が継続している場合に、複数の変圧器バンク回線の零相有効分電流の合計(I0BT)を演算し、各回線の零相有効分電流(IOR)がこの値(I0BT)のK倍(但しKは0<K<1)以上の回線を選択して遮断し、事故が継続している時に事故の可能性の高い回線を優先的に選択して遮断するので、事故継続時間を短縮することができる。
【0014】
請求項3記載の保護継電装置は、高抵抗接地系統の母線に接続される各回線の電気量を入力し、該電気量を演算し、演算結果に基いて所定の回線を予め定められた順序に従って遮断する保護継電装置において、地絡事故継続を検出する地絡事故検出手段と、各回線の零相電流から有効分電流を検出する零相有効分電流演算手段と、母線に接続される変圧器バンク回線の中性点に設置された中性点抵抗器に流れる電流を検出し合計演算を行うNGR中性点合計電流演算手段と、NGR中性点合計電流演算手段で得られた電流値に1より小さい係数Kを掛け合せた値以上の電流値の回線を優先的に選択する回線選択手段と、地絡事故検出手段の出力信号が出力されている期間に回線選択手段で検出された回線に遮断指令を出力し、地絡事故検出手段の出力信号が継続していれば、所定の時間間隔で上記操作を繰返す回線遮断手段とを備えたことを特徴とする。
これにより、高抵抗接地系統の地絡事故時に事故が継続している場合、複数の変圧器の中性点に設置されている中性点抵抗器(NGR)を流れる電流の合計値(INRT)を求めて、各回線の零相有効分電流(IOR)が、この値のK倍(但しKは0<K<1)以上の回線を選択して遮断することにより、事故が継続している時に事故の可能性の高い回線を優先的に選択して遮断するので、事故継続時間を短縮することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態を実現するための保護システムの構成図であり、11が本発明の保護継電装置である。また、図2は、この保護継電装置をディジタルリレーで実現したハードウェア構成図である。
【0017】
図1では、送電線回線あるいは変圧器バンク回線1が、母線3または4に接続されている。母線3,4は、母線連絡線5で繋がれており、各回線および母線連絡線5には、それぞれに遮断器2および電流変成器6(以下CTと称す)が設置されている。また、母線3,4には、電圧変成器(以下PTと称す)7甲、7乙が設置されている。これらの各CTと各PTからの信号が保護継電装置11に入力される。
【0018】
保護継電装置11には、地絡事故検出手段12、零相電流検出手段13、遮断回線選択手段14が設置されており、回線単位の遮断出力が可能なように構成されている。
【0019】
図2は、保護継電装置11が、ディジタルリレーで構成されている図である。各CT,PTの入力変換器111、アナログフィルター(AF)112、アナログディジタル変換器(ADC)113、前置プロセッサ(FEP)114、中央演算処理装置(CPU)115、プログラムを収納するメモリー(ROM)116、CPUで判断された結果を出力する入出力インターフェース(I/O)117、および本装置から各回線遮断指令を出力する出力回路118によって構成されている。
【0020】
図3は、図2の構成に示しているディタルリレーのソフトウェアのアルゴリズムのフローチャートである。
【0021】
ステップ21では、各回線のCT二次電流から零相電流が、またPT二次電圧あるいは三次電圧から母線電圧が入力され、常時演算されている。ステップ22では、系統に事故が発生したか否かを監視し、事故発生は、母線電圧の低下、あるいは零相電圧の有無で検出する。ステップ23では、事故が所定時間(T1)継続しているか否かを判断する。一般に電力系統の保護システムには、保護区間が限定されていて、高速に検出遮断する装置(以下主保護装置と称する)があるが、このT1は、この主保護装置による事故除去までの時間に尤度を持って確認するための時間である。所定時間(T1)以上事故が継続している場合には、主保護装置によって事故が除去されなかったものとみなし、本発明の保護継電装置11の機能が起動して、後備保護的な処置をすることになる。
【0022】
ステップ24では、各回線の零相電流から、その有効分電流を求める。電力系統には、ケーブル系統もあるので、線路のキャパシタンスが大きい場合には、進み電流を補償するために変圧器の中性点にリアクトルを設置して進み電流を補償する形態が多く取られている。このため、各回線に流れる電流は、事故回線以外の回線が、そのようなキャパシタンスやリアクタンスの電流で大きくなり、事故回線と見誤ってしまう。これを防ぐためには、中性点接地抵抗器(NGR)の電流と同相の電流を得ればよく、そのために、零相電流の有効分を求めることにした。零相電流の有効分は、事故時に母線電圧から得られる零相電圧または各相電圧の位相を基準として求めるもので、従来の保護リレーなどで採用されている手法と同じく容易に求めることができるものである。
【0023】
ステップ25では、この演算された零相有効分電流が最大の回線を選択して遮断する。ステップ25で、零相有効分電流の最大回線が選択遮断された後、ステップ26では、事故が除去されたかどうかを判断し、事故が除去されている場合には、本アルゴリズム機能が終了する。
【0024】
事故が除去されていない場合は、ステップ27で、所定時間(T2)後に、再度残った回線から、零相有効分電流の最大回線を選択して遮断する。このT2は、装置の遮断出力から事故除去までに要する時間に尤度をもって確認するための時間である。このステップを事故除去が行われるまで繰り返す。なお、フローチャートの各ステップ順序は一例であり、本発明の趣旨が変わらない限り変更してもよい。
【0025】
本実施の形態によれば、高抵抗接地系統の母線に接続される回線の零相有効分電流を検出し、事故が継続している時に事故と思われる回線を優先的に選択して遮断することにより、事故継続時間を短縮することができる。
【0026】
(第2の実施の形態)
図4は、第2の実施の形態のアルゴリズムを示すフローチャートである。同図は、変圧器バンク回線に事故方向を識別する機能をもたせ、高抵抗接地系統の地絡事故時に、変圧器バンク回線方向に事故がある場合には、最初に変圧器バンク回線の遮断器(CB)を遮断する方法である。
【0027】
本実施の形態では、中性点に中性点接地抵抗(NGR)を設置している変圧器バンク側の地絡事故を検出した場合は、送電線回線の零相有効分電流の大きさに関わらず、変圧器バンクを遮断して、その後、なお事故継続している場合は、送電線回線の零相有効分電流の最大回線を選択して遮断するシーケンスを採っている。
【0028】
図4において、ステップ31からステップ33までは、実施の形態1における図3と同じフローチャートである。ステップ34では、変圧器バンク回線側に事故があるか否かを判定し、事故が変圧器バンク回線側であれば、ステップ35で、変圧器の一次、二次遮断器(CB)を遮断し、ステップ36で、なお事故継続であるか否かを判定する。
【0029】
変圧器バンク回線方向の事故でなければ、ステップ37で、各回線の零相有効分電流を演算し、ステップ38で、その最大回線を選択し遮断する。その後、事故除去したかどうかをステップ36で判定し、事故除去でなければ、所定時間(T2)後に、さらに各回線の零相有効分電流の最大回線を選択し遮断する。このように事故除去が確認できるまで繰り返す。
【0030】
本実施の形態によれば、変圧器バンク回線方向の事故を識別する機能をもたせ、事故継続を検出した時に、変圧器バンク方向に事故がある場合には、優先的に変圧器バンク回線の遮断器(CB)を遮断するので、従来の保護装置では、送電線回線を遮断した後に変圧器バンク回線を遮断するというシーケンスであるために、事故遮断まで極めて時間を要していた点を改善することができる。
【0031】
(第3の実施の形態)
図5は、第3の実施の形態に使用する複数段の零相有効分電流を検出するレベルの識別要素を示している。同図の複数段の検出レベルの識別要素は、以下のとおりに定める。
【0032】
事故検出電流最小レベルとしては、SN比を考慮して、中性点抵抗器(NGR)の最小電流の30%以上を検出できればよい。また、事故検出電流最大レベルとしては、平行回線があると考えると、NGRの最大電流(100%地絡時の電流)の1/2以上の電流が検出できればよい。したがって、回線の零相有効分電流検出レベルの識別要素は、NGRの最小電流のの0.3倍から、NGRの最大電流の1/2倍までを複数段で構成したものであればよい。
【0033】
例えば、NGR電流が150A×3台で構成された系統の場合、検出レベルの識別要素の最小は150Aの30%で45Aであり、最大は450Aの1/2の225A以上の電流である。一方、平行2回線の場合には、2回線に分流するため、最大は225A/2=112.5Aとなるので、この電流以上の電流が流れていれば、最大電流回線と判断することになる。
そこで、検出レベルの識別要素としては、45Aから225Aの間を、NGRによる電流容量と平行2回線構成を考慮した検出感度として、225A−150A−112.5A−75A−45A−22.5Aというように複数段の検出要素を設ける必要がある。
【0034】
図6は、前述した複数段の零相有効分電流検出機能を持たせた第4の実施の形態におけるアルゴリズムを示すフローチャートである。同図において、ステップ41から44までは第1乃至第3の実施の形態と同様である。
【0035】
ステップ45では、複数段検出要素の最も感度の悪いレベルLn(最大電流レベル)が動作している回線があるかどうかを判定し、あればその回線をステップ48で遮断し、ステップ49では、ステップ48で遮断したことにより事故除去したかどうかを判定する。ステップ45で、レベルLnを超えた回線が無い場合は、次のステップ46で、レベルLn−1で動作している回線を選択し、前述したと同様の判定処理を行う。これを繰り返して事故を除去する。
【0036】
本実施の形態によれば、高抵抗接地系統の母線に接続される回線の零相有効分電流を検出し、回線の零相有効分電流検出要素を、NGR電流の最小の0.3から、NGR電流の最大の1/2までを複数段の検出要素で構成し、最悪レベル(最大電流)の事故回線を優先的に選択し、事故が継続している時に事故と思われる回線を優先的に選択して遮断することにより、事故継続時間を短縮することができる。
【0037】
(第4の実施の形態)
図7は、第4の実施の形態におけるアルゴリズムのフローチャートを示したものである。同図は、高抵抗接地系統の地絡事故時に事故が継続している場合に、複数の変圧器バンク回線の零相有効分電流の合計(I0BT)を演算し、各回線の零相有効分電流(IOR)が合計(I0BT)を1より小さい計数Kを掛け合せた値以上の回線を選択して遮断し、事故除去を行うことを示している。ここで、例えばKを1/2として、各回線の零相有効分電流の大きさIORが合計(I0BT)の1/2以上であれば、その回線は、事故回線であると判断できるものとする。
【0038】
図7において、ステップ51から54は、第3の実施の形態を示す図3と同じフローチャートである。ステップ55以降が、本実施の形態の特徴を示す。ステップ55で、複数の変圧器バンク回線の零相有効分電流の合計(I0BT)を演算し、ステップ56で、各回線の零相有効分電流IORとの比較を行い、I0R>K・I0BT(ただし、0<K<1)の回線を選択して遮断する。ステップ57で、事故を除去したかどうかを判定し、事故が除去できていない場合は、再度前述のフローを繰り返す。
【0039】
本実施の形態によれば、高抵抗接地系統の地絡事故時に事故が継続している場合に、複数の変圧器バンク回線の零相有効分電流の合計(I0BT)を演算し、各回線の零相有効分電流(IOR)がこの値(I0BT)のK倍(但し、Kは0<K<1)以上の回線を選択して遮断するので、事故が継続している時に事故と思われる回線を優先的に選択して遮断することにより、事故継続時間を短縮することができる。
【0040】
(第5の実施の形態)
図8は、第5の実施の形態におけるアルゴリズムのフローチャートである。同図は、高抵抗接地系統の地絡事故時に事故が継続している場合、複数の変圧器の中性点に設置されている中性点抵抗器(NGR)を流れる電流の合計値(INRT)を求めて、各回線の零相有効分電流(IOR)が、この値(INRT)のK倍(但しKは0<K<1)以上の回線を選択して遮断することを示している。
【0041】
本実施の形態は、第4の実施の形態と同じ考え方であり、詳細の説明は省略する。
本実施の形態によれば、高抵抗接地系統の地絡事故時に事故が継続している場合、複数の変圧器の中性点に設置されている中性点抵抗器(NGR)を流れる電流の合計値(INRT)を求めて、各回線の零相有効分電流(IOR)が、この値のK倍(但しKは0<K<1)以上の回線を選択して遮断するので、事故が継続している時に事故と思われる回線を優先的に選択して遮断することにより、事故継続時間を短縮することができる。
【0042】
(第6の実施の形態)
図9は、第6の実施の形態におけるアルゴリズムのフローチャートである。同図は、高抵抗接地系統の地絡事故時に事故が継続している場合で、しかも、平行2回線系統で零相循環電流が流れている場合の処置を示している。
【0043】
ステップ71から74は、第1の実施の形態における図3と同じである。ステップ75で、平行2回線の合計零相有効分電流(I0RT)を演算し、ステップ76で、各回線電流の零相有効分電流(I0R)と平行2回線の合計零相有効分電流(I0RT)のうち最大回線を選択し、ステップ78で、その最大回線が1回線系統であれば、その回線を遮断する。
【0044】
ステップ79で、その最大回線が平行2回線系統であれば、その2回線のうち、I0Rの大きい方の回線を選択して遮断する。遮断した結果、ステップ80で、事故が除去されたかどうかを判定する。その結果、事故が除去されていれば、本機能動作は終了し、事故が除去されていなければ、T2時間後に、ステップ74に戻り、同様の処理を繰返す。
【0045】
本実施の形態によれば、高抵抗接地系統の地絡事故時に事故が継続している場合で、しかも、平行2回線系統で零相循環電流が流れている場合でも、事故回線を短時間で選択・遮断することにより、事故除去時間を短くすることができる。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、事故継続時に事故電流の大きな回線から遮断することによって、事故除去時間を早くすることができ、また、中性点抵抗器(NGR)などの中性点接地機器の電流耐量も少なくてすむという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態のシステム構成図である。
【図2】第1の実施の形態のシステム構成図をディジタルリレーで構成しなおした図である。
【図3】第1の実施の形態のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図4】第2の実施の形態のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図5】第3の実施の形態の複数段持った有効分電流検出要素を説明する図である。
【図6】第3の実施の形態のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図7】第4の実施の形態のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図8】第5の実施の形態のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図9】第5の実施の形態のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図10】従来の保護継電装置の構成図である。
【図11】従来の保護継電装置のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1・・・送電線回線または変圧器バンク回線、2・・・遮断器、3,4・・・母線、5・・・母線連絡線、6・・・電流変成器、7甲,7乙・・・電圧変成器、11・・・保護継電装置、12・・・地絡事故検出手段、13・・・零相電流検出手段、14・・・遮断回路選択手段、111・・・CT,PTの変換装置、112・・・アナログフィルター、113・・・アナログディジタル変換器、114・・・FEP、115・・・CPU、116・・・ROM、117・・・I/O、118・・・各回線遮断命令、201・・・変圧器バンク、202・・・送電線、203,204,205・・・遮断器、206・・・送電線保護装置
Claims (3)
- 高抵抗接地系統の母線に接続される各回線の電気量を入力し、該電気量を演算し、演算結果に基いて所定の回線を予め定められた順序に従って遮断する保護継電装置において、
地絡事故継続を検出する地絡事故検出手段と、
各回線の零相電流から有効分電流を検出する零相電流検出手段と、
前記地絡事故検出手段の出力信号によって、前記零相電流検出手段で検出された有効分電流の最も大きい回線に遮断指令を出し、所定の時間後に前記地絡事故検出手段の出力信号が継続していれば、上記操作を繰返す遮断回線選択手段と、
前記母線に接続される変圧器バンク回線方向の事故を判定する変圧器バンク回線事故判定手段と、
前記地絡事故検出手段の出力と前記変圧器バンク回線方向事故判定手段の出力信号が同時に出力された時は、所定の時間後に優先的に前記変圧器バンク回線に遮断指令を出力する変圧器バンク回線遮断手段と
を備えたことを特徴とする保護継電装置。 - 高抵抗接地系統の母線に接続される各回線の電気量を入力し、該電気量を演算し、演算結果に基いて所定の回線を予め定められた順序に従って遮断する保護継電装置において、
地絡事故継続を検出する地絡事故検出手段と、
各回線の零相電流から有効分電流を検出する零相電流演算手段と、
前記母線に接続される変圧器バンク回線の零相有効分電流の合計電流を求める零相有効分電流合計演算手段と、
前記零相有効分電流合計演算手段で得られた合計電流に1より小さい係数Kを掛け合せた値以上の零相有効分電流が流れる回線を優先的に選択する回線選択手段と、
前記地絡事故検出手段の出力信号が出力されている期間に前記回線選択手段で検出された回線に遮断指令を出力し、前記地絡事故検出手段の出力信号が継続していれば、所定の時間間隔で上記操作を繰返す回線遮断手段と
を備えたことを特徴とする保護継電装置。 - 高抵抗接地系統の母線に接続される各回線の電気量を入力し、該電気量を演算し、演算結果に基いて所定の回線を予め定められた順序に従って遮断する保護継電装置において、
地絡事故継続を検出する地絡事故検出手段と、
各回線の零相電流から有効分電流を検出する零相有効分電流演算手段と、
前記母線に接続される変圧器バンク回線の中性点に設置された中性点抵抗器に流れる電流を検出し合計演算を行うNGR中性点合計電流演算手段と、
前記NGR中性点合計電流演算手段で得られた電流値に1より小さい係数Kを掛け合せた値以上の電流値の回線を優先的に選択する回線選択手段と、
前記地絡事故検出手段の出力信号が出力されている期間に前記回線選択手段で検出された回線に遮断指令を出力し、前記地絡事故検出手段の出力信号が継続していれば、所定の時間間隔で上記操作を繰返す回線遮断手段と
を備えたことを特徴とする保護継電装置。
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