JP3940575B2 - 固体撮像システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、固体撮像装置及び固体撮像システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
CCDリニアセンサなどの一次元センサは、スキャナやPPCの画像読み取り部に広く用いられている。
【0003】
一次元センサで原稿を走査して読み取るとき、センサまたは原稿の移動系からの情報を得たり、あるいはエンコーダを備えて、走査位置の情報を取得したりする必要がある。このため、機械系で走査する場合は移動系に用いられるモータを精密に制御する制御系や位置信号を得る処理系が別途必要である。
【0004】
また、手動走査の場合は、エンコーダなどの機構が別途必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記の事情に鑑み為されたもので、その目的は、モータを精密に制御する制御系や、位置信号を得る処理系、あるいは位置情報を検出するための機構を別途設けることなく、走査位置情報の取得が可能な固体撮像装置及び固体撮像システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明に係る固体撮像システムの第1態様では、半導体基板上に列状に配置された複数の画素を含む画素部、及び前記半導体基板上に前記画素部から副走査方向に離れて配置された少なくとも1つ以上で、かつ、前記複数の画素よりも数が少ないモニタ画素部を含む固体撮像部と、前記モニタ画素部からの副走査方向の出力パターンと、前記画素部のうち前記モニタ画素部に対応した画素からの副走査方向の出力パターンとを比較し、この比較結果に基づき、前記固体撮像部と、この固体撮像部により撮像される被撮像体との間の相対速度を検出し、走査位置情報を得る信号処理部とを具備する。
【0010】
また、この発明に係る固体撮像システムの第2態様では、半導体基板上に列状に配置された複数の画素を含む画素部、第1の撮像ラインを前記画素部の一部分の画素に結像させる第1の光学系、前記第1の撮像ラインから副走査方向に離れた箇所にある第2の撮像ラインを前記一部分の画素とは異なり、前記第1の撮像ラインが結像される部分の画素より画素数が少ない画素に結像させる第2の光学系を含む固体撮像部と、前記一部分の画素からの副走査方向の出力パターンと、前記他の部分の画素からの副走査方向の出力パターンとを比較し、この比較結果に基づき、前記固体撮像部と、この固体撮像部により撮像される被撮像体との間の相対速度を検出し、走査位置情報を得る信号処理部とを具備する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。この説明に際し、全図にわたり、共通する部分には共通する参照符号を付す。
【0014】
(第1実施形態)
図1は、この発明の第1実施形態に係る固体撮像装置を示す平面図である。なお、図1は、一例として、特にスキャナ等の読み取り部に用いられるCCDリニアセンサが示されている。
【0015】
図1に示すように、半導体基板100上には、複数の感光画素(以下、画素)107を含む画素部101が設けられている。本第1実施形態の画素部101は、特に複数の画素107が一列に配置され、いわゆる一次元画素列を為している。画素107は各々、例えばフォトダイオードで構成され、入射した光エネルギー、即ち読み取り画像に応じた光エネルギーを光信号電荷に変換し、一時的に蓄積する。画素107に蓄積された光信号電荷は、読み出し電極(シフトゲート)102を通じて、一斉に電荷転送レジスタ部103に移送される。電荷転送レジスタ部103は、例えばCCDで構成され、移送された光信号電荷を、例えば2相のクロックパルスで順次、出力部104まで転送する。出力部104は、転送された光信号電荷を読み取り、例えば電荷量に応じた出力信号に変換して出力する。
【0016】
さらに、本第1実施形態では、モニタ画素106、及びモニタ画素用出力部105を有する。モニタ画素106は、画素部101から離れた箇所に設けられている。本第1実施形態では、モニタ画素106は、図1に示すように画素部101から副走査方向に距離“L”離れた箇所に設けられている。
【0017】
このような第1実施形態に係るCCDリニアセンサを副走査方向に移動、あるいは被撮像体を副走査方向に移動させて、かつ一定時間の間隔で信号を読み取った場合、モニタ画素106からの出力と、このモニタ画素106に対応した箇所にある画素107-nからの出力との関係は、図2のようになる。
【0018】
図2に示すように、CCDリニアセンサと被撮像体、例えば原稿との間に、相対的な移動があれば、画素107-nに結像していた画像は、ある時間が経過した後、モニタ画素106に結像する。
【0019】
従って、画素107-nからの出力パターンと、モニタ画素106からの出力パターンとを比較すれば、これら出力パターン間の時間差を知ることができる。例えば図2に示すように、出力パターン間の時間差“T1”や“T2”が分かれば、これら時間差“T1”や“T2”と、上記距離“L”とから、CCDリニアセンサと被撮像体との相対速度、即ちCCDリニアセンサの移動速度、あるいは被撮像体、例えば原稿の移動速度を求めることができる。このように、CCDリニアセンサと被撮像体との相対速度が分かれば、副走査方向に沿った移動情報、即ち画像走査時の走査位置情報を取得することができる。
【0020】
走査位置情報を取得するための処理は、例えばソフトウェアを用いて行なうことができる。このソフトウェアの一例を、以下説明する。
【0021】
図3は、ソフトウェアにより行なわれる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0022】
まず、画素107からの出力パターン、及びモニタ画素106からの出力パターンを得る(ST.1)。
【0023】
ST.1の具体的一例は、画素107-nの出力、及びモニタ画素106の出力をそれぞれ、ある一定時間、読み取り、例えば固体撮像システムに設けられた記憶部に蓄積していくことである。これにより、例えば図2に示したような出力パターンを得ることができる。
【0024】
次に、画素107-nからの出力パターンと、モニタ画素106からの出力パターンとを比較し、これら出力パターン間の時間差“T”を求める(ST.2)。
【0025】
ST.2の具体的一例は、ある一定時間における画素107-nの出力パターンと、同じくある一定時間におけるモニタ画素106の出力パターンとをパターンマッチングさせ、マッチングしたパターン間の時間差“T”を求めることである。
【0026】
また、他例としては、画素107-nの出力パターンの特徴的な部分と、この特徴的な部分に対応した、モニタ画素106の出力パターンの特徴的な部分とをそれぞれ抽出し、これら特徴的な部分間の時間差“T”を求めることである。特徴的な部分の一例としては、出力レベルの変曲点、例えば図2に示すように出力パターンのピークを挙げることができる。
【0027】
次に、出力パターン間の時間差“T”が判明したら、この時間差“T”と距離“L”とから、CCDリニアセンサと被撮像体との相対速度を算出する(ST.3)。
【0028】
このような第1実施形態に係るCCDリニアセンサによれば、例えば移動系に用いられるモータを精密に制御する制御系や、位置信号を得る処理系を備えることなく、画像走査時の走査位置情報を取得することが可能となる。
【0029】
また、ハンディスキャナ等の手動走査の機器に応用した場合においても、エンコーダ等の位置情報を検出するための機構を設けることなく、上記走査位置情報を取得することが可能となる。
【0030】
本第1実施形態では、出力パターン間の比較を、モニタ画素106と、これに対応する位置にある、一つの画素107-nとで行なった。
【0031】
しかし、出力パターン間の比較は、モニタ画素106と、画素107-nと、画素107-nの周辺にある画素107との複数で行なうようにしても良い。この場合には、電荷転送方向に直交する方向の移動情報ばかりでなく、斜め方向の移動情報を得ることも可能となる。
【0032】
(第2実施形態)
図4は、この発明の第2実施形態に係る固体撮像装置を示す平面図である。なお、図4には、一例として、特にスキャナ等の読み取り部に用いられるCCDリニアセンサが示されている。
【0033】
図4に示すように、モニタ画素111は、電荷転送レジスタ部103を挟んで、画素部101の反対側に設けられている。この場合、モニタ画素111にて発生、蓄積された電荷は、電荷転送レジスタ部103を挟んで、読み出し電極102の反対側に設けられた読み出し電極112を介して、電荷転送レジスタ部103に移される。
【0034】
このような第2実施形態においても、モニタ画素111は、画素部101から離れた箇所に設けられているので、第1実施形態と同様に、モニタ画素111から得られた出力パターンと、これに対応する位置にある画素107-nから得られた出力パターンとを比較し、これら出力パターン間の時間差を求めることで、CCDリニアセンサと被撮像体との相対速度を知ることができる。
【0035】
従って、本第2実施形態においても、第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0036】
さらに、本第2実施形態では、モニタ画素111の出力部を画素部101の出力部104と共用する。このため、モニタ画素用出力部105を、画素部101の出力部104と共用しない第1実施形態に比べて、CCDリニアセンサの小型化に有利である。
【0037】
(第3実施形態)
図5は、この発明の第3実施形態に係る固体撮像装置を示す平面図である。なお、図5には、一例として、特にスキャナ等の読み取り部に用いられるCCDリニアセンサが示されている。
【0038】
図5に示すように、上記第1実施形態において示したモニタ画素106及びモニタ画素用出力部105に加え、モニタ画素109及びモニタ画素用出力部108が、さらに設けられている。
【0039】
モニタ画素109は、モニタ画素106と同様に、画素部101から電荷転送方向に直交する方向に距離“L2”離れた箇所に設けられている。距離“L2”は、モニタ画素109とこれに対応する位置にある画素107-mとの距離である。距離“L2”は、好ましくはモニタ画素106とこれに対応する位置にある画素107-nとの距離“L1”と等しく設定される。
【0040】
このような第3実施形態においても、第1、第2実施形態と同様に、モニタ画素106から得られた出力パターンと画素107-nから得られた出力パターンとを比較するとともに、及びモニタ画素109から得られた出力パターンとこれに対応する位置にある画素107-mから得られた画像パターンとを比較することで、これら出力パターン間の時間差を求めることができる。これにより、CCDリニアセンサと被撮像体との相対速度を知ることができる。
【0041】
従って、本第3実施形態においても、第1、第2実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0042】
さらに本第3実施形態では、モニタ画素106から得られた出力パターンと画素107-nから得られた出力パターンとの時間差、及びモニタ画素109から得られた出力パターンと画素107-mから得られた画像パターンとの時間差を比較することで、CCDリニアセンサ、あるいは被撮像体の直線的な移動、即ち一次元情報ばかりでなく、CCDリニアセンサ、あるいは被撮像体の回転といった、二次元情報をも得ることができる、という利点がある。
【0043】
(第4実施形態)
図6は、この発明の第4実施形態に係る固体撮像装置を示す斜視図である。なお、図6は、一例として、特にスキャナ等の読み取り部に用いられるCCDリニアセンサが示されている。
【0044】
図6に示すように、半導体基板上には、複数の画素107を含む画素部101が設けられている。本第4実施形態の画素部101は、上記第1〜第3実施形態と同様に、一次元画素列を為している。
【0045】
さらに本第4実施形態では、主光学系120と、モニタ用光学系121とを具備する。
【0046】
主光学系120は、例えば主撮像ライン123内にある被撮像体122の画像を、画素部101に含まれる画素107のうち、一部分の画素107-0〜107-m-1に結像させる。モニタ用光学系121は、モニタ用撮像ライン124内にある被撮像体122の画像を、上記一部分の画素107-0〜107-m-1とは異なる他の部分の画素107-mに結像させる。
【0047】
モニタ用撮像ライン124は、主撮像ライン123から副走査方向に距離“L”離れている。これにより、画素107-mは、上記第1〜第3実施形態で説明したモニタ画素106、109と同様に機能させることが可能となる。なお、主光学系、及びモニタ用光学系の例としては、レンズ縮小型CCDリニアセンサでは通常の光学レンズ、また、密着型CCDリニアセンサではロッドレンズ等を挙げることができる。
【0048】
このような第4実施形態に係るCCDリニアセンサを副走査方向に移動、あるいは被撮像体122を副走査方向に移動させて、かつ一定時間の間隔で信号を読み取った場合、画素107-mの出力と、画素107-nの出力との関係は、上記図2に示したものと同様になる。なお、画素107-nは、主撮像ラインのうち、モニタ用撮像ライン124に対応するライン125の画像が結像される画素である。
【0049】
従って、本第4実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0050】
また、本第4実施形態は、第1〜第3実施形態に比べ、画素部101とは別にモニタ画素を設ける必要が無いこと、及びモニタ画素用出力部を設けることが無いことから、CCDリニアセンサの小型化に有利である。
【0051】
(第5実施形態)
本第5実施形態は、上記第1〜第4実施形態により説明した固体撮像装置を用いた、固体撮像システムの一例に関する。
【0052】
図7はこの発明の第5実施形態に係る固体撮像システムを示すブロック図である。
【0053】
図7に示すように、回路基板150上には、固体撮像部151、タイミングジェネレータ(TG)152、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)153、メモリ154、及びインターフェース(I/F)155等が配置される。
【0054】
固体撮像部151は、CCDリニアセンサ等の固体撮像装置であり、本例では、上記第1実施形態に係るCCDリニアセンサが使用されている。第2〜第4実施形態に係るCCDリニアセンサを使用することも、もちろん可能である。
【0055】
TG152は、例えば読み出しパルス、転送クロック等、固体撮像部151の制御に使用される様々なタイミング信号、あるいはそれらのタイミングを決めるための信号等を発生させ、固体撮像部151に与える。
【0056】
DSP153は、固体撮像部151からの出力信号を、例えばスキャナ、PPC、ファクシミリ、バーコードリーダ等の所望の電子機器に応じた信号、あるいは所望の信号処理方式に応じた信号に変換し、出力する。
【0057】
さらに本第5実施形態のDSP153は、固体撮像部151からの出力信号より、モニタ画素106からの出力信号と、画素107-nからの出力信号とを抽出し、例えば上記図2を参照して説明したような処理に基づく信号演算を行い、固体撮像部151と被撮像体との間の相対速度を検出し、走査位置情報を示す信号を得て、出力する。
【0058】
メモリ154は、画像情報の記憶に用いられる他、本第5実施形態においては、走査位置情報を取得するためのソフトウェアプログラムの格納、並びに出力パターンを得る際に行なわれる、モニタ画素106からの出力信号、並びに画素107-nからの出力信号の一時的な蓄積等に用いられる。
【0059】
I/F155は、本第5実施形態に係る個体撮像システムと、本固体撮像システムが接続される電子機器とのインターフェースであり、必要に応じて取り付けられる。
【0060】
このように上述した第1〜第4に係る固体撮像装置は、本第5実施形態により説明したような固体撮像システムに搭載されることで、例えばスキャナ、PPC、ファクシミリ、バーコードリーダ等の様々な、画像読み取り機能付電子機器に用いることができる。
【0061】
なお、本第5実施形態により説明した固体撮像システムは一例であって、この発明の例えば第1〜第4実施形態に係る固体撮像装置は、図7に示した以外の固体撮像システムに搭載することも勿論可能である。
【0062】
以上、第1〜第4実施形態に係る固体撮像装置、及び第5実施形態に係る固体撮像システムによれば、モニタ画素を画素部から副走査方向に距離“L”離れた箇所に設ける、あるいは主撮像ライン内の画像とともに、主撮像ラインから副走査方向に距離“L”離れた箇所にあるモニタ用撮像ラインの画像を画素部に結像させることで、画像走査時の走査位置情報を、信号演算によって取得することが可能となる。
【0063】
このような固体撮像装置、及び固体撮像システムでは、例えば移動系に用いられるモータを精密に制御する制御系や、位置信号を得る処理系が不要となる。
【0064】
また、ハンディスキャナ等の手動走査の機器に応用した場合においても、エンコーダ等の位置情報を検出するための機構が不要となる。
【0065】
(第6実施形態)
本第6実施形態は、特に解像度の切り替えが可能な固体撮像装置に関する。
【0066】
固体撮像装置の通常の出力では、画素部に含まれる全ての画素からの光信号電荷を独立に全て出力するが、用途に応じて、例えば二画素につき1つの信号を出力する、いわゆる低解像度出力が行なわれる場合がある。出力信号処理において、例えば一画素おきに信号を間引きすれば、解像度は半分になるが、電荷転送レジスタ部の転送速度が同じであれば、電荷転送全体に要する時間は変らない。
【0067】
その一方で、低解像度出力の場合、通常の出力の場合よりも、電荷転送全体に要する時間を短縮した高速動作が要求される場合が多い。
【0068】
現状の固体撮像装置では、低解像度に見合うだけの高速動作を行なおうとすると、電荷転送レジスタ部の転送速度を、例えば2倍に速くしなければならず、転送効率の劣化を招く可能性がある。
【0069】
本第6実施形態は、解像度を切り替え、電荷転送レジスタ部の転送速度を、例えば2倍に速くした場合でも、転送効率の劣化を抑制することが可能な固体撮像装置を提供しようとするものである。
【0070】
図8A、図8Bはそれぞれこの発明の第6実施形態に係る固体撮像装置を示す平面図である。なお、図8A、8Bは、一構成例として、特にスキャナ等の読み取り部に用いられるCCDリニアセンサを示している。また、図8Aには、通常出力動作時における光信号電荷の移送の様子を、図8Bには、低解像度出力動作時における光信号電荷の移送の様子をそれぞれ示す。
【0071】
図8A、図8Bに示すように、半導体基板200上には、画素208を含む画素部201が設けられている。本第6実施形態の画素部201は、特に複数の画素208が一列に配置され、いわゆる一次元画素列を為している。画素208は各々、例えばフォトダイオードで構成され、入射した光エネルギー、即ち読み取り画像に応じた光エネルギーを光信号電荷に変換し、一時的に蓄積する。
【0072】
画素部201の、電荷転送方向に沿った一方側には、第1の読み出し電極202、及び第1の読み出し電極202に隣接して第1の電荷転送レジスタ部203がそれぞれ配置されている。第1の電荷転送レジスタ部203は、第1の出力部204に接続されている。
【0073】
また、画素部201の、第1の読み出し電極202の反対側には、第2の読み出し電極205、及び第2の読み出し電極205に隣接して第2の電荷転送レジスタ部206がそれぞれ配置されている。第2の電荷転送レジスタ部206は、第2の出力部207に接続されている。
【0074】
本第6実施形態では、第2の電荷転送レジスタ部206の、一画素あたりの転送段数が、第1の電荷転送レジスタ部206よりも少ない。特に本第4実施形態では、第1の電荷転送レジスタ部203の一画素あたりの転送段数は、第2の電荷転送レジスタ部206の整数倍、例えば2倍である。
【0075】
次に、第6実施形態に係る固体撮像装置の一動作例を説明する。
【0076】
<通常出力動作>
図9Aは、この発明の第6実施形態に係る固体撮像装置の通常出力動作時における読み出しパルスを示す信号波形図である。
【0077】
図9Aに示すように、通常出力動作時、読み出しパルスSH1を、第1の読み出し電極202に与える。また、第2の読み出し電極205に与えられる読み出しパルスSH2は、通常出力動作の間、例えば“LOW”レベルを保つようにする。
【0078】
読み出しパルスSH1が“LOW”レベルから“HIGH”レベルに遷移すると、第1の読み出し電極202をゲート電極とするシフトゲートが開く。この結果、図8Aに示されるように、画素208それぞれに蓄積された光信号電荷は、第1読み出し電極202を通じて、一斉に第1の電荷転送レジスタ部203に移送される。
【0079】
読み出しパルスSH1が“HIGH”レベルから再び“LOW”レベルに遷移すると、第1の読み出し電極202をゲート電極とするシフトゲートが閉じる。この結果、入射光に応じて、画素208それぞれに発生した電荷は、画素208それぞれに蓄積されていく。光信号電荷の蓄積は、読み出しパルスSH1が再び“HIGH”レベルに遷移し、光信号電荷が第1の電荷転送レジスタ部203に移送されるまで続く。本例では、光信号電荷を蓄積している間(光信号蓄積時間中)、先に第1の電荷転送レジスタ部203に移送されていた光信号電荷全ては、出力部204に転送され、その電荷量に応じた出力信号に変換されて出力される。
【0080】
<低解像度出力動作>
図9Bは、この発明の第6実施形態に係る固体撮像装置の低解像度出力動作時における読み出しパルスを示す信号波形図である。
【0081】
図9Bに示すように、低解像度出力動作時、読み出しパルスSH2を、第2の読み出し電極205に与える。また、読み出しパルスSH1は、低解像度出力動作の間、例えば“LOW”レベルを保つようにする。
【0082】
読み出しパルスSH2が“LOW”レベルから“HIGH”レベルに遷移すると、第2の読み出し電極205をゲート電極とするシフトゲートが開く。この結果、図8Bに示されるように、画素208それぞれに蓄積された光信号電荷は、第2の読み出し電極205を通じて、一斉に第2の電荷転送レジスタ部206に移送される。この時、本第6実施形態では、第2の電荷転送レジスタ部206の一つの転送段に対し、二画素分の光信号の電荷を混合するように移送する。
【0083】
読み出しパルスSH2が“HIGH”レベルから再び“LOW”レベルに遷移すると、第2の読み出し電極205をゲート電極とするシフトゲートが閉じる。この結果、通常動作出力時と同様に、画素208それぞれに、入射光に応じて発生した電荷が蓄積されていく。光信号電荷の蓄積は、読み出しパルスSH2が再び“HIGH”レベルに遷移し、光信号電荷が第2の電荷転送レジスタ部206に移送されるまで続く。本例では、光信号蓄積時間中、先に第2の電荷転送レジスタ部206に移送されていた光信号電荷全ては、出力部207に転送され、その電荷量に応じた出力信号に変換されて出力される。この時、第2の電荷転送レジスタ部206の転送段数は、上述した通り、第1の電荷転送レジスタ部203の半分である。このため、転送速度を通常動作出力時の時と同じにしても、全体の転送時間は半分にすることができる。よって、図9Bに示すように、図9Aに示す通常出力動作時よりも高速な出力動作が可能となる。
【0084】
また、本第6実施形態では、特に二画素分の光信号電荷を加算するので、低解像度としても、感度が高くなる。
【0085】
さらに、図8A、図8Bに示すように、本第6実施形態では、第2の電荷転送レジスタ部206の転送段数が、第1の電荷転送レジスタ部203の転送段数よりも少ない。このため、第2の電荷転送レジスタ部206の転送段一つあたりの面積は、第1の電荷転送レジスタ部203の転送段一つあたりの面積よりも大きくすることができる。このようにした場合には、第2の電荷転送レジスタ部206のレジスタ面積が大きくできるので、第2の電荷転送レジスタ部206の飽和出力が高くなる、という利点がある。
【0086】
(第7実施形態)
本第7実施形態は、上記第6実施形態により説明した固体撮像装置を用いた、固体撮像システムの一例に関する。
【0087】
図10はこの発明の第7実施形態に係る固体撮像システムを示すブロック図である。
【0088】
図10に示すように、回路基板250上には、固体撮像部251、タイミングジェネレータ(TG)252、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)253、等が配置される。
【0089】
固体撮像部251には、CCDリニアセンサ等の固体撮像装置であり、本例では、上記第6実施形態に係るCCDリニアセンサが使用されている。
【0090】
TG252は、例えば上記読み出しパルスSH1、SH2、転送クロック等、固体撮像部251の制御に使用される様々なタイミング信号、あるいはそれらのタイミングを決めるための信号等を発生させ、固体撮像部251に与える。
【0091】
DSP253は、固体撮像部251からの出力信号を、例えばスキャナ、PPC、ファクシミリ、バーコードリーダ等の所望の電子機器に応じた信号、あるいは所望の信号処理方式に応じた信号に変換し、出力する。
【0092】
固体撮像部251に、通常出力動作をさせるか、低解像度出力動作をさせるかは、例えば信号RSWにより決定される。本第4実施形態では、信号RSWを、例えばTG252に入力する。TG252は、信号RSWが通常解像度(通常出力動作)を示したとき、例えば読み出しパルスSH1、SH2が、図9Aに示したようなタイミングで発生されるように制御する。また、TG252は、信号RSWが低解像度(低解像度出力動作)を示したとき、例えば読み出しパルスSH1、SH2が、図9Bに示したようなタイミングで発生されるように制御する。
【0093】
このように上述した第6実施形態に係る固体撮像装置は、本第7実施形態により説明したような固体撮像システムに搭載されることで、例えばスキャナ、PPC、ファクシミリ、バーコードリーダ等の様々な、画像読み取り機能付電子機器に用いることができる。
【0094】
さらに、本第7実施形態に係る固体撮像システムは、電子シャッタ機能が付加されている。電子シャッタ機能を使用するか否かは、例えば信号ESにより決定される。本例では、信号ESはTG252に入力される。
【0095】
ところで、電子シャッタ動作を行なう場合、不要電荷を掃き捨てるためのドレインが必要である。上記第6実施形態により説明した固体撮像装置では、第1の電荷転送レジスタ部203に加えて、第2の電荷転送レジスタ部206を持つ。そこで、この第2電荷転送レジスタ部206を、不要な光信号電荷を掃き捨てるドレインとして使用する。
【0096】
以下、電子シャッタ動作の一動作例について説明する。
【0097】
<電子シャッタ動作>
図11は、この発明の第7実施形態に係る固体撮像システムの電子シャッタ動作時における読み出しパルスを示す信号波形図である。
【0098】
図11に示すように、電子シャッタ動作時、読み出しパルスSH1が二回“HIGH”レベルになる間に、読み出しパルスSH2を一回“HIGH”レベルとする。これにより、読み出しパルスSH1が“HIGH”レベルから“LOW”レベルに遷移した後に蓄積された光信号電荷は、読み出しパルスSH2が“LOW”レベルから“HIGH”レベルに遷移することで、第2の電荷転送レジスタ部206に移送される。移送された光信号電荷は、不要電荷として掃き捨てられる。
【0099】
読み出しパルスSH2が“HIGH”レベルから“LOW”レベルに遷移すると、第2の読み出し電極205をゲート電極とするシフトゲートが閉じる。この時、読み出しパルスSH1は“LOW”レベルであるため、第1の読み出し電極202をゲート電極とするシフトゲートも閉じている。この結果、画素208それぞれには、入射光に応じて発生した電荷が再度蓄積されていく。光信号電荷の蓄積は、読み出しパルスSH1が再び“HIGH”レベルに遷移し、光信号電荷が第1の電荷転送レジスタ部203に移送されるまで続く。先に第1の電荷転送レジスタ部203に移送されていた光信号電荷は全て、読み出しパルスSH1が再度“HIGH”レベルになるまでに、出力部204に転送され、その電荷量に応じた出力信号に変換されて出力される。
【0100】
第2の電荷転送レジスタ部206に移送された不要電荷を掃き捨てるためには、例えば図10に示すように、第2の電荷転送レジスタ部206の出力部207を、切り換えスイッチ254を用いて、回路基板250上に配置された出力信号線255から接地電位線256に切り換え接続すれば良い。これにより、不要電荷は、第2の電荷転送レジスタ部206を転送されて、やがて接地電位GNDに掃き捨てられる。切り換えスイッチ254は、半導体基板200内に設けられる。切り換えスイッチ254は、TG252から出力された信号SWに基づき、電子シャッタ動作時に出力部207を接地電位線256に接続し、また、例えば低解像度動作時には、出力部207を出力信号線255に接続する。
【0101】
この例は、一例であって、不要電荷の掃き捨て先は、例えば接地電位GNDに接続される配線であれば良く、回路基板250上の接地電位線に限られるものではない。また、第2の電荷転送レジスタ部206に移送された不要電荷を、例えば出力部207まで転送したが、不要電荷は、出力部207に達する前に掃き捨てられても良い。さらには不要電荷を転送せず、第2の電荷転送レジスタ部206から、例えば半導体基板200中に掃き出すようにしても良い。
【0102】
このように、第2の電荷転送レジスタ部206は、低解像度動作時に使用されるばかりでなく、電子シャッタ動作時の不要な光信号電荷を掃き捨てるドレインとして使用することができる。これにより、電子シャッタ動作を、簡単に実現することができる。
【0103】
また、画素208への信号蓄積時間は、読み出しパルスSH2の発生タイミングを変えることで、調節することができる。
【0104】
なお、本第7実施形態により説明した固体撮像システムは一例であって、この発明に例えば第6実施形態に係る固体撮像装置は、図10に示した以外の固体撮像システムに搭載することも勿論可能である。
【0105】
(第8実施形態)
図12は、この発明の第8実施形態に係る固体撮像装置を示す平面図である。
【0106】
図12に示すように、本第8実施形態は、例えば上記第6実施形態で説明した固体撮像装置を、×3ラインのカラーCCDリニアセンサとしたものである。
【0107】
画素部201Rは緑色(G)に、画素部201Bは青色(B)に、画素部201Rは赤色(R)にそれぞれ対応する。
【0108】
本第8実施形態に示すように、第6実施形態に係る固体撮像装置は、カラー撮像に対応させることも可能であり、カラーPPC、カラースキャナ等にも使用することができる。
【0109】
以上、この発明を第1〜第8実施形態により説明したが、この発明は、これら実施形態それぞれに限定されるものではなく、その実施に際しては、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。
【0110】
また、上記第1〜第8実施形態はそれぞれ、単独で実施することが可能であるが、適宜組み合わせて実施することも、もちろん可能である。
【0111】
さらに、上記第1〜第8実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、各実施形態において開示した複数の構成要件の適宜な組み合わせにより、種々の段階の発明を抽出することも可能である。
【0112】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、モータを精密に制御する制御系や、位置信号を得る処理系、あるいは位置情報を検出するための機構を別途設けることなく、走査位置情報の取得が可能な固体撮像装置及び固体撮像システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の第1実施形態に係る固体撮像装置を示す平面図。
【図2】図2はモニタ画素の出力とこのモニタ画素に対応した画素からの出力との関係を示す図。
【図3】図3はソフトウェアにより行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】図4はこの発明の第2実施形態に係る固体撮像装置を示す平面図。
【図5】図5はこの発明の第3実施形態に係る固体撮像装置を示す平面図。
【図6】図6はこの発明の第4実施形態に係る固体撮像装置を示す斜視図。
【図7】図7はこの発明の第5実施形態に係る固体撮像システムを示すブロック図。
【図8】図8A、図8Bはそれぞれこの発明の第6実施形態に係る固体撮像装置を示す平面図。
【図9】図9Aはこの発明の第6実施形態に係る固体撮像装置の通常出力動作時における読み出しパルスを示す信号波形図、図9Bはこの発明の第6実施形態に係る固体撮像装置の低解像度出力動作時における読み出しパルスを示す信号波形図。
【図10】図10はこの発明の第7実施形態に係る固体撮像システムを示すブロック図。
【図11】図11はこの発明の第7実施形態に係る固体撮像システムの電子シャッタ動作時における読み出しパルスを示す信号波形図。
【図12】図12はこの発明の第8実施形態に係る固体撮像装置を示す平面図。
【符号の説明】
100…半導体基板、
101…画素部、
102…読み出し電極(シフトゲート)、
103…電荷転送レジスタ部、
104…出力部、
105…モニタ画素用出力部、
106…モニタ画素、
107…画素、
108…モニタ画素用出力部、
109…モニタ画素、
120…主光学系、
121…モニタ用光学系、
122…被撮像体、
123…主撮像ライン,
124…モニタ用撮像ライン、
125…主撮像ライン中、モニタ用撮像ラインに対応したライン、
150…回路基板、
151…固体撮像部、
152…タイミングジェネレータ、
153…デジタルシグナルプロセッサ、
154…メモリ、
155…インターフェース、
200…半導体基板、
201…画素部、
202…第1の読み出し電極、
203…第1の電荷転送レジスタ部、
204…出力部、
205…第2の読み出し電極、
206…第2の電荷転送レジスタ部、
207…出力部、
208…画素、
250…回路基板、
251…固体撮像部、
252…タイミングジェネレータ、
253…デジタルシグナルプロセッサ、
254…切り換えスイッチ、
255…出力配線、
256…接地電位線。
Claims (2)
- 半導体基板上に列状に配置された複数の画素を含む画素部、及び前記半導体基板上に前記画素部から副走査方向に離れて配置された少なくとも1つ以上で、かつ、前記複数の画素より画素数が少ないモニタ画素部を含む固体撮像部と、
前記モニタ画素部からの副走査方向の出力パターンと、前記画素部のうち前記モニタ画素部に対応した画素からの副走査方向の出力パターンとを比較し、この比較結果に基づき、前記固体撮像部と、この固体撮像部により撮像される被撮像体との間の相対速度を検出し、走査位置情報を得る信号処理部と
を具備することを特徴とする固体撮像システム。 - 半導体基板上に列状に配置された複数の画素を含む画素部、第1の撮像ラインを前記画素部の一部分の画素に結像させる第1の光学系、前記第1の撮像ラインから副走査方向に離れた箇所にある第2の撮像ラインを前記一部分の画素とは異なり、前記第1の撮像ラインが結像される部分の画素より画素数が少ない画素に結像させる第2の光学系を含む固体撮像部と、
前記一部分の画素からの副走査方向の出力パターンと、前記他の部分の画素からの副走査方向の出力パターンとを比較し、この比較結果に基づき、前記固体撮像部と、この固体撮像部により撮像される被撮像体との間の相対速度を検出し、走査位置情報を得る信号処理部と
を具備することを特徴とする固体撮像システム。
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