JP3939817B2 - 金属板の塗装方法及びこの塗装方法による塗装金属板 - Google Patents

金属板の塗装方法及びこの塗装方法による塗装金属板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタリック観を有し、美粧性に優れた塗膜を形成できる、連続的に移動する長尺の金属板の塗装方法、及び塗装金属板に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、建材用や器物加工用などのプレコート塗装金属板の分野においても、美粧性に優れた塗装金属板が求められており、粒子径の大きな有機樹脂微粒子を配合した上塗塗料、無機質微粒子を大量に配合した上塗塗料、またアミン化合物を配合し塗膜表面と塗膜内部における硬化速度の差を利用して縮みを形成させる上塗塗料などを塗装した艶消塗装金属板などが市場に出ている。また、上塗塗料中にアルミニウム粉末や光輝性マイカ粉末を配合した上塗塗料を塗装したメタリック塗装金属板も上市されている。
【0003】
これらの艶消塗装金属板やメタリック塗装金属板は、市場で好評であるが、一方で、さらに美粧性の優れた塗装金属板が求められている。
【0004】
上記艶消塗装金属板やメタリック塗装金属板は、亜鉛メッキ鋼板などの金属板上にプライマーと前記上塗塗料とを2コート2ベークして形成したものであり、一層の上塗塗膜層によって美粧性の向上を図ることは、自ずから限界がある。
【0005】
これまでプレコート塗装金属板の分野では、金属板上又は硬化した塗膜層上に、塗料が塗装されることが行われており、2層の塗料層がウエットオンウエットで接するように塗装することは実用化されていなかった。
【0006】
本発明者らは、プレコート塗装金属板の分野において、塗膜性能を低下させることなく、上塗塗膜を2層にし、かつ2層の上塗塗膜の間をウエットオンウエットで接するように塗装して美粧性の優れた塗膜を形成することについて鋭意研究を行った。その結果、上塗着色ベース塗料中に有機樹脂微粒子を含有せしめ、上塗クリヤ塗料中に光輝性粉末を含有せしめることによって、美粧性の優れた上塗2層塗膜を形成することができることを見出し本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、連続的に移動する長尺の金属板上に、プライマー硬化塗膜を介して、又は介さずに、上塗着色ベース塗料及び上塗クリヤ塗料を塗装し、焼付けて上塗着色ベース塗膜上に上塗クリヤ塗膜を形成する方法であって、上塗クリヤ塗料塗膜は、上塗着色ベース塗料塗膜上にウエットオンウエットで形成され、かつ、該上塗着色ベース塗料が、(A)数平均分子量1,500〜35,000、ガラス転移温度−30〜60℃、水酸基価3〜100mgKOH/gの水酸基含有ポリエステル樹脂60〜95重量部と(B)メラミン樹脂及びブロック化ポリイソシアネート化合物から選ばれる少なくとも1種の架橋剤5〜40重量部との合計固形分100重量部に対して、(C)塗膜形成時の焼付けによって完全には溶融しない平均粒子径5〜80μmの有機樹脂微粒子1〜40重量部を含有し、さらに(D)着色顔料を含有するものであり、該上塗クリヤ塗料が、(E)数平均分子量1,500〜25,000、ガラス転移温度0〜70℃、水酸基価8〜100mgKOH/gの水酸基含有ポリエステル樹脂50〜90重量部と(F)メラミン樹脂架橋剤10〜50重量部とを含有する塗膜形成性樹脂成分100重量部に対して、(D)光輝性粉末0.4〜10重量部を含有するものであることを特徴とする金属板の塗装方法を提供するものである。
【0008】
また、本発明は、上記塗装方法によって塗装された塗装金属板を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明方法について、さらに詳細に説明する。
【0010】
本発明方法における被塗物は、プレコート塗装鋼板分野で使用される長尺の金属板であり、材質としては、冷延鋼板、亜鉛系メッキ鋼板、アルミニウム板、ステンレス鋼板などを挙げることができる。上記亜鉛系メッキ鋼板としては、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、鉄−亜鉛合金メッキ鋼板、ニッケル−亜鉛合金メッキ鋼板、アルミニウム−亜鉛合金メッキ鋼板(例えば「ガルバリウム」、「ガルファン」という商品名のメッキ鋼板)などを挙げることができる。これらの金属板は、表面にリン酸塩処理、複合酸化膜処理、クロメート処理などの化成処理を施してたものであってもよい。
【0011】
本発明方法においては、上記長尺の金属板上に、直接に、又はプライマー硬化塗膜を介して、上塗着色ベース塗料及び上塗クリヤ塗料を塗装してもよい。
【0012】
プライマー硬化塗膜の形成は、例えば、金属板上にプライマーをロールコータなどにより乾燥膜厚が1〜15μm程度となるように塗装し、焼付け乾燥することにより行うことができる。プライマー塗膜は、得られる塗装金属板の耐食性の向上や塗膜の密着性向上などを目的に形成される。プライマーとしては、ポリエステル系プライマー、エポキシ系プライマーなどを挙げることができ、これらのプライマーは、クロム酸ストロンチウム、クロム酸カルシウム、クロム酸亜鉛、クロム酸バリウム、燐酸亜鉛などの防錆顔料を含有していてもよい。
【0013】
上塗着色ベース塗料
本発明方法において使用される上塗着色ベース塗料の塗膜形成樹脂の基体樹脂は、水酸基を含有するポリエステル樹脂であり、オイルフリーポリエステル樹脂、油変性アルキド樹脂、また、これらの樹脂の変性物、例えばウレタン変性ポリエステル樹脂、ウレタン変性アルキド樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂などが挙げられる。
【0015】
上記オイルフリーポリエステル樹脂は、多塩基酸成分と多価アルコール成分とのエステル化物からなるものである。多塩基酸成分としては、例えば無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸などから選ばれる1種以上の二塩基酸及びこれらの酸の低級アルキルエステル化物が主として用いられ、必要に応じて安息香酸、クロトン酸、p−t−ブチル安息香酸などの一塩基酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸などが併用される。多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの二価アルコールが主に用いられ、さらに必要に応じてグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールを併用することができる。これらの多価アルコールは単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。両成分のエステル化又はエステル交換反応は、それ自体既知の方法によって行うことができる。酸成分としては、イソフタル酸、テレフタル酸、及びこれらの酸の低級アルキルエステル化物が特に好ましい。
【0016】
アルキド樹脂は、上記オイルフリーポリエステル樹脂の酸成分及びアルコール成分に加えて、油脂肪酸をそれ自体既知の方法で反応せしめたものであって、油脂肪酸としては、例えばヤシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、キリ油脂肪酸などを挙げることができる。アルキド樹脂の油長は30%以下、特に5〜20%程度のものが好ましい。
【0017】
ウレタン変性ポリエステル樹脂としては、上記オイルフリーポリエステル樹脂、又は上記オイルフリーポリエステル樹脂の製造の際に用いられる酸成分及びアルコール成分を反応させて得られる低分子量のオイルフリーポリエステル樹脂を、ポリイソシアネート化合物とそれ自体既知の方法で反応せしめたものが挙げられる。また、ウレタン変性アルキド樹脂は、上記アルキド樹脂、又は上記アルキド樹脂製造の際に用いられる各成分を反応させて得られる低分子量のアルキド樹脂を、ポリイソシアネート化合物とそれ自体既知の方法で反応せしめたものが包含される。ウレタン変性ポリエステル樹脂及びウレタン変性アルキド樹脂を製造する際に使用しうるポリイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、2,4,6−トリイソシアナトトルエンなどが挙げられる。上記のウレタン変性樹脂は、一般に、ウレタン変性樹脂を形成するポリイソシアネート化合物の量がウレタン変性樹脂に対して30重量%以下の量となる変性度合のものを好適に使用することができる。
【0018】
エポキシ変性ポリエステル樹脂としては、上記ポリエステル樹脂の製造に使用する各成分から製造したポリエステル樹脂を用い、この樹脂のカルボキシル基とエポキシ基含有樹脂との反応生成物や、ポリエステル樹脂中の水酸基とエポキシ樹脂中の水酸基とをポリイソシアネート化合物を介して結合した生成物などの、ポリエステル樹脂とエポキシ樹脂との付加、縮合、グラフトなどの反応による反応生成物を挙げることができる。かかるエポキシ変性ポリエステル樹脂における変性の度合は、一般に、エポキシ樹脂の量がエポキシ変性ポリエステル樹脂に対して、0.1〜30重量%となる量であることが好適である。
【0019】
アクリル変性ポリエステル樹脂としては、上記ポリエステル樹脂の製造に使用する各成分から製造したポリエステル樹脂を用い、この樹脂のカルボキシル基又は水酸基にこれらの基と反応性を有する基、例えばカルボキシル基、水酸基又はエポキシ基を含有するアクリル樹脂との反応生成物や、ポリエステル樹脂に(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸エステルなどをパーオキサイド系重合開始剤を使用してグラフト重合してなる反応生成物を挙げることができる。かかるアクリル変性ポリエステル樹脂における変性の度合は、一般に、アクリル樹脂の量がアクリル変性ポリエステル樹脂に対して、0.1〜50重量%となる量であることが好適である。
【0020】
以上に述べたポリエステル樹脂のうち、好適なものとしては、オイルフリーポリエステル樹脂が挙げられる。本発明において、ポリエステル樹脂としては、加工性、硬化性などの点から下記のポリエステル樹脂(A)が用いられる
【0021】
ポリエステル樹脂(A)は、数平均分子量1,500〜35,000、好ましくは3,000〜25,000、ガラス転移温度(Tg点)−30〜60℃、好ましくは−20℃〜35℃、水酸基価3〜100mgKOH/g、好ましくは8〜70mgKOH/gを有するポリエステル樹脂である。
【0022】
本発明において、ガラス転移温度(Tg)は、示差熱分析(DTA)によるものであり、また数平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によって、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定したものである。
【0023】
上記上塗着色ベース塗料は、基体樹脂と反応して架橋させる架橋剤を含有していてもよく、この架橋剤の代表例として、メラミン樹脂、ブロック化ポリイソシアネート化合物を挙げることができる。
【0024】
上記メラミン樹脂としては、メラミンとアルデヒドとの反応によって得られるメチロール化アミノ樹脂が挙げられる。上記反応に用いられるアルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデヒド等が挙げられる。また、上記メチロール化アミノ樹脂を適当なアルコールによってエーテル化したものもメラミン樹脂として使用できる。エーテル化に用いられるアルコールの例としてはメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノールなどが挙げられる。
【0025】
上記ブロック化ポリイソシアネート化合物は、ポリイソシアネート化合物のフリーのイソシアネート基をブロック化剤によってブロック化してなる化合物である。
【0026】
上記ブロック化する前のポリイソシアネート化合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネートもしくはトリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの如き脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレンジイソシアネートもしくはイソホロンジイソシアネートの如き環状脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネートもしくは4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートの如き芳香族ジイソシアネート類の如き有機ジイソシアネートそれ自体、またはこれらの各有機ジイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記した如き各有機ジイソシアネート同志の環化重合体、更にはイソシアネート・ビウレット体等が挙げられる。
【0027】
イソシアネート基をブロックするブロック化剤としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノールなどのフェノール系;ε−カプロラクタム;δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラクタムなどラクタム系;メタノール、エタノール、n−又はi−プロピルアルコール、n−,i−又はt−ブチルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコールなどのアルコール系;ホルムアミドキシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサンオキシムなどオキシム系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系などのブロック化剤を好適に使用することができる。
【0028】
上記ポリイソシアネート化合物と上記ブロック化剤とを混合することによって容易に上記ポリイソシアネート化合物のフリーのイソシアネート基をブロックすることができる。
【0029】
架橋剤は、1種の架橋剤からなっていてもよいし、2種以上の架橋剤の混合物であってもよい。架橋剤の配合量は、特に限定されるものではないが、通常、基体樹脂と架橋剤との固形分合計量100重量部において、通常、5〜40重量部の範囲内にあることが好適である。
【0030】
上塗着色ベース塗料は、基体樹脂、及び必要に応じて使用される架橋剤に加えて、必須成分として着色顔料及び有機樹脂微粒子を含有し、さらに通常、溶媒を含有する。
【0031】
上記着色顔料としては、塗料分野で通常使用されている着色顔料、例えば、チタン白、亜鉛華などの白色顔料;シアニンブルー、インダスレンブルーなどの青色顔料;シアニングリーン、緑青などの緑色顔料;アゾ系やキナクリドン系などの有機赤色顔料、ベンガラなどの赤色顔料;ベンツイミダゾロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系及びキノフタロン系などの有機黄色顔料、チタンイエロー、黄鉛などの黄色顔料;カーボンブラック、黒鉛、松煙などの黒色顔料;アルミニウ粉、銅粉、ニッケル粉、酸化チタン被覆マイカ粉、酸化鉄被覆マイカ粉及び光輝性グラファイトなどの光輝性顔料などが挙げられる。着色顔料の配合量は、特に限定されるものでなく良好な美粧性を発揮できる範囲であればよく、基体樹脂と架橋剤との合計の皮膜形成性樹脂成分100重量部に対して、通常、1〜120重量部の範囲で使用される。
【0032】
上塗着色ベース塗料に配合する有機樹脂微粒子は、塗膜形成時の焼付けによって完全には溶融しない平均粒子径5〜80μm、好ましくは15〜60μmの有機樹脂微粒子であり、該樹脂微粒子中に着色顔料を含有しないものである。樹脂種としては、例えば、ポリフッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、シリコン樹脂、ポリプロピレン、及びナイロン11やナイロン12などのポリアミドなどを挙げることができる。有機樹脂微粒子は、平均粒子径が5μm未満では上塗着色ベース塗膜表面に意匠性のある凹凸を形成することが困難となり、一方、80μmを超えると意匠性が低下し、また塗装作業性も低下する。
【0033】
上塗着色ベース塗料における有機樹脂微粒子の配合量は、基体樹脂と架橋剤との合計の皮膜形成性樹脂成分100重量部に対して、通常、1〜40重量部、好ましくは2〜15重量部であることが、意匠性、塗膜の加工性、密着性などの点から適当である。
【0034】
上塗着色ベース塗料に配合される溶媒は、塗装性の改善などのため必要に応じて配合されるものであり、上記皮膜形成性樹脂成分を溶解ないし分散できるものが使用でき、具体的には、例えば、トルエン、キシレン、高沸点石油系炭化水素などの炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤、メタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコール系溶剤、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテルアルコール系溶剤、水などを挙げることができ、これらは単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。
【0035】
上塗着色ベース塗料は、基体樹脂、必要に応じて配合される架橋剤、着色顔料、有機樹脂微粒子及び必要に応じて配合される溶媒から実質的になることができるが、さらに必要に応じて、硬化触媒;タルク、クレー、シリカ、マイカ、アルミナなどの体質顔料;クロム酸ストロンチウム、クロム酸カルシウム、クロム酸亜鉛、クロム酸バリウム、燐酸亜鉛などの防錆顔料;塗料用としてそれ自体既知の消泡剤、塗面調整剤などの添加剤を含有していてもよい。
【0036】
上記硬化触媒は、基体樹脂と架橋剤との硬化反応を促進するため必要に応じて配合されるものであり、架橋剤の種類に応じて適宜選択して使用することができる。
【0037】
架橋剤が、メラミン樹脂、特に低分子量の、メチルエーテル化またはメチルエーテルとブチルエーテルとの混合エーテル化メラミン樹脂である場合には、硬化触媒として、酸触媒、例えばスルホン酸化合物又はスルホン酸化合物のアミン中和物が好適に用いられる。スルホン酸化合物の代表例としては、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸などを挙げることができる。スルホン酸化合物のアミン中和物におけるアミンとしては、1級アミン、2級アミン、3級アミンのいずれであってもよい。これらのうち、塗料の安定性、反応促進効果、得られる塗膜の物性などの点から、p−トルエンスルホン酸のアミン中和物及び/又はドデシルベンゼンスルホン酸のアミン中和物が好ましい。
【0038】
架橋剤が、ブロック化ポリイソシアネート化合物である場合には、架橋剤であるブロック化ポリイソシアネート化合物のブロック剤の解離を促進する硬化触媒が好適であり、好適な硬化触媒として、例えば、オクチル酸錫、、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、2−エチルヘキサン酸鉛などの有機金属触媒などを挙げることができる。
【0039】
本発明方法において、特に好ましい上塗着色ベース塗料は、前記ポリエステル樹脂(A)60〜95重量部と(B)前記メラミン樹脂及びブロック化ポリイソシアネート化合物から選ばれる少なくとも1種の架橋剤5〜40重量部との合計固形分100重量部に対して、(C)前記有機樹脂微粒子1〜30重量部を含有し、さらに(D)前記着色顔料を含有するものである。
【0040】
上塗クリヤ塗料
本発明方法において使用される上塗クリヤ塗料は、その塗料膜が上記上塗着色ベース塗料塗膜上にウエットオンウエットで形成される塗料であり、最上層クリヤ塗膜層を形成するものである。
【0041】
上塗クリヤ塗料は、基体樹脂、架橋剤及び光輝性粉末を必須成分として含有するものである。基体樹脂として、ポリエステル樹脂が挙げられ、好適なものとしては、オイルフリーポリエステル樹脂が挙げられる。本発明において、加工性、硬化性などの点から下記のポリエステル樹脂(E)が用いられる
【0042】
ポリエステル樹脂(E)は、数平均分子量1,500〜25,000、好ましくは5,000〜20,000、ガラス転移温度(Tg点)0〜70℃、好ましくは10℃〜60℃、水酸基価8〜100mgKOH/g、好ましくは15〜60mgKOH/gを有するポリエステル樹脂である。
【0043】
上記上塗クリヤ塗料における架橋剤としては、例えば、前記上塗着色ベース塗料における架橋剤の代表例として記載したメラミン樹脂を挙げることができる。なかでもブチルエーテル化メラミン樹脂は、平滑性に優れた塗膜を形成できることから有利である。架橋剤の配合量は、特に限定されるものではないが、通常、上塗クリヤ塗料における基体樹脂と架橋剤との合計固形分である塗膜形成性樹脂成分100重量部において、通常、10〜50重量部の範囲内にあることが好適である。
【0044】
上塗クリヤ塗料に配合する光輝性粉末としては、アルミニウ粉、銅粉、ニッケル粉、酸化チタン被覆マイカ粉、酸化鉄被覆マイカ粉及び光輝性グラファイトなどを挙げることができる。光輝性粉末の配合量は、塗面外観に光輝感を与え、かつ上塗クリヤ塗膜を通して上塗着色ベース塗膜がみえる範囲内の量であればよく、上塗クリヤ塗料における塗膜形成性樹脂成分100重量部に対して、0.4〜10重量部の範囲内で用いられる
【0045】
上塗クリヤ塗料は、基体樹脂、架橋剤及び光輝性粉末を必須成分として含有するものであるが、必要に応じて、溶媒、硬化触媒、潤滑性付与剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、消泡剤、塗面調整剤、シリカ微粉末などの無機微粉末などを含有することができる。
【0046】
上記溶媒としては、基体樹脂、架橋剤などの塗料成分を溶解ないしは分散できるものを使用することができ、例えば、前記上塗着色ベース塗料において説明した溶媒を同様に使用することができる。
【0047】
架橋剤としてメラミン樹脂、特に低分子量の、メチルエーテル化またはメチルエーテルとブチルエーテルとの混合エーテル化メラミン樹脂を使用する場合には、硬化触媒としては、前記スルホン酸化合物又はスルホン酸化合物のアミン中和物などの酸触媒が好適に用いられる。
【0048】
前記潤滑性付与剤としては、塗面外観を劣化させず上塗クリヤ塗膜表面に潤滑性を付与できるものが使用でき、例えば、ポリエチレンワックス、シリコンオイル、変性シリコーンオイル、パラフィンワックス、石油系ワックス、及びモンタンワックス、ラノリンワックス、脂肪酸蔗糖エステルワックス、ポリグリセリンと脂肪酸とのエステルなどの脂肪酸エステルワックスなどを挙げることができる。潤滑性付与剤の配合量は、上塗クリヤ塗料における塗膜形成性樹脂成分100重量部に対して、通常、0.1〜10重量部の範囲内とすることが好ましい。
【0049】
前記紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系;2−(2´−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系などの紫外線吸収剤を挙げることができる。前記紫外線安定剤としては、ヒンダードアミン系の紫外線安定剤を挙げることができる。紫外線吸収剤、紫外線安定剤の配合量は、いずれも上塗クリヤ塗料における塗膜形成性樹脂成分100重量部に対して、通常、5重量部以下とすることが好ましい。
【0050】
本発明塗装方法
本発明塗装方法においては、前記連続的に移動する長尺の金属板に、プライマー硬化塗膜を介して、又は介さずに、前記上塗着色ベース塗料及び上塗クリヤ塗料を塗装し焼付けて、上塗着色ベース塗膜及び上塗クリヤ塗膜を形成する。
【0051】
本発明方法においては、上塗着色ベース塗料膜と上塗クリヤ塗料膜とが、ウエットオンウエットで接するように塗装した後に焼付けを行う。上塗着色ベース塗料膜と上塗クリヤ塗料膜とが、ウエットオンウエットで接するように塗装できる方法としては、被塗物上にロールコータやローラーカーテンなどの塗装機によって形成された上塗着色ベース塗料膜の上に、ローラーカーテン塗装やスリット式カーテン塗装により上塗クリヤ塗料をカーテン状にして形成する塗装方法、上塗着色ベース塗料層と上塗クリヤ塗料層とを2層に重ね合せてダイから吐出して、被塗物上に上塗着色ベース塗料層と上塗クリヤ塗料層との2層を同時に形成するダイコート法による塗装方法を挙げることができる。
【0052】
ここでローラーカーテン塗装による塗装方法は、回転するロール上に形成された塗料膜をドクターにて掻き取って、移動する被塗物上に塗料膜をカーテン状に落下させて塗装する方法である。ローラーカーテン塗装機としては、例えば特開平6−7724号公報、特開平6−134385号公報に記載された塗装機をしようすることができる。
【0053】
また、スリット式カーテン塗装による塗装方法は、細長いスリットから塗料を移動する被塗物上にカーテン状に落下させて塗装する方法である。
【0054】
また、上記ダイコート法に使用しうるダイ塗装機としては、例えば特開昭4−100570号公報に記載されたダイ塗装機を挙げることができる。ダイ塗装機におけるダイの代表例の概念断面図を図1に示す。図1において、ダイ1は、上刃2、中刃3及び下刃4が重ね合わされた3枚の刃と、両側の側板(図示せず)とから構成されている。上刃2及び下刃4にはそれぞれ塗料保持部5及び6並びに該塗料保持部に塗料を供給するための塗料供給口7及び8が設けられている。上刃2と中刃3との間隙、及び下刃4と中刃3との間隙は、それぞれスロット9及び10を形成する。各スロットの上下の間隔は、該スロットを通過する塗料の膜厚を規定し、通常、5〜500μm、好ましくは10〜120μmの範囲内において、スロットでの塗料の圧損が大きくなりすぎず、かつスロットの全幅に亘って均一な流速で塗料が流れるように設定される。
【0055】
スロット9と10との交差角aは、スロット9を流れる上層塗料とスロット10を流れる下層塗料とが滑らかに合流して重なった塗料層を形成するように鋭角、通常30度以下、特に5〜25度の範囲内とすることが好ましい。なお中刃3の先端はナイフエッジである必要はない。
【0056】
スロット9と10とは、図1のようにダイの内部で合流して単一のスロット11を形成することが好ましいが、それぞれが独立して外部に開口するようにしてもよい。なお、ダイには、ダイ1を支持し且つダイのリップ12、13の位置を調節する機構やダイに塗料を定量供給する機構などが付設されているが、それらは図1には図示していない。
【0057】
ダイコート法において、ダイから吐出された塗料は直接に被塗物上に塗布してもよく、またいったん回転ロールに受け、ついで回転ロールから被塗物に塗布してもよい。後記図2にダイから吐出された塗料を直接に被塗物上に塗布する場合の装置の一例を示すものであり、該装置においては、回転する支持ロール14に被塗物15が支持され、ダイのスリットが被塗物15に垂直に、すなわち支持ロール14の中心に向けて配置されている。
【0058】
図2に示す装置を用いて塗装を行う場合、被塗物15を矢印の方向に走行させながら、下層塗料を塗料供給口8から、上層塗料を塗料供給口7から、それぞれ塗布量に応じて定量ポンプでダイに供給する。塗料は塗料保持部5、6に流入し、スロット9、10を流れ、スロット11で層状に合流して吐出される。2層となって吐出された塗料は、その成層状態を維持したまま被塗物15上に均一に付着し、所定の厚さの塗布膜を形成する。
【0059】
本発明方法において、形成される上塗着色ベース塗料膜の厚さは、特に限定されるものではないが、通常、乾燥塗膜厚で5〜25μmとなる範囲であることが好ましい。また形成される上塗クリヤ塗料膜の厚さは、特に限定されるものではないが、通常、乾燥塗膜厚で5〜25μmとなる範囲であることが好ましい。
【0060】
上記上塗着色ベース塗料膜の上に、上塗クリヤ塗料をカーテン状にして塗膜形成する塗装方法においては、粘度40〜150秒(フォードカップ#4、25℃での測定、粘度は以下同様の測定方法による)の上塗着色ベース塗料膜上に、粘度50〜250秒の上塗クリヤ塗料を塗装することが好ましい。
【0061】
上記ダイコータによる塗装方法においては、粘度40〜250秒の上塗着色ベース塗料膜と粘度50〜250の上塗クリヤ塗料膜とを重ねてダイから吐出することが好ましい。
【0062】
上記上塗着色ベース塗料層と上塗クリヤ塗料層との2層の塗料層の硬化条件は、2層の塗料が硬化する焼付条件の中から適宜選択することができるが、通常、素材到達最高温度(PMT)160〜250℃で15〜180秒の範囲内、特にPMT180〜230℃で20〜120秒の範囲内の条件が好適である。
【0063】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも重量基準によるものとする。
【0064】
上塗着色ベース塗料の製造
製造例1〜12
後記表1に示す組成配合にて塗料化を行い、各上塗着色ベース塗料を得た。
【0065】
表1におけるポリエステル樹脂及び架橋剤の量は固形分重量による表示であり、硬化触媒の量は、スルホン酸系硬化触媒についてはスルホン酸化合物の量に換算した量、有機錫系硬化触媒については有機錫化合物の量に換算した量を重量表示した。なお、製造例の上塗着色ベース塗料の塗料化に際しては、タイペークCR−95(石原産業(株)製、チタン白顔料)、カーボンブラック及び赤ベンガラの分散を行った後、有機樹脂微粒子などの残りの成分と混合、均一に撹拌して塗料化を行った。また、シクロヘキサノン/ソルベッソ150(「ソルベッソ150」は、エッソ石油(株)製、芳香族石油系高沸点溶剤)=40/60(重量比)の混合溶剤を塗料粘度調整などのために使用し、上塗着色ベース塗料の粘度を90秒(フォードカップ#4、25℃)に調整した。製造例11及び12で得た上塗着色ベース塗料は、比較用の塗料である。
【0066】
【表1】
Figure 0003939817
【0067】
表1中の(註)は、それぞれ下記のとおりの意味を有する。
【0068】
表1中の(*1)〜(*5)に示すポリエステル樹脂は、いずれも東洋紡績(株)製のポリエステル樹脂であり、下記表2に示す性状値を有する。
【0069】
【表2】
Figure 0003939817
【0070】
(*6)サイメル303:三井サイテック(株)製、低分子量メチルエーテル化メラミン樹脂、ヘキサキス(メトキシメチル)メラミンの含有量が60重量%以上。
(*7)スーパーベッカミンJ−820−60:大日本インキ化学工業(株)製、n−ブチルエーテル化メラミン樹脂溶液。
(*8)デスモデュールBL−3175:住友バイエルウレタン(株)製、ブロック化ポリイソシアネート化合物。
【0071】
(*9)ネイキュア5225:米国 キング インダストリイズ社製、ドデシルベンゼンスルホン酸のアミン中和物溶液、硬化触媒。
(*10)フォーメートTK−1:武田薬品工業(株)製の有機錫溶液である硬化触媒、ブロック化ポリイソシアネート化合物の解離触媒。
【0072】
(*11)オルガソール2002ES−4:仏国、アト・シミー社製、商品名、ナイロン12の樹脂微粒子、平均粒子径約40μm。
(*12)オルガソール2002ES−3:仏国、アト・シミー社製、商品名、ナイロン12の樹脂微粒子、平均粒子径約30μm。
(*13)オルガソール2002EX−D:仏国、アト・シミー社製、商品名、ナイロン12の樹脂微粒子、平均粒子径約10μm。
【0073】
(*14)ベルパールR−800:鐘紡(株)製、商品名、フェノール樹脂微粒子、平均粒子径約20μm。
(*15)TEXTURE−ULTRAFINE:テクスチュア−ウルトラファイン、シャムロック ケミカル社製、商品名、ポリプロピレン樹脂微粒子、平均粒子径約18μm。
(*16)タフチックA−20:東洋紡績(株)製、商品名、ポリアクリロニトリル樹脂微粒子、平均粒子径約26μm。
【0074】
(*17)トスパール2000B:東芝シリコーン(株)製、商品名、シリコン樹脂微粒子、平均粒子径約6μm。
(*18)トスパール120:東芝シリコーン(株)製、商品名、シリコン樹脂微粒子、平均粒子径約2μm。
【0075】
上塗クリヤ塗料の製造
製造例13〜23
後記表3に示す組成配合にて塗料化を行い、各上塗クリヤ塗料を得た。
【0076】
表3における基体樹脂及び架橋剤の量は固形分重量による表示であり、硬化触媒の量は、スルホン酸系硬化触媒についてはスルホン酸化合物の量に換算した量を重量表示した。シクロヘキサノン/ソルベッソ150(「ソルベッソ150」は、エッソ石油(株)製、芳香族石油系高沸点溶剤)=40/60(重量比)の混合溶剤を塗料粘度調整などのために使用し、上塗クリヤ塗料の粘度を110秒(フォードカップ#4、25℃)に調整した。
【0077】
【表3】
Figure 0003939817
【0078】
表3中の(註)において、(*1)、(*3)、(*6)、(*7)及び(*9)は、それぞれ前記と同じ意味を有する。表3におけるその他の(註)は、それぞれ下記の意味を有する。
【0079】
(*19)バイロンKS−1830V:東洋紡績(株)製のポリエステル樹脂、商品名、この樹脂は、数平均分子量14,000、Tg点45℃、水酸基価12mgKOH/gを有する。
(*20)バイロンKS−1720V:東洋紡績(株)製のポリエステル樹脂、商品名、この樹脂は、数平均分子量13,000、Tg点68℃、水酸基価9mgKOH/gを有する。
【0080】
(*21)アルミペーストMR−9000:旭化成メタルズ(株)製、商品名「旭化成アルミペーストMR−9000」、平均粒子径約10μmの光輝性アルミニウム微粉末。
(*22)アルミペーストMC−666:旭化成メタルズ(株)製、商品名「旭化成アルミペーストMC−666」、平均粒子径約20μmの光輝性アルミニウム微粉末。
(*23)イリオジン225R:メルク・ジャパン社製、ルチル型酸化チタン被覆マイカ微粉末、粒子径約10〜40μm、真珠状青色。
(*24)イリオジン103R:メルク・ジャパン社製、ルチル型酸化チタン被覆マイカ微粉末、粒子径約10〜40μm、銀白色。
【0081】
実施例1〜38及び比較例1〜6
試験塗板の作成
試験塗板の作成方法(1):実施例1〜19及び比較例1〜3
クロメート処理を施した厚さ0.5mmの溶融亜鉛メッキ鋼板上に、関西ペイント(株)製、KPカラー8630プライマ(プレコート鋼板用エポキシ変性ポリエステル系プライマ、塗膜のTg点は52℃)を乾燥膜厚が約4μmとなるように塗装し、素材到達最高温度が220℃となるように30秒間焼付け、プライマ塗装鋼板を得た。このプライマ塗装鋼板上に、前記製造例1〜12で得た各上塗着色ベース塗料を乾燥膜厚が約14μmとなるように塗装し、これらの上塗着色ベース塗料の未硬化塗膜の上に、前記製造例13〜23で得た上塗クリヤ塗料を後記表4に示す組合せにてローラーカーテン塗装法により乾燥膜厚が約10μmとなるように塗装した。ついで素材到達最高温度が220℃となるように70秒間焼付けて各上塗塗装鋼板を得た。上塗クリヤ塗料を塗装する直前の上塗着色ベース塗料層の粘度(フォードカップ#4にて、測定温度25℃で測定、粘度の測定は以下同様の方法による)は100秒であり、上塗クリヤ塗料の粘度は110秒であった。
【0082】
実施例18は、プライマ塗装鋼板のかわりにプライマを塗装していない上記溶融亜鉛メッキ鋼板を使用して塗装を行なったものである。実施例19は、ローラーカーテン塗装法のかわりにスリット式カーテン塗装法により上塗クリヤ塗料の塗装を行なったものである。
【0083】
試験塗板の作成方法(2):実施例20〜38及び比較例4〜6
上記試験塗板の作成方法(1)で使用したと同様のプライマ塗装鋼板上に、前記製造例1〜12で得た各上塗着色ベース塗料と前記製造例13〜23で得た上塗クリヤ塗料を下記表5に示す組合せにて、ダイコート塗装法により2層に重ねてダイから押出し、プライマ塗膜に上塗着色ベース塗料膜が面するように塗装した。
【0084】
各塗料の塗装膜厚は、上塗着色ベース塗料層が乾燥膜厚約14μm、上塗クリヤ塗料層が乾燥膜厚約7μmとした。またダイから押出す塗料の粘度は、上塗着色ベース塗料が90秒、上塗クリヤ塗料が110秒とした。塗装後、素材到達最高温度が220℃となるように70秒間焼付けて各上塗塗装鋼板を得た。
【0085】
得られた塗装鋼板について各種試験を行った。これらの試験結果を下記表4及び表5に示す。
【0086】
【表4】
Figure 0003939817
【0087】
【表5】
Figure 0003939817
【0088】
表4及び表5中における試験は下記試験方法に従って行った。
【0089】
試験方法
塗面の立体意匠感:塗面の立体感を目視にて評価した。
【0090】
◎:凹凸感が顕著であり、意匠性に優れる
○:顕著ではないが凹凸感があり、意匠性が良好である
×:凹凸感が認められない。
【0091】
塗面の光輝感:直射太陽光の下で、塗面を正反射の角度で観察し光輝感を下記基準で評価した。
◎:キラキラと全体に均一に輝く
△:キラキラとした輝きが僅かに認められるが光輝感に劣る
×:キラキラとした輝きが認められない。
【0092】
鉛筆硬度:塗装板の塗膜について、JIS K−5400 8.4.2(1990)に規定する鉛筆引っかき試験を行い、塗膜の破れによる評価を行った。
【0093】
折曲げ加工性:20℃の室内において、塗面を外側にして試験板を180°折り曲げて、折曲げ部分にワレが発生しなくなるT数を目視にて評価し表示した。T数とは、折り曲げ部分の内側に何もはさまずに180°折り曲げを行った場合を0T、試験板と同じ厚さの板を1枚はさんで折り曲げた場合を1T、2枚の場合を2T、3枚の場合を3Tとした。
【0094】
耐溶剤性:20℃の室内において、メチルエチルケトンをしみ込ませたガーゼにて塗面に約1kg/cm2 の荷重をかけて、約5cmの長さの間を往復させ、プライマ塗膜が見えるまでの往復回数を記録した。50回の往復でプライマ塗膜が見えないものは50<と表示した。回数の大きいほど塗膜の硬化性が良好である。
【0095】
密着性:JIS K−5400 8.5.2(1990)碁盤目−テ−プ法に準じて、試験板の塗膜表面にカッターナイフで素地に到達するように、直交する縦横11本ずつの平行な直線を1mm間隔で引いて、1mm×1mmのマス目を100個作成した。その表面にセロハン粘着テ−プを密着させ、テ−プを急激に剥離した際のマス目の剥れ程度を観察し下記基準で評価した。
◎:塗膜の剥離が全く認められない
○:塗膜がわずかに剥離したが、マス目は90個以上残存
△:塗膜が剥離し、マス目の残存数は50個以上で90個未満。
【0096】
×:塗膜が剥離し、マス目の残存数は50個未満。
【0097】
【発明の効果】
本発明塗装方法は、連続的に移動する長尺の被塗物上に、上塗着色ベース塗料膜と上塗クリヤ塗料膜とをウエットオンウエットで形成した後、両塗料膜を同時に焼付け硬化させるため、従来に比べ、焼付け回数が増加することなく塗膜層を一層多く形成することができる。本発明塗装方法によってメタリック観を有し美粧性に優れた塗膜を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いるダイ塗装機のダイの一例を示す概念断面図である。
【図2】本発明方法において塗料を2層に重ねて塗装する際のダイ塗装機のダイと被塗物との位置関係の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 ダイ
2 ダイの上刃
3 ダイの中刃
4 ダイの下刃
5、6 ダイの塗料保持部
7、8 ダイへの塗料供給口
9、10、11 ダイのスロット
12、13 ダイのリップ
14 支持ロール
15 被塗物

Claims (4)

  1. 連続的に移動する長尺の金属板上に、プライマー硬化塗膜を介して、又は介さずに、上塗着色ベース塗料及び上塗クリヤ塗料を塗装し、焼付けて上塗着色ベース塗膜上に上塗クリヤ塗膜を形成する方法であって、上塗クリヤ塗料塗膜は、上塗着色ベース塗料塗膜上にウエットオンウエットで形成され、かつ、該上塗着色ベース塗料が、(A)数平均分子量1,500〜35,000、ガラス転移温度−30〜60℃、水酸基価3〜100mgKOH/gの水酸基含有ポリエステル樹脂60〜95重量部と(B)メラミン樹脂及びブロック化ポリイソシアネート化合物から選ばれる少なくとも1種の架橋剤5〜40重量部との合計固形分100重量部に対して、(C)塗膜形成時の焼付けによって完全には溶融しない平均粒子径5〜80μmの有機樹脂微粒子1〜40重量部を含有し、さらに(D)着色顔料を含有するものであり、該上塗クリヤ塗料が、(E)数平均分子量1,500〜25,000、ガラス転移温度0〜70℃、水酸基価8〜100mgKOH/gの水酸基含有ポリエステル樹脂50〜90重量部と(F)メラミン樹脂架橋剤10〜50重量部とを含有する塗膜形成性樹脂成分100重量部に対して、(D)光輝性粉末0.4〜10重量部を含有するものであることを特徴とする金属板の塗装方法。
  2. 上塗着色ベース塗料と上塗クリヤ塗料とをダイコータのダイから2層に重ねて押し出して塗装することを特徴とする請求項1記載の塗装方法。
  3. 連続的に移動する長尺の金属板上に、プライマー硬化塗膜を介して、又は介さずに、塗装された未硬化の上塗着色ベース塗料層の上に、上塗クリヤ塗料をカーテン塗装法によりカーテン状にして塗装することを特徴とする請求項1記載の塗装方法。
  4. 請求項1記載の塗装方法によって塗装された塗装金属板。
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