JP3939753B2 - ガスタービンにおける燃料の燃焼方法と相応するガスタービン - Google Patents
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Description
この種の方法およびこの種のガスタービンは米国特許第2630678号明細書で知られている。
圧縮機部分、リング式燃焼器およびタービン部分を備えたガスタービンはヨーロッパ特許出願公開第0590297A1号明細書で知られている。その際圧縮機部分は圧縮空気流を供給し、この圧縮空気流はリング式燃焼室内で燃料と混ぜられ、続いて燃料が点火され、燃焼され、圧縮空気流は燃焼が行われた後でタービン部分に導入される。この明細書において、ガスタービンは「ガスターボ装置」と呼ばれ、圧縮機部会は「圧縮機」と、タービン部分は「タービン」と呼ばれている。この異なった呼称は専門家において用語「ガスタービン」が統一して使用されていないことに起因している。本来の意味におけるタービン、即ち加速されたガス流から機械エネルギーを引き出す原動機並びに一つあるいは複数の燃焼室を含む本来の意味におけるタービンから成るユニットが「ガスタービン」と呼ばれる。本発明において「ガスタービン」とは、ここでは「タービン部分」と呼ばれる本来の意味におけるタービンと並んで少なくともその付属圧縮機部分も含んでいるユニットを常に意味することにする。
ガスタービンに使用されるバーナの例は、ヨーロッパ特許第0193838B1号明細書、米国再発行特許第33896号明細書、ヨーロッパ特許第0276696B1号明細書および米国特許第5062792号明細書に記載されている。多数のバーナが円環状に配置されているリング式燃焼室の形をした燃焼室はヨーロッパ特許出願公開第0489193A1号明細書に記載されている。
米国特許第2755623号明細書、同第3019606号明細書、同第3701255号明細書および同第5207064号明細書には、ガスタービンの圧縮機部分とタービン部分との間に配置すべき燃焼装置の構成について更に言及されている。これらには、圧縮空気流が旋回をもって導かれ、場合によってはこの旋回する圧縮空気流内で燃焼も行われるように燃焼装置を実現するための構成が説明されている。これらの明細書には燃焼過程を安定化する構成要素、特に火炎安定器についても言及されている。
熱力学約な損失の主な原因は、圧縮機部分とタービン部分との間で生ずる圧力損失、即ち圧縮空気流が燃料の燃焼によって加熱されるガスタービンの個所にわたって生ずる圧力損失にある。この圧力損失は、一つあるいは複数の燃焼室の形で燃焼装置を実現するための従来必要とされた高価な構造的経費に条件づけられている。この経費を減少するための付属装置が知られており、特に上述のヨーロッパ特許出願公開第0590297A1号明細書においていわゆる「リング式燃焼室」が知られている。リング式燃焼室においては圧縮空気流は圧縮機部分内でこれに与えられる旋同流を燃料の燃焼中に維持するので、タービン部分を駆動するために必要な旋回流をはじめて形成するタービン部分の入口における従来からの固定環状羽根が不要とされている。また冒頭に述べた米国特許第2630678号明細書には、燃料の供給が既に圧縮機部分において行われることも記載されている。
比出力の増大、即ち燃料で導入されるエネルギーについてのガスタービンで発生されるユニット当たりの出力の増大は、ガスタービン内で進行する熱力学的過程を改善するための既に上述した処置のほかに、タービン入口温度の増大、即ち燃料の燃焼後およびタービン部分に流入する際の圧縮空気流の温度の増大を必要とする。このタービン入口温度はタービン部分の構成要素の負荷容量によって制限される。その負荷容量は特に使用される材料の負荷容量および場合によって用いられる構成要素の冷却処置によって決められる。そのような冷却処置の限界は一般に、冷却にとって必要な空気を圧縮空気流から抽出しなければならないこと、従ってもはや燃焼に利用できなくなることにある。同様にタービン部分に流入する際の圧縮空気流の温度分布も重要である。タービン部分に流入する際の圧縮空気流の温度分布が一様でないとき(これは従来実施されたすべてのタービンにおいて考慮に入れられている)、圧縮空気流における最大温度値がタービン部分の構成要素の最大負荷を決定し、これはタービン部分の安全運転のために臨界限度以下に保持されなければならない。これに対して圧縮空気流における平均温度値は、熱力学的な工程の質および特に所定の一次エネルギー供給において熱力学的な工程が供給可能な機械的出力を決定する。このような考えから、タービン部分に流入する際の圧縮空気流における温度分布を均一にし、従って平均温度値を最大温度に近づけることに成功するとき、ガスタービンの比出力がその寿命を損なうことなしに増大できるということが結論づけられる。温度分布を均一にした上で一次エネルギー供給を増大することによって、圧縮空気流の平均温度値をタービン部分の所定の負荷容量に達するまで高めることができる。このような処置のポテンシャルは大きく、即ちタービン部分に流入する際の圧縮空気流における平均温度値を約10℃だけ高めることにより、比出力は1%以上増大される。従来のガスタービンは、タービン部分に流入する際の空気流における温度分布の最大値と平均値との差がこのガスタービンの場合に100℃ほどもあるので、そのような処置を講ずる余地が十分にある。
従来のガスタービンにおける圧縮空気流の温度分布が非均一である原因は一般に、圧縮機部分とタービン部分との間における圧縮空気流および燃料に対する手間のかかる非均質な処理にある。特にこれは、圧縮空気流が部分流に分割され、複数の燃焼室あるいは複数の個々のバーナに導かれるときに当てはまるが、また圧縮空気流の分割は殆ど行われないが圧縮空気流を加熱すべきバーナが依然として複数個必然的に互いに間隔をおいて設けられている従来のリング式燃焼室にも当てはまる。
更に従来の各ガスタービンにおいては、圧縮空気流が圧縮機部分とタービン部分との間に即ちそれが燃料の燃焼によって加熱される個所に旋回流なしに導かれることについて考慮しなければならない。その主な原因はそのような処置によって圧縮空気流の速度を最小にできることにある。これによって燃料の安定した燃焼が最も容易に保証され、バーナなどの構成に対する柔軟性が最も大きくなる。しかし従来において、最後の回転圧縮機段の後ろに存在する旋回流を圧縮空気流から奪い取る案内装置を圧縮機部分の終端に設ける必要があり、タービン部分もその入口端に、第1の回転タービン段に供給するために必要とされる旋回流を圧縮空気流に与える案内装置を持っていなければならない。特にタービン部分における案内装置は熱的に最大に負荷される構造部品であり、従って労力を掛けて作らなければならず、更に既にこの案内装置において圧縮空気流における煙道ガスの部分的な膨張が行われ、従って温度が低下する。従って第1のタービン段が圧縮空気流の許容最大温度を決定せずに、タービン部分の入口において圧縮空気流からエネルギーを取り出さない案内装置がこれを決定する。
上述の二つの段落で述べたことは、使用される材料で予め決定される限界を十分にこなすことによって特徴づけられる最近のガスタービンにとって特別の意義がある。これは特に非常に大きな熱効率を達成する。100MW〜250MWの出力を有する定置形ガスタービンは、400℃〜550℃の圧縮機出口温度に相当する16〜30の圧力比こよって特徴づけられる圧縮機部分を有しており、これは燃焼によって1100℃〜1400℃の加熱された煙道ガスを用意する。上述のすべての温度は燃焼装置およびタービン部分の設計にあたって細心の注意を要求し、使用される材料で予め決定される限界を十分にこなすことを要求する。特に上述の圧縮機出口温度も、導入される燃料の実行可能な自動点火に関しては臨界的なものとみなさなければならない。
本発明はこれらの問題に直面して、圧縮空気流における温度をできるだけ一様に分布し且つ損失を回避して、圧縮空気流内において燃料を燃焼できるような冒頭に述べた形式の方法とガスタービンを提供することを課題としている。
方法に関してこの課題を解決するために、ガスタービンを圧縮機部分からタービン部分まで貫流する圧縮空気流内において燃料を燃焼する方法であって、燃料が圧縮機部分において圧縮空気流に導入され、圧縮機部分とタービン部分との間で燃焼される方法において、圧縮空気流が圧縮機部分から流出する際に第1の旋回流が与えられ、この旋回流が燃料の燃焼によって第2の旋回流に変換され、この第2の旋回流が、圧縮空気流がタービン部分に導入される際に有していなければならない定格旋回流に相応するようにすることが提案される。
圧縮空気流が圧縮機部分から流出する際に第1の旋回流が与えられ、この第1の旋回流が、圧縮空気流内における燃料の燃焼によってタービン部分がそれに対して設計されている定格旋回流に相応した第2の旋回流に変換される。この特徴を理解する上でまず注意すべきことは、圧縮空気流内に場合によって存在する旋回流が特に燃料の燃焼の際に行われるような加熱によって変化すること、即ち減少することである。加熱はつまり圧縮空気流が伝播する速度を高めるが、その際圧縮空気流の伝播方向における速度成分しか高めない。伝播方向に対して垂直な旋回流を表す速度成分は圧縮空気流の加熱によって自然には変化できない。この理由から場合によっては、圧縮空気流が圧縮機部分から流出する際に有している第1の旋回流を、圧縮空気流がタービン部分に流入する際に有する第2の旋回流がタービン部分の幾何学的形状によって予め与えられた値(ここでは「定格旋回流」と呼ばれる)であるように調整するために、或る程度の整合処置が必要である。勿論、そのような調整はガスタービンの全負荷運転に対して保証することができるだけでなく、全負荷の際に発生される出力より小さな出力が発生される運転状態に対しても保証することができることが望ましい。従って特に、第1の旋回流即ち圧縮空気流が圧縮機部分から流出する際に有している旋回流を、燃焼によって熱が発生される熱出力に関係して調整することが考えられる。なお、熱出力に関係する調整は結果としてガスタービンで発生される機械的出力に関係した調整でもある。
本発明によれば特に、従来において圧縮機部分とタービン部分との間に配置されていたバーナは回避され、圧縮機部分とタービン部分との間の圧縮空気流の全横断面にわたって延びる唯一のバーナが実現される。ガスタービンは一般に長手軸線に関して回転対称であるので、一般に本発明により実施されるバーナも長手軸線を中心として回転対称である。このバーナは、圧縮機部分自体の出口がバーナとして形成されることにより実現され、従来の燃焼室の採用あるいは複数の従来の燃焼室の配置並びに互いに間隔を隔てられた特別のバーナの使用は省略される。
圧縮機部分自体の出口がバーナとして機能する本発明により実現された装置は、燃焼が圧縮空気流の全横断面積にわたって実現され、バーナの構成要素が圧縮機部分に一体化され、即ち燃料を圧縮機部分に導入することにより燃料が空気と自然に予め混合されるので、「一体形予混合平面バーナ」と呼ばれる。この予混合によって、燃焼中および燃焼後において均一な温度分布が形成されることが保証され、その場合突出した最大温度を無くすことにより、窒素酸化物の発生も予防される。
燃料は点火され燃焼される前に圧縮空気流と強く混合されると有利である。
圧縮空気流内において燃料を点火するために、特にその圧縮空気流に向けられた特別なパイロット火炎が適当数設けられている。このようなパイロット火炎は、圧縮空気流の方向に(これが旋回流と共に動くか旋回流を動かすことに関係なく)向けられている小さなバーナで形成される。パイロット火炎は全圧縮空気流にわたって迅速に広がる燃料・空気混合物の局所的な加熱および点火を生じさせる。
更に、圧縮空気流を燃料との混合後に遅くさせると有利である。特に圧縮機部分とタービン部分との間のディフェーザとして形成された環状通路において行われるこのような減速は、圧縮空気流の速度を安定した燃焼にとって有利な速度に調整する。場合によってはこの減速は特に固定環状羽根で行うこともでき、そのような環状羽根に場合によっては燃焼を安定するための装置も取付けることができる。
本発明方法は好適には可燃性ガス、特に天然ガスあるいは石炭ガスの形をした燃料を利用して行われる。その際石炭ガスとは石炭ガス化プロセスのあらゆる可燃性ガス状生成物を意味している。
ガスタービンに関して上述の本発明の課題を解決するために、圧縮機部分からタービン部分まで流れる圧縮空気流内において燃料を燃焼するためのガスタービンであって、圧縮空気流を案内するための環状通路と燃料を圧縮機部分内における圧縮空気流に導入するためのノズルとを備えているガスタービンにおいて、圧縮機部分が、圧縮空気流が第1の旋回流をもって圧縮機部分から出るように設計され、この第1の旋回流が燃料の燃焼によって第2の旋回流に変換され、タービン部分が、圧縮空気流が第2の旋回流をもってガスタービン部分を流れるように設計されることが提案される。
このガスタービンの特別な利点および作用は本発明方法の説明から明らかであるので、ここではその詳細は省略する。
ノズルは特に圧縮機部分における案内翼車に取付けられ、特に案内翼車の主要な構造部品である固定案内羽根に一体化することができる。好適にはノズルは案内翼車の中空案内羽根に取付けられている。ノズル付きの案内翼車は特に、圧縮空気流で貫流される最後から2番目あるいは最後の案内翼車であり、後で述べる有利な実施態様との関係では最後から2番目の案内翼車である。ノズルのこのような位置付けは、圧縮空気流に燃料が一様に分布された状態において燃料の早すぎる点火を確実に防止するが、これは最近のガスタービンの圧縮機出口を支配する温度に関して望ましい。
更に圧縮機部分が、圧縮空気流が圧縮機部分から流出する場合にそれで貫流され、圧縮空気流が最後の案内翼車の後ろを流れる際に有する第1の旋回流を変化するために調整できるような最後の案内翼車を有していると有利である。圧縮機部分における可調整案内翼車は基本的には公知であるが、もっとも従来の実施においては、専ら圧縮機部分の入口で利用され、空気がそこを通して吸い込まれる入口断面積を調整するために利用されている。この枠内において、可調整案内翼車は特にガスタービンにより発生すべき出力を調整するために利用されている。圧縮機部分の出口端における調整可能な最後の案内翼車によって、圧縮空気流が圧縮機部分から出るときの旋回流が調整され、これは特にガスタービンの運転状態に関して行われる。これによって、考えられるすべての運転状態に対する圧縮空気流の旋回流を、タービン部分が圧縮空気流の旋回流に課している要件に合わすことができる。このための詳細は既に説明した。
燃焼を安定化するために、圧縮機部分とタービン部分との間に特に火炎安定器が配置されている。このような火炎安定器は例えば流れ障害物として形成され、圧縮空気流内に火炎安定器に直ぐに続いて渦流範囲あるいは逆流範囲が形成されるようにさせる。このような渦流範囲はほぼ位置固定の火炎を形成するために適しており、これは安定した完全燃焼を保証するために有意義である。
同様に、圧縮機部分とタービン部分との間の環状通路がディフューザの形に広がっていると有利である。この広がりは必ずしも一様に行われる必要はなく、場合によっては多少突出的に行われる。そのような広がりは圧縮空気流にフロント面を形成し、この面において圧縮空気流はかなり遅くされ、安定した火炎を形成し保持することができ、このようにしてディフーザは火炎安定器として作用する。
更に圧縮機部分とタービン部分との間の環状通路が、燃焼による熱的負荷を僅かな冷却の必要性で受けるセラミックス断熱要素で内張りされていると有利である。
ガスタービンは更に有利には、圧縮空気流が回転翼車に直接導かれるようなタービン部分を有している。これにより、圧縮空気流は環状通路内において旋回流をもって導かれ、且つ燃焼がこの圧縮空気流内で行われるようになる。
この関連において、タービン部分は特に簡単に形成される。何故なら、このタービン部分はその入口に、タービン部分の回転翼車を駆動するために必要な旋回流をはじめて形成させる案内翼車を設ける必要がないからである。即ちタービン部分の入口におけるこの種の案内翼車は、ガスタービンの熱的に最も強く負荷される構成要素の一つであり、これは従来において燃焼用空気を使用しなければならない大きな冷却作用を必要とし、製造に利用される材料に相応した要件が課せられる。従って本発明によれば特に経済的なガスタービンが実現できる。
本発明の実施例は図面から明らかである。特別な特徴を表出するために図面は部分的に概略的におよび/又は誇張して描かれている。なお図面は実際に実行し得るガスタービンの形状を正確に表すものではない。図面およびその説明から理解できる説明を補充するために、上述した従来技術の引用刊行物並びに当該技術分野の平均的専門家の一般的な知識も参考にされたい。
図面は圧縮機部分2とタービン部分3とを備えたガスタービン1を示している。一部しか示されていない圧縮機部分2はガスタービン1の周囲から空気を吸い込み、これを圧縮して圧縮空気流4として供給する。この圧縮空気流4は圧縮機部分2において燃料5と混ぜられる。その際燃料5はノズル6を通して導入される。圧縮空気流4は圧縮機部分2から流出する際に第1の旋回流7を有し、即ち圧縮空気流4が伝播する方向に対して垂直に向いた速度成分を有している。この第1の旋回流7は場合によっては圧縮空気流4がタービン部分3に到達するまで変化し、その際タービン部分3の入口において第2の旋回流8が生じている。この変化は主に燃料5の燃焼によって生ずる。この燃料は圧縮機部分2とタービン部分3との間で圧縮空気流4の中に突出するパイロット火炎9によって点火される。パイロット火炎9は適当なノズル10を通して供給される燃料で形成される。たいていは多数あるいは複数のパイロット火炎9が設けられているが、図を分かり易くするために一つのパイロット火炎9しか図示されていない。タービン部分3の入口に従来の実施例の固定案内翼車は存在しておらず、直接可動翼車11が存在している。即ち第2の旋回流8が適当に調整されることによって、タービン部分3の入口における固定翼車を省略することができる。
圧縮空気流4への燃料5の供給は、圧縮機部分2の最後から2番目の案内翼車12に設けられた上述のノズル6を通して行われる。ノズル6は特に、環状に配置され最後から2番目の案内翼車12を一緒に形成している中空の案内翼における通路の開口である。圧縮機部分2の出口に最後の案内翼車13が配置され、これは適当な調整装置14によって調整可能な案内羽根で形成されている。これによってガスタービン1の運転状態に応じて第1の旋回流7及びこれに伴って第2の旋回流8が調整され、特にタービン部分3の要求に適合させられる。ガスタービン1の設計に応じて場合によっては圧縮機部分2の出口における案内翼車12は省略することができる。
圧縮空気流4における燃料5の燃焼を安定化するために、圧縮機部分2とタービン部分3との間に火炎安定器15が設けられている。この火炎安定器15の具体的な形態はさほど重要ではなく、つまり従来技術において多数の種類の火炎安定器が知られており、ここに使用することができる。図示の実施例における火炎安定器15は例えば、圧縮空気流4が圧縮機部分2からタービン部分3までそこを通って流れる環状通路16に突出している固く留められた棒である。火炎安定器15の後ろに渦流が形成され、そこで火炎が安定化することが重要である。この作用は棒だけでなく、別の形の構成要素でも達成できる。
ノズル6およびパイロット火炎9への燃料5の導入は燃料供給装置19から燃料配管17および燃料ポンプ18を介して行われる。燃料供給装置19はタンクでよいが、特に天然ガスのようなガス状燃料に対する公共の燃料供給系統も考えられる。燃料供給装置19を、石炭をガス化してガスタービン1の燃料として使用できる可燃性のガス生成物即ち石炭ガスを収得する設備に付設させることも考えられる。
過大な熱負荷から保護するために、ガスタービン1の環状通路16を形成する構造物は、例えばセラミックス断熱要素20で形成されている断熱体によって保護されている。この種の断熱体は関係する従来技術において種々の形態のものが知られており、ここでは詳細に説明しない。
本発明は、ガスタービンを圧縮機部分からタービン部分まで貫流する圧縮空気流内において燃料を燃焼する方法とそのガスタービンに関し、その際燃料は圧縮機部分とタービン部分との間で燃焼され、燃料が圧縮機部分において圧縮空気流に導入される。本発明はガスタービンの構造を簡単にすることができ、圧力損失および摩擦損失を回避することによって、ガスタービン内で生ずるエネルギー変換過程の熱力学に関しても大きな利点が得られる。
Claims (13)
- ガスタービン(1)を圧縮機部分(2)からタービン部分(3)まで貫流する圧縮空気流(4)内において燃料(5)を燃焼するための方法であって、燃料(5)が圧縮機部分(2)において圧縮空気流(4)に導入され、圧縮機部分(2)とタービン部分(3)との間で燃焼される方法において、
圧縮空気流(4)が圧縮機部分(2)から流出する際に、圧縮機部分(2)の出口端において、調整可能な最後の案内翼車(13)で調整された第1の流れ方向(7)が与えられ、この流れ方向(7)が燃料(5)の燃焼によって第2の流れ方向(8)に変換され、この第2の流れ方向が、圧縮空気流(4)がタービン部分(3)の第1の動翼に導入される際に有していなければならない定格流れ方向に相応しており、この際第1の流れ方向(7)はガスタービン(1)の動作状態に応じて制御されることを特徴とするガスタービンにおける燃料の燃焼方法。 - 燃料(5)が燃焼される前に圧縮空気流(4)と強く混ぜられることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 圧縮空気流(4)内における燃料(5)が補助的に圧縮空気流(4)に向けられたパイロット火炎(9)で点火されることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
- 圧縮空気流(4)が燃料(5)との混合後に遅くされることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の方法。
- 第1の流れ方向(7)が、燃焼によって熱が発生される熱出力に関係して調整されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の方法。
- 燃料(5)が可燃性ガス、特に天然ガスあるいは石炭ガスであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の方法。
- 圧縮機部分(2)からタービン部分(3)まで流れる圧縮空気流(4)内において燃料(5)を燃焼するためのガスタービンであって、圧縮空気流(4)を案内するための環状通路(16)と燃料(5)を圧縮機部分(2)内における圧縮空気流(4)に導入するためのノズル(6)とを備えているガスタービンにおいて、
圧縮空気流(4)が圧縮機部分(2)から流出する際に、圧縮機部分(2)の出口端において調整可能な最後の案内翼車(13)で制御可能な第1の流れ方向(7)が与えられ、この第1の流れ方向(7)が燃料(5)の燃焼によって第2の流れ方向(8)に変換され、この第2の流れ方向が、圧縮空気流(4)がタービン部分(3)の第1の動翼に導入される際に有していなければならない定格流れ方向に相応しており、この際第1の流れ方向(7)はガスタービン(1)の動作状態に応じて制御されることを特徴とするガスタービン。 - ノズル(6)が圧縮機部分(2)における案内翼車(12、13)に配置されていることを特徴とする請求項7記載のガスタービン(1)。
- 圧縮空気流(4)が圧縮機部分(2)において多数の案内翼車(12、13)を貫流し、ノズル(6)付き案内翼車(12)が圧縮空気流(4)が貫流する最後から2番目あるいは最後の案内翼車であることを特徴とする請求項8記載のガスタービン(1)。
- ノズル(6)が案内翼車(12)の中空案内羽根に設けられていることを特徴とする請求項8又は9記載のガスタービン(1)。
- 圧縮機部分(2)とタービン部分(3)との間に火炎安定器(15)が配置されていることを特徴とする請求項7ないし10のいずれか1つに記載のガスタービン(1)。
- 圧縮機部分(2)とタービン部分(3)との間の環状通路(16)がディフューザの形に広がっていることを特徴とする請求項7ないし11のいずれか1つに記載のガスタービン(1)。
- 環状通路(16)がセラミックス断熱要素(20)で内張りされていることを特徴とする請求項7ないし12のいずれか1つに記載のガスタービン(1)。
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