JP3939601B2 - キノリノン誘導体医薬組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗アレルギー剤として有用なキノリノン誘導体を含有する医薬組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
構造式(I)
【0003】
【化3】
【0004】
で表わされるキノリノン誘導体は、特開平9−255659号公報に開示された化合物であって、生体に対して毒性が低く、即時型喘息、遅延型喘息、気管支喘息、小児喘息、過敏性肺臓炎、アトピー性皮膚炎、アレルギー接触性皮膚炎、蕁麻疹、湿疹、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、花粉症、食物アレルギー、アレルギー性胃腸炎、アレルギー性大腸炎、薬物アレルギー、自己免疫性疾患等、特に、即時型アレルギー性疾患及び遅延型アレルギー性疾患に効果を示す抗アレルギー剤として有用である。
【0005】
しかしながら、前記キノリノン誘導体は難溶性薬物であるため、前記の公報に記載された方法により製造した医薬品製剤では、経口投与時の消化管内での溶出速度が必ずしも十分ではなく、吸収率や吸収速度が変動する可能性があった。このため、キノリノン誘導体の消化管内での溶出速度を向上させ、吸収性を改善した医薬組成物の開発が求められていた。
【0006】
一方、特開平11−255649号公報には、前記キノリノン誘導体には、α形、β形、γ形、δ形の4種の結晶多形が存在し、中でもβ形及びγ形の結晶がα形の結晶と比較して生体吸収性に優れていることが記載されている。また、同公報にはキノリノン誘導体の各結晶形を自動メノウ乳鉢を用いて10分程度粉砕した粒子は粉砕前と比較して生体吸収性が向上する旨が記載されている。しかしながら、キノリノン誘導体をこのような方法で粉砕すると、キノリノン誘導体結晶の結晶化度が低下し、その結果、得られるキノリノン誘導体の物理化学的安定性が低下するという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、消化管内で速やかに有効成分を溶出させることが可能で、且つ保存安定性に優れたキノリノン誘導体医薬組成物及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、キノリノン誘導体粒子を、その融解エンタルピーを高水準に維持しつつ、0.5〜10μmの平均粒径を有し、粒径が15μm以下である粒子の割合が90%以上を占める粒径分布を有する粒子に粉砕し、さらに、前記粒子を水溶性高分子を含有する水溶性組成物で被覆することにより、消化管内での溶出速度が向上し且つ長期間の保存安定性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は上記課題を解決するために、構造式(I)
【0010】
【化4】
【0011】
で表わされるキノリノン誘導体を含有する医薬組成物であって、該キノリノン誘導体が、0.5〜10μmの平均粒径を有し、粒径が15μm以下である粒子の割合が90%以上を占める粒径分布を有しており、且つ、融解エンタルピーが30J/g以上である粒子であり、前記粒子の表面が水溶性高分子及びジオクチルソジウムスルホサクシネートを含有する水溶性組成物によって被覆されていることを特徴とするキノリノン誘導体医薬組成物を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明において、「キノリノン誘導体が、0.5〜10μmの平均粒径を有し、粒径が15μm以下である粒子の割合が90%以上を占める粒径分布を有する」とは、キノリノン誘導体の粒径分布をエアロダイナミック飛行時間方式乾式粒度分布測定装置(エアロサイザー:セントラル科学貿易)で測定した時に得られる体積基準分布における空気動力学平均径が0.5〜10μmであり、空気動力学径15μm以下である粒子の割合が90%以上を占める粒径分布であることを意味する。
【0014】
本発明で使用するキノリノン誘導体は、その結晶形については特に制限されないが、本発明の医薬組成物がより優れた生体への吸収性と安定性とを備えるためには、前記キノリノン誘導体はβ形又はγ形であることが好ましい。なお、このような結晶多形については、粉末X線回折測定及び示差走査熱量分析(DSC)等により特定することができる。
【0015】
本発明で使用するキノリノン誘導体は、その平均粒径が0.5〜10μmであり、好ましくは1〜5μmである粒子である。平均粒径が0.5μm未満の場合にはキノリノン誘導体の物理化学的安定性が著しく低下し、10μmを超えて大きい場合にはキノリノン誘導体が生体内で速やかに溶出し難い。
【0016】
また、本発明で使用するキノリノン誘導体は、粒径が15μm以下である粒子の割合が90%以上を占める粒径分布を有するものであり、10μm以下であることが好ましい。粒径が15μmより大きい粒子の割合が10%を超えて多く含有される場合にはキノリノン誘導体が生体内で速やかに溶出し難い。
【0017】
さらに、本発明で使用するキノリノン誘導体は、その融解エンタルピー(ΔH)が30J/g以上であるものであり、35J/g以上であることが好ましい。融解エンタルピーが30J/g未満である場合にはキノリノン誘導体の物理化学的安定性が著しく低下する。ここで、本発明における融解エンタルピーとは、示差走査熱量分析(DSC)において、キノリノン誘導体結晶の融解に伴う吸熱ピークから得られる値であり、結晶化度の指標となる。
【0018】
本発明で使用するキノリノン誘導体は、前述したような状態に粉砕された粒子にさらに水溶性高分子を含有する水溶性組成物を被覆することによって得られるものである。すなわち、本発明で使用するキノリノン誘導体の粒径及び融解エンタルピーが上記の条件を満たす場合、このようなキノリノン誘導体の表面は疎水性が高く、生体内での溶出速度は十分に早いとは言えないが、水溶性高分子を含有する水溶性組成物によって表面を被覆することにより、濡れ性が改善され、速やかに溶出可能となる。
【0019】
前記水溶性高分子としては、特に制限はないが、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等の合成高分子、プルラン、デキストリン等のデンプン誘導体が挙げられ、中でも、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体が好ましく、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムがより好ましい。
【0020】
このような水溶性高分子は1種類で用いてもよく、必要に応じて2種類以上を混合して用いてもよい。
【0021】
本発明にかかる水溶性高分子の使用量は特に制限されないが、キノリノン誘導体100質量部に対して0.5〜12質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。また、これら水溶性高分子を2種類以上混合して使用する場合は、水溶性高分子の合計量がキノリノン誘導体100質量部に対して0.5〜12質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。
【0022】
水溶性高分子の使用量がキノリノン誘導体に対して0.5質量部未満である場合にはキノリノン誘導体の濡れ性が十分に改善されず、速やかな溶出速度が得られない傾向にあり、12質量部を超えて多い場合には濡れ性は十分に改善されるものの、被覆した水溶性高分子自体の溶解時間が延長してキノリノン誘導体の速やかな溶出速度が得られない傾向にある。
【0023】
本発明で使用する水溶性組成物は、さらに界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤は、上述の水溶性高分子と共にキノリノン誘導体の表面を被覆するために用いることにより、更に優れたキノリノン誘導体の生体内での溶出特性を与える。
【0024】
前記界面活性剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、スルホコハク酸エステル塩が挙げられる。
【0025】
中でも陰イオン界面活性剤であるアルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、スルホコハク酸エステル塩がより好ましい。アルキル硫酸エステル塩としては、ラウリル硫酸ナトリウムが挙げられ、スルホコハク酸エステル塩としては、ジオクチルソジウムスルホサクシネートが挙げられる。このような界面活性剤は1種類で用いてもよく、必要に応じて2種類以上を混合して用いてもよい。
【0026】
界面活性剤の使用量は、キノリノン誘導体100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがより好ましい。また、これら界面活性剤を2種類以上混合して使用する場合は、界面活性剤の合計量がキノリノン誘導体100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがより好ましい。
【0027】
本発明の医薬組成物はそのまま用いても十分に速やかな溶出速度を示すが、更に溶出速度を促進するため、崩壊剤を添加することが好ましい。崩壊剤としては、例えば、コーンスターチ、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、部分アルファー化デンプン等のデンプン及びその誘導体、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース及びその誘導体、クロスポビドン等の合成高分子が挙げられ、中でも、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドンが好ましい。これらの崩壊剤は1種類で用いてもよく、必要に応じて2種類以上を混合して用いてもよい。
【0028】
このような崩壊剤の使用量は、キノリノン誘導体100質量部に対して1〜30質量部であることが好ましく、3〜20質量部であることがより好ましい。また、これら崩壊剤を2種類以上混合して使用する場合は、崩壊剤の合計量がキノリノン誘導体100質量部に対して1〜30質量部であることが好ましく、3〜20質量部であることがより好ましい。
【0029】
上記の方法により得られた本発明の医薬組成物は、前記キノリノン誘導体を有効成分として含有するものであればよく、その具体的な処方や剤形は特に制限されないが、例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、コーティング剤、酸化防止剤、香料、着色料を添加した後、散剤、顆粒剤、ドライシロップ、錠剤、チュワブル錠、トローチ錠、発砲錠、カプセル剤、丸剤等の剤形を有する医薬組成物として製剤化すればよい。これら医薬組成物の製造方法は、医薬組成物の形態に応じて、当業者に利用可能な適宜の方法を採用することが可能である。
【0030】
前記賦形剤としては、例えば、でんぷん及びその誘導体(デキストリン、カルボキシメチルスターチ等)、セルロース及びその誘導体(メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、糖類(乳糖、D−マンニトール、ブドウ糖等)、ケイ酸及びケイ酸塩類(天然ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム)、炭酸塩(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム等)、水酸化アルミニウム・マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、ポリオキシエチレン誘導体、モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸ソルビタンが挙げられる。
【0031】
また、前記結合剤としては、例えば、でんぷん及びその誘導体(アルファー化デンプン、デキストリン等)、セルロース及びその誘導体(エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、糖類(ブドウ糖、白糖等)、エタノール、ポリビニルアルコールが挙げられる。
【0032】
また、前記滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸、硬化油、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸及びその塩類(軽質無水ケイ酸、天然ケイ酸アルミニウム等)、酸化チタン、リン酸水素カルシウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、マクロゴールが挙げられる。
【0033】
また、前記コーティング剤としては、例えば、セルロース誘導体(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)、セラック、ポリエチレングリコール類、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン類(ポリ−2−ビニルピリジン、ポリ−2−ビニル−5−エチルピリジン等)、ポリビニルアセチルジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコールフタレート、メタアクリレート・メタアクリル酸共重合体が挙げられる。
【0034】
また、前記酸化防止剤としては、例えば、亜硫酸塩類(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等)、ロンガリット、エリソルビン酸、L−アスコルビン酸、システイン、チオグリセロール、ブチルヒドロキシアニゾール、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、アスコルビン酸パルミテート、dl−α−トコフェロールが挙げられる。
【0035】
また、前記香料としては、例えば、dl−メントール、l−メントール、シュガーフレーバー、ミントフレーバー、バニラフレーバー、トウヒ油、ハッカ油、ユーカリ油、ケイヒ油が挙げられる。
【0036】
また、前記着色剤としては、例えば、インジコカルミン、カラメル、リボフラビン、食用タール色素、酸化鉄、酸化チタン、β−カロチン、クロロフィル、レーキ色素が挙げられる。
【0037】
また、本発明の医薬組成物中における前記構造式(I)で表わされるキノリノン誘導体の含有量は、その剤形によっても異なるが、一般に0.01〜99.5質量%が好ましい。
【0038】
次に、本発明のキノリノン誘導体医薬組成物の製造方法について説明する。
【0039】
先ず、本発明の製造方法における第1の工程について説明する。
【0040】
従来の技術の欄に掲げた方法によって製造されたキノリノン誘導体は、通常、平均粒径が20〜150μm程度の粒子である。しかしながら、このような粒径を有する粒子では生体中での溶出が困難である。
【0041】
キノリノン誘導体の粉砕に用いられる装置は、粉砕後のキノリノン誘導体粒子を、その融解エンタルピーを高水準に維持しつつ、0.5〜10μmの平均粒径を有し、粒径が15μm以下である粒子の割合が90%以上を占める粒径分布を有する粒子に粉砕可能な装置であればよく、例えば、衝撃式粉砕機(ハンマミル)、ボールミル、湿式粉砕機、ジェット粉砕機が挙げられ、中でもジェット粉砕機を用いることが好ましい。ジェット粉砕機を用いることにより、結晶の粉砕時に比較的穏和な条件下で粉砕可能となり、結晶の融解エンタルピーを高水準に維持しつつ粉砕することが可能となる。
【0042】
なお、特開平11−255649号公報には、キノリノン誘導体を自動メノウ乳鉢を用いて10分程度粉砕した場合に生体吸収性が向上する旨の記載があるが、このような粉砕によると粉砕されたキノリノン誘導体結晶の結晶化度が低下し、その結果、その融解エンタルピーが30J/g未満に低下するため、安定性が低下するという問題があったが、前述したような粉砕法によれば、融解エンタルピーを高水準に維持したまま粉砕可能である。
【0043】
次に、本発明にかかる第2の工程について説明する。
【0044】
第1の工程で得られた粒子を被覆する方法は、キノリノン誘導体の粒子表面の全て又はその一部が水溶性高分子を含有する水溶性組成物によって被覆されている組成物が得られる方法であれば特に制限されないが、例えば、(1) 水溶性高分子を含有する水溶性組成物を水又は適当な有機溶媒に溶解した溶液をキノリノン誘導体と混合し、湿式造粒した後、乾燥させる方法、(2) キノリノン誘導体を核粒子とし水又は適当な有機溶媒に溶解した水溶性高分子を含有する水溶性組成物をスプレーコーティングする方法、(3) 水又は適当な有機溶媒に溶解した水溶性高分子を含有する水溶性組成物の溶液中にキノリノン誘導体を分散し、噴霧乾燥する方法が挙げられる。これら中でも、上記(1) の方法が好ましい。
【0045】
また、本発明の医薬組成物の投与量は、症状の軽重、年齢、投与方法、医師の診断結果等に応じて適宜決定することができるが、例えば、前記構造式(I)で表わされるキノリノン誘導体の投与量が、体重1kgあたり一日に0.1〜2000mg/kgであることが好ましい。本発明の医薬組成物の投与は、症状の軽重、医師の判断等に応じて、上記投与量を1〜7日間のうちに1回にまとめて投与してもよく、数回に分けて投与してもよい。
【0046】
【実施例】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例の範囲に限定されるものではない。
【0047】
(調製例)
特開平9−255659号の実施例38に記載された方法に従って、前記構造式(I)で表わされる7−(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシシンナモイルアミノ)−3−オクチルオキシ−4−ヒドロキシ−1−メチル−2(1H)−キノリノン(以下、単にキノリノン誘導体という。)を合成し、さらに、特開平11−255649号の参考例2に記載された方法に従って、β形のキノリノン誘導体を得た。
【0048】
以上の方法を2回行って、粉砕前のキノリノンを得た。(以下、キノリノン誘導体(A)及びキノリノン誘導体(B)という。)
【0049】
キノリノン誘導体(A)の粒度分布を測定し、また、示差走査熱量分析(DCS)を行った結果、平均粒径が25.3μm、全粒子に占める15μm以下の粒子の割合は9.9%、融解エンタルピー(△H)は49.9J/gであった。
【0050】
同様にしてキノリノン誘導体(B)についても測定した結果、平均粒径が33.3μm、全粒子に占める15μm以下の粒子の割合は0.6%、△Hは52.7J/gであった。
【0051】
次にキノリノン誘導体(A)及びキノリノン(B)をジェット粉砕機(A−0ジェットミル:セイシン企業社製)で粉砕した(粉体供給速度 約0.75g/min.空気圧 6〜7kg/cm2)。このようにして得たキノリノン誘導体の粉砕物をそれぞれ、キノリノン(A−1)及びキノリノン(B−1)とする。
【0052】
得られたキノリノン誘導体の粉砕品の粒度分布を測定し、示差走査熱量分析(DSC)を行ない、その結果を表1にまとめて示した。
【0053】
<分析条件>
粒度分布測定:AEROSIZER(セントラル科学貿易社製)で粒度分布を自動測定した。
【0054】
DSC法:DSC7(Perkin Elmer社製)を使用し、昇温速度20℃/分の条件で25〜250℃の範囲で常法により測定した。
【0055】
【表1】
【0056】
表1に示した結果から明らかなように、キノリノン誘導体の粉砕品の平均粒径は10μm以下であった。また、キノリノン誘導体の粒径が15μm以下の粒子の割合が100%を占めることが確認された。また、DSC測定の結果から、粉砕品の融解エンタルピー(ΔH)は、未粉砕品と比較して著しい低下は認められなかった。
【0057】
(実施例1及び比較例1)
キノリノン誘導体(A)(比較例1)及びキノリノン誘導体(A−1)(実施例1)について、粉末X線回折を測定し、その結果を図1に示した。
【0058】
さらに、これらのキノリノン誘導体の溶出性を溶出試験(パドル法)により評価し、その結果を図2に示した。
【0059】
粉末X線回折法:RINT−ULTIMA(理学電気社製)を使用し、Cu−Kα線、40KV、30mAの条件で、5〜40°の範囲で常法により測定した。
【0060】
溶出試験法:日本薬局方第14改正の溶出試験法第2法(パドル法)に従い、試験液に0.5%ラウリル硫酸ナトリウムを用いて、パドル50回転/分の条件により測定した。
【0061】 未粉砕品及び粉砕品の粉末X線回折パターンは図1に示したように一致し、共にβ形結晶を保持していた。一方、粉砕品の溶出速度は図2に示したように未粉砕品と比較し、顕著に上昇した。
【0062】
以上の結果から、キノリノン誘導体をジェット粉砕することで、非晶質化を抑制しつつ微細化され、溶出速度が向上することが分る。
【0063】
(比較例2)
比較例1で使用した粉砕前のキノリノン誘導体(A)を、その粒径を10μm以下にするためにメノウ乳鉢で30分間粉砕した。得られたキノリノン誘導体についてDSC測定を行った結果、β形結晶の融解に伴う吸熱ピークが消失しており、非晶質化していることが確認された。
【0064】
(実施例2〜6及び比較例3)
キノリノン誘導体を被覆する水溶性高分子として、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L:日本曹達社製、粘度=6〜10cps)(実施例2)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC TC−5MW:信越化学社製)(実施例3)、プルラン(林原商事社製)(実施例4)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na:五徳薬品社製)(実施例5)、ポリビニルピドリドン(PVP:五協産業社製)(実施例6)を用いた。
【0065】
表2に示した処方に従い、キノリノン誘導体(A−1;粉砕品)、乳糖(200M DMV)、結晶セルロース(アビセルPH101:旭化成社製)及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC LH−31:信越化学社製)を乳鉢中で混合した。次に、予め適量の水で溶解した各種の水溶性高分子の水溶液を上記組成物に添加(キノリノン誘導体100に対して10質量部)、練合した後、20号篩で整粒し乾燥させた。粒子を乾燥後、35号篩で整粒し、各種水溶性高分子で表面被覆したキノリノン誘導体粒子を得た。
【0066】
【表2】
【0067】
得られた顆粒の溶出性を溶出試験(フロースルーセル法)により評価した。すなわち、日本薬局方第14改正の溶出試験法第3法(フロースルーセル法)に従い、試験液に1%ポリソルベート80を用いて、流量約7mlの条件により測定した。対照として、水溶性高分子で被覆されていないキノリノン誘導体の粉砕品(比較例3)の溶出速度も測定した。
【0068】
各水溶性高分子で表面被覆したキノリノン誘導体の粉砕品と、水溶性高分子で表面被覆されていないキノリノン誘導体の粉砕品の溶出試験の結果を図3に示した。図3に示した結果から、各種水溶性高分子で表面被覆したキノリノン誘導体の粉砕品は、水溶性高分子で被覆されていないキノリノン誘導体の粉砕品と比較して、高い溶出速度を示し、水溶性高分子による表面被覆がキノリノン誘導体の粉砕品の溶出速度を向上させるために効果的であることが分る。また、各種水溶性高分子の比較では、特に、HPC−L、CMC−Naを用いた場合に溶出速度の向上が顕著であることが分る。
【0069】
(実施例7〜11)
表3に示した処方に従い、キノリノン誘導体(A−1;粉砕品)、乳糖、結晶セルロース及びL−HPCを乳鉢中で混合した。予め適量の水で溶解したHPC−Lの水溶液をキノリノン誘導体100質量部に対してそれぞれ4質量部(実施例7)、6質量部(実施例8)、8質量部(実施例9)、10質量部(実施例10)、12質量部(実施例11)となるように上記組成物に添加、練合した後、20号篩で整粒し乾燥させた。乾燥後、35号篩で整粒し、キノリノン誘導体顆粒を得た。得られたキノリノン誘導体顆粒にステアリン酸マグネシウムを0.5%配合し、配合末200mgを直径8mm−2段Rの杵臼を用い、油圧プレスにて圧力600kgで静圧打錠し、錠剤を得た。
【0070】
【表3】
【0071】
得られた錠剤の崩壊時間を日本薬局方第14改正の崩壊試験法に従い、試験液に水を用いて測定した(n=3)。得られた錠剤の崩壊試験の結果を図4に示した。また、溶出試験は日本薬局方第14改正の溶出試験法第2法(パドル法)に従い、試験液に0.5%ラウリル硫酸ナトリウムを用いて、パドル50回転/分の条件で行った。得られた錠剤の溶出試験の結果を図5に示した。
【0072】
図4に示した結果から、HPC−Lの添加量が10質量%以下の場合に比較的速やかな崩壊性(30分以内)が得られることが分る。図5に示した結果から、HPC−L添加量10質量%以下では比較的速やかな溶出性(60分で溶出率75%以上)が得られることが分る。
【0073】
(実施例12〜18)
表4に示した処方に従い、キノリノン誘導体(A−1;粉砕品)、乳糖、結晶セルロース(アビセルPH101)、各種崩壊剤を乳鉢中で混合した。使用した崩壊剤は、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC LH−31:信越化学社製)(実施例12)、クロスカルメロースナトリウム(Ac−Di−Sol:旭化成社製)(実施例13)、カルメロース(NS−300:五徳薬品社製)(実施例14)、カルメロースカルシウム(ECG−505:五徳薬品社製)(実施例15)、部分α化デンプン(PCS:旭化成社製)(実施例16)、カルボキシメチルスターチナトリウム(プリモジェル:松谷化学社製)(実施例17)、クロスポビドン(コリドンCL:BASF社製)(実施例18)の7種類であり、それぞれをキノリノン誘導体に対して20質量%になるように混合した。
【0074】
次に、予め適量の水で溶解したHPC−Lの水溶液を表4に示した量となるように上記組成物に添加、練合した後、20号篩で整粒し乾燥させた。粒子を乾燥後、35号篩で整粒し、キノリノン誘導体顆粒を得た。得られた顆粒にステアリン酸マグネシウムを0.5%配合し、配合末200mgを直径8mm−2段Rの杵臼を用い、油圧プレスにて圧力600kgで静圧打錠し、錠剤を得た。
【0075】
【表4】
【0076】
得られた錠剤の崩壊時間を日本薬局方第14改正の崩壊試験法に従い、試験液に水を用いて測定した(n=3)。得られた錠剤の崩壊試験の結果を図6に示した。また、崩壊試験時の分散性が良好であった錠剤については溶出試験を行った。溶出試験は日本薬局方第14改正の溶出試験法第2法(パドル法)に従い、試験液に0.5%ラウリル硫酸ナトリウムを用いて、パドル50回転/分の条件で行った。分散性が良好であったL−HPC、Ac−Di−Sol、ECG−505、プリモジェル、コリドンCLを使用した錠剤の溶出試験結果を図7に示した。
【0077】
図6に示した結果から、用いた全ての崩壊剤において速やかな崩壊性(30分以内)が得られることが分る。但し、PCS、NS−300では崩壊時の分散粒子が粗く、分散性が不良であった。また、図7に示した結果から、何れの崩壊剤を用いた場合にも速やかな溶出性(60分で溶出率75%以上)を示し、特に、Ac−Di−Sol、コリドンCL、ECG−505において速い溶出速度が得られることが分る。
【0078】
(実施例19〜21)
表5に示す処方に従い、キノリノン誘導体(A−1;粉砕品)、乳糖、結晶セルロース及びAc−Di−Solをバーチカルグラニュレーター(VG−01:パウレック社製)で混合した。前記のAc−Di−Solは最終濃度を10質量%(実施例19)、15質量%(実施例20)、20質量%(実施例21)に調製した3種類を準備した。予め適量の水で溶解したHPC−Lの水溶液を表5に示した量となるように上記組成物に添加、練合した後、スピードミル(ND−10:岡田精工社製)で整粒、真空乾燥させた。乾燥後、20号篩で整粒し、キノリノン誘導体顆粒を得た。得られたキノリノン誘導体の顆粒にステアリン酸マグネシウムを0.5%配合し、配合末200mgを直径8mm−10Rの杵臼を用い、単発打錠機(N−20:岡田精工社製)にて圧力600kgで打錠し、錠剤を得た。
【0079】
【表5】
【0080】
得られた錠剤の崩壊時間を日本薬局方第14改正の崩壊試験法に従い、試験液に水を用いて測定した(n=3)。得られた錠剤の崩壊試験の結果を表6に示した。また、溶出試験は日本薬局方第14改正の溶出試験法第2法(パドル法)に従い、試験液に0.5%ラウリル硫酸ナトリウムを用いて、パドル50回転/分の条件で行った。得られた錠剤の溶出試験の結果を図8に示した。
【0081】
【表6】
【0082】
表6に示した結果から、Ac−Di−Sol添加量10〜20質量%の範囲で速やかな崩壊性(30分以内)を示すことが分る。また、図8に示した結果から、Ac−Di−Sol添加量10〜20質量%の範囲で速やかな溶出性(60分で溶出率75%以上)が得られることが分る。
【0083】
(実施例22及び比較例4〜5)
一昼夜絶食させたビーグル犬(雄、12ヶ月齢)9頭に、1号カプセルに充填したキノリノン誘導体(B;未粉砕品)(比較例4)、キノリノン誘導体(B−1;粉砕品)(比較例5)及び実施例2で調製したキノリノン誘導体のHPC顆粒(実施例22)をキノリノン誘導体として10mg/kgの用量で経口投与した。尚、投与後30mlの蒸留水を経口的に与えた。投与後、経時的に前腕静脈より、血液2.5mlを採取し、遠心分離にて血清を得た。血清に倍量のアセトニトリルを添加して除タンパクした後、HPLCを用いて、キノリノン誘導体及びその代謝物を定量した。
【0084】
各採血時点のキノリノン誘導体及びその代謝物の定量値から最高血中濃度(Cmax)の平均値及び血中濃度時間曲線下面積(AUC)の平均値を求めた。結果を表7に示した。表7に示した結果から、キノリノン誘導体の粉砕品は未粉砕品と比べて、Cmaxが9倍、AUCが8.7倍に増大し、粉砕による吸収性改善傾向が認められた。また、キノリノン誘導体のHPC顆粒は未粉砕品と比べて、Cmaxが16.5倍、AUCが13.3倍に増大し、粉砕品と比べても、Cmaxが1.8倍、AUCが1.5倍に増大し、HPCによるキノリノン誘導体の表面被覆の効果が認められることが分る。以上の結果から、粉砕及び水溶性高分子による表面被覆が消化管吸収性を改善することが分る。なお、表7中、**は、t検定の結果がp<0.01であることを示す。
【0085】
【表7】
【0086】
(実施例23及び比較例6)
表8に示す処方に従い、キノリノン誘導体(B;未粉砕品)(比較例6)、又はキノリノン誘導体(B−1;粉砕品)(実施例23)、乳糖、結晶セルロース、Ac−Di−Solを乳鉢中で混合した。別に、適量の水で溶解したHPC−Lの水溶液を表8に示した量となるように上記組成物に添加、練合した後、20号篩で整粒、乾燥させた。乾燥後、35号篩で整粒し、キノリノン誘導体未粉砕品及び粉砕品を用いた顆粒を得た。
【0087】
【表8】
【0088】
一昼夜絶食させたビーグル犬(雄、12ヶ月齢)9頭に、1号カプセルに充填したキノリノン誘導体(B;未粉砕品)を使用した顆粒、キノリノン誘導体(B−1;粉砕品)を使用した顆粒を、キノリノン誘導体として10mg/kgの用量で経口投与した。尚、投与後30mlの蒸留水を経口的に与えた。投与後、経時的に前腕静脈より、血液2.5mlを採取し、遠心分離にて血清を得た。血清に倍量のアセトニトリルを添加して除タンパクした後、HPLCを用いて、キノリノン誘導体及びその代謝物を定量した。
【0089】
各採血時点のキノリノン誘導体及びその代謝物の定量値から最高血中濃度(Cmax)の平均値及び血中濃度時間曲線下面積(AUC)の平均値を求めた。結果を表9に示した。表9に示した結果から、キノリノン誘導体の粉砕品を使用した顆粒は未粉砕品を使用した顆粒と比べて、Cmaxが3.9倍、AUCが4.3倍に増大し、吸収性改善効果が認められることが分る。この結果から、製剤化における原体粒子径のコントロールが吸収性向上のための重要因子であることが示された。なお、表9中、*は、t検定の結果がp<0.05であることを示す。
【0090】
【表9】
【0091】
(実施例24〜26)
表10に示す処方に従い、キノリノン誘導体(B−1;粉砕品)、乳糖、結晶セルロース(アビセルPH101)、Ac−Di−Sol及び各種界面活性剤を乳鉢中で混合した。界面活性剤としては、ジオクチルソジウムスルホサクシネート(Aldrich社製)(実施例24)、ラウリル硫酸ナトリウム(関東化学社製)(実施例25)を用いた。なお、界面活性剤非添加(実施例26)も併せて調製した。これらの組成物に適量の水で溶解したHPC(日本曹達株式会社製、粘度=3〜5.9cps)の水溶液を表10に示した量となるように添加、練合した後、乾燥、整粒し、キノリノン誘導体の顆粒を得た。得られた顆粒にステアリン酸マグネシウムを配合し、配合末200mgを直径8mmの杵臼を用い、油圧プレスにて圧力600kgで静圧打錠し、錠剤を得た。
【0092】
【表10】
【0093】
得られた錠剤の溶出性を日本薬局方第14改正の溶出試験法第2法(パドル法)に従い、試験液に0.2%ラウリル硫酸ナトリウムを用いてパドル100回転の条件で行った。結果を図9に示した。
【0094】
図9に示した結果から、水溶性高分子と界面活性剤とで被覆した錠剤は水溶性高分子のみで被覆した錠剤に比べ、より好ましい溶出率を示し、水溶性高分子と界面活性剤による表面被覆がキノリノン誘導体の粉砕品の溶出率を向上させるために効果的であることが分る。
【0095】
(実施例27及び実施例28)
表11に示す処方に従い、キノリノン誘導体(B−1;粉砕品)、ジオクチルソジウムスルホサクシネート、Ac−Di−Sol、乳糖、結晶セルロース及びL−アスコルビン酸を乳鉢中で混合した。この組成物に適量の水で溶解したHPCの水溶液を表11に示した量となるように上記組成物に添加、練合した後、乾燥、整粒し、キノリノン誘導体顆粒を得た。得られた顆粒にステアリン酸マグネシウムを配合後、配合末200mgを直径8mm10Rの杵臼を用い、打錠圧200kgで打錠し、錠剤を得た(実施例27)。
【0096】
また、キノリノン誘導体(B−1;粉砕品)、Ac−Di−Sol、乳糖、結晶セルロース、L−アスコルビン酸を乳鉢中で混合した。この組成物に、適量の水で溶解したHPC−Lの水溶液を表11に示した量となるように上記組成物に添加、練合した後、乾燥、整粒し、キノリノン誘導体顆粒を得た(実施例28)。
【0097】
【表11】
【0098】
一週間馴化したアカゲザル(雄、体重:5〜6kg前後)6頭に、カプセル剤又は錠剤の剤形でキノリノン誘導体として200mg/頭の用量で経口投与した。尚、投与後50mlの蒸留水を経口的に与えた。投与後、経時的に大腿静脈より、血液2.0mlを採取し、遠心分離にて血漿を得た。血漿にアセトニトリルを添加して除タンパクした後、HPLCを用いて、キノリノン誘導体及びその代謝物を定量した。
【0099】
各採血時点のキノリノン誘導体及びその代謝物の定量値から最高血中濃度(Cmax)の平均値及び血中濃度時間曲線下面積(AUC)の平均値を求めた。結果を表12に示した。表12に示した結果から、キノリノン誘導体の粉砕品を水溶性高分子と界面活性剤で被覆した錠剤はキノリノン誘導体の粉砕品を水溶性高分子で被覆した錠剤と比べてCmaxが2.3倍、AUCが2.1倍以上であり、更なる吸収性改善効果があることが分る。この結果から、吸収性向上にはキノリノン誘導体粒子を水溶性高分子と界面活性剤で被覆することがより好ましいことが分る。なお、表12中、*は、t検定の結果がp<0.05であることを示す。
【0100】
【表12】
【0101】
【発明の効果】
本発明の医薬組成物は、前記構造式(I)で表わされるキノリノン誘導体を消化管内で速やかに溶出させることができ、且つ保存安定性に優れているので、即時型喘息、遅延型喘息、気管支喘息、小児喘息、過敏性肺臓炎、アトピー性皮膚炎、アレルギー接触性皮膚炎、蕁麻疹、湿疹、アレルギー性鼻炎、花粉症、食物アレルギー、アレルギー性胃腸炎、アレルギー性大腸炎、薬物アレルギー、自己免疫性疾患等、特に、即時型アレルギー性疾患及び遅延型アレルギー性疾患に効果を示す抗アレルギー剤の製剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】キノリノン誘導体の粉砕前後の粉末X線回折図である。
【図2】キノリノン誘導体の粉砕前後において、溶出時間と溶出率との関係を示した図表である。
【図3】キノリノン誘導体を被覆した水溶性高分子の種類による溶出時間と溶出量との関係を示した図表である。
【図4】キノリノン誘導体を被覆するヒドロキシプロピルセルロースの添加率とキノリノン誘導体医薬組成物の崩壊時間の関係を示した図表である。
【図5】キノリノン誘導体を被覆するヒドロキシプロピルセルロースの添加率を変化させたキノリノン誘導体医薬組成物の溶出率と溶出時間との関係を示した図表である。
【図6】キノリノン誘導体医薬組成物に添加した崩壊剤の種類とキノリノン誘導体医薬組成物の崩壊時間との関係を示した図表である。
【図7】キノリノン誘導体医薬組成物に添加した崩壊剤の種類と、キノリノン誘導体医薬組成物の溶出時間と溶出率との関係を示した図表である。
【図8】崩壊剤としてAc−Di−Solを添加したキノリノン誘導体医薬組成物の溶出時間と溶出率との関係を示した図表である。
【図9】水溶性高分子及び界面活性剤で被覆したキノリノン誘導体医薬組成物の溶出時間と溶出量との関係を示した図表である。
Claims (4)
- 前記水溶性高分子がセルロース誘導体である請求項1に記載のキノリノン誘導体医薬組成物。
- 前記キノリノン誘導体医薬組成物がさらに崩壊剤を含む請求項1又は2に記載のキノリノン誘導体医薬組成物。
- 前記崩壊剤が、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム及びクロスポビドンからなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項3に記載のキノリノン誘導体医薬組成物。
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