JP3939532B2 - 知的財産権流通支援システム、管理サーバ、およびプログラム - Google Patents

知的財産権流通支援システム、管理サーバ、およびプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自己の知的財産権を拠出する拠出者と、この拠出者により拠出された知的財産権を利用する利用者との間での知的財産権の流通を支援する知的財産権流通支援システム、管理サーバ、およびプログラムに係り、例えば、休眠特許等の有効活用を図る場合などに利用できる。
【0002】
【背景技術】
一般に、特許出願した発明のうち、特許権を取得できるものの割合は半分以下であり、さらに、そのうち実際に実施される特許発明は極めて少数である。従って、残りの多くの特許発明が実施されることなく、いわゆる休眠状態にある。
【0003】
ところで、特許権等を取得するまでには、技術開発に要する人件費や材料費等の経費、出願費用、設定登録時に支払う特許料等が必要となり、さらに、特許権等を取得した後にも、権利を維持するための年金が必要となる。また、次の技術開発に投資する資金を準備する必要もある。従って、特許権者等は、費用面で、かなり大きな負担を負うため、特許権等の取得や維持に費やした投資分を回収できるような仕組を構築することが望まれる。
【0004】
そこで、従来より、前述したような実施されずに休眠状態にある、いわゆる休眠特許等の有効活用を図るため、データベースを構築してネットワークを用いてその内容の閲覧や登録を行うことができるようにすることにより、自己の保有する休眠特許等にライセンスを付与することを望む企業等のシーズ情報と、それらの休眠特許等を利用したいと考える企業等のニーズ情報とを収集し、これらの情報収集を通じて特許権等の流通を支援するシステムが提供されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の特許権等の流通支援システムでは、シーズ情報とニーズ情報とを突き合わせ、シーズ情報の提供者およびニーズ情報の提供者に対し、お互いを紹介することにより、特許権等の流通を支援することはできるものの、紹介後には、自己の保有する休眠特許等にライセンスを付与することを望む企業等と、休眠特許等を利用したいと考える企業等との間で、個別にライセンス交渉を行わなければならない。
【0006】
従って、開示された休眠特許等のシーズ情報を見て、その技術を利用したいと考える企業等があっても、必ずしもライセンス交渉が成立しない場合がある。このため、自己の保有する休眠特許等にライセンスを付与することを望む企業等にとっては、投資の回収をより一層確実に行うことができ、一方、休眠特許等を利用したいと考える企業等にとっては、希望する技術についてのライセンスをより一層確実に取得することができる流通支援システムの構築が望まれる。
【0007】
また、従来の特許権等の流通支援システムでは、休眠特許等を保有する企業等が、権利を維持するための年金を支払わなければならない。しかし、自己の保有する休眠特許等によりライセンス収入が得られるか否かは不確定であるため、年金を支払ってその権利を維持していくか否かの判断は困難なものであり、また、次の技術開発に投資する資金計画を立てることも困難である。従って、年金を支払って権利を維持していくか否かの困難な判断を回避でき、あるいは、次の技術開発に投資する資金計画を容易に立てることができるような流通支援システムの構築が望まれる。
【0008】
本発明の目的は、知的財産権の有効活用をより一層図ることができる知的財産権流通支援システム、管理サーバ、およびプログラムを提供するところにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、自己の知的財産権を拠出する拠出者と、この拠出者により拠出された知的財産権を利用する利用者との間での知的財産権の流通を支援する知的財産権流通支援方法であって、知的財産権の流通を支援する管理者が運用する管理サーバと、拠出者または拠出者になろうとする拠出希望者が操作する拠出者端末装置とをネットワークを介して接続するとともに、管理サーバと、利用者または利用者になろうとする利用希望者が操作する利用者端末装置とをネットワークを介して接続しておき、管理サーバに接続された管理用データベースに、拠出者により拠出された知的財産権の情報を記憶する拠出権利情報記憶手段と、拠出者により拠出された知的財産権を利用することができる権利を有する会員の情報を記憶する会員情報記憶手段とを設け、管理サーバの拠出者管理手段により、拠出希望者による拠出者端末装置からの知的財産権の拠出の申出の受付を行うとともに、管理サーバの利用者管理手段により、利用希望者による利用者端末装置からの会員となるための会員登録の申込の受付およびこの受付情報の会員情報記憶手段への登録処理と、拠出権利情報記憶手段に記憶された知的財産権の情報を利用者端末装置に送信することによる利用希望者に対する知的財産権の情報の開示と、会員による利用者端末装置からの知的財産権の利用の申込の受付とを行うことを特徴とするものである。
【0010】
ここで、拠出者により拠出される「知的財産権」は、主として特許権または実用新案権であるが、これらに限定されるものではなく、例えば、意匠権、商標権、著作権、半導体集積回路の回路配置権等であってもよく、あるいは特許を受ける権利(出願前のもの、出願中のもの、補償金請求権が発生したもの、特許査定または特許審決を得て初回の第1〜3年分の特許料を支払えば特許権が発生する段階のもの等を含む。)、実用新案登録を受ける権利、意匠登録を受ける権利、商標登録を受ける権利等であってもよい。また、日本の権利のみならず、外国の権利であってもよい。なお、実用新案権の場合には、実用新案技術評価の請求(実用新案法12条)をして権利の有効性について肯定的な評価が得られたものであることが好ましいが、拠出後に管理者が実用新案技術評価の請求を行ってもよい。
【0011】
また、知的財産権の「利用」とは、権利の種類に応じて意味が異なり、例えば、特許権や実用新案権や意匠権の場合には、特許発明や登録実用新案や登録意匠の実施を意味し、商標権の場合には、登録商標の使用を意味し、著作権の場合には、著作物の複製を意味する等である。
【0012】
さらに、「ネットワーク」には、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット、あるいはこれらの組合せ等、様々な形態のものが含まれ、有線であるか無線であるか、さらには有線および無線の混在型であるかは問わず、要するに、複数地点(距離の長短は問わない。)間で、ある程度の速度をもって情報を伝送することができるものであればよい。
【0013】
そして、「拠出者端末装置」および「利用者端末装置」は、主としてコンピュータにより実現されるが、これに限定されるものではなく、例えば、携帯電話機(パーソナル・ハンディフォーン・システム(PHS)も含む。)、パーソナル・デジタル・アシスタンス(PDA)、ゲーム機、腕時計、デジタル・テレビ、あるいはこれらを複合した情報機器等であっても、中央演算処理装置(CPU)の性能、画面の解像度、記憶手段の容量等が本発明に適するものであれば採用することができる。
【0014】
また、「管理サーバ」は、一台のコンピュータあるいは一つのCPUにより実現されるものに限定されず、複数のコンピュータ等で分散処理を行うことにより実現されるものであってもよい。
【0015】
さらに、「拠出者」とは、実際に知的財産権を拠出した者であり、拠出者になろうとする「拠出希望者」とは、これから拠出の申出をする者や拠出の意思を持って本事業に係るシステムへのアクセスを試みる者である。また、「利用者」とは、実際にライセンス契約をしている者(会員のみ)であり、利用者になろうとする「利用希望者」とは、これから利用の申込をする会員や利用の意思を持って本事業に係るシステムへのアクセスを試みる者である。
【0016】
そして、「会員」とは、拠出者により拠出された知的財産権を利用することができる権利を有する者であり、この会員のみが拠出者により拠出された知的財産権の利用の申込をすることができ、また、会員であれば、標準的な条件での非独占的通常実施権の許諾を確実に受けることができる。但し、特別利用条件付の場合(例えば、専用実施権の設定や独占的通常実施権の許諾の場合等)には、利用の申込が許可されない場合もある。
【0017】
また、「拠出者」、「拠出希望者」、「利用者」、「利用希望者」、および「会員」は、それぞれ個人、法人(公益、私益を問わない。)、団体(公益、私益を問わない。)等のいずれであってもよい。そして、「利用者」や「利用希望者」が、別の知的財産権についての「拠出者」や「拠出希望者」となってもよく、あるいは、「拠出者」や「拠出希望者」が別の知的財産権についての「利用者」や「利用希望者」となってもよい。
【0018】
さらに、管理サーバの利用者管理手段により、拠出権利情報記憶手段に記憶された知的財産権の情報を利用者端末装置に送信することにより知的財産権の情報の開示を行う対象となる「利用希望者」とは、会員に限定されるものとしてもよく、会員に限定されないものとしてもよい。
【0019】
このような本発明においては、自己の知的財産権を拠出する拠出者を、ネットワークで接続された管理サーバおよび拠出者端末装置を用いて募集し、このようにして募集した拠出者により拠出された知的財産権を利用することができる権利を有する会員を、ネットワークで接続された管理サーバおよび利用者端末装置を用いて募集し、この会員登録を行った者に対して知的財産権の利用の申込を許可する。
【0020】
従って、知的財産権の利用希望者は、会員登録を行って会員になれば、特別利用条件を付けない限り、利用の申込が許可され、拠出された知的財産権を利用することができるという特権を得る。このため、従来に比べ、より多くのライセンス契約が成立するようになるうえ、ライセンス契約を効率的に行うことが可能となるので、知的財産権の有効活用がより一層図られ、これらにより前記目的が達成される。
【0021】
なお、拠出者により拠出された知的財産権を利用する会員が、非会員との間で、クロスライセンスを締結する行為またはこれに類似する行為を行うことも可能であるが、この場合には、会員登録料(例えば入会金や年会費等)を支払っていない非会員が、拠出者により拠出された知的財産権を利用できる結果となり、会員登録料を支払っている他の会員との公平が保たれなくなるため、法律上定められている管理者の承諾(特許法77条4項等)を得る他に、少なくとも他の会員への告知あるいは他の会員の同意を要するという定めを規定しておくことが好ましい。
【0022】
また、前述した知的財産権流通支援方法において、拠出者による知的財産権の拠出は、管理者が会員に知的財産権を利用させることを前提とし、拠出者が管理者に対して知的財産権を無償譲渡することにより行われるようにしてもよい。
【0023】
このように知的財産権の無償譲渡を行うようにした場合には、拠出者は、権利を維持するための年金を支払う必要がなくなるので、年金を支払って権利を維持していくか否かの困難な判断を回避できるようになる。また、拠出者は、年金の支払が不要となったことから、無理な資金繰り等をする必要がなくなり、次の技術開発に投資する資金計画を立て易くなる。
【0024】
なお、このように知的財産権の無償譲渡を行うようにした場合には、譲受人である管理者が、権利を維持していくための年金を支払うことになる。この際、管理者は、自ら保有する資金で年金を支払ってもよく、投資家から集めた資金で年金を支払ってもよく、これらを併用してもよい。
【0025】
そして、前述した知的財産権流通支援方法において、拠出者による知的財産権の拠出は、拠出者が会員に知的財産権を利用させることを前提とし、拠出者が知的財産権を保有したままの状態で管理者を介して会員に対して知的財産権の情報を開示することにより行われるようにしてもよい。
【0026】
このように知的財産権の譲渡を行わないようにした場合には、拠出者が、権利を維持していくための年金を支払うことになるため、管理者の負担が軽減される。
【0027】
また、前述した知的財産権流通支援方法において、利用希望者による利用者端末装置からの会員となるための会員登録の申込は、知的財産権の属する技術分野毎および/または知的財産権の価値についての評価ランク毎に行われることが望ましい。
【0028】
このように技術分野毎および/または評価ランク毎に会員登録の申込が行われるようにした場合には、利用希望者は、自分に必要な技術、つまり自分が利用を希望する技術についてだけを利用することができる会員となり得る。このため、自分にとって必要のない分野や評価ランクの技術についての会員登録料(例えば、入会金や年会費等)を支払う必要がなくなるので、コスト低減を図ることが可能となる。
【0029】
さらに、前述した知的財産権流通支援方法において、利用者管理手段の対価決定手段により、会員情報記憶手段に記憶された各会員の知的財産権流通支援事業への貢献度に基づき、知的財産権を利用する際に会員が支払う対価を決定することが望ましい。
【0030】
このように各会員の貢献度に基づき対価(例えば、実施料率や実施料額等)を決定するようにした場合には、会員登録をすることの利点が、より一層顕著となるため、会員登録者を増加させることが可能となるうえ、会員特典として、支払う対価を軽減すれば、より多くのライセンス契約を成立させることも可能となる。
【0031】
そして、上記のように各会員の貢献度に基づき対価を決定するようにした場合において、貢献度は、各会員が対価決定対象の知的財産権を利用して現在までに管理者に支払った実施料の累計額と、各会員が対価決定対象の知的財産権以外の知的財産権も含めて管理者との間で現在結んでいるかまたは過去に結んだライセンス契約数と、各会員が対価決定対象の知的財産権以外の知的財産権の利用も含めて現在までに管理者に支払った実施料の総額と、各会員が拠出者として拠出した知的財産権の件数とのうち、少なくとも一つを要因として定められることが望ましい。
【0032】
また、上記のように各会員の貢献度に基づき対価を決定するようにした場合において、対価決定手段による対価の決定は、会員情報記憶手段に記憶された各会員の貢献度に基づいて行われることに加え、拠出権利情報記憶手段に記憶された知的財産権の情報に基づいても行われ、拠出権利情報記憶手段に記憶された知的財産権の情報には、他の会員との契約分も含めて対価決定対象の知的財産権について現在結ばれているライセンス契約数と、対価決定対象の知的財産権の現在の価値を示す現在の評価ランクとのうち、少なくとも一つが対価決定要因として含まれるようにしてもよい。
【0033】
さらに、上記のように各会員の貢献度に基づき対価を決定するようにした場合において、対価決定手段による対価の決定処理を一つのライセンス契約につき時間を置いて複数回行うことにより対価を変動させるようにしてもよい。
【0034】
このように対価を変動させるようにした場合には、各会員の貢献度の変化に応じ、その都度、対価が見直されるので、より適切な対価を利用者から徴収することが可能となり、また、会員の利点をさらに向上させるので、会員登録者を増加させることも可能となる。
【0035】
また、前述した知的財産権流通支援方法において、会員による利用者端末装置からの知的財産権の利用の申込に、特別利用条件に相当する専用実施権の設定または独占的通常実施権の許諾の申込が含まれる場合には、利用者管理手段の特別利用条件処理手段により、会員から特別利用条件での知的財産権の利用の申込があった旨の通知を他の会員が操作する利用者端末装置に送信することによりその旨を他の会員に対して告知し、知的財産権の利用の申込に、特別利用条件での申込が含まれない場合には、他の会員への告知を行うことなく会員に対して通常実施権を許諾することが望ましい。
【0036】
このように特別利用条件処理を行うようにした場合には、会員の公平を保つことが可能となる。すなわち、専用実施権の設定または独占的通常実施権の許諾が行われると、他の会員がその知的財産権を利用できなくなり、他の会員の権利が奪われることになるので、そのようになる可能性がある旨を他の会員に事前に告知することにより、会員の公平を保つことが可能となる。
【0037】
さらに、上記のように特別利用条件処理を行うようにした場合において、告知された他の会員が異議を有するときには、特別利用条件処理手段により、他の会員による利用者端末装置からの異議申立を受け付けた後、オークションを実施して利用の申込に係る知的財産権の利用者を決定することが望ましい。
【0038】
このように他の会員からの異議申立を受け付けてオークションを実施するようにした場合には、より一層の会員の公平を保つことが可能となる。
【0039】
そして、前述した知的財産権流通支援方法において、管理サーバと、拠出者により拠出されて管理者により維持・運用される知的財産権に投資する投資家が操作する投資家端末装置とをネットワークを介して接続しておき、管理サーバに接続された管理用データベースに、管理者による知的財産権の運用状況を開示するための運用状況開示画面を記憶する運用状況開示画面記憶手段を設け、管理サーバの投資家管理手段により、運用状況開示画面記憶手段に記憶された運用状況開示画面を投資家端末装置に送信することにより投資家に対して運用状況を開示するとともに、投資家による投資家端末装置からの証券購入の申込を受け付けることが望ましい。
【0040】
ここで、「投資家端末装置」は、「拠出者端末装置」および「利用者端末装置」と同様に、主としてコンピュータにより実現されるが、これに限定されるものではなく、例えば、携帯電話機(パーソナル・ハンディフォーン・システム(PHS)も含む。)、パーソナル・デジタル・アシスタンス(PDA)、ゲーム機、腕時計、デジタル・テレビ、あるいはこれらを複合した情報機器等であっても、中央演算処理装置(CPU)の性能、画面の解像度、記憶手段の容量等が本発明に適するものであれば採用することができる。
【0041】
また、「投資家」は、個人、法人(公益、私益を問わない。)、団体(公益、私益を問わない。)等のいずれであってもよい。そして、「拠出者」、「拠出希望者」、「利用者」、「利用希望者」、「会員」が、「投資家」となってもよい。
【0042】
このように拠出者により拠出されて管理者により維持・運用される知的財産権について証券を発行して投資家から資金を集めるようにした場合には、権利を維持するための年金の支払いに必要な資金を投資家から調達することが可能となるので、管理者の負担が軽減される。
【0043】
さらに、上記のように拠出者により拠出されて管理者により維持・運用される知的財産権について証券を発行して投資家から資金を集めるようにした場合において、投資家による投資家端末装置からの証券購入の申込は、知的財産権の属する技術分野毎および/または知的財産権の価値についての評価ランク毎に行われることが望ましい。
【0044】
このように技術分野毎および/または評価ランク毎に証券購入の申込を行うようにした場合には、投資家は、自分が投資したい技術、つまり自分が利益をあげることができると考える分野や評価ランクの技術に対してだけ投資を行うことができるので、投資家の投資効率を向上させることが可能となる。従って、結果的に、投資家からの資金調達が、より一層容易になる。
【0045】
また、以上に述べた本発明の知的財産権流通支援方法を実現するシステムとして、以下のような本発明の知的財産権流通支援システムを挙げることができる。
【0046】
すなわち、本発明は、自己の知的財産権を拠出する拠出者と、この拠出者により拠出された知的財産権を利用する利用者との間での知的財産権の流通を支援する知的財産権流通支援システムであって、知的財産権の流通を支援する管理者が運用する管理サーバと、この管理サーバとネットワークを介して接続されて拠出者または拠出者になろうとする拠出希望者が操作する拠出者端末装置と、管理サーバとネットワークを介して接続されて利用者または利用者になろうとする利用希望者が操作する利用者端末装置と、管理サーバに接続された管理用データベースとを備え、管理サーバは、拠出者または拠出希望者との間で送受信される情報を管理する拠出者管理手段と、利用者または利用希望者との間で送受信される情報を管理する利用者管理手段とを有し、管理用データベースは、拠出者により拠出された知的財産権の情報を記憶する拠出権利情報記憶手段と、拠出者により拠出された知的財産権を利用することができる権利を有する会員の情報を記憶する会員情報記憶手段とを含み、管理サーバの拠出者管理手段は、拠出希望者による拠出者端末装置からの知的財産権の拠出の申出を受け付ける拠出申出受付手段を含み、管理サーバの利用者管理手段は、利用希望者による利用者端末装置からの会員となるための会員登録の申込を受け付けてこの受け付けた情報を会員情報記憶手段に記憶させる会員登録申込受付手段と、拠出権利情報記憶手段に記憶された知的財産権の情報を利用者端末装置に送信することにより利用希望者に対して知的財産権の情報を開示する拠出権利情報開示手段と、会員による利用者端末装置からの知的財産権の利用の申込を受け付ける利用申込受付手段とを含むことを特徴とするものである。
【0047】
このような本発明においては、自己の知的財産権を拠出する拠出者を、ネットワークで接続された管理サーバおよび拠出者端末装置を用いて募集し、このようにして募集した拠出者により拠出された知的財産権を利用することができる権利を有する会員を、ネットワークで接続された管理サーバおよび利用者端末装置を用いて募集し、この会員登録を行った者に対して知的財産権の利用の申込を許可する。
【0048】
従って、前述した本発明の知的財産権流通支援方法で得られる作用・効果がそのまま得られ、知的財産権の利用希望者は、会員登録を行って会員になれば、特別利用条件を付けない限り、利用の申込が許可され、拠出された知的財産権を利用することができるという特権を得る。このため、従来に比べ、より多くのライセンス契約が成立するようになるうえ、ライセンス契約を効率的に行うことが可能となるので、知的財産権の有効活用がより一層図られ、これらにより前記目的が達成される。
【0049】
また、前述した知的財産権流通支援システムにおいて、管理用データベースは、利用希望者が利用者端末装置で拠出権利情報記憶手段に記憶された知的財産権の情報を検索するための検索条件を入力するための検索画面を記憶する検索画面記憶手段を含み、拠出権利情報開示手段は、利用希望者が利用者端末装置で検索画面を用いて入力した検索条件に基づき、拠出権利情報記憶手段に記憶された知的財産権の情報を検索する処理を行う拠出権利情報検索手段を含む構成とすることが望ましい。
【0050】
ここで、検索条件を入力する「利用希望者」とは、会員に限定されるものとしてもよく、会員に限定されないものとしてもよい。
【0051】
このように拠出権利情報開示手段を、拠出権利情報検索手段を含む構成とした場合には、利用希望者が、拠出者により拠出された知的財産権の中から、自己の利用したいと考える技術を容易に見つけることが可能となり、システムの使い勝手が向上し、利用希望者の手間が軽減されるうえ、利用を希望する技術が見つかり易いことから、より一層多くのライセンス契約を成立させることが可能となる。
【0052】
さらに、前述した知的財産権流通支援システムにおいて、管理用データベースは、拠出権利情報記憶手段に記憶された知的財産権の情報を検索するための検索条件を予め登録して記憶しておく検索条件記憶手段と、会員となった利用希望者が利用者端末装置で検索条件を入力するための検索条件登録画面を記憶する検索条件登録画面記憶手段とを含み、利用者管理手段は、会員となった利用希望者が利用者端末装置で検索条件登録画面を用いて入力した検索条件を受信して検索条件記憶手段に記憶させる検索条件登録処理手段と、検索条件記憶手段に記憶された検索条件に基づき、拠出権利情報記憶手段に記憶された知的財産権の情報を検索し、合致する情報を利用者端末装置に送信する登録条件合致情報送信手段とを含む構成とすることが望ましい。
【0053】
ここで、登録条件合致情報送信手段による自動検索および自動送信の実行タイミングは任意であり、例えば、毎日、3日置き、1週間置き等、定期的に行うようにしてもよく、あるいは新しい知的財産権の拠出がある都度に行うようにしてもよい。
【0054】
このように予め登録した検索条件により自動検索を行う構成とした場合には、利用希望者は、毎回同じ条件(自己が利用を希望する技術等を指定するための条件)を入力して検索を行う必要はなくなるので、システムの使い勝手が向上し、利用希望者の手間が軽減されるうえ、利用を希望する技術が見つかり易くなることから、より一層多くのライセンス契約を成立させることが可能となる。
【0055】
そして、前述した知的財産権流通支援システムにおいて、管理サーバの拠出者管理手段は、拠出権利情報記憶手段に記憶された拠出者の情報を含む知的財産権の情報に基づき、拠出者が管理者に知的財産権を譲渡する旨の譲渡書の少なくとも一部を作成する譲渡書作成手段と、拠出権利情報記憶手段に記憶された拠出者の情報を含む知的財産権の情報に基づき、拠出者から管理者への知的財産権の移転登録をする際の移転登録申請書の少なくとも一部を作成する移転登録申請書作成手段と、拠出権利情報記憶手段に記憶された拠出者の情報を含む知的財産権の情報に基づき、管理者が拠出者に対して通常実施権を許諾する旨の通常実施権許諾証書の少なくとも一部を作成する通常実施権許諾証書作成手段と、拠出権利情報記憶手段に記憶された拠出者の情報を含む知的財産権の情報に基づき、管理者が拠出者に対して許諾した通常実施権を設定登録する際の通常実施権設定登録申請書の少なくとも一部を作成する通常実施権設定登録申請書作成手段とのうち、少なくとも一つの作成手段を含む構成とすることが望ましい。
【0056】
ここで、以上の各種書類の作成は、拠出者が管理者に知的財産権を譲渡した場合に行われるものである。
【0057】
このように拠出者と管理者との間の契約で必要とされる書類を自動作成する構成とした場合には、拠出者と管理者との間の契約を迅速かつ円滑に行うことができるようになり、知的財産権流通支援事業が効率的に行われるうえ、拠出者や管理者の手間も軽減される。
【0058】
また、前述した知的財産権流通支援システムにおいて、管理サーバの利用者管理手段は、会員情報記憶手段に記憶された知的財産権の利用情報を含む会員の情報に基づき、管理者が会員に対して通常実施権を許諾する旨の通常実施権許諾証書の少なくとも一部を作成する通常実施権許諾証書作成手段と、会員情報記憶手段に記憶された知的財産権の利用情報を含む会員の情報に基づき、管理者が会員に対して専用実施権を設定する旨の専用実施権設定契約証書の少なくとも一部を作成する専用実施権設定契約証書作成手段と、会員情報記憶手段に記憶された知的財産権の利用情報を含む会員の情報に基づき、管理者が会員に対して許諾した通常実施権を設定登録する際の通常実施権設定登録申請書の少なくとも一部を作成する通常実施権設定登録申請書作成手段と、会員情報記憶手段に記憶された知的財産権の利用情報を含む会員の情報に基づき、管理者が会員に対して専用実施権を設定登録する際の専用実施権設定登録申請書の少なくとも一部を作成する専用実施権設定登録申請書作成手段とのうち、少なくとも一つの作成手段を含む構成とすることが望ましい。
【0059】
ここで、以上の各種書類の作成は、拠出者が管理者に知的財産権を譲渡した場合に行われるものである。
【0060】
このように会員(利用希望者)と管理者との間の契約で必要とされる書類を自動作成する構成とした場合には、会員と管理者との間の契約を迅速かつ円滑に行うことができるようになり、知的財産権流通支援事業が効率的に行われるうえ、会員や管理者の手間も軽減される。
【0061】
さらに、前述した知的財産権流通支援システムにおいて、管理サーバは、拠出権利情報記憶手段に記憶された拠出者の情報を含む知的財産権の情報および会員情報記憶手段に記憶された知的財産権の利用情報を含む会員の情報に基づき、拠出者が会員に対して通常実施権を許諾する旨の通常実施権許諾証書の少なくとも一部を作成する通常実施権許諾証書作成手段と、拠出権利情報記憶手段に記憶された拠出者の情報を含む知的財産権の情報および会員情報記憶手段に記憶された知的財産権の利用情報を含む会員の情報に基づき、拠出者が会員に対して専用実施権を設定する旨の専用実施権設定契約証書の少なくとも一部を作成する専用実施権設定契約証書作成手段と、拠出権利情報記憶手段に記憶された拠出者の情報を含む知的財産権の情報および会員情報記憶手段に記憶された知的財産権の利用情報を含む会員の情報に基づき、拠出者が会員に対して許諾した通常実施権を設定登録する際の通常実施権設定登録申請書の少なくとも一部を作成する通常実施権設定登録申請書作成手段と、拠出権利情報記憶手段に記憶された拠出者の情報を含む知的財産権の情報および会員情報記憶手段に記憶された知的財産権の利用情報を含む会員の情報に基づき、拠出者が会員に対して専用実施権を設定登録する際の専用実施権設定登録申請書の少なくとも一部を作成する専用実施権設定登録申請書作成手段とのうち、少なくとも一つの作成手段を含む構成とすることが望ましい。
【0062】
ここで、以上の各種書類の作成は、拠出者が管理者に知的財産権を譲渡せずに、そのまま保有する場合に行われるものである。
【0063】
このように拠出者と会員(利用希望者)との間の契約で必要とされる書類を自動作成する構成とした場合には、拠出者と会員との間の契約を迅速かつ円滑に行うことができるようになり、知的財産権流通支援事業が効率的に行われるうえ、拠出者や会員の手間も軽減される。
【0064】
そして、前述した知的財産権流通支援システムにおいて、会員情報記憶手段には、各会員の知的財産権流通支援事業への貢献度が各会員毎に記憶され、管理サーバの利用者管理手段は、会員情報記憶手段に記憶された各会員の貢献度に基づき、知的財産権を利用する際に会員が支払う対価を決定する対価決定手段を含む構成とすることが望ましい。
【0065】
このように各会員の貢献度に基づき対価(例えば、実施料率や実施料額等)を決定するようにした場合には、会員登録をすることの利点が、より一層顕著となるため、会員登録者を増加させることが可能となるうえ、会員特典として、支払う対価を軽減すれば、より多くのライセンス契約を成立させることも可能となる。
【0066】
また、上記のように各会員の貢献度に基づき対価を決定するようにした場合において、会員情報記憶手段に記憶された各会員の貢献度は、各会員が対価決定対象の知的財産権を利用して現在までに管理者に支払った実施料の累計額と、各会員が対価決定対象の知的財産権以外の知的財産権も含めて管理者との間で現在結んでいるかまたは過去に結んだライセンス契約数と、各会員が対価決定対象の知的財産権以外の知的財産権の利用も含めて現在までに管理者に支払った実施料の総額と、各会員が拠出者として拠出した知的財産権の件数とのうち、少なくとも一つを要因として定められる構成とすることが望ましい。
【0067】
さらに、上記のように各会員の貢献度に基づき対価を決定するようにした場合において、対価決定手段は、会員情報記憶手段に記憶された各会員の貢献度に加えて拠出権利情報記憶手段に記憶された知的財産権の情報に基づき、対価を決定する構成とされ、拠出権利情報記憶手段に記憶された知的財産権の情報には、他の会員との契約分も含めて対価決定対象の知的財産権について現在結ばれているライセンス契約数と、対価決定対象の知的財産権の現在の価値を示す現在の評価ランクとのうち、少なくとも一つが対価決定要因として含まれる構成としてもよい。
【0068】
そして、前述した知的財産権流通支援システムにおいて、利用申込受付手段は、会員による利用者端末装置からの知的財産権の利用の申込に含まれる特別利用条件に相当する専用実施権の設定または独占的通常実施権の許諾の申込に対する処理を行う特別利用条件処理手段を含み、この特別利用条件処理手段は、会員から特別利用条件での知的財産権の利用の申込があった旨の通知を他の会員が操作する利用者端末装置に送信することによりその旨を他の会員に対して告知する告知手段を含む構成とすることが望ましい。
【0069】
このように特別利用条件処理を行う構成とした場合には、会員の公平を保つことが可能となる。すなわち、専用実施権の設定または独占的通常実施権の許諾が行われると、他の会員がその知的財産権を利用できなくなり、他の会員の権利が奪われることになるので、そのようになる可能性がある旨を他の会員に事前に告知することにより、会員の公平を保つことが可能となる。
【0070】
また、上記のように特別利用条件処理を行う構成とした場合において、特別利用条件処理手段は、告知手段による通知を受信した他の会員による利用者端末装置からの異議申立を受け付ける異議申立受付手段と、会員(特別利用条件での利用の申込を行った会員)および異議申立を行った他の会員がそれぞれ操作する各利用者端末装置に対してオークション実施通知を送信するオークション実施通知送信手段と、オークション実施通知を受信した会員(特別利用条件での利用の申込を行った会員)および異議申立を行った他の会員による各利用者端末装置からの入札条件を受信する入札条件受信手段と、この入札条件受信手段により受信した各入札条件に基づき、利用の申込に係る知的財産権の利用者を決定する利用者決定手段とを含む構成とすることが望ましい。
【0071】
このように他の会員からの異議申立を受け付けてオークションを実施する構成とした場合には、より一層の会員の公平を保つことが可能となる。
【0072】
そして、前述した知的財産権流通支援システムにおいて、管理サーバとネットワークを介して接続されて投資家が操作する投資家端末装置を備え、管理サーバは、拠出者により拠出されて管理者により維持・運用される知的財産権に投資する投資家との間で送受信される情報を管理する投資家管理手段を有し、管理用データベースは、管理者による知的財産権の運用状況を開示するための運用状況開示画面を記憶する運用状況開示画面記憶手段を含み、管理サーバの投資家管理手段は、運用状況開示画面記憶手段に記憶された運用状況開示画面を投資家端末装置に送信することにより投資家に対して運用状況を開示する運用状況開示手段と、投資家による投資家端末装置からの証券購入の申込を受け付ける証券購入申込受付手段とを含む構成とすることが望ましい。
【0073】
このように拠出者により拠出されて管理者により維持・運用される知的財産権について証券を発行して投資家から資金を集める構成とした場合には、権利を維持するための年金の支払いに必要な資金を投資家から調達することが可能となるので、管理者の負担が軽減される。
【0074】
また、上記のように拠出者により拠出されて管理者により維持・運用される知的財産権について証券を発行して投資家から資金を集める構成とした場合において、管理サーバの投資家管理手段は、管理者による知的財産権の運用についての投資家の意見を投資家端末装置から受信して収集する投資家意見収集手段を含む構成とすることが望ましい。
【0075】
このように投資家意見収集手段を設けた場合には、例えば、管理者による知的財産権の運用、知的財産権の価値についての評価、配当等に関し、投資家から意見を収集することが可能となり、管理者は、より一層適切な知的財産権流通支援事業を営むことができるようになる。
【0076】
さらに、前述した知的財産権流通支援システムにおいて、管理サーバは、拠出者により拠出された知的財産権が侵害されている事実またはその証拠の発見と、拠出者により拠出された知的財産権の有効性を否定する文献または事実の発見と、拠出者により拠出された知的財産権と利用・抵触関係にある権利の発見とのうち、少なくとも一つの発見の報告を収集する侵害事実収集手段を有し、管理用データベースは、発見の報告を行う発見者が報告事項を入力するための侵害事実発見連絡画面を記憶する侵害事実発見連絡画面記憶手段を含む構成とすることが望ましい。
【0077】
ここで、「発見者」は、「拠出者」、「拠出希望者」、「利用者」、「利用希望者」、「会員」、および「投資家」のいずれであってもよい。
【0078】
このように侵害事実等の発見の連絡により侵害事実等を収集できる構成とした場合には、管理者が、侵害事実等を迅速に把握することが可能となるので、例えば、弁理士や弁護士等の関係者、あるいは紛争の仲裁・調整等を行う関連団体に連絡する等の対応措置を迅速に取ることが可能となる。このため、管理者は、問題を早期に解決し、より一層適切な知的財産権流通支援事業を営むことができるようになる。
【0079】
そして、上記のように侵害事実等の発見の連絡により侵害事実等を収集できる構成とした場合において、侵害事実発見連絡画面は、入力する報告事項に証拠画像を添付可能な構成とされていることが望ましい。
【0080】
このように証拠画像を添付可能な構成とした場合には、例えば、デジタル・カメラ、あるいは携帯電話機等の携帯型情報端末装置に装着されたカメラ等の撮像手段を用いて侵害発見現場で証拠を撮影し、得られた画像データを、撮像手段を備えた機器や装置から直接に、または別の機器や装置を介して管理サーバに送信することが可能となる。このため、侵害事実等の収集が容易になるうえ、その信頼性の向上を図ることも可能となる。なお、このような意味で、発見者が操作する拠出者端末装置、利用者端末装置、あるいは投資家端末装置は、侵害発見現場等まで持ち運ぶことができる携帯型情報端末装置であってもよい。
【0081】
また、本発明は、自己の知的財産権を拠出する拠出者と、この拠出者により拠出された知的財産権を利用する利用者との間での知的財産権の流通を支援する知的財産権流通支援システムを構成するために、知的財産権の流通を支援する管理者が運用する管理サーバであって、拠出者または拠出者になろうとする拠出希望者が操作する拠出者端末装置とネットワークを介して接続されるとともに、利用者または利用者になろうとする利用希望者が操作する利用者端末装置とネットワークを介して接続され、拠出者により拠出された知的財産権の情報を記憶する拠出権利情報記憶手段と、拠出者により拠出された知的財産権を利用することができる権利を有する会員の情報を記憶する会員情報記憶手段とを含む管理用データベースが接続され、拠出者または拠出希望者との間で送受信される情報を管理する拠出者管理手段と、利用者または利用希望者との間で送受信される情報を管理する利用者管理手段とを有し、拠出者管理手段は、拠出希望者による拠出者端末装置からの知的財産権の拠出の申出を受け付ける拠出申出受付手段を含み、利用者管理手段は、利用希望者による利用者端末装置からの会員となるための会員登録の申込を受け付けてこの受け付けた情報を会員情報記憶手段に記憶させる会員登録申込受付手段と、拠出権利情報記憶手段に記憶された知的財産権の情報を利用者端末装置に送信することにより利用希望者に対して知的財産権の情報を開示する拠出権利情報開示手段と、会員による利用者端末装置からの知的財産権の利用の申込を受け付ける利用申込受付手段とを含むことを特徴とするものである。
【0082】
さらに、本発明は、自己の知的財産権を拠出する拠出者と、この拠出者により拠出された知的財産権を利用する利用者との間での知的財産権の流通を支援する知的財産権流通支援システムとして、コンピュータを機能させるためのプログラムであって、知的財産権の流通を支援する管理者が運用する管理サーバと、この管理サーバとネットワークを介して接続されて拠出者または拠出者になろうとする拠出希望者が操作する拠出者端末装置と、管理サーバとネットワークを介して接続されて利用者または利用者になろうとする利用希望者が操作する利用者端末装置と、管理サーバに接続された管理用データベースとを備え、管理サーバは、拠出者または拠出希望者との間で送受信される情報を管理する拠出者管理手段と、利用者または利用希望者との間で送受信される情報を管理する利用者管理手段とを有し、管理用データベースは、拠出者により拠出された知的財産権の情報を記憶する拠出権利情報記憶手段と、拠出者により拠出された知的財産権を利用することができる権利を有する会員の情報を記憶する会員情報記憶手段とを含み、管理サーバの拠出者管理手段は、拠出希望者による拠出者端末装置からの知的財産権の拠出の申出を受け付ける拠出申出受付手段を含み、管理サーバの利用者管理手段は、利用希望者による利用者端末装置からの会員となるための会員登録の申込を受け付けてこの受け付けた情報を会員情報記憶手段に記憶させる会員登録申込受付手段と、拠出権利情報記憶手段に記憶された知的財産権の情報を利用者端末装置に送信することにより利用希望者に対して知的財産権の情報を開示する拠出権利情報開示手段と、会員による利用者端末装置からの知的財産権の利用の申込を受け付ける利用申込受付手段とを含むことを特徴とする知的財産権流通支援システムとして、コンピュータを機能させるためのものである。
【0083】
そして、本発明は、自己の知的財産権を拠出する拠出者と、この拠出者により拠出された知的財産権を利用する利用者との間での知的財産権の流通を支援する知的財産権流通支援システムを構成するために、知的財産権の流通を支援する管理者が運用する管理サーバとして、コンピュータを機能させるためのプログラムであって、拠出者または拠出者になろうとする拠出希望者が操作する拠出者端末装置とネットワークを介して接続されるとともに、利用者または利用者になろうとする利用希望者が操作する利用者端末装置とネットワークを介して接続され、拠出者により拠出された知的財産権の情報を記憶する拠出権利情報記憶手段と、拠出者により拠出された知的財産権を利用することができる権利を有する会員の情報を記憶する会員情報記憶手段とを含む管理用データベースが接続され、拠出者または拠出希望者との間で送受信される情報を管理する拠出者管理手段と、利用者または利用希望者との間で送受信される情報を管理する利用者管理手段とを有し、拠出者管理手段は、拠出希望者による拠出者端末装置からの知的財産権の拠出の申出を受け付ける拠出申出受付手段を含み、利用者管理手段は、利用希望者による利用者端末装置からの会員となるための会員登録の申込を受け付けてこの受け付けた情報を会員情報記憶手段に記憶させる会員登録申込受付手段と、拠出権利情報記憶手段に記憶された知的財産権の情報を利用者端末装置に送信することにより利用希望者に対して知的財産権の情報を開示する拠出権利情報開示手段と、会員による利用者端末装置からの知的財産権の利用の申込を受け付ける利用申込受付手段とを含むことを特徴とする管理サーバとして、コンピュータを機能させるためのものである。
【0084】
なお、本発明のプログラムまたはその一部は、例えば、光磁気ディスク(MO)、コンパクトディスク(CD)を利用した読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)を利用した読出し専用メモリ(DVD−ROM)、DVDを利用したランダム・アクセス・メモリ(DVD−RAM)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等の記録媒体に記録して保存や流通等させることが可能であるとともに、例えば、LAN、MAN、WAN、インターネット、イントラネット、エクストラネット等の有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにはこれらの組合せ等の伝送媒体を用いて伝送することが可能であり、また、搬送波に載せて搬送することも可能である。さらに、本発明のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。
【0085】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の各実施形態について図面を参照して説明する。
【0086】
[第一実施形態]
図1には、本発明の第一実施形態の知的財産権流通支援システム10の全体構成が示され、図2には、知的財産権流通支援システム10の要部の詳細構成が示されている。また、図3および図4は、知的財産権流通支援事業の全体の処理の流れを示すフローチャートであり、図5〜図12は、知的財産権流通支援事業のうち知的財産権流通支援システム10を用いて行われる処理の流れを示すフローチャートである。さらに、図13〜図24には、知的財産権流通支援システム10を用いて行われる処理における画面例が示され、図25は、これらの図13〜図24の各画面の画面遷移の説明図である。
【0087】
この知的財産権流通支援システム10は、自己の知的財産権(ここでは、特許権または実用新案権とする。)を拠出する拠出者と、この拠出者により拠出された知的財産権を利用する利用者との間での知的財産権の流通を支援するシステムであり、拠出者が、自己の知的財産権を管理者に無償譲渡し、譲受人である管理者が、利用者に実施権を設定・許諾して知的財産権を利用させる形態を採るものである。また、権利の維持に要する費用は、管理者が特許庁に支払うが、この費用の少なくとも一部は、投資家から調達することを前提としている。
【0088】
図1において、知的財産権流通支援システム10は、知的財産権の流通を支援する管理者が運用する管理サーバ20と、この管理サーバ20とネットワーク1を介して接続された拠出者端末装置30と、管理サーバ20とネットワーク1を介して接続された利用者端末装置40と、管理サーバ20とネットワーク1を介して接続された投資家端末装置50と、管理サーバ20に接続された管理用データベース60とを備えて構成されている。
【0089】
拠出者端末装置30は、拠出者または拠出者になろうとする拠出希望者が操作する装置である。また、利用者端末装置40は、利用者(会員)または利用者になろうとする利用希望者が操作する装置である。さらに、投資家端末装置50は、拠出者により拠出されて管理者により維持・運用される知的財産権に投資する投資家が操作する装置である。なお、拠出者、拠出希望者、利用者、利用希望者、および投資家は、それぞれ個人、法人(公益、私益を問わない。)、団体(公益、私益を問わない。)等のいずれであってもよく、日本企業等であるか外国企業等であるかも問わない。そして、利用者や利用希望者が、別の知的財産権についての拠出者や拠出希望者となってもよく、あるいは、拠出者や拠出希望者が別の知的財産権についての利用者や利用希望者となってもよい。また、拠出者、拠出希望者、利用者、または利用希望者が、投資家になってもよい。
【0090】
ネットワーク1は、本実施形態では、インターネットおよび携帯電話網を含んで構成されている。
【0091】
管理サーバ20、拠出者端末装置30、利用者端末装置40、および投資家端末装置50は、例えば、コンピュータ、あるいは携帯電話機やPDA等の携帯型情報端末装置等により構成されている。そして、本実施形態では、管理サーバ20は、少なくともWWWサーバの機能を備え、拠出者端末装置30、利用者端末装置40、および投資家端末装置50には、それぞれWWWブラウザが搭載されている。
【0092】
図2において、管理サーバ20は、拠出者または拠出希望者との間で送受信される情報を管理する拠出者管理手段21と、利用者または利用希望者との間で送受信される情報を管理する利用者管理手段22と、投資家との間で送受信される情報を管理する投資家管理手段23と、侵害事実等を収集する侵害事実収集手段24とを備えている。
【0093】
拠出者管理手段21は、拠出希望者による拠出者端末装置30からの知的財産権の拠出の申出を受け付ける拠出申出受付手段21Aと、拠出者が管理者に知的財産権を譲渡する旨の譲渡書の少なくとも一部を作成する譲渡書作成手段21Bと、拠出者から管理者への知的財産権の移転登録をする際の移転登録申請書の少なくとも一部を作成する移転登録申請書作成手段21Cと、管理者が拠出者に対して通常実施権を許諾する旨の通常実施権許諾証書の少なくとも一部を作成する通常実施権許諾証書作成手段21Dと、管理者が拠出者に対して許諾した通常実施権を設定登録する際の通常実施権設定登録申請書の少なくとも一部を作成する通常実施権設定登録申請書作成手段21Eと、管理者が利用者から得たライセンス収入を分配して拠出者に対して支払う際にその旨の通知を拠出者端末装置30に送信する支払通知手段21Fとを備えている。
【0094】
拠出申出受付手段21Aは、拠出申出画面記憶手段61Bに記憶された拠出申出画面90(図14参照)を拠出者端末装置30に送信し、拠出者によりこの拠出申出画面90を用いて入力された入力データを受信し、受信したデータを拠出権利情報記憶手段62に記憶させるものである。
【0095】
譲渡書作成手段21Bは、譲渡書フォーム記憶手段68Aに記憶された譲渡書フォームを用いて、拠出権利情報記憶手段62に記憶された拠出者の情報を含む知的財産権の情報に基づき、拠出者が管理者に知的財産権を譲渡する旨の譲渡書の少なくとも一部を自動作成するものである。本第一実施形態では、無償譲渡を行うものとする。本実施形態では、作成対象となる譲渡書の「少なくとも一部」には、本文や、譲渡人である拠出者および譲受人である管理者のそれぞれの住所又は居所および氏名又は名称が含まれる。つまり、捺印以外の全ての部分が、譲渡書作成手段21Bにより作成される。この譲渡書には、譲渡人である拠出者が、無償の実施権を留保する旨を記載しておいてもよい。
【0096】
移転登録申請書作成手段21Cは、移転登録申請書フォーム記憶手段68Bに記憶された移転登録申請書フォームを用いて、拠出権利情報記憶手段62に記憶された拠出者の情報を含む知的財産権の情報に基づき、拠出者から管理者への知的財産権の移転登録をする際の移転登録申請書(特許登録令施行規則10条、様式7)の少なくとも一部を自動作成するものである。本実施形態では、作成対象となる移転登録申請書の「少なくとも一部」には、特許番号や権利の表示等、あるいは申請人(登録権利者)およびその代理人、並びに申請人(登録義務者)およびその代理人のそれぞれの住所又は居所および氏名又は名称が含まれる。つまり、捺印、収入印紙の貼付、および添付書面以外の全ての部分が、移転登録申請書作成手段21Cにより作成される。
【0097】
通常実施権許諾証書作成手段21Dは、通常実施権許諾証書フォーム記憶手段68Cに記憶された通常実施権許諾証書フォームを用いて、拠出権利情報記憶手段62に記憶された拠出者の情報を含む知的財産権の情報に基づき、管理者が拠出者に対して通常実施権を許諾する旨の通常実施権許諾証書の少なくとも一部を自動作成するものである。本実施形態では、作成対象となる通常実施権許諾証書の「少なくとも一部」には、本文や、ライセンサーである管理者およびライセンシーである拠出者のそれぞれの住所又は居所および氏名又は名称が含まれる。つまり、捺印以外の全ての部分が、通常実施権許諾証書作成手段21Dにより作成される。なお、この通常実施権許諾証書は、その記載内容を、譲渡書作成手段21Bにより作成される特許権や実用新案権の譲渡書に含ませた場合には、作成しなくてよい。
【0098】
通常実施権設定登録申請書作成手段21Eは、通常実施権設定登録申請書フォーム記憶手段68Eに記憶された通常実施権設定登録申請書フォームを用いて、拠出権利情報記憶手段62に記憶された拠出者の情報を含む知的財産権の情報に基づき、管理者が拠出者に対して許諾した通常実施権を設定登録する際の通常実施権設定登録申請書(特許登録令施行規則10条、様式10)の少なくとも一部を自動作成するものである。本実施形態では、作成対象となる通常実施権設定登録申請書の「少なくとも一部」には、特許番号や権利の表示等、あるいは申請人(登録権利者)およびその代理人、並びに申請人(登録義務者)およびその代理人のそれぞれの住所又は居所および氏名又は名称が含まれる。つまり、捺印、収入印紙の貼付、および添付書面以外の全ての部分が、通常実施権設定登録申請書作成手段21Eにより作成される。なお、この通常実施権は、登録しなくても発生するが、管理者が第三者に特許権等を譲渡してしまう可能性等も考慮し、特許権等の転得者等への対抗力(特許法99条1項)を保持するため登録しておくことが好ましい。
【0099】
支払通知手段21Fによる支払通知の送信は、例えば、図示されないメールサーバを介した電子メールの送信等により実現される。
【0100】
利用者管理手段22は、利用希望者による利用者端末装置40からの会員となるための会員登録の申込を受け付ける会員登録申込受付手段22Aと、会員登録を行って会員となった者に会員識別情報であるIDおよびパスワードを付与する会員識別情報付与手段22Bと、拠出権利情報記憶手段62に記憶された知的財産権の情報を利用希望者に開示する拠出権利情報開示手段22Cと、会員による利用者端末装置40からの知的財産権の利用の申込を受け付ける利用申込受付手段22Eとを備えている。
【0101】
また、利用者管理手段22は、管理者が会員に対して専用実施権を設定する旨の専用実施権設定契約証書の少なくとも一部を作成する専用実施権設定契約証書作成手段22Gと、管理者が会員に対して通常実施権を許諾する旨の通常実施権許諾証書の少なくとも一部を作成する通常実施権許諾証書作成手段22Hと、管理者が会員に対して専用実施権を設定登録する際の専用実施権設定登録申請書の少なくとも一部を作成する専用実施権設定登録申請書作成手段22Jと、管理者が会員に対して許諾した通常実施権を設定登録する際の通常実施権設定登録申請書の少なくとも一部を作成する通常実施権設定登録申請書作成手段22Kとを備えている。
【0102】
さらに、利用者管理手段22は、会員となった利用希望者が予め検索条件を登録しておく処理を行う検索条件登録処理手段22Lと、登録された検索条件に合致する知的財産権の情報を利用者端末装置40に送信する登録条件合致情報送信手段22Mと、各会員の知的財産権流通支援事業への貢献度等に基づき知的財産権を利用する際に会員が支払う対価を決定する対価決定手段22Nと、知的財産権を利用する会員に管理者に対する対価の支払義務が発生した際にその支払時期や支払金額や支払方法等を通知する支払義務通知手段22Pとを備えている。
【0103】
会員登録申込受付手段22Aは、会員規約画面記憶手段61Cに記憶された会員規約画面130(図15参照)および会員登録画面記憶手段61Dに記憶された会員登録画面140(図16参照)を利用者端末装置40に送信し、利用希望者によりこの会員登録画面140を用いて入力された入力データを受信し、受信したデータを会員情報記憶手段63に記憶させるものである。
【0104】
会員識別情報付与手段22Bにより付与される会員識別情報であるIDおよびパスワードは、会員にしか認められない操作が行われたときに、会員であることの認証に使用されるものである。例えば、図17の利用者メニュー画面160において「検索条件登録」ボタン162をクリックして行う検索条件の登録処理、あるいは「利用申込」ボタン163をクリックして行う利用申込処理等の際の認証である。
【0105】
拠出権利情報開示手段22Cは、利用希望者の閲覧要求に応じ、拠出権利情報記憶手段62に記憶された知的財産権の情報を利用者端末装置40に送信することにより、利用希望者に対して知的財産権の情報を開示するものである。この拠出権利情報開示手段22Cは、拠出権利情報記憶手段62に記憶された知的財産権の情報を検索する処理を行う拠出権利情報検索手段22Dを含んで構成されている。拠出権利情報検索手段22Dは、検索画面記憶手段61Eに記憶された検索画面170(図18参照)を利用者端末装置40に送信し、利用希望者によりこの検索画面170を用いて入力された入力データ(検索条件)を受信し、受信したデータに基づき、拠出権利情報記憶手段62に記憶された知的財産権の情報を検索する処理を行うものである。
【0106】
利用申込受付手段22Eは、利用申込画面記憶手段61Gに記憶された利用申込画面210(図20参照)を利用者端末装置40に送信し、会員によりこの利用申込画面210を用いて入力された入力データを受信し、受信したデータを拠出権利情報記憶手段62および会員情報記憶手段63に記憶させるものである。従って、拠出権利情報記憶手段62には、拠出された各知的財産権について、いずれの会員に対するライセンス契約が成立しているかという情報が記憶され、また、会員情報記憶手段63には、登録をしている各会員が、いずれの知的財産権についてライセンス契約をしているかという情報(知的財産権の利用情報)が記憶されている。
【0107】
また、利用申込受付手段22Eは、会員による利用者端末装置40からの知的財産権の利用の申込に、特別利用条件に相当する専用実施権の設定または独占的通常実施権の許諾の申込が含まれている場合に、その特別利用条件付の申込に対する処理を行う特別利用条件処理手段22Fを含んで構成されている。
【0108】
特別利用条件処理手段22Fは、会員から特別利用条件での知的財産権の利用の申込があった旨の通知を他の会員が操作する利用者端末装置40に送信することによりその旨を他の会員に対して告知する告知手段と、この告知手段による通知を受信した他の会員による利用者端末装置40からの異議申立を受け付ける異議申立受付手段と、会員(特別利用条件での利用の申込を行った者)および異議申立を行った他の会員がそれぞれ操作する各利用者端末装置40に対してオークション実施通知を送信するオークション実施通知送信手段と、オークション実施通知を受信した会員(特別利用条件での利用の申込を行った者)および異議申立を行った他の会員による各利用者端末装置40からの入札条件を受信する入札条件受信手段と、この入札条件受信手段により受信した各入札条件に基づき利用の申込に係る知的財産権の利用者を決定する利用者決定手段とを含んで構成されている。
【0109】
専用実施権設定契約証書作成手段22Gは、専用実施権設定契約証書フォーム記憶手段68Dに記憶された専用実施権設定契約証書フォームを用いて、会員情報記憶手段63に記憶された知的財産権の利用情報を含む会員の情報に基づき、管理者が会員に対して専用実施権を設定する旨の専用実施権設定契約証書の少なくとも一部を自動作成するものである。本実施形態では、作成対象となる専用実施権設定契約証書の「少なくとも一部」には、本文や、ライセンサーである管理者およびライセンシーである会員のそれぞれの住所又は居所および氏名又は名称が含まれる。つまり、捺印以外の全ての部分が、専用実施権設定契約証書作成手段22Gにより作成される。
【0110】
通常実施権許諾証書作成手段22Hは、通常実施権許諾証書フォーム記憶手段68Cに記憶された通常実施権許諾証書フォームを用いて、会員情報記憶手段63に記憶された知的財産権の利用情報を含む会員の情報に基づき、管理者が会員に対して通常実施権を許諾する旨の通常実施権許諾証書の少なくとも一部を自動作成するものである。本実施形態では、作成対象となる通常実施権許諾証書の「少なくとも一部」には、本文や、ライセンサーである管理者およびライセンシーである会員のそれぞれの住所又は居所および氏名又は名称が含まれる。つまり、捺印以外の全ての部分が、通常実施権許諾証書作成手段22Hにより作成される。
【0111】
専用実施権設定登録申請書作成手段22Jは、専用実施権設定登録申請書フォーム記憶手段68Fに記憶された専用実施権設定登録申請書フォームを用いて、会員情報記憶手段63に記憶された知的財産権の利用情報を含む会員の情報に基づき、管理者が会員に対して専用実施権を設定登録する際の専用実施権設定登録申請書(特許登録令施行規則10条、様式10)の少なくとも一部を自動作成するものである。本実施形態では、作成対象となる専用実施権設定登録申請書の「少なくとも一部」には、特許番号や権利の表示等、あるいは申請人(登録権利者)およびその代理人、並びに申請人(登録義務者)およびその代理人のそれぞれの住所又は居所および氏名又は名称が含まれる。つまり、捺印、収入印紙の貼付、および添付書面以外の全ての部分が、専用実施権設定登録申請書作成手段22Jにより作成される。なお、専用実施権は、登録により発生するので、この登録は必須である。
【0112】
通常実施権設定登録申請書作成手段22Kは、通常実施権設定登録申請書フォーム記憶手段68Eに記憶された通常実施権設定登録申請書フォームを用いて、会員情報記憶手段63に記憶された知的財産権の利用情報を含む会員の情報に基づき、管理者が会員に対して許諾した通常実施権を設定登録する際の通常実施権設定登録申請書(特許登録令施行規則10条、様式10)の少なくとも一部を自動作成するものである。本実施形態では、作成対象となる通常実施権設定登録申請書の「少なくとも一部」には、特許番号や権利の表示等、あるいは申請人(登録権利者)およびその代理人、並びに申請人(登録義務者)およびその代理人のそれぞれの住所又は居所および氏名又は名称が含まれる。つまり、捺印、収入印紙の貼付、および添付書面以外の全ての部分が、通常実施権設定登録申請書作成手段22Kにより作成される。なお、この通常実施権は、登録しなくても発生するが、管理者が第三者に特許権等を譲渡してしまう可能性等も考慮し、特許権等の転得者等への対抗力(特許法99条1項)を保持するため登録しておくことが好ましい。
【0113】
検索条件登録処理手段22Lは、検索条件登録画面記憶手段61Fに記憶された検索条件登録画面190(図19参照)を利用者端末装置40に送信し、会員となった利用希望者によりこの検索条件登録画面190を用いて入力された入力データ(検索条件)を受信し、受信したデータを検索条件記憶手段64に記憶させるものである。
【0114】
登録条件合致情報送信手段22Mは、検索条件記憶手段64に記憶された検索条件に基づき、拠出権利情報記憶手段62に記憶された知的財産権の情報を自動検索し、合致する情報を利用者端末装置40に自動送信するものである。この登録条件合致情報送信手段22Mによる自動検索および自動送信のタイミングは任意であり、例えば、毎日、3日置き、1週間置き等の如く、定期的に行ってもよく、あるいは新しい知的財産権の拠出がある都度に行ってもよい。
【0115】
対価決定手段22Nは、会員情報記憶手段63に記憶された各会員の貢献度および拠出権利情報記憶手段62に記憶された知的財産権の情報に基づき、知的財産権を利用する際に会員が支払う対価(例えば、実施料率や実施料額等)を決定するものである。
【0116】
会員情報記憶手段63に各会員毎に記憶された各会員の貢献度を定める要因としては、例えば、各会員が対価決定対象の知的財産権を利用して現在までに管理者に支払った実施料の累計額と、各会員が対価決定対象の知的財産権以外の知的財産権も含めて管理者との間で現在結んでいるかまたは過去に結んだライセンス契約数と、各会員が対価決定対象の知的財産権以外の知的財産権の利用も含めて現在までに管理者に支払った実施料の総額と、各会員が拠出者として拠出した知的財産権の件数とが挙げられる。
【0117】
また、拠出権利情報記憶手段62に記憶された知的財産権の情報に含まれる対価決定要因としては、例えば、他の会員との契約分も含めて対価決定対象の知的財産権について現在結ばれているライセンス契約数と、対価決定対象の知的財産権の現在の価値を示す現在の評価ランクとが挙げられる。
【0118】
対価決定手段22Nによる対価の決定は、次のようにして行われる。例えば、各会員が対価決定対象の知的財産権を利用して現在までに管理者に支払った実施料の累計額が一定額を超えたら、実施料率を下げたり、各会員が対価決定対象の知的財産権以外の知的財産権も含めて管理者との間で現在結んでいるかまたは過去に結んだライセンス契約数が多ければ、実施料率を下げたり、各会員が対価決定対象の知的財産権以外の知的財産権の利用も含めて現在までに管理者に支払った実施料の総額が一定額を超えたら、実施料率を下げたり、各会員が拠出者として拠出した知的財産権の件数が多ければ、実施料率を下げたり、他の会員との契約分も含めて対価決定対象の知的財産権について現在結ばれているライセンス契約数が多ければ、実施料率を下げたり、対価決定対象の知的財産権の価値を示す評価ランクが、市場との関係、時間の経過による陳腐化等により当初のランクから上下したら、それに応じて実施料率を上下させる等である。
【0119】
支払義務通知手段22Pによる支払義務通知の送信は、例えば、図示されないメールサーバを介した電子メールの送信等により実現される。
【0120】
投資家管理手段23は、投資家による投資家端末装置50からの証券購入の申込を受け付ける証券購入申込受付手段23Aと、証券を発行する証券発行手段23Bと、証券を購入した投資家に投資家識別情報であるIDおよびパスワードを付与する投資家識別情報付与手段23Cと、投資家に対して管理者による知的財産権の運用状況を開示する運用状況開示手段23Dと、管理者による知的財産権の運用等についての投資家の意見を投資家端末装置50から受信して収集する投資家意見収集手段23Eと、投資家への配当を行う際にその旨を通知する配当通知手段23Fとを備えている。
【0121】
証券購入申込受付手段23Aは、運用状況開示手段23Dにより投資家端末装置50に送信された運用状況詳細画面250(図22参照)において投資家により入力された入力データ(購入する証券の種別や口数や金額)、および運用状況詳細画面250とともに送信された注文内容確認画面280(図23参照)において投資家により入力された入力データ(購入者の氏名または名称等、購入代金の支払方法)を受信し、これらの受信したデータを投資家情報記憶手段69に記憶させるものである。
【0122】
証券発行手段23Bは、投資家情報記憶手段69に記憶された証券購入申込に係るデータに基づき、証券を印刷等して発行するものである。
【0123】
投資家識別情報付与手段23Cにより付与されるIDおよびパスワードは、証券を購入した投資家にしか認められない行為が行われたときに、証券を購入した投資家であることの認証に使用されるものである。例えば、運用状況開示手段23Dによる開示情報の中に、証券を購入した投資家だけしか閲覧できない情報を含ませておいてもよく、そのような場合に使用される。
【0124】
運用状況開示手段23Dは、運用状況開示画面記憶手段61Hに記憶された運用状況開示画面である運用状況一覧画面230(図21参照)および運用状況詳細画面250(図22参照)を投資家端末装置50に送信することにより、投資家に対して運用状況を開示するものである。また、運用状況一覧画面230および運用状況詳細画面250は、運用状況記憶手段65に記憶された各年の運用状況のデータに基づき作成されるものである。なお、運用状況詳細画面250の送信の際には、注文内容確認画面記憶手段61Nに記憶された注文内容確認画面280(図23参照)も同時に送信される。
【0125】
投資家意見収集手段23Eは、投資家意見募集画面記憶手段61Mに記憶された図示されない投資家意見募集画面を投資家端末装置50に送信し、投資家によりこの投資家意見募集画面を用いて入力された入力データ(例えば、知的財産権の運用、知的財産権の価値に対する評価、配当等についての投資家の意見)を受信し、受信したデータを投資家意見記憶手段66に記憶させるものである。投資家意見募集画面による投資家の意見収集は、設問形式としてもよく、投資家が自由に意見を述べることができる文章入力形式としてもよく、これらの組合せとしてもよい。
【0126】
配当通知手段23Fによる配当通知の送信は、例えば、図示されないメールサーバを介した電子メールの送信等により実現される。
【0127】
侵害事実収集手段24は、侵害事実発見連絡画面記憶手段61Jに記憶された侵害事実発見連絡画面300(図24参照)を拠出者端末装置30、利用者端末装置40、投資家端末装置50に送信し、発見者である拠出者、拠出希望者、利用者、利用希望者、会員、あるいは投資家によりこの侵害事実発見連絡画面300を用いて入力された入力データ(発見者が発見した報告事項)を受信し、受信したデータを侵害事実記憶手段67に記憶させるものである。
【0128】
図24の侵害事実発見連絡画面300を用いて入力される報告事項には、拠出者により拠出された知的財産権が侵害されている事実またはその証拠と、拠出者により拠出された知的財産権の有効性を否定する文献または事実と、拠出者により拠出された知的財産権と利用・抵触関係にある権利の情報とが含まれる。また、侵害事実発見連絡画面300は、入力する報告事項に証拠画像を添付可能な構成とされている。
【0129】
管理用データベース60は、各種の管理用画面を記憶する管理用画面記憶手段61と、拠出者により拠出された知的財産権の情報を記憶する拠出権利情報記憶手段62と、拠出者により拠出された知的財産権を利用することができる権利を有する会員の情報を記憶する会員情報記憶手段63と、拠出権利情報記憶手段62に記憶された知的財産権の情報を検索するための検索条件を予め登録して記憶しておく検索条件記憶手段64と、管理者による知的財産権の各年の運用状況を記憶する運用状況記憶手段65と、投資家意見収集手段23Eにより収集した知的財産権の運用等についての投資家の意見を記憶する投資家意見記憶手段66と、侵害事実収集手段24により収集した侵害事実の発見等の報告事項を記憶する侵害事実記憶手段67と、各種の書類フォームを記憶する書類フォーム記憶手段68と、証券を購入した投資家の情報を記憶する投資家情報記憶手段69とを備えている。
【0130】
管理用画面記憶手段61は、図13のメインメニュー画面80を記憶するメインメニュー画面記憶手段61Aと、図14の拠出申出画面90を記憶する拠出申出画面記憶手段61Bと、図15の会員規約画面130を記憶する会員規約画面記憶手段61Cと、図16の会員登録画面140を記憶する会員登録画面記憶手段61Dと、図18の検索画面170を記憶する検索画面記憶手段61Eと、図19の検索条件登録画面190を記憶する検索条件登録画面記憶手段61Fと、図20の利用申込画面210を記憶する利用申込画面記憶手段61Gと、運用状況開示画面である図21の運用状況一覧画面230および図22の運用状況詳細画面250を記憶する運用状況開示画面記憶手段61Hと、図24の侵害事実発見連絡画面300を記憶する侵害事実発見連絡画面記憶手段61Jと、図示されない関連団体リンク画面を記憶する関連団体リンク画面記憶手段61Kと、図17の利用者メニュー画面160を記憶する利用者メニュー画面記憶手段61Lと、図示されない投資家意見募集画面を記憶する投資家意見募集画面記憶手段61Mと、図23の注文内容確認画面280を記憶する注文内容確認画面記憶手段61Nとを含んで構成されている。
【0131】
書類フォーム記憶手段68は、譲渡書フォームを記憶する譲渡書フォーム記憶手段68Aと、移転登録申請書フォームを記憶する移転登録申請書フォーム記憶手段68Bと、通常実施権許諾証書フォームを記憶する通常実施権許諾証書フォーム記憶手段68Cと、専用実施権設定契約証書フォームを記憶する専用実施権設定契約証書フォーム記憶手段68Dと、通常実施権設定登録申請書フォームを記憶する通常実施権設定登録申請書フォーム記憶手段68Eと、専用実施権設定登録申請書フォームを記憶する専用実施権設定登録申請書フォーム記憶手段68Fとを含んで構成されている。
【0132】
そして、管理サーバ20の拠出者管理手段21を構成する各手段21A〜21F、利用者管理手段22を構成する各手段22A〜22P、投資家管理手段23を構成する各手段23A〜23F、侵害事実収集手段24は、管理サーバ20を構成するコンピュータ内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定するプログラムにより実現される。
【0133】
また、管理用データベース60を構成する各記憶手段61〜69は、例えばハードディスク等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、例えば、ROM、RAM、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、FD、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用してもよい。
【0134】
このような第一実施形態においては、以下のようにして知的財産権流通支援システム10を用いて知的財産権流通支援事業が行われる。
【0135】
先ず、図3および図4において、知的財産権流通支援事業の全体の処理の流れを概略的に説明し、次に、図5〜図12において、知的財産権流通支援事業のうち知的財産権流通支援システム10を用いて行われる処理の流れを詳述するものとする。
【0136】
図3には、拠出者または拠出希望者と管理者との間、および、利用者(会員)または利用希望者と管理者との間で行われる処理の流れの概略が示されている。図3において、先ず、拠出希望者は、拠出者端末装置30で図14の拠出申出画面90を用いて拠出の申出を行う(ステップS1)。本第一実施形態では、管理者への特許権または実用新案権の無償譲渡の申出となる。管理者は、管理サーバ20でこの拠出の申出を受け付けた後(ステップS2)、拠出者と管理者との間の契約に必要な書類を管理サーバ20で自動作成し、拠出希望者に送付する(ステップS3)。
【0137】
拠出希望者は、管理者から送付されてきた必要書類を受け取り、押印等を行ってその書類を完成させた後(ステップS4)、管理者に返送する(ステップS5)。そして、管理者は、返送書類を受け取り(ステップS6)、特許庁へ提出する(ステップS7)。以上が拠出の処理である。
【0138】
次に、管理者は、利用希望者の閲覧要求に応じ、拠出された知的財産権(ここでは、特許権または実用新案権)の情報を管理サーバ20で開示し(ステップS11)、利用希望者は、開示された知的財産権の情報を利用者端末装置40で閲覧する(ステップS12)。これにより、利用希望者は、知的財産権流通支援事業のしくみ、拠出された知的財産権の技術的内容、会員の権利や利益等を知得し、会員になって知的財産権を利用しようという意思を生じる契機を得る。
【0139】
続いて、利用希望者は、利用者端末装置40で図16の会員登録画面140を用いて会員登録の申込を行う(ステップS13)。管理者は、管理サーバ20でこの会員登録の申込を受け付けた後(ステップS14)、会員になった利用希望者に対し、IDおよびパスワードを付与して送信する(ステップS15)。会員になった利用希望者は、利用者端末装置40で自己に付与されたIDおよびパスワードを受信し(ステップS16)、管理者に入会金および初年度分の年会費を支払う(ステップS17)。そして、管理者は、この入会金および初年度分の年会費を受け取る(ステップS18)。また、管理者は、入会金および初年度分の年会費を受け取った場合に、会員券を発行するようにしてもよい。この際、会員券は、第三者に譲渡可能としておくことが好ましく、譲渡した会員は、会員の資格を喪失し、譲渡を受けた第三者は、新たな会員の資格を得るようにすることが好ましい。さらに、この場合、会員券の譲渡に伴う名義書換料を発生させ、譲渡を受けた第三者に対し、管理者への名義書換料の支払い義務を課すようにしてもよい。以上が会員登録の処理である。
【0140】
次に、管理者は、会員になった利用希望者の閲覧要求に応じ、拠出された知的財産権の情報を管理サーバ20で開示し(ステップS21)、会員になった利用希望者は、開示された知的財産権の情報を利用者端末装置40で閲覧する(ステップS22)。この際、会員になった利用希望者は、利用者端末装置40で図18の検索画面170を用いて所望の技術的内容を有する知的財産権を検索する。
【0141】
また、会員になった利用希望者は、利用者端末装置40で図19の検索条件登録画面190を用いて、自己の希望する技術的内容を有する知的財産権を検索するための検索条件を登録する(ステップS23)。管理者サイドでは、管理サーバ20で、登録された検索条件に基づき知的財産権の情報を自動検索し(ステップS24)、検索条件に合致する知的財産権があるか否かの検索結果を、会員になった利用希望者に自動送信する(ステップS25)。なお、自動検索および自動送信とは、会員からの検索要求や送信要求がなくても自動的に検索および送信を行うという意味である。そして、会員になった利用希望者は、検索結果を受信する(ステップS26)。
【0142】
続いて、会員は、利用者端末装置40で図20の利用申込画面210を用いて知的財産権の利用の申込を行う(ステップS27)。そして、管理者は、管理サーバ20でこの利用の申込を受け付ける(ステップS28)。ここで、管理者サイドでは、管理サーバ20で、利用の申込の中に、特別利用条件である専用実施権の設定や独占的通常実施権の許諾の申込が含まれていないか否かを確認し、含まれている場合には、管理サーバ20で特別利用条件処理を行う(ステップS29)。特別利用条件処理とは、ある会員から特別利用条件での申込があった旨の他の会員への告知処理、および会員同士で利用意思が競合した場合のオークション実施処理、特別利用条件での利用者の決定処理等である。一方、特別利用条件が含まれていない場合には、標準的な処理である非独占的通常実施権の許諾処理を行うため、特別利用条件処理は行わない。また、管理者サイドで行われる特別利用条件処理に対し、会員サイド(他の会員)では、利用者端末装置40で、告知に対して承諾を行うか、あるいは異議申立を行う(ステップS30)。
【0143】
その後、管理者は、利用者(会員)と管理者との間の契約に必要な書類を管理サーバ20で自動作成し、会員に送付する(ステップS31)。会員は、管理者から送付されてきた必要書類を受け取り、押印等を行ってその書類を完成させた後(ステップS32)、管理者に返送する(ステップS33)。そして、管理者は、返送書類を受け取り(ステップS34)、特許庁へ提出する(ステップS35)。
【0144】
さらに、管理者は、管理サーバ20で、会員の知的財産権流通支援事業への貢献度等に基づき、会員が管理者に対して支払う対価(例えば実施料率や実施料額等)を決定し、会員および拠出者に例えば電子メール等を用いて対価決定通知を送信する(ステップS36)。会員および拠出者は、利用者端末装置40および拠出者端末装置30でそれぞれ対価決定通知を受信する(ステップS37,S38)。なお、ここで決定される対価は、以降ずっと固定されるものではなく、時間を置いて見直される。従って、ライセンス契約書には、対価が変動する旨、および、対価は管理者により定められる旨等を記載しておくことが好ましい。
【0145】
そして、管理者は、ライセンス契約を締結した会員に対し、支払義務が発生した際に、その支払時期、支払方法、支払金額等を含む支払義務通知を管理サーバ20から送信する(ステップS39)。会員は、この支払義務通知を利用者端末装置40で受信した後(ステップS40)、管理者に対し、実施料を支払う(ステップS41)。管理者は、会員から実施料を受け取り(ステップS42)、受け取った実施料を分配してその一部(例えば3分の1)を自己の収入とし、残りの一部(例えば3分の2)を拠出者の取り分とする(ステップS43)。そして、拠出者は、分配された実施料を自己の取り分として受け取る(ステップS44)。この際、管理者は、分配した実施料を支払った旨または支払う旨の支払通知を管理サーバ20から送信し(ステップS45)、拠出者は、拠出者端末装置30でこの支払通知を受信し(ステップS46)、必要に応じて実施料の一部を確かに受け取った旨の確認データを管理サーバ20に返信する。以上が、利用の申込およびライセンス契約の処理である。
【0146】
また、拠出者または拠出希望者、あるいは利用者または利用希望者は、侵害事実等を発見した場合には、拠出者端末装置30または利用者端末装置40で、それぞれ図24の侵害事実発見連絡画面300を用いて、発見した侵害事実等の報告事項を入力し、管理サーバ20に送信して連絡する(ステップS51,S52)。管理者は、管理サーバ20で、この報告事項を受信することにより、侵害事実等を収集するとともに(ステップS53)、自らも侵害事実等の発見に努め、必要に応じて弁理士や弁護士等の関係者や関連団体等に連絡する等の対応措置を取る。以上が、侵害事実等の収集処理である。
【0147】
図4には、投資家と管理者との間で行われる処理の流れの概略が示されている。図4において、先ず、管理者は、投資家の閲覧要求に応じ、管理者による知的財産権(ここでは、特許権または実用新案権)の運用状況を、管理サーバ20で図21の運用状況一覧画面230および図22の運用状況詳細画面250を用いて開示し(ステップS61)、投資家は、開示された運用状況を投資家端末装置50で閲覧する(ステップS62)。これにより、投資家は、知的財産権流通支援事業のしくみ、拠出された知的財産権の技術的内容、投資価値等を知得し、拠出された知的財産権に対して投資しようという意思を生じる契機を得る。
【0148】
次に、投資家は、投資家端末装置50で図22の運用状況詳細画面250および図23の注文内容確認画面280を用いて証券購入の申込を行う(ステップS63)。管理者は、管理サーバ20でこの証券購入の申込を受け付けた後(ステップS64)、証券を発行する(ステップS65)。投資家は、発行された証券を受け取り(ステップS66)、購入代金を管理者に支払う(ステップS67)。そして、管理者は、購入代金を受け取り(ステップS68)、証券を購入した投資家に対し、IDおよびパスワードを付与して管理サーバ20から送信し(ステップS69)、投資家は、自己に付与されたIDおよびパスワードを投資家端末装置50で受信する(ステップS70)。なお、管理者による購入代金の受取(ステップS68)と、IDおよびパスワードの送信(ステップS69)とは、前後してもよい。以上が、証券購入の申込および証券発行の処理である。
【0149】
その後、管理者による運用状況の開示(ステップS81)および投資家による運用状況の閲覧(ステップS82)を通じ、投資家に、管理者による知的財産権の運用、知的財産権の価値の評価、配当等について意見が生じた場合、あるいは管理者に投資家の意見を収集する必要が生じた場合には、投資家の意見収集処理を行う。すなわち、投資家は、図示されない投資家意見募集画面を用いて投資家端末装置50から自己の意見を送信し(ステップS83)、管理者は、管理サーバ20でこの投資家意見を受信して収集する(ステップS84)。そして、管理者は、収集した投資家意見を参考にして、例えば、知的財産権の運用方法の見直し、知的財産権の価値の評価の見直し、配当の決定等を行う。それから、管理者は、投資家に配当を支払い(ステップS85)、投資家は、この配当を受け取る(ステップS86)。この際、管理者は、投資家に対し、配当を行った旨または行う旨の配当通知を管理サーバ20から送信し(ステップS87)、投資家は、この配当通知を投資家端末装置50で受信し(ステップS88)、必要に応じて配当を確かに受け取った旨の確認データを管理サーバ20に返信する。以上が、投資家の意見収集処理および配当処理である。
【0150】
また、投資家は、侵害事実等を発見した場合には、投資家端末装置50で図24の侵害事実発見連絡画面300を用いて、発見した侵害事実等の報告事項を入力し、管理サーバ20に送信して連絡する(ステップS91)。管理者は、管理サーバ20で、この報告事項を受信することにより、侵害事実等を収集するとともに(ステップS92)、自らも侵害事実等の発見に努め、必要に応じて弁理士や弁護士等の関係者や関連団体等に連絡する等の対応措置を取る。以上が、侵害事実等の収集処理である。
【0151】
図5には、拠出者端末装置30と管理サーバ20との間で行われる拠出の申出の処理の詳細が示されている。図5の処理は、図3のステップS1〜S7の処理のうち知的財産権流通支援システム10を用いて行われる処理である。
【0152】
図5において、先ず、拠出者端末装置30および管理サーバ20の電源を投入し、システム10による処理を開始する(ステップS101,S102)。続いて、拠出希望者は、拠出者端末装置30から、図13のメインメニュー画面80の要求信号を管理サーバ20に送信する(ステップS103)。管理サーバ20では、この要求信号を受信した後(ステップS104)、メインメニュー画面記憶手段61Aに記憶されたメインメニュー画面80を、拠出者端末装置30に送信する(ステップS105)。拠出者端末装置30では、メインメニュー画面80を受信すると、表示手段(例えばCRT表示装置や液晶表示装置等)の画面上に、図13に示す如く、メインメニュー画面80が表示される(ステップS106)。
【0153】
図13のメインメニュー画面80には、知的財産権流通支援事業のしくみや目的等を表示する概要表示部81と、自己の知的財産権の拠出の申出を行うための拠出者選択部82と、会員登録を行うための会員登録選択部83と、拠出された知的財産権を利用するための利用者選択部84と、拠出された知的財産権に投資をする投資家のための投資家選択部85と、侵害事実等を発見した者がその連絡をするための侵害事実連絡選択部86と、関連団体等へのリンクを行うための関連団体リンク選択部87と、画面を日本語表示から外国語表示(ここでは、英語表示)に切り換える表示言語切換要求部88とが設けられている。そして、表示言語切換要求部88をクリックすると、以降、表示される画面は、全て外国語で表示されるようになっている。
【0154】
図13のメインメニュー画面80で、拠出希望者が、拠出者選択部82をクリックすると(図5のステップS107)、拠出者端末装置30から、図14の拠出申出画面90の要求信号が管理サーバ20に送信される(図5のステップS108)。管理サーバ20では、この要求信号を受信した後(図5のステップS109)、拠出申出画面記憶手段61Bに記憶された拠出申出画面90を、拠出者端末装置30に送信する(図5のステップS110)。拠出者端末装置30では、拠出申出画面90を受信すると、表示手段の画面上に、図14に示す如く、拠出申出画面90が表示される(図5のステップS111)。
【0155】
図14の拠出申出画面90には、拠出する権利の特許権者または実用新案権者についての氏名または名称、郵便番号、住所または居所、国籍、電話番号、ファクシミリ番号、電子メールアドレスをそれぞれ入力する各入力部91,92,93,94,95,96,97が設けられている。また、上記の拠出権利に関する問い合わせ先についての氏名または名称、郵便番号、住所または居所、所属部署・役職、電話番号、ファクシミリ番号、電子メールアドレスをそれぞれ入力する各入力部98,99,100,101,102,103,104が設けられている。さらに、管理者が拠出者に対してライセンス収入の一部を支払う際の支払先の指定口座についての名義人、金融機関名、口座番号をそれぞれ入力する各入力部105,106,107が設けられている。
【0156】
また、図14の拠出申出画面90には、拠出権利の種別が特許権であることを選択する特許権選択部108と、拠出権利の種別が実用新案権であることを選択する実用新案権選択部109と、特許番号または実用新案登録番号を入力する登録番号入力部110と、拠出権利の種別が実用新案権である場合に既に実用新案技術評価の請求(実用新案法12条)を行っていることを選択する請求済選択部111と、未だ請求していないことを選択する未請求選択部112と、拠出権利の出願日を入力する出願日入力部113と、拠出権利の設定登録日を入力する設定登録日入力部114とが設けられている。
【0157】
さらに、図14の拠出申出画面90には、権利の内容(例えば、名称、目的、構成、効果等)を入力する権利内容入力部116と、拠出の条件が標準的な条件(管理者が定めた条件)でよいことを選択する標準選択部117と、拠出の条件が特別条件付(管理者が定めた条件以外の条件)であることを選択する特別条件付選択部118と、拠出の条件として売上ベースの実施料率の下限を入力する売上ベース実施料率下限入力部119と、拠出の条件として利益ベースの実施料率の下限を入力する利益ベース実施料率下限入力部120と、拠出の条件として実施許諾一時金を必要とすることを選択する一時金必要選択部121と、拠出の条件として実施許諾一時金は不要であることを選択する一時金不要選択部122と、拠出の条件としてその他の条件を入力する他条件入力部123と、拠出権利についての実施実績として自身での実施実績があることを選択する自身実績選択部124と、実施実績としてライセンス契約の実績があることを選択するライセンス実績選択部125と、実施実績がないことを選択する実績なし選択部126とが設けられている。
【0158】
そして、図14の拠出申出画面90の下部(図示されない部分)には、以上の拠出申出に係る入力データを管理サーバ20に送信するための「送信」ボタンが設けられている。また、図14の拠出申出画面90の前後に表示される画面、または図14の拠出申出画面90の下部(図示されない部分)には、拠出した権利は、管理者の判断により、権利維持を行わない場合がある旨、拠出した権利について利用を申し込む会員がいた場合には、会員の提示する利用条件が特別なものでない限り、ライセンス契約が成立する旨、拠出者は、管理者が会員から得たライセンス収入の一部(例えば3分の2)を得ることができる旨、拠出者は、管理者に自己の権利を無償譲渡する旨、拠出者が特別拠出条件を付した場合には、ライセンス契約の成立の妨げになるおそれがある旨等を表示しておくことが好ましい。
【0159】
拠出希望者は、図14の拠出申出画面90で、必要事項の入力を行った後(図5のステップS112)、拠出者端末装置30から、拠出申出に係る入力データを管理サーバ20に送信する(図5のステップS113)。管理サーバ20では、拠出申出に係る入力データを受信し、受信した拠出権利の情報を拠出権利情報記憶手段62に記憶する(図5のステップS114)。以上の処理は、拠出申出受付手段21Aにより行われる。そして、管理サーバ20で、各作成手段21B,21C,21D,21Eにより、各必要書類の少なくとも一部を自動作成する(図5のステップS115)。その後、拠出者端末装置30および管理サーバ20の電源を切るか、あるいはプログラムの実行を終了させ、システム10による処理を終了させる(図5のステップS116,S117)。
【0160】
図6には、利用者端末装置40と管理サーバ20との間で行われる会員登録の処理の詳細が示されている。図6の処理は、図3のステップS11〜S18の処理のうち知的財産権流通支援システム10を用いて行われる処理である。
【0161】
図6において、先ず、利用者端末装置40および管理サーバ20の電源を投入し、システム10による処理を開始する(ステップS121,S122)。続いて、利用者端末装置40からの図13のメインメニュー画面80の要求信号の送信(ステップS123)、管理サーバ20によるメインメニュー画面80の要求信号の受信(ステップS124)、管理サーバ20からのメインメニュー画面80の送信(ステップS125)、利用者端末装置40によるメインメニュー画面80の受信および表示(ステップS126)の各処理が行われるが、これらの各処理は、前述した図5のステップS103,S104,S105,S106の各処理と同様であるため、詳しい説明は省略する。
【0162】
図13のメインメニュー画面80で、利用希望者が、会員登録選択部83をクリックすると(図6のステップS127)、利用者端末装置40から、図15の会員規約画面130の要求信号が管理サーバ20に送信される(図6のステップS128)。管理サーバ20では、この要求信号を受信した後(図6のステップS129)、会員規約画面記憶手段61Cに記憶された会員規約画面130を、利用者端末装置40に送信する(図6のステップS130)。利用者端末装置40では、会員規約画面130を受信すると、表示手段の画面上に、図15に示す如く、会員規約画面130が表示される(図6のステップS131)。
【0163】
図15の会員規約画面130には、会員規約の条文を表示する規約内容表示部131と、この会員規約に同意するための「同意する」ボタン132と、会員規約に同意できないときの「同意しない」ボタン133とが設けられている。規約内容表示部131には、例えば、会員は、非独占的通常実施権での利用の申込を行った場合には、他の特別利用条件を付さない限り、原則として拠出権利を利用することができる権利を有する旨、会員は、専用実施権および独占的通常実施権のような特別利用条件付の利用の申込を行った場合には、その希望条件の通りに拠出権利を利用することができないことがあり得る旨、会員は、会員になっていない者(但し、会員との関係が、いわゆる一機関としての条件を満たす者は除く。)に対して無断で再実施権(サブライセンス)を設定するような他の会員の利益や権利を減殺する行為等をしてはならない旨、会員は、管理者の営む知的財産権流通支援事業への貢献度等に応じて、ライセンス取得に対して管理者に支払う対価を減額される旨、会員は、入会金および毎年の年会費を管理者に支払う義務がある旨等を表示しておくことが好ましい。
【0164】
図15の会員規約画面130で、利用希望者が、「同意する」ボタン132をクリックして選択すると(図6のステップS132)、利用者端末装置40から、図16の会員登録画面140の要求信号が管理サーバ20に送信される(図6のステップS133)。管理サーバ20では、この要求信号を受信した後(図6のステップS134)、会員登録画面記憶手段61Dに記憶された会員登録画面140を、利用者端末装置40に送信する(図6のステップS135)。利用者端末装置40では、会員登録画面140を受信すると、表示手段の画面上に、図16に示す如く、会員登録画面140が表示される(図6のステップS136)。
【0165】
図16の会員登録画面140には、会員登録を行う者についての氏名または名称、郵便番号、住所または居所、国籍、電話番号、ファクシミリ番号、電子メールアドレスをそれぞれ入力する各入力部141,142,143,144,145,146,147が設けられている。また、上記の会員登録を行う者についての企業規模、資本金、業種をそれぞれ選択入力する各選択入力部148,149,150が設けられている。さらに、会員種別として正会員の登録を選択する正会員選択部151と、副会員の登録を選択する副会員選択部152と、副会員の登録を選択した場合に技術分野および評価ランクを選択する表形式の技術分野・評価ランク選択入力部153とが設けられている。
【0166】
ここで、正会員の登録を選択すると、全ての技術分野および評価ランクの権利を利用することができ、副会員の登録を選択すると、技術分野・評価ランク選択入力部153で選択した技術分野および評価ランクの権利のみを利用することができる。技術分野は、図示の例では、機械分野、電気・電子分野、情報・通信分野、建築・土木分野、化学分野、その他の分野に分類されているが、これに限定されるものではない。また、評価ランクは、権利の価値に応じ、図示の例では、Aランク(価値が高いもの)、Bランク(中間価値のもの)、Cランク(価値が低いもの)に分類されているが、これに限定されるものではない。そして、図示の例では、機械分野のA,B,Cの全ランクの権利、情報・通信分野のA,B,Cの全ランクの権利、および建築・土木分野のA,Bランクの権利のみを利用できる会員登録が行われている。
【0167】
なお、評価ランクの決定手法は任意であり、例えば、(1)将来的にどのくらいキャッシュフローを生み出すかに着目し、その特許によって得られるキャッシュフローについて、キャッシュを生み出すのにかかるリスクを割り引いた額で価値を算定するキャッシュフローアプローチ、(2)ファイナンスの分野で馴染みのある金融工学「オプション理論」を用いた評価手法であるオプション理論アプローチ、(3)特許が事業や製品にどれだけ貢献しているかにより特許の価値を算出する貢献度によるアプローチ、(4)知的財産権の無形資産価値計算値(CIV)を算定する無形資産アプローチ、(5)ナレッジキャピタル(知識資産)スコアカードの手法であるナレッジキャピタルアプローチ等のうちから、適宜選択すればよい。
【0168】
そして、図16の会員登録画面140の下部(図示されない部分)には、以上の会員登録申込に係る入力データを管理サーバ20に送信するための「送信」ボタンが設けられている。
【0169】
会員登録を行う者は、図16の会員登録画面140で、必要事項の入力を行った後(図6のステップS137)、利用者端末装置40から、会員登録に係る入力データを管理サーバ20に送信する(図6のステップS138)。管理サーバ20では、会員登録に係る入力データを受信し、受信したデータを会員情報記憶手段63に記憶する(図6のステップS139)。以上の処理は、会員登録申込受付手段22Aにより行われる。そして、管理サーバ20で、会員識別情報付与手段22Bにより、会員登録を行った者に対し、IDおよびパスワードを付与して利用者端末装置40に送信し(図6のステップS140)、会員登録を行った者は、利用者端末装置40で自己に付与されたIDおよびパスワードを受信する(図6のステップS141)。その後、利用者端末装置40および管理サーバ20の電源を切るか、あるいはプログラムの実行を終了させ、システム10による処理を終了させる(図6のステップS142,S143)。
【0170】
図7には、利用者端末装置40と管理サーバ20との間で行われる拠出権利情報の開示および閲覧の処理(検索処理)の詳細が示されている。図7の処理は、図3のステップS11,S12およびステップS21,S22の処理に相当するものである。
【0171】
図7において、先ず、利用者端末装置40および管理サーバ20の電源を投入し、システム10による処理を開始する(ステップS151,S152)。続いて、利用者端末装置40からの図13のメインメニュー画面80の要求信号の送信(ステップS153)、管理サーバ20によるメインメニュー画面80の要求信号の受信(ステップS154)、管理サーバ20からのメインメニュー画面80の送信(ステップS155)、利用者端末装置40によるメインメニュー画面80の受信および表示(ステップS156)の各処理が行われるが、これらの各処理は、前述した図5のステップS103,S104,S105,S106の各処理と同様であるため、詳しい説明は省略する。
【0172】
図13のメインメニュー画面80で、利用希望者が、利用者選択部84をクリックすると(図7のステップS157)、利用者端末装置40から、図17の利用者メニュー画面160の要求信号が管理サーバ20に送信される(図7のステップS158)。管理サーバ20では、この要求信号を受信した後(図7のステップS159)、利用者メニュー画面記憶手段61Lに記憶された利用者メニュー画面160を、利用者端末装置40に送信する(図7のステップS160)。利用者端末装置40では、利用者メニュー画面160を受信すると、表示手段の画面上に、図17に示す如く、利用者メニュー画面160が表示される(図7のステップS161)。
【0173】
図17の利用者メニュー画面160には、利用希望者が条件を入力して拠出権利情報を検索するための「検索」ボタン161と、会員が利用したい権利を自動検索するための条件を予め登録しておくための「検索条件登録」ボタン162と、拠出された知的財産権の利用の申込を行うための「利用申込」ボタン163とが設けられている。本実施形態では、「検索」ボタン161による処理は、会員である利用希望者も、会員でない利用希望者も、いずれも行うことができるのに対し、「検索条件登録」ボタン162による処理および「利用申込」ボタン163による処理は、いずれも会員でなければ行うことができない。
【0174】
図17の利用者メニュー画面160で、利用希望者が、「検索」ボタン161をクリックして選択すると(図7のステップS162)、利用者端末装置40から、図18の検索画面170の要求信号が管理サーバ20に送信される(図7のステップS163)。管理サーバ20では、この要求信号を受信した後(図7のステップS164)、検索画面記憶手段61Eに記憶された検索画面170を、利用者端末装置40に送信する(図7のステップS165)。利用者端末装置40では、検索画面170を受信すると、表示手段の画面上に、図18に示す如く、検索画面170が表示される(図7のステップS166)。
【0175】
図18の検索画面170には、検索条件としての技術分野を選択入力する技術分野選択入力部171と、評価ランクを選択入力する評価ランク選択入力部172と、任意のキーワードを入力するキーワード入力部173と、国際特許分類(IPC)を入力するIPC入力部174と、特許番号または実用新案登録番号がわかっている場合にそれらを入力する登録番号入力部175と、管理者により付された拠出権利の管理番号がわかっている場合にそれを入力する管理番号入力部176とが設けられている。また、出願日の検索範囲を入力する出願日検索範囲入力部177と、設定登録日の検索範囲を入力する設定登録日検索範囲入力部178と、拠出者自身での実施実績がある権利を検索するための自身実績権利選択部179と、他社へのライセンス実績がある権利を検索するためのライセンス実績権利選択部180と、検索条件(利用の条件)として売上ベースの実施料率の上限を入力する売上ベース実施料率上限入力部181と、検索条件(利用の条件)として利益ベースの実施料率の上限を入力する利益ベース実施料率上限入力部182と、検索条件(利用の条件)として実施許諾一時金が不要であることを選択する一時金不要選択部183と、以上の入力データに基づき検索を実行するための「検索実行」ボタン184と、検索した結果として条件に該当する拠出権利が何件あったかを表示する該当権利件数表示部185と、該当する拠出権利の詳細内容を表示するための「権利内容の表示」ボタン186とが設けられている。
【0176】
そして、図18の検索画面170で入力されるデータ(検索条件)は、図14の拠出申出画面90で入力されるデータに対応している。例えば、図14の拠出申出画面90で、拠出の条件として売上ベース実施料率下限入力部119に「5」%以上というデータが入力され、一方、図18の検索画面170で、検索条件(利用の条件)として売上ベース実施料率上限入力部181に「3」%以下というデータが入力されていた場合には、双方の条件が合致しないため、その拠出権利は、該当する権利として検索されない。なお、図18の検索画面170で、各入力部に何も入力しない場合には、特に検索条件を指定しないという意味である。
【0177】
利用希望者は、図18の検索画面170で、必要事項の入力を行った後(図7のステップS167)、「検索実行」ボタン184をクリックすることにより、利用者端末装置40から、検索処理に係る入力データ(検索条件)を管理サーバ20に送信する(図7のステップS168)。管理サーバ20では、検索処理に係る入力データを受信した後(図7のステップS169)、受信したデータに基づき、拠出権利情報記憶手段62に記憶された拠出権利情報を検索する処理を行う(図7のステップS170)。そして、この検索結果を管理サーバ20から利用者端末装置40に送信し(図7のステップS171)、利用者端末装置40で、検索結果を受信して該当権利件数表示部185に表示するとともに、「権利内容の表示」ボタン186による要求に応じて該当する拠出権利の詳細内容を表示する(図7のステップS172)。以上の処理は、拠出権利情報開示手段22Cおよびこれに含まれる拠出権利情報検索手段22Dにより行われる。その後、利用者端末装置40および管理サーバ20の電源を切るか、あるいはプログラムの実行を終了させ、システム10による処理を終了させる(図7のステップS173,S174)。
【0178】
図8には、利用者端末装置40と管理サーバ20との間で行われる検索条件登録処理、並びに自動検索処理および登録条件合致情報自動送信処理の詳細が示されている。図8の処理は、図3のステップS23〜S26の処理に相当するものである。
【0179】
図8において、先ず、利用者端末装置40および管理サーバ20の電源を投入し、システム10による処理を開始する(ステップS181,S182)。続いて、利用者端末装置40からの図13のメインメニュー画面80の要求信号の送信(ステップS183)、管理サーバ20によるメインメニュー画面80の要求信号の受信(ステップS184)、管理サーバ20からのメインメニュー画面80の送信(ステップS185)、利用者端末装置40によるメインメニュー画面80の受信および表示(ステップS186)、利用者端末装置40によるメインメニュー画面80での利用者選択部84のクリック(ステップS187)、利用者端末装置40からの図17の利用者メニュー画面160の要求信号の送信(ステップS188)、管理サーバ20による利用者メニュー画面160の要求信号の受信(ステップS189)、管理サーバ20からの利用者メニュー画面160の送信(ステップS190)、利用者端末装置40による利用者メニュー画面160の受信および表示(ステップS191)の各処理が行われるが、これらの各処理は、前述した図7のステップS151〜S161の各処理と同様であるため、詳しい説明は省略する。
【0180】
図17の利用者メニュー画面160で、利用希望者が、「検索条件登録」ボタン162をクリックして選択すると(図8のステップS192)、利用者端末装置40から、図19の検索条件登録画面190の要求信号が管理サーバ20に送信される(図8のステップS193)。管理サーバ20では、この要求信号を受信した後(図8のステップS194)、検索条件登録画面記憶手段61Fに記憶された検索条件登録画面190を、利用者端末装置40に送信する(図8のステップS195)。利用者端末装置40では、検索条件登録画面190を受信すると、表示手段の画面上に、図19に示す如く、検索条件登録画面190が表示される(図8のステップS196)。
【0181】
図19の検索条件登録画面190には、検索条件としての技術分野を選択入力する技術分野選択入力部191と、評価ランクを選択入力する評価ランク選択入力部192と、任意のキーワードを入力するキーワード入力部193と、国際特許分類(IPC)を入力するIPC入力部194とが設けられている。また、出願日の検索範囲を入力する出願日検索範囲入力部195と、設定登録日の検索範囲を入力する設定登録日検索範囲入力部196と、拠出者自身での実施実績がある権利を検索するための自身実績権利選択部197と、他社へのライセンス実績がある権利を検索するためのライセンス実績権利選択部198と、検索条件(利用の条件)として売上ベースの実施料率の上限を入力する売上ベース実施料率上限入力部199と、検索条件(利用の条件)として利益ベースの実施料率の上限を入力する利益ベース実施料率上限入力部200と、検索条件(利用の条件)として実施許諾一時金が不要であることを選択する一時金不要選択部201と、以上の入力データを検索条件として登録しておくための「以上の条件を登録する」ボタン202と、別の検索条件を登録するために以上の入力データとは別のデータを入力するための「別の条件の登録も行う」ボタン203とが設けられている。
【0182】
さらに、図示は省略されているが、「以上の条件を登録する」ボタン202をクリックした後に、入力事項に誤りがないか否かを確認する確認画面を表示するようにしてもよい。そして、この際には、「別の条件の登録も行う」ボタン203は、この確認画面に表示するようにしてもよい。
【0183】
利用希望者は、図19の検索条件登録画面190で、必要事項の入力を行った後(図8のステップS197)、「以上の条件を登録する」ボタン202をクリックすることにより、利用者端末装置40から、検索条件登録処理に係る入力データ(登録する検索条件)を管理サーバ20に送信する(図8のステップS198)。管理サーバ20では、検索条件登録処理に係る入力データを受信し、受信したデータを検索条件記憶手段64に記憶する(図8のステップS199)。そして、管理サーバ20では、検索条件記憶手段64に記憶されて登録された検索条件に基づき、拠出権利情報記憶手段62に記憶された拠出権利情報を自動検索する処理を行い(図8のステップS200)、さらに、この検索結果を管理サーバ20から利用者端末装置40に自動送信する(図8のステップS201)。これらの自動検索処理および自動送信処理のタイミングは、定期的なものとしてもよく、あるいは新しい権利が拠出される都度としてもよく、さらには、これらを組み合わせたタイミングとしてもよい。それから、利用者端末装置40で、検索結果を受信して画面表示する(図8のステップS202)。以上の処理は、検索条件登録処理手段22Lおよび登録条件合致情報送信手段22Mにより行われる。その後、利用者端末装置40および管理サーバ20の電源を切るか、あるいはプログラムの実行を終了させ、システム10による処理を終了させる(図8のステップS203,S204)。
【0184】
図9および図10には、利用者端末装置40と管理サーバ20との間で行われる利用申込処理およびライセンス契約処理の詳細が示されている。図9および図10の処理は、図3のステップS27〜S46の処理のうち知的財産権流通支援システム10を用いて行われる処理である。
【0185】
図9において、先ず、利用者端末装置40および管理サーバ20の電源を投入し、システム10による処理を開始する(ステップS211,S212)。続いて、利用者端末装置40からの図13のメインメニュー画面80の要求信号の送信(ステップS213)、管理サーバ20によるメインメニュー画面80の要求信号の受信(ステップS214)、管理サーバ20からのメインメニュー画面80の送信(ステップS215)、利用者端末装置40によるメインメニュー画面80の受信および表示(ステップS216)、利用者端末装置40によるメインメニュー画面80での利用者選択部84のクリック(ステップS217)、利用者端末装置40からの図17の利用者メニュー画面160の要求信号の送信(ステップS218)、管理サーバ20による利用者メニュー画面160の要求信号の受信(ステップS219)、管理サーバ20からの利用者メニュー画面160の送信(ステップS220)、利用者端末装置40による利用者メニュー画面160の受信および表示(ステップS221)の各処理が行われるが、これらの各処理は、前述した図7のステップS151〜S161の各処理と同様であるため、詳しい説明は省略する。
【0186】
図17の利用者メニュー画面160で、利用希望者が、「利用申込」ボタン163をクリックして選択すると(図9のステップS222)、利用者端末装置40から、図20の利用申込画面210の要求信号が管理サーバ20に送信される(図9のステップS223)。管理サーバ20では、この要求信号を受信した後(図9のステップS224)、利用申込画面記憶手段61Gに記憶された利用申込画面210を、利用者端末装置40に送信する(図9のステップS225)。利用者端末装置40では、利用申込画面210を受信すると、表示手段の画面上に、図20に示す如く、利用申込画面210が表示される(図9のステップS226)。
【0187】
図20の利用申込画面210には、利用申込に係る権利についての管理番号を入力する管理番号入力部211と、利用申込に係る権利についての特許番号または実用新案登録番号を入力する登録番号入力部212と、設定を希望する実施権の種類として非独占的通常実施権を選択する非独占的通常実施権選択部213と、独占的通常実施権を選択する独占的通常実施権選択部214と、専用実施権を選択する専用実施権選択部215とが設けられている。また、管理者に支払う対価(例えば実施料率や実施料額等)として管理者の定める標準的な条件を選択する標準条件選択部216と、管理者の定める標準的な条件とは異なる特別条件を付けることを選択する特別条件付選択部217と、その特別条件を入力する特別条件入力部218と、実施期間を入力する実施期間入力部219と、実施地域を入力する実施地域入力部220と、生産数量を入力する生産数量入力部221とが設けられている。
【0188】
そして、図20の利用申込画面210の下部(図示されない部分)には、以上の利用申込に係る入力データを管理サーバ20に送信するための「送信」ボタンが設けられている。
【0189】
さらに、図20の利用申込画面210には、実施料の支払方法(例えば、銀行振込、クレジットカード等)を選択する支払方法選択部を設けてもよい。また、以上の利用申込に係る入力データを管理サーバ20に送信する前に、入力事項に誤りがないか否かを確認する確認画面を表示するようにしてもよい。
【0190】
利用希望者は、図20の利用申込画面210で、必要事項の入力を行った後(図9のステップS227)、利用者端末装置40から、利用申込に係る入力データを管理サーバ20に送信する(図9のステップS228)。管理サーバ20では、利用申込に係る入力データを受信し、受信したデータを拠出権利情報記憶手段62および会員情報記憶手段63に記憶する(図9のステップS229)。
【0191】
その後、管理サーバ20で、利用申込に係る入力データに特別利用条件(専用実施権の設定または独占的通常実施権の許諾の申込)が付いているか否かを自動的に判断し(図10のステップS230)、特別利用条件が付いている場合には、ある会員から特別利用条件での申込があった旨の通知を、例えば電子メール等により他の会員に送信する(ステップS231)。他の会員は、利用者端末装置40でこの通知を受信し(ステップS232)、異議申立をするか承諾するかを判断する(ステップS233)。そして、異議がある場合には、他の会員は、異議申立通知を利用者端末装置40から管理サーバ20に送信する(ステップS234)。この異議申立通知は、他の会員が、予め管理者により用意された所定のフォームを管理サーバ20からダウンロードして取得し、このフォームに基づき必要事項(異議を申し立てる旨および異議の内容)を入力したものである。
【0192】
管理サーバ20では、他の会員からの異議申立通知を受信する(ステップS235)。そして、異議申立の内容をその通知の入力事項から自動的に判断し、異議申立を行った他の会員が、非独占的通常実施権の許諾を望んでいる場合には、特別利用条件での申込を行った会員に対し、専用実施権の設定または独占的通常実施権の許諾を行わずに、この特別利用条件での申込を行った会員の操作する利用者端末装置40に、管理サーバ20から、非独占的通常実施権の許諾であれば行い得る旨の通知を例えば電子メール等により送信する。
【0193】
一方、異議申立を行った他の会員も、専用実施権の設定または独占的通常実施権の許諾を望んでいる場合には、会員同士の利用意思が競合することになるので、特別利用条件での申込を行った会員および異議申立を行った他の会員(以下、これらの対立当事者である各会員を関係会員という。)の操作する各利用者端末装置40に、管理サーバ20から、オークション実施通知を例えば電子メール等により送信する(ステップS236)。
【0194】
関係会員は、各利用者端末装置40で、オークション実施通知をそれぞれ受信した後(ステップS237)、予め管理者により用意された所定のフォームを管理サーバ20からダウンロードし、このフォームに基づき入札条件を入力し、この入力データ(入札条件)をそれぞれ管理サーバ20に送信する(ステップS238)。管理サーバ20では、各入札条件を受信した後(ステップS239)、各入札条件を自動的に比較することにより、特別利用条件(専用実施権または独占的通常実施権)での利用者の決定処理を行う(ステップS240)。続いて、管理サーバ20から、関係会員の操作する各利用者端末装置40に、利用者決定通知を例えば電子メール等により送信し(ステップS241)、関係会員は、各利用者端末装置40で、利用者決定通知をそれぞれ受信する(ステップS242)。以上の処理は、利用申込受付手段22Eおよびこれに含まれる特別利用条件処理手段22Fにより行われる。
【0195】
その後、管理サーバ20で、管理者と会員との間のライセンス契約に必要な各書類の少なくとも一部を自動作成する(ステップS243)。この処理は、各作成手段22G,22H,22J,22Kにより行われる。
【0196】
また、前述した図10のステップS230で、特別利用条件が付されていないと判断された場合、および、前述した図10のステップS233で、異議がない場合(積極的承諾または黙認が行われた場合)には、ステップS243の処理が行われる。
【0197】
さらにその後、管理サーバ20で、対価決定手段22Nにより、ライセンス契約を結んだ会員が管理者に支払うべき対価(例えば実施料率や実施料額等)を、会員の知的財産権流通支援事業への貢献度等に基づき決定する(ステップS244)。続いて、管理サーバ20から、利用者端末装置40に、対価決定通知を例えば電子メール等により送信し(ステップS245)、利用申込を行った会員は、利用者端末装置40で、この対価決定通知を受信する(ステップS246)。なお、ここで決定された対価は、以降ずっと固定されるものではなく、時間を置いて、再度、対価決定手段22Nによりその時点での貢献度等に基づき対価の決定を行うことで、見直しが図られる。
【0198】
そして、管理者は、ライセンス契約を締結した会員に対し、支払義務が発生した際に、その支払時期、支払方法、支払金額等を含む支払義務通知を管理サーバ20から送信し(ステップS247)、会員は、この支払義務通知を利用者端末装置40で受信する(ステップS248)。その後、利用者端末装置40および管理サーバ20の電源を切るか、あるいはプログラムの実行を終了させ、システム10による処理を終了させる(ステップS249,S250)。
【0199】
図11には、投資家端末装置50と管理サーバ20との間で行われる運用状況開示処理および証券購入申込処理、並びに投資家意見収集処理の詳細が示されている。図11の処理は、図4のステップS61〜S70およびステップS81〜S88の処理のうち知的財産権流通支援システム10を用いて行われる処理である。
【0200】
図11において、先ず、投資家端末装置50および管理サーバ20の電源を投入し、システム10による処理を開始する(ステップS261,S262)。続いて、投資家端末装置50からの図13のメインメニュー画面80の要求信号の送信(ステップS263)、管理サーバ20によるメインメニュー画面80の要求信号の受信(ステップS264)、管理サーバ20からのメインメニュー画面80の送信(ステップS265)、投資家端末装置50によるメインメニュー画面80の受信および表示(ステップS266)の各処理が行われるが、これらの各処理は、前述した図5のステップS103〜S106の各処理と同様であるため、詳しい説明は省略する。
【0201】
図13のメインメニュー画面80で、投資家が、投資家選択部85をクリックして選択すると(図11のステップS267)、投資家端末装置50から、図21の運用状況一覧画面230の要求信号が管理サーバ20に送信される(図11のステップS268)。管理サーバ20では、この要求信号を受信した後(図11のステップS269)、運用状況開示画面記憶手段61Hに記憶された運用状況一覧画面230を、投資家端末装置50に送信する(図11のステップS270)。投資家端末装置50では、運用状況一覧画面230を受信すると、表示手段の画面上に、図21に示す如く、運用状況一覧画面230が表示される(図11のステップS271)。
【0202】
図21の運用状況一覧画面230には、過去の各年の配当実績を表示する配当実績表示欄231と、今後の配当予想を表示する配当予想表示欄232とが設けられている。管理者は、証券を発行することにより、権利維持年金の支払いに当てるための資金を投資家から集めるが、配当実績表示欄231および配当予想表示欄232には、この際の投資家に対する配当の数値が表示される。証券の発行は、一定の時間間隔(本実施形態では、例えば1年間とする。)で区切られた期間内に、拠出者により拠出された知的財産権を対象として行われる。例えば、1998年の1年間に拠出された知的財産権の集合を対象とする証券を、1999年以降発行する等である。
【0203】
また、運用状況一覧画面230には、各期間内に拠出された知的財産権の集合を対象とした証券の発行分についての運用状況の詳細を閲覧するための各期間分の詳細情報閲覧用ボタン233,234,235,236が設けられている。なお、図示の例では、4期間分が表示されているが、これに限定されるものではない。
【0204】
投資家が、図21の運用状況一覧画面230で、各期間分の詳細情報閲覧用ボタン233〜236のいずれかをクリックして選択すると(図11のステップS272)、投資家端末装置50から、図22の運用状況詳細画面250の要求信号が管理サーバ20に送信される(図11のステップS273)。管理サーバ20では、この要求信号を受信した後(図11のステップS274)、運用状況開示画面記憶手段61Hに記憶された運用状況詳細画面250および注文内容確認画面記憶手段61Nに記憶された図23の注文内容確認画面280を、投資家端末装置50に送信する(図11のステップS275)。投資家端末装置50では、運用状況詳細画面250および注文内容確認画面280を受信すると(図11のステップS276)、表示手段の画面上に、図22に示す如く、先ず運用状況詳細画面250が表示される(図11のステップS277)。図22は、図21の運用状況一覧画面230で、詳細情報閲覧用ボタン235をクリックした場合(2000年に拠出された権利について2001年以降に証券を発行した分の詳細情報)の画面例である。以上の処理は、運用状況開示手段23Dにより行われる。
【0205】
図22の運用状況詳細画面250には、証券化の対象となる各期間内に拠出された知的財産権についての技術分野を分類表示する技術分野分類表示欄251と、それらの知的財産権についての評価ランクを各技術分野毎に分類表示する評価ランク分類表示欄252と、過去(ここでは、2001年)の配当実績を表示する配当実績表示欄253と、今後(ここでは、2002年)の配当予想を表示する配当予想表示欄254と、各期間内に拠出された知的財産権の件数を表示する拠出権利数表示欄255と、各期間内に拠出された知的財産権のうち現時点で残存している知的財産権の件数を表示する現時点残存権利数表示欄256とが設けられている。また、各期間内に拠出された知的財産権についての現時点でのライセンス付与数(かっこ内の数値は、一つの知的財産権について複数のライセンスが付与された場合を考慮したライセンス付与の総数)を表示する現時点ライセンス付与数表示欄257と、各期間内に拠出された知的財産権についての現時点での利用率(現時点ライセンス付与数表示欄257の数値を現時点残存権利数表示欄256の数値で除して得られたライセンス付与率)を表示する現時点利用率表示欄258と、過去の年(ここでは、2001年)のライセンス収入の実績を表示するライセンス収入実績表示欄259と、証券購入の申込を行うための証券購入申込欄260とが設けられている。
【0206】
そして、各欄253〜259の数値表示は、技術分野分類表示欄251の技術分野毎で、かつ、評価ランク分類表示欄252の評価ランク毎に行われている。なお、技術分野および評価ランクは、図16の会員登録画面140の説明で詳述した通りである。また、図22の例において、配当実績表示欄253の最下行に表示された「Z1%」という数値表示253Aおよび配当予想表示欄254の最下行に表示された「Z2%」という数値表示254Aは、全ての技術分野を総合し、かつ、全ての評価ランクを総合した場合の配当を示す数値となり、図21の例の各数値に対応している。
【0207】
また、証券購入申込欄260には、一口当たりの金額を表示する一口金額表示欄261と、既に購入されている口数を表示する既購入口数表示欄262と、これから購入しようとする口数を入力する購入口数入力欄263と、これから購入しようとする分の金額を表示する購入金額表示欄264と、購入口数入力欄263で入力した数値通りの証券を購入するための「購入する」ボタン265と、購入口数入力欄262で入力した数値をクリアする「クリア」ボタン266と、購入金額表示欄264の購入金額の合計を表示する購入金額合計表示部267とが設けられている。そして、証券の購入は、技術分野分類表示欄251の技術分野毎で、かつ、評価ランク分類表示欄252の評価ランク毎に行うことができるようになっている。
【0208】
投資家が、図22の運用状況詳細画面250で、購入口数入力欄263に必要事項(希望購入口数)を入力し、「購入する」ボタン265をクリックすると(図11のステップS278)、投資家端末装置50の表示手段の画面上には、図23の注文内容確認画面280が表示される(図11のステップS279)。
【0209】
図23の注文内容確認画面280には、証券の購入者についての氏名または名称、郵便番号、住所または居所、所属部署・役職、電話番号、ファクシミリ番号、電子メールアドレスをそれぞれ入力する各入力部281,282,283,284,285,286,287が設けられている。また、購入代金の支払方法として現金を選択するための現金選択部288と、クレジットカードを選択するためのクレジットカード選択部289と、購入規約を表示する購入規約表示部290とが設けられている。
【0210】
購入規約表示部290には、例えば、投資家が購入した証券の対象である知的財産権は、管理者の判断により権利維持年金が支払われずに消滅することがあり得る旨、管理者の判断により配当が変動する旨、投資家は損失を受けることがあり得る旨、投資家に損失が生じた場合には管理者はその責めを負わない旨等を表示しておくことが好ましい。
【0211】
さらに、図23の注文内容確認画面280には、図22の証券購入申込欄260でした注文内容を確認するための表示が行われる注文内容確認表示部291と、この注文内容確認表示部291に表示された注文内容に間違いがないことを確認した場合にクリックする「確認」ボタン292と、その注文内容を取り消したい場合にクリックする「取消」ボタン293とが設けられている。図23の注文内容確認表示部291の例では、一口当たり120万円の「機械分野」の「分野総合(A,B,Cの全ランク)」の証券を10口、つまり1200万円分、購入する旨の表示、一口当たり50万円の「電気・電子分野」の「Aランク」の証券を5口、つまり250万円分、購入する旨の表示、合計金額が1450万円になる旨の表示、および購入代金の支払方法が現金である旨の表示がなされている。
【0212】
投資家が、図23の注文内容確認画面280で、必要事項(購入者の氏名または名称等、購入代金の支払方法)を入力するとともに、購入規約表示部290の購入規約を読んで確認した後、注文内容確認表示部291に表示された注文内容を確認し、「確認」ボタン292をクリックすると(図11のステップS280)、投資家端末装置50から、証券購入情報が管理サーバ20に送信される(図11のステップS281)。管理サーバ20では、証券購入申込受付手段23Aにより、この証券購入情報を受信した後、受信した情報を投資家情報記憶手段69に記憶する(図11のステップS282)。
【0213】
続いて、証券発行手段23Bにより、投資家情報記憶手段69に記憶された証券購入情報に基づき証券発行処理を行う(図11のステップS283)。それから、管理サーバ20で、投資家識別情報付与手段23Cにより、投資家に対して投資家識別情報であるIDおよびパスワードを付与して投資家端末装置50に送信し(図11のステップS284)、投資家は、投資家端末装置50で、自己に付与されたIDおよびパスワードを受信する(図11のステップS285)。このIDおよびパスワードは、例えば、証券を購入した投資家にしか開示されない運用状況を閲覧する場合等に使用されるものである。
【0214】
その後、投資家に、管理者による知的財産権の運用、知的財産権の価値の評価、配当等について意見が生じた場合、あるいは管理者に投資家の意見を収集する必要が生じた場合には、投資家意見収集手段23Eにより、投資家の意見収集処理を行う。すなわち、投資家は、投資家端末装置50で、図示されない投資家意見募集画面を用いて自己の意見を入力し、この入力データを管理サーバ20に送信する(ステップS286)。管理者は、管理サーバ20でこの投資家意見を受信し、受信したデータを投資家意見記憶手段66に記憶する(ステップS287)。そして、管理者は、収集した投資家意見を参考にして、例えば、知的財産権の運用方法の見直し、知的財産権の価値の評価の見直し、配当の決定等を行う。
【0215】
それから、管理者は、投資家に配当を支払う際に、投資家に対し、配当通知手段23Fにより、配当を行った旨または行う旨の配当通知を管理サーバ20から送信し(ステップS288)、投資家は、この配当通知を投資家端末装置50で受信する(ステップS289)。その後、投資家端末装置50および管理サーバ20の電源を切るか、あるいはプログラムの実行を終了させ、システム10による処理を終了させる(ステップS290,S291)。
【0216】
図12には、拠出者端末装置30、利用者端末装置40、投資家端末装置50と、管理サーバ20との間で行われる侵害事実収集処理の詳細が示されている。図12の処理は、図3のステップS51〜S53および図4のステップS91,S92に相当するものである。
【0217】
図12において、先ず、拠出者端末装置30、利用者端末装置40、投資家端末装置50、および管理サーバ20の電源を投入し、システム10による処理を開始する(ステップS291,S292)。続いて、各端末装置30,40,50からの図13のメインメニュー画面80の要求信号の送信(ステップS293)、管理サーバ20によるメインメニュー画面80の要求信号の受信(ステップS294)、管理サーバ20からのメインメニュー画面80の送信(ステップS295)、各端末装置30,40,50によるメインメニュー画面80の受信および表示(ステップS296)の各処理が行われるが、これらの各処理は、前述した図5のステップS103〜S106の各処理と同様であるため、詳しい説明は省略する。
【0218】
図13のメインメニュー画面80で、侵害事実等を発見した拠出者、拠出希望者、利用者、利用希望者、投資家が、侵害事実連絡選択部86をクリックして選択すると(図12のステップS297)、各端末装置30,40,50から、図24の侵害事実発見連絡画面300の要求信号が管理サーバ20に送信される(図12のステップS298)。管理サーバ20では、この要求信号を受信した後(図12のステップS299)、侵害事実発見連絡画面記憶手段61Jに記憶された侵害事実発見連絡画面300を、各端末装置30,40,50に送信する(図12のステップS300)。各端末装置30,40,50では、侵害事実発見連絡画面300を受信すると、表示手段の画面上に、図24に示す如く、侵害事実発見連絡画面300が表示される(図12のステップS301)。
【0219】
図24の侵害事実発見連絡画面300には、拠出された知的財産権が侵害されている事実等を発見した場合に選択する侵害事実発見選択部301と、拠出された知的財産権の有効性を否定する文献や事実等を発見した場合に選択する有効性否定事実発見選択部302と、拠出された知的財産権と利用・抵触関係にある権利等を発見した場合に選択する利用・抵触権利発見選択部303と、自己(発見者)がライセンスを受けて利用している拠出権利の場合に選択する自己権利選択部304と、自己がライセンスを受けて利用している拠出権利以外の拠出権利の場合に選択する他権利選択部305とが設けられている。
【0220】
また、侵害事実発見連絡画面300には、拠出権利の管理番号を入力する管理番号入力部306と、拠出権利の特許番号または実用新案登録番号を入力する登録番号入力部307と、当該事実等の発見場所を入力する発見場所入力部308と、当該事実等の発見日時を入力する発見日時入力部309と、当該事実等を裏付けるカタログや文献等の名称あるいは出願番号や公開番号や特許番号等を入力する証拠資料入力部310と、当該事実等に関わる侵害者や権利者等の氏名または名称を入力する侵害者名入力部311と、証拠画像の添付を行うための「証拠画像の添付」ボタン312と、報告年月日を入力する報告年月日入力部313とが設けられている。
【0221】
なお、「証拠画像の添付」ボタン312をクリックして添付する証拠画像は、侵害事実等の証拠物件とともに、例えば全国紙の新聞等の日時証明物を撮影した画像としてもよく、あるいは、証拠物件の大きさが理解しにくい場合には、証拠物件とともに、例えば煙草の箱等のサイズ証明物を撮影した画像としてもよい。
【0222】
侵害事実等の発見者は、図24の侵害事実発見連絡画面300で、必要事項の入力を行った後(図12のステップS302)、各端末装置30,40,50から、報告事項に係る入力データを管理サーバ20に送信する(図12のステップS303)。管理サーバ20では、報告事項に係る入力データを受信し、受信したデータを侵害事実記憶手段67に記憶する(図12のステップS304)。以上の処理は、侵害事実収集手段24により行われる。その後、各端末装置30,40,50および管理サーバ20の電源を切るか、あるいはプログラムの実行を終了させ、システム10による処理を終了させる(ステップS305,S306)。
【0223】
また、図13のメインメニュー画面80で、関連団体リンク選択部87をクリックすると、特許庁、日本弁理士会、日本知的財産仲裁センター等の関連団体や関連企業等へのリンク情報を有する図示されない関連団体リンク画面が、各端末装置30,40,50の画面上に表示される。この関連団体リンク画面は、関連団体リンク画面記憶手段61Kに記憶され、管理サーバ20から、各端末装置30,40,50に送信されるものである。
【0224】
このような第一実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、知的財産権流通支援システム10は、拠出者管理手段21を備えているので、自己の知的財産権を拠出する拠出者を、ネットワーク1で接続された管理サーバ20および拠出者端末装置30を用いて募集することができる。
【0225】
また、知的財産権流通支援システム10は、利用者管理手段22を備えているので、拠出者により拠出された知的財産権を利用することができる権利を有する会員を、ネットワーク1で接続された管理サーバ20および利用者端末装置40を用いて募集することができる。
【0226】
そして、知的財産権の利用希望者は、会員登録を行って会員になれば、特別利用条件を付けない限り、利用の申込が許可され、拠出された知的財産権を利用することができる。このため、従来に比べ、より多くのライセンス契約を成立させることができるうえ、ライセンス契約を効率的に行うことができるので、知的財産権の有効活用を、より一層図ることができる。
【0227】
さらに、本第一実施形態では、拠出者から管理者への知的財産権の無償譲渡を行うので、拠出者は、権利を維持するための年金を支払う必要がなくなるため、年金を支払って権利を維持していくか否かの困難な判断を回避することができる。また、拠出者は、年金の支払が不要となったことから、無理な資金繰り等をする必要がなくなり、次の技術開発に投資する資金計画を容易に立てることができる。
【0228】
そして、図16の会員登録画面140を用いての会員登録の申込は、技術分野毎で、かつ、評価ランク毎に行うことができるので、利用希望者は、自分に必要な技術、つまり自分が利用を希望する技術についてだけを利用することができる会員となることができる。このため、自分にとって必要のない分野や評価ランクの技術についての会員登録料(例えば、入会金や年会費等)を支払う必要がなくなるので、コスト低減を図ることができる。
【0229】
また、拠出権利情報開示手段22Cが設けられているので、利用希望者は、拠出された権利の情報を知得することができ、さらに、この拠出権利情報開示手段22Cには、拠出権利情報検索手段22Dが含まれているので、図18の検索画面170を用いて入力した自己の希望する検索条件に基づき、拠出された知的財産権の情報を検索することができる。このため、利用希望者は、拠出者により拠出された知的財産権の中から、自己の利用したいと考える技術を容易に見つけることができるので、システム10の使い勝手を向上させることができ、利用希望者の手間を軽減できるうえ、利用を希望する技術を見つけ易いことから、より一層多くのライセンス契約を成立させることができる。
【0230】
さらに、検索条件登録処理手段22Lおよび登録条件合致情報送信手段22Mが設けられているので、会員となった利用希望者は、図19の検索条件登録画面190を用いて自己の希望する検索条件を予め登録しておくことができるとともに、この登録した検索条件に合致する拠出権利の情報を自動的に得ることができる。従って、利用希望者は、毎回同じ条件(自己が利用を希望する技術等を指定するための条件)を入力して検索を行う必要はなくなるので、システム10の使い勝手を向上させることができ、利用希望者の手間を軽減できるうえ、利用を希望する技術を見つけ易くなることから、より一層多くのライセンス契約を成立させることができる。
【0231】
また、対価決定手段22Nが設けられているので、各会員の知的財産権流通支援事業への貢献度等に基づき、知的財産権を利用する際に会員が支払う対価を決定することができる。そして、各会員の貢献度に基づき対価を決定するので、会員登録をすることの利点が、より一層顕著となるため、会員登録者を増加させることができるうえ、会員特典として、支払う対価を軽減すれば、より多くのライセンス契約を成立させることができる。
【0232】
さらに、対価決定手段22Nにより各会員の貢献度に基づき決定される対価は、一旦決定したらそれで固定するのではなく、時間を置いて、再度、対価決定手段22Nにより対価の決定を行って対価を変動させるので、各会員の貢献度の変化に応じ、その都度、対価を見直すことができる。このため、より適切な対価を利用者から徴収することができ、また、会員の利点をさらに向上させることができるので、会員登録者を増加させることもできる。
【0233】
そして、特別利用条件処理手段22Fが設けられているので、会員による利用の申込に、特別利用条件に相当する専用実施権の設定または独占的通常実施権の許諾の申込が含まれている場合には、他の会員への告知処理、会員の意思が競合した際のオークション実施処理等を行うことができるため、会員の公平を保つことができ、拠出権利を利用できるという会員の権利が奪われる事態を未然に防止することができる。
【0234】
また、必要書類の少なくとも一部を自動的に作成する各作成手段21B,21C,21D,21Eが設けられているので、拠出者と管理者との間の契約を迅速かつ円滑に行うことができ、知的財産権流通支援事業を効率的に行うことができるうえ、拠出者や管理者の手間を軽減することができる。また、各作成手段22G,22H,22J,22Kが設けられているので、会員(利用希望者)と管理者との間の契約を迅速かつ円滑に行うことができ、この点でも、知的財産権流通支援事業を効率的に行うことができるうえ、会員や管理者の手間を軽減することができる。
【0235】
さらに、知的財産権流通支援システム10は、投資家管理手段23を備えているので、管理者により維持・運用される知的財産権に投資する投資家を、ネットワーク1で接続された管理サーバ20および投資家端末装置50を用いて募集することができる。このため、権利を維持するための年金の支払いに必要な資金を、証券を発行して投資家から調達することができるので、管理者の負担を軽減することができる。
【0236】
また、運用状況開示手段23Dが設けられているので、図21の運用状況一覧画面230および図22の運用状況詳細画面250を用いて、投資家に対して運用状況を開示することができる。このため、投資家は、運用状況を確認してから、証券を購入することができる。
【0237】
そして、運用状況詳細画面250に証券購入申込欄260が設けられているので、投資家は、運用状況の詳細を参照しつつ、その場で証券を購入することができる。
【0238】
さらに、証券購入申込欄260は、技術分野毎で、かつ、評価ランク毎に証券購入の申込を行うことができるようになっているので、投資家は、自分が投資したい技術、つまり自分が利益をあげることができると考える分野や評価ランクの技術に対してだけ投資を行うことができる。このため、投資家の投資効率を向上させることができ、結果的に、投資家からの資金調達を、より一層容易に行うことができる。
【0239】
そして、図22の証券購入申込欄260で証券購入の申込をした後に、図23の注文内容確認画面280で注文内容を確認できるので、投資家が、間違った証券購入をするという不都合を未然に防止することができる。
【0240】
また、投資家意見収集手段23Eが設けられているので、例えば、管理者による知的財産権の運用、知的財産権の価値についての評価、配当等に関し、投資家から意見を収集することができる。このため、管理者は、より一層適切な知的財産権流通支援事業を営むことができる。
【0241】
そして、侵害事実収集手段24が設けられているので、管理者は、侵害事実等を迅速に把握することができるため、例えば、弁理士や弁護士等の関係者、あるいは紛争の仲裁・調整等を行う関連団体に連絡する等の対応措置を迅速に取ることができる。このため、管理者は、問題を早期に解決し、より一層適切な知的財産権流通支援事業を営むことができる。
【0242】
さらに、図24の侵害事実発見連絡画面300で入力する報告事項には、証拠画像を添付することができるので、例えば、デジタル・カメラ、あるいは携帯電話機等の携帯型情報端末装置に装着されたカメラ等の撮像手段を用いて侵害発見現場で証拠を撮影し、得られた画像データを、撮像手段を備えた機器や装置から直接に、または別の機器や装置を介して管理サーバ20に送信することができる。このため、侵害事実等の収集を容易に行うことができるうえ、その信頼性の向上を図ることもできる。
【0243】
また、図13のメインメニュー画面80には、表示言語切換要求部88が設けられているので、全ての画面を外国語表示に切り換えることができるため、外国人権利者も、容易に拠出者となることができ、また、外国企業等も容易に会員登録をして利用者となることができ、さらに、外国の投資家も容易に証券を購入することができる。
【0244】
[第二実施形態]
図26には、本発明の第二実施形態の知的財産権流通支援システム400の全体構成が示され、図27には、知的財産権流通支援システム400の要部の詳細構成が示されている。また、図28は、知的財産権流通支援事業の全体の処理の流れを示すフローチャートであり、図29は、画面遷移の説明図である。
【0245】
この知的財産権流通支援システム400は、自己の知的財産権(ここでは、特許権または実用新案権とする。)を拠出する拠出者と、この拠出者により拠出された知的財産権を利用する利用者との間での知的財産権の流通を支援するシステムであり、拠出者が、自己の知的財産権の情報を、管理者を介して利用者に紹介し、拠出者が、管理者を介して利用者に実施権を設定・許諾して知的財産権を利用させる形態を採るものである。従って、前記第一実施形態の知的財産権流通支援システム10では、拠出者が自己の知的財産権を管理者に無償譲渡する形態になっていたのに対し、本第二実施形態では、拠出者から管理者への無償譲渡は行わずに、拠出者と利用者との間で実施権の設定契約が行われ、管理者は、特許権者等になることなく拠出者と利用者との仲介役を果たすのみである点が異なる。このため、本第二実施形態では、前記第一実施形態の場合と異なり、管理者ではなく拠出者が、拠出権利を維持するための年金を特許庁に支払うので、管理者は、投資家からの資金調達は行わない。
【0246】
図26において、知的財産権流通支援システム400は、知的財産権の流通を支援する管理者が運用する管理サーバ420と、この管理サーバ420とネットワーク401を介して接続された拠出者端末装置430と、管理サーバ420とネットワーク401を介して接続された利用者端末装置440と、管理サーバ420に接続された管理用データベース460とを備えて構成されている。従って、前記第一実施形態の投資家端末装置50に相当するもの(図1参照)が設けられていない点で、前記第一実施形態の知的財産権流通支援システム10と異なるが、システム構成上、共通する部分も多いので、以下には、システム構成が異なる部分について詳述し、共通する部分については詳しい説明は省略する。
【0247】
図27において、管理サーバ420は、拠出者または拠出希望者との間で送受信される情報を管理する拠出者管理手段421と、利用者または利用希望者との間で送受信される情報を管理する利用者管理手段422と、拠出者が会員に対して専用実施権を設定する旨の専用実施権設定契約証書の少なくとも一部を作成する専用実施権設定契約証書作成手段423と、拠出者が会員に対して通常実施権を許諾する旨の通常実施権許諾証書の少なくとも一部を作成する通常実施権許諾証書作成手段424と、拠出者が会員に対して専用実施権を設定登録する際の専用実施権設定登録申請書の少なくとも一部を作成する専用実施権設定登録申請書作成手段425と、拠出者が会員に対して許諾した通常実施権を設定登録する際の通常実施権設定登録申請書の少なくとも一部を作成する通常実施権設定登録申請書作成手段426と、侵害事実等を収集する侵害事実収集手段427とを備えている。
【0248】
従って、前記第一実施形態の投資家管理手段23に相当するもの(図2参照)が設けられていない点、および、各作成手段423〜426が、拠出者と管理者との間あるいは管理者と会員との間の契約書類ではなく、拠出者と会員との間の契約書類を作成するものとなっている点が、前記第一実施形態の場合と異なる。
【0249】
拠出者管理手段421は、拠出希望者による拠出者端末装置430からの知的財産権の拠出の申出を受け付ける拠出申出受付手段421Aと、利用希望者(会員)から利用の申込があった旨を拠出者に通知する利用申込通知手段421Bと、管理者が利用者(会員)から得たライセンス収入を分配して拠出者に対して支払う際にその旨の通知を拠出者端末装置30に送信する支払通知手段421Cとを備えている。
【0250】
拠出申出受付手段421Aおよび支払通知手段421Cは、前記第一実施形態の拠出申出受付手段21Aおよび支払通知手段21Fに、それぞれ相当するものである(図2参照)。
【0251】
利用申込通知手段421Bは、会員とのライセンス契約の当事者となる拠出者(本第二実施形態では、管理者はライセンス契約の当事者とはならない。)に対し、会員から利用の申込があった旨を通知するために、管理サーバ420から拠出者端末装置430に、その旨の利用申込通知を送信するものであり、この送信は、例えば、図示されないメールサーバを介した電子メールの送信等により実現される。
【0252】
利用者管理手段422は、利用希望者による利用者端末装置440からの会員となるための会員登録の申込を受け付ける会員登録申込受付手段422Aと、会員登録を行って会員となった者に会員識別情報であるIDおよびパスワードを付与する会員識別情報付与手段422Bと、拠出権利情報記憶手段462に記憶された知的財産権の情報を利用希望者に開示する拠出権利情報開示手段422Cと、会員による利用者端末装置440からの知的財産権の利用の申込を受け付ける利用申込受付手段422Eとを備えている。
【0253】
また、利用者管理手段422は、会員となった利用希望者が予め検索条件を登録しておく処理を行う検索条件登録処理手段422Gと、登録された検索条件に合致する知的財産権の情報を利用者端末装置440に送信する登録条件合致情報送信手段422Hと、各会員の知的財産権流通支援事業への貢献度等に基づき知的財産権を利用する際に会員が支払う対価を決定する対価決定手段422Jと、知的財産権を利用する会員にライセンスの対価の支払義務が発生した際にその支払時期や支払金額や支払方法等を通知する支払義務通知手段422Kとを備えている。
【0254】
会員登録申込受付手段422A、会員識別情報付与手段422B、拠出権利情報開示手段422C、利用申込受付手段422E、検索条件登録処理手段422G、登録条件合致情報送信手段422H、対価決定手段422J、支払義務通知手段422Kは、前記第一実施形態の会員登録申込受付手段22A、会員識別情報付与手段22B、拠出権利情報開示手段22C、利用申込受付手段22E、検索条件登録処理手段22L、登録条件合致情報送信手段22M、対価決定手段22N、支払義務通知手段22Pに、それぞれ相当するものである(図2参照)。
【0255】
そして、拠出権利情報開示手段422Cは、拠出権利情報記憶手段462に記憶された知的財産権の情報を検索する処理を行う拠出権利情報検索手段422Dを含んで構成されている。この拠出権利情報検索手段422Dは、前記第一実施形態の拠出権利情報検索手段22Dに相当するものである(図2参照)。
【0256】
また、利用申込受付手段422Eは、会員による利用者端末装置440からの知的財産権の利用の申込に、特別利用条件に相当する専用実施権の設定または独占的通常実施権の許諾の申込が含まれている場合に、その特別利用条件付の申込に対する処理を行う特別利用条件処理手段422Fを含んで構成されている。この特別利用条件処理手段422Fは、前記第一実施形態の特別利用条件処理手段22Fに相当するものである(図2参照)。
【0257】
専用実施権設定契約証書作成手段423は、専用実施権設定契約証書フォーム記憶手段466Bに記憶された専用実施権設定契約証書フォームを用いて、拠出権利情報記憶手段462に記憶された拠出者の情報を含む知的財産権の情報および会員情報記憶手段463に記憶された知的財産権の利用情報を含む会員の情報に基づき、拠出者が会員に対して専用実施権を設定する旨の専用実施権設定契約証書の少なくとも一部を自動作成するものである。本実施形態では、作成対象となる専用実施権設定契約証書の「少なくとも一部」には、本文や、ライセンサーである拠出者およびライセンシーである会員のそれぞれの住所又は居所および氏名又は名称が含まれる。つまり、捺印以外の全ての部分が、専用実施権設定契約証書作成手段423により作成される。
【0258】
通常実施権許諾証書作成手段424は、通常実施権許諾証書フォーム記憶手段466Aに記憶された通常実施権許諾証書フォームを用いて、拠出権利情報記憶手段462に記憶された拠出者の情報を含む知的財産権の情報および会員情報記憶手段463に記憶された知的財産権の利用情報を含む会員の情報に基づき、拠出者が会員に対して通常実施権を許諾する旨の通常実施権許諾証書の少なくとも一部を自動作成するものである。本実施形態では、作成対象となる通常実施権許諾証書の「少なくとも一部」には、本文や、ライセンサーである拠出者およびライセンシーである会員のそれぞれの住所又は居所および氏名又は名称が含まれる。つまり、捺印以外の全ての部分が、通常実施権許諾証書作成手段424により作成される。
【0259】
専用実施権設定登録申請書作成手段425は、専用実施権設定登録申請書フォーム記憶手段466Dに記憶された専用実施権設定登録申請書フォームを用いて、拠出権利情報記憶手段462に記憶された拠出者の情報を含む知的財産権の情報および会員情報記憶手段463に記憶された知的財産権の利用情報を含む会員の情報に基づき、拠出者が会員に対して専用実施権を設定登録する際の専用実施権設定登録申請書(特許登録令施行規則10条、様式10)の少なくとも一部を自動作成するものである。本実施形態では、作成対象となる専用実施権設定登録申請書の「少なくとも一部」には、特許番号や権利の表示等、あるいは申請人(登録権利者)およびその代理人、並びに申請人(登録義務者)およびその代理人のそれぞれの住所又は居所および氏名又は名称が含まれる。つまり、捺印、収入印紙の貼付、および添付書面以外の全ての部分が、専用実施権設定登録申請書作成手段425により作成される。なお、専用実施権は、登録により発生するので、この登録は必須である。
【0260】
通常実施権設定登録申請書作成手段426は、通常実施権設定登録申請書フォーム記憶手段466Cに記憶された通常実施権設定登録申請書フォームを用いて、拠出権利情報記憶手段462に記憶された拠出者の情報を含む知的財産権の情報および会員情報記憶手段463に記憶された知的財産権の利用情報を含む会員の情報に基づき、拠出者が会員に対して許諾した通常実施権を設定登録する際の通常実施権設定登録申請書(特許登録令施行規則10条、様式10)の少なくとも一部を自動作成するものである。本実施形態では、作成対象となる通常実施権設定登録申請書の「少なくとも一部」には、特許番号や権利の表示等、あるいは申請人(登録権利者)およびその代理人、並びに申請人(登録義務者)およびその代理人のそれぞれの住所又は居所および氏名又は名称が含まれる。つまり、捺印、収入印紙の貼付、および添付書面以外の全ての部分が、通常実施権設定登録申請書作成手段426により作成される。なお、この通常実施権は、登録しなくても発生するが、拠出者が第三者に特許権等を譲渡してしまう可能性等も考慮し、特許権等の転得者等への対抗力(特許法99条1項)を保持するため登録しておくことが好ましい。
【0261】
侵害事実収集手段427は、前記第一実施形態の侵害事実収集手段24に相当するものである(図2参照)。
【0262】
管理用データベース460は、各種の管理用画面を記憶する管理用画面記憶手段461と、拠出者により拠出された知的財産権の情報を記憶する拠出権利情報記憶手段462と、拠出者により拠出された知的財産権を利用することができる権利を有する会員の情報を記憶する会員情報記憶手段463と、拠出権利情報記憶手段462に記憶された知的財産権の情報を検索するための検索条件を予め登録して記憶しておく検索条件記憶手段464と、侵害事実収集手段427により収集した侵害事実の発見等の報告事項を記憶する侵害事実記憶手段465と、各種の書類フォームを記憶する書類フォーム記憶手段466とを備えている。
【0263】
これらの管理用画面記憶手段461、拠出権利情報記憶手段462、会員情報記憶手段463、検索条件記憶手段464、侵害事実記憶手段465、書類フォーム記憶手段466は、前記第一実施形態の管理用画面記憶手段61、拠出権利情報記憶手段62、会員情報記憶手段63、検索条件記憶手段64、侵害事実記憶手段67、書類フォーム記憶手段68に、それぞれ相当するものである(図2参照)。
【0264】
従って、本第二実施形態の管理用データベース460には、前記第一実施形態の運用状況記憶手段65、投資家意見記憶手段66、および投資家情報記憶手段69に相当するものが設けられていない点で、前記第一実施形態の管理用データベース60と異なる。
【0265】
管理用画面記憶手段461は、図29のメインメニュー画面500を記憶するメインメニュー画面記憶手段461Aと、図29の拠出申出画面510を記憶する拠出申出画面記憶手段461Bと、図29の会員規約画面520を記憶する会員規約画面記憶手段461Cと、図29の会員登録画面530を記憶する会員登録画面記憶手段461Dと、図29の検索画面550を記憶する検索画面記憶手段461Eと、図29の検索条件登録画面560を記憶する検索条件登録画面記憶手段461Fと、図29の利用申込画面570を記憶する利用申込画面記憶手段461Gと、図29の侵害事実発見連絡画面580を記憶する侵害事実発見連絡画面記憶手段461Hと、図示されない関連団体リンク画面を記憶する関連団体リンク画面記憶手段461Jと、図29の利用者メニュー画面540を記憶する利用者メニュー画面記憶手段461Kとを含んで構成されている。
【0266】
これらのメインメニュー画面記憶手段461A、拠出申出画面記憶手段461B、会員規約画面記憶手段461C、会員登録画面記憶手段461D、検索画面記憶手段461E、検索条件登録画面記憶手段461F、利用申込画面記憶手段461G、侵害事実発見連絡画面記憶手段461H、関連団体リンク画面記憶手段461J、利用者メニュー画面記憶手段461Kは、前記第一実施形態のメインメニュー画面記憶手段61A、拠出申出画面記憶手段61B、会員規約画面記憶手段61C、会員登録画面記憶手段61D、検索画面記憶手段61E、検索条件登録画面記憶手段61F、利用申込画面記憶手段61G、侵害事実発見連絡画面記憶手段61J、関連団体リンク画面記憶手段61K、利用者メニュー画面記憶手段61Lに、それぞれ相当するものである(図2参照)。
【0267】
従って、本第二実施形態の管理用画面記憶手段461には、前記第一実施形態の運用状況開示画面記憶手段61H、投資家意見募集画面記憶手段61M、および注文内容確認画面記憶手段61Nに相当するものが含まれていない点で、前記第一実施形態の管理用画面記憶手段61と異なる。
【0268】
また、図29に示されたメインメニュー画面500、拠出申出画面510、会員規約画面520、会員登録画面530、利用者メニュー画面540、検索画面550、検索条件登録画面560、利用申込画面570、侵害事実発見連絡画面580は、前記第一実施形態の図13のメインメニュー画面80、図14の拠出申出画面90、図15の会員規約画面130、図16の会員登録画面140、図17の利用者メニュー画面160、図18の検索画面170、図19の検索条件登録画面190、図20の利用申込画面210、図24の侵害事実発見連絡画面300に、それぞれ相当するものである(図25参照)。
【0269】
従って、本第二実施形態では、投資家を対象とした画面、すなわち、運用状況開示画面である図21の運用状況一覧画面230および図22の運用状況詳細画面250、並びに図23の注文内容確認画面280に相当するものが用意されておらず、また、図示されない投資家意見募集画面も用意されていない。なお、これに伴って、本第二実施形態の図29のメインメニュー画面500には、前記第一実施形態の図13のメインメニュー画面80における投資家選択部85に相当するものが設けられていない。
【0270】
書類フォーム記憶手段466は、通常実施権許諾証書フォームを記憶する通常実施権許諾証書フォーム記憶手段466Aと、専用実施権設定契約証書フォームを記憶する専用実施権設定契約証書フォーム記憶手段466Bと、通常実施権設定登録申請書フォームを記憶する通常実施権設定登録申請書フォーム記憶手段466Cと、専用実施権設定登録申請書フォームを記憶する専用実施権設定登録申請書フォーム記憶手段466Dとを含んで構成されている。
【0271】
従って、本第二実施形態では、拠出者から管理者への拠出権利の無償譲渡が行われないことから、本第二実施形態の書類フォーム記憶手段466には、前記第一実施形態の譲渡書フォーム記憶手段68Aおよび移転登録申請書フォーム記憶手段68Bに相当するものが含まれていない点で、前記第一実施形態の書類フォーム記憶手段68と異なる(図2参照)。
【0272】
このような第二実施形態においては、以下のようにして知的財産権流通支援システム400を用いて知的財産権流通支援事業が行われる。
【0273】
図28には、拠出者または拠出希望者と管理者との間、および、利用者(会員)または利用希望者と管理者との間で行われる処理の流れの概略が示されている。図28のフローチャートは、前記第一実施形態の図3のフローチャートに対応するものである。なお、本第二実施形態では、投資家からの資金調達は行わないため、前記第一実施形態の図4のフローチャートに相当するものはない。
【0274】
図28において、先ず、拠出希望者は、拠出者端末装置430で図29の拠出申出画面510(図14の画面90と同様)を用いて拠出の申出を行う(ステップS401)。但し、本第二実施形態では、管理者への特許権または実用新案権の無償譲渡は行わない。そして、管理者は、管理サーバ420でこの拠出の申出を受け付ける(ステップS402)。本第二実施形態では、特許権等の移転に関する契約や手続はないため、前記第一実施形態の図3のステップS3〜S7に相当する処理は行われない。
【0275】
しかし、拠出者と管理者との間では、特許権等の移転に関する契約は不要であるが、次のような契約や取決めを行っておくことが好ましい。すなわち、例えば、拠出者が一旦拠出した権利について、管理者を介して利用者が見つかった場合には、必ず管理者を介して拠出者と利用者との当事者間の契約を行い、管理者に対して所定の手数料やライセンス料の一部を支払わなければならず、管理者を介して利用者が見つかった後に、管理者を介さずに当事者間の契約を結ぶことは禁じられる旨、拠出者が一旦拠出した権利について、会員から利用の申込があった場合には、会員からの利用の申込が標準的な条件での申込である限り(つまり、特別利用条件が含まれていない限り)、拠出者は会員とライセンス契約を締結しなければならない旨等を定めておくことが好ましい。なお、会員と管理者との間でも、同様な契約や取決めを行っておくことが好ましい。
【0276】
以上が拠出の処理であるが、このうち知的財産権流通支援システム400を用いて行われる処理は、前記第一実施形態の図5のフロチャートで示されたステップS101〜S117の処理と略同様であり、ステップS115の処理が行われない点が異なるのみである。
【0277】
次に、管理者は、利用希望者の閲覧要求に応じ、拠出された知的財産権(ここでは、特許権または実用新案権)の情報を管理サーバ420で開示し(ステップS411)、利用希望者は、開示された知的財産権の情報を利用者端末装置440で閲覧する(ステップS412)。これにより、利用希望者は、知的財産権流通支援事業のしくみ、拠出された知的財産権の技術的内容、会員の権利や利益等を知得し、会員になって知的財産権を利用しようという意思を生じる契機を得る。
【0278】
続いて、利用希望者は、利用者端末装置440で図29の会員登録画面530(図16の画面140と同様)を用いて会員登録の申込を行う(ステップS413)。管理者は、管理サーバ420でこの会員登録の申込を受け付けた後(ステップS414)、会員になった利用希望者に対し、IDおよびパスワードを付与して送信する(ステップS415)。会員になった利用希望者は、利用者端末装置440で自己に付与されたIDおよびパスワードを受信し(ステップS416)、管理者に入会金および初年度分の年会費を支払う(ステップS417)。そして、管理者は、この入会金および初年度分の年会費を受け取る(ステップS418)。また、管理者は、入会金および初年度分の年会費を受け取った場合に、会員券を発行するようにしてもよい。この際、会員券は、第三者に譲渡可能としておくことが好ましく、譲渡した会員は、会員の資格を喪失し、譲渡を受けた第三者は、新たな会員の資格を得るようにすることが好ましい。さらに、この場合、会員券の譲渡に伴う名義書換料を発生させ、譲渡を受けた第三者に対し、管理者への名義書換料の支払い義務を課すようにしてもよい。
【0279】
以上が会員登録の処理であるが、このうち知的財産権流通支援システム400を用いて行われる処理は、前記第一実施形態の図6のフロチャートで示されたステップS121〜S143の処理と同様である。
【0280】
次に、管理者は、会員になった利用希望者の閲覧要求に応じ、拠出された知的財産権の情報を管理サーバ420で開示し(ステップS421)、会員になった利用希望者は、開示された知的財産権の情報を利用者端末装置440で閲覧する(ステップS422)。この際、会員になった利用希望者は、利用者端末装置440で図29の検索画面550(図18の画面170と同様)を用いて所望の技術的内容を有する知的財産権を検索する。そして、この際に知的財産権流通支援システム400を用いて行われる処理は、前記第一実施形態の図7のフロチャートで示されたステップS151〜S174の処理と同様である。
【0281】
また、会員になった利用希望者は、利用者端末装置440で図29の検索条件登録画面560(図19の画面190と同様)を用いて、自己の希望する技術的内容を有する知的財産権を検索するための検索条件を登録する(ステップS423)。管理者サイドでは、管理サーバ420で、登録された検索条件に基づき知的財産権の情報を自動検索し(ステップS424)、検索条件に合致する知的財産権があるか否かの検索結果を、会員になった利用希望者に自動送信する(ステップS425)。なお、自動検索および自動送信とは、会員からの検索要求や送信要求がなくても自動的に検索および送信を行うという意味である。そして、会員になった利用希望者は、検索結果を受信する(ステップS426)。以上の検索条件登録、自動検索、および自動送信の処理の際に知的財産権流通支援システム400を用いて行われる処理は、前記第一実施形態の図8のフロチャートで示されたステップS181〜S204の処理と同様である。
【0282】
続いて、会員は、利用者端末装置440で図29の利用申込画面570(図20の画面210と同様)を用いて知的財産権の利用の申込を行う(ステップS427)。そして、管理者は、管理サーバ420でこの利用の申込を受け付けた後(ステップS428)、利用申込通知手段421Bにより拠出者端末装置430に利用申込通知を送信し、会員から利用の申込があった旨を拠出者に通知し(ステップS429)、拠出者は、拠出者端末装置430でこの利用申込通知を受信する(ステップS430)。
【0283】
利用の申込を受け付けた管理者サイドでは、管理サーバ420で、利用の申込の中に、特別利用条件である専用実施権の設定や独占的通常実施権の許諾の申込が含まれていないか否かを確認し、含まれている場合には、管理サーバ420で特別利用条件処理を行う(ステップS431)。特別利用条件処理とは、ある会員から特別利用条件での申込があった旨の他の会員への告知処理、および会員同士で利用意思が競合した場合のオークション実施処理、特別利用条件での利用者の決定処理等である。一方、特別利用条件が含まれていない場合には、標準的な処理である非独占的通常実施権の許諾処理を行うため、特別利用条件処理は行わない。また、管理者サイドで行われる特別利用条件処理に対し、会員サイド(他の会員)では、利用者端末装置440で、告知に対して承諾を行うか、あるいは異議申立を行う(ステップS432)。
【0284】
その後、管理者は、拠出者と利用者(会員)との間の契約に必要な書類を管理サーバ420で自動作成し、会員に送付する(ステップS433)。会員は、管理者から送付されてきた必要書類を受け取り、押印等を行ってその書類の中の自己に関する部分を完成させた後(ステップS434)、管理者に返送する(ステップS435)。そして、管理者は、返送書類を受け取った後(ステップS436)、今度は、この書類を拠出者に送付する(ステップS437)。拠出者は、管理者から送付されてきた必要書類を受け取り、押印等を行ってその書類の中の自己に関する部分を完成させた後(ステップS438)、管理者に返送する(ステップS439)。それから、管理者は、返送書類を受け取り(ステップS440)、特許庁へ提出する(ステップS441)。なお、会員との間での書類の送付・受取処理(ステップS433〜S436)と、拠出者との間での書類の送付・受取処理(ステップS437〜S440)とは、順序が前後してもよく、あるいは、管理者を介さずに、会員から拠出者へ直接に、または、拠出者から会員へ直接に書類を送付する処理を含めてもよい。
【0285】
さらに、管理者は、管理サーバ420で、会員の知的財産権流通支援事業への貢献度等に基づき、会員が管理者に対して支払う対価(例えば実施料率や実施料額等)を決定し、会員および拠出者に例えば電子メール等を用いて対価決定通知を送信する(ステップS442)。会員および拠出者は、利用者端末装置440および拠出者端末装置430でそれぞれ対価決定通知を受信する(ステップS443,S444)。なお、ここで決定される対価は、以降ずっと固定されるものではなく、時間を置いて見直される。従って、ライセンス契約書には、対価が変動する旨、および、対価は管理者により定められる旨等を記載しておくことが好ましい。
【0286】
そして、管理者は、ライセンス契約を締結した会員に対し、支払義務が発生した際に、その支払時期、支払方法、支払金額等を含む支払義務通知を管理サーバ420から送信する(ステップS445)。会員は、この支払義務通知を利用者端末装置440で受信した後(ステップS446)、管理者に対し、実施料を支払う(ステップS447)。管理者は、会員から実施料を受け取り(ステップS448)、受け取った実施料を分配してその一部(例えば3分の1)を自己の収入とし、残りの一部(例えば3分の2)を拠出者の取り分とする(ステップS449)。そして、拠出者は、分配された実施料を自己の取り分として受け取る(ステップS450)。この際、管理者は、分配した実施料を支払った旨または支払う旨の支払通知を管理サーバ420から送信し(ステップS451)、拠出者は、拠出者端末装置430でこの支払通知を受信し(ステップS452)、必要に応じて実施料の一部を確かに受け取った旨の確認データを管理サーバ420に返信する。
【0287】
以上が、利用の申込およびライセンス契約の処理であるが、このうち知的財産権流通支援システム400を用いて行われる処理は、前記第一実施形態の図9および図10のフロチャートで示されたステップS211〜S250の処理と略同様であり、図10のステップS243の処理で作成される必要書類の内容が、会員と管理者との間の契約事項ではなく、会員と拠出者との間の契約事項である点と、図28のステップS429,S430の利用申込通知の送信および受信処理が加わる点とが異なるのみである。
【0288】
また、拠出者または拠出希望者、あるいは利用者または利用希望者は、侵害事実等を発見した場合には、拠出者端末装置430または利用者端末装置440で、それぞれ図29の侵害事実発見連絡画面580(図24の画面300と同様)を用いて、発見した侵害事実等の報告事項を入力し、管理サーバ420に送信して連絡する(ステップS461,S462)。管理者は、管理サーバ420で、この報告事項を受信することにより、侵害事実等を収集するとともに(ステップS463)、自らも侵害事実等の発見に努め、必要に応じて弁理士や弁護士等の関係者や関連団体等に連絡する等の対応措置を取る。
【0289】
以上が、侵害事実等の収集処理であるが、このうち知的財産権流通支援システム400を用いて行われる処理は、前記第一実施形態の図12のフロチャートで示されたステップS291〜S306の処理と同様である。
【0290】
なお、本第二実施形態では、投資家からの資金調達は行わないため、前記第一実施形態の図11のフロチャートで示されたステップS261〜S291の処理に相当する処理は行われない。
【0291】
このような第二実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、知的財産権流通支援システム400は、拠出者管理手段421を備えているので、自己の知的財産権を拠出する拠出者を、ネットワーク401で接続された管理サーバ420および拠出者端末装置430を用いて募集することができる。
【0292】
また、知的財産権流通支援システム400は、利用者管理手段422を備えているので、拠出者により拠出された知的財産権を利用することができる権利を有する会員を、ネットワーク401で接続された管理サーバ420および利用者端末装置440を用いて募集することができる。
【0293】
そして、知的財産権の利用希望者は、会員登録を行って会員になれば、特別利用条件を付けない限り、利用の申込が許可され、拠出された知的財産権を利用することができる。このため、従来に比べ、より多くのライセンス契約を成立させることができるうえ、ライセンス契約を効率的に行うことができるので、知的財産権の有効活用を、より一層図ることができる。
【0294】
さらに、本第二実施形態では、拠出者が、拠出した自己の知的財産権を保有したままの状態で、管理者による知的財産権流通支援事業が行われるので、管理者は、権利を維持するための年金を支払う必要がなくなるため、知的財産権流通支援事業の、より一層の安定化を図ることができる。
【0295】
そして、図29の会員登録画面530(図16の画面140と同様)を用いての会員登録の申込は、技術分野毎で、かつ、評価ランク毎に行うことができるので、利用希望者は、自分に必要な技術、つまり自分が利用を希望する技術についてだけを利用することができる会員となることができる。このため、自分にとって必要のない分野や評価ランクの技術についての会員登録料(例えば、入会金や年会費等)を支払う必要がなくなるので、コスト低減を図ることができる。
【0296】
また、拠出権利情報開示手段422Cが設けられているので、利用希望者は、拠出された権利の情報を知得することができ、さらに、この拠出権利情報開示手段422Cには、拠出権利情報検索手段422Dが含まれているので、図29の検索画面550(図18の画面170と同様)を用いて入力した自己の希望する検索条件に基づき、拠出された知的財産権の情報を検索することができる。このため、利用希望者は、拠出者により拠出された知的財産権の中から、自己の利用したいと考える技術を容易に見つけることができるので、システム400の使い勝手を向上させることができ、利用希望者の手間を軽減できるうえ、利用を希望する技術を見つけ易いことから、より一層多くのライセンス契約を成立させることができる。
【0297】
さらに、検索条件登録処理手段422Gおよび登録条件合致情報送信手段422Hが設けられているので、会員となった利用希望者は、図29の検索条件登録画面560(図19の画面190と同様)を用いて自己の希望する検索条件を予め登録しておくことができるとともに、この登録した検索条件に合致する拠出権利の情報を自動的に得ることができる。従って、利用希望者は、毎回同じ条件(自己が利用を希望する技術等を指定するための条件)を入力して検索を行う必要はなくなるので、システム400の使い勝手を向上させることができ、利用希望者の手間を軽減できるうえ、利用を希望する技術を見つけ易くなることから、より一層多くのライセンス契約を成立させることができる。
【0298】
また、対価決定手段422Jが設けられているので、各会員の知的財産権流通支援事業への貢献度等に基づき、知的財産権を利用する際に会員が支払う対価を決定することができる。そして、各会員の貢献度に基づき対価を決定するので、会員登録をすることの利点が、より一層顕著となるため、会員登録者を増加させることができるうえ、会員特典として、支払う対価を軽減すれば、より多くのライセンス契約を成立させることができる。
【0299】
さらに、対価決定手段422Jにより各会員の貢献度に基づき決定される対価は、一旦決定したらそれで固定するのではなく、時間を置いて、再度、対価決定手段422Jにより対価の決定を行って対価を変動させるので、各会員の貢献度の変化に応じ、その都度、対価を見直すことができる。このため、より適切な対価を利用者から徴収することができ、また、会員の利点をさらに向上させることができるので、会員登録者を増加させることもできる。
【0300】
そして、特別利用条件処理手段422Fが設けられているので、会員による利用の申込に、特別利用条件に相当する専用実施権の設定または独占的通常実施権の許諾の申込が含まれている場合には、他の会員への告知処理、会員の意思が競合した際のオークション実施処理等を行うことができるため、会員の公平を保つことができ、拠出権利を利用できるという会員の権利が奪われる事態を未然に防止することができる。
【0301】
また、必要書類の少なくとも一部を自動的に作成する各作成手段423,424,425,426が設けられているので、拠出者と会員との間の契約を迅速かつ円滑に行うことができ、知的財産権流通支援事業を効率的に行うことができるうえ、拠出者や会員の手間を軽減することができる。
【0302】
そして、侵害事実収集手段427が設けられているので、管理者は、侵害事実等を迅速に把握することができるため、例えば、弁理士や弁護士等の関係者、あるいは紛争の仲裁・調整等を行う関連団体に連絡する等の対応措置を迅速に取ることができる。このため、管理者は、問題を早期に解決し、より一層適切な知的財産権流通支援事業を営むことができる。
【0303】
さらに、図29の侵害事実発見連絡画面580(図24の画面300と同様)で入力する報告事項には、証拠画像を添付することができるので、例えば、デジタル・カメラ、あるいは携帯電話機等の携帯型情報端末装置に装着されたカメラ等の撮像手段を用いて侵害発見現場で証拠を撮影し、得られた画像データを、撮像手段を備えた機器や装置から直接に、または別の機器や装置を介して管理サーバ420に送信することができる。このため、侵害事実等の収集を容易に行うことができるうえ、その信頼性の向上を図ることもできる。
【0304】
また、図29のメインメニュー画面500(図13の画面80と略同様)には、前記第一実施形態の図13の表示言語切換要求部88に相当するものが設けられているので、全ての画面を外国語表示に切り換えることができるため、外国人権利者も、容易に拠出者となることができ、また、外国企業等も容易に会員登録をして利用者となることができ、さらに、外国の投資家も容易に証券を購入することができる。
【0305】
[変形の形態]
なお、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
【0306】
すなわち、前記各実施形態では、拠出者により拠出される知的財産権は、特許権または実用新案権であったが、本発明において拠出される知的財産権は、これらに限定されるものではなく、例えば、意匠権、商標権、著作権、半導体集積回路の回路配置権等であってもよく、あるいは特許を受ける権利、実用新案登録を受ける権利、意匠登録を受ける権利、商標登録を受ける権利等であってもよく、さらには、日本の権利のみならず、外国の権利であってもよい。
【0307】
また、前記第二実施形態では、先ず会員が管理者にライセンスに対する対価を全額支払い、次に管理者がその一部(例えば、3分の2)を拠出者に分配していたが、対価の支払方法は、これに限定されるものではなく、例えば、会員が管理者および拠出者にそれぞれの取り分を直接に支払うようにしてもよく、あるいは、先ず会員が拠出者にライセンスに対する対価を全額支払い、次に拠出者がその一部(例えば、3分の1)を管理者に分配するようにしてもよい。しかし、会員や拠出者の手間の軽減等の観点から、前記第二実施形態のように管理者を介して支払いが行われることが好ましい。
【0308】
さらに、前記各実施形態では、メインメニュー画面80,500(図13参照)に設けられた表示言語切換要求部88等をクリックすると、各画面が英語表示に切り換わる構成とされていたが、切換対象となる外国語表示は、英語表示に限定されるものではなく、例えば、ドイツ語表示、フランス語表示等であってもよく、あるいはこれらの各言語表示を自在に切り換えられる構成としてもよい。そして、国際公開(PCT21条)の言語(PCT規則48.3)の全ての言語での表示に切り換えられる構成としてもよい。
【0309】
【発明の効果】
以上に述べたように本発明によれば、自己の知的財産権を拠出する拠出者を、ネットワークで接続された管理サーバおよび拠出者端末装置を用いて募集し、このようにして募集した拠出者により拠出された知的財産権を利用することができる権利を有する会員を、ネットワークで接続された管理サーバおよび利用者端末装置を用いて募集し、この会員登録を行った者に対して知的財産権の利用の申込を許可するので、より多くのライセンス契約を成立させることができ、知的財産権の有効活用をより一層図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態の知的財産権流通支援システムの全体構成図。
【図2】第一実施形態の知的財産権流通支援システムの要部の詳細構成図。
【図3】第一実施形態の知的財産権流通支援事業の全体の処理の流れを示すフローチャートの図。
【図4】第一実施形態の知的財産権流通支援事業の全体の処理の流れを示す別のフローチャートの図。
【図5】第一実施形態の知的財産権流通支援事業のうち知的財産権流通支援システムを用いて行われる拠出申出処理の流れを示すフローチャートの図。
【図6】第一実施形態の知的財産権流通支援事業のうち知的財産権流通支援システムを用いて行われる会員登録処理の流れを示すフローチャートの図。
【図7】第一実施形態の知的財産権流通支援事業のうち知的財産権流通支援システムを用いて行われる検索処理の流れを示すフローチャートの図。
【図8】第一実施形態の知的財産権流通支援事業のうち知的財産権流通支援システムを用いて行われる検索条件登録処理および登録条件合致情報送信処理の流れを示すフローチャートの図。
【図9】第一実施形態の知的財産権流通支援事業のうち知的財産権流通支援システムを用いて行われる利用申込処理の流れを示すフローチャートの図。
【図10】図9に続いて、第一実施形態の知的財産権流通支援事業のうち知的財産権流通支援システムを用いて行われる利用申込処理の流れを示す別のフローチャートの図。
【図11】第一実施形態の知的財産権流通支援事業のうち知的財産権流通支援システムを用いて行われる証券購入処理の流れを示すフローチャートの図。
【図12】第一実施形態の知的財産権流通支援事業のうち知的財産権流通支援システムを用いて行われる侵害事実等の収集処理の流れを示すフローチャートの図。
【図13】第一実施形態の知的財産権流通支援システムのメインメニュー画面の例を示す図。
【図14】第一実施形態の知的財産権流通支援システムの拠出申出画面の例を示す図。
【図15】第一実施形態の知的財産権流通支援システムの会員規約画面の例を示す図。
【図16】第一実施形態の知的財産権流通支援システムの会員登録画面の例を示す図。
【図17】第一実施形態の知的財産権流通支援システムの利用者メニュー画面の例を示す図。
【図18】第一実施形態の知的財産権流通支援システムの検索画面の例を示す図。
【図19】第一実施形態の知的財産権流通支援システムの検索条件登録画面の例を示す図。
【図20】第一実施形態の知的財産権流通支援システムの利用申込画面の例を示す図。
【図21】第一実施形態の知的財産権流通支援システムの運用状況一覧画面の例を示す図。
【図22】第一実施形態の知的財産権流通支援システムの運用状況詳細画面の例を示す図。
【図23】第一実施形態の知的財産権流通支援システムの注文内容確認画面の例を示す図。
【図24】第一実施形態の知的財産権流通支援システムの侵害事実発見連絡画面の例を示す図。
【図25】第一実施形態の図13〜図24の各画面の画面遷移の説明図。
【図26】本発明の第二実施形態の知的財産権流通支援システムの全体構成図。
【図27】第二実施形態の知的財産権流通支援システムの要部の詳細構成図。
【図28】第二実施形態の知的財産権流通支援事業の全体の処理の流れを示すフローチャートの図。
【図29】第二実施形態の知的財産権流通支援システムの各画面の画面遷移の説明図。
【符号の説明】
1,401 ネットワーク
10,400 知的財産権流通支援システム
20,420 管理サーバ
21,421 拠出者管理手段
21A,421A 拠出申出受付手段
21B 譲渡書作成手段
21C 移転登録申請書作成手段
21D 通常実施権許諾証書作成手段
21E 通常実施権設定登録申請書作成手段
22,422 利用者管理手段
22A,422A 会員登録申込受付手段
22C,422C 拠出権利情報開示手段
22D,422D 拠出権利情報検索手段
22E,422E 利用申込受付手段
22F,422F 特別利用条件処理手段
22G 専用実施権設定契約証書作成手段
22H 通常実施権許諾証書作成手段
22J 専用実施権設定登録申請書作成手段
22K 通常実施権設定登録申請書作成手段
22L,422G 検索条件登録処理手段
22M,422H 登録条件合致情報送信手段
22N,422J 対価決定手段
23 投資家管理手段
23A 証券購入申込受付手段
23D 運用状況開示手段
23E 投資家意見収集手段
24,427 侵害事実収集手段
30,430 拠出者端末装置
40,440 利用者端末装置
50 投資家端末装置
60,460 管理用データベース
61E,461E 検索画面記憶手段
61F,461F 検索条件登録画面記憶手段
61H 運用状況開示画面記憶手段
61J,461H 侵害事実発見連絡画面記憶手段
62,462 拠出権利情報記憶手段
63,463 会員情報記憶手段
64,464 検索条件記憶手段
170,550 検索画面
190,560 検索条件登録画面
230 運用状況開示画面である運用状況一覧画面
250 運用状況開示画面である運用状況詳細画面
300,580 侵害事実発見連絡画面
423 専用実施権設定契約証書作成手段
424 通常実施権許諾証書作成手段
425 専用実施権設定登録申請書作成手段
426 通常実施権設定登録申請書作成手段

Claims (10)

  1. 自己の知的財産権を拠出する拠出者と、この拠出者により拠出された前記知的財産権を利用する利用者との間での前記知的財産権の流通を支援するための処理を実行するコンピュータからなる知的財産権流通支援システムであって、
    前記知的財産権の流通を支援する管理者が運用する管理サーバと、
    この管理サーバとネットワークを介して接続されて前記拠出者または前記拠出者になろうとする拠出希望者が操作する拠出者端末装置と、
    前記管理サーバと前記ネットワークを介して接続されて前記利用者または前記利用者になろうとする利用希望者が操作する利用者端末装置と、
    前記管理サーバと前記ネットワークを介して接続されて前記拠出者から前記管理者へ移転された前記知的財産権に投資する投資家が操作する投資家端末装置と、
    前記管理サーバに接続された管理用データベースとを備え、
    前記管理サーバは、拠出者管理手段と、利用者管理手段と、投資家管理手段とを有し、
    前記管理用データベースは、拠出権利情報記憶手段と、会員情報記憶手段と、運用状況開示画面記憶手段と、投資家情報記憶手段とを含み、
    前記管理用データベースの前記拠出権利情報記憶手段には、
    前記拠出者により拠出された前記知的財産権の情報として、権利者の氏名または名称、登録番号、権利の内容、および前記知的財産権についてライセンス契約が成立している会員の会員識別情報を含む情報が前記各知的財産権毎に記憶され、
    前記管理用データベースの前記会員情報記憶手段には、
    前記拠出者により拠出された前記知的財産権を利用することができる権利を有する会員の情報として、前記会員の氏名または名称、並びに前記会員がライセンス契約をしている前記知的財産権の登録番号または前記管理者により付された管理番号が、会員識別情報に関連付けて前記各会員毎に記憶されるとともに、
    前記会員が前記知的財産権を利用して現在までに前記管理者に支払った前記各知的財産権毎の実施料の累計額と、
    前記会員がいずれの前記知的財産権であるかを問わず前記知的財産権について前記管理者との間で現在結んでいるかまたは過去に結んだライセンス契約数と、
    前記会員がいずれの前記知的財産権であるかを問わず前記知的財産権を利用して現在までに前記管理者に支払った実施料の総額と、
    前記会員が前記拠出者として拠出した前記知的財産権の件数とのうち、
    少なくとも一つの情報が、前記会員の知的財産権流通支援事業への貢献度として会員識別情報に関連付けて前記各会員毎に記憶され、
    前記管理用データベースの前記運用状況開示画面記憶手段には、
    前記管理者による前記知的財産権の運用状況として、一定の時間間隔で区切られた期間内に前記拠出者により拠出された前記知的財産権の集合を運用して得られた配当実績を含む情報を、前記一定の時間間隔で区切られた期間内に拠出された前記知的財産権の集合毎に開示するための運用状況開示画面の表示用データが記憶され、
    前記管理用データベースの前記投資家情報記憶手段には、
    証券を購入した前記投資家の情報として、前記投資家の氏名または名称、並びに購入した前記証券の種別データおよび購入口数データを含む情報が記憶され、
    前記管理サーバの前記拠出者管理手段は、
    前記拠出希望者による前記知的財産権の拠出の申出に係る入力データとして、前記拠出者端末装置から前記ネットワークを介して送信されてくる前記知的財産権の権利者の氏名または名称、登録番号、および権利の内容を含む情報を受け付けて前記拠出権利情報記憶手段に記憶させる処理を実行する拠出申出受付手段を含み、
    前記管理サーバの前記利用者管理手段は、
    前記利用希望者による前記会員となるための会員登録の申込に係る入力データとして、前記利用者端末装置から前記ネットワークを介して送信されてくる前記利用希望者の氏名または名称を含む情報を受け付けてこの受け付けた情報を前記会員情報記憶手段に記憶させる処理を実行する会員登録申込受付手段と、
    この会員登録申込受付手段により前記会員登録の申込に係る入力データを受け付けた前記利用希望者に対して会員識別情報を付与する処理を実行する会員識別情報付与手段と、
    前記拠出権利情報記憶手段に記憶された前記知的財産権の情報のうち、権利者の氏名または名称、登録番号、および権利の内容を含む情報、前記ネットワークを介して前記利用者端末装置に送信することにより前記利用希望者に対して前記知的財産権の情報を開示する処理を実行する拠出権利情報開示手段と、
    前記会員識別情報付与手段により前記会員識別情報を付与された前記会員による前記知的財産権の利用の申込に係る入力データとして、前記利用者端末装置から前記ネットワークを介して送信されてくる前記知的財産権の登録番号または前記管理番号を受け付けて、前記利用の申込をした前記会員の会員識別情報を前記利用の申込に係る前記知的財産権の情報として前記拠出権利情報記憶手段に記憶させるとともに、前記利用の申込に係る前記知的財産権の登録番号または前記管理番号を前記利用の申込をした前記会員の情報として前記会員情報記憶手段に記憶させる処理を実行する利用申込受付手段と
    前記知的財産権を利用する際に前記利用の申込をした前記会員が支払う対価を予め定められた所定の実施料率を変化させて決定する処理を実行する対価決定手段とを含み、
    前記対価決定手段は、
    前記会員情報記憶手段に前記貢献度として記憶された、前記利用の申込をした前記会員が対価決定対象の前記知的財産権を利用して現在までに前記管理者に支払った実施料の累計額が、一定額を超えたか否かを判断し、超えている場合に実施料率を下げる処理と、
    前記会員情報記憶手段に前記貢献度として記憶された、前記利用の申込をした前記会員が対価決定対象の前記知的財産権以外の知的財産権も含めて前記管理者との間で現在結んでいるかまたは過去に結んだライセンス契約数に応じて、このライセンス契約数が多い程、実施料率を下げる処理と、
    前記会員情報記憶手段に前記貢献度として記憶された、前記利用の申込をした前記会員が対価決定対象の前記知的財産権以外の知的財産権の利用も含めて現在までに前記管理者に支払った実施料の総額が、一定額を超えたか否かを判断し、超えている場合に実施料率を下げる処理と、
    前記会員情報記憶手段に前記貢献度として記憶された、前記利用の申込をした前記会員が前記拠出者として拠出した前記知的財産権の件数に応じて、この件数が多い程、実施料率を下げる処理とのうち、
    少なくとも一つの処理を、前記利用の申込に係る一つのライセンス契約につき時間を置いて複数回実行することにより、前記貢献度に基づき、前記知的財産権を利用する際に前記利用の申込をした前記会員が支払う対価を毎回変動させながら決定する処理を実行する構成とされ、
    前記管理サーバの前記投資家管理手段は、
    前記運用状況開示画面記憶手段に記憶された前記運用状況開示画面の表示用データを前記ネットワークを介して前記投資家端末装置に送信することにより、前記投資家に対し、前記一定の時間間隔で区切られた期間内に拠出された前記知的財産権の集合毎の前記運用状況を開示する処理を実行する運用状況開示手段と、
    前記投資家による証券購入の申込に係る入力データとして、前記投資家端末装置から前記ネットワークを介して送信されてくる前記投資家の氏名または名称、並びに前記一定の時間間隔で区切られた期間内に拠出された前記知的財産権の集合毎に発行された証券について購入した証券の種別データおよび購入口数データを受け付けて、前記証券を購入した前記投資家への証券発行用のデータとして前記投資家情報記憶手段に記憶させる処理を実行する証券購入申込受付手段とを含む
    ことを特徴とする知的財産権流通支援システム。
  2. 前記管理用データベースは、
    前記利用希望者が前記利用者端末装置で前記拠出権利情報記憶手段に記憶された前記知的財産権の情報を検索するための検索条件を入力するための検索画面の表示用データを記憶する検索画面記憶手段を含み、
    前記管理用データベースの前記拠出権利情報記憶手段には、
    前記拠出者により拠出された前記知的財産権の情報として、権利者の氏名または名称、登録番号、権利の内容、および前記知的財産権についてライセンス契約が成立している会員の会員識別情報に加え、前記知的財産権の属する技術分野および前記知的財産権の価値についての評価ランクが記憶され、
    前記管理用データベースの前記運用状況開示画面記憶手段には、
    前記管理者による前記知的財産権の運用状況として、一定の時間間隔で区切られた期間内に前記拠出者により拠出された前記知的財産権の集合を、さらに前記知的財産権の属する技術分野毎および/または前記知的財産権の価値についての評価ランク毎に分けた各々の集合を運用して得られた各配当実績を含む情報を、前記一定の時間間隔で区切られた期間内に拠出された前記知的財産権の集合毎に開示するための運用状況開示画面の表示用データが記憶され、
    前記管理サーバの前記利用者管理手段の前記拠出権利情報開示手段は、
    前記検索画面記憶手段に記憶された前記検索画面の表示用データを前記ネットワークを介して前記利用者端末装置に送信するとともに、前記利用希望者が前記利用者端末装置で前記検索画面を用いて前記検索条件として入力した前記技術分野および/または前記評価ランクを含む情報に基づき、前記拠出権利情報記憶手段に記憶された前記知的財産権の情報を検索する処理を実行し、この検索処理で抽出された前記知的財産権の情報のうち、権利者の氏名または名称、登録番号、および権利の内容を含む情報を、前記ネットワークを介して前記利用者端末装置に送信することにより前記利用希望者に対して前記知的財産権の情報を開示する処理を実行する構成とされ、
    前記管理サーバの前記投資家管理手段の前記運用状況開示手段は、
    前記運用状況開示画面記憶手段に記憶された前記運用状況開示画面の表示用データを前記ネットワークを介して前記投資家端末装置に送信することにより、前記投資家に対し、前記一定の時間間隔で区切られた期間内に拠出された前記知的財産権の集合毎で、かつ、前記技術分野毎および/または前記評価ランク毎の前記運用状況を開示する処理を実行する構成とされ、
    前記管理サーバの前記投資家管理手段の前記証券購入申込受付手段は、
    前記投資家による証券購入の申込に係る入力データとして、前記投資家端末装置から前記ネットワークを介して送信されてくる前記投資家の氏名または名称、並びに前記一定の時間間隔で区切られた期間内に拠出された前記知的財産権の集合毎で、かつ、前記技術分野毎および/または前記評価ランク毎に発行された証券について購入した証券の種別データおよび購入口数データを受け付けて、前記証券を購入した前記投資家への証券発行用のデータとして前記投資家情報記憶手段に記憶させる処理を実行する構成とされている
    ことを特徴とする請求項1に記載の知的財産権流通支援システム。
  3. 前記管理サーバの前記利用者管理手段の前記会員登録申込受付手段は、
    前記利用希望者による前記会員となるための会員登録の申込に係る入力データとして、前記利用者端末装置から前記ネットワークを介して送信されてくる前記利用希望者の氏名または名称に加え、利用したい前記知的財産権の属する技術分野および/または利用したい前記知的財産権の価値についての評価ランクの選択情報を含む情報を受け付けてこの受け付けた情報を前記会員情報記憶手段に記憶させることにより、前記技術分野毎および/または前記評価ランク毎に前記会員となるための会員登録の申込を受け付ける処理を実行する構成とされている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の知的財産権流通支援システム。
  4. 前記管理用データベースの前記拠出権利情報記憶手段には、
    前記拠出者により拠出された前記知的財産権の情報として、権利者の氏名または名称、登録番号、権利の内容、および前記知的財産権についてライセンス契約が成立している会員の会員識別情報に加え、いずれの前記会員であるかを問わず前記会員との間で前記知的財産権について現在結ばれているライセンス契約数と、前記知的財産権の現在の価値を示す現在の評価ランクとのうち、少なくとも一つの情報が記憶され、
    前記管理サーバの前記利用者管理手段の前記対価決定手段は、
    前記会員情報記憶手段に記憶された前記利用の申込をした前記会員の前記貢献度に基づく判断処理に加え、
    前記拠出権利情報記憶手段に記憶された、他の会員との契約分も含めて対価決定対象の前記知的財産権について現在結ばれているライセンス契約数に応じて、このライセンス契約数が多い程、実施料率を下げる処理と、
    前記拠出権利情報記憶手段に記憶された、対価決定対象の前記知的財産権の価値を示す評価ランクの上下に応じて、実施料率を上下させる処理とのうち、
    少なくとも一つの処理を、前記利用の申込に係る一つのライセンス契約につき時間を置いて複数回実行することにより、前記貢献度および前記知的財産権の情報に基づき、前記知的財産権を利用する際に前記利用の申込をした前記会員が支払う対価を毎回変動させながら決定する処理を実行する構成とされている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の知的財産権流通支援システム。
  5. 前記管理サーバの前記利用者管理手段の前記利用申込受付手段は、
    前記会員識別情報付与手段により前記会員識別情報を付与された前記会員による前記知的財産権の利用の申込に係る入力データとして、前記利用者端末装置から前記ネットワークを介して送信されてくる前記知的財産権の登録番号または前記管理番号に加え、利用条件として、非独占的通常実施権、独占的通常実施権、または専用実施権の中のいずれかを選択する選択情報を受け付ける処理を実行し、さらに、特別利用条件に相当する専用実施権または独占的通常実施権の選択情報を受け付けた場合の処理を実行する特別利用条件処理手段を含む構成とされ、
    前記特別利用条件処理手段は、
    前記会員から前記特別利用条件での前記知的財産権の利用の申込があった旨の通知データを前記ネットワークを介して他の会員が操作する前記利用者端末装置に送信することによりその旨を前記他の会員に対して告知する処理を実行する告知手段と、
    この告知手段による前記通知データを受信した前記利用者端末装置から前記ネットワークを介して送信されてくる前記他の会員による異議申立を行う旨を示す異議申立データを受け付ける処理を実行する異議申立受付手段と、
    前記会員および前記異議申立を行った前記他の会員がそれぞれ操作する前記各利用者端末装置に対してオークション実施通知データを前記ネットワークを介して送信する処理を実行するオークション実施通知送信手段と、
    前記オークション実施通知データを受信した前記各利用者端末装置から前記ネットワークを介して送信されてくる前記会員および前記異議申立を行った前記他の会員による入札条件データを前記ネットワークを介して受信する処理を実行する入札条件受信手段と、
    この入札条件受信手段により受信した前記各入札条件データを比較することにより、前記利用の申込に係る前記知的財産権の利用者を決定する処理を実行する利用者決定手段とを含む
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の知的財産権流通支援システム。
  6. 前記管理用データベースは、
    前記拠出権利情報記憶手段に記憶された前記知的財産権の情報を検索するための検索条件として、前記知的財産権の属する技術分野および/または前記知的財産権の価値についての評価ランクを含む情報前記会員識別情報と関連付けて前記各会員毎に予め登録して記憶しておく検索条件記憶手段と、
    前記会員となった前記利用希望者が前記利用者端末装置で前記検索条件を入力するための検索条件登録画面の表示用データを記憶する検索条件登録画面記憶手段とを含み、
    前記管理用データベースの前記拠出権利情報記憶手段には、
    前記拠出者により拠出された前記知的財産権の情報として、権利者の氏名または名称、登録番号、権利の内容、および前記知的財産権についてライセンス契約が成立している会 員の会員識別情報に加え、前記技術分野および前記評価ランクが記憶され、
    前記管理サーバの前記利用者管理手段は、
    前記検索条件登録画面記憶手段に記憶された前記検索条件登録画面の表示用データを前記ネットワークを介して前記利用者端末装置に送信するとともに、前記会員となった前記利用希望者が前記利用者端末装置で前記検索条件登録画面を用いて前記検索条件として入力した前記技術分野および/または前記評価ランクを含む情報を受信して前記検索条件記憶手段に記憶させる処理を実行する検索条件登録処理手段と、
    前記検索条件記憶手段に前記各会員毎の前記検索条件として記憶された前記技術分野および/または前記評価ランクを含む情報に基づき、前記拠出権利情報記憶手段に記憶された前記知的財産権の情報を検索し、前記検索条件に合致する情報を有する前記知的財産権の情報のうち、権利者の氏名または名称、登録番号、および権利の内容を含む情報を、合致する前記検索条件を入力した前記会員の前記利用者端末装置に前記ネットワークを介して送信する処理を実行する登録条件合致情報送信手段と
    を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の知的財産権流通支援システム。
  7. 前記管理用データベースは、
    投資家意見募集画面の表示用データを記憶する投資家意見募集画面記憶手段と、
    前記管理者による前記知的財産権の運用、前記管理者による前記知的財産権の価値に対する評価、または配当についての前記投資家の意見データを記憶する投資家意見記憶手段とを含み、
    前記管理サーバの前記投資家管理手段は、
    前記投資家意見募集画面記憶手段に記憶された前記投資家意見募集画面の表示用データを前記ネットワークを介して前記投資家端末装置に送信するとともに、前記投資家意見募集画面を用いて設問形式または文章入力形式で入力された前記投資家の意見データを前記投資家端末装置から前記ネットワークを介して受信して収集し、収集したデータを前記投資家意見記憶手段に記憶させる処理を実行する投資家意見収集手段を含む
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の知的財産権流通支援システム。
  8. 自己の知的財産権を拠出する拠出者と、この拠出者により拠出された前記知的財産権を利用する利用者との間での前記知的財産権の流通を支援するための処理を実行するコンピュータからなる知的財産権流通支援システムを構成するために、前記知的財産権の流通を支援する管理者が運用する管理サーバであって、
    前記拠出者または前記拠出者になろうとする拠出希望者が操作する拠出者端末装置とネットワークを介して接続されるとともに、前記利用者または前記利用者になろうとする利用希望者が操作する利用者端末装置と前記ネットワークを介して接続され、さらに前記拠出者から前記管理者へ移転された前記知的財産権に投資する投資家が操作する投資家端末装置と前記ネットワークを介して接続され、
    出権利情報記憶手段と、会員情報記憶手段と、運用状況開示画面記憶手段と、投資家情報記憶手段とを含む管理用データベースが接続され、
    出者管理手段と、利用者管理手段と、投資家管理手段とを有し、
    前記管理用データベースの前記拠出権利情報記憶手段には、
    前記拠出者により拠出された前記知的財産権の情報として、権利者の氏名または名称、登録番号、権利の内容、および前記知的財産権についてライセンス契約が成立している会員の会員識別情報を含む情報が前記各知的財産権毎に記憶され、
    前記管理用データベースの前記会員情報記憶手段には、
    前記拠出者により拠出された前記知的財産権を利用することができる権利を有する会員の情報として、前記会員の氏名または名称、並びに前記会員がライセンス契約をしている前記知的財産権の登録番号または前記管理者により付された管理番号が、会員識別情報に関連付けて前記各会員毎に記憶されるとともに、
    前記会員が前記知的財産権を利用して現在までに前記管理者に支払った前記各知的財産権毎の実施料の累計額と、
    前記会員がいずれの前記知的財産権であるかを問わず前記知的財産権について前記管理者との間で現在結んでいるかまたは過去に結んだライセンス契約数と、
    前記会員がいずれの前記知的財産権であるかを問わず前記知的財産権を利用して現在までに前記管理者に支払った実施料の総額と、
    前記会員が前記拠出者として拠出した前記知的財産権の件数とのうち、
    少なくとも一つの情報が、前記会員の知的財産権流通支援事業への貢献度として会員識別情報に関連付けて前記各会員毎に記憶され、
    前記管理用データベースの前記運用状況開示画面記憶手段には、
    前記管理者による前記知的財産権の運用状況として、一定の時間間隔で区切られた期間内に前記拠出者により拠出された前記知的財産権の集合を運用して得られた配当実績を含む情報を、前記一定の時間間隔で区切られた期間内に拠出された前記知的財産権の集合毎に開示するための運用状況開示画面の表示用データが記憶され、
    前記管理用データベースの前記投資家情報記憶手段には、
    証券を購入した前記投資家の情報として、前記投資家の氏名または名称、並びに購入した前記証券の種別データおよび購入口数データを含む情報が記憶され、
    前記拠出者管理手段は、
    前記拠出希望者による前記知的財産権の拠出の申出に係る入力データとして、前記拠出者端末装置から前記ネットワークを介して送信されてくる前記知的財産権の権利者の氏名または名称、登録番号、および権利の内容を含む情報を受け付けて前記拠出権利情報記憶手段に記憶させる処理を実行する拠出申出受付手段を含み、
    前記利用者管理手段は、
    前記利用希望者による前記会員となるための会員登録の申込に係る入力データとして、前記利用者端末装置から前記ネットワークを介して送信されてくる前記利用希望者の氏名または名称を含む情報を受け付けてこの受け付けた情報を前記会員情報記憶手段に記憶させる処理を実行する会員登録申込受付手段と、
    この会員登録申込受付手段により前記会員登録の申込に係る入力データを受け付けた前記利用希望者に対して会員識別情報を付与する処理を実行する会員識別情報付与手段と、
    前記拠出権利情報記憶手段に記憶された前記知的財産権の情報のうち、権利者の氏名または名称、登録番号、および権利の内容を含む情報、前記ネットワークを介して前記利用者端末装置に送信することにより前記利用希望者に対して前記知的財産権の情報を開示する処理を実行する拠出権利情報開示手段と、
    前記会員識別情報付与手段により前記会員識別情報を付与された前記会員による前記知的財産権の利用の申込に係る入力データとして、前記利用者端末装置から前記ネットワークを介して送信されてくる前記知的財産権の登録番号または前記管理番号を受け付けて、前記利用の申込をした前記会員の会員識別情報を前記利用の申込に係る前記知的財産権の情報として前記拠出権利情報記憶手段に記憶させるとともに、前記利用の申込に係る前記知的財産権の登録番号または前記管理番号を前記利用の申込をした前記会員の情報として前記会員情報記憶手段に記憶させる処理を実行する利用申込受付手段と
    前記知的財産権を利用する際に前記利用の申込をした前記会員が支払う対価を予め定められた所定の実施料率を変化させて決定する処理を実行する対価決定手段とを含み、
    前記対価決定手段は、
    前記会員情報記憶手段に前記貢献度として記憶された、前記利用の申込をした前記会員が対価決定対象の前記知的財産権を利用して現在までに前記管理者に支払った実施料の累計額が、一定額を超えたか否かを判断し、超えている場合に実施料率を下げる処理と、
    前記会員情報記憶手段に前記貢献度として記憶された、前記利用の申込をした前記会員が対価決定対象の前記知的財産権以外の知的財産権も含めて前記管理者との間で現在結んでいるかまたは過去に結んだライセンス契約数に応じて、このライセンス契約数が多い程、実施料率を下げる処理と、
    前記会員情報記憶手段に前記貢献度として記憶された、前記利用の申込をした前記会員が対価決定対象の前記知的財産権以外の知的財産権の利用も含めて現在までに前記管理者 に支払った実施料の総額が、一定額を超えたか否かを判断し、超えている場合に実施料率を下げる処理と、
    前記会員情報記憶手段に前記貢献度として記憶された、前記利用の申込をした前記会員が前記拠出者として拠出した前記知的財産権の件数に応じて、この件数が多い程、実施料率を下げる処理とのうち、
    少なくとも一つの処理を、前記利用の申込に係る一つのライセンス契約につき時間を置いて複数回実行することにより、前記貢献度に基づき、前記知的財産権を利用する際に前記利用の申込をした前記会員が支払う対価を毎回変動させながら決定する処理を実行する構成とされ、
    前記投資家管理手段は、
    前記運用状況開示画面記憶手段に記憶された前記運用状況開示画面の表示用データを前記ネットワークを介して前記投資家端末装置に送信することにより、前記投資家に対し、前記一定の時間間隔で区切られた期間内に拠出された前記知的財産権の集合毎の前記運用状況を開示する処理を実行する運用状況開示手段と、
    前記投資家による証券購入の申込に係る入力データとして、前記投資家端末装置から前記ネットワークを介して送信されてくる前記投資家の氏名または名称、並びに前記一定の時間間隔で区切られた期間内に拠出された前記知的財産権の集合毎に発行された証券について購入した証券の種別データおよび購入口数データを受け付けて、前記証券を購入した前記投資家への証券発行用のデータとして前記投資家情報記憶手段に記憶させる処理を実行する証券購入申込受付手段とを含む
    ことを特徴とする管理サーバ。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の知的財産権流通支援システムとして、コンピュータを機能させるためのプログラム。
  10. 請求項8に記載の管理サーバとして、コンピュータを機能させるためのプログラム。
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