JP3939166B2 - 機械加工用工具装置ならびに機械加工方法および装置 - Google Patents

機械加工用工具装置ならびに機械加工方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械加工機の工具主軸に取り付けられて、切削加工、研削加工等の機械加工を行う加工具を保持する機械加工用工具装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
機械加工機の工具主軸に加工具を取り付け、工具主軸に回転と軸方向運動との少なくとも一方を付与すれば、加工具を被加工物に対して相対運動させ、被加工物を加工することができる。しかし、加工具が工具主軸に対して相対運動不能である場合には、加工具に付与し得る運動は工具主軸に付与される運動に限られ、実施可能な加工の種類が限定されることを避け得ない。
【0003】
そこで、工具主軸に固定される装置本体に対して、相対運動可能な工具保持部材を設け、その工具保持部材に加工具を取り付けることが従来から行われていた。特開平11−347812号公報に記載のバルブシート加工用切削工具装置はその一例である。このようにすれば、加工具に工具主軸とは異なる運動を付与することができ、実施可能な切削加工の種類が増す。しかし、従来のこの種の機械加工機用切削工具装置は、機械加工機側に設けられた駆動装置により駆動されるようになっており、特殊な機械加工機を必要とする。多くの場合、中空の工具主軸の内部にさらに別の駆動軸が設けられ、その駆動軸の工具主軸に対する相対運動(回転運動でも、軸方向運動でも、両方でもよい)がそのまま、あるいは運動変換機構により別の運動に変換されて工具保持部材に伝達される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果】
本発明は、以上の事情を背景とし、特殊な機械加工機を用いることなく、工具主軸とは異なる運動を加工具に付与し得るようにすることを課題としてなされたものであり、本発明によって、下記各態様の機械加工機用工具装置が得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解釈されるべきではない。また、一つの項に複数の事項が記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなければならないわけではない。一部の事項のみを選択して採用することも可能なのである。
【0005】
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(2)項が請求項2に、(4)項が請求項3に、 (5)項,(6)項を合わせたものが請求項4に、(9)項,(10)項,(11)項を合せたものが請求項5に、(18)項が請求項6に、(19)項が請求項7に、(20)項が請求項8に、(22)項が請求項9にそれぞれ相当する。
【0006】
(1)機械加工機の工具主軸に着脱される装置本体と、その装置本体に相対運動可能に保持されて加工具を保持する工具保持部材と、前記装置本体に設けられて液圧で作動する液圧アクチュエータと、その液圧アクチュエータの可動子の動運動を前記工具保持部材に伝達する運動伝達装置とを含む機械加工用工具装置であって、
前記装置本体に設けられ、可動加工具としての前記加工具とは別の固定加工具を保持する固定加工具保持部と、
前記装置本体に設けられ、前記液圧アクチュエータの前記可動子の両側に形成される一対の液圧室の一方に作動液を供給する供給通路および他方から作動液が流出することを許容する排出通路と、
その排出通路に設けられ、前記他方の液圧室からの作動液の流出流量を規制する絞り装置と
を含む機械加工用工具装置。
【0007】
本項の機械加工用工具装置に、供給通路から加圧された液を供給すれば、その液が液圧アクチュエータを作動させる。その際、液圧アクチュエータの上記加圧された液が供給される側とは反対側の液圧室から作動液が流出するが、その流出速度が絞り装置により規制されるため、液圧アクチュエータの作動速度も規制される。その液圧アクチュエータの可動子の運動が、運動伝達装置により工具保持部材に伝達されるため、工具保持部材の運動速度も規制される。したがって、絞り装置を、加工具の運動速度が機械加工に適した速度となるように設定しておけば、加工具により適切な機械加工が行われることとなる。加工具は切削工具でも研削工具でもよい。
【0008】
液圧アクチュエータは、可動子が直線運動する液圧シリンダであっても、可動子が回転運動する揺動シリンダであってもよい。工具保持部材は、装置本体に対して、その装置本体の中心軸線に平行な方向に移動可能とすることも、中心軸線に直角な方向や中心軸線に対して傾斜した方向に移動可能とすることも、さらに、中心軸線に対して0を含む任意の角度を成す回転軸線まわりに回転可能とすることもできる。運動伝達装置は、可動子の運動を単純に工具保持部材に伝達するものであっても、運動を変換する運動変換機構を備えたものであってもよく、可動子の運動と工具保持部材に必要な運動との両方に基づいて選定されるべきものである。
【0009】
いずれにしても、工具保持部材およびそれに保持される加工具(可動加工具)は、装置本体に対して相対運動をさせられるのであり、その装置本体は、機械加工機の工具主軸に取り付けられて工具主軸により運動を与えられる。したがって、可動加工具には工具主軸の運動とは異なる運動、すなわち、工具主軸の運動と、工具保持部材の工具主軸に対する相対運動との和に相当する運動を行わせることができる。しかも、装置本体の固定加工具保持部には固定加工具が取り付けられるため、この固定過加工具と上記可動加工具とには互いに異なる運動が付与されて、被加工物の複数個所に互いに異なる加工が施されることとなる。
ただし、本発明に係る工具保持装置は、装置本体の固定加工具保持部に加工具を取り付けないで使用することも可能である。工具主軸により装置本体に付与される運動とは異なる運動を加工具に付与し得るのみでも意味があるのである。例えば、マシニングセンタにおいては、切削工具が交換されることによって種々の切削加工が行われるのであるが、それでも、マシニングセンタには不向き、あるいは実施不可能な切削加工があるのであり、それらの切削加工は、別の専用機等によって行われるのが普通である。それに対し、本機械加工用工具装置をマシニングセンタの工具主軸に取り付ければ、従来、マシニングセンタには不向き、あるいは実施不可能であった切削加工もマシニングセンタによって行うことが可能となり、専用機を省略して設備コストを節減し、あるいは加工能率を向上させることが可能となるのである。工具主軸の内部に別の駆動軸を備えていない機械加工機であっても、加工具に切削液,研削液等の加工液を加圧して供給する加工液供給装置や、液圧アクチュエータを作動させるための作動液を供給する作動液供給装置を備えていることは多いのであって、本発明に係る機械加工用工具装置は、広い範囲の機械加工機において使用することができる。
【0010】
(2)前記絞り装置が、流路面積が可変の可変絞り装置を含む (1)項に記載の機械加工用工具装置。
絞り装置を可変絞り装置とすれば、液圧アクチュエータの作動速度を任意に設定することが可能となり、機械加工用工具装置の用途が広くなる。
(3)前記可変絞り装置が、手動操作に応じて移動可能な可動弁子を備え、その可動弁子の移動により前記流路面積が変更可能な手動可変絞り弁を含む (2)項に記載の機械加工用工具装置。
可変絞り装置を、ソレノイド,電動モータ等により作動させられる電磁絞り弁等とすることも可能であるが、手動可変絞り弁とすれば、機械加工機の工具主軸に取り付けられる装置本体に電力供給用のリード線等を接続する必要がなく、着脱が容易になる。
(4)前記排出通路に、前記他方の液圧室への作動液の流入は許容するが流出は阻止する逆止弁が前記絞り装置と並列に設けられた (1)項ないし (3)項のいずれかに記載の機械加工用工具装置。
液圧室からの作動液の流出のみならず、流入の流量も絞り装置により規制されるようにすることも可能であるが、加工具の運動は、正方向には低速、逆方向には高速であることが望ましい場合が多い。逆止弁を設ければこの要求を容易に満たすことができる。
(5)前記装置本体に設けられ、前記排出通路を経て排出された作動液を収容する作動液収容装置を含む (1)項ないし (4)項のいずれかに記載の機械加工用工具装置。
排出通路を、工具主軸あるいは機械加工機本体に設けられた液通路を経て、機械加工機側に設けられた作動液収容装置に収容させることも可能である。しかし、作動液収容装置を機械加工用工具装置自体の装置本体内に設ければ、機械加工用工具装置を機械加工機の工具主軸に装着する際に、連通させるべき液通路が供給通路のみとなり、機械加工用工具装置の工具主軸への着脱および装置の構成が簡単で済む。
(6)前記作動液収容装置が、前記排出通路により前記他方の液圧室に接続され、その他方の液圧室から排出された作動液を加圧下に蓄える蓄圧器を含む (5)項に記載の機械加工用工具装置。
作動液収容装置は、液圧アクチュエータの液圧室から排出された作動液を収容し得るものであればよいのであるが、加圧下に収容し得る蓄圧器であることが望ましい。蓄圧器であれば、一旦収容した作動液を液圧アクチュエータに積極的に戻すことによって、液圧アクチュエータを逆方向に作動させることができるからである。もっとも、この目的のみであれば、液圧アクチュエータの可動子を逆方向に付勢する付勢装置を設けることによっても達し得る。
液圧アクチュエータおよび蓄圧器が共に、機械加工用工具装置の装置本体の中心軸線に対して軸対称な構造である場合には、液圧アクチュエータ内の作動液は勿論、蓄圧器内に加圧下に収容された作動液も装置本体の中心軸線に対して軸対称な形状を保つこととなるため、機械加工用工具装置が工具主軸と共に回転させられる場合に、作動液の質量が偏心することにより機械加工用工具装置の動バランスが悪くなることを回避することができる。
(7)前記蓄圧器が、前記装置本体に形成されたシリンダボアと、そのシリンダボアに液密かつ摺動可能に嵌合されたピストンと、そのピストンの片側に形成されて前記排出通路により前記他方の液圧室に接続される可変容積室と、その可変容積室の容積が減少する向きに前記ピストンを付勢する付勢装置とを含むピストン式蓄圧器である (6)項に記載の機械加工用工具装置。
加圧された気体が封入されたブラダ,ベローズ等を備えた加圧気体式蓄圧器の採用も可能であるが、機械加工用工具装置にはピストン式蓄圧器が好適である。
(8)前記液圧アクチュエータが、前記装置本体に形成されたシリンダボアと、そのシリンダボアに液密かつ摺動可能に嵌合された前記可動子としてのピストンとを含む液圧シリンダである (1)項ないし (6)項のいずれかに記載の機械加工用工具装置。
可動子としてのピストンの運動は、通常、ピストンに固定のピストンロッドを介して液圧シリンダ外へ取り出される。このピストンロッドあるいはそれに固定された部材が運動伝達装置を構成する場合もあるが、これらの運動を変換して工具保持部材に伝達するものとされる場合もある。
(9)前記液圧アクチュエータが、前記装置本体に形成された第1シリンダボアと、その第1シリンダボアに液密かつ摺動可能に嵌合された前記可動子としての第1ピストンとを含む第1液圧シリンダであり、前記蓄圧器が、前記装置本体に形成された第2シリンダボアと、その第2シリンダボアに液密かつ摺動可能に嵌合された第2ピストンと、その第2ピストンの片側に形成されて前記排出通路により前記他方の液圧室に接続される可変容積室と、その可変容積室の容積が減少する向きに前記第2ピストンを付勢する付勢装置とを含むピストン式蓄圧器である (6)項に記載の機械加工用工具装置。
(10)前記第1シリンダボアと前記第2シリンダボアとが互いに同心に形成された (9)項に記載の機械加工用工具装置。
第1シリンダボアと第2シリンダボアとが互いに同心に形成され、液圧アクチュエータとピストン式蓄圧器とが機械加工用工具装置の中心軸線に対して軸対称に構成されている場合には、機械加工用工具装置が工具主軸と共に回転させられる際に、動バランスを保つことが容易となる。
(11)前記ピストン式蓄圧器が中心部に貫通孔を有して概して有孔円筒状をなし、その有孔円筒状蓄圧器の内側に、前記第1液圧シリンダが配設された(10)項に記載の機械加工用工具装置。
第1液圧シリンダと蓄圧器の配置を本項とは逆にすることも可能であるが、第1液圧シリンダを中心側に配置する方が、機械加工用工具装置に要求される機能を満たすことが容易である場合が多い。
(12)前記有孔円筒状蓄圧器が、
前記装置本体に形成された有底穴に、概して円筒状をなし、外周面が大径部と小径部とを有する段付円筒状部材が液密に嵌合されることによって、前記有底穴の内周面と前記小径部の外周面との間に円環状の空間が形成されたハウジングと、
前記円環状の空間に液密かつ摺動可能に嵌合された有孔円筒状の前記第2ピストンと、
その第2ピストンの周方向に隔たった複数個所と前記ハウジングとの間にそれぞれ配設された複数のばね部材と
を含む(11)項に記載の機械加工用工具装置。
第2ピストンを可変容積室側に付勢する付勢装置として、第2ピストンと同心に配設された皿ばね等を採用することも可能であるが、本項におけるように複数のばね部材を、第2ピストンの周方向に隔たった複数個所とハウジングとの間に配設することが望ましい場合が多い。第2ピストンの直径が比較的大きい場合には特にそうである。
(13)前記装置本体が、
前記工具主軸のテーパ穴に嵌合されるテーパ嵌合部と、
横断面形状がV字形である円環溝を備え、工具交換装置の工具保持部により保持される被保持部と、
その被保持部に対して前記テーパ嵌合部とは反対側に設けられ、前記加工具を相対移動可能に保持する工具保持部と
を含み自動工具交換装置により自動交換されるものである (1)項ないし(12)項のいずれかに記載の機械加工用工具装置。
本項の機械加工用工具装置は、自動工具交換装置により自動交換可能であり、マシニングセンタ用の切削工具の一つとして使用すれば、マシニングセンタにより可能な切削加工の種類を増すことができる。
(14)前記供給通路が、前記テーパ嵌合部にそのテーパ嵌合部の中心軸線に平行に形成された(13)項に記載の機械加工用工具装置。
本発明に係る機械加工用工具装置においては、装置本体の外周側に装置本体と相対回転可能なスリーブを取り付け、そのスリーブに接続具を設けて、機械加工用工具装置が工具主軸に取り付けられる際、その接続具が機械加工機の主軸ハウジングに設けられた別の接続具と接続されて、それら接続具を経て、加圧された液が機械加工用工具装置に供給されるようにすることも可能である。しかし、機械加工機の工具主軸は中空とされ、中心穴を経て加工液や作動液が供給可能とされていることが多い。本項の機械加工用工具装置は、この加工液や作動液を供給通路から容易に導入することができ、加工液や作動液を液圧アクチュエータの作動液として利用することが容易である。
(15)前記供給通路が、前記被保持部および前記工具保持部を前記中心軸線に平行に貫通して形成された加工液供給通路に接続された(14)項に記載の機械加工用工具装置。
(16)前記付勢装置による前記ピストンの前記可変容積室側への移動限度を規定するストッパを含む (7)項に記載の機械加工用工具装置。
ストッパによりピストンの可変容積室側への移動限度が規定されれば、蓄圧器の最小容積が規定され、蓄圧器から戻される作動液による液圧アクチュエータの作動量も規定される。
(17)前記装置本体に、前記可変容積室への作動液の注入口が設けられ、その注入口が通常は閉塞部材により閉塞されている(16)項に記載の機械加工用工具装置。
ストッパによりピストンの可変容積室側への移動が阻止された状態では、可変容積室内の作動液が加圧されない。したがって、注入口を開いても作動液が外部へ噴出することはなく、可変容積室および液圧アクチュエータへの作動液の供給、ならびに注入口の閉塞を容易に行うことができる。
(18)前記工具保持部材が、前記装置本体に、その装置本体の中心軸線に平行な方向に移動可能に保持された (1)項ないし(17)項のいずれかに記載の機械加工用工具装置。
工具保持部材が中心軸線上を中心軸線に平行に移動可能に設けられる態様が代表的であるが、中心軸線から偏心した位置に工具保持部材を中心軸線に平行に移動可能に設けることも可能である。
(19)前記工具保持部材が、前記装置本体に、その装置本体の中心軸線に直角な方向に移動可能に保持された (1)項ないし(18)項のいずれかに記載の機械加工用工具装置。
例えば、本項の機械加工用工具装置の工具保持部材に溝切削工具を保持させれば、穴の内周面に容易に円環溝を形成することができる。Oリングを配設するためのOリング溝の形成がその一例である。本機械加工用工具装置を回転させつつ軸方向に移動させれば、穴の内周面に、油溝等、穴の中心線に対して傾斜した傾斜溝を形成することもできる。この場合には、工具装置本体を軸方向に往復移動させるとともに、各往動時における液圧アクチュエータへの作動液の供給量を徐々に多くすることが望ましい。例えば、一定量の作動液を液圧アクチュエータに供給して加工具を装置本体から一定量半径方向外向きに突出させ、その状態で装置本体を回転させつつ正方向に移動させて浅い溝を形成し、その後、液圧アクチュエータを逆方向に作動させて加工具を引っ込ませ、その状態で装置本体を逆方向に移動させ、次には、液圧アクチュエータへの作動液の供給量を増して加工具の突出量を増し、装置本体を再び正方向に移動させて溝の深さを増すのであり、この動作を繰り返すことにより、所望の深さの傾斜溝を切削加工することができる。また、装置本体の回転速度と軸方向の移動速度との比率を任意に変更することにより、傾斜溝のリード角を任意に変更することができる。
(20)前記工具保持部材が、前記装置本体に、その装置本体の中心軸線に対して傾斜した方向に移動可能に保持された (1)項ないし(19)項のいずれかに記載の機械加工用工具装置。
本項の機械加工用工具装置は、例えば、精度の良いテーパ内周面を機械加工する場合等に有効である。
(21)前記工具保持部材が、前記装置本体に、その装置本体の中心軸線上においてその中心軸線に平行に移動可能に保持され、エンジンのバルブステムを摺動可能に保持するステム孔をリーマ加工するリーマを前記可動加工具として保持するものであり、かつ、前記装置本体に、互いにテーパの異なる複数のテーパ内周面であって前記エンジンのバルブシートを形成するものを切削加工する複数の切削刃具が前記固定加工具として取り付けられた (1)項ないし(17)項のいずれかに記載の機械加工用工具装置。
本項の機械加工用工具装置によれば、ステム孔とバルブシートとを高い精度で同心に加工することができる。まず、バルブシートの切削加工が行われ、後に、ステム孔のリーマ加工が行われるというように、両加工が時期を異にして行われることが多いが、少なくとも一部が並行して行われてもよい。
なお、本項のエンジンのバルブシート加工用工具装置が、本発明に係る機械加工用工具装置の一例であるが、それに限定されるわけではない。装置本体に対して相対運動可能な工具保持部材と装置本体自体とに、それぞれ加工具を保持させれば、それら加工具に互いに異なる運動を与えることができ、被加工物の複数個所に複数種類の加工を行うことができるのである。これら複数種類の加工は同時に並行して行われても、時期を異にして行われてもよい。
(22) (1) 項ないし (21) 項のいずれかに記載の機械加工用工具装置を使用して被加工物を機械加工する方法であって、
上記機械加工用工具装置を機械加工機の工具主軸に取り付け、その工具主軸と被加工物とを相対移動させることによって前記固定加工具により被加工物に第1加工を施す工程と、前記液圧アクチュータを作動させつつ前記可動加工具により前記被加工物に第2加工を施す工程とを、同時に並行して、または時期を異にして、実施する機械加工方法。
(23) (1) 項ないし (21) 項のいずれかに記載の機械加工用工具装置と、
(a) その機械加工用工具装置が取り付けられる工具主軸と、 (b) その工具主軸と被加工物とを相対移動させることによって前記固定加工具により被加工物に第1加工を施すことと、前記液圧アクチュータを作動させつつ前記可動加工具により前記被加工物に第2加工を施すこととを、同時に並行して、または時期を異にして行わせる制御装置とを備えた機械加工機と
を含む機械加工装置。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態である機械加工用工具装置について図面に基づいて詳細に説明する。
図1に本実施形態の機械加工用工具装置たるバルブシート加工用工具装置を示す。バルブシート加工用工具装置は、被加工物たるエンジンのバルブステムを摺動可能に保持するステム孔と、バルブシートとを同心に精度良く加工するための装置である。図1および図2において、10はバルブシート加工用工具装置の装置本体である。装置本体10は、概して段付きの円筒状をなしている。装置本体10は、製造の都合上複数の部材から成り、互いに位相が決められた状態で固定装置たる複数のボルトによってそれら部材が一体化され、装置本体10として機能する。装置本体10は、概して中空円筒状をなすハウジング部11と、ハウジング部11の軸方向に隔たった両端部のうち一端部である後端部(図1における右方)に設けられた嵌合部12と、嵌合部12とは軸方向において反対側の他端部(図1における左方)に設けられた加工具を保持する工具保持部14とを備えている。
【0012】
装置本体10は、嵌合部12において機械加工機の一種であるマシニングセンタの工具主軸20に着脱可能に取り付けられる。工具主軸20に取り付けられる種々の機械加工用工具装置(本バルブシート加工用工具装置を含む)は、図示を省略する自動工具交換装置によって自動交換されるものである。したがって、バルブシート加工用工具装置の嵌合部12は、自動工具交換装置の工具保持部たる工具保持アームにより保持される被保持部24を備えている。被保持部24は、嵌合部12の後端部を構成するテーパ嵌合部25よりも大径のフランジ状を成し、その軸方向中間部には、横断面形状がV字形である円環溝26が形成されている。被保持部24を上記円環溝26において工具保持アームに保持させることにより、本バルブシート加工用工具装置を含む機械加工用工具装置を自動で工具主軸20に着脱することができる。
【0013】
嵌合部12の被保持部24には、複数個所(本実施形態の場合直径方向に隔たった2個所)に軸方向に平行にかつ被保持部24の後端面30に開口する係合凹部32が形成され、工具主軸20に直径方向に隔たった2個所に一体的に設けられ、工具主軸20の先端面34より突出するキー36が係合可能である。嵌合部12はまた、後端に向かうにつれて直径が漸減させられるテーパ外周面40を有する前記テーパ嵌合部25を備えている。バルブシート加工用工具装置を工具主軸20に取り付ける際には、キー36と係合凹部32との位相が一致した状態で、テーパ嵌合部25が工具主軸20に形成されたテーパ穴46に挿入され、さらに、テーパ嵌合部25に同心にかつ一体的に設けられたプルスタッド(図示省略)に工具主軸20内に設けられたドローバー(図示省略)が係合させられ、テーパ嵌合部25が引き込まれることにより、嵌合部12の軸方向と直交する面である後端面30が工具主軸20の先端面34に当接するとともに、テーパ嵌合部25のテーパ外周面40がテーパ穴46のテーパ内周面に締まり嵌合され、バルブシート加工用工具装置が工具主軸20に同軸にかつ軸方向に位置決めされて精度良く保持される。工具主軸20にバルブシート加工用工具装置が保持された状態で、工具主軸20が図示しない駆動源によって回転させられれば、キー36の側面と係合凹部32の側面との係合によって工具主軸20の回転トルクが装置本体10に伝達され、装置本体10が軸線まわりに回転させられる。
【0014】
装置本体10の工具保持部14には、加工具の一種である切削刃具としてのバイトが保持されている。具体的には、互いに異なる位相で複数個の工具保持孔が軸方向に平行に形成されている。本実施形態の場合、3つの工具保持孔60が互いに等間隔に隔たった位相で形成され、図2に示すように、それぞれバイト66,67,68の後端部たるシャンクが嵌合されている。工具保持部14には、図1に示すように、複数の雌ねじ穴72が半径方向に延びて形成されており、それぞれ3つの工具保持孔60に連通している。これら雌ねじ穴72には、調整ねじ76が螺合されている。調整ねじ76の先端部は先端側ほど直径が漸減させられたテーパ外周面を備えるテーパ部80とされ、そのテーパ部80が工具保持孔60内に突出させられてバイト68のシャンクの後端面に形成された傾斜面84に係合させられている。調整ねじ76が回転させられて工具保持孔60内への突出量が調節されることによって、テーパ部80のテーパ外周面と傾斜面84との斜面の効果によってバイト68の軸方向位置が調節され、バイト68の先端部に設けられた刃部の切刃の軸方向の刃先位置調節が行われるようになっている。なお、図2に示すように、3つのバイト68の各切刃の半径方向における刃先位置がそれぞれ互いにずれるように各工具保持孔60が形成されている。それらバイト68によって、バルブシート86の、互いに軸方向に隣接し、かつ、互いにテーパの異なる3つのシート内周面87,88,89(図1に二点鎖線で図示)が切削加工されるようになっている。刃部の刃先位置調整が行われた後、クランプねじ90が締めこまれることにより、各バイト68が装置本体10に固定される。バイトは、刃具保持部材としてのシャンクと、刃具としてのスローアウェイチップとが別体に構成されたものとしてもよい。
【0015】
装置本体10の中心軸線上には、軸方向に貫通する段付状の中心穴100が形成されている。中心穴100には、装置本体10の前端部側からスリーブ102が挿入されている。スリーブ102は、位置決めボルト等適宜の固定装置によって装置本体10からの抜け出しおよび相対回転が防止されている。スリーブ102には、加工具としてのリーマ106が挿通されている。リーマ106は、装置本体10に軸方向に往復移動可能に保持されており、また、装置本体10とともに回転させられることにより、バルブステムを摺動可能に保持するバルブガイド110(図1に二点鎖線で図示)のステム孔112の内周面の仕上げ加工が行われる。
【0016】
リーマ106は、装置本体10のハウジング部11内に同心に配設されたコレットチャック122によって着脱可能に保持される。コレットチャック122は、本体124と、その本体124に形成されたコレット嵌合穴130に回転不能かつ軸方向に移動可能に嵌合されたコレット132と、コレット132を軸方向に前進,後退させる駆動装置たるコレット操作ねじ134とを備えている。コレット操作ねじ134は、本体124に回転可能に保持され、コレット132の基端部に設けられた雌ねじ穴135に螺合されている。コレット嵌合穴130は、開口側端面に向かうほど直径が漸増させられたテーパ内周面136を有し、コレット132のテーパ外周面138とテーパ嵌合させられている。コレット132内部には、リーマ106が嵌合可能な軸方向に延びるリーマ嵌合穴140が形成されている。コレット132には、軸方向に平行に延びるすり割り溝が複数本形成されており、縮径,拡径可能である。リーマ106をコレット132に保持させる際には、リーマ106の加工部とは反対側の基端部がコレット132のリーマ嵌合穴140に挿入された状態で、コレット操作ねじ134の六角穴に工具を係合させて正方向に回転させ、コレット132が軸方向に後退させられれば、コレット嵌合穴130のテーパ内周面136によってコレット132のテーパ外周面138が押されて縮径させられることにより、リーマ106の基端部がコレットチャック122に保持される。コレット操作ねじ134を逆方向に回転させれば、コレット132が拡径させられてリーマ106が解放される。本実施形態においては、コレット132が工具保持部材として機能するのである。
【0017】
リーマ106を保持したコレットチャック122は、液圧アクチュエータの一種である液圧シリンダ150によって装置本体10の中心軸線上を中心軸線に平行な方向に往復移動させられる。液圧シリンダ150は、装置本体10のハウジング部11内に形成されたシリンダボア152と、そのシリンダボア152に液密かつ摺動可能に嵌合された可動子たるピストン154とを備えている。装置本体10のハウジング部11の中心部には、段付状の有底穴160が形成されている。有底穴160に、大径部162と小径部164とを有する中空の段付円筒状部材166が液密に嵌合され、ハウジング部11に固定されている。大径部162および小径部164は、外周面も内周面も大径部および小径部とされている。段付円筒状部材166の小径部164の内周面は径が一定のストレート内周面であり、この内周面と有底穴160の底面で囲まれた内部空間が上記シリンダボア152を構成し、ピストン154が摺動可能に嵌合されている。前記コレットチャック122の本体124は液圧シリンダ150のピストンロッド170と一体に構成されており、ピストンロッド170が、可動子としてのピストン154の運動を工具保持部材としてのコレット132に伝達する運動伝達装置として機能する。
【0018】
シリンダボア152内には、ピストン154の両側に一対の液圧室174,176が形成されている。これら液圧室174,176のうちの一方である装置本体10の後端側の液圧室(ヘッド側室)174には、液通路たる供給通路180から作動液が供給され、他方の液圧室である先端側の液圧室(ロッド側室)176から液通路たる排出通路182を経て作動液が流出することが許容される。これら液圧室174,176の一方に加圧された作動液が供給され、他方の液圧室174,176から作動液が流出することによってピストン154が前進,後退させられ、それによりコレットチャック122およびリーマ106が前進,後退させられる。ピストン154の前進端位置は、段付円筒状部材166に固定されたカバー183の中心軸線に直角な端面184により規定され、ピストン154の後退端位置は、有底穴160の底面186によって規定される。図1には、ピストン154が後退端位置にある状態が示されている。上記段付円筒状部材166およびカバー183はハウジング部11に固定されており、3者が共同して液圧シリンダ150のハウジングを構成している。供給通路180は、装置本体10の中心軸線に平行に貫通して形成された中心穴100の嵌合部12に対応する部分の内部に形成された加工液供給通路188に接続され、加圧された加工液が供給されるようになっている。加工液供給通路188自体が液圧シリンダ150への供給通路180としても機能していると考えることもできる。
【0019】
装置本体10には、排出通路182を経て排出された作動液を収容する作動液収容装置が設けられている。本実施形態における作動液収容装置は、排出通路182により液圧室176に接続され、液圧室176から排出された作動液を加圧下に蓄える蓄圧器214により構成されている。蓄圧器214は、装置本体10のハウジング部11に形成されたシリンダボア220と、そのシリンダボア220に液密かつ摺動可能に嵌合されたピストン222と、ピストン222の片側に形成されて排出通路182により液圧室176に接続される可変容積室224と、可変容積室224の容積が減少する向きにピストン222を付勢する付勢装置とを含むものである。付勢装置は、ばね部材の一種である圧縮コイルスプリング226の複数個の集合により構成されている。本実施形態における蓄圧器214は、ピストン式蓄圧器なのである。蓄圧器214のシリンダボア220と前記液圧シリンダ150のシリンダボア152とは互いに同心に形成され、また、液圧シリンダ150と蓄圧器214とは共に、装置本体10の中心軸線に対して軸対称の構成とされている。具体的には、前記有底穴160の内周面と前記段付円筒状部材166の小径部162の外周面との間に円環状の空間が形成され、この円環状の空間がシリンダボア220を構成し、この空間内に、中心部に貫通孔230を有して概して有孔円筒状をなすピストン222が液密かつ摺動可能に嵌合されている。そして、ピストン222の貫通孔230内に液圧シリンダ150が配設されているのである。ピストン222の周方向に隔たった複数個所(例えば8個所)とハウジング部11の有底穴160の底面との間には、前記圧縮コイルスプリング226がそれぞれ配設されている。ピストン222の外周面には、軸方向に延びる係合溝234が形成され、ハウジング部11に設けられてシリンダボア220内に突出する係合部材236の先端部が係合溝234に係合することにより、ピストン222のハウジング部11内での回転が阻止されるとともに、軸方向の移動が案内されている。
【0020】
液圧シリンダ150が、第1シリンダボアとしてのシリンダボア152と、第1ピストンたるピストン154とを含む第1液圧シリンダを構成している。また、シリンダボア220が第2シリンダボアを、ピストン222が第2ピストンを構成している。
【0021】
装置本体10のハウジング部11には、可変容積室224への作動液の注入口240が設けられている。本実施形態の場合、注入口240は複数個所(例えば2個所)に設けられている。注入口240は、通常は閉塞部材242により閉塞されている。ハウジング部11にはまた、目視確認穴250が形成されている。この目視確認穴250は、ピストン222の後端(有底穴160の底面側の端部)の位置を目視で確認することによって、可変容積室224への作動液の流入量を確認し得るものである。
【0022】
段付円筒状部材166の大径部162には、図3に示すように、ストッパ260が軸方向に移動可能に配設されている。ストッパ260は、段付円筒状部材166の軸方向に延びる嵌合穴262に摺動可能に嵌合されており、ストッパ260の先端面が可変容積室224に対向させられている。ストッパ260の後方には調節ねじ266が設けられ、大径部162内に固定のカバー183に形成された雌ねじ穴268に螺合されてストッパ260に当接させられている。ストッパ260は、通常は可変容積室224内に突出しない位置に配置されているが、可変容積室224へ作動液を注入する際には、調節ねじ266を回転操作してストッパ260の先端面を可変容積室224側へ突出させることによって、圧縮コイルスプリング226によるピストン222の可変容積室224側への移動限度を規定する。このようにすれば、蓄圧器214の最小容積が規定され、可変容積室224内の作動液が加圧されない。したがって、可変容積室224への作動液の注入時に、閉塞部材242を取り外すことにより注入口240を開いても作動液が外部へ噴出することはなく、可変容積室224および液圧シリンダ150への作動液の供給、ならびに注入口240の閉塞を容易に行うことができる。なお、ストッパ260と調節ねじ266とは一体の部材として構成されてもよい。
【0023】
前記排出通路182の途中には、液圧室176からの作動液の流出流量を規制する絞り装置280が設けられている。したがって、液圧シリンダ150の作動速度が規制され、ひいてはコレットチャック122およびリーマ106の装置本体10から突出する方向(正方向)の移動速度が規制される。絞り装置280は、流路面積が可変の可変絞り装置であり、可変絞り弁282を備えている。本実施形態における可変絞り弁282は、手動操作に応じて移動可能な可動弁子284を備え、可動弁子284の移動により排出通路182の流路面積が変更可能な手動可変絞り弁である。具体的には、可動弁子284と一体的に設けられた調節ねじ286の後端面に形成された六角穴(図示省略)に図示しない工具が係合させられて調節ねじ286が回転させられることにより、可動弁子284のハウジング部11からの突出量が調節され、それによって可動弁子284と段付円筒状部材166に設けられた弁座との間に形成される隙間、すなわち、排出通路182の流路面積が変更される。なお、可動弁子284の先端部は、先端側ほど直径が漸減させられたテーパ状をなしており、弁座は排出通路182の開口周縁により形成される。開口周縁にはテーパ面が形成されることが望ましい。可動弁子284の突出量、ないし弁座との間の隙間が調節された後、ハウジング部11内に配設されたクランプねじ288が締め込まれることにより、可動弁子284が固定される。上述のようにして可変絞り弁282の絞り量を適宜変更することにより、リーマ106の正方向の移動速度を機械加工に適した速度に設定できる。
【0024】
排出通路182にはまた、ハウジング部11の絞り装置280とは位相を異にする部分においてこれと並列に逆止弁300が設けられており、液圧室176への作動液の流入は許容されるが、流出は阻止される。逆止弁300は、弁子302,弁座304および弁子302を弁座304に着座する向きに付勢する付勢装置たるばね部材の一種である圧縮コイルスプリング306を備えている。
【0025】
以上のように構成されたバルブシート加工用工具装置によるバルブシート86の加工について説明する。まず、装置本体10を専用の作業台に保持させた状態で、バイト66,67,68およびリーマ106を取り付ける。バイト66,67,68を工具保持孔60に挿入し、調整ねじ76を回転させてバイト66,67,68の切刃の軸方向の刃先位置を調整する。また、中心穴100の供給通路180を構成する後端部側から中空筒状の筒状部材を挿入し、その筒状部材によって液圧シリンダ150のピストン154を後方から押し、前進端位置まで前進させる。この状態で、リーマ106をスリーブ102に挿入し、それをコレットチャック122のリーマ嵌合穴140に嵌入させる。そして、筒状部材の挿入穴から工具たる六角レンチを挿入し、コレット操作ねじ134に係合させてコレット132を縮径させる方向に回転させることにより、リーマ106の後端部をコレットチャック122に把持させる。これらバイト66,67,68およびリーマ106の取付作業の後に、本バルブシート加工用工具装置を工具主軸20に取り付ける。
【0026】
以上で準備が完了し、工具主軸20およびバイト66,67,68を回転させることによって、バルブシート86の各シート内周面87,88,89の切削を行うとともに、液圧シリンダ150の作動によりピストン154を前進させてリーマ106にバルブガイド110のステム孔112の内周面を切削させる。バルブシート86のテーパ内周面の加工とステム孔112の加工とは、同時に並行して行ってもよいし、交互に実施してもよい。このようにバルブシート86のシート内周面87,88,89とステム孔112の加工とが、バルブシート86とバルブシート加工用工具装置とが互いに位置決めされたまま、並行してまたは連続して行われるため、バルブシート86とステム孔112との同心度が確保される。本バルブシート加工用工具装置によれば、バルブシート86の内周面およびステム孔112を同じ装置によって加工でき、複数の加工機を設けたり、工具主軸20にそれぞれの加工を行う工具を交換する必要がなく、設備コストを節減し、加工能率を向上させることができる。また、液圧シリンダ150のピストン154の前進速度は可変絞り弁282によってリーマ加工に適した速度に規制され、ステム孔112を精度良く加工できる。ピストン154の前進速度は上述のように規制されるが、リーマ106による加工終了後、リーマ106が後退させられる際には、供給通路180を経て液圧室174の作動液が流出することが許容されることによって、可変容積室224内に加圧された状態で収容されていた作動液が排出通路182および逆止弁300を経て液圧室176に流入させられ、リーマ106が速やかに装置本体10内に戻される。
【0027】
機械加工機に取付け可能な機械加工用工具装置は、上記実施形態のバルブシート加工用工具装置以外にも種々のものを採用可能である。機械加工用工具装置のその他の実施形態の例示として、2つの形態の機械用工具装置について以下にそれぞれ説明する。ただし、前記実施形態において説明した構成要素と同様に機能する部分(例えば液圧シリンダ150,蓄圧器214)については、同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
【0028】
図4および図5に示す実施形態における機械加工用工具装置は、被加工物のテーパ内周面390を切削加工するのに好適な工具装置である。本実施形態の加工具の一種である切削刃具としてのバイト400は、工具保持部材として機能するスライダ402に保持されている。スライダ402は、装置本体10の構成要素である工具保持部404に、装置本体10の中心軸線に対して傾斜した方向に移動可能に保持されている。スライダ402は、後述する運動伝達装置によって液圧シリンダ150のピストン154に連結されている。
【0029】
工具保持部404には、装置本体10の中心軸線に対して傾斜した傾斜溝410およびその傾斜溝410から軸方向に平行に延びる軸方向溝412が形成されている。スライダ402は、傾斜溝410に嵌合される傾斜部420と、軸方向溝412に嵌合される軸方向部422とを備えている。スライダ402の軸方向部422には、前端面から軸方向に延びる工具保持孔426が形成されており、バイト400のシャンクが嵌合されている。バイト400のシャンクの後端面には傾斜面430が形成される一方、スライダ402の軸方向部422には、軸方向と直交する方向に延びて工具保持孔426に連通する雌ねじ穴432が形成されており、調整ねじ434が螺合されている。調整ねじ434の先端には、バイト400の傾斜面430に対応したテーパ面436が形成されている。調整ねじ434が回転させられてテーパ面436の位置が変えられることにより、バイト400の軸方向位置が変化させられ、バイト400の先端部に設けられた刃部の切刃の刃先位置の調整が可能とされている。
【0030】
図6に示すように、傾斜溝410は横断面形状が逆T字形をなし、スライダ402の傾斜部420もこれに対応する逆T字形断面をなすことにより、スライダ402の、傾斜溝410の長手方向および幅方向に直交する方向である厚さ方向の抜け出しが防止されている。なお、傾斜溝410は、実際には、複数の部材が組み付けられてそれら部材の内面により横断面形状が逆T字形に形成されている。スライダ402の傾斜部420は、押付装置440によって傾斜溝410の底面442から離間する向きに付勢され、傾斜溝410の底面442に対向する肩面444に押し付けられるようになっており、スライダ402が傾斜溝410内に安定して保持され、摺動時のがたつきが防止されている。
【0031】
押付装置440について図6および図7に基づいて説明する。スライダ402の傾斜部420の底面442側には、楔部材446を保持する保持凹部448が長手方向に隔たった2個所に形成されている。保持凹部448は、傾斜部420の幅方向の一方の側面から他方の側面に向かって深さが直線的に減少させられた、つまり、保持凹部448の底面が底面442に接近する向きに傾斜させられた傾斜面450とされている。保持凹部448にはそれぞれ楔部材446が傾斜部420の幅方向に移動可能かつ長手方向に移動不能に嵌合されている。楔部材446は、傾斜部420の幅方向において厚さが変化する形状とされ、底面442に平行な底面452と上記傾斜面450に平行な上面454とを備えている。楔部材446には、厚さが厚い側の側面に開口する有底の保持穴456が複数個、幅方向に延びて形成されている。各保持穴456内に付勢装置の一種であるばね部材たる圧縮コイルスプリング458が配設されている。傾斜部420の保持穴456が開口している側面に対向する位置には、圧縮コイルスプリング458を受けるためのスプリング受け460が固定的に設けられている。スプリング受け460は、傾斜部420とは別体の板状の部材が固定装置たるボルト462により傾斜部420に固定されることにより、傾斜部420と一体的なものとして機能する。圧縮コイルスプリング458の付勢力により、楔部材446がスプリング受け460から遠ざかる向きに付勢され、楔部材446のくさび効果により傾斜部420が底面442から遠ざかる向きに押されて、傾斜溝410の肩面444に押し付けられる。楔部材446,保持凹部448の傾斜面450,圧縮コイルスプリング458,スプリング受け460等が押付装置440を構成している。
【0032】
図4に示すように、スライダ402の傾斜部420には、厚さ方向に貫通する嵌合穴470が形成され、プランジャ472に一体的に設けられた嵌合部474が嵌合されている。プランジャ472は、前記液圧シリンダ150のピストンロッド170に、固定装置たるボルト478によって相対移動不能かつ相対回転不能に連結されており、装置本体10の工具保持部404に形成されたガイド穴480内を軸方向に移動可能である。ガイド穴480の内周面には、軸方向に延びるキー溝482が形成される一方、プランジャ472の外周面にはキー部484が一体的に設けられており、プランジャ472のガイド穴480内での回転が防止されている。なお、キー部484は嵌合部474と一体的に形成されており、キー部484が嵌合部474をプランジャ472に取り付けるための取付部としても機能している。傾斜溝410の底面には、傾斜溝410の長手方向に延び、ガイド穴480に連通する長穴486が形成されており、嵌合部474の基端部が長穴486にその長手方向に移動可能に嵌合されている。
【0033】
したがって、プランジャ472が液圧シリンダ150によりガイド穴480内を軸方向に摺動させられることにより、嵌合部474の外面と嵌合穴470の内面とが係合した状態で、嵌合部474が長穴486内を移動させられる。スライダ402の傾斜部420は、傾斜溝410にそれの長手方向にのみ移動可能に嵌合されているため、嵌合部474と嵌合穴470との斜面の効果(あるいはカム作用)によって、スライダ402が傾斜溝410に沿って移動させられる。液圧シリンダ150のピストン154の前進,後退限度が前記実施形態で説明したように規定されることによって、スライダ402の移動限度が規定される。なお、図4には、ピストン154が前進端位置にある状態が示されている。スライダ402が傾斜溝410に沿って摺動させられることにより、スライダ402の軸方向部422に保持されたバイト400がスライダ402と一体的に移動させられる。それにより、バイト400の切刃によりテーパ内周面390の切削が行われる。テーパ内周面390の傾斜角度が傾斜溝410の傾斜角度により決まるのである。前記実施形態と同様、装置本体10に液圧シリンダ150,蓄圧器214,可変絞り弁282,逆止弁300が設けられることにより、スライダ402およびバイト400の正方向(機械加工用工具装置の回転軸線に接近する向き)の移動速度が、可変絞り弁282によって加工に適した速度に規制されているため、テーパ内周面390を良好に切削加工することができる。また、スライダ402およびバイト400は逆方向へは速やかに戻される。本実施形態においては、プランジャ472がスライダ402の駆動部材として機能し、傾斜溝410,嵌合穴470,嵌合部474,長穴486等が、プランジャ472の運動をスライダ402の傾斜溝410に沿った運動に変換する運動変換装置を構成している。
【0034】
装置本体10のハウジング部11,ピストン154,ピストンロッド170,プランジャ472,工具保持部404の中心部を貫通する加工液供給通路490が形成されており、前記加工液供給通路188に接続され、テーパ内周面390の加工時にこの通路から加工液が供給される。加工液供給通路490は比較的流路面積が小さいため絞り効果を有し、したがって、加工液供給通路188から供給される加圧された加工液は、供給通路180を経て液圧シリンダ150に十分な圧力を有する作動液として供給され、ピストン154を前進させる。また、加工液供給通路490は、途中で分岐させられて軸方向溝412の底面に開口させられており、加工液の供給によってスライダ402が滑らかに摺動させられる。なお、加工液供給通路490および加工液供給通路188を含む液通路のどこかにオリフィス等の絞り装置を設ければ、液圧シリンダ150に供給される加工液の圧力と、加工液供給通路490を経て加工部に供給される加工液の流量との関係を任意に設定することができる。また、絞り装置を交換可能あるいは調節可能なものとすることによって上記関係を変更可能とすることができる。
【0035】
図8および図9に示す実施形態における機械加工用工具装置は、被加工物の穴の内周面に円環溝を形成するのに好適な工具装置である。本実施形態の加工具の一種である溝切削工具たるチップ500は、工具保持部材として機能する円柱状のホルダ502に取付部材504によって着脱可能に保持されている。本実施形態のチップ500によって、被加工物の穴505の内周面506にOリングを配設するためのOリング溝508が形成される。ホルダ502は、装置本体10の構成要素である工具保持部510のガイド穴512に、装置本体10の中心軸線に直角な方向に摺動可能に保持されている。ホルダ502は、後述する運動伝達装置によって液圧シリンダ150のピストン154に連結されている。液圧シリンダ150のピストンロッド170には、固定装置たるボルト518によって運動伝達部材520が同軸状態で連結されている。運動伝達部材520は、工具保持部510に形成されたガイド穴522に軸方向に摺動可能に嵌合されている。運動伝達部材520のピストンロッド170に連結された側の後端部とは反対側の先端部には、運動伝達部材520の中心軸線に対して傾斜した向きに突出する嵌合部524が一体的に設けられている。ホルダ502には、上記嵌合部524に対応してホルダ502の中心軸線に対して傾斜した向きに貫通して嵌合穴526が形成されている。嵌合部524および嵌合穴526は、ともに横断面形状が矩形をなしている。運動伝達部材520,嵌合部524および嵌合穴526が上記運動伝達装置を構成しているのである。
【0036】
ピストン154および運動伝達部材520が前進させられれば、嵌合部524の外側面と嵌合穴526の内側面との係合による斜面の効果(あるいはカム作用)によって、ホルダ502が、チップ500の切刃が外周側に突出する向きに移動させられる。逆に、ピストン154が後退させられれば、嵌合部524と嵌合穴526とのそれぞれ前進時とは逆側の外側面および内側面の係合によってホルダ502がチップ500の切刃が内周側に引っ込む向きに移動させられる。
【0037】
本実施形態においては、液圧シリンダ150のピストンロッド170の外周面に中空円筒状のスペーサ530が嵌合され、段付円筒状部材166に固定されたカバー183とピストン154との間に介在させられている。このスペーサ530のピストン154に対向する側の端面が規定面532として機能し、ピストン154の前進端位置を規定する。カバー183の端面が、スペーサ530を介してピストン154の前進端位置を規定する規定面として機能すると考えることもできる。スペーサ530の軸方向長さを変更したり、あるいは、スペーサ530を除去したりすることによって、液圧シリンダ150のピストン154のストロークを種々に変更することが可能である。また、運動伝達部材520をピストンロッド170から取り外して別の構成のものに変更することも可能であり、この両者の少なくとも一方を採用することにより、種々の工具を取付け可能な汎用性の広い機械加工用工具装置が得られる。
【0038】
本実施形態における機械加工用工具装置によるOリング溝508の形成について説明する。液圧シリンダ150のピストン154が後退端位置にある状態で、本工具装置を保持する工具主軸20が正方向に移動させられ、チップ500が穴505の内部のOリング溝508を形成すべき内周面506に対向する位置まで移動させられる。この状態で、液圧シリンダ150が作動させられ、ピストン154が前進させられることにより、チップ500が外周側に突出させられる。これとともに、工具主軸20が回転させられ、チップ500の切刃によって内周面506に溝切り加工が施される。前記各実施形態と同様、装置本体10に液圧シリンダ150,蓄圧器214,可変絞り弁282,逆止弁300が設けられることにより、ホルダ502およびチップ500の外周側への移動速度は、可変絞り弁282によって加工に適した速度に規制されることにより、Oリング溝508を良好に形成することができる。また、加工終了後、チップ500を内周側に引っ込ませるのは速やかに行うことができる。
【0039】
前記図1ないし図3に示す実施形態や、前記図8および図9に示す実施形態においても、前記図4ないし図7に示す実施形態で説明したように、装置本体10の中心を貫通する加工液供給通路を形成し、これを前記加工液供給通路188に接続連通させて、加工時の加工具の切刃近傍部に加工液を供給することができる。
【0040】
以上、本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である機械加工用工具装置を示す正面断面図である。
【図2】上記機械加工用工具装置の側面図である。
【図3】上記機械加工用工具装置の一部を拡大して示す正面断面図である。
【図4】本発明の別の実施形態である機械加工用工具装置を示す正面断面図である。
【図5】上記機械加工用工具装置の側面図である。
【図6】上記機械加工用工具装置の工具保持部材として機能するスライダを示す側面断面図である。
【図7】上記スライダの分解斜視図である。
【図8】本発明のさらに別の実施形態である機械加工用工具装置を示す正面断面図である。
【図9】上記機械加工用工具装置の側面断面図である。
【符号の説明】
10:装置本体 11:ハウジング部 20:工具主軸 24:被保持部25:テーパ嵌合部 40:テーパ外周面 46:テーパ穴 66,67,68:バイト 86:バルブシート 87,88,89:シート内周面 106:リーマ 110:バルブガイド 112:ステム孔 122:コレットチャック 150:液圧シリンダ 152:シリンダボア 154:ピストン 160:有底穴 162:大径部 164:小径部166:段付円筒状部材 174,176:液圧室 180:供給通路182:排出通路 188:加工液供給通路 210:作動液収容装置214:蓄圧器 220:シリンダボア 222:ピストン 224:可変容積室 226:圧縮コイルスプリング 240:注入口 242:閉塞部材 260:ストッパ 280:絞り装置 282:可変絞り弁284:可動弁子 300:逆止弁 390:テーパ内周面 400:バイト 402:スライダ 470:嵌合穴 472:プランジャ 474:嵌合部 500:チップ 502:ホルダ 505:穴 506:内周面 508:Oリング溝 520:運動伝達部材 524:嵌合部 526:嵌合穴

Claims (11)

  1. 機械加工機の工具主軸に着脱される装置本体と、その装置本体に相対運動可能に保持されて加工具を保持する工具保持部材と、前記装置本体に設けられて液圧で作動する液圧アクチュエータと、その液圧アクチュエータの可動子の運動を前記工具保持部材に伝達する運動伝達装置とを含む機械加工用工具装置であって、
    前記装置本体に設けられ、可動加工具としての前記加工具とは別の固定加工具を保持する固定加工具保持部と、
    前記装置本体に設けられ、前記液圧アクチュエータの前記可動子の両側に形成される一対の液圧室の一方に作動液を供給する供給通路および他方から作動液が流出することを許容する排出通路と、
    その排出通路に設けられ、前記他方の液圧室からの作動液の流出流量を規制する絞り装置と
    を含む機械加工用工具装置。
  2. 前記絞り装置が、流路面積が可変の可変絞り装置を含む請求項1に記載の機械加工用工具装置。
  3. 前記排出通路に、前記他方の液圧室への作動液の流入は許容するが流出は阻止する逆止弁が前記絞り装置と並列に設けられた請求項1または2に記載の機械加工用工具装置。
  4. 前記装置本体に設けられ、前記排出通路により前記他方の液圧室に接続され、その他方の液圧室から排出された作動液を加圧下に蓄える蓄圧器を含む請求項1ないし3のいずれかに記載の機械加工用工具装置。
  5. 前記液圧アクチュエータが、前記装置本体に形成された第1シリンダボアと、その第1シリンダボアに液密かつ摺動可能に嵌合された前記可動子としての第1ピストンとを含む第1液圧シリンダであり、前記蓄圧器が、前記装置本体に形成された第2シリンダボアと、その第2シリンダボアに液密かつ摺動可能に嵌合された第2ピストンと、その第2ピストンの片側に形成されて前記排出通路により前記他方の液圧室に接続される可変容積室と、その可変容積室の容積が減少する向きに前記第2ピストンを付勢する付勢装置とを含むピストン式蓄圧器であり、かつ、前記第1シリンダボアと前記第2シリンダボアとが互いに同心に形成されるとともに、前記ピストン式蓄圧器が中心部に貫通孔を有して概して有孔円筒状をなし、その有孔円筒状蓄圧器の内側に、前記第1液圧シリンダが配設された請求項4に記載の機械加工用工具装置。
  6. 前記工具保持部材が、前記装置本体に、その装置本体の中心軸線に平行な方向に移動可能に保持された請求項1ないし5のいずれかに記載の機械加工用工具装置。
  7. 前記工具保持部材が、前記装置本体に、その装置本体の中心軸線に直角な方向に移動可能に保持された請求項1ないし6のいずれかに記載の機械加工用工具装置。
  8. 前記工具保持部材が、前記装置本体に、その装置本体の中心軸線に対して傾斜した方向に移動可能に保持された請求項1ないし7のいずれかに記載の機械加工用工具装置。
  9. 前記工具保持部材が、前記装置本体に、その装置本体の中心軸線上においてその中心軸線に平行に移動可能に保持され、エンジンのバルブステムを摺動可能に保持するステム孔をリーマ加工するリーマを前記可動加工具として保持するものであり、かつ、前記装置本体に、互いにテーパの異なる複数のテーパ内周面であって前記エンジンのバルブシートを形成するものを切削加工する複数の切削刃具が前記固定加工具として取り付けられた請求項1ないし5のいずれかに記載の機械加工用工具装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載の機械加工用工具装置を使用して被加工物を機械加工する方法であって、
    上記機械加工用工具装置を機械加工機の工具主軸に取り付け、その工具主軸と被加工物とを相対移動させることによって前記固定加工具により被加工物に第1加工を施す工程と 、前記液圧アクチュータを作動させつつ前記可動加工具により前記被加工物に第2加工を施す工程とを、同時に並行して、または時期を異にして、実施する機械加工方法。
  11. 請求項1ないし9のいずれかに記載の機械加工用工具装置と、
    (a) その機械加工用工具装置が取り付けられる工具主軸と、 (b) その工具主軸と被加工物とを相対移動させることによって前記固定加工具により被加工物に第1加工を施すことと、前記液圧アクチュータを作動させつつ前記可動加工具により前記被加工物に第2加工を施すこととを、同時に並行して、または時期を異にして行わせる制御装置とを備えた機械加工機と
    を含む機械加工装置。
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