JP3939009B2 - キャリヤ組成物、その調製方法、及び静電画像現像方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般に、ゼログラフィックキャリヤ組成物及びその調製及び使用方法に関する。更に詳細には、本発明は、フェライトキャリヤコア粒子を亜鉛蒸気にさらし、主な結果として処理されたキャリヤ粒子の電気抵抗率が低下して反対に導電性が増すようにこのコア粒子が処理された、キャリヤ及び現像剤組成物に関する。本発明の処理されたキャリヤ粒子は、実施の形態において、例えばゼログラフィック現像剤及び現像システムにおいて有用な様々な磁気現像剤組成物において、改良された現像特性を提供する。
【0002】
【従来の技術】
米国特許第4,546,060号及び第4,764,445号には硬フェライト磁気キャリヤ粒子について、第3,839,029号には静電写真画像形成プロセスについてそれぞれ開示されており、これらの特許は本明細書中に参考として組み込まれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
様々なトナー組成物(特にカラー用途)に使用するのに適した、高導電性特性を有し、電気抵抗が低く且つ現像特性の高い改良された現像剤組成物を与える、無被覆及びポリマー被覆フェライトキャリヤ組成物が依然として必要とされている。
【0004】
また、容易且つ経済的に調製することができ、環境安定性が高く、様々なトナー組成物に適合することができ、及び通常の方法を用いてキャリヤを処理することができる、高導電性キャリヤ組成物もいまだ必要とされている。また、高速磁気現像システムで使用するのに適した導電性キャリヤ組成物に対する必要性も残っている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の態様は、亜鉛蒸気と磁性酸化物との反応生成物からなるコーティングが施された磁性酸化物からなるコアを含むキャリヤ組成物である。
【0006】
本発明の第二の態様は、導電性磁性酸化物キャリヤ粒子の調製方法であって、磁性酸化物キャリヤコア粒子と金属亜鉛との混合物を不活性雰囲気中で加熱するステップを含み、これにより導電性キャリヤコア粒子を得る、導電性磁性酸化物キャリヤ粒子の調製方法である。
【0007】
本発明の第三の態様は、帯電トナー粒子及びこれと反対の極性に帯電されたキャリヤ粒子からなる乾式2成分現像剤組成物に画像を接触させるステップを含み、前記キャリヤ粒子が、亜鉛蒸気及び磁性酸化物の反応生成物からなるコーティングが施された前記磁性酸化物からなるコアを含む、静電画像の現像方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の被覆キャリヤ組成物及びその調製方法は、様々な2成分微粒子現像剤材料に有用である。本発明の利点は、その被覆キャリヤ組成物及びその調製方法により、得られる現像剤の導電率特性についての処方上の制御を与えることによって、様々な2成分現像剤ハウジング構造及び現像プロセスにおいて現像剤が改良された現像特性を有することを可能にすることである。
【0009】
亜鉛蒸気及び磁性酸化物の反応生成物からなるコーティングを施された、磁性酸化物からなるコア粒子を含むキャリヤ組成物が提供される。実施の形態において、コーティングされるべきコア粒子の量に対して選択される金属亜鉛の量、温度、及びコーティング処理の時間によっては、コーティングは、亜鉛蒸気と酸化金属表面種との反応生成物とともに、金属亜鉛を共蒸着させた層からなってもよい。
【0010】
金属改質又は被覆されたコア粒子は、キャリヤ粒子の現像特性及び性質を更に強化するために少なくとも1つのポリマーでキャリヤ組成物をコーティングしてもよい。ポリマー被覆キャリヤは、必要であれば、ポリマーコーティングの中に少量の導電性添加物を含むこともできる。導電性添加物には、例えばカーボンブラック等の導電性顔料、細かく粉砕された鉄や銅等の金属微粒子、及びポリチオフェンやポリフェニレン等の高導電性有機ポリマー等が含まれる。カーボンブラックの量は一般には約10%〜約30%であり、好適には約20%である。他の導電性添加剤の量は、その添加剤のカーボンブラックに対する密度及び周辺ポリマー中の連結構造を形成する能力を調整した後で、同じになるようにする。
【0011】
コア粒子として選択される磁性酸化物は、例えばストロンチウムフェライト、バリウムフェライト、鉛フェライト、コバルトフェライト等、及びこれらの混合物等の、硬磁性フェライト物質であってもよい。或いは、選択される磁性酸化物は例えば第一鉄フェライト、マンガンフェライト、ニッケルフェライト、銅フェライト、マグネシウムフェライト、亜鉛フェライト等、及びこれらの混合物等の、軟磁性フェライト物質であってもよい。更に他の実施の形態において、選択されるコア粒子は、硬磁性フェライト物質及び軟磁性フェライト物質の混合物(重量比は約10:90〜約90:10)であってもよい。
【0012】
コア粒子の被覆処理に使用するために選択される金属亜鉛に対する重量比は、約99.5:1〜約90:10の範囲であってもよく、好ましくはコア粒子の重量に対して亜鉛は約0.5〜約10重量%の量で使用される。得られる導電性コーティングの厚みは約0.01〜約10ミクロンであるが、コア粒子に対して選択される金属亜鉛の量、蒸着処理の程度と時間、及びこの様なパラメータに依って異なる。得られる処理済みのキャリヤコア粒子は導電性であり、約10-1〜約105 ohm−cmより小さな、好ましくは約10-1〜約103 ohm−cm以下の充填層抵抗率を示す。
【0013】
亜鉛蒸気及び磁性酸化物の反応生成物からなるコーティングを施された磁性酸化物からなるコア粒子を含むキャリヤ組成物、及び顔料と樹脂を含むトナーを含む、現像剤組成物が提供される。
【0014】
窒素又はアルゴン等の不活性雰囲気中で金属亜鉛と磁性酸化物キャリヤコア粒子との混合物を加熱するステップを含み、これにより導電性キャリヤコア粒子を生成する、導電性磁性酸化物キャリヤ粒子の調製方法が提供される。この加熱は例えば約350〜約550°Cの有効温度で、例えば約1分〜約24時間、好適には約5分〜約2時間の有効時間のあいだ、行われる。選択される温度及び時間は、蒸着被覆処理が行われる規模によって異なっても良い。
【0015】
本明細書中に記載されたように、得られた金属改質導電性粒子を、少なくとも1つのポリマー樹脂(実施の形態においては例えば2〜約5つのポリマー樹脂が選択される)によって被覆することによって更に改質することができる。ポリマー被覆は任意で本明細書に記載されたような導電性添加物を含んでもよい。
【0016】
本発明は、帯電トナー粒子と、亜鉛蒸気と磁性酸化物との反応生成物からなるコーティングを施された磁性酸化物からなるコア粒子を含む反対の極性に帯電したキャリヤ粒子とを含む乾式2成分現像剤組成物と、静電画像を接触させるステップを含む、静電画像を現像するための方法に関する。理論で限定する訳ではないが、コア粒子の表面上の亜鉛蒸気と磁性酸化物との反応生成物は、金属鉄又は金属亜鉛及び表面金属酸化物の複合物又はスラグである。磁性酸化物は硬又は軟フェライト材料であり、この上のコーティングは約0.01〜約5重量%の亜鉛を含む。現像剤混合物は例えば約1部のトナー粒子及び約10〜約200重量部のキャリヤ粒子を含む。
【0017】
トナー組成物は、多くの既知の方法によって調製することができる。例えば、Werner Pfleiderer から入手可能なZSK53等のトナー押し出し装置の中で、本発明のプロセスによって得られた樹脂粒子(例えば水溶性又は水不溶性スチレンブタジエンコポリマー)、顔料粒子(マグネタイト、カーボンブラック、又はこれらの混合物等、及びシアン、イエロー、マゼンタ、グリーン、ブラウン、レッド、又はこれらの混合物)、及び好ましくは約0.5〜約5%の電荷増強添加剤を混合及び加熱し、形成されたトナー組成物をこの装置から取り出す方法がある。冷却したあと、トナー組成物を例えばSturtevantミクロナイザーを用いて粉砕し、トナー粒子の体積中央径を約25ミクロン未満、好ましくは約6〜約12ミクロンにする。この中央径はコールターカウンター(Coulter Counter )によって測定される。続いて、例えばDonaldson Model B 分級装置を用いてトナー組成物を分級し、過小トナー(体積中央径が約4ミクロン未満のトナー粒子)を取り除くことができる。
【0018】
本発明のトナー及び現像剤組成物に適した樹脂の例には、好ましくは以下の熱可塑性樹脂が含まれる。分岐構造を有するスチレンアクリレート類、スチレンメタクリレート類、スチレンブタジエン類、ビニル樹脂類(分岐構造を有するホモポリマー及び2つまたはそれ以上のビニルモノマーからなるコポリマーが含まれ、ビニルモノマーには、スチレン、p−クロロスチレン、ブタジエン、イソプレン、及びミルセンが含まれる)、モノカルボン酸類のエステルのようなビニルエステル類(メチルアクリレート、エチルメタクリレート及びブチルメタクリレートが含まれる)、アクリロニトリル、アクリルアミド等。好適なトナー樹脂には、スチレンブタジエンコポリマーやその混合物等が含まれる。他の好適なトナー樹脂には、スチレン/n−ブチルアクリレートコポリマーPLIOLITES(登録商標)、懸濁重合スチレンブタジエン(米国特許第4,558,108号を参照)が含まれる。
【0019】
トナー組成物の中に、樹脂の粒子は十分且つ有効量、例えば約70〜約90重量%存在する。従って、トナー組成物の中に1重量%の電荷増強添加剤が存在し、10重量%の顔料又は着色剤(カーボンブラック等)が含まれる場合、約89重量%の樹脂が選択される。また、電荷増強添加剤を顔料粒子にコーティングしてもよい。コーティングとして使用される場合、電荷増強添加剤は約0.1重量%〜約5重量%、好ましくは約0.3重量%〜約1重量%存在する。
【0020】
例えば、REGAL330(登録商標)等のカーボンブラック、ニグロシン染料、アニリンブルー、マグネタイト、又はこれらの混合物等を含む多くの良く知られた好適な顔料又は染料を、トナー粒子の着色剤として選択することができる。顔料(好適にはカーボンブラック)はトナー組成物を濃く着色するのに十分な量存在すべきである。一般に、顔料粒子はトナー組成物の全重量に基づいて約1〜約20重量%、好ましくは約2〜約10重量%存在するが、顔料粒子の量はこれより少なくても多くてもよい。
【0021】
顔料粒子がマグネタイトからなる場合(マグネタイトはMAPICO BLACK(登録商標)等のような市販されているものを含む酸化鉄(FeO・Fe2 O3 )の混合物)、トナー組成物中に顔料粒子は約10重量%〜約70重量%、好ましくは約10重量%〜約50重量%の量で存在する。約1〜約15重量%のカーボンブラック、好ましくは約2〜約6重量%のカーボンブラックと、約5〜約60重量%、好ましくは約10〜約50重量%の量のMAPICO BLACK(登録商標)等のマグネタイトを含む、カーボンブラックとマグネタイトとの混合物を選択することができる。
【0022】
本発明のトナー組成物に、流動性促進添加剤(通常トナー表面上に存在する)を含む外添剤粒子をブレンドすることもできる。これらの添加剤の例には、AEROSIL(登録商標)等のコロイド状シリカ、金属塩、及びステアリン酸亜鉛を含む脂肪酸の金属塩、酸化アルミニウム、酸化セリウム、及びこれらの混合物等の金属酸化物等が含まれ、これらの添加剤は、一般に例えば約0.1〜約5重量%、好適には約0.1重量%〜約1重量%の量で存在する。先述の添加剤の幾つかは、米国特許第3,590,000号及び第3,800,588号に記載されている。
【0023】
本発明に関しては更に、約1〜約30重量%、好適には10重量%の量の電荷添加剤を用いて、AEROSIL(登録商標)等のコロイド状シリカを表面処理し、続いてこれを0.1〜10重量%、好ましくは約0.1〜1重量%の量で、トナーに加えることができる。
【0024】
また、トナー組成物の中に、Allied Chemical and Petrolite Corporation から市販されているポリプロピレン類やポリエチレン類、Eastman Chemical Products, Inc. より市販されているEPOLENE N−15(登録商標)、三洋化成株式会社から入手可能な低重量平均分子量ポリプロピレンVISCOL 550−P(登録商標)等の低分子量ワックス、及び同様の物質を含んでもよい。選択された市販のポリエチレンは約1,000〜約1,500の分子量を有するが、一方トナー組成物に使用される市販のポリプロピレンは約4,000〜約5,000の分子量を有すると考えられる。本発明に有効なポリエチレン及びポリプロピレン組成物の多くは、英国特許第1,442,835号に記載されている。
【0025】
トナー組成物又はポリマー樹脂ビーズの中には任意で低分子量ワックス材料が様々な量で存在するが、一般にはこれらのワックスはトナー組成物の中に約1重量%〜約15重量%、好ましくは約2重量%〜約10重量%の量で存在し、実施の形態において、定着ロール離型剤として機能する。
【0026】
本発明の範囲には、トナー樹脂粒子、キャリヤ粒子、本明細書中に記載の電荷増強添加剤、及び顔料又は着色剤としてレッド、ブルー、グリーン、ブラウン、マゼンタ、シアン、及び/又はイエローの粒子、及びこれらの混合物を含む、着色トナー及び現像剤組成物が含まれる。更に詳細には、電荷増強添加剤を有する現像剤組成物を用いたカラー画像の生成に関して、顔料として選択され得るマゼンタ材料の具体的な例としては、例えば2,9−ジメチル−置換キナクリドン及びアントラキノン染料(カラーインデックスではCI 60710,CI分散レッド15として特定される)、ジアゾ染料(カラーインデックスではCI 26050,CIソルベントレッド19として特定される)等が挙げられる。顔料として使用することができるシアン材料の具体的な例としては、テトラ−4−(オクタデシルスルホンアミド)銅フタロシアニン、カラーインデックスにCI 74160,CIピグメントブルーとしてリストに挙げられているX−銅フタロシアニン顔料、及びアントラスレンブルー(カラーインデックスにおいてCI 69810,スペシャルブルーX−2137として特定)等が含まれる。また、選択され得るイエロー顔料の具体的な例としては、ジアリーリドイエロー3,3−ジクロロベンジデンアセトアセトアニリド、モノアゾ顔料(カラーインデックスにおいてCI 12700,CIソルベントイエロー16として特定される)、ニトロフェニルアミンスルホンアミド(カラーインデックスではフォロンイエローSE/GLN,CIディスパーズドイエロー33として特定される)、2,5−ジメトキシ−4−スルホンアニリド、フェニルアゾ−4’−クロロ−2,5−ジメトキシアセトアセトアニリド、及びパーマネントイエローFGLが挙げられる。先述の顔料は様々な適切な有効量(例えば樹脂粒子の重量に基づいて約2重量%〜約15重量%)でトナー組成物の中に加えられる。
【0027】
現像剤組成物を調合するために、トナー粒子にキャリヤ成分、特に摩擦電気的にトナー組成物の極性と反対の極性をとることができる成分を混合する。キャリヤ粒子の具体的な例には、ストロンチウムフェライト、バリウムフェライト、鉛フェライト、コバルトフェライト、及びこれらの混合物等の硬磁性フェライト、及び第一鉄フェライト、マンガンフェライト、ニッケルフェライト、銅フェライト、マグネシウムフェライト等、及びこれらの混合物等の軟磁性フェライト、及びこれらと亜鉛フェライト等の非磁性酸化物との混合物が含まれ、これらのキャリヤ粒子は好ましくは本明細書に記載されたように、具体的には亜鉛蒸気等の金属とフェライトとの反応により得られる。
【0028】
選択されたキャリヤ粒子は、コーティングしてもしなくても使用することができる。コーティングは一般にはスチレン、メチルメタクリレート、及びトリエトキシシラン等のシランのターポリマーを含む(米国特許第3,526,533号、第4,937,166号、及び第4,935,326号を参照のこと。例えばカイナー(KYNAR、登録商標)とポリメチルメタクリレートの40/60の混合物が含まれる)。コーティングの重量は本明細書に記載されたように様々であるが、一般には約0.3〜約2、好ましくは約0.5〜約1.5重量%のコーティング重量が選択される。
【0029】
更に、キャリヤ粒子(好ましくは球形)の直径は一般には約20ミクロン〜約300ミクロンであり、実施の形態においては約60〜約95、より好ましくは約75ミクロンである。キャリヤ成分はトナー組成物と様々な適切な組合せで混合することができるが、約100重量部のキャリヤに対して約2〜15重量部のトナーを選択すると好適な結果が得られる。
【0030】
本発明のトナー組成物は、本明細書に示すような多くの既知の方法によって調製することができる。例えば、トナー樹脂粒子、顔料粒子、又は着色剤と、電荷増強添加剤を押し出し溶融ブレンドし、続いて機械的に粉砕する方法がある。他の方法としては、スプレードライ、溶融分散、エマルジョン凝集、及び押し出しプロセス等の、当技術においてよく知られた方法がある。また、本明細書中に記載されたように、バルクのトナーの中に電荷増強添加剤の入っていないトナー組成物を調製し、次に電荷添加剤で表面処理したコロイドシリカを添加することができる。
【0031】
トナー及び現像剤組成物は、受光体が正又は負に帯電することができるのであれば、中に一般の受光体を含む静電写真画像形成装置に使用することができる。従って、トナー及び現像剤組成物は、米国特許第4,265,990号(当該特許の開示内容は本明細書中に参考として全て組み込まれる)に記載されたような負帯電されることできる積層受光体に使用することができる。画像形成及びプリントプロセスに使用され得る無機材料受光体の具体的な例としては、セレン、セレンひ素やセレンテルル等のセレン合金、ハロゲンをドーピングしたセレン基体、及びハロゲンをドーピングしたセレン合金が挙げられる。
【0032】
トナー組成物は、約5〜約25ミクロン、より好ましくは約8〜約12ミクロンの好適な平均粒子径を有するトナー粒子を可能にするために、調製された後に通常は噴射及び分級される。また、トナー組成物は既知のチャージスペクトログラフによって求めた場合、好ましくは1ミクロン当たり約0.1〜約2フェムトクーロンの摩擦帯電電荷を有する。トナーの混合時間は既知のチャージスペクトログラフによって求めた場合、好ましくは約5秒〜1分、より具体的には約5〜約15秒である。高速混合特性を有するこれらのトナー組成物により、例えば電子写真画像形成装置において、幾つかの例においては高速なトナー供給速度、例えば1分当たり20gを超える速度でさえ、実質的に地肌部分に汚れのない画像を現像することができるようになる。更に、このようなトナー組成物は高速電子写真装置(1分当たり70枚を超えるコピー速度)に使用することができる。
【0033】
本発明に基づく現像剤は、当技術で知られている現像サブシステム(軟磁性酸化物キャリヤコアを用いる一般の磁気ブラシ又は硬磁性酸化物キャリヤを用いる回転内部多極磁石アセンブリを含む磁気ブラシ装置のどちらでもよい)に使用することができる。
【0034】
以下の実施例の中で本発明について更に述べるが、これらの実施例は限定的なものではなく例示的なものであって、本発明をこれらの実施例の中に記載された材料、条件、処理パラメータ等に限定することを意図するものではないことを理解されたい。特に示さない限り、部、パーセントは重量によって示される。
【0035】
【実施例】
実施例I
キャリヤコア粒子の導電性測定:キャリヤコアの抵抗率、又は同様にその導電性を測定するために、改造したペレットプレスを使用した。この装置はピストン、ピストンのためのハウジング、及びこのハウジングを支持する基体を含む。粒子サンプルを収容するために絶縁スリーブが備えられ、プレスピストン及び基体を互いに電気的に絶縁させ、オーム計を挟んで接続した。キャリヤサンプルをプレスの中に入れ、約100psiの圧力のもとに直径D及び高さhのシリンダの中へと圧縮した。シリンダの寸法及びサンプルの抵抗Rを記録した。コア材料の等価抵抗率は以下の式に従って計算された。
【数1】
【0036】
得られた充填層の抵抗率は、キャリヤビーズ同士の接触抵抗のために、キャリヤコア材料のバルク抵抗率より高かった。従って、コア材料のバルク抵抗率よりも充填層抵抗率のほうが現像剤層の電気特性をおそらくより特徴付ける。この測定方法を用いて、軟ニッケル−亜鉛フェライトキャリヤコアの未処理サンプル(ゼロックスコーポレーションモデル9200複写機用のキャリヤを調製するために使用される)の充填層抵抗率は8×107 ohm−cmを超えており、オーム計の範囲を超えるために測定不可能な高い数値であった。実施例III に記載された亜鉛処理の後、同じフェライトの充填層抵抗率は約16ohm−cm未満であった。
【0037】
実施例 II
亜鉛処理された硬磁性キャリヤコア粒子の調製:回転リブ付きの容量2lのフラスコの中に、ストロンチウムフェライトキャリヤコア(カリフォルニア州サンノゼのFDKアメリカ社より入手可能なFDK−30ミクロン公称径)500g及び亜鉛粉末25g(アルドリッチケミカル社(Aldrich Chemical Co.)より入手可能な325mesh)を入れた。アルゴンの正圧のもと、この混合物を30分間ブレンドし、約30分かけて400°Cまで加熱し、約60分の間500°Cで加熱し、最後に室温(約25°C)にまで冷ました。この実施例に使用した装置は改良された回転蒸発装置からなり、改良された温度調節炉の中には丸底フラスコが収容されていた。得られた生成物を走査型電子顕微鏡で検査すると、ほぼ全ての亜鉛粉末が見かけの反応又はキャリヤコア粒子の表面への蒸着によって消費されていた。後処理や分離は必要では無かった。反対に、あらゆる金属を蒸着させるのに失敗したのに加え、液体溶液からキャリヤ粒子に金属ニッケルを無電解メッキする試みは、処理が難しく且つ加工しにくいスラッジ材料が生成されるという結果に終わった。
【0038】
加熱処理の後に、過剰亜鉛粉末から始めて遊離する残留亜鉛が残らなくなるまで過剰レベルを規則的に減らして試験を繰り返すことにより、金属亜鉛粉末の重量フラクションを測定した。亜鉛の融点の直ぐ下の温度である400°Cで金属亜鉛粉末は大きな蒸気圧を有するという主な理由のため、400°Cの温度を選択した。従って、蒸気として反応することは可能であるが、大きな低表面積の固まりに溶融することはできない。得られた亜鉛処理粒子の充填層抵抗率の減少が観測された後に、この手順に500°Cの加熱間隔を導入した。亜鉛処理したキャリヤコア粒子の充填層抵抗率を実施例Iの方法によって測定すると、約70ohm−cmであった。処理されたコア粒子のサンプル10gを約2,000ガウスの磁場の中で磁化すると、永久に磁化されたことが分かった。これは、自由流動する粉末から濡れた砂と同じぐらいの軟度を有する粉末へと変態が起こったことによって示される。
【0039】
実施例 III
亜鉛処理された軟磁性キャリヤコア粒子の調製:ゼロックスモデル9200複写機用のキャリヤを作るのに使用される軟磁性ニッケル−亜鉛フェライトキャリヤコア(粒子の公称径が100ミクロン)100gと亜鉛粉末5gを、実施例IIのプロセス及び装置によって一緒に処理した。得られたキャリヤコア粒子の充填層抵抗率を実施例Iの方法によって測定すると、16ohm−cmであった。処理されたコア材料を用いて優れた磁気ブラシを形成するためのフェライト現像剤ロール磁石を観察した。亜鉛蒸気処理によっては見かけ上、磁気特性の大きな損失は見られなかった。理論によって限定したい訳ではないが、処理されたFDKフェライトに比べて充填層抵抗率が低いほど、FDKフェライトの多孔率が比較的大きくなることに起因し、これはより多くの亜鉛を消費し、この処理によって形成された導電性表面を部分的に遮断する傾向があると考えられる。また、少孔性コアの場合は低亜鉛重量フラクションを使用することができると考えられる。
【0040】
実施例IV
亜鉛処理されたコア粒子の電気的安定性の評価:熱い亜鉛蒸気を用いて処理すると、約108 オームcmより大きいフェライトキャリヤコア粒子の充填層抵抗率が約103 オームcm未満に変化した。理論によって限定する訳ではないが、亜鉛処理はおそらく電荷保持電子の数密度を増大させることによって導電性を増大させ、これにより酸化が反応過程を次第に反転させると考えられる。これは観測されたがその程度は制限されたものであった。実験結果は、環境温度に保たれたキャリヤサンプルがまず導電性を失い、次に実際のゼログラフィでは電気的に導電性のある値で安定したことを示した。例えば実施例IIのプロセスに従って亜鉛処理されたキャリヤの一部を環境実験室条件に放置し、実施例Iに記載した充填層抵抗測定によって定期的に測定した。充填層抵抗率は約200ohm−cmから始まり、30日後には約1,000ohm−cmに増加し、約60日を過ぎても約1,000ohm−cmのままであった。この結果は、導電性被覆に対する累進的な酸化作用と一致する。従って、テスト期間中、実験室環境条件に維持されたキャリヤは安定化したように見えた。200°Cで湿気を含む空気中にサンプルを保持したときだけ、導電性の損失が誘発され、これが60日以上続いた。更に、これらのキャリヤコアの多孔性は、作用の受けやすさを増加させ、少孔性キャリヤコアはより安定になる考えられる。
【0041】
実施例V
亜鉛処理されたキャリヤ粒子の磁気特性:FDKコアの未処理のサンプル及び実施例IIの方法に従って処理されたサンプルを、ニュージャージー州プリンストンのプリンストンアプライドリサーチより入手可能な振動サンプル磁力計(VSM)の中で測定した。処理によって残留磁気が約2.5キロガウスから約1キロガウスに減少し、飽和磁気は1g当たり約32emuから1g当たり約23emuに減少したことが観測された。従って、処理されたコアは、有効に磁化されたと見なされるに十分な程度磁化され、その残留磁気は全てを非常に強い現像剤磁石の中の磁気を保つに十分であった。必要であれば、少孔性コア、低亜鉛重量フラクション、高いコア抵抗率、またはこれらの組合せを指定することによって、より高い残留電位に変換されることもできるであろう。
【0042】
実施例VI
亜鉛処理されたキャリヤ粒子のゼログラフィック性能:調製に使用したキャリヤ以外は同じ成分及び同じ量の2つのゼログラフィック現像剤A及びBを調製した。現像剤Aの中のキャリヤは磁化された、無被覆の未処理FDK30ミクロンフェライトであり、現像剤Bの中のキャリヤは磁化された、無被覆の、実施例IIの方法に従って処理されたFDK30ミクロンフェライトであった。この実施例のトナーは顔料を入れたポリエステルであり、このポリエステルは、例えばビスフェノール化合物とジカルボン酸の線状ポリエステルであり、例えばスチレンで30%のゲル含量まで架橋され、非架橋樹脂を混ぜて5%ゲル含量まで下げられる。樹脂の粒子サイズを公称径7ミクロンにサイズ調整し、既知の表面添加剤(約1重量%の疎水性シリカ及び0.3重量%のステアリン酸亜鉛)を用いて処理した。これらの現像剤を両方とも、約10%のトナー濃度で混合すると、1g当たり約−21マイクロクーロンの値のトナー摩擦帯電値を有しており、亜鉛処理がトナー帯電を妨げなかったことを示した。硬磁性2成分現像剤における摩擦帯電値を測定する方法は当該技術において知られている(例えばミスキニス(Miskinis)等の米国特許第4,546,060号を参照。当該特許の開示内容は本明細書中に参考として全て組み込まれる)。例えば、この実施例の現像装置は、アレクサンドロビッチ(Alexandrovich )等の米国特許第5,409,791号に記載された装置と似たものである。最初に現像剤シェル及び画像形成部材を約700ミクロン離間し、これらの間に加えられるAC電圧は2kHzでピークからピークまで約2,000Vであった。画像形成部材の速度は約12インチ/秒であり、現像電圧は約400V、及びバックグラウンド電圧は約−130Vであった。静電画像を両方の現像剤で現像した。現像剤Bは、現像剤ベッドから画像形成部材へのACの電気的絶縁破壊に起因する多数の画像スポットが生ずるのが観察され、亜鉛処理したコアを用いた現像剤Bは、 現像ゾーンを通って移動する細部画像を追従するのに十分速い2kHzでの有効な導電性を有するが、一方未処理コアを用いた現像剤Aはそうでは無かったことを示している。AC電圧を次に下げると画像スポットがなくなるのが観察された。
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般に、ゼログラフィックキャリヤ組成物及びその調製及び使用方法に関する。更に詳細には、本発明は、フェライトキャリヤコア粒子を亜鉛蒸気にさらし、主な結果として処理されたキャリヤ粒子の電気抵抗率が低下して反対に導電性が増すようにこのコア粒子が処理された、キャリヤ及び現像剤組成物に関する。本発明の処理されたキャリヤ粒子は、実施の形態において、例えばゼログラフィック現像剤及び現像システムにおいて有用な様々な磁気現像剤組成物において、改良された現像特性を提供する。
【0002】
【従来の技術】
米国特許第4,546,060号及び第4,764,445号には硬フェライト磁気キャリヤ粒子について、第3,839,029号には静電写真画像形成プロセスについてそれぞれ開示されており、これらの特許は本明細書中に参考として組み込まれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
様々なトナー組成物(特にカラー用途)に使用するのに適した、高導電性特性を有し、電気抵抗が低く且つ現像特性の高い改良された現像剤組成物を与える、無被覆及びポリマー被覆フェライトキャリヤ組成物が依然として必要とされている。
【0004】
また、容易且つ経済的に調製することができ、環境安定性が高く、様々なトナー組成物に適合することができ、及び通常の方法を用いてキャリヤを処理することができる、高導電性キャリヤ組成物もいまだ必要とされている。また、高速磁気現像システムで使用するのに適した導電性キャリヤ組成物に対する必要性も残っている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の態様は、亜鉛蒸気と磁性酸化物との反応生成物からなるコーティングが施された磁性酸化物からなるコアを含むキャリヤ組成物である。
【0006】
本発明の第二の態様は、導電性磁性酸化物キャリヤ粒子の調製方法であって、磁性酸化物キャリヤコア粒子と金属亜鉛との混合物を不活性雰囲気中で加熱するステップを含み、これにより導電性キャリヤコア粒子を得る、導電性磁性酸化物キャリヤ粒子の調製方法である。
【0007】
本発明の第三の態様は、帯電トナー粒子及びこれと反対の極性に帯電されたキャリヤ粒子からなる乾式2成分現像剤組成物に画像を接触させるステップを含み、前記キャリヤ粒子が、亜鉛蒸気及び磁性酸化物の反応生成物からなるコーティングが施された前記磁性酸化物からなるコアを含む、静電画像の現像方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の被覆キャリヤ組成物及びその調製方法は、様々な2成分微粒子現像剤材料に有用である。本発明の利点は、その被覆キャリヤ組成物及びその調製方法により、得られる現像剤の導電率特性についての処方上の制御を与えることによって、様々な2成分現像剤ハウジング構造及び現像プロセスにおいて現像剤が改良された現像特性を有することを可能にすることである。
【0009】
亜鉛蒸気及び磁性酸化物の反応生成物からなるコーティングを施された、磁性酸化物からなるコア粒子を含むキャリヤ組成物が提供される。実施の形態において、コーティングされるべきコア粒子の量に対して選択される金属亜鉛の量、温度、及びコーティング処理の時間によっては、コーティングは、亜鉛蒸気と酸化金属表面種との反応生成物とともに、金属亜鉛を共蒸着させた層からなってもよい。
【0010】
金属改質又は被覆されたコア粒子は、キャリヤ粒子の現像特性及び性質を更に強化するために少なくとも1つのポリマーでキャリヤ組成物をコーティングしてもよい。ポリマー被覆キャリヤは、必要であれば、ポリマーコーティングの中に少量の導電性添加物を含むこともできる。導電性添加物には、例えばカーボンブラック等の導電性顔料、細かく粉砕された鉄や銅等の金属微粒子、及びポリチオフェンやポリフェニレン等の高導電性有機ポリマー等が含まれる。カーボンブラックの量は一般には約10%〜約30%であり、好適には約20%である。他の導電性添加剤の量は、その添加剤のカーボンブラックに対する密度及び周辺ポリマー中の連結構造を形成する能力を調整した後で、同じになるようにする。
【0011】
コア粒子として選択される磁性酸化物は、例えばストロンチウムフェライト、バリウムフェライト、鉛フェライト、コバルトフェライト等、及びこれらの混合物等の、硬磁性フェライト物質であってもよい。或いは、選択される磁性酸化物は例えば第一鉄フェライト、マンガンフェライト、ニッケルフェライト、銅フェライト、マグネシウムフェライト、亜鉛フェライト等、及びこれらの混合物等の、軟磁性フェライト物質であってもよい。更に他の実施の形態において、選択されるコア粒子は、硬磁性フェライト物質及び軟磁性フェライト物質の混合物(重量比は約10:90〜約90:10)であってもよい。
【0012】
コア粒子の被覆処理に使用するために選択される金属亜鉛に対する重量比は、約99.5:1〜約90:10の範囲であってもよく、好ましくはコア粒子の重量に対して亜鉛は約0.5〜約10重量%の量で使用される。得られる導電性コーティングの厚みは約0.01〜約10ミクロンであるが、コア粒子に対して選択される金属亜鉛の量、蒸着処理の程度と時間、及びこの様なパラメータに依って異なる。得られる処理済みのキャリヤコア粒子は導電性であり、約10-1〜約105 ohm−cmより小さな、好ましくは約10-1〜約103 ohm−cm以下の充填層抵抗率を示す。
【0013】
亜鉛蒸気及び磁性酸化物の反応生成物からなるコーティングを施された磁性酸化物からなるコア粒子を含むキャリヤ組成物、及び顔料と樹脂を含むトナーを含む、現像剤組成物が提供される。
【0014】
窒素又はアルゴン等の不活性雰囲気中で金属亜鉛と磁性酸化物キャリヤコア粒子との混合物を加熱するステップを含み、これにより導電性キャリヤコア粒子を生成する、導電性磁性酸化物キャリヤ粒子の調製方法が提供される。この加熱は例えば約350〜約550°Cの有効温度で、例えば約1分〜約24時間、好適には約5分〜約2時間の有効時間のあいだ、行われる。選択される温度及び時間は、蒸着被覆処理が行われる規模によって異なっても良い。
【0015】
本明細書中に記載されたように、得られた金属改質導電性粒子を、少なくとも1つのポリマー樹脂(実施の形態においては例えば2〜約5つのポリマー樹脂が選択される)によって被覆することによって更に改質することができる。ポリマー被覆は任意で本明細書に記載されたような導電性添加物を含んでもよい。
【0016】
本発明は、帯電トナー粒子と、亜鉛蒸気と磁性酸化物との反応生成物からなるコーティングを施された磁性酸化物からなるコア粒子を含む反対の極性に帯電したキャリヤ粒子とを含む乾式2成分現像剤組成物と、静電画像を接触させるステップを含む、静電画像を現像するための方法に関する。理論で限定する訳ではないが、コア粒子の表面上の亜鉛蒸気と磁性酸化物との反応生成物は、金属鉄又は金属亜鉛及び表面金属酸化物の複合物又はスラグである。磁性酸化物は硬又は軟フェライト材料であり、この上のコーティングは約0.01〜約5重量%の亜鉛を含む。現像剤混合物は例えば約1部のトナー粒子及び約10〜約200重量部のキャリヤ粒子を含む。
【0017】
トナー組成物は、多くの既知の方法によって調製することができる。例えば、Werner Pfleiderer から入手可能なZSK53等のトナー押し出し装置の中で、本発明のプロセスによって得られた樹脂粒子(例えば水溶性又は水不溶性スチレンブタジエンコポリマー)、顔料粒子(マグネタイト、カーボンブラック、又はこれらの混合物等、及びシアン、イエロー、マゼンタ、グリーン、ブラウン、レッド、又はこれらの混合物)、及び好ましくは約0.5〜約5%の電荷増強添加剤を混合及び加熱し、形成されたトナー組成物をこの装置から取り出す方法がある。冷却したあと、トナー組成物を例えばSturtevantミクロナイザーを用いて粉砕し、トナー粒子の体積中央径を約25ミクロン未満、好ましくは約6〜約12ミクロンにする。この中央径はコールターカウンター(Coulter Counter )によって測定される。続いて、例えばDonaldson Model B 分級装置を用いてトナー組成物を分級し、過小トナー(体積中央径が約4ミクロン未満のトナー粒子)を取り除くことができる。
【0018】
本発明のトナー及び現像剤組成物に適した樹脂の例には、好ましくは以下の熱可塑性樹脂が含まれる。分岐構造を有するスチレンアクリレート類、スチレンメタクリレート類、スチレンブタジエン類、ビニル樹脂類(分岐構造を有するホモポリマー及び2つまたはそれ以上のビニルモノマーからなるコポリマーが含まれ、ビニルモノマーには、スチレン、p−クロロスチレン、ブタジエン、イソプレン、及びミルセンが含まれる)、モノカルボン酸類のエステルのようなビニルエステル類(メチルアクリレート、エチルメタクリレート及びブチルメタクリレートが含まれる)、アクリロニトリル、アクリルアミド等。好適なトナー樹脂には、スチレンブタジエンコポリマーやその混合物等が含まれる。他の好適なトナー樹脂には、スチレン/n−ブチルアクリレートコポリマーPLIOLITES(登録商標)、懸濁重合スチレンブタジエン(米国特許第4,558,108号を参照)が含まれる。
【0019】
トナー組成物の中に、樹脂の粒子は十分且つ有効量、例えば約70〜約90重量%存在する。従って、トナー組成物の中に1重量%の電荷増強添加剤が存在し、10重量%の顔料又は着色剤(カーボンブラック等)が含まれる場合、約89重量%の樹脂が選択される。また、電荷増強添加剤を顔料粒子にコーティングしてもよい。コーティングとして使用される場合、電荷増強添加剤は約0.1重量%〜約5重量%、好ましくは約0.3重量%〜約1重量%存在する。
【0020】
例えば、REGAL330(登録商標)等のカーボンブラック、ニグロシン染料、アニリンブルー、マグネタイト、又はこれらの混合物等を含む多くの良く知られた好適な顔料又は染料を、トナー粒子の着色剤として選択することができる。顔料(好適にはカーボンブラック)はトナー組成物を濃く着色するのに十分な量存在すべきである。一般に、顔料粒子はトナー組成物の全重量に基づいて約1〜約20重量%、好ましくは約2〜約10重量%存在するが、顔料粒子の量はこれより少なくても多くてもよい。
【0021】
顔料粒子がマグネタイトからなる場合(マグネタイトはMAPICO BLACK(登録商標)等のような市販されているものを含む酸化鉄(FeO・Fe2 O3 )の混合物)、トナー組成物中に顔料粒子は約10重量%〜約70重量%、好ましくは約10重量%〜約50重量%の量で存在する。約1〜約15重量%のカーボンブラック、好ましくは約2〜約6重量%のカーボンブラックと、約5〜約60重量%、好ましくは約10〜約50重量%の量のMAPICO BLACK(登録商標)等のマグネタイトを含む、カーボンブラックとマグネタイトとの混合物を選択することができる。
【0022】
本発明のトナー組成物に、流動性促進添加剤(通常トナー表面上に存在する)を含む外添剤粒子をブレンドすることもできる。これらの添加剤の例には、AEROSIL(登録商標)等のコロイド状シリカ、金属塩、及びステアリン酸亜鉛を含む脂肪酸の金属塩、酸化アルミニウム、酸化セリウム、及びこれらの混合物等の金属酸化物等が含まれ、これらの添加剤は、一般に例えば約0.1〜約5重量%、好適には約0.1重量%〜約1重量%の量で存在する。先述の添加剤の幾つかは、米国特許第3,590,000号及び第3,800,588号に記載されている。
【0023】
本発明に関しては更に、約1〜約30重量%、好適には10重量%の量の電荷添加剤を用いて、AEROSIL(登録商標)等のコロイド状シリカを表面処理し、続いてこれを0.1〜10重量%、好ましくは約0.1〜1重量%の量で、トナーに加えることができる。
【0024】
また、トナー組成物の中に、Allied Chemical and Petrolite Corporation から市販されているポリプロピレン類やポリエチレン類、Eastman Chemical Products, Inc. より市販されているEPOLENE N−15(登録商標)、三洋化成株式会社から入手可能な低重量平均分子量ポリプロピレンVISCOL 550−P(登録商標)等の低分子量ワックス、及び同様の物質を含んでもよい。選択された市販のポリエチレンは約1,000〜約1,500の分子量を有するが、一方トナー組成物に使用される市販のポリプロピレンは約4,000〜約5,000の分子量を有すると考えられる。本発明に有効なポリエチレン及びポリプロピレン組成物の多くは、英国特許第1,442,835号に記載されている。
【0025】
トナー組成物又はポリマー樹脂ビーズの中には任意で低分子量ワックス材料が様々な量で存在するが、一般にはこれらのワックスはトナー組成物の中に約1重量%〜約15重量%、好ましくは約2重量%〜約10重量%の量で存在し、実施の形態において、定着ロール離型剤として機能する。
【0026】
本発明の範囲には、トナー樹脂粒子、キャリヤ粒子、本明細書中に記載の電荷増強添加剤、及び顔料又は着色剤としてレッド、ブルー、グリーン、ブラウン、マゼンタ、シアン、及び/又はイエローの粒子、及びこれらの混合物を含む、着色トナー及び現像剤組成物が含まれる。更に詳細には、電荷増強添加剤を有する現像剤組成物を用いたカラー画像の生成に関して、顔料として選択され得るマゼンタ材料の具体的な例としては、例えば2,9−ジメチル−置換キナクリドン及びアントラキノン染料(カラーインデックスではCI 60710,CI分散レッド15として特定される)、ジアゾ染料(カラーインデックスではCI 26050,CIソルベントレッド19として特定される)等が挙げられる。顔料として使用することができるシアン材料の具体的な例としては、テトラ−4−(オクタデシルスルホンアミド)銅フタロシアニン、カラーインデックスにCI 74160,CIピグメントブルーとしてリストに挙げられているX−銅フタロシアニン顔料、及びアントラスレンブルー(カラーインデックスにおいてCI 69810,スペシャルブルーX−2137として特定)等が含まれる。また、選択され得るイエロー顔料の具体的な例としては、ジアリーリドイエロー3,3−ジクロロベンジデンアセトアセトアニリド、モノアゾ顔料(カラーインデックスにおいてCI 12700,CIソルベントイエロー16として特定される)、ニトロフェニルアミンスルホンアミド(カラーインデックスではフォロンイエローSE/GLN,CIディスパーズドイエロー33として特定される)、2,5−ジメトキシ−4−スルホンアニリド、フェニルアゾ−4’−クロロ−2,5−ジメトキシアセトアセトアニリド、及びパーマネントイエローFGLが挙げられる。先述の顔料は様々な適切な有効量(例えば樹脂粒子の重量に基づいて約2重量%〜約15重量%)でトナー組成物の中に加えられる。
【0027】
現像剤組成物を調合するために、トナー粒子にキャリヤ成分、特に摩擦電気的にトナー組成物の極性と反対の極性をとることができる成分を混合する。キャリヤ粒子の具体的な例には、ストロンチウムフェライト、バリウムフェライト、鉛フェライト、コバルトフェライト、及びこれらの混合物等の硬磁性フェライト、及び第一鉄フェライト、マンガンフェライト、ニッケルフェライト、銅フェライト、マグネシウムフェライト等、及びこれらの混合物等の軟磁性フェライト、及びこれらと亜鉛フェライト等の非磁性酸化物との混合物が含まれ、これらのキャリヤ粒子は好ましくは本明細書に記載されたように、具体的には亜鉛蒸気等の金属とフェライトとの反応により得られる。
【0028】
選択されたキャリヤ粒子は、コーティングしてもしなくても使用することができる。コーティングは一般にはスチレン、メチルメタクリレート、及びトリエトキシシラン等のシランのターポリマーを含む(米国特許第3,526,533号、第4,937,166号、及び第4,935,326号を参照のこと。例えばカイナー(KYNAR、登録商標)とポリメチルメタクリレートの40/60の混合物が含まれる)。コーティングの重量は本明細書に記載されたように様々であるが、一般には約0.3〜約2、好ましくは約0.5〜約1.5重量%のコーティング重量が選択される。
【0029】
更に、キャリヤ粒子(好ましくは球形)の直径は一般には約20ミクロン〜約300ミクロンであり、実施の形態においては約60〜約95、より好ましくは約75ミクロンである。キャリヤ成分はトナー組成物と様々な適切な組合せで混合することができるが、約100重量部のキャリヤに対して約2〜15重量部のトナーを選択すると好適な結果が得られる。
【0030】
本発明のトナー組成物は、本明細書に示すような多くの既知の方法によって調製することができる。例えば、トナー樹脂粒子、顔料粒子、又は着色剤と、電荷増強添加剤を押し出し溶融ブレンドし、続いて機械的に粉砕する方法がある。他の方法としては、スプレードライ、溶融分散、エマルジョン凝集、及び押し出しプロセス等の、当技術においてよく知られた方法がある。また、本明細書中に記載されたように、バルクのトナーの中に電荷増強添加剤の入っていないトナー組成物を調製し、次に電荷添加剤で表面処理したコロイドシリカを添加することができる。
【0031】
トナー及び現像剤組成物は、受光体が正又は負に帯電することができるのであれば、中に一般の受光体を含む静電写真画像形成装置に使用することができる。従って、トナー及び現像剤組成物は、米国特許第4,265,990号(当該特許の開示内容は本明細書中に参考として全て組み込まれる)に記載されたような負帯電されることできる積層受光体に使用することができる。画像形成及びプリントプロセスに使用され得る無機材料受光体の具体的な例としては、セレン、セレンひ素やセレンテルル等のセレン合金、ハロゲンをドーピングしたセレン基体、及びハロゲンをドーピングしたセレン合金が挙げられる。
【0032】
トナー組成物は、約5〜約25ミクロン、より好ましくは約8〜約12ミクロンの好適な平均粒子径を有するトナー粒子を可能にするために、調製された後に通常は噴射及び分級される。また、トナー組成物は既知のチャージスペクトログラフによって求めた場合、好ましくは1ミクロン当たり約0.1〜約2フェムトクーロンの摩擦帯電電荷を有する。トナーの混合時間は既知のチャージスペクトログラフによって求めた場合、好ましくは約5秒〜1分、より具体的には約5〜約15秒である。高速混合特性を有するこれらのトナー組成物により、例えば電子写真画像形成装置において、幾つかの例においては高速なトナー供給速度、例えば1分当たり20gを超える速度でさえ、実質的に地肌部分に汚れのない画像を現像することができるようになる。更に、このようなトナー組成物は高速電子写真装置(1分当たり70枚を超えるコピー速度)に使用することができる。
【0033】
本発明に基づく現像剤は、当技術で知られている現像サブシステム(軟磁性酸化物キャリヤコアを用いる一般の磁気ブラシ又は硬磁性酸化物キャリヤを用いる回転内部多極磁石アセンブリを含む磁気ブラシ装置のどちらでもよい)に使用することができる。
【0034】
以下の実施例の中で本発明について更に述べるが、これらの実施例は限定的なものではなく例示的なものであって、本発明をこれらの実施例の中に記載された材料、条件、処理パラメータ等に限定することを意図するものではないことを理解されたい。特に示さない限り、部、パーセントは重量によって示される。
【0035】
【実施例】
実施例I
キャリヤコア粒子の導電性測定:キャリヤコアの抵抗率、又は同様にその導電性を測定するために、改造したペレットプレスを使用した。この装置はピストン、ピストンのためのハウジング、及びこのハウジングを支持する基体を含む。粒子サンプルを収容するために絶縁スリーブが備えられ、プレスピストン及び基体を互いに電気的に絶縁させ、オーム計を挟んで接続した。キャリヤサンプルをプレスの中に入れ、約100psiの圧力のもとに直径D及び高さhのシリンダの中へと圧縮した。シリンダの寸法及びサンプルの抵抗Rを記録した。コア材料の等価抵抗率は以下の式に従って計算された。
【数1】
【0036】
得られた充填層の抵抗率は、キャリヤビーズ同士の接触抵抗のために、キャリヤコア材料のバルク抵抗率より高かった。従って、コア材料のバルク抵抗率よりも充填層抵抗率のほうが現像剤層の電気特性をおそらくより特徴付ける。この測定方法を用いて、軟ニッケル−亜鉛フェライトキャリヤコアの未処理サンプル(ゼロックスコーポレーションモデル9200複写機用のキャリヤを調製するために使用される)の充填層抵抗率は8×107 ohm−cmを超えており、オーム計の範囲を超えるために測定不可能な高い数値であった。実施例III に記載された亜鉛処理の後、同じフェライトの充填層抵抗率は約16ohm−cm未満であった。
【0037】
実施例 II
亜鉛処理された硬磁性キャリヤコア粒子の調製:回転リブ付きの容量2lのフラスコの中に、ストロンチウムフェライトキャリヤコア(カリフォルニア州サンノゼのFDKアメリカ社より入手可能なFDK−30ミクロン公称径)500g及び亜鉛粉末25g(アルドリッチケミカル社(Aldrich Chemical Co.)より入手可能な325mesh)を入れた。アルゴンの正圧のもと、この混合物を30分間ブレンドし、約30分かけて400°Cまで加熱し、約60分の間500°Cで加熱し、最後に室温(約25°C)にまで冷ました。この実施例に使用した装置は改良された回転蒸発装置からなり、改良された温度調節炉の中には丸底フラスコが収容されていた。得られた生成物を走査型電子顕微鏡で検査すると、ほぼ全ての亜鉛粉末が見かけの反応又はキャリヤコア粒子の表面への蒸着によって消費されていた。後処理や分離は必要では無かった。反対に、あらゆる金属を蒸着させるのに失敗したのに加え、液体溶液からキャリヤ粒子に金属ニッケルを無電解メッキする試みは、処理が難しく且つ加工しにくいスラッジ材料が生成されるという結果に終わった。
【0038】
加熱処理の後に、過剰亜鉛粉末から始めて遊離する残留亜鉛が残らなくなるまで過剰レベルを規則的に減らして試験を繰り返すことにより、金属亜鉛粉末の重量フラクションを測定した。亜鉛の融点の直ぐ下の温度である400°Cで金属亜鉛粉末は大きな蒸気圧を有するという主な理由のため、400°Cの温度を選択した。従って、蒸気として反応することは可能であるが、大きな低表面積の固まりに溶融することはできない。得られた亜鉛処理粒子の充填層抵抗率の減少が観測された後に、この手順に500°Cの加熱間隔を導入した。亜鉛処理したキャリヤコア粒子の充填層抵抗率を実施例Iの方法によって測定すると、約70ohm−cmであった。処理されたコア粒子のサンプル10gを約2,000ガウスの磁場の中で磁化すると、永久に磁化されたことが分かった。これは、自由流動する粉末から濡れた砂と同じぐらいの軟度を有する粉末へと変態が起こったことによって示される。
【0039】
実施例 III
亜鉛処理された軟磁性キャリヤコア粒子の調製:ゼロックスモデル9200複写機用のキャリヤを作るのに使用される軟磁性ニッケル−亜鉛フェライトキャリヤコア(粒子の公称径が100ミクロン)100gと亜鉛粉末5gを、実施例IIのプロセス及び装置によって一緒に処理した。得られたキャリヤコア粒子の充填層抵抗率を実施例Iの方法によって測定すると、16ohm−cmであった。処理されたコア材料を用いて優れた磁気ブラシを形成するためのフェライト現像剤ロール磁石を観察した。亜鉛蒸気処理によっては見かけ上、磁気特性の大きな損失は見られなかった。理論によって限定したい訳ではないが、処理されたFDKフェライトに比べて充填層抵抗率が低いほど、FDKフェライトの多孔率が比較的大きくなることに起因し、これはより多くの亜鉛を消費し、この処理によって形成された導電性表面を部分的に遮断する傾向があると考えられる。また、少孔性コアの場合は低亜鉛重量フラクションを使用することができると考えられる。
【0040】
実施例IV
亜鉛処理されたコア粒子の電気的安定性の評価:熱い亜鉛蒸気を用いて処理すると、約108 オームcmより大きいフェライトキャリヤコア粒子の充填層抵抗率が約103 オームcm未満に変化した。理論によって限定する訳ではないが、亜鉛処理はおそらく電荷保持電子の数密度を増大させることによって導電性を増大させ、これにより酸化が反応過程を次第に反転させると考えられる。これは観測されたがその程度は制限されたものであった。実験結果は、環境温度に保たれたキャリヤサンプルがまず導電性を失い、次に実際のゼログラフィでは電気的に導電性のある値で安定したことを示した。例えば実施例IIのプロセスに従って亜鉛処理されたキャリヤの一部を環境実験室条件に放置し、実施例Iに記載した充填層抵抗測定によって定期的に測定した。充填層抵抗率は約200ohm−cmから始まり、30日後には約1,000ohm−cmに増加し、約60日を過ぎても約1,000ohm−cmのままであった。この結果は、導電性被覆に対する累進的な酸化作用と一致する。従って、テスト期間中、実験室環境条件に維持されたキャリヤは安定化したように見えた。200°Cで湿気を含む空気中にサンプルを保持したときだけ、導電性の損失が誘発され、これが60日以上続いた。更に、これらのキャリヤコアの多孔性は、作用の受けやすさを増加させ、少孔性キャリヤコアはより安定になる考えられる。
【0041】
実施例V
亜鉛処理されたキャリヤ粒子の磁気特性:FDKコアの未処理のサンプル及び実施例IIの方法に従って処理されたサンプルを、ニュージャージー州プリンストンのプリンストンアプライドリサーチより入手可能な振動サンプル磁力計(VSM)の中で測定した。処理によって残留磁気が約2.5キロガウスから約1キロガウスに減少し、飽和磁気は1g当たり約32emuから1g当たり約23emuに減少したことが観測された。従って、処理されたコアは、有効に磁化されたと見なされるに十分な程度磁化され、その残留磁気は全てを非常に強い現像剤磁石の中の磁気を保つに十分であった。必要であれば、少孔性コア、低亜鉛重量フラクション、高いコア抵抗率、またはこれらの組合せを指定することによって、より高い残留電位に変換されることもできるであろう。
【0042】
実施例VI
亜鉛処理されたキャリヤ粒子のゼログラフィック性能:調製に使用したキャリヤ以外は同じ成分及び同じ量の2つのゼログラフィック現像剤A及びBを調製した。現像剤Aの中のキャリヤは磁化された、無被覆の未処理FDK30ミクロンフェライトであり、現像剤Bの中のキャリヤは磁化された、無被覆の、実施例IIの方法に従って処理されたFDK30ミクロンフェライトであった。この実施例のトナーは顔料を入れたポリエステルであり、このポリエステルは、例えばビスフェノール化合物とジカルボン酸の線状ポリエステルであり、例えばスチレンで30%のゲル含量まで架橋され、非架橋樹脂を混ぜて5%ゲル含量まで下げられる。樹脂の粒子サイズを公称径7ミクロンにサイズ調整し、既知の表面添加剤(約1重量%の疎水性シリカ及び0.3重量%のステアリン酸亜鉛)を用いて処理した。これらの現像剤を両方とも、約10%のトナー濃度で混合すると、1g当たり約−21マイクロクーロンの値のトナー摩擦帯電値を有しており、亜鉛処理がトナー帯電を妨げなかったことを示した。硬磁性2成分現像剤における摩擦帯電値を測定する方法は当該技術において知られている(例えばミスキニス(Miskinis)等の米国特許第4,546,060号を参照。当該特許の開示内容は本明細書中に参考として全て組み込まれる)。例えば、この実施例の現像装置は、アレクサンドロビッチ(Alexandrovich )等の米国特許第5,409,791号に記載された装置と似たものである。最初に現像剤シェル及び画像形成部材を約700ミクロン離間し、これらの間に加えられるAC電圧は2kHzでピークからピークまで約2,000Vであった。画像形成部材の速度は約12インチ/秒であり、現像電圧は約400V、及びバックグラウンド電圧は約−130Vであった。静電画像を両方の現像剤で現像した。現像剤Bは、現像剤ベッドから画像形成部材へのACの電気的絶縁破壊に起因する多数の画像スポットが生ずるのが観察され、亜鉛処理したコアを用いた現像剤Bは、 現像ゾーンを通って移動する細部画像を追従するのに十分速い2kHzでの有効な導電性を有するが、一方未処理コアを用いた現像剤Aはそうでは無かったことを示している。AC電圧を次に下げると画像スポットがなくなるのが観察された。
Claims (3)
- 亜鉛蒸気と磁性酸化物との反応生成物からなるコーティングが施された磁性酸化物からなるコアを含むキャリヤ組成物。
- 導電性磁性酸化物キャリヤ粒子の調製方法であって、
磁性酸化物キャリヤコア粒子と亜鉛金属との混合物を不活性雰囲気中で加熱するステップを含み、導電性キャリヤコア粒子が得られる、
導電性磁性酸化物キャリヤ粒子の調製方法。 - 帯電トナー粒子及びこれと反対の極性に帯電されたキャリヤ粒子からなる乾式2成分現像剤組成物に画像を接触させるステップを含み、前記キャリヤ粒子が、亜鉛蒸気及び磁性酸化物の反応生成物からなるコーティングが施された前記磁性酸化物からなるコアを含む、静電画像の現像方法。
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